JP2004230448A - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ発信器から出射されるビームモードが低次ないし高次のものであってもガウス分布を有する良好な加工用のレーザ光を得ることができる加工装置を提供すること。
【解決手段】レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長に横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3…3を設け、これら反射用ミラーでレーザ光の進行方向を順次折り返すことでTEM00モードを生成する光路長さを確保する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長に横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3…3を設け、これら反射用ミラーでレーザ光の進行方向を順次折り返すことでTEM00モードを生成する光路長さを確保する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を加工対象物上で走査し加工対象物を加工するレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のレーザ加工装置では、レーザ光を加工対象物上で走査することにより加工が施されている。この場合、本発明の関連文献として例えば特許文献1に開示されているバイナリーオプティックス等の光学素子がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−304612号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ発生手段内で発振するレーザ光は、低次モード(TEM0n)、高次モード(TEMm0,TEMmn)(m,nは自然数)で生成されやすく、レーザ発生手段がレーザ光を出射口から出射するときには低次モードおよび高次モードで出射される。したがって、この出射光の進行方向に対する断面の強度分布が良好な光強度分布とされるガウス分布にならず、このレーザ光により加工対象物に加工が施されると、その影響により加工対象物の加工形状に凹凸が生じてしまうという不具合を生じている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な加工用のレーザ光を得ることができ、もって、加工品質を向上することができるレーザ加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、レーザ光を出射口から出射するレーザ発生手段と、このレーザ発生手段の出射口から出射されたレーザ光を入射口から入射し当該レーザ光のビーム径を拡大し平行光にして出射するビームエキスパンダと、このビームエキスパンダから出射された平行光の方向を変更する変更手段と、この変更手段により方向を変更された光を収束する収束レンズとを備え、前記収束レンズにより収束された光を前記変更手段により加工対象物上で走査し当該加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、前記レーザ発生手段の出射口から前記ビームエキスパンダの入射口までの光路長は、前記ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されるように構成されていることに特徴を有している。
【0007】
このような発明によれば、レーザ発生手段の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路長は、ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されているので、たとえレーザ発生手段の出射口から出射されるレーザ光の横モードが低次モード,高次モードであったとしても、ビームエキスパンダの入射口にレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00になるため、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、加工品質を向上することができるという作用効果を奏する。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、レーザ発生手段によるレーザ光の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路中にレーザ発生手段からのレーザ光の進行方向を折り返すように複数の反射用ミラーからなる横モード改善手段が配設されていることに特徴を有している。
【0009】
このような発明によれば、複数の反射用ミラーからなる横モード改善手段が、レーザ発生手段のレーザ光の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路中にレーザ光の進行方向を折り返すように配設されており、光路を複数の反射用ミラーで折り返しながらビームエキスパンダの入射口までの光路長を長くすることでTEM00モードとしているので、上記請求項1記載の効果に加えて、必要以上に大型化を招くことがなくなるという作用効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
【0011】
レーザ加工装置1の光学的構成及び電気的構成等を機能ブロックとして概略的に示す図1において、レーザ加工装置1は、レーザ発生手段としてのレーザ発振器2と、横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3と、ビームエキスパンダ4と、変更手段としてのガルバノミラー5と、収束レンズ6と、制御回路7と、入力部8とを備えて構成されている。
【0012】
制御回路7は、CPU等を有してなるもので、図示しないメモリに記憶された制御用ソフトウェアに基づいて全体構成を制御するようになっており、入力部8が接続されている。入力部8は、例えば複数のコントロールキースイッチによるコンソールからなるもので、作業者が加工対象物Tに加工するための文字,記号,図形等の加工対象や、加工速度等の各種データを入力するために設けられている。
