JP6745072B2 - レーザマーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザマーカ装置に関する。
近年、IDカードやパスポート等の樹脂製のカード媒体に対して、偽造防止の観点から、レーザ光を照射して文字や画像等を描画(エングレービング)することが、海外で増えつつある。日本国内においても、マイナンバーカードにレーザエングレービングが導入されており、今後は拡大が予想される。
レーザエングレービングを行うレーザマーカ装置としては、例えば、レーザ光の光源にファイバレーザを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。ファイバレーザは、光ファイバを増幅媒質として利用するため、YAGレーザ等の固体レーザに比べると、高品質かつ安定した出力を効率的に得ることができ、比較的小型の装置におけるレーザ光源として用いられることが多い。
特開2007−181873号公報
上述のとおり、レーザマーカ装置については、カード媒体への描画用として広く普及することが予想されるが、そのためには装置の低価格化が必要不可欠である。つまり、レーザマーカ装置は、光学部品や半導体LD等を多数使用することから非常に高価な装置であることが一般的であるが、カード媒体への描画用として低価格化することが強く求められている。その一方で、そのためにカード媒体への描画品質が劣化してしまうことは好ましくない。
そこで、本発明は、構成の簡素化を通じて装置の低価格化を容易に実現することができ、しかもその場合であってもカード媒体への描画品質の劣化を抑制することができるレーザマーカ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
光ファイバを増幅媒質として利用してパルス状のレーザ光を出射するレーザ出射部と、
前記レーザ出射部から出射された前記レーザ光を樹脂製のカード媒体に向けて照射して前記カード媒体を走査するレーザ照射部と、
前記レーザ出射部および前記レーザ照射部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記レーザ出射部は、励起光を増幅する一次増幅部を有し、前記一次増幅部による増幅光を二次増幅部による増幅を経ることなくそのまま前記レーザ光として出射するように構成されており、
前記制御部は、前記レーザ光のパルスおよび照射位置を制御することで、前記カード媒体の表面にドットを所定解像度で配列するとともに、前記ドットとは別に補完ドットを配置するように構成されている
ことを特徴とするレーザマーカ装置が提供される。
本発明によれば、レーザ光を利用して樹脂製のカード媒体への描画を行うレーザマーカ装置において、構成の簡素化を通じて装置の低価格化を容易に実現することができ、しかもその場合であってもカード媒体への描画品質の劣化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザマーカ装置の概略構成例を模式的に示す説明図である。 従来の一般的なファイバレーザの構成例を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るレーザマーカ装置におけるレーザ出射部の構成例を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るレーザマーカ装置の制御部による動作制御の具体的な態様を例示する説明図(その1)である。 本発明の一実施形態に係るレーザマーカ装置の制御部による動作制御の具体的な態様を例示する説明図(その2)である。 本発明の他の実施形態に係るレーザマーカ装置の制御部による動作制御の具体的な態様を例示する説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係るレーザマーカ装置について、図面を参照しながら説明する。
(1)レーザマーカ装置の全体構成
先ず、本実施形態に係るレーザマーカ装置の全体構成について説明する。
図1は本実施形態に係るレーザマーカ装置の概略構成例を模式的に示す説明図である。
本実施形態に係るレーザマーカ装置1は、処理対象物となるカード媒体2にレーザ光を照射して表面を走査することによって、そのカード媒体2の表面に所望の文字や画像等を描画するように構成されたものである。
レーザ光が照射されるカード媒体2は、樹脂製のものである。さらに詳しくは、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)等の樹脂材料が規格サイズのカード状に成形されてなるものである。このようなカード媒体2は、例えば、IDカード、パスポート、マイナンバーカード等として用いられる。ただし、カード媒体2は、必ずしもこれらの例に限られることはなく、他の用途に用いられるものであっても構わない。
