JP2002150239A - 書換表示部付き非接触icカードのリーダライタ - Google Patents

書換表示部付き非接触icカードのリーダライタ

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JP2002150239A JP2000348525A JP2000348525A JP2002150239A JP 2002150239 A JP2002150239 A JP 2002150239A JP 2000348525 A JP2000348525 A JP 2000348525A JP 2000348525 A JP2000348525 A JP 2000348525A JP 2002150239 A JP2002150239 A JP 2002150239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 書換表示部の書き換えと、非接触ICモジュ
ールとの交信を効率よく行え、しかも、簡単な構造で小
型・軽量かつ安価に製造する。 【解決手段】 リーダライタ1Aは、本体2の中に、書
換表示部62に可視情報を非接触で記録及び/又は消去
する書換装置50と、非接触ICモジュール63と非接
触で交信を行うアンテナ部3とを備えており、書換装置
50とアンテナ部3とは、カード挿入部6を挟んだ反対
側(対向する側)に配置されている。また、カード挿入
部6には、カード60の書換表示部62の書換位置に位
置決めする板ばね状の止め具4が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱記録を
行なう書換表示部と、非接触で外部と交信を行なう非接
触ICモジュールとを備えた書換表示部付き非接触IC
カードに使用される書換表示部付き非接触ICカードの
リーダライタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、可逆性感熱記録層を有するリ
ライトカードの一般的構成を説明する図である。このリ
ライトカード60は、図12(A)に示すように、カー
ド基材61上に、可逆性感熱記録層(書換表示部)62
が設けられており、必要に応じて、ICモジュール63
が搭載されたり、エンボス文字64が形成されたりして
いる。
【0003】この可逆性感熱記録層62は、樹脂母材
と、この樹脂母材中に分散された有機低分子物質とを主
成分とする感熱記録材料(例えば、特許第270023
4号等)を有しており、図12(B)に示すように、記
録及び消去を行っていた。
【0004】まず、感熱記録材料は、常温T0のときD
の状態(消去状態)であるとする。この感熱記録材料
は、記録したい部位の温度を、T1→T2→T3に上げ
ると、カーブに沿って、DからCさらにEへと状態が変
化する。Eの状態は、これ以上温度を上げても濃度が変
化しない状態である。このEの状態をへて、温度をT3
からT0まで下げることによって、低反射状態、すなわ
ち、Aの状態(記録状態)となる。
【0005】いま、感熱記録材料は、常温T0のとき
に、Aの状態(記録状態)であるとする。そして、この
感熱記録材料は、所望部位の温度を、T1→T2に上げ
ると、カーブに沿って、BからCへと状態が変化し、 最
大反射濃度に達する。ここで、温度をT0に下げると、
反射濃度は、そのまま保持されDの状態(消去状態)と
なる。
【0006】従って、可逆性感熱記録層62は、上記の
ような感熱記録材料の表面に、熱を選択的に印加するこ
とにより、所望の部位を加熱して、透明地に白濁の可視
情報を形成したり、白濁地に透明の可視情報を形成する
ことができ、その変化は、何回も繰り返することが可能
である。また、このような感熱記録材料の背面に着色層
を形成すれば、白地に着色層の色の可視情報又は着色層
の色の地に、白色の可視情報を形成することができる。
【0007】従来、可視情報の記録手段は、電流によっ
て発熱する微小な発熱体を直線状に配置したサーマルヘ
ッドを使用し、感熱記録媒体上を接触しながら走査し、
任意の箇所の発熱体を加熱・冷却することによって、微
小点による文字等を形成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
のサーマルヘッドは、感熱記録媒体上を接触しながら走
査するので、磨耗によって、耐久性が低下すると共に、
汚れなどに対してメンテナンスが必要である等の問題が
あった。
【0009】この問題を解決するために、集光されたレ
ーザービームを走査して描画を行うことが考えられる。
この場合に、光ビームを反射鏡にあて、反射鏡を振るこ
とにより、光ビームを走査するのが一般的である。光ビ
ームの走査手段としては、例えば、ガルバノメータスキ
ャナーやポリゴンミラー等がよく用いられている。
【0010】図13は、ガルバノメータスキャナーを使
用した走査機構の一例を示す図である。この走査機構1
00は、互いに直交する軸回りに配置されたモータ10
4,105と、モータ104,105で回転駆動される
反射鏡102,103と、反射鏡102,103で反射