【0013】
レーザ発振器2は、例えば活性媒質にCO2を用いた加工用のCO2レーザにより構成されており、発振波長10.6μm,出力数十kW程度で出射口2aから出射可能に構成されており、制御回路7の制御に基づいてレーザ光の出射タイミングを調整可能になっている。レーザ発振器2では、横モードとして低次モード(TEM0n),高次モード(TEMm0、TEMmn)(m,nは自然数)でレーザ光が生成されやすく、レーザ発振器2がレーザ光を出射口2aから出射するときには低次モードおよび高次モードで出射される。
【0014】
レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の進行方向には、横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3…3が配設されている。これら反射用ミラー3…3は、レーザ発振器2から出射された直線光(レーザ光)の進行方向をレーザ発振器2の出射方向の垂直方向側→出射方向側→垂直方向側→出射方向側→垂直方向側→出射方向側(図1参照)に順次折り返すようにそれぞれ配設されており、この折り返されたレーザ光はビームエキスパンダ4の入射口4aから入射するようになっている。したがって、出射方向側の直線方向に物理的な距離を必要とすることなく光路長を長くすることができ、必要以上に大型化することなく配設することができる。このとき、出射口2aから入射口4aまでの光路長は、レーザ光の横モードがTEM00となる距離(例えば1m程度)以上にあらかじめ設定されている。
【0015】
ビームエキスパンダ4は、制御回路7からの光径調整信号に基づいてビームの光径を調整するように構成されており、その光学的構成により入射口4aから入射したレーザ光のビーム径を拡大し平行光にして出射口4bから出射するようになっている。ビームエキスパンダ4の出射口4bにより出射された平行光はガルバノミラー5に入射するように構成されている。
【0016】
ガルバノミラー5は、制御回路7からの制御信号に基づいてビームエキスパンダ4から入射する平行光の方向を変え、収束レンズ6側に出射するように構成されている。収束レンズ6は、fθレンズからなっており、ガルバノミラー5から入射する光を収束するようになっている。
【0017】
このような光学的構成および電気的構成により、制御回路7によるガルバノミラー5の光の方向制御に基づいて加工対象物T上で光を走査し加工対象物Tをマーキング,加工するように構成されている。
【0018】
上記構成の作用について、本発明の要旨に関わる部分を中心に図2および図3をも参照しながら説明する。
制御回路7からの制御信号に基づく出射タイミングでレーザ発振器2の出射口2aから出射されたレーザ光は、複数の反射用ミラー3…3に順次反射することによりビームエキスパンダ4の入射口4aに達する。ビームエキスパンダ4により拡大された平行光は、ガルバノミラー5によりその光の方向が変更され、光が加工対象物T上で走査されマーキング加工される。
【0019】
このとき、レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光のモード(横モード)は、低次モードおよび高次モードを含有したモードになる。図2には、出射口2a近辺における光の横モードの高次モードの一例としてTEM20モード(図2(a)参照)およびTEM12モード(図2(b)参照)の光強度分布を概略的に示している。光の強度分布には山や谷が現れ、例えば課題欄で説明したように、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が短いと、光強度分布の山や谷がそのまま加工対象物Tに反映され加工対象物T上に凹凸が生じてしまう。
【0020】
そこで、レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の進行方向のビームエキスパンダ4の入射口4aに達するまでの光路中に複数の反射用ミラー3…3を設けることにより、これら反射用ミラー3…3によりレーザ光が折り返され、ビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が長くなり、光が拡散され横モードがTEM00モードの状態(図3にTEM00モードの光強度分布を示す)になる。したがって、光強度分布はほぼガウス分布になる。これにより良好な加工用のレーザ光を得ることができる。
【0021】
この場合、このようにして光強度分布がガウス分布に近くなった後の光の径がビームエキスパンダ4により拡大された後、この光が収束レンズ6により収束され制御回路7およびガルバノミラー5により加工対象物T上で走査されるため、加工対象物T上に凹凸が生じることなく、加工品質を向上しながら加工することができる。
【0022】
このような一実施形態によれば、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光の進行方向に複数の反射用ミラー3…3を設け、これら反射用ミラー3…3が、レーザ光の進行方向をレーザ発振器2の垂直方向側および出射方向側に順次折り返すことにより、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が1m程度以上に設定されているので、たとえレーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の横モードが低次モードおよび高次モードであったとしても、ビームエキスパンダ4の入射口4aにレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00に近くなり、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、加工品質を向上することができ、必要以上に大型化を招くことがなくなる。
別途複雑な構成の光学素子を設けることなく構成することができる。
【0023】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、以下のような変形,拡張が可能である。
レーザ発振器2として、CO2レーザに適用した実施形態を示したが、他の気体レーザに適用しても良いし、YAG(Yttrium Alminium Garnet)レーザ等の固体レーザに適用しても良い。