カード媒体2の表面への描画は、描画(マーキング)に必要な最低限エネルギー(例えば、0.1mJ程度)以上のエネルギーのレーザ光の照射に応じて、その照射箇所が発色することで行われる。ただし、適切な描画(マーキング)が行える上限エネルギー(例えば、0.2mJ程度)を超えるエネルギーのレーザ光を照射すると、その照射箇所に焼けが生じてしまうおそれがある。したがって、カード媒体2への描画は、最低限エネルギー以上で、かつ、上限エネルギーを超えないエネルギーを有したレーザ光を用いて行うことが好ましい。
このようなカード媒体2への描画を行うために、本実施形態に係るレーザマーカ装置1は、以下に述べるように構成されている。すなわち、レーザマーカ装置1は、大別すると、レーザ出射部10と、レーザ照射部20と、制御部30と、を備えて構成されている。以下、レーザマーカ装置1を構成する各部10,20,30について、順に説明する。
(2)レーザ出射部の詳細構成
レーザ出射部10は、カード媒体2への描画(マーキング)に必要なレーザ光を出射するレーザ光源として機能するもので、光ファイバを増幅媒質として利用してパルス状のレーザ光を出射するように構成されている。つまり、レーザ出射部10は、ファイバレーザを用いて構成されたものである。ファイバレーザを用いることで、レーザ出射部10は、YAGレーザ等の固体レーザに比べると、高品質かつ安定した出力を効率的に得ることができる。
ここで、本実施形態におけるレーザ出射部10の説明に先立ち、従来における一般的な構成のファイバレーザについて簡単に説明する。従来のファイバレーザとしては、励起した種レーザの光の増幅を2段階に分けて行うように構成されたものが一般的である。すなわち、特許文献1の記載からも明らかなように(例えば、段落「0025」、「図2」等参照)、前段の第1増幅系と、その後段の第2増幅系とで、励起光を増幅するようになっている。
さらに具体的には、ファイバレーザとして、例えば図2に示すように構成されたものが知られている。
図2(a)は、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)型ファイバレーザの構成例であり、シードLD(Laser Diode)111およびパルスジェネレータ112からなるレーザ励起部110と、励起LD121、アイソレータ122、カプラ123および希土類ドープファイバ124からなる一次増幅部120と、励起LD131、アイソレータ132、バンドパスフィルタ133、ポンプコンバイナ134および希土類ドープファイバ135からなる二次増幅部130と、伝送ファイバ140と、コリメータ150と、を備えてファイバレーザが構成されている。
図2(b)は、パルスファイバレーザの構成例であり、励起LD211およびコンパイラ212からなるレーザ励起部210と、高反射率FBG(Fiber Bragg Grating)221、Ybファイバ222、音響光学スイッチ(AO−Qスイッチ)223、低反射率FBG224およびアイソレータ225からなる一次増幅部220と、ファイバ増幅器からなる二次増幅部230と、伝送ファイバ240と、アイソレータコリメータ250と、を備えてファイバレーザが構成されている。
つまり、図2(b)および(b)のいずれの構成例においても、ファイバレーザは、レーザ励起部110,210、一次増幅部120,220および二次増幅部130,230を備えて構成されている。このように、励起光の増幅を2段階に分けて行うのは、1段階のみでは達成できないエネルギーのレーザ光を得るためである。
ところで、本実施形態のレーザマーカ装置1は、上述したように、カード媒体2への描画を行うためのものである。つまり、金属レーザ加工等は想定しておらず、レーザ光の照射対象が樹脂製のカード媒体2に限定される。したがって、本実施形態のレーザマーカ装置1では、必ずしも大きなエネルギーのレーザ光を必要とせずに、金属レーザ加工等を想定した場合に比べると、出射するレーザ光のエネルギーを絞ることが可能である。
レーザ光のエネルギーを絞ることが可能であれば、ファイバレーザの構成を見直して、その構成部品、特に励起光を増幅するための部品を削減することが可能となる。つまり、レーザ出射部10については、カード媒体2への描画に適したレーザ光を得るようにすることで、構成の簡素化および低価格化を実現し得るようになる。
ただし、例えば、励起LDによる励起光をそのままレーザ光として出力することは、必ずしも好適ではない。カード媒体2への描画には最低限エネルギー以上のレーザ光を必要とするところ、励起光のままでは最低限エネルギーに満たないおそれが生じ得るからである。
以上のことを踏まえ、本実施形態においては、レーザ出射部10が以下に述べるように構成されている。図3は本実施形態におけるレーザ出射部の構成例を模式的に示す説明図である。
