以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技用装置1の構成を示す正面図である。
遊技用装置1は、遊技機(スロットマシン)2、及び、これに隣接して設けられた記録媒体処理装置としてのカードユニット(カード処理機)3よりなる。
遊技機2は、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル4を備えている。前面パネル4の背面側には、変動表示装置(可変表示装置)を構成する3個のリール(第1リール5a、第2リール5b、第3リール5c)が、回転自在に並んで配置されている。各リール5a〜5cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表記されている。リール5a〜5cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立して回転する。リール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(5Ma〜5Mc(図2))で構成される。そして、遊技機2は、リール5a〜5cの回転によって変動表示ゲームが行われ、変動表示の停止結果が、後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、所定の遊技価値を遊技者に付与する。
前面パネル4の略中央には、リール5a〜5cの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部6が設けられている。リール5a〜5cが停止すると、表示窓部6から、リール5a〜5cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール5a〜5cが停止した状態で、表示窓部6から合計9個の図柄を視認することができる。
表示窓部6の上方には、補助ゲームが実行され、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う表示装置7が設けられている。表示装置7は、遊技機2とカードユニット3との接続状態に異常が発生した場合に、表示領域にその旨を表示する。表示装置7は表示制御装置260(図2)によって制御され、表示内容を変動する。なお、補助ゲームは、特定の結果を導出することで、変動表示ゲームにおいて特定入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知することができる。
表示装置7の上方の左右には、音出力装置8としてのスピーカが設けられる。スピーカは、音制御装置270(図2)によって制御され、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
表示窓部6の下方には、7セグメントLED又は液晶ディスプレイよりなる払出枚数表示部9、遊技進行表示部10及びクレジット数表示部11が設けられている。払出枚数表示部9は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数、又は、後述の貸出ボタン13の操作によって遊技者へ貸し出されるメダルの払出枚数を表示する。また、払出枚数表示部9は、遊技機2の動作に異常(例えば、遊技機2と遊技媒体カードユニット3との接続異常、メダル詰まり)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。遊技進行表示部10は、アシスト(AT)状態(小役等の入賞フラグの状態、リール5a〜5cの特定の停止順等が遊技者に報知される遊技状態)中、BB状態中又はRB状態中の残りゲーム回数を表示する。クレジット数表示部11は、メダルのクレジット数を表示する。
また、表示窓部6近傍には、図示しないベットライン表示部59(図2)が設けられている。ベットライン表示部59は、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示する。メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。なお、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。
ベットライン表示部59は、例えば、「1」、「2」、「3」の3つのランプを備える。そして、例えば、賭数が1枚のときは、ベットライン表示部59の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示す。賭数が2枚のときは、ベットライン表示部59の「1」と「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示す。賭数が3枚のときは、ベットライン表示部59の「1」、「2」、「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインであることを示す。
また、表示窓部6近傍には、図示しない遊技状態表示部60(図2)が設けられている。遊技状態表示部60は、遊技機2が遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー21を操作してからリール5a〜5cの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
表示窓部6の左下方には、残高表示部12が設けられている。残高表示部12は、3桁の7セグメントLEDで構成する。残高表示部12は、カードユニット3に挿入されたプリペイドカードが保有する度数(例えば、100円で1度数)を表示する。なお、プリペイドカードとは、所定の金額(例えば、1000円、2000円、3000円、5000円)に相当する価値を有するカードである。なお、プリペイドカードには、前記金額を度数に代えて記憶してもよい。
残高表示部12の下方には、遊技機2からカードユニット3へメダルの貸し出しを要求する貸出ボタン13、及び、残度数を有するプリペイドカードを後述するカード挿入口27から排出させるための排出ボタン14が設けられている。残高表示部12、貸出ボタン13及び排出ボタン14の背面側には、残高表示部12の表示又は貸出ボタン13及び排出ボタン14の操作を制御する表示基板280が設けられている。
貸出ボタン13は、1回押圧操作することによって、残高表示部12の10度数が50枚(1000円分)のメダルに変換されて貸し出される。なお、1度数をメダル貸し出しの1単位として、1度数に相当するメダルの数は貸出単価に応じて設定できる。また、貸出ボタン13の押圧操作一度につき貸し出される度数は、遊技場において任意に設定できる。
貸し出されたメダルは受皿25に排出される。このように貸し出したメダルをいったん受皿25に払い出すことによって、遊技者が時間当りに消費する金額が過大になるのを防止する。また、同時に残高表示部12に表示された度数から、貸し出されたメダル数相当の度数が減算されて表示される。
貸出ボタン13には、メダル貸出可LED41(図3)が内蔵されている。メダル貸出可LED41は、点灯によりメダルの貸し出しが可能な状態であることを報知する。メダル貸出可LED41が点灯していない間は貸出ボタン13が操作不能であり、メダル貸出可LED41が点灯している間は貸出ボタン13が操作可能である。つまり、メダル貸出可LED41が点灯していない間は貸出ボタン13を操作してもメダルは貸し出されない。なお、メダル貸出可LED41の点灯色によって、貸出ボタン13が操作可能であるかを報知してもよい。
前面パネル4の上半部と下半部の中間にある傾斜台部15には、右方にメダルを投入するメダル投入口16が設けられている。このメダル投入口16にメダルを投入すると、投入したメダル数がクレジット数記憶領域に記憶されたクレジット数に加算される。なお、クレジット数が限度値(所定の上限値。例えば、50枚)に達している場合は、投入されたメダルはクレジット数に加算されることなく受皿25に排出される。また、メダル投入口16へのメダル投入時に、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)以下である場合は、投入したメダル数はクレジット数に加算されることなく、賭数として加算される。
