JP2006226239A - ポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流体を吐出する複数の流出路を備えつつ、適切量の流体を精度よく吐出することができるポンプ装置を提供すること。
【解決手段】 ポンプ装置1は、ポンプ室2と、ポンプ室2に接続された流入路3と、流出側アクティブバルブ6を介してポンプ室2に接続された複数の流出路4と、ポンプ室2を容積変化させるポンプ機構13とを備えている。複数の流出側アクティブバルブ6は、ポンプ室2の周りに配置されており、ポンプ室2から流出側アクティブバルブ6までの寸法は、いずれの流出路4においても等しい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ポンプ装置本体で流入口および複数の流出口が開口するポンプ装置に関するものである。
近年の情報化社会を支える携帯電子機器の電源として、あるいは大気汚染や地球温暖化に対処するための電源として、燃料電池に対する期待が高まっている。この燃料電池の中でも、メタノールから直接、プロトンを取り出すことにより発電を行うダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は、改質器が不要であり体積エネルギー密度が高いという特質を有するため、携帯電子機器への応用の期待が高まりつつある。
かかるDMFCとしては、起電部(セル)を有する起電装置と、メタノールもしくはメタノール水溶液(以下、本明細書では、メタノールとする。)の収容容器と、この収容容器からメタノールを圧送する送液ポンプを備えたものが種々提案されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。
セルは、アノード集電体とアノード触媒層とを有するアノード極(燃料極)と、カソード集電体とカソード触媒層とを有するカソード極(空気極)と、アノード極とカソード極の間に配置される電解質膜とを備えている。アノード極へは、送液ポンプによってメタノールが供給され、カソード極へは、送気ポンプあるいは、ブロワーによって空気が供給される。
特開2004−71262号公報 特開2004−127618号公報 特開2004−152741号公報
上述したDMFCの起電部であるセルのアノード極では、メタノール酸化の活性が低く電圧ロスを伴ってしまう。また、カソード極でも電圧ロスがある。そのため、1つのセルから取り出せる出力は極めて低くなっている。従って、所定の出力を得るために、DMFCでは、複数のセルが用いられている。
また、アノード極に過剰なメタノールが供給されると、そのメタノールの一部が未反応の状態で、電解質膜を透過してカソード極に漏れてしまう、いわゆるクロスオーバーが発生する。このクロスオーバーは、カソード極の電位を低下させてしまうため、上述したカソード極での電圧ロスの一因ともなっている。また、カソード極に達した未反応のメタノールは、発電には関与せず酸素と反応して熱を発生させるため、クロスオーバーによって、セルにおける発電効率が著しく低下することになる。従って、アノード極へは、過剰なメタノールを供給しないようにすることが好ましい。
以上から、セルのアノード極へメタノールを供給するポンプ装置としては、複数のセルへ吐出が可能で、かつ、適切量のメタノールを精度よく吐出できるといった特性を備えたポンプ装置が望まれる。しかしながら、このような特性を備えたポンプ装置に関しては、具体的な提案がなされていない。
そこで、本発明の課題は、流体を吐出する複数の流出路を備えつつ、適切量の流体を精度よく吐出することができるポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のポンプ装置では、ポンプ装置本体には、流入口に連通する流入路と、該流入路に配置された流入側アクティブバルブと、前記流入路に接続されたポンプ室と、該ポンプ室に配置されたポンプ機構と、前記ポンプ室から延びて複数の流出口の各々に連通する複数の流出路と、該複数の流出路の各々に配置された流出側アクティブバルブとが構成され、前記流入側アクティブバルブおよび前記流出側アクティブバルブは、前記ポンプ室の周りに平面状に配置されていることを特徴とする。
本発明では、流出側アクティブバルブを介してポンプ室に接続された複数の流出路を備えているため、流出側アクティブバルブを閉じている間は、流体の逆流を確実に防止することができる。また、流出路から吐出する流体の吐出先を流出側アクティブバルブにて制御することができる。さらに、1つのポンプ機構によって各流出路から流体を吐出するため、吐出性能が均一である。また、複数の流出側アクティブバルブは、ポンプ室の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路の各々において流路を短くできる。従って、各流出路からの吐出量のばらつきを抑え、適切量の流体を精度よく吐出することができる。さらに、複数の流出路を備えている分、複数の流出側アクティブバルブを必要とするが、複数の流出側アクティブバルブをポンプ室の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路の各々において流路を短くできる分、ポンプ装置を小型化できる。
本発明では、前記複数の流出路では、ポンプ室から前記流出側アクティブバルブまでの流路の長さを等しいことが好ましい。このように構成すると、流路抵抗が等しくなり各流出路を介しての吐出量を高い精度で制御することができる。
本発明において、前記流入口および前記複数の流出口は、前記ポンプ装置本体の同一の面で開口していることが好ましい。このように構成すると、ポンプ装置と外部との接続が容易である。
