JP4637206B2 - 上吊り用戸車の取付構造および上吊り用戸車 - Google Patents
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Description
案内レールは、上記枠部材の一対の縦枠の間隔と等しい長さに形成されている。戸車を案内レール内に装着した状態で、この案内レールを上枠に固定するようになっている。
そこで、本発明の目的は、設置された案内レールから戸車を取り外すための手間を軽減できる上吊り用戸車の取付構造および上吊り用戸車を提供することである。
先ず、スペーサを取り外し、案内レールの端部を開放する。また、第2のユニットを引戸から取り外す。取り外された第2のユニットを連結軸の中心軸線の周りに回動させて上記正面または裏面を上記戸当たりに対向させたときに、上記所定の車輪を戸当たりに沿わせることができる。この状態で、上記所定の車輪を、案内レールの端部から、スペーサが取り外されてできた上記空間を通して、下方へ離脱させることができる。
また、移動方向に関しての所定の車輪の中心軸線と第2のユニットの側面との間の所定距離(L5)は、案内レールの端部と戸当たりとの間隔(L2)よりも大きく(L5>L2)設定されている。これにより、引戸を開閉するときに、所定の車輪は、案内レールとスペーサとの継ぎ目を通らないので、異音の発生が抑制される。
引戸装置1は、建物に固定された枠部材2と、引戸3とを有している。枠部材2は、出入口等に用いられる開口4を区画している。引戸3は、上記開口4を開閉するように、枠部材2により左右方向Xに移動可能に支持されている。図1では、開口4が引戸3により閉じられている。
引戸3は、壁9に平行に配置されており、壁9に平行に移動できるようになっている。引戸3が右側に移動したときに、引戸3は壁9と対向し、開口4を開放する。引戸3が左側に移動したときに、開口4を閉じる。
左枠7は、枠部材2の左端部に配置されている。左枠7は側面を有し、この側面は、戸先側の戸当たり10を有している。引戸3が開口4を閉じたときに、引戸3の戸先側の側面が上記戸当たり10に当接する。
枠部材2の上枠5に、案内レール14が固定されている。引戸3に、一対の上吊り用戸車15が取り付けられている。これらの戸車15が案内レール14によって吊り下げ状態で支持されている。これとともに、戸車15は、案内レール14に沿って水平な移動方向Xに案内されつつ移動可能とされている。
図2は、図1に示す戸車15の取付構造の斜視図である。図1,図2を参照して、本実施形態では、案内レール14の端部16と戸当たり10との間に、スペーサ19が介在している。このスペーサ19を取り外すことができるようになっている。スペーサ19が取り外されると、案内レール14の端部16と戸当たり10との間に、空間20が形成される。この空間20を通じて、戸車15を案内レール14から取り外すことができるようになっている。
なお、スペーサ19は、案内レール14、または枠部材2の縦枠に取り付けられてもよい。以下では、スペーサ19が上枠5に取り付けられ、且つスペーサ19の長さが案内レール14の端部16と戸当たり10との間隔L2と等しい場合に則して説明する。
本実施形態の引戸装置1は、戸車15を取り付けるための戸車の取付構造26を有している。上吊り用戸車の取付構造26は、案内レール14と、スペーサ19と、一対の戸車15とを備えている。戸車15は、左右方向Xに関する引戸3の上框22の両端部に配置されている。一対の戸車15は、同じに構成されており、左右対称に配置されている。以下では、左側に配置された戸車15に則して説明する。
図2,図3を参照して、第1のユニット31は、案内レール14内でリップ40を転動する4つの車輪41,42と、これらの車輪41,42を回転可能に支持する第1のユニット本体43と、第1のユニット本体43に車輪41,42を支持する4つの支軸44とを有している。
