JP4638820B2 - マイクロポンプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロポンプおよびその製造方法に係り、特に、微小な流路を有するマイクロチップ等を用いた化学合成・分析装置及び医療用分析装置等へ微小量の液体を高精度に送液可能なマイクロポンプ及びその製造方法に好適なものである。
従来の医療分野や分析分野などにおけるマイクロポンプ及びその製造方法としては、特許公報第2995400号公報(特許文献1)に示されたものがある。
この特許文献1のマイクロポンプは、流体を押し出す機能を有する一つの加圧部と、流体が通過する流路部と、流路部の中途に設けられ流体導入・排出口の開閉をおこなう二つのバルブ部と、を同一基板上に形成した第1の基板と、バルブ部を介して流路部に流体を導入・排出する流体導入・排出口を形成した第2の基板と、から構成され、第1の基板上にパッキンが形成されたものである。
そして、そのマイクロポンプの製造工程は、第1の基板の一部を均一の厚みに薄層化して、加圧部とバルブ部のダイアフラムを形成する工程と、第1の基板上に流路部を形成する工程と、第2の基板上に流体導入・排出口を形成する工程と、第2の基板上にパッキン材料充填口を形成する工程と、第2の基板上のパッキンが接触する部位に、パッキン材料が接着することを防止する接着防止層を形成する工程と、第1の基板と第2の基板を接合あるいは接着する工程と、第2の基板上のパッキン材料充填口からパッキン材料を導入、固化させ、バルブ部のダイアフラム上にパッキンを形成する工程と、第1の基板のダイアフラム部位の、第2の基板と対向する面と反対の面に圧電素子を設置する工程と、からなっている。
特許公報第2995400号公報
しかし、特許文献1のマイクロポンプでは、ダイアフラム基板とポート基板との間の微小流路を開閉するパッキングを設ける必要があるため、パッキングによる材料費の増加及びパッキング取り付け費用の増加を招いて高価になってしまうと共に、微小流路の幅全体をパッキングで締切るようにしているため、そのバルブの締め切り性能を高めることが難しい、という課題があった。
そして、特許文献1のマイクロポンプの製造方法では、パッキングがダイアフラム基板とポート基板との接合時に高温に晒されないように、ダイアフラム基板とポート基板との接合後にパッキングが形成されるようになっているが、パッキン材料が接着することを防止する接着防止層を形成する工程や、パッキン材料充填口からパッキン材料を導入、固化させてパッキンを形成する工程等からなる複雑で面倒な行程を必要とし、この点からも高価になってしまう、という課題があった。
本発明の目的は、安価で、バルブの締切り性能が優れたマイクロポンプ及びその製造方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、ポート基板とダイアフラム基板との間に形成される微小流路と、前記微小流路へ貫通する2つの貫通穴を有する前記ポート基板と、前記ポート基板の貫通穴に取り付けられ前記微小流路へ液体を出入りさせる2つの液体出入り口具と、前記2つの液体出入り口具にそれぞれ対向する2つのバルブダイアフラムと前記2つの液体出入り口具間の前記微小流路に面するポンプダイアフラムとを有する前記ダイアフラム基板と、前記2つのバルブダイアフラムを変位して前記液体出入り口具の開口を開閉する2つのバルブ圧電素子と、前記ポンプダイアフラムを変位して前記微小流路の容積を変化させるポンプ圧電素子とを備えるマイクロポンプの製造方法において、前記バルブダイアフラム及び前記ポンプダイアフラムを形成した前記ダイアフラム基板と、2つの貫通穴を形成した前記ポート基板とを接合した後、液体出入り流路を構成する2つのチューブを、前記ポート基板の2つの貫通穴を貫通して前記微小流路内に突出させ、前記2つのバルブダイアフラムで当該チューブの開口が開閉されるように設置して前記ポート基板の液体出入り口具を形成したことにある。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記ポート基板と前記ダイアフラム基板とを熱拡散により接合すること。
(2)前記貫通穴の中間部を反微小流路側に拡大する円錐面に形成すると共に、前記貫通穴の中間部より反微小流路側にネジ部を形成し、前記貫通穴の中間部の円錐面に合致する外周円錐面を有するフィットと前記貫通穴のネジ部に合致する外周ネジ部を有するコネクタと前記フィット及び前記コネクタの中央部を貫通したチューブとを組み合わせて前記液体出入り口具を形成した状態で、前記貫通穴に挿入して前記フィットの外周円錐面を前記貫通穴の円錐面に密着させると共に前記フィットの内周面を前記チューブの外周面に密着させるように前記コネクタの外周ネジ部を前記貫通穴のネジ部にねじ込んで当該液体出入り口具を前記貫通穴に装着すること。