本発明において、前記流入側アクティブバルブ、前記ポンプ機構および前記流出側アクティブバルブに対する配線基板は、前記ポンプ装置本体において、前記流入口および前記複数の流出口が開口している面とは異なる面に積層されていることが好ましい。このように構成すると、流入口や流出口に配管を接続する際、配線基板が平面になり、配線や接続が容易になるなどの利点がある。
本発明において、前記ポンプ装置本体は、前記流出路が一方面側に溝状に形成された流路構成板と、該流路構成板の前記一方面側に重ねて配置されたシート状封止部材とを備えていることが好ましい。このような構成を採用すれば、複雑な流路であっても容易に構成できるので、ポンプ装置の小型化、薄型化および低コスト化を図ることができる。
本発明において、前記ポンプ装置本体は、前記ポンプ機構が内部に収納されたベース板を有しているとともに、当該ベース板に前記流路構成板が積層されており、前記ポンプ機構はダイヤフラム弁を備えている場合がある。この場合、当該ダイヤフラム弁は、外周部分が前記ベース板と前記流路構成板との間に挟持されていることが好ましい。このように構成すると、構造を簡素化できるとともに、ダイヤフラム弁自身でベース板と流路構成板との液密を保持できる。
本発明において、前記ポンプ装置本体は、前記流入側アクティブバルブおよび前記流出側アクティブバルブが内部に収納されたベース板を有しているとともに、当該ベース板に前記流路構成板が積層されており、前記流入側アクティブバルブおよび前記流出側アクティブバルブは各々、ダイヤフラム弁を備えている場合がある。この場合、当該ダイヤフラム弁はいずれも、外周部分が前記ベース板と前記流路構成板との間に挟持されていることが好ましい。このように構成すると、構造を簡素化できるとともに、ダイヤフラム弁自身でベース板と流路構成板との液密を保持できる。
本発明のポンプ装置では、流出側アクティブバルブを介してポンプ室に接続された複数の流出路を備えているため、流出側アクティブバルブを閉じている間は、流体の逆流を確実に防止することができる。また、流出路から吐出する流体の吐出先を流出側アクティブバルブにて制御することができる。さらに、1つのポンプ機構によって各流出路から流体を吐出するため、吐出性能が均一である。また、複数の流出側アクティブバルブは、ポンプ室の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路の各々において流路を短くでき、流路抵抗が安定する。従って、各流出路からの吐出量のばらつきを抑え、適切量の流体を精度よく吐出することができる。さらに、複数の流出路を備えている分、複数の流出側アクティブバルブを必要とするが、複数の流出側アクティブバルブをポンプ室の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路の各々において流路を短くできる分、ポンプ装置を小型化、薄型化できる。
[ポンプ装置の基本構成]
図1は、本発明を適用したポンプ装置の基本構成を示す概念図である。図1に示すように、本形態のポンプ装置1は、例えば、携帯電子機器に使用されるDMFCにおいて、メタノールを圧送する送液ポンプとして使用されるものであり、ポンプ装置本体7では、1つ流入口80と複数の流出口40(40a〜40h)とが開口している。また、ポンプ装置本体7には、ポンプ室2と、ポンプ室2および流入口80に接続された流入路3と、ポンプ室2および複数の流出口40に接続された複数の流入路4(40a〜40h)とが構成されている。さらに、ポンプ装置本体7には、流入路3に流入側アクティブバルブ5が構成され、ポンプ室2にポンプ機構13が構成され、複数の流出路4の各々に流出側アクティブバルブ6(6a〜6h)が構成されている。ここで、8つの流出口40a〜40hおよび流出路4a〜4hはそれぞれ、DMFCの起電部である8つのセル(図示省略)に接続可能となっており、流出路4a〜4hから吐出されたメタノールはセルのアノード極へ供給可能となっている。
流入路3には、ポンプ室2への流入方向に向かって開くパッシブバルブ10を備えた第1流路8と、ポンプ室2からの流出方向に向かって開くパッシブバルブ11を備えた第2流路9とが接続されており、第1流路8の端部によって流入口80が構成され、第2流路9の端部によって還流口90が構成されている。ここで、第1流路8および第2流路9は、メタノール収容容器(図示省略、以下収容容器とする。)に接続可能となっている。具体的には、第1流路8が収容容器の下方に、第2流路9が収容容器の上方に接続可能となっている。パッシブバルブ10は、例えばゴム製のバルブであり、ポンプ室2に向かうメタノールの吸入方向に圧力が生じると開くが、収容容器に向かうメタノールの吐出方向に圧力が生じても開かないようになっている。従って、流入口80、第1流路8および流入路3を介して、メタノールが収容容器からポンプ室2に吸入され、また、流入路3、第2流路9および還流口90を介して、メタノールがポンプ室2から収容容器へ吐出されるようになっている。
このように構成したポンプ装置1において、流入側アクティブバルブ5は、後述する駆動アクチュエータ(図1では図示省略)によって、開閉可能になっている。また、流出側アクティブバルブ6a〜6hも、流入側アクティブバルブ5と同様に、後述する駆動アクチュエータ(図1では図示省略)によって、個別に開閉可能になっている。
このように構成されたポンプ装置1では、流出側アクティブバルブ6a〜6hが閉状態で、かつ、流入側アクティブバルブ5が開状態であるときに、ポンプ機構13がポンプ室2を拡張すると、メタノールがポンプ室2に吸入される。また、流入側アクティブバルブ5が閉状態で、かつ、流出側アクティブバルブ6a〜6hの少なくとも1つが開状態のときに、ポンプ機構13がポンプ室2を収縮させると、メタノールがポンプ室2からセルに向かって吐出される。さらに、流出側アクティブバルブ6a〜6hが閉状態で、かつ、流入側アクティブバルブ5aが開状態であるときに、ポンプ機構13がポンプ室2を収縮させると、メタノールが収容容器に吐出される。