本実施形態におけるレーザ出射部10は、励起光を発するレーザ励起部11と、その励起光を増幅する一次増幅部12と、を有している。そして、一次増幅部12による増幅光を、従来の一般的な構成のファイバレーザのような二次増幅部130,230による増幅を経ることなく、そのままカード媒体2に照射するレーザ光として出射するように構成されている。
レーザ励起部11は、励起LD11aを有している。励起LD11aは、例えば、波長915nmの種レーザ光を励起光として出力する半導体LDからなるものである。なお、レーザ励起部11は、種LDが複数の場合には、例えば、波長分割多重方式(Wavelength Division Multiplexing:WDM)と呼ばれる信号伝送を行うコンパイラを有して構成されていてもよい。
一次増幅部12は、高反射率FBG12a、Ybファイバ12b、AO−Qスイッチ12cおよび低反射率FBG12dを有している。高反射率FBG12aは、レーザ励起部11からの励起光を透過する一方で、反対側から来た光を全反射する回析格子である。Ybファイバ12bは、励起光の増幅媒質となるもので、例えば、Ybの場合であれば、波長915nm励起で発振波長が1030〜1070nmにて発振するようになっている。AO−Qスイッチ12cは、音響光学スイッチとして、一定の周波数のパルスを形成するものである。低反射率FBG12dは、高反射率FBG12aとの間で励起光を増幅するためのものである。このような構成により、一次増幅部12は、カード媒体2への描画(マーキング)に必要な最低限エネルギーが得られる程度に、レーザ励起部11からの励起光を増幅することになる。なお、一時増幅部12は、低反射率FBG12dの後段に戻り光を遮断するためのアイソレータを有していてもよいが、レーザエネルギーが小さければアイソレータを省いた構成とすることが可能である。
また、レーザ出射部10は、レーザ励起部11および一次増幅部12に加えて、拡大光学系レンズ13およびコリメータ14を有している。拡大光学系レンズ13は、アイソレータ12eから出てくるレーザ光の大きさを拡大する光学部品である。コリメータ14は、拡大光学系レンズ13によって拡大されたレーザ光を平行光にする光学部品である。
このような構成により、本実施形態におけるレーザ出射部10は、レーザ励起部11からの励起光を一次増幅部12で増幅した上で、二次増幅部130,230による増幅を経ることなく、コリメータ14から平行光となったパルス状のレーザ光を出射する。したがって、励起LDによる励起光をそのままレーザ光として出力する場合とは異なり、励起光に対する一次増幅部12での増幅を経ているため、少なくとも例えば0.1mJ程度のエネルギーのレーザ光、すなわちカード媒体2への描画に必要な最低限エネルギー以上のエネルギーのレーザ光を出射することができる。
つまり、レーザ出射部10は、出射するレーザ光を樹脂製のカード媒体2への描画に適したエネルギーのものに特化することで、従来の一般的なファイバレーザにおける二次増幅部130,230の排除を可能とし、これにより構成の簡素化を実現している。構成の簡素化が可能であれば、これに伴い、レーザ出射部10の小型化および低価格化についても容易に実現することができる。
また、レーザ出射部10は、二次増幅部130,230のみならず、伝送ファイバ140,240についても排除することが可能である。伝送ファイバ140,240を排除すれば、レーザ光を出射するコリメータ14は、レーザ励起部11や一次増幅部12等の構成部品と同一筐体に組み込まれて一体化される。このことによっても、レーザ出射部10は、小型化および低価格化を実現する上で有効なものとなる。
(3)レーザ照射部の詳細構成
レーザ照射部20は、レーザ出射部10から出射されたレーザ光を、樹脂製のカード媒体2に向けて照射し、そのカード媒体2の表面を走査するように構成されている。つまり、レーザ照射部20は、レーザ光の照射によってカード媒体2の表面を走査することで、そのカード媒体2の表面へのレーザ光による描画(マーキング)を行うものである。
そのために、本実施形態におけるレーザ照射部20は、図1に示すように、ガルバノユニット21と、F−θレンズ22と、照射対象となるカード媒体2がセットされるステージ(ただし不図示)と、を有している。
ガルバノユニット21は、レーザ光をカード媒体2の表面のX方向(主走査方向)に走査させるための第一ミラーと、レーザ光をカード媒体2の表面のY方向(副主走査方向)に走査させるための第二ミラーと、これら第一ミラーおよび第二ミラーをそれぞれ動作させる二つの駆動モータと、各駆動モータを駆動するためのドライバと、を有して構成されたものである。
F−θレンズ22は、ガルバノユニット21からのレーザ光のTanθを補正して、照射対象となるカード媒体2の表面に集光させるものである。
