JP4636672B2 - レーザマーキング装置及びレーザマーク媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザビームにより金属転写箔、ホログラム転写箔、ラベル、シール類等に、ドットからなる文字、画像、バーコード等をマーキングするためのレーザマーキング装置並びにこれによりマーキングされたレーザマーク媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、株券、商品券等の金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカード等のカード類、金属転写箔、ホログラム転写箔、ラベル、シール類等ヘレーザビームを照射して文字、バーコード等をマーキングするレーザマーキング装置がある。
【0003】
このようなレーザマーキング装置によって、クレジットカード等に記録する場合、レーザビームを連続的にクレジットカードあるいはこれに貼り付けられる金属転写箔等に照射して文字、画像等をマーキングする場合と、走査ラインに沿ってドットを間欠的に順次形成していき、これによって文字、画像等を形成するマーキング方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、文字、画像等をドットによりマーキングする場合、ドットピッチが一定であるとすると、図6に示されるように、各走査ライン上において走査方向一定位置にドットが並ぶことになり、形成された画像等に予期せぬ縞状の模様が現われて、画像品質を低下させてしまうという問題点がある。
【0005】
又、上記のようなレーザマーキング装置において、マーキング対象物に対してレーザビームを所定の方向に走査させる方法としては、2個のガルバノメータを用いてレーザビームを2次元的に走査させる方法が一般的である。
【0006】
この方法は、レーザビームが一筆書きに走査されるので、その走査のためのガルバノメータの制御が困難であるという問題点があった。
【0007】
このような問題点を解決するために、例えば特開平3−243289号公報に開示されるようなレーザマーキング装置が提案されている。
【0008】
このレーザマーキング装置では、往復動作を行う印字ヘッド上に回転多面鏡を設け、印字ヘッドの往復運動と回転多面鏡による回転運動によりレーザビームを2方向に走査するものである。これにより、レーザビームの走査制御は簡素化される。
【0009】
しかしながら、上記特開平3−243289号公報に開示されたレーザマーキング装置は、印字ヘッドの往復運動及び多面鏡の回転運動という2系統の制御系が必要となると共に、印字ヘッドが往復運動を行うため、その往復運動の際に無駄な時間が生じ、マーキングに要する時間が長くなるという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、パルスレーザビームを多面鏡で回転反射して、マーキング対象物を走査し、各走査ライン上でマーキングドットを形成するとき、予期しない縞模様が発生したりすることがないレーザマーキング装置並びにこのレーザマーキング装置によりマーキングされたレーザマーク媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本装置発明は、マーキング用レーザビームを出射するレーザ発振器と、マーキング対象物を一定方向に搬送する搬送ユニットと、この搬送ユニットに対しては定位置で回転自在に設けられ、前記レーザ発振器から出射されるレーザビームを、前記搬送ユニットにより搬送される前記マーキング対象物の方向に反射して、その搬送方向と非平行方向の走査ラインに沿って前記マーキング対象物を走査する多面鏡と、前記マーキング対象物の搬送状態及び前記多面鏡の回転状態のうち、少なくとも多面鏡の回転状態に同期して、前記レーザビームをパルス変調してマーキング対象物上に間欠的にマーキングドットを形成するパルスレーザビームとする制御装置と、を有してなり、前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して、走査方向にドットピッチの1/7〜1/2、好ましくは1/6〜1/3の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置により、上記目的を達成するものである。
【0016】