[ポンプ装置の制御方法]
図2は、図1に示すポンプ装置1の制御方法を説明するタイミングチャートである。本形態において、ポンプ装置1は、図2に示すように、流入側アクティブバルブ5を開いて、ポンプ機構13の吸入動作で、第1流路8からポンプ室2にメタノールを吸入する吸入ステップS1と、吸入ステップの後に、ポンプ機構13の吐出動作で、第2流路9へポンプ室2からメタノールを吐出してポンプ装置1のバックラッシュを解消した後に、流入側アクティブバルブ5を閉じる初期吐出ステップS2と、初期吐出ステップS2の後に、所定の流出側アクティブバルブ6を順次開いて、ポンプ機構13の吐出動作で所定量のメタノールを吐出する吐出ステップS3とを備えた制御方法によって、制御されている。以下、その制御方法を詳細に説明する。
図2の上段に示すチャートでは、中心線から下側に延びている部分は、ポンプ機構13が吐出方向に動作する吐出動作の状態を示し、中心線から上側に延びている部分は、ポンプ機構13が吸入方向に動作する吸入動作の状態を示している。また、図2の下段に示すアクティブバルブ10、6のアクチュエータのタイミングチャートでは、上側に延びている部分が各アクティブバルブ10、6が開いている状態を示している。
初期状態では、流入側アクティブバルブ5および流出側アクティブバルブ6は全て閉状態となっている。その状態でまず、流入側アクティブバルブ5を開状態とする。その後、ポンプ機構13をメタノールの吐出方向へ作動させる。このポンプ機構13の吐出動作を上死点(原点)まで行って、ポンプ機構13の原点復帰を行う(原点復帰ステップS0)。尚、この際には、ポンプ室2から、開状態となったパッシブバルブ11を介して、第2流路9へメタノールを吐出する。
続いて、ポンプ室2にメタノールを吸入する(吸入ステップS1)。より具体的には、流入側アクティブバルブ5を開状態としたまま、ポンプ機構13をメタノールの吸入方向へ動作させる。このポンプ機構13の吸入動作を、例えば、ポンプ機構13の下死点まで行う。ポンプ機構13の吸入動作で、開状態となったパッシブバルブ10を介して、第1流路8からメタノールをポンプ室2へ吸入する。
続いて、ポンプ機構13の吐出動作で、ポンプ室2からメタノールを吐出してポンプ装置1のバックラッシュを解消した後に、流入側アクティブバルブ5を閉じる(初期吐出ステップS2)。より具体的には、流入側アクティブバルブ5を開状態としたまま、ポンプ装置1のバックラッシュを解消するまでポンプ機構13をメタノールの吐出方向へ動作させる。このポンプ機構13の吐出動作で、開状態となったパッシブバルブ11を介して、第2流路9へメタノールを吐出し、その後、流入側アクティブバルブ5を閉状態とする。
続いて、所定の流出側アクティブバルブ6を順次開いて、ポンプ機構13の吐出動作で所定量のメタノールを吐出する(吐出ステップS3)。より具体的には、まず、流出側アクティブバルブ6fを開状態とした後、ポンプ機構13で吐出動作を行わせて、所定量のメタノールを流出路4fから吐出する。次に、流出側アクティブバルブ6fを閉状態、流出側アクティブバルブ6gを開状態とした後、ポンプ機構13に吐出動作を行わせて、所定量のメタノールを流出路4gから吐出する。このように、流出側アクティブバルブ6f、6g、6h、6a、6b、6c、6d、6eの開閉動作をこの順番で順次行いつつ、ポンプ機構13に吐出動作を行わせると、流出路4f、4g、4h、4a、4b、4c、4d、4eからこの順番で所定量のメタノールを吐出することができる。
ここで、ポンプ室2に、気泡の有無を検出する検出器を設けた場合において、この検出器が気泡を検出したときには、例えば、流入側アクティブバルブ5を開状態として、ポンプ機構13の吐出動作を行うことで、開状態となったパッシブバルブ11を介して、第2流路9へ気泡を排出することができる。また、ポンプ装置1の起動時あるいは、収容容器の交換後には、同様の動作で、気泡を排出することも可能である。
このように、本形態のポンプ装置1は、流出側アクティブバルブ6a〜6hを備えていることから、流出路4a〜4hからポンプ室2へのメタノールの逆流を確実に防止することができる。また、流出路4a〜4hから吐出するメタノールの吐出先を流出側アクティブバルブ6a〜6hで制御することができる。さらに、ポンプ装置1では、1つのポンプ機構13の吐出動作によって各流出路4a〜4hからメタノールを吐出する。そのため、各流出路4a〜4hごとにポンプ機構が設けられている場合と比較して、吐出性能が均一になり、各流出路4a〜4hからの吐出量のばらつきを抑えることができる。従って、ポンプ装置1では、適切量のメタノールを精度よく吐出することができる。
また、流入路3は、流入側アクティブバルブ5を介してポンプ室2に接続されているため、ポンプ室2から流入路3への逆流を確実に防止することができる。
また、本形態のポンプ装置1の制御方法では、吸入ステップS1と吐出ステップS3との間に、ポンプ装置1のバックラッシュを解消する初期吐出ステップS2が設けられている。そのため、吐出ステップS3では、当初からポンプ機構の移動量と流出路4a〜4hからの吐出量との関係をリニアに保つことができる。従って、ポンプ機構の移動量を適切に制御してやれば、吐出ステップS3で最初に流体が吐出される流出路4fからの吐出量も精度よく制御することができ、各流出路4a〜4hからの吐出量のばらつきを低減させることができる。
さらに、吐出ステップS3で、流出路4a〜4hから複数回にわたって吐出するために必要なメタノールを、吸入ステップS1で吸入している。そのため、各流出路4a〜4hから吐出するメタノールの吐出量が著しく微量であっても、吸入量をある程度確保することができる。例えば、各流出路4a〜4hからの各吐出量がそれぞれ1μlであっても、吸入量は8μlとすることができる。従って、ポンプ装置1の容量を大きくすることができ、自給性能を備えることが容易になる。