傾斜台部15には、押圧操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン17、及び、1回の押圧操作によって最大ベット可能枚数のメダルをベットするマックスベットボタン18が設けられている。マックスベットボタン18を操作すると、例えば、メダルがベットされていない場合は3枚のメダルがベットされ、メダルが1枚ベットされている場合は、さらに2枚のメダルがベットされる。これらのベットボタン17又は18を用いることにより、メダル投入口16からメダルを投入することなく、クレジット数表示部11に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、賭数に応じて有効ラインが設定される。
前面パネル4の下部には、四辺形状の化粧パネル19が設けられている。化粧パネル19の左上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態とメダルをクレジットとして記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能なクレジット選択ボタン(精算ボタン)20が設けられている。クレジット選択ボタン20によってクレジット状態から非クレジット状態に切り替えられると、クレジット数記憶領域に記憶されたクレジット数に相当する数のメダルが受皿25に排出され、同時にクレジット数表示部11の表示はクリアされて0になる。
クレジット選択ボタン20の右側には、リール5a〜5cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー21が設けられている。スタートレバー21の右側には、リール5a〜5cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止ボタン(第1リール停止ボタン22a、第2リール停止ボタン22b、第3リール停止ボタン22c)が設けられている。リール停止ボタン22a〜22cが操作されると、各ボタンに対応したリール5a〜5cがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0の場合は、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー21を操作してもリール5a〜5cは回転しない。
各リール停止ボタン22a〜22cには、発光によって各リール停止ボタンが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプが内蔵されている。これらのランプが点灯していない間はリール停止ボタン22a〜22cが操作不能であることを示し、操作情報ランプが点灯している間はリール停止ボタン22a〜22cが操作可能であることを示す。つまり、操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン22a〜22cを操作してもリール5a〜5cの回転は停止しない。なお、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン22a〜22cが操作可能であるかを報知するようにしてもよい。
リール停止ボタン22cの右側には、メダル返却ボタン23が設けられている。遊技者は、メダル流下路内のメダル詰まり時に、メダル返却ボタン23を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルが受皿25に返却される。
表示窓部6の左右にはそれぞれ、装飾用ランプ、LED等からなる装飾表示部24が設けられている。装飾表示部24は、BB状態又はRB状態の発生時に点灯することによって、遊技の興趣を向上させる。
また、化粧パネル19の下方には、前面パネル4の背面側にあるメダル払出装置(ホッパ)70より払い出されたメダルを貯留可能な受皿25や、灰皿26が設けられている。
カードユニット3は、中央にカード挿入口27が設けられている。カード挿入口27にプリペイドカードを挿入すると、当該カードが保有する有価価値に相当する度数が残高表示部12に表示される。そして、遊技機2側の貸出ボタン13の操作により遊技者からメダルの貸出要求があると、相当する数のメダルが受皿25に排出される。
また、遊技機2側の排出ボタン14の操作により遊技者からプリペイドカードの排出要求があると、プリペイドカードに残度数があれば、カード挿入口27にプリペイドカードを排出する。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、カードユニット3内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
このプリペイドカードに記憶されているデータは、有価価値(金額)に相当する情報でもよいし、遊技価値(メダル数)に相当する情報でもよい。また、有価価値又は遊技価値に相当する情報は、カードに直接書き込まれている情報でもよく、カードに記憶された符号(カードのID番号)に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている情報であってもよい。すなわち、カードリーダライタは、カードに記憶されている有価価値(金額情報)や遊技価値(メダル数)を直接読み出してもよいが、カードに記憶されているID番号を読み出して、読み出したID番号に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている有価価値の送信を受けるように構成してもよい。
なお、カード挿入口27に挿入されるプリペイドカードは、磁気カードの他、ICカード等の記憶媒体を利用できる。また、カードのような四角形状ではなく、コイン形状、タグ形状等の記憶媒体であってもよい。この場合、カードユニット3の所定箇所に記憶媒体を装着することによって、該記憶媒体がカードユニット3に受け付けられ、カードユニット3は該記憶媒体に記憶された内容を読み出すことができる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技用装置1の制御系の一部を示すブロック図である。
遊技機2の制御系統は、遊技機2内部に配置される遊技制御装置200を主要な構成要素とする。遊技制御装置200は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御装置の制御)を行う制御装置で、CPU201、ROM202、RAM203を備える遊技用マイクロコンピュータ204及び入出力インターフェース(I/F)205を備えている。
また、遊技制御装置200には、接続端子板30(図3)を介してカードユニット3が接続されている。カードユニット3は、遊技制御装置200と電気的に接続されている。そして、後述する入出力インターフェース205を介して各種信号を相互にやり取りすることによって、両者間の接続状態を確認したり、メダルの貸出処理をしたりする。
遊技制御装置200は表示基板280(図3)が接続されており、表示基板280に対してENABLE信号40を出力する。遊技制御装置200は、ENABLE信号40の出力レベルによって貸出ボタン13の操作及びメダル貸出可LED41の点灯を制御して、メダルの貸出処理を規制する。なお、遊技制御装置200と、カードユニット3又は表示基板280との通信については、図3を用いて説明する。
遊技用マイクロコンピュータ204のCPU201は、遊技制御のための各種演算制御を行う。また、CPU201は、変動表示ゲームにおいて、リール5a〜5cの図柄を、予め定められた特別な組み合わせ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成する。そして、当該生成された乱数に基づいて内部抽選を行う。内部抽選における各入賞の当選確率は、投入するメダルの賭数によって変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御する。なお、CPU201のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成する代わりに、遊技制御装置200に乱数を発生する乱数発生器を設け、当該乱数発生器から出力される内部抽選用乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置250を介して表示制御装置260に送信され、前記抽選結果に基づいて表示装置7での補助ゲームの実行が制御される。なお、補助ゲームが実行される確率も、投入メダルの賭数が多いほど高くなるようにして、内部抽選の結果に応じて補助ゲームを適当な頻度で実行できるようにしてもよい。また、補助ゲームを実行するか否かを決定する抽選は、CPU201で行うこともできるが、演出制御装置260で行ってもよい。
ROM202には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。