支軸44は、前後方向Yに車輪41,42に対向する環状部分と、この環状部分に固定された軸とを含んでいる。環状部分は、側板46と単一部材により一体に形成されてもよいし、側板46に固定されてもよい。支軸44は、側板46から前後方向Yに突出している。支軸44は、車輪41,42ごとに設けられている。支軸44に車輪41,42が回動可能に片持ち状態で取り付けられている。
連結軸33は、第1のユニット本体43の接続板47に形成された嵌合孔に嵌合している。連結軸33は、上下方向Zに延びている。連結軸33は、当該連結軸33の中心軸線49の周りに、接続板47に対して回動可能に取り付けられている。連結軸33は、当該連結軸33の軸方向に関して、接続板47に対して相対移動を規制されている。連結軸33の直径は、案内レール14の対向するリップ40間の間隔L4よりも小さい。
本実施形態では、第1および第2の車輪41,42の直径D1,D2がいずれも、スペーサ19の所定長さL1(案内レール14の端部16と戸当たり10との間隔L2でもよい。)よりも小さくされている。スペーサ19が取り外されてできる空間20を通して、第1および第2の車輪41,42を、下方へ離脱できるようになっている。スペーサ19の所定長さL1は、例えば、車輪41,42の直径D1,D2の1倍を越えて大きく且つ1.2倍以下の範囲内の値(例えば、1.1倍の値)に設定されているのが好ましい。
これとともに、連結軸33の中心軸線49は、左右方向Xに関して、第1の車輪41の中心軸線61と第2の車輪42の中心軸線62との間に配置されている。
図5〜図12の各図は、図2の戸車15を案内レール14から取り外す過程を順に示す戸車の取付構造26の正面図であり、部分的に断面表示されている。
図5,図6を参照して、建物の枠部材2の上枠5に設置された案内レール14から、戸車15を、例えば、以下のようにして取り外すことができる。
図7を参照して、取り外された第2のユニット32を連結軸33の中心軸線49の周りに90°回動させる。これにより、第2のユニット32のハウジング51の裏面53(正面52でもよい。)を上記戸当たり10に対向させたときに、第1の車輪41を戸当たり10に近接させて、さらに沿わせることができる。
換言すれば、この状態で、移動方向Xに関して、戸当たり10と第1の車輪41の中心軸線61との距離K3、第1の車輪41の中心軸線61と連結軸33の中心軸線49との距離K4、および連結軸33の中心軸線49と第2のユニット32のハウジング51の裏面53との距離K5は、以下の関係、すなわち、距離K3と距離K4の和は距離K5よりも大きい関係を満たしている((K3+K4)>K5)。これにより、第1の車輪41を戸当たり10に接触させることができるといえる。
図9を参照して、第1の車輪41を、上記空間20を通して、下方へ離脱させる。このとき、第2の車輪42は、案内レール14内にある。第1の車輪41が下方へ移動するのに伴って、第1のユニット本体43が、第2の車輪42の中心軸線62の周りに回動しつつ、案内レール14のリップ40間を通ることができる。そして、第1のユニット31が、第2の車輪42で案内レール14にぶら下がるようになる(図10参照)。
図12を参照して、第2の車輪42を空間20を通して下方へ離脱させることができる。これにより、戸先側の戸車15の取外しが完了する。
図2を参照して、以上説明したように、本実施形態の戸車の取付構造26は、下向きに開放するリップ付き溝形材からなる案内レール14と、案内レール14の端部16と戸当たり10との間に介在する所定長さL1のスペーサ19と、案内レール14によって水平な移動方向Xに移動可能に支持された戸車15とを備えている。上記戸車15は、第1のユニット31と、引戸3の上框22に固定される第2のユニット32と、第1および第2のユニット31,32を互いに連結する鉛直な連結軸33とを含む。第1のユニット31は、上記案内レール14内で上記リップ40を転動する第1および第2の車輪41,42、およびこれら第1および第2の車輪41,42を回転可能に支持する第1のユニット本体43とを有している。第1のユニット本体43の幅L3が、案内レール14の対向するリップ40間の間隔L4よりも小さくされている。