[ポンプ装置の具体的な構成]
図3(a)、(b)は、本発明を適用したポンプ装置の斜視図およびその流路などを平面的に示す説明図である。図4および図5は、本発明の実施の形態に係るポンプ装置を斜め上方からみたときの分解斜視図および斜め下方からみたときの分解斜視図である。図6は、本発明を適用したポンプ装置の断面構成を示す説明図である。
図3(a)、(b)に示すように、本形態のポンプ装置1は、ボックス状の装置本体7の一方の面71に、図1を参照して説明した流入口80、還流口90、流出口40を構成するパイプが接続されている。
このような構成のポンプ装置1を構成するにあたって、本形態では、後述するポンプ機構13やアクティブバルブ5、6に対する配線基板74、底板75、ベース板76、後述する流路が溝状に形成された流路構成板77、この流路構成板の上面を覆うことにより流路の上面を塞ぐ封止シート78、前記のパイプが連結された上板79がこの順に積層されて、ポンプ装置本体7が構成されている。
図4および図5に示すように、ベース板76には、後述するポンプ機構13やアクティブバルブ5、6の配置空間などを構成するための穴137、57、67a〜67hが形成されている。また、流路構成板77において、その中心位置にはポンプ室2を構成するための丸い貫通穴21が形成されており、この貫通穴21の周りには、流路構成板77の下面側に、アクティブバルブ5、6の弁室を構成する凹部58、68a〜68hが形成されている。
また、貫通穴21からは9本の溝31、41a〜41hが放射状に延びている。また、流路構成板77の溝31、41a〜41hの近傍には溝82、92、42a、42b・・などが形成されている。
本形態では、9本の溝31、41a〜41hのうち、溝31によって流入路3が構成されている。すなわち、ベース板76、流路構成板77および封止シート78を重ねた状態では、溝31の上面が塞がれるとともに、流入路3に対して流入側アクティブバルブ5が配置された状態となる。また、ベース板76、流路構成板77および封止シート78を重ねると、溝41a〜41h、42a、42b・・・によって流出路4a〜4hが形成されるとともに、各流出路4a〜4hに流出側アウティブバルブ6a〜6hが配置された状態となる。なお、ベース板76、流路構成板77および封止シート78を重ねると、溝82、ベース板76の凹部83、および流路構成板77の凹部84によって第1流路8が構成され、溝92、ベース板76の凹部(図示せず)、および流路構成板77の凹部94によって第2流路9が構成される。なお、パッシブバルブ10、11は、第1流路8および第2流路9のうち、流路構成板77の凹部84、94に設置される。
このように本形態では、流出側アクティブバルブ6(6a〜6h)は、ポンプ室2の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路4(4a〜4h)の各々において流路を短くでき、ポンプ装置1の薄型化を図ることができる。また、各流出路4(4a〜4h)からの吐出量のばらつきを抑えることができるので、適量の流体を精度よく吐出することができる。さらに、複数の流出路4(4a〜4h)を備えている分、複数の流出側アクティブバルブ6(6a〜6h)を必要とするが、複数の流出側アクティブバルブ6(6a〜6h)をポンプ室2の周りに平面状に配置されているため、複数の流出路4(4a〜4h)の各々において流路を短くできる分、ポンプ装置1を小型化できる。また、本形態において、複数の流出路4(4a〜4h)では、ポンプ室2から流出側アクティブバルブ6(6a〜6h)までの流路の長さが等しい。このため、各流出路4(4a〜4h)を介しての吐出量を高い精度で制御することができる。
また、本形態において、流入口80、還流口90および複数の流出口40(40a〜40h)は、ポンプ装置本体7の同一の面71で開口しているため、ポンプ装置1と外部との接続が容易である。
さらに、流入側アクティブバルブ5、ポンプ機構13および流出側アクティブバルブ6に対する配線基板74は、ポンプ装置本体7において、流入口80、還流口90および複数の流出口40(40a〜40h)が開口している面とは反対側の面に積層されているため、流入口80、還流口90および複数の流出口40(40a〜40h)に対して配管を接続する際、配線基板74と各アクティブバルブ5、6やポンプ機構13との配線が容易になるなどの利点がある。
さらにまた、ポンプ装置本体10は、流入路3および流出路4が一方面側に溝状に形成された流路構成板77と、この路構成板77の一方面側に重ねて配置された封止シート78とを備えているため、小型の装置本体7に対して多数の流路を形成でき、かつ、ポンプ装置1を効率よく生産できる。
[ポンプ機構の構成]
(ポンプ機構の全体構成)
以下、本発明を適用したポンプ装置1に用いたポンプ機構13の一例を説明する。図7は、本発明を適用したポンプ装置を縦に分割した状態の分解斜視図である。図8(a)、(b)は、図7に示すポンプ装置においてポンプ室の内容積を膨張させた状態を示す説明図、およびポンプ室の内容積を収縮させた状態を示す説明図である。図9(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図7に示すポンプ機構の回転体に用いたロータの斜視図、平面図、および断面図である。図10(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図7に示すポンプ機構の回転体に用いた移動体の斜視図、平面図および断面図である。
図7および図8(a)において、本形態のポンプ機構13は、概ね、流入路3および流出路4に連通するポンプ室2の内容積を膨張収縮させて液体の吸入および吐出を行う弁体としてのダイヤフラム弁170と、ダイヤフラム弁170を駆動する駆動機構105とから構成されている。
