JP2002048071A - マイクロ流体システム - Google Patents

マイクロ流体システム

Info

Publication number
JP2002048071A
JP2002048071A JP2000239051A JP2000239051A JP2002048071A JP 2002048071 A JP2002048071 A JP 2002048071A JP 2000239051 A JP2000239051 A JP 2000239051A JP 2000239051 A JP2000239051 A JP 2000239051A JP 2002048071 A JP2002048071 A JP 2002048071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
fluid
actuator
valve
diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000239051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3895525B2 (ja
Inventor
Jun Shinohara
潤 篠原
Kazuyoshi Furuta
一吉 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2000239051A priority Critical patent/JP3895525B2/ja
Publication of JP2002048071A publication Critical patent/JP2002048071A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3895525B2 publication Critical patent/JP3895525B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用性に富み、低コスト化を実現し、かつ取
り扱いの容易なマイクロ流体システムを提供する。 【解決手段】 アクチュエータ、ヒーター、クーラーの
能動素子もしくは各種センサ等の受動素子を有するアク
チュエータ用基板と、流路、混合室、ポンプ室等の流体
要素を構成するカバー用基板が着脱可能である構造とす
ることによって、流体要素の配置変更をおこなう際に
は、カバー用基板のみを交換することによって対処でき
るような構造とした。またアクチュエータ用基板は、複
数の能動素子もしくは受動素子があらかじめ格子状に設
置してある汎用性の高い構造とした。また両基板を取り
外すことによって、流体システム内に混入した異物を容
易に取り除くことができる構造となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療、化学、生化
学などの分野において用いられる、少量のサンプルを用
いて、分離、混合、合成、分析などを小型の装置でおこ
なうマイクロ流体システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ流体システムにおいて
は、混合室や流路などを加工した複数のガラス基板やシ
リコン基板を、陽極接合法などを用いて強固に接合した
り、未焼結状態の複数のセラミックス層を積層した後に
焼結させることによって、一体型の集積マイクロ流体シ
ステムを作製していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のマイクロポンプ
やマイクロバルブを組み合わせた流体システムにはいく
つかの問題があった。例えば各層が強固に接合された一
体型のマイクロ流体システムの場合、バルブ部分、ポン
ピング部分、流路部分、混合室部分などの容積や形状、
組み合わせなどを変更することはできなかった。このた
め異なる作業をおこなう際には全体を交換する必要があ
り、非常に汎用性が低かった。同時にアクチュエータを
駆動する電源や制御系も設計変更する必要があった。
【0004】また、部分的に故障が発生した際や内部に
異物が混入した際には全体を交換しなければならないた
め、コストが高くなるという問題点を有していた。
【0005】本願発明は、上記問題点を解決し、汎用性
に富み、低コスト化を実現し、かつ取り扱いの容易なマ
イクロ流体システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の流体システム
は、ダイアフラムをアクチュエータによって変形させる
アクチュエータ用基板と、バルブ部、ポンピング部、流
路部などを有するカバー用基板を密着させて固定する構
造とした。このため、基板を自由に着脱することが可能
となり、バルブ部分やポンピング部分の容積や形状、組
合せを変更する際にも、カバー用基板だけを交換すれば
よく、アクチュエータ用基板は共通で使用することが可
能となった。また異物混入の際にはアクチュエータ用基
板とカバー用基板を取り外すことによって、内部の洗浄
