JP2002162404A - 液体分注装置 - Google Patents

液体分注装置

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JP2002162404A
JP2002162404A JP2000357002A JP2000357002A JP2002162404A JP 2002162404 A JP2002162404 A JP 2002162404A JP 2000357002 A JP2000357002 A JP 2000357002A JP 2000357002 A JP2000357002 A JP 2000357002A JP 2002162404 A JP2002162404 A JP 2002162404A
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discharge
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pressure
suction
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JP2000357002A
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English (en)
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Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Takahisa Fukuoka
荘尚 福岡
Seiya Takahashi
誠也 高橋
Takami Shibazaki
尊己 芝崎
Kayu Muraki
香由 村木
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出ユニット内部の流路を試料吐出時に大気
圧に復帰させることにより液体を正確に定量吐出し得る
ようにした液体分注装置を提供する。 【解決手段】 液体を微小量分注する液体分注装置50
は、試料65を吸引する液体吸引部材を構成する、シリ
ンジピストン部66、ピストン68,ラック69,ステ
ップモータ70と、吸引された試料65を内部の流路に
保持して吐出口より微小液滴として吐出する吐出ヘッド
部67とを内蔵する吐出ユニット55と、吐出ユニット
55の内部に形成された流路を液体試料吐出時に大気圧
に復帰させる電磁弁62とを具備して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小量の液体を分
注する医療用途の液体分注装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微小量の液体を分注する液体分注装置の
従来例としては、例えば、特開平10−114394号
公報に記載されている、圧電変換器を適用したマイクロ
ディスペンサを搭載した微量流体処理装置がある。以
下、その概略構成を図15を用いて説明する。
【0003】図15に示す微量流体処理装置210は、
ガラス毛細管に取り付けられた圧電変換器を使用するマ
イクロディスペンサ216と、マイクロディスペンサ2
16に移送流体224を充填し、マイクロディスペンサ
216から移送流体224を吸引し、システム流体22
0の圧力を制御するとともに移送と移送との間にマイク
ロディスペンサ216を洗浄する容積式ポンプ212
と、システム流体220の圧力を測定するとともに対応
する電気信号を発するピエゾ抵抗圧力センサ214とを
具備している。ピエゾ抵抗圧力センサ214により測定
された圧力信号は、分配される移送流体224の体積を
点検および測定するため、ならびにマイクロディスペン
サ216の自動化された調整および診断を行うために使
用される。すなわち、ピエゾ抵抗圧力センサ214によ
り測定された圧力に対応する電気信号は制御回路に送出
され、それを受けた制御回路は、電気信号をデジタル形
式に変換するとともに分配される移送流体224の対応
する体積を示す指示値を発生する。この従来例の微量流
体処理装置は、リアルタイム動作中に分配された流体の
微少量を検査するように構成されている。
【0004】この従来例では、システム流体220と移
送流体224とを用いており、移送流体224は、シス
テム流体220内の圧力の小さな変化の測定を容易にす
るため、分配される移送流体224の体積と関連する公
知の量の空気222(エアーギャップ)によってシステ
ム流体220から分離されている。移送流体224は、
微量分配範囲の液滴が分配される毎に、毛細管作用によ
ってマイクロディスペンサ216の内部の以前の位置へ
と戻るため、エアーギャップ222の所定の体積は、分
配される移送流体224の量に対応して増加することに
なる。このエアーギャップ体積の増加は、感度の高いピ
エゾ抵抗圧力センサ214によって測定されるシステム
流体220ライン内の圧力を低下させることになる。
【0005】また、上記微量流体処理装置210では、
極少量の移送流体224を分配するために、アナログ電
圧パルスがマイクロディスペンサ216に送出され、そ
れにより液滴226が発生する。その後、移送流体22
4に作用する毛細管力によって、マイクロディスペンサ
216から供給された所定量の移送流体224が管21
8から供給される液体と置き換えられる。しかしなが
ら、移送流体224・エアーギャップ222・システム
流体220という構成の液柱が容積式ポンプ212内の
閉塞端にて終端となっているため、エアーギャップ22
2が膨張するにつれてシステム液体220のライン内の
圧力が低下する。すなわち、上記公報には、500ナノ
リットルの極少量の分配を行う間に測定される圧力プロ
ファイルが例示されるとともに、上記圧力低下の程度は
エアーギャップ222の寸法および分配される液体量の
関数となることが記載されている。
【0006】上記エアーギャップ222の容積が既知で
ある場合、圧力センサ214により検出される圧力変化
は、分配される量に関係する。このため、制御論理は、
圧力センサ214により測定された圧力変化を基にして
分配された移送流体224の量を判断するようになって
いる。また、上記従来例の好適な実施の形態の記載によ
れば、移送流体224の特性に対応して、外気圧よりも
約30〜40ミリバール以上圧力が低下しないようにす
ることが好ましいので、エアーギャップ222の寸法
は、外気圧よりも30〜40ミリバール以上低い圧力低
下の発生を防止するために、所望の分配量に基づいて選
択するようになっている。また、マイクロディスペンサ
216が移送流体224を分配している間にプランジャ
を前進させ、これによりマイクロディスペンサ216が
連続的に作用し得るようにシステム液体220の管圧を
再設定し得るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例は、液滴吐
出量に応じて容積式ポンプのプランジャを動作させるこ
とにより、システム系管内の圧力を常に安定吐出可能な
圧力範囲内(外気圧よりも30〜40ミリバール以上低
い圧力)に維持することにより、リアルタイム動作中に
分配された流体の微少量を確実に検査することを意図し
ている。
【0008】ここで、医療用途(生化学・バイオ遺伝子
分野)での液体分注について考察すると、分注する液体
は多種に亘っており、各種液体の液体物理定数(粘度、
表面張力、比重、接触角)が異なる値となる毎に、飛翔
する液滴の量や飛翔速度は異なるものとなる。一般に、
微小量の液体を取り扱う場合には通常の液体流れの関係
が成立せず、液体流れの関係に粘性や表面張力等が大き
く影響することになり、極微小量領域に進むにつれてそ
の影響が激しくなり、さらに、液滴の飛翔する空気抵抗
さえも無視できなくなる。したがって、上記従来例のよ
うにシステム管内での圧力を制御して一定値に管圧を維
持したとしても、各種液体の液体物理定数の相違に応じ
て吐出口での液体のメニスカス形状が異なってしまうた
め、飛翔する液滴の量や飛翔速度が異なるものとなり、
さらには、サテライト(メインドロップ以外の飛翔ドロ
ップ)の発生頻度も異なってくる。特に、血清等の人血
または異種のDNA含有溶液を扱う場合には、個人差ま
たは含有DNA塩基長に応じて僅かに液体物理定数が異
なるものとなるため、飛翔する液滴の量や飛翔速度をシ
ステム管内の圧力のみによって制御しようとしても、所
望の液滴吐出状態を実現するのは極めて困難である。
【0009】さらに、複数の吐出ヘッドを使用する構成
とした場合には、吐出ヘッドの製造上の組立誤差や吐出
ヘッド自体の吐出特性の個体差(例えば圧電素子の特性
差)により吐出ヘッド毎に吐出口位置や液滴の飛行角度
がばらつくため、液滴の着弾位置にずれが生じることが
ある。この場合、上記従来例では、吐出ヘッドの加工精
度および組立精度を支障のないレベル(例えばμmレベ
ル)まで向上させる対策を講じないと上記不具合に解消
することができず、上記対策を講じた場合には装置の高
価格化を招いてしまう。
【0010】本発明は、液体を正確に定量吐出し得る液
体分注装置を提供することを第1の目的とする。本発明
は、液体を正確な吐出位置に吐出し得る液体分注装置を
提供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の第1発明は、液体を微小量分
注する液体分注装置において、液体試料を吸引する液体