このような構成により、レーザ照射部20は、カード媒体2の表面上の二次元領域をレーザ光で走査して、その表面上に所望の文字や画像等を結像させることができる。なお、ここでは、レーザ光の走査を二軸式のガルバノユニット21を利用して行う場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されることはなく、他の公知技術(例えば、ポリゴンミラーと移動ステージを組み合わせたもの)を利用したものであっても構わない。
(4)制御部の詳細構成
制御部30は、レーザ出射部10およびレーザ照射部20の動作を制御するものである。具体的には、制御部30は、レーザ出射部10によるレーザ光の出射タイミング、レーザ照射部20における各駆動モータの動作等について、それぞれに動作指示を与えてコントロールするようになっている。
そのために、制御部30は、CPU(central processing unit)やメモリ等といったコンピュータ装置としてのハードウエア資源を有して構成されている。そして、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより、そのプログラム(ソフトウエア)とハードウエア資源とが協働して、レーザ出射部10およびレーザ照射部20の動作を制御するようになっている。
なお、制御部30による動作制御の具体的な態様については後述する。
(5)レーザマーカ装置における処理動作例
次に、上述した構成のレーザマーカ装置1における処理動作例について説明する。
レーザマーカ装置1を利用する場合には、カード媒体2に描画すべき所望の文字や画像等についての画像データを、制御部30で読み出し可能なように設定しておく。さらには、レーザ光の照射対象となるカード媒体2を、レーザ照射部20におけるステージにセットしておく。
そして、レーザマーカ装置1が動作を開始すると、制御部30は、レーザ出射部10およびレーザ照射部20に対して動作指示を与える。この動作指示に応じて、レーザ出射部10は、レーザ光を出射する。また、レーザ照射部20は、レーザ出射部10からのレーザ光を、セットされたカード媒体2に向けて照射する。
このとき、レーザ出射部10は、レーザ励起部11からの励起光を一次増幅部12で増幅してレーザ光として出射する。そのため、励起光をそのまま出力する場合とは異なり、カード媒体2への描画を行うことが可能となる最低限エネルギー以上のエネルギー、具体的には例えば0.1mJ程度以上のエネルギーのレーザ光を出射することができる。
しかしながら、カード媒体2への描画を行う際に照射するレーザ光については、上限エネルギー(例えば、0.2mJ程度)を超えない範囲において、大きなエネルギーを確保し得るほうが良好な描画画質を得る上では好ましい。レーザ光のエネルギーによって描画画像の濃度が変わるため、エネルギーに余裕があれば描画画像の濃淡(濃度諧調)を細かく表現できるからである。換言すると、レーザ出射部10が出射するエネルギーのレーザ光では、必ずしも描画画像の濃淡を細かく表現できるとは限らない。
その一方で、大きなエネルギーのレーザ光を得るために、例えば、レーザ出射部10に二次増幅部を設けて励起光の増幅を2段階に分けて行うと、上述したようなレーザ出射部10の小型化および低価格化の実現が困難になってしまう。
そこで、本実施形態のレーザマーカ装置1では、レーザ出射部10が出射するレーザ光のエネルギーであっても良好な描画画質を得るために、制御部30がレーザ出射部10およびレーザ照射部20に対して、以下に述べるような動作制御を行う。より詳しくは、制御部30は、レーザ出射部10およびレーザ照射部20に対する動作制御を通じて、後述するようにレーザ光のパルスおよび照射位置を制御する。
以下、制御部30による動作制御の具体的な態様について詳しく説明する。
図4および図5は、本実施形態に係るレーザマーカ装置の制御部による動作制御の具体的な態様を例示する説明図である。
制御部30による動作制御の態様としては、図4(a)および図5(a)に例示するシングルパルス制御と、図4(b)〜(d)および図5(b)〜(d)に例示するマルチパルス制御とがある。シングルパルス制御は、カード媒体2への画像描画の際に、制御部30が原則的に行う基準動作となる制御処理である。また、マルチパルス制御は、カード媒体2に描画すべき画像に応じて、制御部30が良好な描画画質を得るために行う制御処理である。
シングルパルス制御の場合、図4(a)に示すように、制御部30は、所定パルス幅Wのレーザ光を所定周期Pで出射するように、レーザ出射部10に対して動作指示を与える(図中における「LD」参照)。さらに、制御部30は、一つのパルスによる出射タイミングの後、次のパルスによる出射タイミングの前に、レーザ光の照射位置を移動させるように、レーザ照射部20にガルバノユニット21の動作指示を与える(図中における「Galv」参照)。