を容易におこなうことが可能となった。
【0007】また、アクチュエータ用基板はあらかじめ
マトリックス状にダイアフラムとアクチュエータ、ヒー
ター、クーラー、センサー等を配置しておき、マイクロ
ポンプやマイクロバルブ、流路、混合室といった、マイ
クロ流体システムに必要となる要素は、すべてカバー用
基板の設計だけで決定できるようにした。このため異な
る流体システムを構築する際にも、アクチュエータ用基
板は常に共通のものを用い、カバー用基板だけを交換す
ることによって、アクチュエータの電気的配線や制御系
は常に共通のものを使えるような構造とした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [実施の形態1]本実施の形態では、アクチュエータ用
基板が3×3のマトリックス状のダイアフラムを有し、
カバー用基板が4つのバルブ部と1つのポンピング部を
有している流体システムの一例について説明する。
【0009】まず始めに本流体システムで用いるバルブ
部の機能について説明する。図2と図3はその説明図で
ある。バルブ部分のみの分解図を図2に、断面図を図3
に示す。本実施の形態ではアクチュエータ用基板として
シリコン基板を、カバー用基板としてシリコーン樹脂を
用いた。
【0010】カバー用基板2は凹部を有しており、この
凹部はセパレータ3によって隔てられた構造となってい
る。また凹部には貫通穴が形成されており、外部から流
体が出入りする流体出入口4として機能する。このカバ
ー用基板2はフォトリソグラフィーの技術を用いてレジ
ストの型を作成しておき、そこに未硬化のシリコーン樹
脂を流し込んだ後に硬化させる方法によって任意の形状
のものを作成することができる。
【0011】アクチュエータ用基板1はシリコン基板に
よって製作され、水酸化カリウム水溶液によるエッチン
グで作製されたダイアフラム5を有している。この裏面
には圧電素子6が接着されており、ダイアフラム5と圧
電素子6のユニモルフ構造となっている。このため圧電
素子6に電圧を印加することによって、ダイアフラムは
アクチュエータ用基板と垂直の方向にたわむ。本実施の
形態では、ダイアフラムを変形させる方法として圧電素
子を用いているが、例えば、静電力、磁力、空気圧、形
状記憶合金など、他の方法を用いて変形をおこなうこと
も可能である。また、カバー用基板の凹部およびアクチ
ュエータ用基板のダイアフラム形状を四角形としている
が、形状はこれに限定されるわけではない。
【0012】カバー用基板2とアクチュエータ用基板1
は、カバー用基板2における凹部の存在する側の面と、
アクチュエータ用基板1における圧電素子が接着されて
いる面と反対側の面が凹部を除いて接するような状態で
密着させられる。この際、カバー用基板1におけるセパ
レータの中心とアクチュエータ用基板1のダイアフラム
5の中心が一致するような状態で、2枚の基板は位置決
めされる。カバー用基板2にPDMS(ポリジメチルシロキ
サン)などの粘着性の高いシリコーン樹脂を用い、アク
チュエータ用基板1に表面平坦度の高いシリコン基板を
用いれば、両者の間で高い密着力を得ることができる。
この場合、流体出入口4から数キロパスカル程度の圧力
を加えたとしても、アクチュエータ用基板1とカバー用
基板2の間から流体の漏れが生じてしまうことはない。
また、二つの基板はカバー用基板の粘着性によって密着
させられている状態であり、接着されているわけではな
い。このため、ピンセットなどを用いて、アクチュエー
タ用基板からカバー用基板を容易に剥がすことができ
る。
【0013】また、高圧力下で使用する場合には、図1
5に示すようにホルダ37を用いてアクチュエータ用基
板1とカバー用基板2を挟み込むことによって固定する
方法もある。ホルダ37はスペーサ38を介し、ねじ3
9によって固定されている。アクチュエータ側基板1と
カバー用基板2の圧着力は、このスペーサ38の厚みに
よって調整することが可能である。この場合、両基板は
ホルダ37によって常に押し付けられた構造となってい
るため、高圧力下における使用の際にも、両基板の間か
ら流体の漏れが生じることはない。また、カバー用基板
2側のホルダに管路40を一体で成形しておけば、ホル
ダ37とカバー用基板2の間においても同様に高い密着
性が得られるため、漏れのない管路が実現できるように
なる。
【0014】これらカバー用基板2およびアクチュエー
タ用基板1の材質は、それぞれシリコーン樹脂およびシ
リコン基板に限定されるわけではない。両者の密着性が
良く、かつ着脱が可能な材質であればどのようなものを
用いても構わない。また、カバー用基板2とアクチュエ
ータ用基板1が、両者とも密着性を有さない物質で構成
されている場合においても、カバー用基板1とアクチュ
エータ用基板2の接触面の少なくとも一方に粘着性の薄
膜を形成することによって、両者が脱着可能で、かつ高
い密着性を有する構造とすることもできる。また両基板
の間に熱可塑性の接着層を用い、加熱/冷却により両基
板の着脱が可能な構造とすることもできる。