されたレーザビームを所定径に収束する焦点距離補正光
学系107等とを備えている。
【0011】レーザ光120は、モータ104,105
によって回転駆動される反射鏡102,103で反射さ
れ、f−θレンズなどを用いた焦点距離補正光学系10
7によって、所定径のレーザビーム110に収束された
うえで、照射対象物115に照射される。
【0012】しかし、この走査機構100は、反射鏡1
02,103によるビーム走査方式を採用しており、ビ
ームの振り角によって、反射鏡102,103の反射点
から結像させるべき位置までの距離が変わるので、フォ
ーカスエラーERが生じる。従って、この振り角による
フォーカスエラーERを補正するために、高価な焦点距
離補正光学系107が余分に必要であった。
【0013】また、焦点距離補正光学系107を用い
て、フォーカスエラーERを補正した場合であっても、
照射対象物115へ照射されるレーザビーム110のエ
ネルギーの利用効率が悪い、という問題があった。な
お、レーザプリンタ等は、セレンなどの感度のよい感光
ドラムに描画するので、エネルギーの利用効率は、あま
り問題としていない。しかし、この可逆性感熱記録媒体
は、感度をよくすると、高温の環境下(夏場に自動車内
に置き忘れた場合など)で、可視情報が消去されてしま
う恐れがある。このため、感度を悪くしてあるので、エ
ネルギーの利用効率の向上が望まれる。
【0014】一方、特開平7−125483号は、カー
ド基体内に非接触ICモジュールを内蔵し、カード基体
の表面に書き換え可能なリライト層(書換表示部)を設
けた書換表示部付き非接触ICカードを提案している。
【0015】この書換表示部付き非接触ICカードに使
用されるリーダライタの具体的な構造は、上記提案には
開示されておらず、書換表示部の書き換えを行う他に、
非接触ICモジュールとの交信を行わなければならない
ので、装置が大型化するという、問題があった。
【0016】本発明の目的は、書換表示部の書き換え
と、非接触ICモジュールとの交信を効率よく行え、し
かも、簡単な構造で小型・軽量かつ安価に製造すること
ができる書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
タを提供することである。
【0017】本発明の他の目的は、書換表示部の書き換
えを非接触で行えると共に、エネルギーの利用効率がよ
く、鮮明な画像を記録できる書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、可逆性感熱記録を行なう書換表
示部と、非接触で外部と交信を行なう非接触ICモジュ
ールとを備えた書換表示部付き非接触ICカードに使用
されるリーダライタにおいて、前記書換表示部に可視情
報を非接触で記録及び/又は消去する書換装置と、前記
非接触ICモジュールと非接触で交信を行うアンテナ部
と、を備えたことを特徴とする書換表示部付き非接触I
Cカードのリーダライタである。
【0019】請求項2の発明は、請求項1に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記書換表示部付き非接触ICカードを挿入するカード
挿入部を備え、前記書換装置と前記アンテナ部とは、前
記カード挿入部の対向する側に配置されていることを特
徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
タである。
【0020】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
タにおいて、前記カード挿入部に設けられ、前記書換表
示部付き非接触ICカードを位置決めする位置決め手段
を備えたことを特徴とする書換表示部付き非接触ICカ
ードのリーダライタである。
【0021】請求項4の発明は、請求項1に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記書換表示部付き非接触ICカードを載置するカード
載置部を備え、前記書換装置と前記アンテナ部とは、前
記カード載置部の片側に配置されていることを特徴とす
る書換表示部付き非接触ICカードのリーダライタであ
る。
【0022】請求項5の発明は、請求項4に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記カード載置部の表面を覆う蓋部材を備えたことを特
徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
タである。
【0023】請求項6の発明は、請求項1に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記書換表示部付き非接触ICカードを載置するカード
載置部と、前記カード載置部を覆う蓋部材とを備え、前
記アンテナ部は、前記蓋部材の内部に配置されているこ
とを特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリー
ダライタである。