(3)弾性変形しやすく且つ耐薬品性に優れた樹脂材料であるテフロン(登録商標)、ポリスチレン、ポリカーボネイト、PEEK等で前記チューブを製作すること。
(4)変形しやすい金属材料である金、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属材料で前記チューブを製作すること。
(5)前記ポート基板及び前記ダイアフラム基板をステンレス鋼SUS316で製作すること。
また、本発明の第2の態様は、ポート基板とダイアフラム基板との間に形成される微小流路と、前記微小流路へ貫通する2つの貫通穴を有する前記ポート基板と、前記ポート基板の貫通穴に取り付けられ前記微小流路へ液体を出入りさせる2つの液体出入り口具と、前記2つの液体出入り口具にそれぞれ対向する2つのバルブダイアフラムと前記2つの液体出入り口具間の前記微小流路に面するポンプダイアフラムとを有する前記ダイアフラム基板と、前記2つのバルブダイアフラムを変位して前記液体出入り口具の開口を開閉する2つのバルブ圧電素子と、前記ポンプダイアフラムを変位して前記微小流路の容積を変化させるポンプ圧電素子とを備えたマイクロポンプにおいて、前記微小流路内に突出されて前記2つのバルブダイアフラムでそれぞれ開閉されると共に外部からの液体を前記微小流路に出入りさせる流路を構成するチューブで前記ポート基板の液体出入り口具を構成したものである。
本発明によれば、安価で、バルブの締切り性能が優れたマイクロポンプ及びその製造方法を実現できる。
以下、本発明の一実施形態のマイクロポンプ及びその製造方法について図1から図3を用いて説明する。
図1及び図2を参照しながら、本実施形態のマイクロポンプ1の構成に関して説明する。図1は本発明の一実施形態のマイクロポンプの縦断面図、図2は図1の要部詳細拡大図である。
本実施形態のマイクロポンプ1は、化学合成装置、化学分析装置及び医療用分析装置等の液体(試薬など)を高圧で送液するために用いられるものである。マイクロポンプ1は、ポート基板14、ダイアフラム基板13、微小流路16、液体出入り口具30、固定基板12、バルブ圧電素子15A、ポンプ圧電素子15B、及びピン20A、20Bを備えて構成されている。
この種のマイクロポンプ1では、駆動源、バルブの締切り性能、微小流量を制御するためダイアフラム基板13とポート基板14からなる微小流路16の間隔の制御、筐体の耐薬品性材質を確立する必要がある。本実施形態では、高圧を発生可能な積層圧電素子15A、15Bをダイアフラム10、11の駆動源として適用して、ダイアフラム10及びチューブ19からなるバルブの開閉および微小流路16への吐出、吸引を行うマイクロポンプを実現している。
微小流路16は、ポート基板14とダイアフラム基板13との間に形成される空間で構成され、本実施形態ではポート基板14の上面に形成された溝14aにより形成された空間で構成されている。微小流路16は左右に延びて形成されており、微小流路16の上面がバルブ基板13の下面で形成され、微小流路16の底面がポート基板14の凹部の底面により形成されている。なお、微小流路16は、ダイアフラム基板13の下面に形成された溝による空間で微小流路16を構成するようにしてもよく、或いは、ポート基板14及びダイアフラム基板13の両方に形成された溝による空間で構成されるようにしてもよい。
ポート基板14は、上面に左右に細長く直線状に延びた溝14aを有すると共に、微小流路16へ貫通する2つの貫通穴14bを有している。2つの貫通穴14bは微小流路16(溝14a)の長手方向の両端部に位置して設けられている。各貫通穴14bは、上部が円筒状のチューブ19の外形に合致し、中間部が円錐状のフィット18の外形に合致し、下部がコネクタ17のネジ形状に合致する形状となっている。
液体出入り口具30はコネクタ17、フィット18、及びチューブ19を備えて構成されている。2つの液体出入り口具30がそれぞれ2つ貫通穴14bに取り付けられている。
チューブ19は、外部からの液体を微小流路16に出入りさせる流路を構成するものであり、バルブ圧電素子15Aの動作状態によって、液体流入口となったり、逆に液体流出口となったりする。チューブ19の一側は貫通穴14を貫通して微小流路16内に突出されている。具体的には、チューブ19はコネクタ17及びフィット18を貫通して設けられている。チューブ19の一側先端の開口面は、バルブダイアフラム10の下面、厚肉部22の上面及びバルブ圧電素子15Aの下面と平行、換言すれば、バルブ圧電素子15Aの移動方向に垂直に形成されている。また、チューブ19の他側は、マイクロ流路を有するガラス製のマイクロチップや液体の試薬ボトル等の外部機器に連通されている。チューブ19の上端開口面はバルブダイアフラム10の下面で開閉される。