【0015】続いて、上記の二枚の基板から構成される
バルブ部の動作について説明する。アクチュエータ用基
板1とカバー用基板2が密着している場合、セパレータ
3とダイアフラム5も同様に密着した状態となってい
る。このため、圧電素子に電圧を印加していなければ、
2つの流体出入口4はセパレータ3によって完全に遮断
された状態となり、二つの流体出入口の間で流れがせき
止められることによって、バルブが閉じた状態が保たれ
る。これに対して、圧電素子6に電圧を印加すると、圧
電素子6とダイアフラム5のユニモルフ構造によってダ
イアフラム5がたわみ、ダイアフラム5とセパレータ3
の間に間隙が生じる。この間隙を流体が移動することに
よって、バルブが開いた状態となる(図4)。このよう
に、バルブ部は電圧印加によって開き、電圧印加を停止
することによって閉じる動作をする。また、圧電素子に
印加する電圧の向きを逆にすることによって、セパレー
タにダイアフラムを押しつけ、より強固にバルブを閉じ
るという動作も可能である。なお、流体出入口は貫通穴
である必要はなく、図5に示すように流路7によって外
部から流体が出入りする構造でも構わない。
【0016】続いてポンピング部について説明する。ポ
ンピング部はバルブ部と同じく凹部を有するカバー用基
板と、圧電素子を接着したダイアフラムを有するアクチ
ュエータ用基板を密着させることによって形成される。
ただしバルブ部とは異なり、カバー用基板はセパレータ
を有していない。このため圧電素子によってダイアフラ
ムが変形すれば、カバー用基板とダイアフラム間の体積
変化によって、流体出入口を通じて、流体の吸入・吐出
がおこなわれる。
【0017】これらのバルブ部およびポンプ部を組み合
わせた流体システムの一例を図6に示す。この流体シス
テムは、4つのバルブ部と1つのポンピング部を組み合
わせたものである。アクチュエータ用基板1は、9つの
ダイアフラム5が3×3のマトリックス状に配置されて
おり、それぞれに圧電素子6を接着することでユニモル
フ構造となっている。また、各ダイアフラムのサイズお
よび厚みはすべて同一とし、圧電素子も同じものを用い
ている。このようにアクチュエータを統一することで、
制御系を含めたシステム全体を単純化することができる
ようになっている。また、カバー用基板とアクチュエー
タ用基板はバルブ部の構造の説明で述べたように、自由
に着脱が可能な構造となっている。
【0018】一方、カバー用基板2には第一バルブ1
3、第二バルブ14、第三バルブ15、第四バルブ16
の4つのバルブ部およびポンピング部12が形成されて
いる。これらのバルブ部は流路7によってそれぞれポン
ピング部12に接続されており、各バルブ部には外部と
の流体の移動をおこなう流体出入口7が形成されてい
る。
【0019】アクチュエータ用基板1とカバー用基板2
は密着させられ、カバー用基板2に形成されたバルブ部
およびポンピング部の位置と、アクチュエータ用基板1
に形成されたダイアフラム5の位置は、2枚の基板を密
着させた際に一致するように配置してある。ただしカバ
ー用基板におけるバルブ部およびポンピング部の総数
と、アクチュエータ用基板におけるダイアフラムの総数
は必ずしも一致している必要はない。本実施例の場合、
カバー用基板におけるバルブ部およびポンピング部の合
計は5つであるが、アクチュエータ用基板におけるダイ
アフラムの総数は9つとなっている。この場合、カバー
用基板のバルブ部もしくはポンピング部と対応しない4
つのダイアフラムは駆動されないことになる。
【0020】続いて、この流体システムの動作の一例に
ついて説明する。ここでは、第一バルブ部13、第二バ
ルブ部14、第三バルブ部15にそれぞれ別の試薬タン
クを接続した。各バルブから順番に一定の割合で試薬を
ポンピング部12に吸引し、合成や混合をおこなった後
に、この試薬を第四バルブ部16から吐出をおこなっ
た。このように流体システムを動作させることによっ
て、図7に示すような流体システムを実現することがで
きた。各バルブから吸引する試薬の量については、ポン
ピング部12におけるダイアフラムの変位量によって制
御することが可能である。
【0021】また、本流体システムのポンピング部やバ
ルブ部といった要素の配置は、カバー用基板によって決
定されており、かつアクチュエータ用基板にはあらかじ
め3×3のマトリックス状にアクチュエータが配置され
ている。このためアクチュエータ用基板を共通に用いて
カバー用基板を交換するだけで、最大9つの要素を有し
た、任意の流体システムを構築することが可能となる。
【0022】本実施の形態では3×3のマトリックス状
のダイアフラムを有するアクチュエータ用基板を用いた
流体システムについて説明をおこなったが、もちろん、
このダイアフラムの数はいくつにしても構わない。例え
ば10×10のマトリックス状ダイアフラム有するアク
チュエータ用基板を用いれば、最大で100のバルブ部
もしくはポンピング部を配置することができ、それだけ
複雑な流体システムが実現可能となる。さらにシステム
全体の制御を容易にするために、すべてのダイアフラム