RAM203は、CPU201で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグなど)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU201の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。また、RAM203には、遊技機2への電源遮断時にも記憶されたデータを保持するバックアップ領域が設けられている。このバックアップ領域には、遊技機2への電源遮断時にも電源が供給されている。
入出力インターフェース205は、図示しないローパスフィルタやバッファゲートを介して、ベットスイッチ17A、18A、クレジット選択スイッチ20A、スタートレバースイッチ21A、各リール停止スイッチ(第1リール停止スイッチ22A、第2リール停止スイッチ22B、第3リール停止スイッチ22C)、各リール位置検出センサ50a〜50c、投入メダル検出センサ51、払出メダル検出センサ52、リセットスイッチ53、前面枠開放検出スイッチ54及び確率設定装置55から入力される信号を、CPU201に出力する。
1ベットスイッチ17Aは、1ベットボタン17が操作されたことを検出する。マックスベットスイッチ18Aは、マックスベットボタン18が操作されたことを検出する。クレジット選択スイッチ20Aは、クレジット選択ボタン20が操作されたことを検出する。スタートレバースイッチ21Aは、スタートレバー21が操作されたことを検出する。各リール停止スイッチ22A〜22Cは、リール停止ボタン22a〜22cに各々設けられ、各リール停止ボタン22a〜22cが操作されたことを検出する。リール停止ボタン22a〜22cの操作がリール停止スイッチ22A〜22Cによって検出されると、各々対応したリール5a〜5cの回転が停止する。リール位置検出センサ50a〜50cは、リール5a〜5cに各々設けられ、各リール5a〜5cの基準位置を検出する。投入メダル検出センサ51は、メダル投入口16から投入されたメダルを検出する。払出メダル検出センサ52は、メダルの払出枚数を検出するセンサであって、メダル払出装置70から払い出されたメダルを計数する。リセットスイッチ53は、遊技機2の遊技状態を初期化する。前面枠開放スイッチ54は、前面パネル4が開放されたことを検出する。
確率設定装置55は、遊技機2の設定を切り替える。設定は、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されている。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率によって、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量が異なる。
入出力インターフェース205は、CPU201から出力される制御信号を、図示しない出力ポートやドライバを介して、リール用モータ5Ma〜5Mc、払出数表示部9、遊技進行表示部10、クレジット数表示部11、装飾表示部24、ホッパモータ56、メダルガイドソレノイド57、メダル払出装置70、ベットライン表示部59、遊技状態表示部60、外部信号出力部61及び演出制御装置250に出力する。
ホッパモータ56は、メダル払出装置70を駆動してディスク72(図4)を回転させる。そして、ディスク72を回転させることによって、メダル穴80(図5)に収容されたメダルをメダル払出装置70に設けられたメダル排出口79へ案内する。
メダルガイドソレノイド57は、通電によってメダルガイド84を動作させて、メダル払出装置70からのメダルの払い出しを制御する。
メダル払出装置70は、メダル払出手段として機能する。リール5a〜5cが停止して、入賞に対応する停止表示態様が有効ライン上に形成されると、遊技制御装置200は、メダル払出装置70のホッパモータ56を駆動させるとともに、メダルガイドソレノイド57を駆動させる。これによって、メダル払出装置70から受皿25にメダルが払い出される。また、カードユニット3から貸出要求信号(BRQ)が出力されると、メダル払出装置70から受皿25にメダルが払い出される。
外部信号出力部61は、遊技機2の稼動状況に関する各種情報(メダルの投入や払い出しに関する信号、及び、BB状態又はRB状態であることを示す信号)を、遊技機2を管理する外部の装置に出力する。また、外部信号出力部61は、各入賞フラグの成立に関する情報を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)を外部の装置に出力する。
演出制御装置250は、制御用CPU、RAM及びROMで構成され、補助ゲームの演出に関わる情報表示及び音出力を統括して制御する。例えば、1ベットスイッチ17A、マックスベットスイッチ18A又は投入メダル検出センサ51のいずれかから検出信号が検出されると、遊技制御装置200から賭入力(ベット)情報を演出制御装置250に送信する。演出制御装置250は、当該情報を受信すると、表示装置7で演出表示される補助ゲームの制御処理のために、表示制御信号を表示制御装置260に送信する。また、演出制御装置250は、音出力装置8から出力される補助ゲームに対応した音の制御処理のために、音制御信号を音制御装置270に送信する。また、演出制御装置250は、表示装置7の演出表示や音出力装置8からの出力も制御する。
表示制御装置260は、表示制御用CPU及びRAM、情報表示データを記憶するROMで構成され、演出制御装置250から送信された表示制御信号に基づいて、補助ゲームを構成する演出情報(演出パターン)を表示装置7に送信して表示させる。
音制御装置270は、音制御用CPU及びRAM、効果音データを記憶するROMで構成され、演出制御装置250から送信された音制御信号に基づいて、音出力装置8から遊技状態に対応した効果音や前記補助ゲームに応じた所定の演出音を出力させる。
なお、遊技制御装置200と演出制御装置250との通信は、遊技制御装置200から演出制御装置250への単方向にのみ制御信号が送信され、遊技制御装置200への不正な信号が入力されるのを防止している。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機2の遊技制御装置200とカードユニット3との接続状態を示す回路図である。
遊技制御装置200とカードユニット3とは、接続端子板30を介して電気的に接続されている。接続端子板30は、遊技機2に付属して設けられている。なお、必要に応じて、遊技機2と接続端子板30との間に中継端子板を設けてもよい。
接続端子板30にはフォトカプラ301〜305が設けられており、これらのフォトカプラ301〜305を介して遊技制御装置200とカードユニット3との間で各種信号がやり取りされる。
フォトカプラ301〜303のトランジスタのコレクタ端子(遊技制御装置200に接続されている端子)は、遊技制御装置200内で所定の電圧(例えば、5V)にプルアップされている。また、フォトカプラ304、305のトランジスタのコレクタ端子(カードユニット3に接続されている端子)は、カードユニット3内で所定の電圧(例えば、5V)にプルアップされている。
遊技制御装置200は、電源装置206を備える。電源装置206は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置206の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置200及び演出制御装置250に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置200は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPU201の動作を停止する。バックアップ電源部は遊技制御装置200のRAM203にバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)に関する記憶内容を保持させる。
遊技制御装置200は、電源装置206からカードユニット3に対して24Vの交流電源を常に供給している。カードユニット3は電源回路35を備える。電源回路35は、遊技制御装置200から供給された24Vの交流電源から18Vの直流電源を生成する。そして、生成した18Vの直流電源をフォトカプラ301に供給する。