【0024】請求項7の発明は、請求項5又は請求項6
に記載の書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
タにおいて、前記蓋部材の閉状態を検出する閉状態検出
手段を備え、前記書換装置は、前記閉状態検出手段が前
記蓋部材の閉状態を検出しているときに、書き換え可能
であることを特徴とする書換表示部付き非接触ICカー
ドのリーダライタである。
【0025】請求項8の発明は、請求項1に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記書換表示部は、熱エネルギーの作用により、可視情
報の記録及び/又は消去が可能な可逆性感熱記録層を備
え、前記書換装置は、レーザ光照射部からレーザ光を照
射するレーザ光照射手段と、前記レーザ光照射部から照
射されたレーザ光を、前記書換表示部の第1の方向にミ
ラーによって走査する走査手段と、前記レーザ光照射部
を前記書換表示部に対して、前記第1の方向と直交する
第2の方向に相対的に移動する移動手段と、を備えたこ
とを特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリー
ダライタである。
【0026】請求項9の発明は、請求項8に記載の書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、
前記ミラーは、長辺に平行な回転軸をもつ帯状であっ
て、その回転軸方向のサイズが、少なくとも前記書換表
示部の記録領域の長手方向のサイズであることを特徴と
する書換表示部付き非接触ICカードのリーダライタで
ある。
【0027】請求項10の発明は、請求項8又は請求項
9に記載の書換表示部付き非接触ICカードのリーダラ
イタにおいて、前記ミラーは、前記回転軸と直交する方
向のサイズが、前記レーザ光を受けることができる最小
幅であることを特徴とする書換表示部付き非接触ICカ
ードのリーダライタである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面などを参照しながら、
本発明の実施の形態をあげて、さらに詳しく説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明による書換表示部付き
非接触ICカードのリーダライタの第1実施形態を示す
図である。本実施形態の書換表示部付き非接触ICカー
ドのリーダライタ(以下、単に、リーダライタという)
1Aは、前述した可逆性感熱記録を行なう書換表示部
(以下、感熱記録層ということがある)62と、非接触
で外部と交信を行なう非接触ICモジュール63Aとを
備えた書換表示部付き非接触ICカード(以下、リライ
トカード又は単にカードという)60に使用されるもの
である。
【0029】リーダライタ1Aは、本体2の中に、書換
表示部62に可視情報を非接触で記録及び/又は消去す
る書換装置50と、非接触ICモジュール63と非接触
で交信を行うアンテナ部3とを備えており、本体2のカ
ード挿入部6にカード60を差し込む差込タイプであ
る。書換装置50とアンテナ部3とは、カード挿入部6
を挟んだ反対側(対向する側)に配置されている。ま
た、カード挿入部6には、カード60の書換表示部62
の書換位置に位置決めする板ばね状の止め具(位置決め
手段)4が設けられている。
【0030】このように、第1実施形態のリーダライタ
1Aは、カード60をカード挿入部6に挿入し、止め具
4で位置決め固定された状態で、アンテナ部4によっ
て、非接触ICモジュール63Aと非接触で交信を行な
うと共に、書換装置50によって、後述するように、非
接触で書換表示部62の可視情報を書き換えることがで
きる。このとき、カード60が停止した状態でよいの
で、カード60の搬送装置が必要なく、リーダライタ1
Aの構造が簡単で小型化が図れる。
【0031】また、カード挿入部にカード60を位置決
めした上で、書換装置60によって、カード60の表側
の書換表示部62に書き換えを行い、アンテナ部4によ
って、カード60の裏側に近接した位置から交信できる
ので、両動作が安定して行なえる、という利点がある。
【0032】図2は、第1実施形態によるリーダライタ
の書換装置50を示すブロック図である。図3、図4
は、図2の書換装置50の構造を示す正面図、平面図及
び側面図である。
【0033】この実施形態の記録消去装置50は、カー
ド60に設けられ、熱エネルギーの作用により、可視情
報の記録・消去が可能な感熱記録層(書換表示部)62
を書き換える装置であって、レーザ光照射手段10と、
走査装置20と、移動装置30と等とを備えている。
【0034】レーザ光照射装置10は、レーザ光を照射
する装置であり、レーザダイオード(LD)ドライバ1
1と,レーザダイオード(LD)12と,光ファイバ1
3と、レンズヘッド(レーザ光照射部)14等とを備え
ている。
【0035】走査装置20は、レンズヘッド14から照
射されたレーザ光を、リライトカード60のY軸方向
(第1の方向)に走査する装置であり、図2〜図4に示