本形態において、駆動機構105は、以下に説明するように、環状のステータ120と、このステータ120の内側に同軸状に配置された回転体103と、この回転体103の内側に同軸状に配置された移動体160と、回転体103の回転を移動体160を軸線方向に移動させる力に変換して移動体160に伝達する変換機構140とを備えている。ここで、駆動機構105は、ベース板76に形成された空間内において、底板75とベース板76との間に搭載された状態にある。
駆動機構105において、ステータ120は、ボビン123に巻回されたコイル121、およびコイル121を覆うように配置された2枚のヨーク125からなるユニットが軸線方向に2段に積層された構造になっている。この状態で、上下2段のいずれのユニットにおいても、2枚のヨーク125の内周縁から軸線方向に突き出た極歯が周方向に交互に並んだ状態となる。
図7、図8および図9(a)、(b)、(c)に示すように、回転体103は、上方に開口するカップ状部材130と、このカップ状部材130の円筒状の胴部131の外周面に固着された環状のロータマグネット150とを備えている。カップ状部材130の底壁133の中央には、軸線方向上側に凹む凹部135が形成され、底板75には、凹部135内に配置されたボール118を受ける軸受部751が形成されている。また、ベース板76の上端側の内面には環状段部766が形成されている一方、カップ状部材130の上端部分には、胴部131の上端部分と環状のフランジ部134とによって、ベース板76側の環状段部766に対向する環状段部が形成されており、これらの環状段部で区画形成された環状空間内には、環状のリテーナ181およびこのリテーナ181によって周方向に離間した位置に保持されたベアリングボール182からなる軸受180が配置されている。このようにして、回転体103は、軸線周りに回転可能な状態でポンプ装置本体7に支持された状態にある。
回転体103において、ロータマグネット150の外周面は、ステータ120の内周面に沿って周方向に並ぶ極歯に対向している。ここで、ロータマグネット150の外周面では、S極とN極が周方向に交互に並んでおり、ステータ120とカップ状部材130とはステッピングモータを構成している。
図7、図8および図10(a)、(b)、(c)に示すように、移動体160は、底壁161と、底壁161の中央から軸線方向に突き出た円筒部163と、この円筒部163の周りを囲むように円筒状に形成された胴部165とを備えており、胴部165の外周には雄ネジ167が形成されている。
本形態では、回転体103の回転によって移動体160を軸線方向で往復移動させるための変換機構140を構成するにあたって、まず、図7、図8、図9(a)、(b)、(c)、および図10(a)、(b)、(c)に示すように、カップ状部材130の胴部131の内周面には、周方向に離間する4箇所に雌ネジ137を形成する一方、移動体160の胴部165の外周面には、カップ状部材130の雌ネジ137に係合して動力伝達機構141を構成する雄ネジ167が形成されている。従って、雄ネジ167と雌ネジ137とが噛み合うようにカップ状部材130の内側に移動体160を配置すれば、移動体160はカップ状部材130の内側に支持された状態となる。また、移動体160の底壁161には、周方向に6個の長穴169が貫通穴として形成されている一方、ベース板76からは6本の突起769が延びて、突起769の下端部が長穴169に嵌ることにより、供回り防止機構149が構成されている。すなわち、カップ状部材130が回転した際、移動体160は、突起769と長穴169からなる供回り防止機構149によって回転が阻止されているので、カップ状部材130の回転は、その雌ネジ137および移動体160の雄ネジ167からなる動力伝達機構141を介して移動体160に伝達される結果、移動体161は、回転体103の回転方向に応じて軸線方向の一方側および他方側に直線移動することになる。
(弁体の構成)
再び図7および図8(a)において、本形態では、移動体160には、ダイヤフラム弁170が直接、連結されている。ダイヤフラム弁170は、底壁171と、底壁171の外周縁から軸線方向に立ち上がる円筒状の胴部173と、この胴部173の上端から外周側に広がるフランジ部175とを備えたカップ形状を有しており、底壁171の中央部分が、移動体160の円筒部163に被さった状態で、それらの上下方向から、止めネジ178とキャップ179とに固定されている。また、ダイヤフラム弁170のフランジ部175の外周縁は、液密性と位置決めとして機能する肉厚部になっており、この肉厚部は、流路構成板77の貫通穴21の周囲において、ベース板76と流路構成板77との間に固定されている。このようにして、ダイヤフラム170は、ポンプ室2の下面を規定し、かつ、ポンプ室2の周りにおいてベース板76と流路構成板77との間の液密を確保している。
この状態で、ダイヤフラム弁170の胴部173は、断面U字状に折り返された状態にあり、折り返し部分172は、移動体160の位置によって形状が変化することになる。しかるに本形態では、移動体160の円筒部163の外周面からなる第1の壁面168と、ベース板76から延びた突起769の内周面からなる第2の壁面768との間に構成された環状空間内に、ダイヤフラム弁170の断面U字状の折り返し部分172を配置してある。従って、図8(a)、(b)に示す状態、および図8(a)、(b)に示す状態に移行する途中の状態のいずれにおいても、ダイヤフラム弁170の折り返し部分172は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面168および第2の壁面768に沿って展開あるいは巻き上げるように変形する。
