JP2001252896A - マイクロ流路及びそれを用いたマイクロポンプ - Google Patents

マイクロ流路及びそれを用いたマイクロポンプ

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JP2001252896A
JP2001252896A JP2000065768A JP2000065768A JP2001252896A JP 2001252896 A JP2001252896 A JP 2001252896A JP 2000065768 A JP2000065768 A JP 2000065768A JP 2000065768 A JP2000065768 A JP 2000065768A JP 2001252896 A JP2001252896 A JP 2001252896A
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micropump
micro
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solution
film
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JP2000065768A
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English (en)
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Katsumi Muroi
克美 室井
Yasuhiko Sasaki
康彦 佐々木
Akira Miyake
亮 三宅
Yasuhiro Yoshimura
保廣 吉村
Takao Terayama
孝男 寺山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水に対する濡れ性を良くし、定量精度あるいは
検出精度を安定させるマイクロ流路を提供する。 【解決手段】作動流体50が通過するマイクロ流路10
0の流路表面の一部あるいは全面に形成された金属層1
04の表面に、末端基に親水基105を有する硫黄化合
物皮膜106を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密微少流量制御
デバイスに関し、特にマイクロ流路及びそれを用いたマ
イクロポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロマシーニングプロセスによりシ
リコン基板を加工して組み合わせて形成するマイクロポ
ンプ等を代表とする精密微少流量制御デバイスおよびそ
の製造方法に関しては種々提案がなされている。
【0003】例えば、The 10th International Conf
erence on Solid-State Sensorsand Actuators(199
9-6)の予行集1382頁に記載されているマイクロポン
プにおいては、マイクロポンプを形成する部材としてシ
リコン基板を用い、接合する面全体に、最表面を金ある
いは白金等とした金属膜を形成して接合面とした後、接
合面を清浄化し、真空中または不活性雰囲気中にて接合
面を対向させて重ね合わせて加圧して接合、組み立てを
行なっている。また、流路面にも金あるいは白金の金属
を形成させて作動流体との腐食等の化学反応が発生しな
いようにしている。
【0004】さらに、特開平5−306683号公報記
載のように、ダイヤフラム、流路およびバルブ部を形成
したシリコン基板をガラス基板等でサンドイッチした構
造を有したマイクロポンプが記載されている。また、こ
のポンプにおいては、ポンプ中に水可溶性塩または多価
アルコール類の一種以上を含む溶液をいったん注入し、
乾燥することにより、ポンプの液体と接する面に水可溶
性塩または多価アルコール類を付着させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】作動流体が接する流路
表面の一部あるいは全面に金、銀あるいは白金等の金属
が露出した構造となっているマイクロ流路においては、
薬液水溶液に対し非常に安定な表面状態となっている。
【0006】しかしながら反面、その表面は水溶液ある
いは水に対する濡れ性は良くない。例えばスパッタリン
グで形成した金表面の水との接触角は75度程度とな
る。そのため作動流体、主に水溶液からなるが、をこの
マイクロ流路内に注入した場合、作動流体が流路表面に
十分には濡れ広がらず、部分的に空気が残り、すなわち