すように、Y軸モータ21と、Y軸モータ21の出力軸
に固定されたY軸スキャニングミラー22と、レンズヘ
ッド14からのレーザ光を、折り返してY軸スキャニン
グミラー22に導く固定折返ミラー23(図4参照)等
とを備えている。
【0036】スキャニングミラー22は、矩形で細長い
帯状のミラーであり、その回転軸方向のサイズaが、リ
ライトカード60(図5参照)の感熱記録層62の有効
記録領域の長手方向のサイズa0 と同じサイズにしてあ
る。このサイズにすれば、リライトカード60に対し
て、回転軸方向には、レンズヘッド14を移動するだけ
でよく、スキャニングミラー22の移動が不要となるか
らである。
【0037】一方、回転軸と直交する方向のサイズb
が、レーザ光を受けることできる最小幅としてある。こ
のサイズにすれば、小型かつ軽量となり、小さなY軸モ
ータ21で駆動できるからである。また、感熱記録層6
2の有効記録領域の短手方向のサイズb0 は、狭い幅に
すれば、スキャニングミラー22の回転角θが小さくて
済むので、従来例のように、焦点距離補正光学系は不要
である。具体的には、感熱記録層62の有効記録領域が
0 ×b0 =60×12mmであり、スキャニングミラ
ー22の回転角θ=±11度の場合に、スキャニングミ
ラー22の有効サイズは、a×b=60×8mmとして
ある。
【0038】移動装置30は、レンズヘッド14をX軸
方向(第2の方向)に移動する装置であって、図3又は
図4に示すように、X軸モータ31と、X軸モータ31
の出力軸に設けられたプーリ32と、移動端側に設けら
れたフリーのプーリ33と、プーリ32,33にかけら
れたX軸移動用のタイミングベルト34と、レンズヘッ
ド14をタイミングベルト34に固定する固定具35等
とを備えている。
【0039】制御部51は、描画情報に基づいて、走査
装置20と移動装置30とを駆動しながら、レンズヘッ
ド14からレーザ光を選択的に照射する。なお、制御部
51には、可視情報を入力するキーボードなどの操作部
52や、その可視情報やその他の情報等を、目視により
確認するためのCRT等の表示部53も接続されてい
る。
【0040】図5は、第1実施形態に係るリーダライタ
の書換装置の描画動作を説明する図である。この書換装
置50は、ラスター制御によって、可視情報の描画を行
うことができる。この場合に、感熱記録層62におい
て、X軸モータ31を、X軸方向に駆動して、レンズヘ
ッド14を記録領域の1列目に移動させ、Y軸モータ2
1を駆動して、スキャニングミラー22をY軸方向にス
キャニングし、描画情報に基づく描画すべき位置で、L
D12をオンする。この位置を、○印で示している。そ
して、1列目の描画が終わった後に、Y軸モータ31を
駆動して、レンズヘッド14をY軸方向に移動し、次の
列の描画を、前述と同様にして行い、所望の文字を描画
する。移動装置30は、記録領域に複数行の文字列を描
く場合であっても、レンズヘッド14を記録領域の長手
方向に1回移動するだけで、記録を行なうことができ
る。この移動装置30は、複数回往復させると、バック
ラッシュなどにより、位置精度が悪くなり、簡単な構造
では実現できなくなるからである。
【0041】次に、消去動作について説明する。消去に
必要なエネルギーは、LD12の出力が波長800nm
であって、0.7wのものの場合には、記録のときの約
70%である。例えば、直径約100μm程度の光スポ
ットS1によって軌跡を描いて、文字を記録したとき
に、レンズヘッド14の光学系の焦点を移動して、記録
時の光スポットS1よりも、広い光スポットS2によ
り、同一の軌跡を描いて、その文字を消去することがで
きる。光スポットS2は、光スポットS1よりもエネル
ギーが70%となるような大きさに設定しておけば、出
力の制御をする必要がない。また、消去時のスポットS
2が、記録時の光スポットS1よりも広いので、位置ず
れを起こしたとしても、確実に消去することができる。
【0042】この書換装置50は、以下のような利点が
ある。 (1) 従来の接触式サーマルヘッドによる構造との比
較 (a) 本実施形態は、リライトカード60の感熱記録
層62にレーザ光を照射する非接触方式であるので、記
録・消去を繰返しても、感熱記録層62にストレスがか
からず、記録・消去の耐久性が桁違いに向上する。
【0043】(b) 本実施形態は、手油によるリライ
トカード60の汚れ、リライトカード60の平滑性不良
(エンボスによって生じるカールなど)があっても、印
字不良が生じないので、メンテナンスが非常に楽であ
る。これに対して、サーマルヘッド方式は、カード面に
手油があったり、感熱記録層62の記録面とサーマルヘ
ッドとの密着性が悪いと、印字品質が著しく低下してし
まう。
【0044】(c) サーマルヘッド方式では、感熱記
録層62の記録面の手油や塵がサーマルヘッドに付着す
るので、メンテナンスが必要だったり、塵などにより、
ヘッド面に傷が付くなどの問題があり、ヘッド本来の寿
命前に交換することが多かったが、本実施形態のレーザ
ー方式は、上記のようなことがなく、メンテナンスが楽
である。