上述実施形態では、レーザ光をレーザ発振器2の出射方向側およびその垂直方向側に折り返す実施形態を示したが、図4もしくは図5に示すように、レーザ発振器2によるレーザ光の出射口2aからの出射方向とは逆方向に光の進行方向を折り返すように複数の反射用ミラー3…3を配設し光路長を長くするようにしても良い。
【0024】
この場合、図4および図5に示すように、レーザ発振器2が直方体状に形成されているときには、その長手方向に光路が形成されるように反射用ミラー3…3を配設することが望ましい。またこのとき、図4および図5に示すように、レーザ発振器2の出射口2aからのレーザ光の出射方向とは逆方向にレーザ光の進行方向を折り返すように構成しても良い。この場合、スペースを有効に活用することができ、上述実施形態に比較して、さらに小型化することができる。
【0025】
また図4に示すように、レーザ発振器2の出射方向側の光の進行方向にビームエキスパンダ4を配設するようにしても良いし、図5に示すように、レーザ発振器2の出射方向側とは逆方向側の光の進行方向にビームエキスパンダ4を配設するようにしても良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、レーザ発生手段の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路長は、ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されているので、たとえレーザ発生手段の出射口から出射されるレーザ光の横モードが低次モードおよび高次モードであったとしても、ビームエキスパンダの入射口にレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00になるため、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、もって、加工品質を向上することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光学的構成および電気的構成を概略的に示す図
【図2】高次モードの光強度分布の説明図
【図3】TEM00モードの光強度分布の説明図
【図4】本発明の他の実施形態の光学的構成を概略的に示す図(その1)
【図5】本発明の他の実施形態の光学的構成を概略的に示す図(その2)
【符号の説明】
1はレーザ加工装置、2はレーザ発振器(レーザ発生手段)、2aは出射口、3…3は複数の反射用ミラー(横モード改善手段)、4はビームエキスパンダ、4aは入射口、5はガルバノミラー(変更手段)、6は収束レンズ、7は制御回路、8は入力部、Tは加工対象物である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を加工対象物上で走査し加工対象物を加工するレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のレーザ加工装置では、レーザ光を加工対象物上で走査することにより加工が施されている。この場合、本発明の関連文献として例えば特許文献1に開示されているバイナリーオプティックス等の光学素子がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−304612号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ発生手段内で発振するレーザ光は、低次モード(TEM0n)、高次モード(TEMm0,TEMmn)(m,nは自然数)で生成されやすく、レーザ発生手段がレーザ光を出射口から出射するときには低次モードおよび高次モードで出射される。したがって、この出射光の進行方向に対する断面の強度分布が良好な光強度分布とされるガウス分布にならず、このレーザ光により加工対象物に加工が施されると、その影響により加工対象物の加工形状に凹凸が生じてしまうという不具合を生じている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な加工用のレーザ光を得ることができ、もって、加工品質を向上することができるレーザ加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、レーザ光を出射口から出射するレーザ発生手段と、このレーザ発生手段の出射口から出射されたレーザ光を入射口から入射し当該レーザ光のビーム径を拡大し平行光にして出射するビームエキスパンダと、このビームエキスパンダから出射された平行光の方向を変更する変更手段と、この変更手段により方向を変更された光を収束する収束レンズとを備え、前記収束レンズにより収束された光を前記変更手段により加工対象物上で走査し当該加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、前記レーザ発生手段の出射口から前記ビームエキスパンダの入射口までの光路長は、前記ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されるように構成されていることに特徴を有している。
【0007】
このような発明によれば、レーザ発生手段の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路長は、ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されているので、たとえレーザ発生手段の出射口から出射されるレーザ光の横モードが低次モード,高次モードであったとしても、ビームエキスパンダの入射口にレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00になるため、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、加工品質を向上することができるという作用効果を奏する。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、レーザ発生手段によるレーザ光の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路中にレーザ発生手段からのレーザ光の進行方向を折り返すように複数の反射用ミラーからなる横モード改善手段が配設されていることに特徴を有している。