の形状、大きさ、厚み、アクチュエータの性能を統一し
てある。
【0023】この流体システムは、バルブ部、ポンピン
グ部、流路といった構成要素の配置はすべてカバー用基
板によって決定されており、かつアクチュエータ用基板
にはマトリックス状にアクチュエータが配置してある。
また、アクチュエータ用基板とカバー用基板の着脱が可
能な構造となっているため、アクチュエータ用基板およ
びその制御系をひとつ用意しておけば、カバー用基板を
取り替えるだけで容易に異なる流体システムを構築する
ことができ、非常に高い汎用性を有している。また、ア
クチュエータの電気配線や制御系は共通のものを使用す
ることが可能であり、カバー用基板の交換だけですむた
め、低コスト化も実現できている。
【0024】さらに、バルブ部、ポンピング部、流路と
いった構成要素がカバー用基板において一体で形成され
ているため、各要素間をコネクタを介して接続する必要
がなく、漏れや組立誤差といった問題点も解決されてい
る。
【0025】流体システム内部にパーティクルが混入し
た際も、カバー用基板をはずして内部の清掃を容易にお
こなうことが可能である。カバー用基板が劣化した際に
は交換することができ、アクチュエータ用基板はそのま
ま継続して使用することが可能である。このように部分
的な交換が可能であるため、流体システム全体としての
長寿命化もはかることもできた。 [実施の形態2]本実施の形態では、実施の形態1で説
明した3×3のダイアフラムを有するアクチュエータ用
基板を用い、カバー用基板を変えることによって、効率
の良い混合作用を実現した流体システムの例について説
明する。
【0026】図8は本システムの分解図であるが、カバ
ー用基板は、二つのバルブ部11の中間に第一ポンピン
グ部17と第二ポンピング部18の二つのポンピング部
を有している。
【0027】例えば実施の形態1で説明した流体システ
ムの場合、4つのバルブがすべて閉じた状態では外部と
の流体の移動が不可能であるため、ポンピング部の駆動
をおこなうことができない。そのためポンピング部にお
いて効率の良い混合をおこなうことは難しかった。
【0028】しかし図8に示すシステムのように、ポン
ピング部を二つ設置してある場合は、流体を吸入した後
に二つのバルブ部を閉じ、さらにポンプ部を図9(9−
a、9−b)に示すように対称に駆動することによっ
て、ポンピング部の総体積を変えることなく効率的に混
合を実現することが可能となる。
【0029】このように、本発明における流体システム
では、二つのバルブ部の中間にポンピングダイアフラム
を二つ設置しておくことによって効率の良い混合デバイ
スを実現することができる。本実施の形態ではポンピン
グダイアフラムを二つ設置した例について説明している
が、ポンピングダイアフラムの数は二つ以上であっても
同様の効果を得ることができる。また、ポンピングダイ
アフラムの配置に関しても特に限定されることはなく、
複数のポンピングダイアフラムが二つのバルブ部の中間
に位置していれば同じ効果を得ることができる。 [実施の形態3]本実施の形態では、実施の形態1で説
明した3×3のダイアフラムを有するアクチュエータ用
基板を用い、カバー用基板の1つの凹部に対して複数の
アクチュエータが対応している例について説明する。
【0030】図10はひとつのポンピング部12に対し
て、4つのダイアフラム5が対応している例である。二
枚の基板を密着させることによって、4つのダイアフラ
ム5すべてがポンピング部12によって覆われた構成に
なっている。
【0031】このような構造の場合、4つのダイアフラ
ムを二つずつ対称に変位させることによって、実施の形
態2で説明した構成と同様に、効率のよい混合をおこな
うことができる。
【0032】また、4つのダイアフラムを同時に同方向
に変位させることによって、一回のポンピング動作にお
ける流体の移動量を4倍に増やすこともできる。もちろ
ん、1つのポンプ部に対応するダイアフラムの数は4つ
に限定されるわけではない。
【0033】このように、1つのポンプ部に対して複数
のダイアフラムを対応させることによって、効率の良い
混合作業をおこなうだけでなく、1回のポンピングによ
る流体の移動量を増やすことも可能となる。 [実施の形態4]本実施の形態では、実施の形態1で説
明した3×3のダイアフラムを有するアクチュエータ用
基板を用い、カバー用基板を変えることによって、複数
の試薬を任意の比率で何度でも混合することが可能であ
るシステムについて説明する。図1はシステム全体の分
解図である。ポンピング部12には流路7によって第一
バルブ13、第二バルブ14、第三バルブ15がそれぞ
れ接続されている。またポンピング部12内部の洗浄を
おこなうための第一洗浄バルブ19、第二洗浄バルブ2
0も同じく流路7によってポンピング部12に接続され
ている。本実施の形態における流体の移動の様子をあら
わした模式図を図11に示す。
【0034】第一バルブ13および第二バルブ14から
吸引された流体はポンピング部12において混合され、
第三バルブ15から吐出される。この混合の比率に関し