【0045】(d) 本実施形態は、非接触であるの
で、リライトカード60にエンボス64の領域があって
も、対応が可能である。 (e) 本実施形態は、リライトカード60の端部まで
印字が可能である。サーマルヘッド方式では、サーマル
ヘッドを上下動させて、感熱記録層62の記録面にサー
マルヘッドをセットするので、カード端部は、デッドス
ペースとなり、記録することができない。
【0046】(2) 本実施形態は、矩形で細長い帯状
のスキャニングミラー22をただ一枚用いて、記録面の
短手方向(Y軸方向)にスキャンさせるので、フォーカ
ス誤差も少なく、補正の必要がない。つまり、Fθレン
ズが不要であるので、構造が簡単となり、小型・軽量で
かつ安価に製造することができる。
【0047】(3) 本実施形態は、光ファイバ13の
レンズヘッド14を、スキャニングミラー22の長手方
向(X軸)に沿って、一定方向へ順次移動させるだけで
あるので、絶対的な位置精度は要求されない。従って、
ベルトドライブ程度の簡単な移動装置30で足りるの
で、構造が簡単となり、小型・軽量でかつ安価に製造す
ることができる。
【0048】図6(A),(B)は、それぞれ第1実施
形態に係るリーダライタの変形形態を示す側面図,平面
図である。図6(A)の側面図に示したリーダライタ1
A−1は、カード挿入部6に上下方向(矢印A)にカー
ド60を挿入するようにし、位置決め手段として、ガイ
ドローラ4−1を設けたものである。また、図6(B)
の平面図に示したリーダライタ1A−2は、カード挿入
部6に左右方向(矢印B)にカード60を挿入するよう
にし、位置決め手段として、ガイドローラ4−2を設け
たものである。これらの場合には、ガイドローラ4−
1,4−2等で案内しなから、位置決めするので、滑ら
かに書込位置まで移動することができると共に、その位
置で確実に固定することができる。また、使用形態にあ
わせて、カード60の挿入方向を選択することができ
る。
【0049】(第2実施形態)図7は、本発明による書
換表示部付き非接触ICカードのリーダライタの第2実
施形態を示す図である。なお、以下に示す各実施形態で
は、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分に
は、末尾に共通した符号を付して、重複する説明を適宜
省略する。第2実施形態のリーダライタ2Bは、本体2
の上面に透明なガラス面からなるカード60を載置する
カード載置部7を備えた上置きタイプのものであり、書
換装置50とアンテナ部2とは、本体2の内部で、カー
ド載置部7の内側に配置されている。図7の場合には、
アンテナ部3は、書換装置50よりも、カード載置部7
側に配置されており、交信距離を接近させることがで
き、交信速度を上げることができる。また、カード60
は、カード載置部7の2つのコーナに設けられた位置決
め部材4Bによって、位置決めすることができる。
【0050】図8〜図10は、第2実施形態による書換
表示部付き非接触ICカードのリーダライタの変形形態
を示す図である。図8のリーダライタ1B−2では、書
換装置50は、アンテナ部3よりも、カード載置部7側
に配置されており、書換表示部62の書き換えが近接し
て行えるので、低出力で鮮明な画像を描画することがで
きる。図9のリーダライタ1B−3では、アンテナ部3
は、本体2の側面に縦方向に配置されており、本体2内
の配置に自由度を持たせることができる。図10のリー
ダライタ1B−4では、アンテナ部3は、本体2内に斜
め方向に配置されており、コイルの長さを長くとること
ができ、低出力で交信することが可能となる。
【0051】(第3実施形態)図11は、本発明による
書換表示部付き非接触ICカードのリーダライタの第3
実施形態を示す図である。図11(A)のリーダライタ
1C−1は、本体2にヒンジ部8aで開閉自在に取り付
けられ、カード載置部7の表面を覆う蓋部材8を備えも
のである。また、蓋部材8の閉状態を検出するリミット
スイッチ(閉状態検出手段)9を備えており、書換装置
50は、リミットスイッチ9が蓋部材8の閉状態を検出
しているときに、書換動作を行うようにして、レーザ光
線の飛散を防止することができる。
【0052】図11(B)のリーダライタ1C−2で
は、カード60を載置するカード載置部7と、カード載
置部7を覆う蓋部材8を備える点は、図11(A)のも
のと同じであるが、アンテナ部2が蓋部材8の内部に配
置されている点で相違する。この例は、上置きタイプで
ありながら、カード60の下側に書換装置50を配置
し、上側にコイル部3を配置できるので、図1の挿入タ
イプと同じ配置となり、書換表示部62の書き換えと、
非接触ICモジュール63の交信が効率よく行える。
【0053】以上説明した実施形態に限定されることな
く、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明
の均等の範囲内である。 (1) 移動装置20は、光ファイバ13をタイミング
ベルト34でX軸方向に移動させる例で説明したが、ネ
ジ方式で移動させるようにしてもよい。例えば、雌ねじ