【0009】
このような発明によれば、複数の反射用ミラーからなる横モード改善手段が、レーザ発生手段のレーザ光の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路中にレーザ光の進行方向を折り返すように配設されており、光路を複数の反射用ミラーで折り返しながらビームエキスパンダの入射口までの光路長を長くすることでTEM00モードとしているので、上記請求項1記載の効果に加えて、必要以上に大型化を招くことがなくなるという作用効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
【0011】
レーザ加工装置1の光学的構成及び電気的構成等を機能ブロックとして概略的に示す図1において、レーザ加工装置1は、レーザ発生手段としてのレーザ発振器2と、横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3と、ビームエキスパンダ4と、変更手段としてのガルバノミラー5と、収束レンズ6と、制御回路7と、入力部8とを備えて構成されている。
【0012】
制御回路7は、CPU等を有してなるもので、図示しないメモリに記憶された制御用ソフトウェアに基づいて全体構成を制御するようになっており、入力部8が接続されている。入力部8は、例えば複数のコントロールキースイッチによるコンソールからなるもので、作業者が加工対象物Tに加工するための文字,記号,図形等の加工対象や、加工速度等の各種データを入力するために設けられている。
【0013】
レーザ発振器2は、例えば活性媒質にCO2を用いた加工用のCO2レーザにより構成されており、発振波長10.6μm,出力数十kW程度で出射口2aから出射可能に構成されており、制御回路7の制御に基づいてレーザ光の出射タイミングを調整可能になっている。レーザ発振器2では、横モードとして低次モード(TEM0n),高次モード(TEMm0、TEMmn)(m,nは自然数)でレーザ光が生成されやすく、レーザ発振器2がレーザ光を出射口2aから出射するときには低次モードおよび高次モードで出射される。
【0014】
レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の進行方向には、横モード改善手段としての複数の反射用ミラー3…3が配設されている。これら反射用ミラー3…3は、レーザ発振器2から出射された直線光(レーザ光)の進行方向をレーザ発振器2の出射方向の垂直方向側→出射方向側→垂直方向側→出射方向側→垂直方向側→出射方向側(図1参照)に順次折り返すようにそれぞれ配設されており、この折り返されたレーザ光はビームエキスパンダ4の入射口4aから入射するようになっている。したがって、出射方向側の直線方向に物理的な距離を必要とすることなく光路長を長くすることができ、必要以上に大型化することなく配設することができる。このとき、出射口2aから入射口4aまでの光路長は、レーザ光の横モードがTEM00となる距離(例えば1m程度)以上にあらかじめ設定されている。
【0015】
ビームエキスパンダ4は、制御回路7からの光径調整信号に基づいてビームの光径を調整するように構成されており、その光学的構成により入射口4aから入射したレーザ光のビーム径を拡大し平行光にして出射口4bから出射するようになっている。ビームエキスパンダ4の出射口4bにより出射された平行光はガルバノミラー5に入射するように構成されている。
【0016】
ガルバノミラー5は、制御回路7からの制御信号に基づいてビームエキスパンダ4から入射する平行光の方向を変え、収束レンズ6側に出射するように構成されている。収束レンズ6は、fθレンズからなっており、ガルバノミラー5から入射する光を収束するようになっている。
【0017】
このような光学的構成および電気的構成により、制御回路7によるガルバノミラー5の光の方向制御に基づいて加工対象物T上で光を走査し加工対象物Tをマーキング,加工するように構成されている。
【0018】
上記構成の作用について、本発明の要旨に関わる部分を中心に図2および図3をも参照しながら説明する。
制御回路7からの制御信号に基づく出射タイミングでレーザ発振器2の出射口2aから出射されたレーザ光は、複数の反射用ミラー3…3に順次反射することによりビームエキスパンダ4の入射口4aに達する。ビームエキスパンダ4により拡大された平行光は、ガルバノミラー5によりその光の方向が変更され、光が加工対象物T上で走査されマーキング加工される。
【0019】
このとき、レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光のモード(横モード)は、低次モードおよび高次モードを含有したモードになる。図2には、出射口2a近辺における光の横モードの高次モードの一例としてTEM20モード(図2(a)参照)およびTEM12モード(図2(b)参照)の光強度分布を概略的に示している。光の強度分布には山や谷が現れ、例えば課題欄で説明したように、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が短いと、光強度分布の山や谷がそのまま加工対象物Tに反映され加工対象物T上に凹凸が生じてしまう。
【0020】
そこで、レーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の進行方向のビームエキスパンダ4の入射口4aに達するまでの光路中に複数の反射用ミラー3…3を設けることにより、これら反射用ミラー3…3によりレーザ光が折り返され、ビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が長くなり、光が拡散され横モードがTEM00モードの状態(図3にTEM00モードの光強度分布を示す)になる。したがって、光強度分布はほぼガウス分布になる。これにより良好な加工用のレーザ光を得ることができる。
【0021】
この場合、このようにして光強度分布がガウス分布に近くなった後の光の径がビームエキスパンダ4により拡大された後、この光が収束レンズ6により収束され制御回路7およびガルバノミラー5により加工対象物T上で走査されるため、加工対象物T上に凹凸が生じることなく、加工品質を向上しながら加工することができる。