そして、チューブ19は、弾性変形しやすく且つ耐薬品性に優れた樹脂材料であるテフロン(登録商標)、ポリスチレン、ポリカーボネイト、PEEK等で製作されている。係る構成によって、バルブの締切り性能を向上しつつ、適用できる液体の範囲を薬品まで拡大できる。また、チューブ19を、変形しやすい金属材料である金、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属材料で製作してもよく、この場合には、バルブの締切り性能を向上しつつ、適用できる液体の範囲を有機溶媒まで拡大できる。
コネクタ17及びフィット18は貫通穴14bに取り付けられている。コネクタ17は貫通穴14bにネジ締結されている。その締結力によって、フィット18の円錐面を貫通穴14bの円錐面に押圧すると共に、フィット18の内周面を縮小してチューブ19の外周面に密着させている。これにより、フィット18とポート基板14との間の気密性を向上すると共に、フィット18とチューブ19との間の気密性を向上することができ、信頼性の優れたものとしている。
ダイアフラム基板13は、2つの液体出入り口具30にそれぞれ対向する2つのバルブダイアフラム10と2つの液体出入り口具30間の微小流路16に面するポンプダイアフラム11とを有する。バルブダイアフラム10の下面及びポンプダイアフラム11の下面は、微小流路16の上面の一部をそれぞれ形成している。
本実施形態のマイクロポンプ50が適用される装置に用いられる薬品などを考慮すると、主に酸性、塩基性、有機溶媒に耐性を有することが必要である。全ての薬品に耐性のある材質は、貴金属であるが、高コストであるため、基板全体に適用することは困難である。シリコンでは、酸性、有機溶媒に耐性を有するが、塩基性の薬品などには適用不可である。
そこで、本実施形態では、ダイアフラム基板13及びポート基板14の金属材料としてステンレス鋼SUS316を用いることで、塩基性、有機溶媒の薬品などに適用可能とすると共に、ダイアフラム基板13及びポート基板14における微小流路16を構成する面に耐酸性を有する表面処理を施すことで、酸性の薬品に適用可能としている。即ち、ステンレス鋼SUS316は表面に官能基があるため、この官能基を利用して表面処理を施すことで、耐酸性を持たせることを可能としたものである。なお、シリコンに同様の表面処理を行った場合には、塩基性への耐性はなく、表面処理剤の剥離の問題が生ずる。従って、本実施形態の構成によれば、安価な構成で、高い信頼性を有しつつ、耐薬品性を確保することができる。
バルブダイアフラム10の中央部にはチューブ19の開口部の径より大径の厚肉部22が島状に設けられている。この厚肉部22の上面は、厚肉部22の下面と平行な平面に形成され、バルブ圧電素子15Aの下面に接着剤21を介して当接され固定されている。上面から厚肉部22にバルブ圧電素子15Aの変形力が加えられた際に、厚肉部22の周囲の薄肉部が湾曲し、厚肉部22は湾曲することなく平行に変位されてチューブ19の開口部に押圧される。これによって、バルブダイアフラム10によるチューブ19の開閉を確実に精度よく行うことができ、バルブの締め切り性能を向上することができる。
ポンプダイアフラム11の中央部には厚肉部22が島状に設けられている。上面から厚肉部22にポンプ圧電素子15Bの変形力が加えられた際に、厚肉部22の周囲の薄肉部が湾曲し、厚肉部22は湾曲することなく平行に変位される。これによって、ポンプダイアフラム11によるポンプ作用を精度よく行うことができる。この厚肉部22の上面は、厚肉部22の下面と平行な平面に形成され、ポンプ圧電素子15Bの下面に接着剤21を介して当接され固定されている。
バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの下面は接着剤21を介して厚肉部22に固着され、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの上面は接着剤21を介してピン20に固着されている。また、ピン20と固定基板12とは接着剤21を介して固着されている。これらの接着剤21としては、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの変位量を吸収しないポリシアネート系の接着剤が好ましい。また、接着剤21中に変形しない粒子を導入することでバルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの変位量を吸収しないようにしても良い。本実施形態の接着剤21は、ポリシアネート系接着剤の中に数十〜数百nm程度のSiO製の粒子を混入して構成されている。