第1および第2のユニット31,32は、上記連結軸33の中心軸線49の周りに相対回動可能である。第2のユニット32は正面52および裏面53を有する。これら正面52および裏面53は、引戸3の上框22に取り付けられたときに上記移動方向Xとは平行になる。上記車輪41,42は、戸当たり10に相対的に近い一対の第1の車輪41と、戸当たり10から相対的に遠い一対の第2の車輪42とを含む。一対の第1の車輪41は第1のユニット本体43を挟んだ両側に配置されているとともに、一対の第2の車輪42は第1のユニット本体43を挟んだ両側に配置されている。第2のユニット32を、上記連結軸33の中心軸線49の周りに回動させて上記正面52または裏面53を上記戸当たり10に対向させたときに、第1の車輪41が戸当たり10に接触可能とされる。第1の車輪41を戸当たり10に沿わせた状態で、上記第1の車輪41が案内レール14から、上記スペーサ19が取り外されてできた空間20を通して下方へ離脱できるように、第1の車輪41の直径D1が、上記スペーサ19の上記所定長さL1よりも小さくされている。上記第2の車輪42の直径D2が上記スペーサ19の上記所定長さL1よりも小さくされている。
また、本発明の戸車15は、上記案内レール14と、上記スペーサ19と、上記戸車15とを備える戸車の取付構造26に用いられる戸車15において、上記特徴を有するようにしてもよい。この場合にも、戸車の取付構造26による上述の作用効果を同様に得ることができる。
例えば、図13は、本発明の第2の実施形態の戸車15Aを案内レール14から取り外す過程を示す戸車の取付構造の正面図であり、部分的に断面表示されている。図14は、図13に続く過程を示す正面図である。図15は、図14に続く過程を示す正面図である。なお、図13では、戸車15Aが、引戸3から取り外され、スペーサ19が取り外された状態が図示されている。
本実施形態においても、上述の第1の実施形態の第1の車輪41を取り外す手順と同様にして、戸車15Aを取り外すことができる。
例えば、上述の各実施形態において、図示しないが、戸尻側の案内レール14の端部17と戸当たり11との間にスペーサ19を介在させる場合や、戸先側および戸尻側の両方にスペーサ19を設ける場合も考えられる。
また、第2のユニット32は、ケース35およびロック機構50により引戸3に係止されていたが、これには限定されず、例えば、引戸3にねじ止めにより直接固定されてもよく、要は引戸3に取外し可能に取り付けられていればよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
10…戸当たり
14…案内レール
15,15A…上吊り用戸車
16…(案内レール)の端部
19…スペーサ
20…空間
22…上框
26…取付構造
31…第1のユニット
32…第2のユニット
33…連結軸
40…リップ
41…第1の車輪(所定の車輪)
42…第2の車輪
43…第1のユニット本体
49…(連結軸の)中心軸線
52…(第2のユニットの)正面
53…(第2のユニットの)裏面
54…(第2のユニットの)側面
61…中心軸線(所定の車輪の中心軸線)
D1…(第1の車輪の)直径
D2…(第2の車輪の)直径
K1…距離(第2のユニットの正面または裏面と戸当たりとの距離)
K2…距離(所定の車輪の周面と戸当たりとの距離)
L1…所定長さ
L2…間隔(案内レールの端部と戸当たりとの間隔)
L3…(第1のユニット本体の)幅
L4…(リップ間の)間隔
L5…所定距離(所定の車輪の中心軸線と第2のユニットの側面との間の所定距離)
X…左右方向(移動方向)
Claims (2)
- 下向きに開放するリップ付き溝形材からなる案内レールと、
案内レールの端部と戸当たりとの間に介在する所定長さのスペーサと、
案内レールによって水平な移動方向に移動可能に支持された上吊り用戸車とを備え、
上記上吊り用戸車は、第1のユニットと、引戸の上框に固定される第2のユニットと、第1および第2のユニットを互いに連結する鉛直な連結軸とを含み、