遊技制御装置200は、カードユニット3が遊技機2に正常に接続されているか否かを、カードユニット3から送信される接続確認信号(CHK)を監視することによって判断する。具体的には、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されている場合は、フォトカプラ301のダイオードに+18Vが供給され、フォトカプラ301のトランジスタがオン状態になり、CHK信号がLレベル(ローレベル)となり、遊技制御装置200にCHK信号が送信される。一方、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合は、フォトカプラ301のダイオードに+18Vが供給されないため、フォトカプラ301のトランジスタがオフ状態になり、CHK信号がHレベル(ハイレベル)となり、遊技制御装置200にCHK信号は送信されない。つまり、遊技制御装置200は、CHK信号の検出の有無によって、カードユニット3との接続状態を判断することができる。
また、カードユニット3と遊技制御装置200との間では、メダルの貸出処理のために複数の信号(貸出機準備完了信号、貸出要求信号、遊技機準備完了信号、貸出完了信号)がやり取りされている。以下、各信号について説明する。
貸出機準備完了信号(BRDY)は、カードユニット3から遊技機2に対してフォトカプラ302を介して出力される信号であって、カードユニット3側でメダルの貸出処理が可能であることを示す。BRDY信号は、通常はHレベルであり、貸出処理中はLレベルとなる。また、遊技機2の貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されると、BRDY信号はLレベルへ立ち下がる。このBRDY信号のLレベルへの変化によって、遊技機2側でのメダルの貸出処理が開始する。そして、メダルの貸出処理が終了するとHレベルとなる。
貸出要求信号(BRQ)は、カードユニット3から遊技機2に対してフォトカプラ303を介して出力される信号であって、遊技制御装置200に1度数のメダルの貸し出しを指示する。BRQ信号は、通常はHレベルであって、Lレベルへの立ち下げによって1度数分のメダル(5枚)の貸し出しが指示される。そして、遊技制御装置200がBRQ信号を受け付けることによって貸出完了信号(EXS)が立ち下がると、BRQ信号はHレベルに復帰する。このLレベルへの立ち下げと、Hレベルへの復帰によって、1パルスのBRQ信号が構成される。貸出ボタン13が1回操作されることによって、複数度数分のメダル貸し出しが行われる場合は、その度数に応じた数分のパルス信号が順次生成されて出力される。
遊技機準備完了信号(PRDY)は、遊技機2からカードユニット3に対してフォトカプラ304を介して出力される信号であって、遊技機2がBRQ信号によるメダル貸出指示を受付可能な状態にあるか否かを知らせる。PRDY信号は、メダルの貸出処理が不可能な期間(例えば、変動表示ゲーム実行時)はHレベルに設定されており、メダルの貸出処理が可能になるとLレベルに変化する。
貸出完了信号(EXS)は、遊技機2からカードユニット3に対してフォトカプラ305を介して出力される信号である。EXS信号は、通常はHレベルであって、Lレベルへの立ち下がりによって遊技機2がカードユニット3からのBRQ信号を受信した旨を示す。また、その後のEXS信号のHレベルへの立ち上がりによって遊技機2が1度数のメダルの貸出処理が完了した旨を示す。
遊技制御装置200には、貸出ボタン13の操作又はメダル貸出可LED41の点灯を制御するための表示基板280が電気的に接続されている。表示基板280には、貸出ボタン13、排出ボタン14、メダル貸出可LED41、残高表示LED42が設けられている。また、表示基板280には、フォトカプラ306が設けられている。そして、遊技制御装置200は、フォトカプラ306を介して表示基板280へENABLE信号40を出力する。なお、フォトカプラ306には、貸出スイッチ13A及びメダル貸出可LED41のみが接続されているため、ENABLE信号40によって制御されるのは、貸出ボタン13及びメダル貸出可LED41のみであって、排出ボタン14及び残高表示部12はENABLE信号40によって制御されない。
ENABLE信号40は、遊技機2がメダル貸出可能な状態にあるか否かを示す。ENABLE信号40は、通常はLレベルであって、遊技機2がメダル貸出可能な状態になるとHレベルとなり、貸出ボタン13の操作を有効にして、メダル貸出可LED41を点灯させる。そして、貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出され、又は、スタートレバー21の操作がスタートレバースイッチ21Aによって検出されると、Lレベルに立ち下り、貸出ボタン13の操作を無効にして、メダル貸出可LED41を消灯させる。貸出ボタン13の操作が有効な場合、遊技者が貸出ボタン13を操作すると所定枚数のメダルが貸し出される。一方、貸出ボタン13の操作が無効な場合、遊技者が貸出ボタン13を操作してもメダルの貸し出しはされない。
なお、遊技機2がメダル貸出可能な状態とは、変動表示ゲームが終了してからスタートレバー21が操作されるまでであって、メダル貸出処理中を除く。また、遊技機2とカードユニット3とが正常に接続されていない場合、遊技機2でエラーが発生している場合、段階設定処理中及び各種スイッチやセンサ(精算スイッチ20A、投入メダル検出センサ51)の入力処理時も、遊技機2はメダルの貸し出しを行わない。
また、表示基板280は、カードユニット3と電気的に接続されている。遊技者によって貸出ボタン13又は排出ボタン14が操作されると、貸出スイッチ13A、排出スイッチ14Aによって各ボタンの操作が検出され、カードユニット3に対して信号が出力される。カードユニット3は、貸出スイッチ13Aからの信号を検出すると、BRDY信号をLレベルに立ち下げ、残高度数から一度の貸出処理で貸し出された度数を減算して、その値を残高表示部12(残高表示LED42)に出力して表示させる。また、カードユニット3は、排出スイッチ14Aからの信号を検出すると、カード挿入口27からプレペイドカードを排出し、残高度数をクリアした値(ゼロ)を残高表示部12(残高表示LED42)に出力して表示させる。
図4は、本発明の実施の形態のメダル払出装置(ホッパ)70の側面図である。
メダル払出装置70は、平板状のベースプレート(基板)71が重力方向に対して斜めに固定して設けられている。ベースプレート71の表面側には、搬送手段として円盤状のディスク72が、ディスク回転軸73を中心として回転可能に設けられている。ベースプレート71とディスク72とは、メダル厚より少し大きい隙間を有して平行に位置する。
ベースプレート71の裏面側には、メダル払出装置70の電気的駆動源であるホッパモータ56が設けられている。ホッパモータ56は、ギアボックス74を介してディスク回転軸73に接続されている。つまり、ホッパモータ56が駆動すると、その駆動力がギアボックス74内の歯車を介してディスク回転軸73に伝わって、ディスク72がディスク回転軸73を中心として回転する。
また、ベースプレート71の表面には、取付部材76が設けられている。そして、略円筒状のホッパーヘッド77が取付部材76に取り付けられている。ホッパーヘッド77は、上部にメダルの供給口78を備え、供給口78から投入されたメダルを内部の略円筒状の空間に貯留する。ホッパーヘッド77とベースプレート71とが接触する位置からホッパーヘッド77の側面にかけて、メダル厚と略同一の高さであってメダルの直径と略同一の幅のメダル排出口79が形成されている。
供給口78から投入され、ホッパーヘッド77に貯留されたメダルは、ディスク72に設けられたメダル収容部であるメダル穴80(図5)へ流下する。流下した各メダルは、メダル穴80に一枚ずつ収容されて、ディスク72の回転に伴ってベースプレート71の表面を摺動する。そして、ベースプレート71の表面から突出して設けられたメダルガイド84(図3)に当接することによって、ディスク72の回転軌道から反れて、メダル排出口79からメダル払出装置70の外方へ、飛び出すようにして払い出される。
このようにしてメダル払出装置70は、貸出ボタン13の操作によって遊技者からメダルの貸出要求があった場合、変動表示ゲームの結果として入賞によりメダルの獲得があった場合、又は、精算ボタン20の操作によって遊技者からメダルの精算要求があった場合に、受皿25に相当する数のメダルを払い出す。
図5は、本発明の実施の形態のメダルの払出機構の構成図であり、図4のメダル払出装置70の矢視X方向のディスク72周辺の構造を示す。なお、ホッパーヘッド76は図示を省略するが、ホッパーヘッド76に形成されたメダル排出口79に対応する位置に同一の符号を付してメダル排出口79とする。