ては、第一バルブ13および第二バルブ14からそれぞ
れ流体を吸入する際のポンピング部12の変位量を制御
することによって、任意に設定することが可能である。
さらに別の比率で混合をおこなう作業を続ける場合に
は、まず第一バルブ13、第二バルブ14、第三バルブ
15のすべてのバルブを閉じた状態で、第一洗浄バルブ
19から第二洗浄バルブ20へ向かって洗浄液を送液し
ポンピング部12内部の洗浄をおこない、その後で再び
第一バルブ13と第二バルブ14からの混合をおこなえ
ばよい。
【0035】[実施の形態5]本実施の形態では、アク
チュエータ用基板に形成されたダイアフラムに対して、
圧電素子によるアクチュエータ部だけでなく、加熱部や
冷却部を設置した流体システムについて説明する。
【0036】本実施の形態で説明をおこなう流体システ
ムは、実施の形態1で説明したものと同様に、着脱可能
なアクチュエータ用基板とカバー用基板から構成されて
いる。ここでは、アクチュエータ用基板としてシリコン
基板を使用しているが、このシリコン基板には水酸化カ
リウム水溶液によるエッチングによってダイアフラムが
形成されている。このダイアフラムに圧電素子を接着す
れば、バルブ動作やポンピング動作をおこなうアクチュ
エータ部として用いることができるが、圧電素子の代り
にヒーターを接着すれば、ダイアフラム部分のみを加熱
する加熱部が、ペルチェ素子を接着すればダイアフラム
部分を冷却する冷却部が実現できる。特にダイアフラム
部分はアクチュエータ用基板の他の部分よりも薄くなっ
ているため、応答性の良い温度コントロールを実現する
ことができる。
【0037】図12はアクチュエータ用基板を上面から
見た図である。アクチュエータ用基板は紙面上で裏面か
らエッチングがなされており、そのエッチング部分にそ
れぞれ圧電素子、ヒーター、ペルチェ素子が接着されて
おり、アクチュエータ部、加熱部、冷却部として4×4
のマトリックス状に配置してある。これらの各素子はそ
れぞれコントローラに接続されており、独立して動作さ
せることが可能である。このようなアクチュエータ用基
板に対して、例えば図13に示すようなカバー用基板を
密着させた場合、図14に示すような流体システムが構
築される。
【0038】アクチュエータ部、加熱部、冷却部といっ
た各要素は、あらかじめアクチュエータ用基板上にマト
リックス上に配置されており、使用する要素はすべてカ
バー用基板の設計によって決定される。そのため、カバ
ー用基板を交換することによって任意の流体システムを
構築することが可能である。本実施の形態では、アクチ
ュエータ用基板に配置する要素として、アクチュエー
タ、ヒーター、クーラーの三つを用いたが、圧力センサ
や温度センサ、pHセンサ、グルコースセンサなどの各種
センサを同様にマトリックス状に配置することももちろ
ん可能である。
【0039】また、アクチュエータ用基板に、ポンプ部
やバルブ部を設けず、ヒーターやクーラーや各種センサ
などだけを設置し、流体の搬送はすべて外部からの圧力
印加、もしくは高電圧印加による電気泳動によっておこ
なうことももちろん可能である。
【0040】本実施の形態で説明した流体システムは、
アクチュエータ用基板とカバー用基板の着脱が可能な構
造となっているため、アクチュエータ用基板およびその
制御系をひとつ用意しておけば、カバー用基板を取り替
えるだけで容易に異なる流体システムを構築することが
できるという特徴を有している。また、アクチュエータ
の電気配線や制御系に関しても共通のものを使用するこ
とが可能であるため、汎用性も高く、低コスト化も実現
できている。また、本流体システムの場合、各構成要素
がカバー用基板において一体で形成されているため、各
要素間をコネクタを介して接続する必要がなく、漏れや
位置決めといった問題点が解決されている。
【0041】さらに流体システム内部にパーティクルが
混入した際にカバー用基板をはずし、内部の清掃を容易
におこなうことができるという利点も有している。カバ
ー用基板が劣化した際には交換することができ、アクチ
ュエータ用基板はそのまま継続して使用することが可能
である。このように部分的な交換が可能であるため、流
体システム全体としての長寿命化をはかることもでき
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の流体システムは、複数のアクチ
ュエータ部、センサー部、ヒーター部、クーラー部とい
った要素を有したアクチュエータ用基板と、これらの要
素を接続するカバー用基板から構成され、着脱可能な構
造となっている。このため複数のカバー用基板を用意し
ておき、必要に応じて交換することによって、異なる機
能を有する流体システムが容易に実現することが可能と
なった。この場合、交換するのはカバー用基板だけでよ
く、アクチュエータ用基板は共通で使用することができ
るため、低コスト化も実現されるという効果を有してい
る。またアクチュエータの電気配線や制御系に関しても
共通のものを使用することが可能であるため、汎用性も
高まった。さらに、流体システム内部に異物が混入した