気泡として流路内に残留してしまう。
【0007】そのため、このようなマイクロ流路を適用
したマイクロポンプにおいては、流量制御精度に影響を
及ぼす。これはマイクロポンプが小型化になればなるほ
ど重要な課題となる。
【0008】また、薬液の注入性の改善法である特開平
5−306683号公報には、塩類あるいは多価アルコ
ール類を流路面に付着させる方法が開示されている。し
かし、この方法では、形成した皮膜は単に流路面に物理
的に付着しているため、皮膜は容易に薬液に溶解してし
まい、2回目以降の薬液注入時において流路部の濡れ性
の悪化による気泡残留等が発生するという問題がある。
【0009】また、マイクロポンプの薬液の送液停止時
において、マイクロポンプ吐出口に薬液が残留してしま
い、しかもその量が常に一定ではないためマイクロポン
プの流量精度がばらつくという問題がある。
【0010】本発明の目的は、水に対する濡れ性を良く
し、定量精度あるいは検出精度を安定させるマイクロ流
路及びそれを用いたマイクロポンプを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明におけるマイクロ流路の特徴とするところ
は、作動流体が接する流路表面の一部あるいは全面に形
成された金属層の表面に、末端基に親水基を有する硫黄
化合物層を形成することにある。
【0012】具体的には本発明は次に掲げる流路及びポ
ンプを提供する。
【0013】本発明は、マイクロマシーニングプロセス
により形状加工が施された複数の基板を組み合わせて構
成され、作動流体が通過するマイクロ流路において、前
記作動流体が接する流路表面の一部あるいは全面に形成
された金属層の表面に、末端基に親水基を有する硫黄化
合物層を形成することを特徴とするマイクロ流路を提供
する。
【0014】また、本発明は、マイクロマシーニングプ
ロセスにより形状加工が施された複数の基板を組み合わ
せて構成され、吸入口から吸入した作動流体が通過する
マイクロ流路と、前記通過した作動流体を吐出する吐出
口とを有するマイクロポンプにおいて、前記マイクロ流
路は、シリコン基板と、該シリコン基板上に形成された
熱酸化膜と、該熱酸化膜上に形成された中間層と、該中
間層上に形成された金属層と、該金属層上に形成され末
端基に親水基を有する硫黄化合物層とで構成されている
ことを特徴とするマイクロポンプを提供する。
【0015】好ましくは、前記中間層は、チタン、タン
タル、クロム、ニッケルのいずれか、あるいはこれらの
合金からなる。
【0016】好ましくは、前記金属層は、金、銀あるい
は白金のいずれかからなる。
【0017】好ましくは、前記吐出口に形成された金属
層表面に、末端基に疎水基を有する硫黄化合物皮膜を形
成する。
【0018】また、本発明は、薬液が入った試薬容器
と、該試薬容器を保持する試薬ホルダーと、該試薬ホル
ダーの底部に設けられ、前記試薬容器と連通して前記薬
液を吸入し、反応容器に吐出するマイクロポンプとを有
する薬液分析装置において、前記マイクロポンプは、請
求項2ないし請求項5のいずれか1項のマイクロポンプ
であることを特徴とする薬液分析装置を提供する。
【0019】また、本発明は、複数のシリコン基板ある
いは該シリコン基板とその他の材質の基板に、マイクロ
マシーニングプロセスにより形状加工を施し、前記形状
加工が施された基板を組み合わせ、作動流体が通過する
流路を製造するマイクロ流路の製造方法において、前記
作動流体が接する前記流路の内面の一部あるいは全面に
金属層を形成し、前記流路内に末端基に親水基を有する
硫黄化合物を溶解させた溶液を注入して充満させ、その
後、前記溶液を抜き取り、さらに前記流路内を洗浄、乾
燥させ、前記金属層の表面に親水性皮膜を形成すること
を特徴とするマイクロ流路の製造方法を提供する。
【0020】また、本発明は、作動流体を吸入口から吸
入し、該吸入した作動流体をマイクロ流路を通して吐出
口から吐出させるマイクロポンプを、複数のシリコン基
板にマイクロマシーニングプロセスにより形状加工を施
し、前記形状加工が施された基板を組み合わせて製造す
るマイクロポンプの製造方法において、前記シリコン基
板の表面に熱酸化膜を形成し、その後前記熱酸化膜上に
中間層を設け、さらに前記中間層上に金属層を設けて接
合面とし、該接合面を洗浄化した後、真空中または不活
性雰囲気中で前記接合面同士を対向させて加圧して接合
して組み込み、その後前記マイクロ流路内に末端部に親
水基を有する硫黄化合物を溶解させた溶液を注入して充
満させ、その後前記溶液を抜き取り、さらに前記流路内
を洗浄、乾燥させ、前記金属層の表面に親水性皮膜を形