ディスク72は、円形に構成されており、ディスク回転軸73を中心として時計回り(矢印W方向)に回転する。ディスク72には、8つのメダル穴80が、円周方向に一定間隔をもって設けられている。各メダル穴80は、メダルを収容可能な大きさで略円形に、かつ、ディスク72の表面から裏面まで貫通して形成されている。
各メダル穴80の外周には、ディスク72の裏面に固定して設けられたメダル押し出し体81が備えられている。メダル押し出し体81は、図の左側では、メダル穴80に収容されたメダルを、その先端部でディスク72の回転方向に下方から上方に支持する。また、各メダル穴80の間には、ディスク72の中心部82側にピン83が設けられている。ピン83は、ベースプレート71に接触しない長さで、ディスク72の裏面に固定して設けられている。そして、メダル穴80に収容されたメダルを、中心部82側に移動しないように保持している。このように、メダル穴80に収容されたメダルは、メダル押し出し体81及びピン83によって、メダル穴80内に略収容されるように保持されている。
メダル排出口79近傍には、メダルの誘導手段であるメダルガイド84が設けられている。具体的には、メダルガイド84は、メダル排出口79の近傍であって、ディスク72の外周から中心部82側へ、メダルの半径よりも大きく、かつ、メダルの直径よりも小さい距離だけ入った位置に設けられている。メダルガイド84は、ベースプレート71の裏面側に備えられたメダルガイドソレノイド57(図6)に接続されており、ベースプレート71の表面から裏面まで貫通して形成される孔を挿通して、裏面側と表面側とに相互に摺動自在に設けられている。
メダル穴80に収容されたメダルは、ディスク72の回転に伴ってベースプレート71表面を移動し、メダル排出口79の位置まで移動すると、ベースプレート71の表面から突出するメダルガイド84に当接する。なお、前述のようにメダルガイド84はディスク72の外周から中心部82側へメダルの直径よりも小さい距離だけ入った位置に設けられているため、メダル穴80に収容されたメダルが、ベースプレート71の表面から突出したメダルガイド84に当接しないで回転を続けることはない。
また、メダルガイド84はディスク72の外周から中心部82側へメダルの半径よりも大きい距離だけ入った位置に設けられているため、メダル穴80に収容されたメダルは、ディスク72の回転方向への移動が妨げられて、ディスク72の外周方向に押し出される。そして、メダル排出口79から外方へ排出される。このように、メダル排出口79の近傍に簡易な誘導手段であるメダルガイド84を設けるだけで、メダルの払出処理を制御できる。
メダル排出口79近傍には、可動部材85が設けられている。また、メダル排出口79近傍には、可動部材85と対峙する位置にローラベース87が設けられている。ローラベース87の先端には回動可能なローラ88が備えられている。ローラ88は、メダル排出口79から排出されたメダルを外方へ誘導する。
可動部材85は、その一端を、ベースプレート71の裏面側に設けられた回動軸86によって軸支されている。つまり、可動部材85は、回動軸86を中心にベースプレート71に対して回動自在に設けられている。可動部材85はバネ(図示省略)によってローラベース87の方向に付勢されている。当該バネによって付勢された状態で、可動部材85とローラ88との間は、メダルの直径よりも僅かに小さく構成されている。そして、メダル排出口79から排出されたメダルは、可動部材85とローラ88との間を通過することによって、可動部材85をローラ88と反対の方向(矢印Y方向)に押し出して回動させる。
可動部材85の反対側の端部には、払出メダル検出センサ52が設けられている。払出メダル検出センサ52は、発光ダイオードによって構成された発光部と、発光部に対向する位置に設けられ、フォトダイオードによって構成された受光部とを備える。発光ダイオードとフォトダイオードとの間は、可動部材85が回動すると、遮光板によって光路が遮られる。このように、光路が遮られることによって、払出メダル検出センサ52はメダルの通過を検出することができ、払い出されたメダルの枚数を計数することができる。
以上のようにしてメダル排出口79から払い出されたメダルは、ディスク72の外方(矢印Z方向)へ払い出され、受皿25に排出される。
図6は、本発明の実施の形態のメダルガイド84の構成図である。
メダル穴80に収容されたメダルは、メダル押し出し体81及びピン83に保持されて、ベースプレート71の表面上をディスク72の回転方向に移動する。ベースプレート71には、表面から裏面まで貫通した孔が形成されている。メダルガイド84は、メダルガイドソレノイド57に接続されており、ベースプレート71に設けられた孔を、裏面側と表面側とに相互に摺動する。
メダルガイド84は、先端部84aとメダル噛み防止バネ84bとを有する。先端部84aは、ベースプレート71の表面から突出することによって、メダルの回転を妨げ、メダル排出口79方向へ転動する。メダル噛み防止バネ84bは、先端部84aによるメダルへの押圧力を調整する。つまり、メダル穴80に収容されたメダルが、ベースプレート71上のいずれの位置に存在するかにかかわらず、メダルガイドソレノイド57に通電するため、先端部84aの上部にメダルが存在するときにメダルガイド84がベースプレート71から突出する可能性がある。このとき、通常の押圧力によってメダルを押し上げると、先端部84aとディスク72とによってメダルが狭持されるため、メダルはいずれの方向への移動も妨げられ、メダル詰まりが発生するおそれがある。このような場合に、メダル噛み防止バネ84bが収縮して緩衝部材としての役割を有する。つまり、メダルガイド84にメダル噛み防止バネ84bを設けることによって、ベースプレート71の表面から突出するメダルガイド84のメダルに対する押圧力を制御することができ、メダル詰まりを防止できる。
図6(A)は、メダルガイド84がベースプレート71に収容されたオフ状態、つまり、メダルをメダル排出口79へ誘導しない非誘導状態である。このとき、メダルガイドソレノイド57には通電がされていないため、メダルガイド84は、ベースプレート71の表面に突出していない。よって、メダル穴80に収容されたメダルは、メダルガイド84によって回転運動は妨げられることなく、ディスク72の回転方向に移動することができる。
図6(B)は、メダルガイド84がベースプレート71から突出したオン状態、つまり、メダルをメダル排出口79へ誘導する誘導状態である。このとき、メダルガイドソレノイド57には通電がされており、メダルガイド84は、ベースプレート71の表面に突出している。よって、メダル穴80に収容されたメダルは、メダルガイド84に当接すると転動して、メダル排出口79から外方へ排出される。
図7は、本発明の実施の形態の電源投入時処理のフローチャートであり、遊技制御装置200のCPU201で遊技機2の電源投入時に実行される。
まず、所定のデータを保管するためのスタック領域を指すスタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S11)。また、CPU201及び周辺デバイスであるカウンタ、タイマ、入出力インターフェース205等の制御パラメータに初期値を設定する初期設定を行う(S12)。
次に、PRDY信号をLレベルに立ち下げて、遊技機2によるメダルの貸し出しが可能である旨をカードユニット3に対して出力する。また、EXS信号をHレベル(オフ状態)に設定する。そして、ENABLE信号40をHレベルにして、貸出ボタン13の操作を有効とし、メダル貸出可LED41を点灯させる(S13)。これによってカードユニット3からのメダルの貸出要求の受け付けが許容される。
次に、RAM203の未使用領域をクリアする(S14)。そして、RAM203に保存されているデータが正常か否かを判定する(S15)。このRAM203に保存されているデータが正常かの判定は、RAM203に保存されたデータのチェックサムや、RAM203の特定の番地に記憶された所定の値が変化していないかの照合によって行う。
RAM203が正常だと判定した場合は、RAM203に保存されたデータを用いて遊技処理を正常に再開できるので、RAM203に保存されたデータをクリアすることなく、ステップS17に移行する。一方、RAM203が正常でないと判定した場合は、RAM203に保存されたデータを用いて遊技処理を正常に再開できないので、RAM203の全領域をクリアした後(S16)、ステップS17に移行する。
次に、確率設定装置55の設定キーを検出したか否か、すなわち、入賞フラグの成立確率を設定するためのキーが、確率設定装置55に装着されているか否かを判定する(S17)。設定キーが検出されない場合は、入賞フラグの成立確率を設定する必要がないので、ステップS19に移行する。一方、設定キーが検出された場合は、入賞フラグの成立確率を設定する必要があるので、設定キーの操作に基づいて入賞フラグの成立確率を定め、当該成立確率をRAM203に記憶する段階設定処理を行う(S18)。