吸引部材と、吸引された液体試料を内部の流路に保持し
て吐出口より微小液滴として吐出する液体吐出部材とを
内蔵する吸引吐出ユニットと、該吸引吐出ユニットの内
部に形成された流路を液体試料吐出時に大気圧に復帰さ
せる圧力切換部材とを具備して成ることを特徴とする。
【0012】上記第2の目的を達成するため、請求項2
に記載の第2発明は、液体を微小量分注する液体分注装
置において、液体試料を吐出口より吸引して吐出口より
微小液滴として吐出する、整列配置された複数の吸引吐
出ユニットと、該複数の吸引吐出ユニットにより吐出さ
れた微小液滴が着弾される液滴保持部材と、該液滴保持
部材に着弾された微小液滴の着弾位置を観察測定する観
察部材と、該観察部材により測定した微小液滴の着弾位
置に基づいて次回吐出する微小液滴の着弾位置を補正す
る補正手段とを具備して成ることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の第3発明は、前記圧力切
換部材は、吸引開始時から所定時間が経過したときに、
前記吸引吐出ユニットの内部に形成された流路を大気圧
に復帰させることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の第4発明は、前記吸引吐
出ユニットは、液体試料吸引時には流路内が空気で満た
されていることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の第5発明は、前記吸引吐
出ユニットは、液体試料内に気泡を発生させない流路内
圧力を維持した状態で液体試料を吸引することを特徴と
する。
【0016】
【発明の効果】第1発明によれば、圧力切換部材以外に
特別な補正機構を必要としない構成でありながら、吸引
吐出ユニットからの液体試料吐出時には、圧力切換部材
の作動により吸引吐出ユニットの内部に形成された流路
が常に大気圧に復帰しているので、多数回の吐出を行っ
ても流路が常に大気圧に復帰するため流路内のメニスカ
スの形状が安定することになり、安定した吐出が可能に
なる。したがって、液体を正確に定量吐出し得る液体分
注装置を提供することができる。
【0017】第2発明によれば、整列配置された複数の
吸引吐出ユニットにより吐出されて液滴保持部材に着弾
した微小液滴の着弾位置を観察部材が観察測定し、該観
察部材により測定した微小液滴の着弾位置に基づいて補
正手段が次回吐出する微小液滴の着弾位置を補正するか
ら、複数の吸引吐出ユニットを組立・設置する際のばら
つきおよび個体差によるばらつきに起因する液滴試料の
着弾位置のずれを考慮して次回に吐出する微小液滴の着
弾位置を補正することができ、所望の着弾位置精度で微
小液滴を正確に着弾させることができる。したがって、
液体を正確な吐出位置に吐出し得る液体分注装置を提供
することができる。
【0018】第3発明によれば、前記圧力切換部材は、
吸引開始時から所定時間が経過したときに、前記吸引吐
出ユニットの内部に形成された流路を大気圧に復帰させ
るので、前記所定時間を例えば流路内最大負圧圧力に対
して流路内圧力が1/2〜1/10程度に小さくなるま
でに要する時間に設定しておくことにより、負圧になっ
た流路の圧力が自然に大気圧に復帰するまで待つ場合に
比べて、流路を大気圧に復帰させる時間を大幅に短縮さ
せることができる。したがって、吸引時間を短縮するこ
とができる。
【0019】第4発明によれば、前記吸引吐出ユニット
は、液体試料吸引時には流路内が空気で満たされている
ので、同一液体試料を微小液滴として連続的に多数回吐
出させた場合には、吸引吐出ユニットの流路内の空気に
より生じるダンピング効果により、吐出量の体積減少に
対する圧力変化は流路内が液体で満たされている場合よ
りも鈍感になり、流路の吐出口のメニスカス形状をより
一層一定形状に維持することができる。したがって、流
路内が液体で満たされている場合に比べて数倍の吐出回
数を液体の補給動作無しで実現することができる。
【0020】第5発明によれば、前記吸引吐出ユニット
は、液体試料内に気泡を発生させない流路内圧力(例え
ば低負圧)を維持した状態で液体試料を吸引するので、
液体試料内に気泡が発生することはない。したがって、
液体吐出の圧力波動を気泡が吸収して吐出量が不安定に
なることが防止され、正確な吐出量の液体を安定吐出す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
の液体分注装置の構成を示す斜視図であり、図2は第1
実施形態の洗浄槽の洗浄時の状態を示す断面図であり、
図3は第1実施形態の洗浄槽の乾燥時の状態を示す断面
図であり、図4(a)〜(e)は第1実施形態の吐出ヘ
ッドユニットの圧電素子変形状態を説明するための図で
あり、図5は第1実施形態の吐出ヘッドユニットの試料
吸引時の状態を示す断面図であり、図6(a)〜(c)
は第1実施形態の圧力検出部材の検出波形例を説明する
ための図であり、図7は第1実施形態のヘッドチップ5
7の液体吸引時の状態を示す断面図であり、図8(a)
〜(d)は第1実施形態の吐出ヘッドユニットの変形例
の圧電素子変形状態を説明するための図である。
【0022】まず、本実施形態の液体分注装置の概略構
成を図1により説明する。本実施形態の液体分注装置5
0は、図示しない3軸(XYZ軸)可動搬送部材に支持
されており、試料が多穴に収納されたウェルプレート5
2と、洗浄槽51と、検査プレート53とが配置されて
いる。この液体分注装置50は、テフロン(登録商標)
製の柔軟性のある配管59により、洗浄槽51と、洗浄
水供給タンク54と、吐出ヘッドユニット55と、エア
供給ポンプ60と、洗浄水供給ポンプ61と、電磁弁6
2とを接続しており、エアまたは洗浄水を吐出ヘッドユ
ニット55に導入するようになっている。なお、上記テ
フロン製の配管59の途中には、メンブレンフィルタ等
のゴミとり用のフィルタ63がそれぞれ設置されてい
る。
【0023】ウェルプレート52は、樹脂製の96穴ま
たは384穴の規格化された多穴の試料貯蔵部64を有
しており、96穴ウェルプレートの場合は9mm間隔の
穴が形成され、384穴ウェルプレートの場合は4.5
mm間隔の穴が形成され、同一試料または異なる試料が
貯蔵されている。試料65としては、血清、DNA含有
溶液、試薬等の、多種類の生化学液体が貯蔵されてい
る。一般的に、試料温度による反応の影響を除去するた
めに、ウェルプレート52は温度管理された筺体内に収
納されているため、必要に応じて、吐出ヘッドユニット
55の吸引位置に移動されるようにしてもよい。
【0024】検査プレート53は、試料65を微小液滴
として着弾付着されるものであり、スライドガラスを始
めとして、化学反応処理膜が形成されたスライドガラス
やセラミック等のメンブレンフィルタ等のプレート形状
のものや、吐出液体を捕獲するための側壁を有する反応
容器のようなものまで多種類のものが使用可能であり、
検査手段、測定手段および検査方法に応じて前記多種類
の中から選択した所望のものを用いることができる。
【0025】吐出ヘッドユニット55は、シリンジピス
トンポンプ部66および吐出ヘッド部67により構成さ
れている。シリンジピストンポンプ部66のピストン6
8は金属製材料で形成されており、ピストン68の一方
の円筒側面外周にはラック69が形成されている。この
ラック69はステッピングモータ70の軸に取り付けら
れた歯車71と噛み合っており、ステッピングモータ7
0の回転角に応じてピストン68が図示矢印の如くZ軸
方向に微小ストロークだけ往復運動するように構成され
ている。このステッピングモータ70は、マイクロステ
ップ駆動方式により0.01度/1ステップ以下の分解
能で駆動することができるので、ピストン68をμmオ
ーダーで正確に移動制御することが可能である。
【0026】シリンジピストンポンプ部66には、図4
(b)に示すように、透明な樹脂材料製(例えばアクリ
ル樹脂製)のシリンジ72が形成されており、このシリ
ンジ72には、ピストン68の外径に一致する穴または
ピストン68の外径よりも小径の穴を有する弾性Oリン
グ73が複数(図示例では2個)配置されているためピ
ストン68の摺動部で外気とシリンジ72内部との気密
性が保たれている。この構成では、ピストン68の往復
直線移動に応じてシリンジ72内の流路および吐出ヘッ
ド部67に液体やエアが吸引/排出されることになる。
ピストン68は、排出時には吐出ヘッド部67側に移動
し、吸引時には弾性Oリング73側に移動するようにな
っている。なお、上記シリンジ72内の流路は、吐出ヘ
ッド部67内の流路および電磁弁62方向へ向かう配管
継手74に連通するように形成されている。
【0027】シリンジ72の吐出ヘッド部67の近傍の
部位には、シリンジ72内に貫通する穴75が形成され
ており、この穴75の内部には圧力検出部材56が設置
されている。圧力検出部材56としては、例えば、エッ
チングにより形成されたシリコンダイヤフラム上の抵抗
体の圧力による変化値を検出する圧力センサや、薄板の
圧電素子の圧力による変化値を検出する圧力センサを用
いるものとする。なお、圧力検出部材56は図示しない
圧力検出回路に接続されており、圧力値を定量測定する
ようになっている。
【0028】吐出ヘッド部67は、図4(a)に示すよ
うな円筒形状の圧電素子76と、ヘッドチップ57とに
より構成されている。この圧電素子76は、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)の材料より成り、例えば外径1.