これにより、カード媒体2の表面には、レーザ光の照射位置に描画画像を構成するドット2aが形成されるとともに、そのドット2aが所定解像度で配列されることになる。すなわち、カード媒体2の表面には、複数のドット2aが、主走査方向に所定ピッチ(Δx)で並ぶとともに、副走査方向に所定ピッチ(Δy)で並ぶように、マトリクス状に配列される。
各ドット2aの解像度は、高解像度であれば高画質化が図れるが、高解像度であるほど描画処理の負荷増大を招く。そのため、各ドット2aの解像度は、高画質化と処理負荷抑制とのバランスを考慮し、人間の眼の解像限界に対応して設定されているものとする。具体的には、大凡50μmピッチが人間の眼の解像限界と考えられ、それ以上高解像度であっても人間の眼には識別できなくなることから、例えば、Δx=Δy=42μm程度のピッチとなるように、各ドット2aについての所定解像度を600dpiに設定することが考えられる。
所定解像度でドット2aを配列すると、カード媒体2の表面には、例えば、図5(a)に示すような濃度分布の描画画像が得られる。
このようなシングルパルス制御で得られる描画画像よりも濃度諧調表現の自由度を確保して良好な描画画質を実現しようとする場合に、制御部30は、マルチパルス制御を行う。
マルチパルス制御の場合、図4(b)〜(d)に示すように、制御部30は、シングルパルス制御の場合と同様に所定解像度で配列するドット2aに加えて、そのドット2aとは別に補完ドット2bを配置するように、レーザ光のパルスおよび照射位置を制御する。
例えば、図4(b)に示すように、1周期あたりのパルス数nをn=2とするマルチパルス制御の場合であれば、制御部30は、一つの周期Pの間に二つのパルスのレーザ光を出射するように、レーザ出射部10に対して動作指示を与える(図中における「LD」参照)。さらに、制御部30は、上述したシングルパルス制御の場合と同様に、レーザ照射部20にガルバノユニット21の動作指示を与える(図中における「Galv」参照)。
これにより、カード媒体2の表面には、同一周期内で出射される一つ目のパルスのレーザ光に応じて、上述したシングルパルス制御の場合と同様にドット2aが主走査方向に所定ピッチ(Δx)で配列されるとともに、同一周期内で出射される二つ目のパルスのレーザ光に応じて、各ドット2aの間に当該ドット2aとは別の補完ドット2bが配置されることになる。
補完ドット2bは、シングルパルス制御で得られるドット2aによる濃度諧調表現を補完するためのものであり、ドット2aの場合のような厳密な描画位置精度を必ずしも必要としない。したがって、補完ドット2bについては、ドット2aの場合とは異なり、レーザ照射部20にガルバノユニット21を動作させた状態のまま(図中における「Galv」参照)、レーザ出射部10が二つ目のパルスのレーザ光を出射することで図中における「LD」参照)、カード媒体2の表面に形成されたものであってもよい。
このように、1周期あたりのパルス数nをn=2とし、それぞれのパルスのレーザ光に応じてドット2aおよび補完ドット2bを配列すると、カード媒体2の表面には、例えば、図5(b)に示すような濃度分布の描画画像が得られることになる。かかる描画画像は、シングルパルス制御で得られる描画画像に比べると、面積当たりのドット数が増えるため、面積諧調法による諧調表現が可能である。したがって、シングルパルス制御で得られる描画画像よりも濃度諧調表現の自由度を確保して良好な描画画質を実現することができる。
なお、マルチパルス制御で得られる描画画像は、所定解像度で配列された各ドット2aの間に、各ドット2aとは別の補完ドット2bが配置されたものである。そして、補完ドット2bは、レーザ光が照射されてカード媒体2が走査される過程において、1周期あたりのパルス数をマルチ化することによって形成されるものである。したがって、マルチパルス制御で得られる描画画像において、補完ドット2bは、各ドット2aが配列される主走査方向に沿って当該各ドット2aの間に配置され、副走査方向における各ドット2aの間には配置されない。この点で、単に解像度を変更した場合(例えば、600dpi→1200dpiとした場合)における描画画像のドット構成とは相違する。このように、補完ドット2bがドット2aの主走査方向に沿って配置されていれば、二次元走査領域のライン数増加を招くことがないので、濃度諧調表現の自由度を確保しようとしても、そのために描画処理に要する時間が増大してしまうのを抑制することができる。
また、例えば、図4(c)に示すように、1周期あたりのパルス数nをn=3とするマルチパルス制御の場合であれば、制御部30は、一つの周期Pの間に二つのパルスのレーザ光を出射するように、レーザ出射部10に対して動作指示を与える(図中における「LD」参照)。その他については、上述したパルス数nをn=2とする場合と同様である。