部に光ファイバ13を固定し、雄ねじ部をモータで回転
させて、光ファイバ13をX軸方向に移動させるように
すればよい。
【0054】(2) 図5の場合には、記録領域の幅方
向に1文字描いた例で説明したが、幅方向に複数行の文
字列があってもよい。 (3) カードの例で説明したが、平面形状や厚みの異
なるタグのようなものでもよい。 (4) スキャニングミラー22の長手方向のサイズを
小さくして軽量化にし、移動装置20によって、走査装
置30全体を移動させてもよい。また、Y軸モータ21
は固定であって、その出力軸の断面を矩形にしておき、
ミラーを出力軸に対して角孔でスライド可能に嵌合させ
るようにしてもよい。
【0055】(5) スキャニングミラー22は、その
長辺のサイズを、JISやISOの規格で定められたカ
ードの長辺(85.6mm)がカバーできるサイズにし
ておけば、あらゆるサイズの記録領域をもつカードに対
応することができる。また、カード基材は、上記のよう
な規格化されたサイズのものに限らず、平面形状が正方
形や円形のタグであってもよいし、形態機器に挿入する
小型のカードであってもよい。
【0056】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、アンテナ部によって、非接触ICモジュールと非
接触で交信を行なうと共に、書換装置によって、非接触
で書換表示部の可視情報を書き換えることができる。こ
のとき、カードが停止した状態でよいので、カードの搬
送装置が必要なく、リーダライタの構造が簡単で小型化
が図れる。このとき、カードは、カード挿入部に挿入
し、位置決め手段で位置決め固定するので、書換や交信
の動作が確実に行なえる。また、書換装置とアンテナ部
がカード挿入部の対向する側にある場合には、書換装置
によって、カードの表側の書換表示部に書き換えを行
い、アンテナ部によって、カードの裏側に近接した位置
から交信できるので、両動作が安定して行なえる。
【0057】また、本発明の書換装置を用いれば、安価
で簡単な構成により、書換表示部(可逆性感熱記録層)
へ非接触で可視情報の書き換え(記録,消去)を行うこ
とができる。そして、この書換装置によって、高速かつ
高精度で、しかも、エネルギーの利用効率がよい省電力
型のリーダライタを、簡単な構造により、小型・軽量で
かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による書換表示部付き非接触ICカード
のリーダライタの第1実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタを示すブロック図である。
【図3】第1実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタの書換装置を示す正面図及び平面
図である。
【図4】第1実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタの書換装置を示す側面図である。
【図5】第1実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタの書換装置の描画動作を説明する
図である。
【図6】第1実施形態に係るリーダライタの変形形態を
示す図である。
【図7】本発明による書換表示部付き非接触ICカード
のリーダライタの第2実施形態を示す図である。
【図8】第2実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタの変形形態を示す図である。
【図9】第2実施形態による書換表示部付き非接触IC
カードのリーダライタの変形形態を示す図である。
【図10】第2実施形態による書換表示部付き非接触I
Cカードのリーダライタの変形形態を示す図である。
【図11】本発明による書換表示部付き非接触ICカー
ドのリーダライタの第3実施形態を示す図である。
【図12】可逆性感熱記録媒体の一般的構成を説明する
図である。
【図13】ガルバノメータスキャナーを使用した走査機
構の一例を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C リーダライタ 2 本体 3 アンテナ部 4 止め具 6 カード挿入部 7 カード載置部 8 蓋部材 9 リミットスイッチ 50 記録消去装置 10 レーザ光照射装置 11 LDドライバ 12 半導体レーザ 13 光ファイバ 14 レンズヘッド 20 走査装置 21 Y軸モータ 22 スキャニングミラー 23 固定折返ミラー 30 移動装置 31 X軸モータ 32,33 プーリ 34 タイミングベルト 35 固定具 51 制御部 52 操作部 53 表示部 60 リライトカード 62 書換表示部(可逆性感熱記録層) 63 ICモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 杉山 茂樹 埼玉県日高市下高萩新田17−2 シグマ光 機株式会社内 Fターム(参考) 2C005 MA11 MA16 MA23 PA21 QB03 SA03 TA02 TA07 TA22 5B058 CA17 KA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆性感熱記録を行なう書換表示部と、