3mm、内径0.7mm、長さ20mmの形状をなして
いる。圧電素子76の一方の端面はシリンジ72と接合
されており、他方の端面にはヘッドチップ57が接合さ
れている。この圧電素子76の内周面にはニッケル等の
材質のマイナス電極77がメッキ処理により形成されて
おり、このマイナス電極77はシリンジ72側端面にて
折り返されて外周面に引き出されている。上記圧電素子
76の外周面にはマイナス電極77から一定間隔を隔て
てプラス電極78が形成され、肉厚方向に分極処理され
ている。また、圧電素子76は、その内面にSiO
等の親水性を有する皮膜が形成されるとともに、その外
周面にフッ素系の撥水性を有する皮膜が形成されてい
る。なお、圧電素子76の外周に形成されたマイナス電
極77およびプラス電極78間には、図示しない駆動回
路から所定波形の電圧を印加することになる。
【0029】圧電素子76の一方の端面に接合されたヘ
ッドチップ57は、耐食性・耐薬品性に優れたステンレ
ス材料製で円錐型の形状をなしており、φ50μm程度
の吐出口79がその頂点に開口している。ヘッドチップ
57の内周面は、ほぼ圧電素子76の内径からほぼ吐出
口79の径に至るまで径が変化するような所定角度のテ
ーパー形状をなしており、その内面にはSiO等の
親水性を有する皮膜が形成され、外周面にはフッ素系の
撥水性を有する皮膜が形成されている。なお、吐出口7
9は、微細放電加工やマイクロプレス加工により加工す
ることができ、ストレート形状の穴または内部から吐出
口出口に向かうにつれて径が小さくなるテーパー穴とな
っている。
【0030】ヘッドチップ57と圧電素子76の内面の
マイナス電極77とは電気的に導通し、図示しない液面
検知回路に接続されている。液面検知技術には様々な手
法があるが、例えば、空気接触時と液面接触時との静電
容量の変化を検出して液面に接触したことを検知する液
面検知技術を用いれば十分である。
【0031】図1の洗浄水供給タンク54内には、洗浄
水80となる水または脱気されたイオン交換水が収容さ
れており、洗浄水供給ポンプ61を作動させることによ
り配管59、電磁弁62、吐出ヘッドユニット55およ
び洗浄槽51に洗浄水80が充填供給される。また、エ
ア供給ポンプ60を作動させることにより、配管59、
電磁弁62、吐出ヘッドユニット55および洗浄槽51
にエア81が充填供給される。配管59の途中に設置さ
れた電磁弁62は、吐出ヘッドユニット55に洗浄水8
0またはエア81を供給するための切り換えを行うとと
もに、吐出ヘッドユニット55内の流路を大気に連通さ
せるための切り換えを行う。
【0032】洗浄槽51には、洗浄水80を供給する洗
浄水供給管82およびエア81を供給するエア供給管8
3が設置されており、洗浄槽51の底部には排水管84
が設置されている。この排水管84の排水口85は、図
2に示すように洗浄槽51の内径よりも小さな径に形成
されている。浄水供給管82を介して供給した洗浄水8
0は、図2に示すように洗浄槽51内に貯液された後、
排水口85から排液されて図3に示す状態となる。
【0033】次に、本実施形態の液体分注装置の各種動
作について説明する。まず、洗浄動作のため、吐出ヘッ
ドユニット55を洗浄槽51の上方に移動させてから、
吐出ヘッド部67を所定長さだけ洗浄槽51内に浸積さ
せる。次に、電磁弁62を開放して洗浄水供給側に切り
換えてから洗浄水供給ポンプ61を駆動する。これによ
り、洗浄水供給タンク54内の洗浄水80が吐出ヘッド
部67の吐出口79から放出されると同時に、洗浄槽5
1の洗浄水供給管82からも洗浄水80が放出される。
よって、洗浄槽51内に浸積された吐出ヘッド部67の
外周面および内周面、シリンジピストン部66の流路、
ならびにピストン68が洗浄水80にて洗浄されること
になる。
【0034】上記洗浄水80の送液の間にピストン68
がストローク上点(弾性Oリング73側)およびストロ
ーク下点(吐出ヘッド部67側)間の移動を数回繰り返
すことにより、シリンジ72の流路内が洗浄水80にて
完全に充填される。その後、電磁弁62を閉じてから洗
浄水供給ポンプ61を停止させる。このとき、ピストン
68は、ストローク下点(吐出ヘッド部67側)にて停
止した状態となる。以上により、吐出ヘッドユニット5
5内の流路は吐出口79を除いて密閉され、洗浄水80
にて流路内が完全に満たされた状態となる。
【0035】続いて、吐出ヘッドユニット55を洗浄槽
51から引き上げる途中でヘッドチップ57をエア供給
管83付近の位置に一旦停止させたとき、エア供給ポン
プ60を作動させてエア供給管83よりエア81を噴出
し、吐出ヘッド部67およびヘッドチップ57の外周に
付着した洗浄水80を吹き飛ばしたり乾燥したりする。
その際、図示しないヒータ等により暖められたエア81
を噴出するようにすれば、乾燥効率を高められることは
言うまでもない。
【0036】その後、吐出ヘッドユニット55を洗浄槽
51から完全に上方に移動させてから水平移動させ、試
料65が入ったウェルプレート52の上方に搬送する。
この搬送の途中でピストン68が上方(弾性Oリング7
3側)に所定量移動することによりエア81がヘッドチ
ップ57の吐出口79から吸引され、吐出ヘッドユニッ
ト55内に所定容量(例えば0.5〜3μL)のエア層
86(図5参照)が形成される。
【0037】上記エア層86が形成された後、吐出ヘッ
ドユニット55をウェルプレート52の上方から下降さ
せ、図示しない液面検知回路にて液面を検出した後に吐
出ヘッド部67の所定長さの部分をウェルプレート52
に入っている試料65内に浸積する。この状態でピスト
ン68を弾性Oリング73側に所定量移動させることに
より、吐出ヘッド部67内に試料65が所定量(例えば
数μL程度)吸引される。その際、吸引された試料65
と洗浄水80とは、図5に示すようにエア層86により
分離されるので、試料65が洗浄水80により薄まるこ
とはない。ここで、試料65がシリンジ72内の圧力検
出部材56の設置位置まで確実に吸引されるように上記
所定量を設定しておくことにより、圧力検出部材56に
は吸引された試料56が確実に接液することになる。
【0038】上記試料吸引動作中の圧力検出部材56の
検出電圧は、例えば図6(b)に示すようになる。すな
わち、図6(a)のような吸引動作によりピストン68
が移動することにより、吐出ヘッドユニット55内の圧
力は図6(b)のように所定負圧まで下降した後、緩や
かに大気圧まで戻ろうとする。このときの大気圧に戻る
までの時間(吸引完了時間)87は各試料65の液体物
理定数に依存する固有の値となるため、時間87を計測
することにより、各試料65の液体物理定数を把握する
ことが可能である。よって、得られた検出結果から、後
に吐出動作を実施する際の圧電素子76の印加電圧の諸
条件を補正することにより、異なる液体物理定数の試料
65を用いる場合であっても、吐出される液滴の大きさ
を一定に維持することができる。なお、上記吸引完了時
間87を正確に計測するために、吐出口79の穴径加工
精度およびピストン68の移動量制御精度は、正確に加
工または制御することが重要である。