次に、打ち止め有無モードスイッチ及び自動精算有無モードスイッチの設定状態を確認し、これらの設定をRAM203に記憶する(S19)。打ち止め有無モードスイッチは、大当たり状態の終了後のメダルの払出枚数を制限するための打ち止め(次の変動表示ゲームを実行しない状態)を設定するスイッチである。打ち止め有無モードスイッチは、通常オフの状態(打ち止めをしない状態)に設定されている。自動精算有無モードスイッチは、大当たり状態が終了すると、クレジットされたメダルを全て自動的に払い出すか否かを設定するスイッチである。自動精算有無モードスイッチは、通常オフの状態(自動精算をしない状態)に設定されている。
次に、前回の電源遮断時に設定された電源断時状態フラグ及びRAMに保存されているデータが正常かの判定(S15)によって、前回の電源遮断時の状態に復帰するか否かを判定する(S20)。
電源断時状態フラグによって電源遮断処理が正常に実行されたことが示され、及びRAMに保存されているデータが正常であれば、RAM203におけるバックアップ領域のメインバックアップデータから全レジスタを復帰するとともに、電源断前のスタックポインタを復帰させる(S21)。その後、電源断前のアドレスを設定し、遊技制御プログラムを再開する。
一方、その他の場合(電源断時状態フラグによって電源遮断処理が正常に実行されなかったことが示され、又はRAMに保存されているデータが異常であれば)、遊技制御プログラムを最初から実行する(S21)。
図8は、本発明の実施の形態の電源断時処理のフローチャートであり、電源電圧の低下が検出されると、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
電源断時処理では、まず、現在実行中の遊技制御処理で使用しているレジスタをRAM203のバックアップ領域に退避する(S31)。
次に、PRDY信号をHレベルに復帰させて、遊技機2がメダルの貸出不可能である旨をカードユニット3に対して出力する。また、EXS信号をHレベル(オフ状態)に設定する。そして、ENABLE信号40をLレベルに立ち下げて、貸出ボタン13の操作を無効とし、メダル貸出可LED41を消灯させる(S13)。これによってカードユニット3からのメダルの貸出要求の受け付けが禁止される。
次に、電源遮断前に設定した割込み禁止フラグの状態及びスタックポインタをRAM203のバックアップ領域に退避する(S33、S34)。
そして、電源遮断処理が正常に実行されたかを示す電源断時状態フラグを設定する(S35)。また、RAM203へのアクセスを禁止する(S36)。
その後、CPU201は、電源から供給される電力が消失するまで、何も演算及びデータ入出力をせずに待機し、CPU201がリセットされるのを待つ(S37)。
図9は、本発明の実施の形態の遊技制御処理のうち遊技開始起点からリール回転始動処理までのフローチャートであり、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
遊技機2で実行される遊技制御処理は、まず、再遊技作動処理を行う(S41)。再遊技作動処理では、前回実行された変動表示ゲームの結果、リプレイ入賞が発生したか否かを判定する。リプレイ入賞が発生していない場合はステップS42へ移行する。一方、リプレイ入賞が発生している場合は、リプレイ入賞を発生させた変動表示ゲームのベット数と同数のベット数を設定して、その後のメダル投入の受け付けを禁止する。これにより遊技者は、新たにメダルをベットすることなく、次の変動表示ゲームを実行することができる。
次に、カードユニット3との接続状態や準備状態等を確認するために、カードユニット3と通信をする(S42)。カードユニット通信処理については、図10を用いて説明する。
次に、遊技者が投入したメダルを受け付け、投入されたメダルの数を賭数に加算する。なお、賭数が最大ベット可能枚数に達した場合は、投入されたメダルの数をクレジットに加算する(S43)。
その後、設定キー、ベットボタン17又は18、精算ボタン20、スタートレバー21等の各種スイッチを検出する(S44)。そして、いずれかのスイッチの操作が検出されたか否かを判定する(S45)。
その結果、いずれのスイッチの操作も検出されない場合は、ステップS42に戻り、カードユニット3との接続状態を確認する。一方、いずれかのスイッチの操作が検出された場合は、ステップS46に進む。
ステップS46では、ENABLE信号40をLレベルにして表示基板280に出力する(S46)。これにより、貸出ボタン13の操作が無効となり、メダル貸出可LED41が消灯して、メダルの貸出処理が不可能な状態であることが遊技者に示される。また、以下に説明する処理(段階設定処理、ベット処理、清算処理)と同時にメダルの貸出処理が実行されることを防止できる。
次に、確率設定装置55の設定キーを検出したか否か、すなわち、入賞フラグの成立確率を設定するためのキーが、確率設定装置55に装着されているか否かを判定する(S47)。設定キーが検出されない場合は、入賞フラグの成立確率を設定する必要がないので、ステップS49に移行する。一方、設定キーが検出された場合は、入賞フラグの成立確率を設定する必要があるので、設定キーの操作に基づいて入賞フラグの成立確率を定め、当該成立確率をRAM203に記憶する段階設定処理を行う。
次に、ベットスイッチ17A又は18Aによってベットボタン17又は18の操作が検出されたか否かを判定する(S49)。いずれのベットボタンも操作されていない場合は、ステップS51に移行する。一方、いずれかのベットボタンの操作が確認された場合は、クレジットとして貯留されているメダルを、操作されたベットボタンに応じて賭数に加算する。
次に、精算スイッチ20Aによって精算ボタン20の操作が検出されたか否かを判定する(S51)。精算ボタン20が操作されていない場合は、ステップS53に移行する。一方、精算ボタン20が操作された場合は、クレジット数記憶領域に記憶されたクレジット数に相当する数のメダルを受皿25に排出し、同時にクレジット数表示部11の表示をクリアする精算処理を行う(S52)。
次に、スタートレバースイッチ21Aによってスタートレバー21の操作が検出されたか否かを判定する(S53)。スタートレバー21が操作されていない場合はステップS42に戻る。一方、スタートレバー21が操作された場合は、リール5a〜5cの回転を一斉に開始する(S54)。これによって変動表示ゲームが開始される。なお、ステップS49でベットボタン17又は18が検出されておらず賭数が0の場合は、変動表示ゲームの開始条件が成立していないため、スタートレバー21の操作が検出されても当該操作は無効であって、リール5a〜5cは回転しない。
図10Aから図10Cは、本発明の実施の形態のカードユニット通信処理のフローチャートであり、遊技制御装置200のCPU201で実行される。
カードユニット通信処理では、まず、カードユニット3と遊技機2とが正常に接続されているか否かを、CHK信号の検出の有無によって判定する(S61)。CHK信号がHレベルであれば、カードユニット3が正常に接続されていないと判定し、ENABLE信号40をLレベルとして表示基板280に出力する(S62)。これにより、貸出ボタン13の操作が無効となり、メダル貸出可LED41が消灯して、メダルの貸出処理が不可能な状態であることが遊技者に示される。また、遊技者が投入したメダルの受け付けを禁止して(S63)、投入されたメダル数をクレジットに加算することなく受皿25へ排出する。つまり、カードユニット3との接続状態が正常ではない場合は、ステップS62及びS63で遊技機2を変動表示ゲームが実行できない状態とする。
CHK信号がLレベルであれば、カードユニット3が正常に接続されていると判定し、PRDY信号をHレベルとして、カードユニット3からのメダル貸出要求を受付可能な状態とする。また、ENABLE信号40をHレベルに復帰させることによって、貸出ボタン13の操作を有効とし、メダル貸出可LED41を点灯させる(S64)。
次に、カードユニット3が出力するBRDY信号がHレベル(通常状態)か否かを判定する(S65)。BRDY信号がHレベルであれば、貸出中ではないので、カードユニット通信処理を終了する。一方、BRDY信号がLレベル(貸出中)であれば、ステップS66に進む。
ステップS66では、遊技者が投入したメダルの受け付けを禁止する。つまり、投入されたメダル数をクレジットに加算することなく受皿25へ排出する。