バルブダイアフラム10及びポンプダイアフラム11の反微小流路側に位置してそれぞれ独立した駆動部設置穴12A、12Bがダイアフラム基板13に縦長に形成されている。この駆動部設置穴12A、12Bの壁面は垂直に形成されている。
バルブ圧電素子15Aは、バルブダイアフラム10を変位してチューブ19の開口部を開閉するための駆動源であり、積層圧電素子で構成されている。積層圧電素子を用いることによって、液体を高圧で送液する流路を構成するチューブ19の開口部であっても確実に精度よく開閉することができる。また、バルブ圧電素子15Aは、駆動部設置穴12A内に収納して設置され、そのバルブ圧電素子15Aの一側はバルブダイアフラム10の厚肉部22に当接して固定され、そのバルブ圧電素子15Aの他側は位置決め用ピン20Aに当接して固定されている。バルブ圧電素子15Aの一側及び他側は、ポート基板14の凹部の底面、厚肉部22の上面と平行な面で形成されている。これによって、バルブダイアフラム10によるチューブ19の開口部の開閉を精度よく行うことができる。
ポンプ圧電素子15Bは、ポンプダイアフラム11を変位して微小流路16の容積を変化させて送液を行うための駆動源であり、積層圧電素子で構成されている。積層圧電素子を用いることによって、厚さ寸法は大きくなるが、大きな駆動力を発生できることにより、液体を高圧で送液することができる。また、ポンプ圧電素子15Bは、駆動部設置穴12B内に収納して設置され、そのポンプ圧電素子15Bの一側は厚肉部22に当接して固定され、そのポンプ圧電素子15Bの他側は位置決め用ピン20Bに当接して固定されている。ポンプ圧電素子15Bの一側及び他側は、ポート基板14の凹部の底面、厚肉部22の上面と平行な面で形成されている。これによって、ポンプダイアフラム11による送液作用を精度よく行うことができる。
バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの動作は、制御装置(図示せず)により制御される。バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bによる送液動作は、次の通り行なわれる。
一方のバルブ圧電素子15Aに電圧を印加することによりその積層圧電素子部を伸ばし、これに対応するバルブダイアフラム10を変位させることによりチューブ19を閉じる。この状態で、ポンプ圧電素子15Bに電圧を印加することによりその積層圧電素子部を伸ばし、微小流路16内の液体を他方のチューブ19を通して送液する。送液が終了した後に、他方のバルブ圧電素子15Aに電圧を印加することによりその積層圧電素子部を伸ばし、これに対応するバルブダイアフラム10を変位させることによりチューブ19を閉じる。
次いで、一方のバルブ圧電素子15Aの電圧印加を停止してその積層圧電素子部を縮め、これに対応するバルブダイアフラム10を復帰させてチューブ19を開く。しかる後、ポンプ圧電素子15Bの電圧印加を停止してその積層圧電素子部を元に戻し、これに対応するポンプダイアフラム11を元に戻すことにより、一方のチューブ19を開いてそのチューブ19を通して液体を微小流路16内に吸引する。
次いで、一方のバルブ圧電素子15Aに電圧を印加することによりその積層圧電素子部を伸ばし、これに対応するバルブダイアフラム10を変位させてチューブ19を閉じる。この状態で、ポンプ圧電素子15Bに電圧を印加することによりその積層圧電素子部を伸ばし、微小流路16内の液体を他方のチューブ19を通して送液する。以下、これを繰返すことにより、連続的な送液が行なわれる。
なお、2つのバルブ圧電素子15Aの電圧印加を前述と逆にすれば、逆方向に送液することができる。
位置決め用ピン20A、20Bは、バルブダイアフラム10及びポンプダイアフラム11の微小流路16における位置を決めるためのものであり、前述したようにバルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bに固定されると共に、駆動部設置穴12A、12Bに嵌合して固定されている。位置決め用ピン20A、20Bの側壁は垂直に形成されており、その外形は駆動部設置穴12A、12Bの内形と殆ど同一に形成されている。係る位置決め用ピン20A、20Bの固定構造により、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bの上下面を平行に精度よく保って固定することができる。
本実施形態によれば、微小流路16内に突出されて2つのバルブダイアフラム10でそれぞれ開閉されると共に外部からの液体を微小流路16に出入りさせる流路を構成するチューブ19で液体出入り口具30を構成しているので、従来技術のようなパッキングを用いたものと比較して、安価で、優れたバルブの締切り性能を得ることができる。
次に、図3を参照しながら、本実施形態によるマイクロポンプ1の製造方法について説明する。
図3(a)に示すように、固定基板素材12’に、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bを収納すると共に位置決め用ピン20A、20Bを固定するための駆動部設置穴12A、12Bを機械加工により形成して固定基板12を製作する。また、バルブダイアフラム素材13’に、ホトリソ、エッチング処理を施すことによりバルブダイアフラム10、ポンプダイアフラム11及び島構造の厚肉部22を形成してダイアフラム基板13を製作する。さらには、ポート基板素材14’に、ホトリソ、エッチング処理を施すことにより微小流路16のための溝14aを形成した後、この溝14aの両端部に貫通穴14bを貫通する機械加工により形成してポート基板14を製作する。なお、ポート基板14の作製方法としては、微小流路16の厚さの基板に溝14aを構成することとなる穴をホトリソ、エッチングで貫通形成した第1の基板と、コネクタ17を接続する孔を形成した第2の基板とを接合してポート基板14を作製するようにしても良い。
次いで、図3(b)に示すように、係る固定基板12、ダイアフラム基板13及びポート基板14を熱拡散により接合することで、マイクロポンプ50の筐体を製作する。
次いで、図3(c)に示すように、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bを駆動部設置穴12A、12B内に挿入し、ダイアフラム基板13の厚肉部18に接着剤21(図1参照)を用いてバルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bを固着する。次いで、位置決め用ピン20を駆動部設置穴12A、12B内に挿入し、バルブ圧電素子15A及びポンプ圧電素子15Bに接着剤21(図1参照)を用いて位置決め用ピン20を固着すると共に、位置決め用ピン20を固定基板12に固着する。
最後に、図3(d)に示すように、コネクタ17、フィット18、チューブ19を取り付けることにより液体出入り口具30を形成する。これによって、マイクロポンプ1と試薬ボトルまたはマイクロチップとは液体出入り口具30を介して連通される。
ここで、チューブ19をフィット18、コネクタ17に通した後、コネクタ17をねじ込むことで、フィット18は変形して、ポート基板14とチューブ19との隙間を埋めると共に、チューブ19を強固に固定できる。チューブ19の先端部は、マイクロポンプ内部に設置する。バルブダイアフラム10を駆動させると、チューブ19の先端部をパッキンの代わりとして使用できるため、バルブの締切り性能は向上する。
また、図2に示すように、チューブ19の先端部をマイクロポンプ内部に位置決めするために、チューブ19の先端部の近傍に突起部23を形成すると共に、ポート基板14の貫通穴14bの対応する部分に固定部24を設けている。チューブ19をフィット18及びコネクタ17に通した後、コネクタ17をポート基板14の貫通穴14bにねじ込むと、突起部23と固定部24とでチューブ19の微小流路16内への導入寸法を決めることが可能である。これによって、チューブ19の先端の位置精度が格段に向上して、バルブの締切り性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態のマイクロポンプの縦断面図である。 図1の要部詳細拡大図である。 図1のマイクロポンプの製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1…マイクロポンプ、10…バルブダイアフラム、11…ポンプダイアフラム、12…固定基板、12A、12B…駆動部設置穴、13…ダイアフラム基板、14…ポート基板、14a…溝、15A…バルブ圧電素子、15B…ポンプ圧電素子、16…微小流路、17…コネクタ、18…フィット、19…チューブ、20A、20B…ピン、21…接着剤、22…厚肉部、23…突起部、24…固定部、30…液体出入り口具。