【0039】上記において、圧力検出部材56により粘
度が高い試料65の吸引完了時間を測定する場合には、
吸引完了までに長時間を要するため、実用上好ましくな
い。この対策として、吸引動作開始時から所定時間が経
過したときに電磁弁62を大気圧に開放し、それにより
吐出ヘッドユニット55内の圧力を大気圧に戻すように
すると、吸引完了時間の短縮を図ることができる。
【0040】具体的には、例えば図6(c)に示すよう
に、吸引動作開始後、流路内最大負圧圧力に対して流路
内圧力が1/2〜1/10程度に小さくなった時点に吐
出ヘッドユニット55内の流路を大気圧に復帰させる方
法を用いればよい。この方法は、吸引時の圧力変化では
最初に急激に負圧となって最大負圧に到達した後、緩や
かな圧力傾斜曲線となり、大気圧付近に近付くとその圧
力傾斜曲線はさらに緩やかになることを考慮したもので
あり、最大負圧に対して1/2〜1/10程度の負圧値
になる復帰時間87(図6(c)参照)を予め設定して
おき、その復帰時間が経過した時点で吐出ヘッドユニッ
ト55内の流路を大気圧に開放することにより、吸引時
間を短縮することができる。
【0041】なお、上記の場合、試料65の液体物理定
数を検出するために、電磁弁62を大気圧に開放する直
前の圧力値88(図6(c)参照)をモニタするように
すれば、該圧力値88を用いて上記と同様に液滴の大き
さを一定に維持する補正が可能である。言い換えれば、
圧力値88に達した時点で電磁弁62を大気圧に開放す
ることにより、異なる液体を吸引する場合であっても、
確実に一定吸引量の試料を吐出ヘッドユニット55内に
保持することができるようになる。
【0042】ところで、吐出口79は数十μm程度の穴
であるため、吸引するためにピストン68を弾性Oリン
グ73側へ急速に移動させると、吐出ヘッドユニット5
5内の圧力が急速に低下し、吸引された試料65を脱気
するようになる。その結果、微細な気泡が試料内に発生
し、吐出ヘッドユニット55から液滴を吐出させるため
の圧力波動をこれらの気泡が吸収してしまうため、安定
した液滴吐出ができなくなる場合がある。この対策とし
て、本実施形態では、十分に低い速度でピストン68を
移動させることにより、試料65内の気泡発生を防止す
るようにしているが、圧力検出部材56により吐出ヘッ
ドユニット55内の圧力を吸引時にモニタしておき、試
料65内に気泡が発生しないような吐出ヘッドユニット
55内圧力管理の下で、ピストン68を移動させるよう
に制御してもよい。
【0043】一般に、気泡発生条件は吸引する試料65
の溶存空気濃度にも左右されるが、−1.5〜−10N
mmの負圧状態で気泡が発生する場合があるので、
少なくとも−1.5Nmmの負圧を下回らないよう
に試料65を吸引すれば、気泡発生を防止することが可
能となる。例えば、水に近い液体物理定数を有する試料
65を吐出ヘッドユニット55の約Φ2mmのピストン
により吸引する場合においては、ピストン68の移動速
度を約1mm/sec程度以下の速度で移動させること
により、気泡発生を防止することができる。なお、予め
脱気装置にて脱気された試料65をウェルプレート52
に収納して用いるようにすれば、気泡が発生する負圧が
大きくなるため、この分ピストン68の移動速度を早め
ることができることは言うまでもない。
【0044】上記のようにして吸引時に試料65の液体
物理定数を測定した後、ウェルプレート52から吐出ヘ
ッドユニット55を上昇させてから水平移動させ、検査
プレート53上に搬送する。ここで、検査プレート53
上に搬送する前に、一旦、洗浄槽51に搬送し、吐出ヘ
ッド部67およびヘッドチップ57の外周に付着した試
料65を吹き飛ばしたり乾燥したりするようにエア供給
管83からエア81を噴出し、図7に示すような吐出口
79の試料65のメニスカス89を一定形状に確保して
から検査プレート53上に搬送するようにしてもよい。
【0045】その後、ヘッドチップ57および検査プレ
ート53間のギャップが数mmとなるように吐出ヘッド
ユニット55を下降させ、このとき、吐出ヘッドユニッ
ト55内の流路を電磁弁62により大気圧に開放する。
この場合、流路を大気圧に開放しても吐出口79は微小
な径であるため、内部の試料65は表面張力による圧力
差により支持されることになり、漏れ出ることはない。
【0046】ここで、圧電素子76に所定波形の電圧
(例えば矩形波のパルス電圧)を印加して、吐出口79
より所定量の液滴を飛翔吐出させる。図4(e)のよう
な波形の電圧を印加した場合、圧電素子76は図4
(b)〜(d)のように変形する挙動を示す。すなわ
ち、電圧を印加しない場合に図4(b)に示す状態にな
っている圧電素子76は、マイナス電圧を印加すると図
4(c)のように径方向に膨むとともに長さ方向に縮む
ことになる。その後、プラス電圧を印加すると、図4
(d)のように径方向に縮むとともに長さ方向に延び、
それにより液滴が吐出される。実際には、圧電素子76
は径方向にサブμm、長さ方向に数μm程度しか変形し
ないが、吐出ヘッド部67の圧電素子76の急速変形
(流路断面積の変形)により、内部の試料65には各試
料65の液体物理定数および試料65の吸引液柱形状に
固有な急峻な圧力波動が発生するので、ヘッドチップ5
7の内部のテーパーにより吐出口79に向かう急速な流
れが発生する。この流れにより、吐出口79のメニスカ
ス89に発生している表面張力による圧力差を打ち破っ
て試料65の液滴が吐出されることになる。
【0047】その際、圧電素子76と試料65との間に
は親水性の膜以外のものが存在しないので、圧電素子7
6の変形により発生する力を直接試料65に作用させる
ことができ、圧電素子76の効率的な駆動が可能とな
る。例えば、本実施形態の形状の吐出ヘッドユニット5
5では、圧電素子76への印加電圧を十数Vまで低下さ
せても数pL〜数十nL程度の液滴を吐出できるので、
駆動回路の小型化を図るとともに連続吐出時の圧電素子
76の発熱を低減することができる。
【0048】さらに、上記吸引時に検出した圧力検出部
材56からの検出電圧に基づく補正値を用いて圧電素子
76への印加電圧の諸条件(電圧値、印加時間、波形
等)を制御することにより、異なる液体物理定数の試料
65を用いる場合であっても、所定の液滴量を正確に定
量吐出することができる。その結果、検査プレート53
(例えばスライドガラス)上に、正確な吐出量で異なる
試料65の液滴を着弾付着させることが可能になり、例
えば、格子状に整列配置された異種試料65によるドッ
トを形成した検査プレート53を製作することできる。
【0049】図8(a)〜(d)は第1実施形態におい
て慣性力吐出ヘッドユニットを用いる変形例の圧電素子
変形状態を説明するための図である。この変形例は、上
記吐出ヘッドユニット55の代わりに慣性力吐出ヘッド
ユニット58を用いており、それ以外の部分は上記と同
様に構成するものとする。
【0050】慣性力吐出ヘッドユニット58には、図8
(b)に示すように、図4(b)の吐出ヘッドユニット
55の場合と同様な円筒形状の圧電素子76と、シリン
ジピストン部90とが設置されている。圧電素子76の
一方の端面は図示しない可動搬送部材に接続された支持