そして、タイマに貸出要望監視時間を設定する(S67)。貸出要望監視時間とは、遊技者によって貸出ボタン13が操作されてから、カードユニット3から遊技機2に1度数の貸出要求があるまで(つまり、BRDY信号がLレベルになってから、BRQ信号がLレベルになるまで)を監視する時間であって、例えば30msec〜50msecの範囲に設定される。
次に、設定された貸出要望監視時間のうち最長時間(50msec)が経過したか否かを判定する(S68)。この最長時間が経過している場合は、遊技者が貸出ボタン13を操作してから所定時間内にBRQ信号がLレベルに反転しなかったため(遊技者による貸出ボタン13の操作から、BRQ信号がLレベルに反転するまでの時間が長過ぎるため)、遊技機2とカードユニット3との間に断線等の通信エラーが発生したと判断することができ、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
カードユニット通信エラー処理では、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生した旨を、遊技機2の表示装置7に文字や画像で表示し、払出枚数表示部9にエラーコードで表示し、音出力装置8から出力することで、遊技場の従業員に報知する。
貸出要望監視時間の最長時間が経過していない場合は、BRQ信号がLレベルで出力されたか否か、つまり、カードユニット3から1度数の貸出要求があったか否かを判定する(S70)。貸出要求がない場合は、ステップS68に戻り、貸出要望監視時間の経過を監視する。
貸出要求があった場合は、貸出要望監視時間のうち最短時間(30msec)が経過したか否かを判定する(S71)。この最短時間が経過していない場合は、遊技者が貸出ボタン13を操作してから、BRQ信号がLレベルに反転するまでの時間が短過ぎるため、検出された貸出要求信号はノイズの影響である可能性が大きく、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生したと判断することができ、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
つまり、ステップS68〜S71の処理によって、BRDY信号のLレベルへの立ち下がりから、BRQ信号がLレベルへ反転されるまでの時間が、所定時間(30msec〜50msec)の範囲内であるか否かを監視する。そして、ステップS71において貸出要望監視時間の最短時間が経過していない場合は、カードユニット3からの貸出要求が所定時間内にされていると判断できるため、ステップS72に移行する。
次に、タイマに貸出要求完了確認時間を設定する(S72)。貸出要求完了確認時間とは、BRQ信号がLレベルに反転されてから、EXS信号がLレベルに反転されるまでの時間であって、例えば10msec〜10secの範囲に設定される。
次に、BRQ信号がLレベルに維持されているか否かを判定する(S73)。BRQ信号がLレベルに維持されていない場合は、EXS信号がLレベルに反転する前にBRQ信号がHレベルに復帰しているため、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生したと判断することができる。よってこの場合、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
BRQ信号がLレベルに維持されている場合は、ステップS71で設定した貸出要求完了確認時間のうち最短時間(10msec)が経過したか否かを判定する(S74)。
この最短時間が経過していない場合は、ステップS73に戻り、当該最短時間が経過するまでBRQ信号の状態を監視する。一方、貸出要求完了確認時間の最短時間が経過している場合は、EXS信号をLレベルに反転させて、カードユニット3に貸出要求を受信した旨を送信する(S81)。
次に、タイマに貸出指示監視時間を設定する(S82)。貸出指示監視時間とは、EXS信号がLレベルに反転してから、BRQ信号がHレベルに復帰するまでを監視する時間であって、例えば30msec〜50msecの範囲に設定される。
次に、設定した貸出指示監視時間のうち最長時間(50msec)が経過したか否かを判定する(S83)。
この最長時間が経過している場合は、EXS信号がLレベルに反転してから所定時間内にBRQ信号がHレベルに復帰しなかったため(EXS信号がLレベルに反転してからBRQ信号がHレベルに復帰するまでの時間が長過ぎるため)、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生したと判断することができ、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
貸出指示監視時間の最長時間が経過していない場合は、BRQ信号がHレベルに復帰しているか否かを判定する(S84)。Hレベルに復帰していない場合は、ステップS83に戻り、貸出指示監視時間の経過を監視する。
BRQ信号がHレベルに復帰している場合は、貸出指示監視時間のうち最短時間(30msec)が経過したか否かを判定する(S85)。この最短時間が経過していない場合は、EXS信号がLレベルに反転してからBRQ信号がHレベルに復帰するまでの時間が短過ぎるため、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生したと判断することができ、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
つまり、ステップS83〜S85の処理によって、EXS信号のLレベルへの立ち上がりから、BRQ信号がオフ状態に転換されるまでの時間が、所定時間(30msec〜50msec)の範囲内であるか否かを監視する。そして、ステップS85において貸出指示監視時間の最短時間が経過していない場合は、BRQ信号が所定時間内にHレベルに復帰していると判断できるため、ステップS86に移行する。
次に、タイマに1度数分の払出監視時間を設定する(S86)。払出監視時間とは、遊技機2による1度数分のメダルの払い出しを監視する時間、つまり、BRQ信号がHレベルに復帰してからEXS信号がHレベルに復帰するまでの時間であって、例えば200msec〜10secの範囲に設定される。
次に、ホッパモータ56をオンに設定して、メダル払出装置70を駆動する。また、メダルガイドソレノイド57に通電し、メダルガイド84をオン状態にして(S87)メダル払出装置70から1度数分のメダル5枚を払い出す(S88)。
メダルの払い出しが完了すると、EXS信号をHレベルに復帰させて、メダルガイド84をオフ状態とする(S89)。なお、このときホッパモータ56はオン状態のまま維持されているため、メダル払出装置70のディスク72は回転を続けている。
次に、タイマに次貸出要求確認監視時間を設定する(S91)。次貸出要求確認監視時間とは、メダルの払い出しが完了してから、次に貸出要求があるまでの時間、つまり、EXS信号がHレベルに復帰してから次のBRQ信号がLレベルに立ち下がるまでの時間であって、例えば250msecに設定される。
次に、BRQ信号がLレベルに反転したか否か、つまり、カードユニット3から次のメダル貸出要求があったか否かを判定する(S92)。貸出要求があった場合は、ステップS72に戻り、タイマに貸出要求完了確認時間を設定する。その後、更に1度数分のメダルを払い出す(S73、S74、S81〜S89)。
貸出要求がなかった場合は、払出モータ停止時間が経過したか否かを判定する(S93)。払出モータ停止時間とは、最後の度数のメダルの払い出しが完了してから、ホッパモータ56が停止するまでを監視する時間であって、例えば250msecに設定される。払出モータ停止時間は、ステップS91で設定された次貸出要求確認監視時間の経過によって判定する。なお、本実施の形態では、次貸出要求確認監視時間と払出モータ停止時間とは、同じ250msecに設定される。
払出モータ停止時間が経過していない場合は、ステップS95へ移行する。一方、払出モータ停止時間が経過している場合は、ホッパモータ56をオフに設定して、メダル払出装置70の駆動を停止する(S94)。
次に、BRDY信号がHレベルで出力されているか、つまり、BRDY信号が通常状態に転換されているか否かを判定する(S95)。BRDY信号が通常状態ではなく、Lレベルのままである場合は、ステップS91で設定した次貸出要求確認監視時間が経過したか否かを判定する(S97)。次貸出要求確認監視時間が経過していない場合は、スッテプS92に戻って、BRQ信号やBRDY信号の状態を監視する。