際には、両者を取り外すことによって、内部の洗浄が可
能であるという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体システムの一例を示す分解図であ
る。
【図2】バルブ部分の構造を示す分解図である。
【図3】バルブ部分の構造を示す断面図である。
【図4】バルブ部分が開いた様子である。
【図5】バルブ部分におけるカバー用基板の一例であ
る。
【図6】4つのバルブ部と1つのポンプ部を有する流体
システムである。
【図7】図6のシステムにおける流れの様子を示してい
る。
【図8】二つのポンプ部を有し、この部分で高効率な混
合が可能な流体システムである。
【図9】二つのポンプ部において流体が混合される様子
である。
【図10】一つのポンプ部に対して4つのアクチュエー
タが対応している流体システムである。
【図11】図1のシステムにおける流れの様子を示して
いる。
【図12】アクチュエータ部、加熱部、冷却部がマトリ
ックス状に配置されたアクチュエータ用基板である。
【図13】図12におけるアクチュエータ用基板に対し
て、カバー用基板を密着させ、流体システムを構築した
例である。
【図14】図13のシステムにおける流れの様子を示し
ている。
【図15】アクチュエータ用基板とカバー用基板がホル
ダによって固定される様子を示している。
【符号の説明】
1.アクチュエータ用基板 2.カバー用基板 3.セパレータ 4.流体出入口 5.ダイアフラム 6.圧電素子 7.流路 11.バルブ部 12.ポンピング部 13.第一バルブ 14.第二バルブ 15.第三バルブ 16.第四バルブ 17.第一ポンピング部 18.第二ポンピング部 19.第一洗浄バルブ 20.第二洗浄バルブ 31.アクチュエータ部 32.加熱部 33.冷却部 34.第一入口バルブ 35.第二入口バルブ 36.出口バルブ 37.ホルダ 38.スペーサ 39.ねじ 40.管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H075 AA01 BB04 BB19 CC14 CC23 CC28 CC30 CC32 CC33 CC34 CC35 CC36 CC37 DB02 3H077 AA08 BB03 BB10 CC02 CC07 CC13 CC17 DD06 EE01 EE34 EE35 EE37 FF02 FF07 FF08 FF09 FF22 FF36 FF43 FF44

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の運搬、混合、分離、分析をおこな
    う流体システムにおいて、 少なくとも二つの流体出入口と、前記流体出入口と接続
    された少なくとも一つの凹部を有する基板Aと、 前記凹部内の流体に作用する少なくとも一つの能動素
    子、もしくは前記凹部内の流体の状態を検知する少なく
    とも一つの受動素子、もしくは前記能動素子および前記
    受動素子の両方を有する基板Bから構成され、 前記基板Aと前記基板Bを密着させることにより、前記凹
    部と前記基板Bの間で閉空間を形成し、 前記能動素子の作用により前記閉空間内を流体が移動す
    ることを特徴としたマイクロ流体システム。
  2. 【請求項2】 前記基板Aと前記基板Bは着脱を繰り返し
    おこなう手段を有し、かつ前記基板Aと前記基板Bの密着
    時には、前記基板Aと前記基板Bの接触面から流体の漏れ
    が生じないことを特徴とした請求項1記載のマイクロ流
    体システム。
  3. 【請求項3】 前記基板Aと前記基板Bの着脱を繰り返し
    おこなう手段は、前記基板Aと前記基板Bの接触面の少な
    くとも一方が粘着性を有していることを特徴した請求項
    2記載の流体システム。
  4. 【請求項4】 前記粘着性を有する構造は、前記基板A
    あるいは前記基板Bのいずれかが粘着性を有する材料で
    構成されているか、 あるいは前記基板Aあるいは前記基板Bの少なくとも一方
    が多層構造であり、かつ、そのうちの少なくとも一層が
    粘着性を有する材料で構成されていることを特徴とした
    請求項3記載のマイクロ流体システム。
  5. 【請求項5】 前記基板Aと前記基板Bの着脱を繰り返し
    おこなう手段は、 前記基板Aと前記基板Bの外部に設置した脱着可能なホル
    ダにより、機械的に結合されることを特徴とした請求項
    2記載のマイクロ流体システム。
  6. 【請求項6】 前記能動素子の少なくとも一つは、前記
    基板B上に形成されたダイアフラムと、前記ダイアフラ
    ムを変形させるためのアクチュエータから構成されるこ
    とを特徴とした、請求項1記載のマイクロ流体システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記能動素子の少なくとも一つは、流体
    を加熱するヒーターもしくは流体を冷却するクーラーで
    あることを特徴とした請求項1記載のマイクロ流体シス