部材91に固定されており、他方の端面にはシリンジピ
ストン部90が固定されている。そして、ここでは図示
を省略したステッピングモータ70の歯車71と噛み合
ったラック69(図1参照)と一体に形成されたピスト
ン68が、圧電素子76の内部を貫通するように配置さ
れている。
【0051】シリンジピストン部90の圧電素子76固
定部の内部には、複数の弾性Oリング73が設置されて
おり、それによりピストン68の摺動部の気密性が確保
されている。シリンジピストン部90の先端(図示下
端)にはヘッドチップ57が連結され、シリンジピスト
ン部90の側面外周には圧力検出部材56および電磁弁
62の方向へ向かう配管継手74が設けられており、配
管継手74内の流路はシリンジピストン部90内の流路
に連通している。また、シリンジピストン部90の側面
には貫通した穴75が設置されており、この穴75によ
って圧力検出部材56がシリンジピストン部90の流路
内に供給される試料65と接触するようになっている。
なお、圧力検出部材56は、極力、ヘッドチップ57に
接近した位置に配置するものとする。
【0052】この第1実施形態の変形例の液体分注装置
の圧電素子76は、電圧を印加しないときは図8(a)
に示す状態になっているが、図4(e)のような電圧を
印加すると図8(b)〜(c)のように圧電素子76が
変形し、シリンジピストン部90内の試料65に圧電素
子76の急速変形による加速度が付与され、それにより
ヘッドチップ57の先端の吐出口79より試料65が液
滴として飛翔吐出されることになる。
【0053】このような慣性力吐出ヘッドユニット58
においては、上述した吐出ヘッドユニット55を用いる
場合に比べて試料65の吸引量が少なくて済むので、吸
引完了時間87の短縮および試料65の使用量の削減を
実現することができる。また、圧電素子76が洗浄水8
0や試料65に接触しないため、電気的な安全性を向上
させることができる。
【0054】この慣性力吐出ヘッドユニット58は、上
述した吐出ヘッドユニット55に対して、流路形状を変
形させないで液滴を吐出する異なる吐出原理を適用した
ヘッドユニットであるが、圧力検出部材56の検出電圧
により求めた吸引完了時間87に基づく吐出液滴量の補
正は、上述した吐出ヘッドユニット55の場合と同様に
実現できることは言うまでもない。また、上述した吐出
ヘッドユニット55の場合と同様に、吸引完了時間を短
縮するために電磁弁62を大気圧に開放したり、圧力値
88を用いて液滴の大きさを一定に維持する補正を行う
ことも可能である。
【0055】なお、同一試料65の液滴を多数回吐出さ
せた場合、吐出ヘッドユニット55、58の内部流路の
圧力が負圧になり、吐出口79の試料のメニスカス89
の表面張力による圧力がこの負圧に対して維持できなく
なると、メニスカス89の位置が吐出口79の奥側(流
路側)に引き込まれて徐々に液滴の大きさが小さくな
り、最終的には吐出ができなくなる。この対策として、
本実施形態では、吐出時は電磁弁62を最初から大気に
開放(連通)しておき、吐出ヘッドユニット55、58
内の圧力を大気圧に維持するようにしている。
【0056】また、吐出口79の径に対して電磁弁62
内の流路径は数十倍以上も大きく、それぞれの液面のメ
ニスカスに発生する表面張力は径が小さいほど大きくな
るため、結果として、吐出口79のメニスカス89の形
状は一定形状に維持されることになり、電磁弁62の流
路内のメニスカスがシリンジピストン部67、90側に
引き込まれる。つまり、同一試料65を多数回吐出させ
た場合であっても、吐出口79は常に一定のメニスカス
形状を維持するので、安定吐出を継続できる。よって、
吐出した量に相当する負圧を軽減するためにピストンを
微小量動かす必要が無くなり、装置構造の複雑化や動作
の複雑化を軽減することができる。
【0057】上述した吐出時に吐出ヘッドユニット5
5、58の流路を大気圧に開放することによりメニスカ
スを安定させる技術は、吐出原理に左右されるものでは
なく、どのような原理の吐出方法に対しても有効であ
る。例えば、吐出口付近の微細流路内に設置したヒータ
を加熱して、試料を瞬時に蒸発させるときの作用力によ
り吐出口から試料を液滴吐出する吐出原理に対しても有
効である。
【0058】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、試料内の気泡の発生を防止するとともに、圧力検出
部材56の検出電圧を用いて吐出量を吐出前に補正にす
るから、試料の液体物理定数に依存せずに正確な吐出量
の液滴を初回から吐出することができる。そのため、検
査プレートに構成される液滴の着弾径は均一なものとな
り、例えばDNAの蛍光検査時にクロストークの少ない
正確な測定値を得ることができる。また、連続して同一
の試料を正確に吐出し続けることが可能であるので、吸
引時間の短縮、検査プレートの大量生産および量産効率
の向上が実現されるので、分注に関わるランニングコス
トを低減することができる。なお、本実施形態は様々な
液滴吐出方式に適用できるものであるため、正確な量を
分注する必要がある血液検査等の生化学血液分析装置等
にも適用することができ、その場合、検査精度を向上さ
せることができる。
【0059】図9は本発明の第2実施形態における吐出
ヘッドユニットの試料吸引時の状態を示す断面図であ
り、図10は第2実施形態の慣性力吐出ヘッドユニット
の試料吸引時の状態を示す断面図であり、図11
(a),(b)はそれぞれ、第2実施形態における圧電
素子への印加電圧および圧力検出部材の検出信号を説明
するための図である。本実施形態の液体分注装置は、上
記第1実施形態およびその変形例と同様な構成を用いて
いるが、各構成部材の動作(作用)および効果のみが相
違している。以下に、上記第1実施形態とは異なる本実
施形態の動作を、吐出ヘッドユニット55を用いる構成
の場合について説明する。なお、本実施形態において慣
性力吐出ヘッドユニット58を用いる構成の場合も動作
は同様であるので、説明を省略する。
【0060】図2において、洗浄槽51内に吐出ヘッド
ユニット55を下降させて、シリンジピストン部66お
よび吐出ヘッド部67を洗浄する場合には、洗浄水供給
ポンプ61およびエア供給ポンプ60を同時に動作させ
て、一定間隔をおいて電磁弁62を洗浄水供給側および
エア供給側に交互に切り換え、シリンジピストン部66
および吐出ヘッド部67に洗浄水80およびエア81を
交互に流入させる。これにより、エアバブルによる付着
物を剥離洗浄する効果が発生し、より良好な洗浄性を発
揮させることができる。この場合、超音波洗浄等の付加
物を必要としないため、安価な方法で高い洗浄効果を得
ることができる。
【0061】所定回数の電磁弁62の切り換えが完了し
た後、洗浄水供給ポンプ61のみを停止させる。その
後、電磁弁62をエア供給側に切り換えてから、図3の
ようにしてエア81をシリンジピストン部66およびび
吐出ヘッド部67に充填する。これにより、流路内の洗
浄水80は完全に排出除去されることになる。なおここ
で、電磁弁62として3方弁や2方弁を複数組み合わせ