また、本形態では、図7、図8(a)、および図9(a)、(b)、(c)に示すように、カップ状部材130の底壁133には、周方向における270°の角度範囲にわたって1本の溝136が形成されている一方、移動体160の底面からは下方に向けて突起166が形成されている。ここで、移動体160は、軸線回りに回転しないが、軸線方向に移動するのに対して、回転体103は、軸線回りに回転するが、軸線方向に移動しない。従って、突起166と溝136は、回転体103および移動体160の停止位置を規定するストッパとして機能する。すなわち、溝136は、周方向において深さが変化しており、移動体160が軸線方向の下方に移動すると、突起166が溝136内に嵌るとともに、回転体103の回転により溝136の端部が突起166に当接する。その結果、回転体103の回転が阻止され、回転体103および移動体160の停止位置、すなわちダイヤフラム弁170の内容積の最大膨張位置が規定されることになる。
(動作)
このように構成したポンプ機構13において、ステータ120のコイル121に給電すると、カップ状部材130が回転し、その回転が変換機構140を介して移動体160に伝達される。従って、移動体160は軸線方向で往復直線運動を行う。その結果、ダイヤフラム弁170が移動体160の移動に合わせて変形し、ポンプ室2の内容積を膨張、収縮させるので、ポンプ室2では、流入路3からの液体の流入と、流出路4に向けての液体の流出が行われる。その間、ダイヤフラム弁170の折り返し部分172は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面168および第2の壁面768に沿って展開あるいは巻き上げるように変形し、無理な摺動が発生しない。しかも、ダイヤフラム弁170は、ポンプ室2の流体から圧力を受けても、環状空間内に内外側とも規定されているため、変形しない。さらに、移動体160の下方位置は、カップ状部材130の溝136および移動体160の突起166によって構成されたストッパにより規定されることになる。よって、カップ状部材130の回転に伴い、ダイヤフラム弁170は高精度に容積変化をする。
以上説明したように、本形態のポンプ機構13では、ステッピングモータ機構による回転体103の回転を、雄ネジ167および雌ネジ137からなる動力伝達機構141を利用した変換機構140を介して移動体160に伝達して、ダイヤフラム弁170が固定された移動体160を往復直線運動させる。このため、駆動機構105からダイヤフラム弁170まで、必要最小限の部材で動力を伝達するので、ポンプ機構13の小型化、薄型化および低コスト化を図ることができる。また、動力伝達機構141における雄ネジ167および雌ネジ137のリード角を小さく、あるいは駆動側のステータの極歯を増加することで、移動体160の微小送りを行うことができる。従って、ポンプ室2の容積を厳密に制御できるので、高い精度で定量吐出を行うことができる。
さらに、本形態ではダイヤフラム弁170を用いているが、このダイヤフラム弁170の折り返し部分172は、環状空間内に保持された状態のまま、第1の壁面168および第2の壁面768に沿って展開あるいは巻き上げるように変形し、無理な摺動が発生しない。従って、無駄な負荷が発生せず、かつ、ダイヤフラム弁170の寿命が長い。また、ダイヤフラム弁170は、ポンプ室2の流体から圧力を受けても、変形しない。それ故、本形態のポンプ機構13によれば、高い精度で定量吐出を行うことができ、かつ、信頼性も高い。
さらにまた、回転体103は、ポンプ装置本体7に対してベアリングボール182を介して軸線周りに回転可能に支持されているため、摺動ロスが小さく、かつ、回転体103は軸線方向に安定して保持されるので、軸線方向における推力が安定している。それ故、駆動機構105の小型化、耐久性の向上、吐出性能の向上を図ることができる。
なお、上記形態では、変換機構140の動力伝達機構141としてネジを利用したが、カム溝を利用してもよい。さらに、上記形態では弁体として、カップ状のダイヤフラム弁を用いたが、その他の形状のダイヤフラム弁、あるいはOリングを備えたピストンを用いてもよい。
また、上記形態では、流入口80が1個、流出口40が8個の例を掲げたが、流入口80は複数でもかまわない。また、流入口80、ポンプ機構13、流出口40がそれぞれ1個でも、また、それらを組み合わせてもよい。また、上記形態では、流出路4を均等の長さとしたが、均等でなしに用途により配置してもよい。さらに、上記形態では、還流口90が設けてあるが、不要の場合はなくてもよい。さらにまた、上記形態では、上面を塞ぐ封止シート78、前記のパイプが連結された上板79が別体で図示してあるが、上板79のパイプがなく、封止シート78に流出穴だけを開け、シール部材を介して接続するように構成してもよい。
[アクティブバルブの構成]
図11および図12はそれぞれ、本発明を適用したポンプ装置1のアクティブバルブ5、6として用いたバルブの要部を軸線方向に切断したものを斜め上方からみたときの説明図、およびこのバルブの磁力線を示す説明図である。
図11および図12に示すように、アクティブバルブ5、6は、ベース板76の穴57、67a〜67h内にリニアアクチュエータ201を備えており、このリニアアクチュエータ201は、円筒状の固定体203と、この固定体203の内側に配置された略円柱状の可動体205とを有している。固定体203は、ボビン231に環状に巻回されたコイル233と、コイル233の外周面からコイル233の軸線方向の両側を回りこんで一方の先端部236aと他方の先端部236bがコイル233の内周側でスリット237を介して軸線方向で対向する固定体側ヨーク235を備えている。可動体205は、円板状の第1の可動体側ヨーク251と、この第1の可動体側ヨーク251に対して軸線方向の両側に積層された一対の磁石253a、253bとを有している。一対の磁石253a、253bとしては、Nd−Fe−B系やSm−Co系の希土類磁石、あるいは樹脂磁石を用いることがきる。また、可動体205において、一対の磁石253a、253bの各々には、第1の可動体側ヨーク251とは反対側の端面に第2の可動体側ヨーク255a、255bが積層されている。