更に、第2の装置発明は、マーキング用パルスレーザビームを出射するパルスレーザ発振器と、マーキング対象物を一定方向に搬送する搬送ユニットと、この搬送ユニットに対しては定位置で回転自在に設けられ、前記パルスレーザ発振器から出射されるパルスレーザビームを、前記搬送ユニットにより搬送される前記マーキング対象物の方向に反射して、その搬送方向と非平行方向の走査ラインに沿って前記マーキング対象物を走査する多面鏡と、前記マーキング対象物の搬送状態及び前記多面鏡の回転状態のうち、少なくとも多面鏡の回転状態に同期して、前記パルスレーザビームを変調する制御装置と、を有してなり、前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して走査方向に、ドットピッチの1/7〜1/2、好ましくは1/6〜1/3の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置により上記目的を達成するものである。
【0017】
又、前記制御装置は、前記多面鏡の回転に同期したタイミング信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにされ、且つ、該変調のための制御信号の出力タイミングを、前記走査ライン毎にずらすように構成してもよい。
【0018】
更に、前記制御装置は、前記パルスレーザビームのパルス間隔をtp、前記多面鏡による1本の走査ラインの走査時間tsとしたとき、ts/tpの剰余がtpの1/7〜1/2となるように設定してもよい。
【0019】
前記レーザマーキング装置において、前記多面鏡に検知用レーザビームを照射する検知レーザ源と、この検知レーザ源から出射され、且つ、前記多面鏡により反射された検知用レーザビームを検知するレーザ検知器と、を設けてなり、前記制御装置は、前記レーザ検知器の出力信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにしてもよい。
【0020】
更に、前記レーザマーキング装置において、前記マーキング対象物及び搬送ユニットの少なくとも一方にマーキング対象物の搬送方向の位置を示すタイミングマークを設けると共に、このタイミングマークを検出するタイミングマーク検知器を設け、前記制御装置は、前記タイミングマーク検知器からの検知信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにしてもよい。
【0021】
又、レーザマーク媒体の発明は、前記のようなレーザマーキング装置により平行な複数の走査ライン上の複数のマーキングドットが記録され、且つ、この走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して走査方向に、ドットピッチの1/7〜1/2、好ましくは1/6〜1/3の範囲でずれて形成されていることを特徴とするレーザマーク媒体により上記目的を達成するものである。
【0022】
更に、前記マーキングドットの直径をd、走査ラインの間隙をSpとしたとき、前記ドットピッチDpは、Dp>d、Dp≧Spであるようにしてもよい。
【0023】
又、前記SpがDp/2<Sp≦Dpのとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siは、Dp/7≦Si<Dp/2であるようにしてもよい。
【0024】
更に、Sp<Dp/2のとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siは、Dp/7≦Si≦3Dp/7であるようにしてもよい。
【0025】
この発明においては、パルスレーザビームを多面鏡で回転反射して、マーキング対象物を走査する際に、各走査ライン上でのマーキングドットが走査ラインと直交方向に並ばないので、予期しない縞模様が発生したりすることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
この実施の形態の例に係るレーザマーキング装置10は、図1に示されるように、マーキング用レーザビームを出射するレーザ発振器12と、マーキング対象物14を一定方向に搬送する搬送ユニット16と、この搬送ユニット16に対しては定位置で回転自在に設けられ、前記レーザ発振器12から出射されるレーザビームを、前記搬送ユニット16により搬送される前記マーキング対象物14の方向に反射して、その搬送方向と直交する方向に前記マーキング対象物14を走査する多面鏡18と、前記マーキング対象物14の搬送状態及び前記多面鏡18の回転状態に同期して、前記レーザビームをパルス変調させる制御装置20とを含んで構成されている。
【0028】
前記多面鏡18は、例えばポリゴンミラーからなり、モータ(図示省略)を含む多面鏡駆動装置24により図1において紙面と平行な面内で回転駆動されるようになっている。
【0029】
前記レーザ発振器12から前記多面鏡18に至るレーザビームの光路上には、レーザ発振器12側からレーザ変調器22と、ハーフミラー28と、ビームエキスパンダ30とがこの順で配置されている。
【0030】
前記レーザ変調器22は、前記制御装置20からのパルス信号によりレーザビームのパルス変調を行うように制御されるものである。
【0031】
前記ハーフミラー28の側方には、検知用レーザビームを出射する半導体レーザ32が配置され、ハーフミラー28から前記レーザ発振器12から多面鏡18に至るレーザビームの光路中に検知用レーザビームを出射するようにされている。
【0032】
この半導体レーザ32からの検知用レーザビームが前記多面鏡18によって反射されたときの反射光が入射する範囲で、特に、F−θレンズ36(後述)における走査方向一方の限界付近を通る位置にはレーザ検知器34が配置されている。
【0033】
このレーザ検知器34による検知用レーザビームの検出信号は、前記制御装置20に出力するようにされている。
【0034】
この制御装置20は、レーザ検知器34からの検知信号(タイミング信号)に同期したタイミングで、マーキングすべきデータに応じた1走査ライン分のパルス信号を前記レーザ変調器22に出力するようにされている。
【0035】
ここで、前記制御装置20からの前記レーザ変調器22へのパルス信号の出力タイミングが、該制御装置がレーザ検知器34からのタイミング信号を得た後に、レーザ変調器22にパルス信号を送るまでの時間を各走査ラインS毎に予め定められた値に制御されることによって、例えば図3に示されるように、マーキングドットMの形成位置が、隣接する走査ラインS間で、ドットピッチDpの1/7〜1/2、好ましくは1/6〜1/3の範囲でずれるように構成されている。
【0036】
具体的には、例えば多面鏡18による1回の走査時間ts=50msとしたとき、レーザ変調器22におけるパルス変調周期(パルス間隔)tp=3msとすれば、ts/tp=50/3=16…2で剰余が2となり、次の走査のとき3−2=1msのずれが生じる(図3参照)。
【0037】
前記多面鏡18と搬送ユニット16との間の、多面鏡18により反射されたレーザビームの反射光の光路上には、F−θレンズ36が配置されている。
【0038】
前記搬送ユニット16は、この実施の形態の例においては、シート状のマーキング対象物14を巻き出して供給する供給部16Aと、巻き出されたマーキング対象物14を巻き取る巻き取り部16Bとを含んで構成され、図2に示されるように、シート状のマーキング対象物14を下方に一定速度で搬送するようにされている。
【0039】
これに対して、前記多面鏡18は、反射されたレーザビームを、前記搬送ユニット16におけるマーキング対象物14の搬送方向と直交する方向に走査するように設けられている。
【0040】
ここで、前記レーザ発振器12は、マーキング対象物14にマーキングできるエネルギのレーザビームを出射できるものであればよく、例えば、He−Cdレーザ、He−Neレーザ、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、Nd:ガラスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、窒素レーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、等の一般的に使用されているレーザであればよい。
【0041】
更に、前記レーザ変調器22は、マーキング対象物14にマーキングできる閾値より高いか低いかの不完全なオン・オフ制御あるいは完全なオン・オフ制御をすることによりレーザビームをパルス変調するようにされている。
【0042】
具体的には、メカニカルシャッタ、回転プリズムを用いる装置、カー効果、ポッケルス効果等の電気光学効果を利用する装置、フラッグセルのような音響光学効果を利用する装置のいずれでもよい。
【0043】
又、前記多面鏡18としては、一般的にポリゴンミラーが用いられるが、他の多面鏡であってもよい。
【0044】
前記ビームエキスパンダ30は、ハーフミラー28を通ったレーザビームを光学的に補正するものである。
【0045】
次に、前記レーザマーキング装置10によりマーキング対象物14にマーキングする過程について説明する。
【0046】
まず、搬送ユニット16にマーキング対象物14、例えば巻き取り形態の転写箔等を取付ける。搬送ユニット16を稼働し、マーキング対象物14を、図2において下方に一定速度で搬送する。
【0047】
次に、多面鏡18を多面鏡駆動装置24によって一定速度で回転させ、レーザ発振器12を駆動して、レーザビームを放出させる。この段階では、レーザ変調器22によってレーザビームは遮断されている。
【0048】
一方、半導体レーザ32を駆動して、検知用レーザビームを出射させる。検知用レーザビームは、ハーフミラー28において反射されて多面鏡18に到達し、ここで反射されてF−θレンズ36を通って、該多面鏡18の回転に同期して、前記レーザ検知器34に到達する。レーザ検知器34は、反射された検知用レーザビームが入力する都度前記制御装置20にタイミング信号を出力する。
【0049】
制御装置20は、このタイミング信号に同期した、即ち、多面鏡18の回転に対応したタイミングでマーキングすべきデータに応じた、多面鏡18の走査ラインの1ライン分のパルス信号をレーザ変調器22に出力する。