ることにより、上記切換動作を実現するようにしてもよ
い。その後、電磁弁62を閉じることにより、吐出口7
9を除いてシリンジピストン部66を密閉する。
【0062】洗浄槽51から吐出ヘッドユニット55を
上昇させる過程では、吐出ヘッド部67の外周側面に付
着した洗浄水80をエア供給管83からのエア81によ
り吹き飛ばすか、あるいは乾燥する。その際、流路内は
全てエア81で充填されているため、エア層を吸引する
過程は必要とせず、その分だけ分注動作時間を短縮する
ことができる。
【0063】その後、試料吸引のために吐出ヘッドユニ
ット55をウェルプレート52の上部に搬送してから、
図9に示すように吐出ヘッド部67の先端をウェルプレ
ート52の試料65内に所定長さ浸積する。この状態で
ピストン68を弾性Oリング73側に移動して、吐出ヘ
ッド部67内に試料65を吸引する。その際、試料65
は圧力検出部材56の設置位置まで吸引するものとす
る。
【0064】吐出ヘッド部67の先端がウェルプレート
52内の試料65に浸積され、吐出ヘッド部67の内部
に試料65が保持されている図9の状態で、図11
(a)のような矩形波パルス電圧を圧電素子76に印加
すると、圧力検出部材56から図11(b)のような検
出信号が得られる。この検出信号は、試料65の液体物
理定数および試料65の液柱形状に固有の波形(圧力波
動)となるので、この圧力波動波形に基づいて試料65
の種類を判別することができる。そして、判別された試
料65の種類に応じて、後の吐出動作時に圧電素子76
へ印加する電圧の諸条件を補正することにより、試料6
5の種類に拘わらず一定量を液滴として吐出することが
できる。
【0065】上記において、吸引した試料65の液柱形
状は、圧力波動の周期の影響を受けるため、ピストン6
8を高精度に駆動して液柱高さを一定に維持することが
必要であることは言うまでもなく、本実施形態のように
ステッピングモータ70をマイクロステップ駆動するこ
とによってピストン68を数μmオーダーで移動制御す
れば、液柱高さを正確に管理することが可能となる。
【0066】なお、同一試料65の液滴を多数回吐出さ
せた場合、吐出ヘッドユニット55および慣性力吐出ヘ
ッドユニット58の内部流路の圧力が負圧になり、吐出
口79の試料のメニスカス89の表面張力による圧力が
この負圧に対して維持できなくなると、メニスカス89
の位置が吐出口79の奥側(流路側)に引き込まれて徐
々に液滴の大きさが小さくなり、最終的には吐出ができ
なくなる。この対策として、本実施形態では、吐出ヘッ
ドユニットおよびその内部の流路を洗浄水80で満たす
代わりにエア81を充填することにより、電磁弁62と
吐出口79との間の流路にエア81によるダンピング効
果を発生させるようにしている。これにより、吐出量の
体積減少に対する圧力変化が鈍感になるため、吐出口の
メニスカス形状をより一層一定形状に維持することで
き、液体が充填されている場合に比べて数倍の吐出回数
を補給動作無しで実現することができる。
【0067】例えば、本実施形態において、水に近い液
体物理定数を有する試料65を1回につき約1nL液滴
吐出させる場合、約1000点の連続吐出の間、吐出量
の変化が発生しないようにすることができる。よって、
吐出した量に相当する負圧を軽減するためにピストンを
微小量動かす必要が無くなり、装置構造の複雑化や動作
の複雑化を軽減することができる。また、エア81の充
填に代えて洗浄水80で満たした場合であっても、エア
層86の大きさを吸引試料65の量に対して大きく形成
することにより、上記と同様な作用効果が得られること
は言うまでもない。
【0068】なお、吐出ヘッドユニット55または慣性
力吐出ヘッドユニット58内に吸引された試料65に気
泡が発生していると、圧力検出部材56の検出信号の振
幅値が極端に小さくなるので、検出信号の振幅値が所定
値よりも小さくなったか否かにより気泡発生の有無を検
出することができ、検出信号の振幅が所定値よりも小さ
くなった場合には、洗浄を行ってから試料65を再吸引
するものとする。
【0069】以上説明したように、第2実施形態によれ
ば、エアバブルによる付着物を剥離洗浄する効果により
洗浄効率が向上するので、流路内の全域に亘り洗浄ムラ
の無い洗浄を実現することでき、コンタミネーションや
キャリーオーバ等の洗浄不良に起因する問題を排除する
ことができる。よって、装置の信頼性が向上するととも
に、高精度の検査結果・測定結果を得ることができる。
また、連続吐出時のエア層形成による吐出量精度低下を
防止することができ、しかも、連続吐出回数を向上させ
ることができるため、信頼性が高くかつ大量吐出効率が
高い液体分注装置を実現することができる。
【0070】図12は本発明の第3実施形態の液体分注
装置の構成を示す斜視図であり、図13は第3実施形態
の液体分注装置のウェルプレート、検査プレートおよび
吐出ヘッドユニットの位置関係を表す平面図であり、図
14は第3実施形態における検査プレート上の試料着弾
状態を示す図である。
【0071】本実施形態の液体分注装置100は、図1
2に示すように複数(図示例では4台)の吐出ヘッドユ
ニット99を直線状に整列配置されており、これら吐出
ヘッドユニット99としては、上述した吐出ヘッドユニ
ット55または慣性力吐出ヘッドユニット58を用いる
ものとする。液体分注装置100内の複数の吐出ヘッド
ユニット99は、図示しない直線3軸(XYZ軸)およ
び回転1軸(θz軸)の可動搬送部材上に電磁弁62と
ともに設置され、該可動搬送部材に支持されている。液
体分注装置100は、吐出ヘッドユニット99の他、試
料65を多穴64に収納したウェルプレート52と、洗
浄槽101と、検査プレート53と、顕微鏡観察部材1
02等を具備している。吐出ヘッドユニット99の設置
間隔はウェルプレート52の試料65を収納した多数の
穴64の間隔と同一寸法に形成されている。
【0072】この液体分注装置100は、テフロン製の
柔軟性のある配管59により、洗浄水供給タンク54
と、エア供給ポンプ60と、洗浄水供給ポンプ61と、
電磁弁62と、吐出ヘッドユニット99と、洗浄槽10
1とを接続しており、エアまたは洗浄水を吐出ヘッドユ
ニット99に導入するようになっている。なお、上記テ
フロン製の配管59の途中には、メンブレンフィルタ等
のゴミとり用のフィルタ63がそれぞれ設置されてい
る。
【0073】各吐出ヘッドユニット99の電磁弁62の
方向へ向かう配管継手74はそれぞれ、途中で統合連結
されている。また、試料65の液体を吐出される検査プ
レート53は、XY軸に動作する図示しないプレート搬
送部材上に設置されている。このプレート搬送部材は、
吐出位置にてXY方向の走査を行い、吐出後は検査プレ
ート53をCCDカメラを有する顕微鏡観察部材102
の下方の観察位置に搬送し、そこで検査プレート53に
着弾した試料65の液体の観察測定を行う。この顕微鏡
観察部材102には、投下落射照明が付加されている。
【0074】次に、本実施形態の液体分注装置の各種動
作について説明する。なお、この説明では、吐出ヘッド
ユニット99として上記吐出ヘッドユニット55を用い