これにより、カード媒体2の表面には、所定解像度で各ドット2aが配列されるとともに、各ドット2aが配列される主走査方向に沿って、各ドット2aの間に二つの補完ドット2bが配置されることになる。
このように、1周期あたりのパルス数nをn=3とし、それぞれのパルスのレーザ光に応じてドット2aおよび補完ドット2bを配列すると、カード媒体2の表面には、例えば、図5(c)に示すような濃度分布の描画画像が得られることになる。かかる描画画像によれば、より一層濃度諧調表現の自由度を確保して良好な描画画質を実現することができる。
なお、ここでは、パルス数nをn=2とする場合またはn=3とする場合について説明したが、マルチパルス制御におけるパルス数は、予め設定されているものであれば、例えば、図4(d)に示すように、パルス数nをn=I(Iは4以上の自然数)としても構わない。その場合に、カード媒体2の表面には、例えば、図5(d)に示すような濃度分布の描画画像が得られることになる。マルチパルス制御におけるパルス数は、設定されたパルス数が大きくなるほど、補完ドット2bが高密度化するので、濃度諧調表現の自由度が高くなる。ただし、パルス数が大きくなると、これに伴って処理負荷の増大を招き得るため、必要となる描画画質に応じてマルチパルス制御におけるパルス数を設定しておくことが考えられる。
以上のようなマルチパルス制御を行うことが可能であれば、制御部30は、カード媒体2に描画すべき所望の文字や画像等についての画像データに対して、例えば濃度パターン法やディザ法等の面積階調法による画像処理を施す。そして、制御部30は、画像処理後の画像データに基づいて、レーザ出射部10およびレーザ照射部20に対して動作指示を与えることで、マルチパルス制御による描画画像をカード媒体2の表面に形成させる。したがって、レーザ出射部10が一次増幅部12で増幅したレーザ光をそのまま出射する場合であっても、カード媒体2の表面上の描画画像について、面積諧調法による諧調表現によって濃度諧調表現の自由度を確保することができ、その結果として良好な描画画質を実現できるのである。
(6)本実施形態における効果
本実施形態によれば、以下に述べる一つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態のレーザマーカ装置1では、レーザ出射部10が一次増幅部12を有しており、その一次増幅部12による増幅光をそのままカード媒体2に照射するレーザ光として出射する。したがって、レーザ出射部10については、従来の一般的なファイバレーザにおける二次増幅部130,230の排除が可能となり、これにより構成の簡素化を実現することが可能となる。構成の簡素化が可能であれば、これに伴い、レーザ出射部10の小型化および低価格化についても容易に実現することができる。また、レーザ出射部10は、伝送ファイバ140,240についても排除可能なので、コリメータ14がレーザ励起部11や一次増幅部12等の構成部品と同一筐体に組み込まれて一体化され、これによっても小型化および低価格化を実現する上で有効なものとなる。
しかも、本実施形態のレーザマーカ装置1では、制御部30がマルチパルス制御を行ってレーザ光のパルスおよび照射位置を制御することで、カード媒体2の表面にドット2aを所定解像度で配列するとともに、ドット2aとは別に補完ドット2bを配置するようになっている。したがって、レーザ出射部10が一次増幅部12で増幅したレーザ光をそのまま出射する場合であっても、カード媒体2の表面上の描画画像について、面積諧調法による諧調表現によって濃度諧調表現の自由度を確保することができ、その結果として良好な描画画質を実現することができる。
以上のように、本実施形態のレーザマーカ装置1によれば、構成の簡素化を通じて装置の低価格化を容易に実現することができ、しかもその場合であってもカード媒体2への描画品質の劣化を抑制することができる。したがって、IDカード、パスポート、マイナンバーカード等といった樹脂製のカード媒体2への描画用として広く普及させる上で非常に好適なものとなる。
(b)本実施形態のレーザマーカ装置1において、レーザ出射部10が有する一次増幅部12は、カード媒体2へのマーキングに必要な最低限エネルギーが得られる程度に励起光を増幅する。つまり、レーザ出射部10は、出射するレーザ光を、樹脂製のカード媒体2への描画に適したエネルギーのものに特化する。したがって、カード媒体2に照射するレーザ光について、最低限エネルギーに満たないおそれが生じてしまうことがない一方で、エネルギーを絞ることで従来の一般的なファイバレーザにおける二次増幅部130,230の排除が可能となり、樹脂製のカード媒体2への描画用として非常に好適なものとなる。