【0050】
レーザ変調器22は、制御装置20から入力する信号に応じて、レーザビームの強度をパルス変調し、前記多面鏡18による1回の走査分、即ち1ライン分のドットマーキングが行われることになる。
【0051】
上記の動作を、レーザ検知器34が信号を検知する毎に繰り返すことによって、マーキング対象物14上には所定のマーキングがなされる。
【0052】
このとき、前述のように、制御装置20は、隣接する走査ライン間でのマーキングドットの位置が、ドットピッチDpの1/7〜3/7、好ましくは1/6〜1/3ずれるように、パルス信号の出力タイミングをずらすようにされている。
【0053】
従って、図3に示されるように、隣接する走査ラインS間では、マーキングドットMの位置が順次ずれていく。
【0054】
前記搬送ユニット16により、マーキング対象物14を多面鏡18によるレーザビームの1回の走査毎に、該走査方向と直交する方向に送り、且つ、1回の走査毎にその全部又は一部で、レーザビームの強度をパルス変調して形成したマーキングドットMによって、マーキング対象物14上に所定の絵又は文字を形成することができる。例えば図4に示されるようなレーザマークの絵柄を有するレーザマーク媒体44(詳細後述)を形成することができる。
【0055】
図4のレーザマーク媒体44は、前記レーザマーキング装置10あるいは40(詳細後述)によってレーザマークされたマーキング対象物の例である。
【0056】
このレーザマーク媒体44において、前述のように、マーキングドットMが隣接する走査ライン間ではドットピッチDpの1/7〜3/7の範囲でずれているので、従来のように、ドットが走査ラインの幅方向に並ぶことによる縞模様が生じたりすることがない。
【0057】
前記隣接する走査ライン上のマーキングドットの走査方向のズレが、ドットピッチDpの1/7〜3/7、好ましくは1/6〜1/3としたのは次のような理由による。
【0058】
3/7以下としたのは、これより大きいと1/2に近付き、次の次に隣接する走査ライン上のマーキングドットがドットピッチDpの1/2倍の位置で重なって縞模様が発生するからであり、1/2と3/7又は0と1/7の差は、マーキングドットの大きさを考慮したものである。
【0059】
マーキングドットのある程度の大きさを考慮したとき、前記ズレの範囲は、ドットピッチDpの1/6〜1/3が最適となる。
【0060】
更に詳細には、前記マーキングドットの直径をd、走査ラインの間隙をSpとしたとき、前記ドットピッチDpは、Dp>d、Dp≧Spの条件下で、マーキンクドットMのずれの効果が大きくなる。
【0061】
又、前記SpがDp/2<Sp≦Dpのとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siが、Dp/7≦Si<Dp/2の場合、あるいは、Sp<Dp/2のとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siが、Dp/7≦Si≦3Dp/7の場合に、ずれの効果が大きい。
【0062】
又、Sp>Dp/2のときは、Si=Dp/2でもずれの効果がある。
【0063】
従って、走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して走査方向のずれSiは、Dp/7≦Si≦Dp/2、好ましくはDp/6≦Si≦1/3とすれば、縞状の模様発生を防止できる。
【0064】
上記実施の形態の例における制御装置20は、搬送ユニット16によるマーキング対象物14の搬送開始後に、独立した指令、操作に基づいてレーザ変調器26の制御を開始、終了するが、搬送ユニット16により搬送されるマーキング対象物14の搬送状態を検知して、その検知信号に同期してレーザ変調器22を制御するようにしてもよい。
【0065】
例えば、図5に示される本発明の実施の形態の第2例に係るレーザマーキング装置40は、マーキング対象物14に、その搬送方向の位置を示すタイミングマーク15を設け、このタイミングマーク15を検出するタイミングマーク検知器42を設け、前記制御装置20は、前記タイミングマーク検知器42からの検知信号に基づいて、前記レーザ変調器22を変調させるようにしている。
【0066】
前記タイミングマーク15は、印刷マーク、穴、溝等であって、タイミングマーク検知器42は、これらを光等によって検知できるセンサであればよい。
【0067】
なお、例えば搬送ユニット16における供給部16Aや巻き取り部16Bの、マーキング対象物14に覆われない箇所にタイミングマーク15を設け、これをタイミングマーク検知器42によって検出するようにしてもよい。
【0068】