た場合の符号を使用している。まず、洗浄動作のため、
各吐出ヘッドユニット99を洗浄槽101の上方に移動
させてから、吐出ヘッドユニット99の吐出口周辺を所
定長さだけ洗浄槽101内に浸積させる。次に、電磁弁
62を開放して洗浄水供給側に切り換えてから洗浄水供
給ポンプ61を駆動する。これにより、洗浄水供給タン
ク54内の洗浄水80が吐出ヘッドユニット99の吐出
口から放出されると同時に、洗浄槽101の洗浄水供給
管82からも洗浄水80が放出される。よって、洗浄槽
101内に浸積された吐出ヘッドユニット99の吐出口
近傍の外周面および内周面ならびにピストン68が洗浄
水80にて洗浄されることになる。
【0075】上記洗浄水80の送液の間にピストン68
がストローク上点(弾性Oリング73側)およびストロ
ーク下点(吐出ヘッド部67側)間の移動を数回繰り返
すことにより、シリンジ72の流路内が洗浄水80にて
完全に充填される。次に、電磁弁62を閉じてから洗浄
水供給ポンプ61を停止させる。その後、吐出ヘッドユ
ニット99内にエアを供給する。このとき、ピストン6
8は、ストローク下点(吐出ヘッド部67側)にて停止
した状態となっている。以上により、吐出ヘッドユニッ
ト99内の流路は吐出口79を除いて密閉され、エアに
て流路内が完全に満たされた状態となる。
【0076】続いて、吐出ヘッドユニット99を洗浄槽
101から引き上げる途中でヘッドチップ57をエア供
給管83付近の位置に一旦停止させたとき、エア供給ポ
ンプ60を作動させてエア供給管83よりエア81を噴
出し、吐出ヘッド部67およびヘッドチップ57の外周
に付着した洗浄水80を吹き飛ばしたり乾燥したりす
る。その際、図示しないヒータ等により暖められたエア
81を噴出するようにすれば、乾燥効率を高められるこ
とは言うまでもない。
【0077】その後、吐出ヘッドユニット99を洗浄槽
101から完全に上方に移動させてから水平移動させ、
試料65が入ったウェルプレート52の上方に搬送す
る。続いて、各吐出ヘッドユニット99を同時にウェル
プレート52の上方から下降させ、一番最後に液面検知
した吐出ヘッドユニット99の下降位置に基づいて各吐
出ヘッドユニット99の先端の所定長さの部分をウェル
プレート52に収納した試料65内に浸積する。この状
態でピストン68を弾性Oリング73側に所定量移動さ
せることにより、吐出ヘッドユニット99内に試料65
が所定量(例えば数μL程度)吸引される。このような
吸引過程において、上記第1実施形態または第2実施形
態と同様にして、試料65の液体物理定数を液体吐出ヘ
ッド99毎にそれぞれ測定する。
【0078】その後、ウェルプレート52より吐出ヘッ
ドユニット99を上昇させてから水平移動させ、検査プ
レート53の上方に搬送する。ここで、検査プレート5
3上に搬送する前に、一旦、洗浄槽101に搬送して、
吐出ヘッド部およびヘッドチップ57の外周に付着した
試料65を吹き飛ばしたり乾燥したりするようにエア供
給管83からエアを噴出し、上記第2実施形態と同様に
して吐出口79の試料のメニスカスを一定形状に確保し
た後に検査プレート53上に搬送するようにしてもよ
い。
【0079】その後、ヘッドチップ57および検査プレ
ート53間のギャップが数mmとなるように、吐出ヘッ
ドユニット99を下降させる。次に、図13に示すよう
に、予め設定された角度103となるまでθz軸を回転
させ、検査プレート53のX軸に対して吐出ヘッドユニ
ット99の整列直線が所定角度103を有するように検
査プレート53を回転移動させる。この回転角度103
は、後に説明するが、検査プレート53上の各吐出ヘッ
ドユニット99からの着弾試料65のY軸着弾間隔に相
当する長さの決定に用いられることになる。
【0080】その後、上記プレート搬送部材をX軸方向
に所定量移動させ、そのときの位置情報に基づいて、予
め設定された吐出ヘッドユニット99より試料65の液
滴を吐出する。その際、吐出ヘッドユニット99の整列
直線と検査プレート53の走査X軸とのなす角度103
に基づいて、検査プレート53に着弾して隣り合う液滴
のY軸着弾間隔が決定されることになる。言い換えれ
ば、θz軸の回転角度103によりY軸着弾間隔を任意
に設定可能である。
【0081】検査プレート53の端に達するまでX軸方
向の走査を完了させた後、プレート搬送部材をY軸方向
に所定量(整列配置された吐出ヘッドユニット99のY
軸吐出間隔幅分、あるいは、整列配置された吐出ヘッド
ユニットのY軸吐出全幅分)だけ移動させる。その後、
図13に示すようにX軸において上記と逆方向の走査を
開始し、所定の位置で所定の吐出ヘッドユニット99よ
り試料65を吐出する。このような動作を繰り返すこと
により、検査プレート53上の任意の位置に、任意の試
料65を整列着弾させることが可能である。
【0082】なお、本実施形態では、4本の吐出ヘッド
ユニット99によりウェルプレートの多穴64の4個所
からそれぞれの試料65を吸引するので、吐出動作完了
後に洗浄を行ってから、ウェルプレート52の多穴64
の別の4個所の試料65を吸引し、同様に吐出を行う動
作を複数回繰り返すことにより、結果としてウェルプレ
ート52上の全試料65を検査プレート53に吐出する
ことができる。よって、吐出ヘッドユニット99の設置
台数は4台に限定されるものではなく、設置台数を増加
させた場合には、分注動作に要する作業時間を短縮でき
ることは言うまでもない。
【0083】上記各吐出ヘッドユニット99で吸引した
試料65の特性は、吐出ヘッドユニット毎に吸引過程に
おいて測定しておくため、その情報に基づいて、吐出時
の圧電素子への印加電圧の諸条件を事前に補正すること
ができるので、異なる試料65であっても一定量の液滴
(着弾径)の吐出を維持することができる。
【0084】ところで、本実施形態では、整列配置され
た4台の吐出ヘッドユニット99の全体を回転させるの
で、吐出時のプレート搬送部材のY軸動作回数が減少
し、分注に要する時間を短縮することができる。しか
し、図14(a)に示すようにして、複数の吐出ヘッド
ユニット99を用いて吸引吐出を行った場合、吐出ヘッ
ドユニット99の組み立て誤差、取り付け設置誤差や吐
出ヘッドユニット99自体の吐出特性の個体差により、
検査プレート53上での試料65の液滴の着弾位置にば
らつき(ずれ104)が生じる場合がある。
【0085】この対策として、本実施形態では、検査プ
レート53に1個所だけ予備的な吐出を行った後に顕微
鏡観察部材102の下方に検査プレート53を搬送し、
そこで着弾状態画像をCCDカメラにて撮影した後、2
値化等の画像処理にて着弾径および着弾座標位置(着弾
した液滴の重心位置)を計測し、計測結果から着弾径お
よび着弾位置の目標値と計測値との間の誤差を算出する
ようにしている。そのため、得られた誤差に基づいて、
ずれ104をキャンセルするように検査プレート53の
XY軸のプレート搬送部材の送り量を補正したり、吐出
時の各吐出ヘッドユニット99の圧電素子への印加電圧
の諸条件を補正することにより、図14(b)に示すよ
うに所望の位置に試料65を着弾させることができる。
この場合、吐出ヘッドユニット99の加工精度・組立精