成することを特徴とするマイクロポンプの製造方法を提
供する。
【0021】好ましくは、前記吐出口の表面に、撥水性
自己組織化皮膜形成化合物溶液を用いて撥水性皮膜を形
成する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例に係
るマイクロ流路及びそれを用いたマイクロポンプを、図
を用いて説明する。
【0023】(実施の形態例1)図1は、本発明の実施
の形態例1に係るマイクロ流路の断面構造の模式図であ
る。マイクロ流路100は、マイクロマシーニングプロ
セスにより形状加工されたシリコン基板101上に熱酸
化膜102を形成し、さらにその上に中間層103とし
てチタン、タンタル、クロム、ニッケルのいずれか、あ
るいはこれらの合金からなる層を形成し、さらにその上
に金属層104、たとえば金、銀あるいは白金を形成
し、さらにその上に硫黄化合物層、すなわち末端部に水
酸基、カルボキシ基、アミノ基等の親水基105を有す
る硫黄化合物からなる硫黄化合物層皮膜106を形成し
て構成されており、硫黄化合物層皮膜106は、マイク
ロ流路100の作動流体50が通過する側に出ている構
成となっている。
【0024】上記硫黄化合物は、直鎖構造を有するチオ
ール化合物を代表とする分子で、金、銀、白金等と分子
中の硫黄原子が化学的に結合するため、皮膜の密着強度
は高く、耐久性がある。また、この皮膜は単分子であ
り、硫黄化合物の末端基の親水基は、最表面となるよう
に配向するため、皮膜としては高い親水性を呈する。
【0025】そのため、マイクロ流路100の金、銀、
あるいは白金からなる金属層104の表面は親水性とな
り、作動流体50、すなわち水溶液からなる薬液との親
和力が高くなり、薬液により濡れ、注入時において気泡
の残留はなくなる。
【0026】図2は、マイクロ流路が形成されたマイク
ロポンプの構造断面を示す。マイクロポンプ200は、
ダイヤフラム基板10と、チャンバ基板20と、バルブ
基板30と、ノズル基板40とで構成されている。
【0027】これらの基板は、単結晶シリコンを母材と
し、熱酸化膜をマスクとして水酸化カリウム水溶液でエ
ッチングすることにより、吸入口11、ダイヤフラム1
2、ポート31、バルブ21、梁22、吐出口41等を
各々形成したものである。
【0028】ここで、基板全面に熱酸化膜を形成するこ
とにより、エッチングで生じた曲率半径の小さな部分で
も熱酸化膜が形成されて曲率半径が大きくなり、機械的
な強度を増加させている。
【0029】また、マイクロポンプ200の吐出口41
の金属表面部上に、撥水性自己組織化皮膜形成化合物溶
液を用いて、撥水性皮膜、すなわち疎水基を有する硫黄
化合物からなる硫黄化合物皮膜を形成することにより、
より微少流量制御が達成できる。
【0030】上記硫黄化合物は、末端基にCH3基、C
F3基等の疎水基を有するチオール化合物で、金、銀あ
るいは白金と分子中の硫黄原子が化学的に結合するため
皮膜の密着強度は高く、耐久性がある。この皮膜は単分
子膜であり、チオール化合物の末端基の疎水基は最表面
となるように配向するため、皮膜としては疎水性、ある
いは撥水性を呈する。
【0031】そのため、マイクロポンプ200の送液を
停止した場合に、マイクロポンプ200の吐出口41で
薬液は一定形状のメニスカスを形成するため、薬液の液
切れ精度は良くなる。
【0032】バルブ21は、梁22によりチャンバ基板
20に支持され、かつバルブ21の一部分が基板表面2
3より突出しており、その先端部分をシール部24とす
る。ここで、基板表面23から突出している高さに応じ
て梁22の弾性変化に起因した押し付け圧力がシール部
24に発生し、シール部24は予圧力を得る。なお、シ
ール部24のエッジには面取り加工を施しており、接合
時における該エッジでの応力集中を緩和している。
【0033】また、バルブ基板30に形成されたバルブ
31、梁32、シール部34、ポート35及びチャンバ
基板20に形成されたポート25も、同様な構造を有し
ている。
【0034】なお、接合する面側全体及び作動流体50
が接する面全体には、金属膜1が形成され、かつ作動流
体50が接する面に形成されている金属膜表面には親水
皮膜(図示なし)が形成されている。
【0035】次に、本マイクロポンプ200の製作工程
を、図3の工程断面図を用いて説明する。まず、図3
(a)に示すように、チャンバ基板20とバルブ基板3
0の接合する面側全体に金属膜1を成膜して接合面を形
成した後、図3(b)に示すように、真空中にてArプ
ラズマ3を接合面に照射して、図3(c)に示すように
接合面を対峙させて重ね合わせて加熱且つ加圧して接合