    テム。
  8. 【請求項8】 前記能動素子および前記受動素子が、前
    記基板B上において格子状に配置されていることを特徴
    とした請求項1記載のマイクロ流体システム。
  9. 【請求項9】 前記基板B上に配置されている前記能動
    素子および前記受動素子が、すべて同じ大きさであるこ
    とを特徴とした請求項1記載のマイクロ流体システム。
  10. 【請求項10】 前記基板Aは用途に応じて複数用意
    し、前記基板Bは共用とし、前記基板Aを取り替えるこ
    とにより、複数の用途に対応することを特徴とした請求
    項1記載のマイクロ流体システム。
JP2000239051A 2000-08-07 2000-08-07 マイクロ流体システム Expired - Fee Related JP3895525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000239051A JP3895525B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 マイクロ流体システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000239051A JP3895525B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 マイクロ流体システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002048071A true JP2002048071A (ja) 2002-02-15
JP3895525B2 JP3895525B2 (ja) 2007-03-22

Family

ID=18730653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000239051A Expired - Fee Related JP3895525B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 マイクロ流体システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3895525B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004042231A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Minolta Co Ltd マイクロチップ
WO2005058459A1 (ja) * 2003-12-17 2005-06-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 成分分離デバイスおよびその製造方法並びにこれを用いた成分の分離方法
JP2006226239A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Nidec Sankyo Corp ポンプ装置
US7749444B2 (en) 2004-05-13 2010-07-06 Konica Minolta Sensing, Inc. Microfluidic device, method for testing reagent and system for testing reagent
CN101520040B (zh) * 2008-02-26 2011-10-05 研能科技股份有限公司 多流道流体输送装置的制造方法
JP2011237032A (ja) * 2010-05-04 2011-11-24 Korea Electronics Telecommun 高分子駆動器を含む微小バルブ構造体及びラボオンチップモジュール

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004042231A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Minolta Co Ltd マイクロチップ
WO2005058459A1 (ja) * 2003-12-17 2005-06-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 成分分離デバイスおよびその製造方法並びにこれを用いた成分の分離方法
CN100393387C (zh) * 2003-12-17 2008-06-11 松下电器产业株式会社 成分分离装置及其制造方法、以及使用它的成分分离方法
US8333896B2 (en) 2003-12-17 2012-12-18 Panasonic Corporation Component separation device, method of manufacturing the same, and method of separating components using the same