本形態では、一対の磁石253a、253bは、いずれも軸線方向に着磁されており、第1の可動体側ヨーク251の方に同極を向けている。以下、本形態では、一対の磁石253a、253bは各々、第1の可動体側ヨーク251の方にN極を向け、軸線方向における外側にS極を向けているものとして説明するが、着磁方向についてはその逆であってもよい。
ここで、第1の可動体側ヨーク251の外周面は、一対の磁石253a、253bの外周面から外周側に張り出している。また、第2の可動体側ヨーク255a、255bの外周面も、一対の磁石253a、253bの外周面から外周側に張り出している。
なお、第1の可動体側ヨーク251の軸線方向における両端面には凹部が形成され、これらの凹部に対して一対の磁石253a、253bが各々嵌め込まれ、接着剤などで固定されている。なお、第1の可動体側ヨーク251、一対の磁石253a、253b、および第2の可動体側ヨーク255a、255bの固定については、接着、圧入、あるいはそれらを併用して一体化した構成を採用すればよい。
また、固定体203の軸線方向における両側の開口部には軸受板271a、271b(軸受部材)が固定されており、第2の可動体側ヨーク255a、255bから軸線方向の両側に突き出た支軸257a、257bは、いずれも軸受板271a、271bの穴に摺動自在に挿入されている。このようにして、可動体205は、軸線方向に往復移動可能な状態で固定体203に支持されている。この状態で、可動体205は、外周面が固定体203の内周面に所定の隙間を介して対向し、かつ、固定体側ヨーク235の先端部236a、236b同士は、第1の可動体側ヨーク251の外周面とコイル233の内周面との隙間内で軸線方向に対向する状態にある。また、可動体205と固定体側ヨーク235との間には間隙が確保されている。なお、第2の可動体側ヨーク255a、255bと支軸257a、257bとの固定には、接着、圧入、あるいはそれらを併用して一体化した構成を採用すればよい。
このように構成したリニアアクチュエータ201において、図面に向かって右側では向こう側から手前側に向かってコイル233に電流が流れ、図面に向かって左側では手前側から向こう側にコイル33に電流を流れる期間では、磁力線は、図12に示すように表される。従って、可動体5は、まず、矢印Aで示すように、ローレンツ力により軸線方向において推力を受け、移動する。これに対して、コイル233への通電方向を反転させると、可動体205は、矢印Bで示すように、軸線方向に沿って下降する。
なお、本形態のリニアアクチュエータ201では、可動体205を磁力で推進するとともに、軸線方向の一方側において、軸受板271aと第2の可動体側ヨーク255aとの間に、付勢部材としての円錐台形状のコイルバネ291を配置してある、従って、可動体205が下降する際には、圧縮バネを変形させながら移動し、可動体205が上昇する際には、圧縮バネの形状復帰力が補助して、高速で移動する。
このように構成したリニアアクチュエータ201において、本形態では、一方の支軸257bの端部には、弁室270(凹部58、68a〜68h)に配置されたダイヤフラム弁260の中央部分が接続されている。ダイヤフラム弁260の外周側には、液密性と位置決めとして機能する環状肉厚部261が形成されており、ダイヤフラム弁260において、この環状肉厚部261を含む外周側がベース板76と流路構成板77との間に挟まれて液密が確保されている。
なお、弁体については、ダイヤフラム弁260に限らず、ベローズ弁、その他の弁体を用いてもよい。また、支軸257a、257bと弁体については別体のものを結合させた構成であっても、支軸257a、257bと弁体が一体に形成されている構成であってもよい。
以上説明したように、本形態では、可動体205において一対の磁石253a、253bは各々、同極を向けており、磁気的反発力が作用しているが、磁石253a、253bの間に第1の可動体側ヨーク251が配置されているため、一対の磁石253a、253bを同極を向けた状態で固定することができる。
また、可動体205において一対の磁石253a、253bは各々、同極を第1の可動体側ヨーク251に向けているため、第1の可動体側ヨーク251からは、半径方向に強い磁束が発生する。従って、第1の可動体側ヨーク251とコイル233の周面同士を対向させておけば、可動体205に大きな推力を付与することができる。
さらに、磁石253a、253bを軸線方向で着磁すればよいので、磁石253a、253bを半径方向に着磁する場合と違って、小型化した場合でも着磁が容易であり、量産に適している。
しかも、本形態では、第1の可動体側ヨーク251の外周面が、一対の磁石253a、253bの外周面から外周側に張り出しているため、固定体側ヨーク235を設けた場合でも、可動体205に対して軸線方向と垂直方向に作用する磁気吸引力を小さくできる。同様に、第2の可動体側ヨーク255a、255bの外周面が、一対の磁石253a、253bの外周面から外周側に張り出しているため、固定体側ヨーク235を設けた場合でも、可動体205に対して軸線方向と垂直方向に作用する磁気吸引力を小さくできる。従って、組み立て作業を行いやすく、かつ、可動体205が傾きにくいという利点がある。
また、本形態において、磁石253a、253bをコイル33の外周側に配置したため、コイル233よりも磁石253a、253bを外側に配置した場合と比較して、磁石253a、253bが小さくてよいので、アクティブバルブ5、6を安価に構成できる。また、コイル233を外側に配置したので、固定側ヨークのみで磁路を閉じることができる。