又、上記実施の形態の例において、レーザマーキングのためのレーザビームのパルス変調はレーザ変調器22によって行っているが、本発明はこれに限定されるものでなく、レーザ発振器12自体がパルス発振するようにしてもよい。
【0069】
例えば、レーザ発振器12としてパルスレーザを用いる場合、Qスイッチング素子によりパルス光を生成するが、このQスイッチング素子のタイミングを制御することによって、レーザ光の変調(オン/オフ変調)を行うことができる。
【0070】
このように、レーザ発振器12にパルスレーザを用いる場合、前記レーザ変調器22は、レーザビームをパルス変調する必要はないが、ドットを形成する必要がない空白部分では、レーザ発振器12からのパルスレーザビームを遮断し、あるいはビームエネルギーを閾値以下としてドットがマーキングされないように制御される。
【0071】
又、前記搬送ユニット16は、供給部16Aから巻き取り部16Bにシート状のマーキング対象物14を搬送するようにしているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、1軸の往復運動をする走査ステージ、回転ドラム、ベルトコンベア等を搬送ユニットとして利用することができる。
【0072】
又、搬送ユニットによるマーキング対象物の搬送方向は、多面鏡18によるレーザビームの走査方向と同一でなければ、直交方向に限定されず、傾斜方向であってもよい。即ち、レーザビームの走査方向は、前記搬送方向と非平行であればよい。
【0073】
更に、上記実施の形態の例において、レーザ発振器12と多面鏡18との間のレーザビームの光路上には、ビームエキスパンダ30、ハーフミラー28が設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、レーザビームをマーキング対象物14上で結像させる必要がある場合は、結像レンズ、必要な焦点位置、ビーム形状の補正等のためのF−θレンズ、シリンドルカルレンズ等を設けるようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、パルスレーザビームを多面鏡で回転反射して、マーキング対象物を走査する際に、各走査ライン上でのマーキングドットが走査ラインと直交方向に並ばないので、予期しない縞模様が発生したりすることがないという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例に係るレーザマーキング装置を示すブロック図
【図2】同レーザマーキング装置における多面鏡と搬送ユニットを示す略示側面図
【図3】同レーザマーキング装置によってレーザマーキングされたマーキングドット列を拡大して示す平面図
【図4】同レーザマーキング装置によってレーザマーキングされたレーザマーク媒体の要部を拡大して示す平面図
【図5】同実施の形態の第2例に係るレーザマーキング装置を示すブロック図
【図6】従来のレーザマーキング方法装置によりレーザマーキングされたマーキングドット列を示す平面図
【符号の説明】
10…レーザマーキング装置
12…レーザ発振器
14…マーキング対象物
15…タイミングマーク
16…搬送ユニット
18…多面鏡
20…制御装置
22、26…レーザ変調器
24…多面鏡駆動装置
28…ハーフミラー
30…ビームエキスパンダ
32…半導体レーザ
34…レーザ検知器
36…F−θレンズ
42…タイミングマーク検知器
44…レーザマーク媒体
M…マーキングドット
Dp…ドットピッチ
S…走査ライン
Sp…走査ラインの間隔
Si…マーキングドットのずれ
Claims (14)
- マーキング用レーザビームを出射するレーザ発振器と、マーキング対象物を一定方向に搬送する搬送ユニットと、この搬送ユニットに対しては定位置で回転自在に設けられ、前記レーザ発振器から出射されるレーザビームを、前記搬送ユニットにより搬送される前記マーキング対象物の方向に反射して、その搬送方向と非平行方向の走査ラインに沿って前記マーキング対象物を走査する多面鏡と、前記マーキング対象物の搬送状態及び前記多面鏡の回転状態のうち、少なくとも多面鏡の回転状態に同期して、前記レーザビームをパルス変調してマーキング対象物上に間欠的にマーキングドットを形成するパルスレーザビームとする制御装置と、を有してなり、前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して、走査方向にドットピッチの1/7〜1/2の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項1において、