した。
【0036】次に同様な手順で、ダイヤフラム基板10
さらにノズル基板40を重ねあわせて接合し、図2に示
すように、ダイヤフラム駆動用のアクチュエータである
積層圧電素子17をダイヤフラム11に固着し、さらに
固定治具19を介してダイヤフラム基板10に接続して
マイクロポンプ200を組み立てた。
【0037】ここで、各基板での金属膜の成膜は基板表
面上に熱酸化膜、チタン(膜厚:0.05μm)、金
(膜厚:1μm)順序でスパッタにより行った。また、
真空中での一連の工程における雰囲気圧力は0.3mP
aであり、Arアトムの接合面への照射量は金エッチン
グ量で10nmであり、接合温度は150℃であり、接
合圧力は10MPaである。
【0038】次に11−メルカプトウンデカノールのチ
オール化合物を選択し、濃度を1mMとなるようにエタ
ノール液に溶解した溶液を用い、この溶液を上述したマ
イクロポンプの流路部に注入、20時間充填した。その
後液を排出して、エタノール溶液で洗浄し、さらに窒素
ガスによりブロー乾燥を行った。
【0039】流路部の濡れ性を観察することはできない
ため、流路部と同一の処理条件にて製作した試験片を用
いて、表面の評価を行った。その水との濡れ性を水滴落
下法による接触角を測定したところ、処理無しの金表面
の場合は71度であったが、処理後の表面は5度以下と
なり、極めて高い親水性を示した。
【0040】次に、薬液を上記マイクロポンプ200に
プライミングを行ったところ、容易に供給することがで
きた。また、上記のマイクロポンプ200の長時間薬液
定量性の試験を行ったところ、設定値のばらつきは観察
されず、高精度で流量制御できることが確認できた。
【0041】中間層103はシリコン基板101と金属
層104との間の付着力を高めるための層であり、本実
施の形態例のニッケルのほかに、クロム、タンタル、チ
タンのいずれか、あるいはそれらの合金素材であること
が好ましい。
【0042】また硫黄化合物としては、親水基を有する
スルフィド化合物、ジエチルスルフィド、ジデシルスル
フィド、ジエチルジスルフィド、ジデシルジスルフィド
などが好ましい。
【0043】(実施の形態例2)実施の形態例1と同一
条件で製作したマイクロポンプの流路部の表面処理を、
以下に述べる方法にて処理を行った。11−メルカプト
ウンデカノールのチオール化合物を選択し、濃度を1m
Mとなるようにエタノール液に溶解した溶液を用い、こ
の溶液を上述したマイクロポンプの流路部に注入、20
時間充填した。その後液を排出して、エタノール溶液で
洗浄し、さらに窒素ガスによりブロー乾燥を行った。
【0044】流路部の濡れ性を観察することはできない
ため、流路部と同一の処理条件にて製作した試験片を用
いて、表面の評価を行った。その水との濡れ性を水滴落
下法による接触角を測定したところ、処理無しの金表面
の場合は71度であったが、処理後の表面は5度以下と
なり、極めて高い親水性を示した。
【0045】また、吐出口41のみは、HS(CF2)1
5CF3の10mM濃度のエタノール溶液を用いて塗布
して被膜を形成した。なお、金スパッタ試験片上に形成
した被膜で水との接触角を測定したところ112度を示
した。
【0046】次に、薬液を上記マイクロポンプにプライ
ミングを行ったところ、容易に供給することができた。
また、上記のマイクロポンプの長時間薬液定量性の試験
を行ったところ、設定値のばらつきは観察されず、高精
度であることが確認できた。
【0047】また、吐出口41のポンプ停止時の液切れ
状態を観察したところ、残留水滴形状は常に一定なメニ
スカスを保ち、薬液の液切れが良いことが確認された。
なお、本実施の形態例では、末端基にパーフルオロ基を
有する硫黄化合物を用いているが、アルキル基を有する
硫黄化合物でも効果があることを確認している。
【0048】図4、図5は、実施の形態例1で製作した
マイクロポンプ200を備えた薬液分析装置の全体構成
を示す。図4は薬液分析装置の正面を示し、図5は薬液
分析装置の上面を示す。分析装置111の上部には試料
120の入った複数の試験管121を平面的に円状に並
べて保持するサンプルホルダー122が設けられてい
る。
【0049】また、サンプルホルダー122の脇には試
験管121内の試料120を吸引するためのサンプルピ
ペッタ131が設けられている。サンプルピペッタ13
1は、試験管121から試料を吸引し内部に保持するノ
ズル132、そのノズル132を昇降させ、旋回移動さ
せる三次元駆動機構133、およびノズル132内に試
料を吸引したり、吐出するポンプ(図示なし)が設けら
れている。