    非接触で外部と交信を行なう非接触ICモジュールとを
    備えた書換表示部付き非接触ICカードに使用されるリ
    ーダライタにおいて、 前記書換表示部に可視情報を非接触で記録及び/又は消
    去する書換装置と、 前記非接触ICモジュールと非接触で交信を行うアンテ
    ナ部と、を備えたことを特徴とする書換表示部付き非接
    触ICカードのリーダライタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記書換表示部付き非接触ICカードを挿入するカード
    挿入部を備え、 前記書換装置と前記アンテナ部とは、前記カード挿入部
    の対向する側に配置されていることを特徴とする書換表
    示部付き非接触ICカードのリーダライタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の書換表示
    部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、 前記カード挿入部に設けられ、前記書換表示部付き非接
    触ICカードを位置決めする位置決め手段を備えたこと
    を特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダ
    ライタ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記書換表示部付き非接触ICカードを載置するカード
    載置部を備え、 前記書換装置と前記アンテナ部とは、前記カード載置部
    の片側に配置されていることを特徴とする書換表示部付
    き非接触ICカードのリーダライタ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記カード載置部の表面を覆う蓋部材を備えたことを特
    徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダライ
    タ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記書換表示部付き非接触ICカードを載置するカード
    載置部と、 前記カード載置部を覆う蓋部材とを備え、 前記アンテナ部は、前記蓋部材の内部に配置されている
    ことを特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリ
    ーダライタ。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の書換表示
    部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、 前記蓋部材の閉状態を検出する閉状態検出手段を備え、 前記書換装置は、前記閉状態検出手段が前記蓋部材の閉
    状態を検出しているときに、書き換え可能であることを
    特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダラ
    イタ。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記書換表示部は、熱エネルギーの作用により、可視情
    報の記録及び/又は消去が可能な可逆性感熱記録層を備
    え、 前記書換装置は、 レーザ光照射部からレーザ光を照射するレーザ光照射手
    段と、 前記レーザ光照射部から照射されたレーザ光を、前記書
    換表示部の第1の方向にミラーによって走査する走査手
    段と、 前記レーザ光照射部を前記書換表示部に対して、前記第
    1の方向と直交する第2の方向に相対的に移動する移動
    手段と、を備えたことを特徴とする書換表示部付き非接
    触ICカードのリーダライタ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の書換表示部付き非接触
    ICカードのリーダライタにおいて、 前記ミラーは、長辺に平行な回転軸をもつ帯状であっ
    て、その回転軸方向のサイズが、少なくとも前記書換表
    示部の記録領域の長手方向のサイズであることを特徴と
    する書換表示部付き非接触ICカードのリーダライタ。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の書換表
    示部付き非接触ICカードのリーダライタにおいて、 前記ミラーは、前記回転軸と直交する方向のサイズが、
    前記レーザ光を受けることができる最小幅であることを
    特徴とする書換表示部付き非接触ICカードのリーダラ
    イタ。
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