次貸出要求確認監視時間が経過している場合は、所定の時間内にBRQ信号の立ち下げ及びBRDY信号のHレベルへの復帰がなかったため、遊技機2とカードユニット3との間に通信エラーが発生したと判断することができ、カードユニット通信エラー処理を行う(S69)。
一方ステップS95でBRDY信号が通常状態に転換されている場合は、メダル貸出処理は終了したと判断できるため、ホッパモータ56をオフに設定して、メダル払出装置70の駆動を停止する(S96)。
このように、払出モータ停止時間の経過又はBRDY信号のHレベルへの復帰のいずれかによって、ホッパモータ56の設定をオフにするタイミングを判定することによって、確実にホッパモータ56を停止することができ、遊技機2に異常が発生することによって無制限にメダルが払い出されることを防止できる。
図11は、本発明の実施の形態の3度数分のメダル貸出処理のタイミングチャートである。
遊技機2の電源が投入されると、遊技制御装置200ではCPU201等の初期化処理が行われる。この間、PRDY信号はHレベル(貸出不可)に維持される。つまり、この間、遊技機2のメダル貸出処理は不可能な状態である。
初期化処理が完了すると、PRDY信号がLレベル(貸出可能)となり、PRDY信号が出力される。同時にENABLE信号40がHレベルに立ち上がって、貸出ボタン13の操作が有効になり、メダル貸出可LED41が点灯する。これにより、遊技者にメダル貸出処理が可能であることが報知される。
その後、貸出ボタン13が操作されると、カードユニット3は当該操作を受け付けて、BRDY信号をLレベルに反転させる。これにより、カードユニット3が遊技機2に対してメダルの貸出処理を指示する状態にあることを示す。また、このとき同時に貸出ボタン13の操作の無効となり、メダル貸出可LED41が消灯して、遊技者にメダルの貸出処理が不可能であることが報知される。また、同時に、排出ボタン23の操作が無効となる。
そして、貸出ボタン13が操作されてから所定時間(貸出要望監視時間)が経過すると、BRQ信号がLレベル(一度貸出)に反転する。遊技機2は、BRQ信号が所定時間(貸出要求完了確認時間)Lレベルに維持されることを確認すると、EXS信号をLレベルに反転(了解)させる。これにより、カードユニット3にメダル貸出指示を受信したことが送信される。
その後、所定時間(貸出指示監視時間)が経過すると、カードユニット3は、BRQ信号をHレベル(オフ状態)に復帰させるとともに、残高表示部12に表示される残高度数を1度数分減算して表示する。またこのとき、遊技機2は、1度数分のメダル数(5枚)を受皿25に排出する。
そして、1度数分のメダル貸出処理が終了すると、遊技機2はEXS信号をHレベル(オフ状態)に復帰させる。
そして、EXS信号のHレベルへの復帰の後、所定時間(次貸出要求確認監視時間)が経過した時点で、1度数分の貸出処理が終了する。以下、同様の通信動作により、貸出スイッチ13Aからの一度の操作信号の送信に対して予め定められた度数分(図11では3度数分)のメダル貸出処理が行われる。
そして、最後の貸出処理が完了して所定時間(払出モータ停止時間)が経過すると、カードユニット3は、BRDY信号をHレベルに復帰させる。このとき同時に、遊技機2の遊技制御装置200から表示基板280に対して出力されるENABLE信号40がHレベルに反転して、貸出ボタン13の操作が有効になり、メダル貸出可LED41が点灯する。これにより、遊技者にメダル貸出処理が可能であることが報知される。また、このとき同時に返却ボタン23の操作が有効になる。
その後、遊技者によってベット操作がされた後にスタートレバー21が操作されると、変動表示ゲームが開始される。これと同時にENABLE信号40がLレベルに反転して、貸出ボタン13の操作が無効になり、メダル貸出可LED41が消灯する。これにより、遊技者にメダル貸出処理が不可能であることが報知される。
図12は、本発明の実施の形態の1度数分のメダル貸出処理のタイミングチャートである。ここでは、貸出ボタン13の一度の操作に対して、1度数分のメダルのみが払い出される場合を示す。
PRDY信号がLレベルであって、メダル貸出処理が可能な状態において、遊技者による貸出ボタン13の操作を貸出スイッチ13Aが検出すると、BRDY信号はLレベルに反転する。
その後、所定時間(貸出要望監視時間)が経過するとBRQ信号がLレベルに反転して、カードユニット3から遊技機2に対して一度数分のメダルの貸出要求がされる。これを受けて、さらに所定時間(貸出要求完了確認時間)が経過すると、EXS信号がLレベルに反転して、遊技機2からカードユニット3にメダル貸出指示を受信したことが送信される。
EXS信号のLレベルへの反転を受けて、BRQ信号がHレベルへ復帰すると、遊技制御装置200は、ホッパモータ56及びメダルガイドソレノイド57に信号を送信して、メダル払出装置70及びメダルガイド84をオン状態に転換する。
メダル払出装置70がオン状態に設定されると、ディスク72は回転を開始して、各メダル穴80に収容されたメダルが、ディスク72の回転に伴って移動を開始する。ここではメダルガイド84がオンに設定されているため、各メダルは、ベースプレート71の表面から突出したメダルガイド84に当接することによって、メダル払出装置70から払い出される。
1度数分のメダル(5枚)の払い出しが払出メダル検出センサ52によって確認されると、EXS信号がHレベルに反転して、カードユニット3に対して貸出処理が完了した旨が送信される。同時に、遊技制御装置200は、メダルガイドソレノイド57に信号を送信してメダルガイド84をオフ状態に転換する。このとき、ホッパモータ56は、複数度数のメダル払出処理に備えてオン状態のままであるため、ディスク72は回転を継続する。このように、ディスク72が回転を継続した状態でメダルガイド84の状態を切り替えるだけで、メダルの払出枚数を調整することができるため、ホッパモータ56より応答速度の速いメダルガイドソレノイド57の動作を基準として払出枚数の調整制御ができ、遊技機2とカードユニット3との間の通信負担を軽減して、高速にメダルを払い出すことができる。
そして、EXS信号がHレベルに復帰してから所定時間(払出モータ停止時間)が経過すると、全ての貸出処理が完了したと判断されて、カードユニット3はBRDY信号をHレベルに復帰させる。遊技機2の遊技制御装置200は、BRDY信号のHレベルへの復帰を確認すると、ホッパモータ56をオフ状態に転換して、メダル払出装置70の駆動を停止する。
図13は、本発明の実施の形態の複数度数分のメダル貸出処理のタイミングチャートである。
ここでは、貸出ボタン13の1回の操作に対して複数度数のメダル貸し出しがされる場合であって、n度数目のメダル払い出しの後にn+1度数目のメダルが払い出されるタイミングを示す。なお、PRDY信号及びBRDY信号は、Lレベルに維持されている。
まず、n度数目のメダルのうち最後のメダルが払い出されると、遊技機2はEXS信号をHレベルに反転させる。またこのとき、遊技制御装置200は、メダルガイドソレノイド57に信号を送信してメダルガイド84をオフ状態に転換する。
そして、所定時間(次貸出要求確認監視時間)が経過すると、カードユニット3から出力されるBRQ信号がLレベルに反転する。そして、これを受けてEXS信号はLレベルに反転する。また、さらに所定時間(貸出指示監視時間)が経過すると、BRQ信号がHレベルに復帰する。
遊技機2の遊技制御装置200は、BRQ信号のHレベルへの復帰を確認すると、メダルガイドソレノイド57に信号を送信して、メダルガイド84をオン状態に切り替える。なお、この間、ホッパモータ56は常にオン状態である。よって、メダルガイド84がオン状態に切り替えられることによって、メダル払出装置70からn+1度数目のメダルが払い出される。
このように、ホッパモータ56を停止させることなくメダルガイド84の状態を切り替えるだけで払い出すメダルの度数を調整できるため、1度数ごとにホッパモータ56の回転の開始と停止とを繰り返す場合と比較してメダルの払出速度を格段に速くすることができる。
特に、ディスク72の上方にはメダルの貯留部であるホッパーヘッド77が備えられているため、ディスク72が回転を開始したり停止したりする度に大きな加重がかかり、メダルの払出速度の遅延化の一因となる。
よって、複数度数のメダルを払い出す間、ホッパモータ56(ディスク72)を停止させることなくメダルの払出単位毎にメダルガイドの誘導状態を切り替えるだけで複数度数のメダルを払い出すことによって、ディスク72の回転の開始と停止とを反復することで生ずるメダル払出の時間の遅れを排除して、高速にメダルを払い出すことができる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。