【0050】サンプルホルダー122は、複数の試験管
121を遂一サンプルピペッタ131のノズル132の
直下に位置せしめるために、回転駆動機構123にて回
転駆動するようになっている。サンプルホルダー122
の隣には、サンプルピペッタ131はさむように、反応
ディスク142が設置されている。
【0051】反応ディスク142は、複数の反応容器1
41を平面的に円状に並べて保持し、順次回転してサン
プルピペッタ131のノズル132のもう一方の降下位
置に、反応容器141を移動させるようになっている。
また各反応容器141の下半分は恒温水が流れる恒温槽
143に浸っている。
【0052】サンプルピペッタ131のノズル132の
降下位置に順次反応容器141を移動させるために、反
応ディスク142は反応ディスク回転駆動機構144で
支持されている。反応ディスク142の外周縁の上方に
は、上記サンプルピペッた131のほかに第1の試薬供
給部151、第2の試薬供給部161、反応容器洗浄機
構171、分光計測部181が順に設けられている。
【0053】試薬供給部151は、大別して、複数の試
薬容器152、該試薬容器152を保持する試薬ホルダ
ー153、マイクロポンプ154、試薬ホルダー回転駆
動機構155の四つの部分から構成されている。
【0054】試薬ホルダー153は、中心軸の周りに試
薬容器152の数と同数のマイクロポンプ154が試薬
ホルダー153の底部に設けられている。試薬容器15
2の底部には接続孔(図示なし)があり、マイクロポン
プ154の吸入孔と接続している。
【0055】次に、このような構成の薬液分析装置を用
いて、薬液の吐出試験を行った。吐出試験方法は、薬液
を繰り返し吐出したときの、吐出された薬液量を測定
し、その変動量で評価した。
【0056】その結果、薬液の吐出量の変動は10%以
内であり、極めて精度の高い薬液分析装置となる。
【0057】以上、マイクロポンプを主体にして本発明
の実施の形態例を説明した。
【0058】本発明は、その他にもマイクロ流路を有す
る電極式精密検出センサにも適用は可能である。このセ
ンサの構造は、マイクロ流路内に金、銀あるいは白金か
らなる陰極と陽極を対向させ、その間に作動流体を流し
て検出するものである。この場合、流路内に気泡が残留
すると検出精度および安定性が極めて悪くなる。本発明
を適用することにより、大幅に改善することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、作動流体が接するマイ
クロ流路表面上に化学結合させて親水化皮膜を形成させ
ることができるので、プライミングが容易にでき気泡の
残留がなく、かつ薬液の微少流量制御の精度を長期間に
わたって向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例1に係るマイクロ流路の
断面構造の模式図である。
【図2】図1のマイクロ流路が形成されたマイクロポン
プの構造断面図である。
【図3】図2のマイクロポンプの製作工程図である。
【図4】図2のマイクロポンプを備えた薬液分析装置の
正面図である。
【図5】図4の薬液分析装置の上面図である。
【符号の説明】
1…金属膜、3…Arプラズマ、11…吸入口、12…
ダイヤフラム、17…積層圧電子、19…固定治具、2
1…バルブ、22…梁、23…基板表面、24…シール
部、41…吐出口、100…マイクロ流路、101…シ
リコン基板、102…熱酸化膜、103…中間層、10
4…金属層、105…親水基、106…硫黄化合物層皮
膜、111…薬液分析装置、121…試験管、123…
転駆動機構、131…サンプルピペッタ、141…反応
容器、142…反応ディスク、143…恒温槽、151
…第一の試薬供給部、152…試薬供給部、153…試
薬ホルダー、154,200…マイクロポンプ、161
…第二の試薬供給部、171…反応容器洗浄機構、18
1…分光計測部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 亮 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 吉村 保廣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 寺山 孝男 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2G058 CB04 CD04 EA11 EB00 EB01 3H077 AA08 BB10 CC02 CC09 CC18 DD06 EE05 EE16 EE25 EE34 FF03 FF04 FF07 FF08 FF09 FF12 FF14 FF22 FF36 4K044 AA06 AB10 BA21 CA53