US7749444B2 (en) 2004-05-13 2010-07-06 Konica Minolta Sensing, Inc. Microfluidic device, method for testing reagent and system for testing reagent
JP2006226239A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Nidec Sankyo Corp ポンプ装置
CN101520040B (zh) * 2008-02-26 2011-10-05 研能科技股份有限公司 多流道流体输送装置的制造方法
JP2011237032A (ja) * 2010-05-04 2011-11-24 Korea Electronics Telecommun 高分子駆動器を含む微小バルブ構造体及びラボオンチップモジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP3895525B2 (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7217395B2 (en) Piezoelectrically controllable microfluid actor system
US9341284B2 (en) Microfluidic devices with mechanically-sealed diaphragm valves
EP1289658B1 (en) Valve for use in microfluidic structures
US20110315227A1 (en) Microfluidic system and method
TWI306490B (en) Apparatus for driving microfluid driving the method thereof
JP2005537923A (ja) ミクロ流動システムにおけるミクロ流動部品の実装
CN102459565A (zh) 具有隔膜阀的流控设备
US20050026300A1 (en) Microfluidics packages and methods of using same
Meng et al. A check-valved silicone diaphragm pump
Tanaka Electric actuating valves incorporated into an all glass-based microchip exploiting the flexibility of ultra thin glass
JP3418727B2 (ja) マイクロバルブ装置及びその製作方法
US20080160603A1 (en) Flow stabilization in micro-and nanofluidic devices
JP3895525B2 (ja) マイクロ流体システム
WO2008150210A1 (en) Micropump
JP2008051788A (ja) 流体マニフォールド
US20080213134A1 (en) Device for Supplying Fluids, Method for Producing this Device, and Pipette Comprising Such a Device
CN101122286A (zh) 一种新型自吸微型泵
JP4005297B2 (ja) マイクロバルブおよびマイクロポンプ
Matsubara et al. Active microvalve driven by electro-conjugate fluid jet flow with a hydraulic power source on a chip
Thuillier et al. Development of a low cost hybrid Si/PDMS multi-layered pneumatic microvalve
Jung et al. Toward a disposable low-cost LOC device: heterogeneous polymer micro valve and pump fabricated by UV/ozone-assisted thermal fusion bonding
JP4934206B2 (ja) マイクロバルブ機構
JP4442885B2 (ja) 流体搬送装置
Schomburg et al. Components for microfluidic handling modules
Rasmussen et al. Pumping techniques available for use in biomedical analysis systems

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 4

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees