JP4442885B2 - 流体搬送装置 - Google Patents
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Description
ここで、本発明における流体とは、気体または液体を指すものとする。
(バルブの説明)
図1は、本発明の流体搬送装置に用いるバルブの構造の一例を示す概略図である。図1(a)にはバルブ100の平面図、図1(b)には断面図を示す。バルブ内の流路は、細い流路103を有する領域と、太い流路104、105を有する領域に分けられる。遮蔽部は101に示す平板の形状であり、流路104と流路105の間に、バネ102によって弾性支持された弁体101が流路と垂直に設置されている。弁体101を形成する基板と流路103を形成する基板の間に部材107が設置されている。弁体101は流路103の入口と、ある距離を保って設置されている。弁体101の径は流路103の径よりも大きく、弁体101が流路103に向かって変位して流路105と流路103の境界に達した場合、流体の流れを防ぐことが可能である。ここで、弁体101が流路103を形成する基板と接触する領域を弁座106とする。
以下に本発明の流体搬送装置の一例を説明する。
図3は、本発明の流体搬送装置の実施形態の一例を示す概念図である。流体搬送装置300は、バネ102と弁体101を形成する基板301と、基板302と、流路103を形成する基板303より構成されている。
基板301と基板303は特に接合されているわけではないので、自由に脱着することが可能な構造となっている。なお、基板302の材質はシリコーン樹脂に限定されない。基板301と基板303と密着性が良く、かつ脱着が可能な材料ならばどのようなものを用いても構わない。
まず、基板301と基板303は基板302を境にして分離する。厚みが異なる基板307を基板302の代わりに設置する。これにより、基板302に比べて、弁体101と弁座106との距離が変わるため、バルブが駆動する圧力範囲が変化する。
図3(c)に示すように、流体搬送装置300は、加圧手段308を備えている。
加圧によりバルブの閾値を変える方法について説明する。
また、加圧手段は、基板301と基板303を均一に圧縮することができれば、特に制限はない。ホルダ305、ねじ306、スペーサ304を用いて基板を圧縮する方法が挙げられる。また、加圧手段として圧電素子を用いることも可能である。圧電素子に印加する電圧を変化させることにより、圧電素子の厚みを変え、基板302の厚みを変化させる。これにより、弁体と弁体の距離が変化し、閾値を変えることが可能である。
図4に図1の液体搬送装置の具体的な作製例を示す。前記液体搬送装置は図4(b)に示すように、バルブの可動部である弁体101を構成する基板401、該弁体と該弁体が流路を塞ぐ部分である弁座との距離を決める基板402、該弁座を形成した基板403、バルブと次のプロセスを接続する流路を形成した基板404からなる。図4(a)は、図1に示される流路が形成される基板401の平面図を示す。図4(b)は、図4(a)中のB−B’間の断面図、図4(c)は図4(a)のC−C’断面図を示す。
基板403、基板404はシリコンを用い、基板401と共にフォトリソグラフィ法とSF6 ガスとC4 F8 ガスのプラズマによるドライエッチングの組み合わせにて作製する。基板403、基板404は熱融着法により接合する。
以上の方法で作製された基板401、基板402、基板403および基板404は圧着して固定する。
図4(c)は液体搬送装置400の使用状態を示している。これに対し、図4(d)は液体搬送装置400の分離された状態を示している。基板401と基板403、404は基板402を介して分離される。これにより、弁体101と弁座106の間に混入する異物を除去することが可能である。
図5の液体搬送装置は、バルブ基板400、固定部材501、固定用ねじ502、スペーサ503より構成されている。図5(b)、(c)は図5(a)のD−D’線断面図を示す。
まず、厚さ910μmのスペーサ504.をスペーサ503の代わりに設置する。これにより、スペーサの厚さが10μm薄くなる。固定用ねじ502を締めることにより、基板402は圧縮される。これにより、基板402は変形し、弁体101は弁座106の方向に変位する。
図6(a)の液体搬送装置は、バルブ基板400、固定部材501、固定用ねじ502、スペーサ602、圧電素子601で構成されている。圧電素子601はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、圧電素子601は不図示の電極シート、および不図示の電源部に接続されている。
この場合、基板402を厚みの異なる基板と交換する手間が省ける。これにより、バルブの閾値を迅速に調節することが可能である。
分析システム700は、サンプルと移動相が通る流路705、706、707、708、709を有し、流路708の途中にバルブ701、流路709の途中にバルブ702を有する。流路708はサンプルを搬送するためのポンプ703に接続されている。また、流路705は移動相を搬送するためのポンプ710に接続されている。流路707は外部検出装置であるHPLCカラム711に接続されている。流路709はサンプルと移動相の廃液部704に接続されている。
HPLCカラム711は、ODS(オクタデシル化シリカ)カラムを用いた逆相クロマトグラフィであり、紫外吸光検出器によって、分離された各成分の検出を行う。その結果、エチルベンゼン、グリセリンの明瞭な出力信号ピークを得ることができる。
101 弁体
102 バネ
103、104、105、705、706、707、708、709 流路
106 弁座
107 部材
201、202 流体の流れ
300、400 バルブ基板
301、302、303、307、401、402、403、404 基板
304、503、504、602 スペーサ
305、501 固定部材
306、502 固定用ねじ
308 加圧手段
405 流路(スルーホール)
406 出口
601 圧電素子
700 分析システム
701、702 バルブ
703、710 ポンプ
704 廃液部
711 HPLCカラム
712 サンプル
Claims (3)
- 細い流路が形成された第1の基板上に、前記細い流路よりも太い流路と、前記細い流路を遮蔽する板状の遮蔽部と、を備え、シリコンで構成された第2の基板を、第3の基板を介して、配置し、前記太い流路と前記細い流路を流体が流れるときに前記遮蔽部表面における前記太い流路側と、前記細い流路側と、の圧力差を駆動力として前記遮蔽部が弾性変位することで前記細い流路を遮蔽する流体搬送装置であって、前記圧力差が閾値未満のときは流体を通過させ、閾値以上のときは流体の流れを遮断すると共に、前記第1の基板と第2の基板とがスペーサとホルダーを用いて固定されることで、前記第3の基板を交換可能とし、前記第3の基板の厚みを変化させることで、前記閾値を可変としたことを特徴とする流体搬送装置。
- 前記第1の基板はシリコンで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体搬送装置。
- 前記細い流路の中心と前記太い流路の中心と前記遮蔽部の中心とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の流体搬送装置。
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