さらに、固定体203において、軸線方向に開口する開口部には支軸257a、257bを軸線方向に移動可能に支持する軸受板271a、271bが保持されているため、軸受部材を別途、配置する必要がない。また、固定体203を基準に軸受板271a、271bを固定できるので、支軸257a、257bが傾かないという利点がある。
[その他の実施の形態]
また、用途も燃料電池に限ったものではなく、例えば、化学物質の分析装置分野においては、微量試薬の滴下装置に用いられる、複数のシリンジポンプの代用として使用しても良い。
本発明を適用したポンプ装置の基本構成を示す概念図である。 図1に示すポンプ装置1の制御方法を説明するタイミングチャートである。 (a)、(b)は、本発明を適用したポンプ装置の斜視図およびその流路などを平面的に示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るポンプ装置を斜め上方からみたときの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るポンプ装置を斜め下方からみたときの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るポンプ装置の断面構成を示す説明図である。 本発明を適用したポンプ装置を縦に分割した状態の分解斜視図である。 (a)、(b)は、図7に示すポンプ装置においてポンプ室の内容積を膨張させた状態を示す説明図、およびポンプ室の内容積を収縮させた状態を示す説明図である。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、図7に示すポンプ機構の回転体に用いたロータの斜視図、平面図、および断面図である。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、図7に示すポンプ機構の回転体に用いた移動体の斜視図、平面図および断面図である。 本発明を適用したポンプ装置のパッシブバルブ5、6として用いたバルブの要部を軸線方向に切断したものを斜め上方からみたときの説明図である。 図11に示すバルブの磁力線を示す説明図である。
符号の説明
1 ポンプ装置
2 ポンプ室
3 流入路
4(4a〜4h) 流出路
5 流入側アクティブバルブ
6(6a〜6h) 流出側アクティブバルブ
7 ポンプ装置本体
8 第1流路
9 第2流路
10、11 パッシブバルブ
13 ポンプ機構
40(40a〜40h) 流出口
74 配線基板
75 底板
76 ベース板
77 流路構成板
78 封止シート
79 上板
80 流入口
90 還流口
103 回転体
105 駆動機構
120 ステータ
121 コイル
140 変換機構
141 動力伝達機構
149 供回り防止機構
130 ロータ
150 ロータマグネット
160 移動体
170 ダイヤフラム弁
201 リニアアクチュエータ
203 固定体
205 可動体
233 コイル
235 固定体側ヨーク
236a、36b 固定体側ヨークの先端部
251 第1の可動体側ヨーク
253a、253b 磁石
255a、255b 第2の可動体側ヨーク
291 コイルバネ(付勢部材)
260 ダイヤフラム弁

Claims (7)

  1. ポンプ装置本体に、流入口に連通する流入路と、該流入路に配置された流入側アクティブバルブと、前記流入路に接続されたポンプ室と、該ポンプ室に配置されたポンプ機構と、前記ポンプ室から延びて複数の流出口の各々に連通する複数の流出路と、該複数の流出路の各々に配置された流出側アクティブバルブとが構成され、
    前記流出側アクティブバルブは、前記ポンプ室の周りに平面状に配置されていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 請求項1において、前記複数の流出路では、前記ポンプ室から前記流出側アクティブバルブまでの流路の長さが等しいことを特徴とするポンプ装置。
  3. 請求項1または2において、前記流入口および前記複数の流出口は、前記ポンプ装置本体の同一の面で開口していることを特徴とするポンプ装置。
  4. 請求項3において、前記流入側アクティブバルブ、前記ポンプ機構および前記流出側アクティブバルブに対する配線基板は、前記ポンプ装置本体において、前記流入口および前記複数の流出口が開口している面とは異なる側の面に積層されていることを特徴とするポンプ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記ポンプ装置本体は、前記流出路が一方面側に溝状に形成された流路構成板と、該流路構成板の前記一方面側に重ねて配置されたシート状封止部材とを備えていることを特徴とするポンプ装置。
  6. 請求項5において、前記ポンプ装置本体は、前記ポンプ機構が内部に収納されたベース板を有しているとともに、当該ベース板に前記流路構成板が積層されており、
    前記ポンプ機構はダイヤフラム弁を備え、
    当該ダイヤフラム弁は、外周部分が前記ベース板と前記流路構成板との間に挟持されていることを特徴とするポンプ装置。
  7. 請求項5において、前記ポンプ装置本体は、前記流入側アクティブバルブおよび前記流出側アクティブバルブ機構が内部に収納されたベース板を有しているとともに、当該ベース板に前記流路構成板が積層されており、
    前記流入側アクティブバルブおよび前記流出側アクティブは各々、ダイヤフラム弁を備え、
    当該ダイヤフラム弁はいずれも、外周部分が前記ベース板と前記流路構成板との間に挟持されていることを特徴とするポンプ装置。
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