度や高精度化したり圧電素子の特性値ばらつきを厳密に
管理したりする必要が無いため、装置の低価格化を図る
ことができる。
【0086】なお、上記においてはプレート搬送部材を
XY方向に走査することにより検査プレート53に着弾
される位置を補正するようにしたが、代わりに、吐出ヘ
ッドユニット99を支持しているXYZθz軸の各搬送
部材を用いて、吐出ヘッドユニット99自体を補正量分
移動させるようにしてもよく、この場合、プレート搬送
部材を省略することができる。
【0087】また、吐出する試料65としては、ほとん
ど透明のものが用いられるが、投下照明と落射照明との
光量バランスを適切に設定することにより、曲率を有す
る着弾時の液滴の輪郭部で発生する反射光に基づいて液
滴の輪郭を検出することができる。よって、輪郭画像を
2値化した後の画像処理時に穴埋め処理等を併用するこ
とにより、着弾径および着弾座標位置を容易に算出する
ことができる。なお、セラミックス等のメンブレンフィ
ルタに試料を吐出した場合には、着弾時に液滴が基材に
吸収されるため曲率が形成されず、輪郭検出が困難にな
るが、その場合には検査反応時に影響を与えない色素を
事前に試料65に投入したり、微量の蛍光試料を試料6
5に投入しておくことにより、そして、特定波長光の照
明光を照射することにより、着弾状態を検出することが
可能になる。
【0088】以上説明したように、第3実施形態によれ
ば、複数個所の吐出ヘッドユニットから試料を吐出する
液体分注装置において所望の着弾位置精度を確保するこ
とができる。また、検査プレートに様々なパターンにて
異種の試料を所望の位置に正確に形成することができる
ので、検査用途のバリエーションを増加させるともに高
速分注を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の液体分注装置の構成
を示す斜視図である。
【図2】 第1実施形態の洗浄槽の洗浄時の状態を示す
断面図である。
【図3】 第1実施形態の洗浄槽の乾燥時の状態を示す
断面図である。
【図4】 (a)〜(e)は第1実施形態の吐出ヘッド
ユニットの圧電素子変形状態を説明するための図であ
る。
【図5】 第1実施形態の吐出ヘッドユニットの試料吸
引時の状態を示す断面図である。
【図6】 (a)〜(c)は第1実施形態の圧力検出部
材の検出波形例を説明するための図である。
【図7】 第1実施形態のヘッドチップ57の液体吸引
時の状態を示す断面図である。
【図8】 (a)〜(d)は第1実施形態の吐出ヘッド
ユニットの変形例の圧電素子変形状態を説明するための
図である。
【図9】 本発明の第2実施形態における吐出ヘッドユ
ニットの試料吸引時の状態を示す断面図である。
【図10】 第2実施形態の慣性力吐出ヘッドユニット
の試料吸引時の状態を示す断面図である。
【図11】 (a),(b)はそれぞれ、第2実施形態
における圧電素子への印加電圧および圧力検出部材の検
出信号を説明するための図である。
【図12】 本発明の第3実施形態の液体分注装置の構
成を示す斜視図である。
【図13】 第3実施形態の液体分注装置のウェルプレ
ート、検査プレートおよび吐出ヘッドユニットの位置関
係を表す平面図である。
【図14】 第3実施形態における検査プレート上の試
料着弾状態を示す図である。
【図15】 従来の液体分注装置の構成を例示する図で
ある。
【符号の説明】
50 液体分注装置 51 洗浄槽 52 ウェルプレート 53 検査プレート 54 洗浄水供給タンク 55 吐出ヘッドユニット 56 圧力検出部材 57 ヘッドチップ 58 慣性力吐出ヘッドユニット 59 配管 60 エア供給ポンプ 61 洗浄水供給ポンプ 62 電磁弁 63 フィルタ 64 多穴(貯蔵部) 65 試料 66 シリンジピストン部 67 吐出ヘッド部 68 ピストン 69 ラック 70 ステッピングモータ 71 歯車 72 シリンジ 73 弾性Oリング 74 配管継手 75 貫通穴 76 圧電素子 77 マイナス電極 78 プラス電極 79 吐出口 80 洗浄水 81 エア 82 洗浄水供給管 83 エア供給管 84 排水管 85 排水口 86 エア層 87 吸引完了時間 88 圧力値 89 メニスカス 90 シリンジピストン部 91 支持部材 99 吐出ヘッドユニット 100 液体分注装置 101 洗浄槽 102 顕微鏡観察部材 103 所定角度 104 ズレ
フロントページの続き (72)発明者 高橋 誠也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 芝崎 尊己 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 村木 香由 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2G058 BB02 BB06 CA01 CC09 CF11 EA11 EB01 EB05 ED02 ED17 FB05 FB06 FB07 FB11 FB12 FB19 FB24 FB25 GA02 GB04 GB10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を微小量分注する液体分注装置にお
    いて、 液体試料を吸引する液体吸引部材と、吸引された液体試
    料を内部の流路に保持して吐出口より微小液滴として吐
    出する液体吐出部材とを内蔵する吸引吐出ユニットと、 該吸引吐出ユニットの内部に形成された流路を液体試料
    吐出時に大気圧に復帰させる圧力切換部材とを具備して
    成ることを特徴とする液体分注装置。
  2. 【請求項2】 液体を微小量分注する液体分注装置にお
    いて、 液体試料を吐出口より吸引して吐出口より微小液滴とし
    て吐出する、整列配置された複数の吸引吐出ユニット
    と、 該複数の吸引吐出ユニットにより吐出された微小液滴が
    着弾される液滴保持部材と、 該液滴保持部材に着弾された微小液滴の着弾位置を観察
    測定する観察部材と、 該観察部材により測定した微小液滴の着弾位置に基づい
    て次回吐出する微小液滴の着弾位置を補正する補正手段
    とを具備して成ることを特徴とする液体分注装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力切換部材は、吸引開始時から所
    定時間が経過したときに、前記吸引吐出ユニットの内部
    に形成された流路を大気圧に復帰させることを特徴とす
    る請求項1記載の液体分注装置。
  4. 【請求項4】 前記吸引吐出ユニットは、液体試料吸引
    時には流路内が空気で満たされていることを特徴とする
    請求項1または2記載の液体分注装置。
  5. 【請求項5】 前記吸引吐出ユニットは、液体試料内に
    気泡を発生させない流路内圧力を維持した状態で液体試
    料を吸引することを特徴とする請求項1または2記載の
    液体分注装置。
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