(c)本実施形態のレーザマーカ装置1において、カード媒体2の表面に配置する補完ドット2bは、所定解像度のドット2aによる濃度を面積諧調によって濃度補完するものである。つまり、ドット2aとは別に配置される補完ドット2bを利用して、面積当たりのドット数が増えるようにすることで、面積諧調法による諧調表現を可能にしている。したがって、レーザ出射部10が出射するレーザ光の各パルスのエネルギーの大きさに依らない濃度諧調表現が可能となり、本実施形態のように構成の簡素化を実現したレーザ出射部10を用いた場合であっても、カード媒体2の表面における描画画像について良好な描画画質を実現する上で非常に好適なものとなる。
(d)本実施形態のレーザマーカ装置1において、各ドット2aが配列される所定解像度は、人間の眼の解像限界に対応して設定された解像度である。したがって、カード媒体2の表面における描画画像について、必要十分な高画質化が図れる。しかも、補完ドット2bを配置する場合であっても、描画画像の解像性に大きな影響を及ぼしてしまうことがなく、面積諧調法による諧調表現を確実なものとすることができる。
(e)本実施形態のレーザマーカ装置1において、補完ドット2bは、各ドット2aが配列される主走査方向に沿って当該各ドット2aの間に配置され、副走査方向における各ドット2aの間には配置されない。このように、補完ドット2bがドット2aの主走査方向に沿って配置されていれば、二次元走査領域のライン数増加を招くことがないので、濃度諧調表現の自由度を確保しようとしても、そのために描画処理に要する時間が増大してしまうのを抑制することができる。
(7)変形例等
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、マルチパルス制御の場合において、各ドット2aの間に補完ドット2bを配置する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、補完ドット2bは、必ずしも各ドット2aと異なる位置に配置されている必要はない。
図6は、他の実施形態に係るレーザマーカ装置の制御部による動作制御の具体的な態様を例示する説明図である。
図6に示す例では、補完ドット2bがドット2aと重なる位置に配置されている。具体的には、マルチパルス制御の場合において、制御部30は、一つの周期Pの間に複数のパルスのレーザ光を出射している間、ガルバノユニット21の動作を制限するように(図中における「Galv」参照)、レーザ照射部20に対して動作指示を与える。これにより、カード媒体2の表面には、ドット2aと重なる位置に補完ドット2bが形成されることになる。
このような態様の制御を行った場合であっても、上述した実施形態の場合と同様に、濃度諧調表現の自由度を確保することができ、その結果として良好な描画画質を実現することができる。
1…レーザマーカ装置、2…カード媒体、2a…ドット、2b…補完ドット、10…レーザ出射部、20…レーザ照射部、30…制御部

Claims (4)

  1. 光ファイバを増幅媒質として利用してパルス状のレーザ光を出射するレーザ出射部と、
    前記レーザ出射部から出射された前記レーザ光を樹脂製のカード媒体に向けて照射して前記カード媒体を走査するレーザ照射部と、
    前記レーザ出射部および前記レーザ照射部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記レーザ出射部は、励起光を増幅する一次増幅部を有し、前記一次増幅部による増幅光を二次増幅部による増幅を経ることなくそのまま前記レーザ光として出射するように構成されており、
    前記制御部は、前記レーザ光のパルスおよび照射位置を制御することで、前記カード媒体の表面にドットを所定解像度で配列するとともに、前記ドットとは別に補完ドットを配置するように構成されており、
    前記補完ドットは、前記ドットが配列される副走査方向における各ドット間には配置されず、前記ドットの主走査方向に沿って配置される
    ことを特徴とするレーザマーカ装置。
  2. 前記一次増幅部は、前記カード媒体へのマーキングに必要な最低限エネルギーが得られる程度に前記励起光を増幅するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザマーカ装置。
  3. 前記補完ドットは、前記ドットによる濃度を面積諧調によって濃度補完するものである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザマーカ装置。
  4. 前記所定解像度は、人間の眼の解像限界に対応して設定された解像度である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザマーカ装置。
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