第1のユニットは、上記案内レール内で上記リップを転動する車輪、および車輪を回転可能に支持する第1のユニット本体とを有し、
第1のユニット本体の幅が、案内レールの対向するリップ間の間隔よりも小さくされており、
第1および第2のユニットは、上記連結軸の中心軸線の周りに相対回動可能であり、
第2のユニットは正面および裏面を有し、これら正面および裏面は、引戸の上框に取り付けられたときに上記移動方向とは平行になり、
上記第2のユニットは、側面を有し、この側面は、引戸の上框に取り付けられたときに戸当たりに対向するとともに、当該上吊り用戸車のなかで上記戸当たりに最も近接して配置され、
上記車輪は、第1のユニット本体を挟んだ両側に配置された一対の所定の車輪を含み、
上記第2のユニットが上記引戸の上框に取り付けられたときに、上記移動方向に関しての上記所定の車輪の中心軸線と上記第2のユニットの上記側面との間の所定距離(L5)は、上記案内レールの上記端部と上記戸当たりとの間隔(L2)よりも大きく(L5>L2)設定されており、
第2のユニットを、上記連結軸の中心軸線の周りに回動させて上記正面または裏面を上記戸当たりに対向させたときに、上記移動方向に関して、上記第2のユニットにおいて上記戸当たりに対向させた上記正面または上記裏面と上記戸当たりとの距離(K1)が、上記所定の車輪の周面と上記戸当たりとの距離(K2)よりも大きく(K1>K2)されることにより、上記所定の車輪が戸当たりに接触可能とされ、上記所定の車輪を戸当たりに沿わせた状態で、上記所定の車輪が案内レールから、上記スペーサが取り外されてできた空間を通して下方へ離脱できるように、上記所定の車輪の直径が、上記スペーサの上記所定長さよりも小さくされていることを特徴とする上吊り用戸車の取付構造。 - 下向きに開放するリップ付き溝形材からなる案内レールと、
案内レールの端部と戸当たりとの間に介在する所定長さのスペーサと、
案内レールによって水平な移動方向に移動可能に支持された上吊り用戸車とを備える上吊り用戸車の取付構造に用いられる上吊り用戸車において、
上記上吊り用戸車は、第1のユニットと、引戸の上框に固定される第2のユニットと、第1および第2のユニットを互いに連結する鉛直な連結軸とを含み、
第1のユニットは、上記案内レール内で上記リップを転動する車輪、および車輪を回転可能に支持する第1のユニット本体とを有し、
第1のユニット本体の幅が、案内レールの対向するリップ間の間隔よりも小さくされており、
第1および第2のユニットは、上記連結軸の中心軸線の周りに相対回動可能であり、
第2のユニットは正面および裏面を有し、これら正面および裏面は、引戸の上框に取り付けられたときに上記移動方向とは平行になり、
上記第2のユニットは、側面を有し、この側面は、引戸の上框に取り付けられたときに戸当たりに対向するとともに、当該上吊り用戸車のなかで上記戸当たりに最も近接して配置され、
上記車輪は、第1のユニット本体を挟んだ両側に配置された一対の所定の車輪を含み、
上記第2のユニットが上記引戸の上框に取り付けられたときに、上記移動方向に関しての上記所定の車輪の中心軸線と上記第2のユニットの上記側面との間の所定距離(L5)は、上記案内レールの上記端部と上記戸当たりとの間隔(L2)よりも大きく(L5>L2)設定されており、
第2のユニットを、上記連結軸の中心軸線の周りに回動させて上記正面または裏面を上記戸当たりに対向させたときに、上記移動方向に関して、上記第2のユニットにおいて上記戸当たりに対向させた上記正面または上記裏面と上記戸当たりとの距離(K1)が、上記所定の車輪の周面と上記戸当たりとの距離(K2)よりも大きく(K1>K2)されることにより、上記所定の車輪が戸当たりに接触可能とされ、上記所定の車輪を戸当たりに沿わせた状態で、上記所定の車輪が案内レールから、上記スペーサが取り外されてできた空間を通して下方へ離脱できるように、上記所定の車輪の直径が、上記スペーサの上記所定長さよりも小さくされていることを特徴とする上吊り用戸車。
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