前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して、走査方向にドットピッチの1/6〜1/3の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - マーキング用パルスレーザビームを出射するパルスレーザ発振器と、マーキング対象物を一定方向に搬送する搬送ユニットと、この搬送ユニットに対しては定位置で回転自在に設けられ、前記パルスレーザ発振器から出射されるパルスレーザビームを、前記搬送ユニットにより搬送される前記マーキング対象物の方向に反射して、その搬送方向と非平行方向の走査ラインに沿って前記マーキング対象物を走査する多面鏡と、前記マーキング対象物の搬送状態及び前記多面鏡の回転状態のうち、少なくとも多面鏡の回転状態に同期して、前記パルスレーザビームを変調する制御装置と、を有してなり、前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して、走査方向にドットピッチの1/7〜1/2の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項3において、
前記多面鏡の回転速度及び前記制御装置によるパルスレーザビームの発振タイミングが、走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して、走査方向にドットピッチの1/6〜1/3の範囲でずれるように設定されたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記多面鏡の回転に同期したタイミング信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにされ、且つ、該変調のための制御信号の出力タイミングを、前記走査ライン毎にずらすように構成されたことを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記パルスレーザビームのパルス間隔をtp、前記多面鏡による1本の走査ラインの走査時間tsとしたとき、ts/tpの剰余がtpの1/7〜1/2となるように設定されていることを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項6において、前記ts/tpの剰余がtpの1/6〜1/3となるように設定されていることを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記多面鏡に検知用レーザビームを照射する検知レーザ源と、この検知レーザ源から出射され、且つ、前記多面鏡により反射された検知用レーザビームを検知するレーザ検知器と、を設けてなり、前記制御装置は、前記レーザ検知器の出力信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにされたことを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記マーキング対象物及び搬送ユニットの少なくとも一方にマーキング対象物の搬送方向の位置を示すタイミングマークを設けると共に、このタイミングマークを検出するタイミングマーク検知器を設け、前記制御装置は、前記タイミングマーク検知器からの検知信号に基づいて、前記レーザビームを変調するようにされたことを特徴とするレーザマーキング装置。
- 請求項1乃至9のいずれかのレーザマーキング装置により平行な複数の走査ライン上の複数のマーキングドットが記録され、且つ、この走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して走査方向に、ドットピッチの1/7〜1/2の範囲でずれて形成されていることを特徴とするレーザマーク媒体。
- 請求項10において、前記走査ライン上のマーキングドットが、隣接する走査ライン上の最も近いマーキングドットに対して走査方向に、ドットピッチの1/6〜1/3の範囲でずれて形成されていることを特徴とするレーザマーク媒体。
- 請求項11において、前記マーキングドットの直径をd、走査ラインの間隙をSpとしたとき、前記ドットピッチDpは、Dp>d、Dp≧Spであることを特徴とするレーザマーク媒体。
- 請求項12において、前記SpがDp/2<Sp≦Dpのとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siは、Dp/7≦Si<Dp/2であることを特徴とするレーザマーク媒体。
- 請求項12において、Sp<Dp/2のとき、前記マーキングドットの走査方向のずれ量Siは、Dp/7≦Si≦3Dp/7であることを特徴とするレーザマーク媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000347653A JP4636672B2 (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | レーザマーキング装置及びレーザマーク媒体 |
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