Claims (7)

  1. ポート基板とダイアフラム基板との間に形成される微小流路と、
    前記微小流路へ貫通する2つの貫通穴を有する前記ポート基板と、
    前記ポート基板の貫通穴に取り付けられ前記微小流路へ液体を出入りさせる2つの液体出入り口具と、
    前記2つの液体出入り口具にそれぞれ対向する2つのバルブダイアフラムと前記2つの液体出入り口具間の前記微小流路に面するポンプダイアフラムとを有する前記ダイアフラム基板と、
    前記2つのバルブダイアフラムを変位して前記液体出入り口具の開口を開閉する2つのバルブ圧電素子と、
    前記ポンプダイアフラムを変位して前記微小流路の容積を変化させるポンプ圧電素子とを備えるマイクロポンプの製造方法において、
    前記バルブダイアフラム及び前記ポンプダイアフラムを形成した前記ダイアフラム基板と、2つの貫通穴を形成した前記ポート基板とを接合した後、
    液体出入り流路を構成する2つのチューブを、前記ポート基板の2つの貫通穴を貫通して前記微小流路内に突出させ、前記2つのバルブダイアフラムで当該チューブの開口が開閉されるように設置して前記ポート基板の液体出入り口具を形成する
    ことを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  2. 請求項1に記載のマイクロポンプの製造方法において、前記ポート基板と前記ダイアフラム基板とを熱拡散により接合することを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロポンプの製造方法において、前記貫通穴の中間部を反微小流路側に拡大する円錐面に形成すると共に、前記貫通穴の中間部より反微小流路側にネジ部を形成し、前記貫通穴の中間部の円錐面に合致する外周円錐面を有するフィットと前記貫通穴のネジ部に合致する外周ネジ部を有するコネクタと前記フィット及び前記コネクタの中央部を貫通したチューブとを組み合わせて前記液体出入り口具を形成した状態で、前記貫通穴に挿入して前記フィットの外周円錐面を前記貫通穴の円錐面に密着させると共に前記フィットの内周面を前記チューブの外周面に密着させるように前記コネクタの外周ネジ部を前記貫通穴のネジ部にねじ込んで当該液体出入り口具を前記貫通穴に装着することを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のマイクロポンプの製造方法において、弾性変形しやすく且つ耐薬品性に優れた樹脂材料であるテフロン(登録商標)、ポリスチレン、ポリカーボネイト、PEEK等で前記チューブを製作することを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  5. 請求項1から3の何れかに記載のマイクロポンプの製造方法において、変形しやすい金属材料である金、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属材料で前記チューブを製作することを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載のマイクロポンプの製造方法において、前記ポート基板及び前記ダイアフラム基板をステンレス鋼SUS316で製作することを特徴とするマイクロポンプの製造方法。
  7. ポート基板とダイアフラム基板との間に形成される微小流路と、
    前記微小流路へ貫通する2つの貫通穴を有する前記ポート基板と、
    前記ポート基板の貫通穴に取り付けられ前記微小流路へ液体を出入りさせる2つの液体出入り口具と、
    前記2つの液体出入り口具にそれぞれ対向する2つのバルブダイアフラムと前記2つの液体出入り口具間の前記微小流路に面するポンプダイアフラムとを有する前記ダイアフラム基板と、
    前記2つのバルブダイアフラムを変位して前記液体出入り口具の開口を開閉する2つのバルブ圧電素子と、
    前記ポンプダイアフラムを変位して前記微小流路の容積を変化させるポンプ圧電素子とを備えたマイクロポンプにおいて、
    前記微小流路内に突出されて前記2つのバルブダイアフラムでそれぞれ開閉されると共に外部からの液体を前記微小流路に出入りさせる流路を構成するチューブで前記ポート基板の液体出入り口具を構成した
    ことを特徴とするマイクロポンプ。
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