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロマシーニングプロセスにより形状
    加工が施された複数の基板を組み合わせて構成され、作
    動流体が通過するマイクロ流路において、 前記作動流体が接する流路表面の一部あるいは全面に形
    成された金属層の表面に、末端基に親水基を有する硫黄
    化合物層を形成することを特徴とするマイクロ流路。
  2. 【請求項2】マイクロマシーニングプロセスにより形状
    加工が施された複数の基板を組み合わせて構成され、吸
    入口から吸入した作動流体が通過するマイクロ流路と、
    前記通過した作動流体を吐出する吐出口とを有するマイ
    クロポンプにおいて、 前記マイクロ流路は、シリコン基板と、該シリコン基板
    上に形成された熱酸化膜と、該熱酸化膜上に形成された
    中間層と、該中間層上に形成された金属層と、該金属層
    上に形成され末端基に親水基を有する硫黄化合物層とで
    構成されていることを特徴とするマイクロポンプ。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記中間層は、チタ
    ン、タンタル、クロム、ニッケルのいずれか、あるいは
    これらの合金からなることを特徴とするマイクロポン
    プ。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記金属層は、金、銀
    あるいは白金のいずれかからなることを特徴とするマイ
    クロポンプ。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記吐出口に形成され
    た金属層表面に、末端基に疎水基を有する硫黄化合物皮
    膜を形成することを特徴とするマイクロポンプ。
  6. 【請求項6】薬液が入った試薬容器と、該試薬容器を保
    持する試薬ホルダーと、該試薬ホルダーの底部に設けら
    れ、前記試薬容器と連通して前記薬液を吸入し、反応容
    器に吐出するマイクロポンプとを有する薬液分析装置に
    おいて、 前記マイクロポンプは、請求項2ないし請求項5のいず
    れか1項のマイクロポンプであることを特徴とする薬液
    分析装置。
  7. 【請求項7】複数のシリコン基板あるいは該シリコン基
    板とその他の材質の基板に、マイクロマシーニングプロ
    セスにより形状加工を施し、前記形状加工が施された基
    板を組み合わせ、作動流体が通過する流路を製造するマ
    イクロ流路の製造方法において、 前記作動流体が接する前記流路の内面の一部あるいは全
    面に金属層を形成し、前記流路内に末端基に親水基を有
    する硫黄化合物を溶解させた溶液を注入して充満させ、
    その後、前記溶液を抜き取り、さらに前記流路内を洗
    浄、乾燥させ、前記金属層の表面に親水性皮膜を形成す
    ることを特徴とするマイクロ流路の製造方法。
  8. 【請求項8】作動流体を吸入口から吸入し、該吸入した
    作動流体をマイクロ流路を通して吐出口から吐出させる
    マイクロポンプを、複数のシリコン基板にマイクロマシ
    ーニングプロセスにより形状加工を施し、前記形状加工
    が施された基板を組み合わせて製造するマイクロポンプ
    の製造方法において、 前記シリコン基板の表面に熱酸化膜を形成し、その後前
    記熱酸化膜上に中間層を設け、さらに前記中間層上に金
    属層を設けて接合面とし、該接合面を洗浄化した後、真
    空中または不活性雰囲気中で前記接合面同士を対向させ
    て加圧して接合して組み込み、その後前記マイクロ流路
    内に末端部に親水基を有する硫黄化合物を溶解させた溶
    液を注入して充満させ、その後前記溶液を抜き取り、さ
    らに前記流路内を洗浄、乾燥させ、前記金属層の表面に
    親水性皮膜を形成することを特徴とするマイクロポンプ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記吐出口の表面に、
    撥水性自己組織化皮膜形成化合物溶液を用いて撥水性皮
    膜を形成することを特徴とするマイクロポンプの製造方
    法。
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