【0022】
このような一実施形態によれば、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光の進行方向に複数の反射用ミラー3…3を設け、これら反射用ミラー3…3が、レーザ光の進行方向をレーザ発振器2の垂直方向側および出射方向側に順次折り返すことにより、レーザ発振器2の出射口2aからビームエキスパンダ4の入射口4aまでの光路長が1m程度以上に設定されているので、たとえレーザ発振器2の出射口2aから出射されるレーザ光の横モードが低次モードおよび高次モードであったとしても、ビームエキスパンダ4の入射口4aにレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00に近くなり、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、加工品質を向上することができ、必要以上に大型化を招くことがなくなる。
別途複雑な構成の光学素子を設けることなく構成することができる。
【0023】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、以下のような変形,拡張が可能である。
レーザ発振器2として、CO2レーザに適用した実施形態を示したが、他の気体レーザに適用しても良いし、YAG(Yttrium Alminium Garnet)レーザ等の固体レーザに適用しても良い。
上述実施形態では、レーザ光をレーザ発振器2の出射方向側およびその垂直方向側に折り返す実施形態を示したが、図4もしくは図5に示すように、レーザ発振器2によるレーザ光の出射口2aからの出射方向とは逆方向に光の進行方向を折り返すように複数の反射用ミラー3…3を配設し光路長を長くするようにしても良い。
【0024】
この場合、図4および図5に示すように、レーザ発振器2が直方体状に形成されているときには、その長手方向に光路が形成されるように反射用ミラー3…3を配設することが望ましい。またこのとき、図4および図5に示すように、レーザ発振器2の出射口2aからのレーザ光の出射方向とは逆方向にレーザ光の進行方向を折り返すように構成しても良い。この場合、スペースを有効に活用することができ、上述実施形態に比較して、さらに小型化することができる。
【0025】
また図4に示すように、レーザ発振器2の出射方向側の光の進行方向にビームエキスパンダ4を配設するようにしても良いし、図5に示すように、レーザ発振器2の出射方向側とは逆方向側の光の進行方向にビームエキスパンダ4を配設するようにしても良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、レーザ発生手段の出射口からビームエキスパンダの入射口までの光路長は、ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されているので、たとえレーザ発生手段の出射口から出射されるレーザ光の横モードが低次モードおよび高次モードであったとしても、ビームエキスパンダの入射口にレーザ光が達するまでにレーザ光の横モードがTEM00になるため、光強度分布がガウス分布となる良好な加工用のレーザ光を得ることができ、もって、加工品質を向上することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光学的構成および電気的構成を概略的に示す図
【図2】高次モードの光強度分布の説明図
【図3】TEM00モードの光強度分布の説明図
【図4】本発明の他の実施形態の光学的構成を概略的に示す図(その1)
【図5】本発明の他の実施形態の光学的構成を概略的に示す図(その2)
【符号の説明】
1はレーザ加工装置、2はレーザ発振器(レーザ発生手段)、2aは出射口、3…3は複数の反射用ミラー(横モード改善手段)、4はビームエキスパンダ、4aは入射口、5はガルバノミラー(変更手段)、6は収束レンズ、7は制御回路、8は入力部、Tは加工対象物である。
Claims (2)
- レーザ光を出射口から出射するレーザ発生手段と、
このレーザ発生手段の出射口から出射されたレーザ光を入射口から入射し当該レーザ光のビーム径を拡大し平行光にして出射するビームエキスパンダと、
このビームエキスパンダから出射された平行光の方向を変更する変更手段と、
この変更手段により方向を変更された光を収束する収束レンズとを備え、
前記収束レンズにより収束された光を前記変更手段により加工対象物上で走査し当該加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、
前記レーザ発生手段の出射口から前記ビームエキスパンダの入射口までの光路長は、前記ビームエキスパンダの入射口に入射するレーザ光の横モードがTEM00となる距離以上に設定されるように構成されていることを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記レーザ発生手段によるレーザ光の出射口から前記ビームエキスパンダの入射口までの光路中に前記レーザ発生手段からのレーザ光の進行方向を折り返すように複数の反射用ミラーからなる横モード改善手段が配設されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
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---|---|---|---|
JP2003023854A JP2004230448A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | レーザ加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003023854A JP2004230448A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | レーザ加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004230448A true JP2004230448A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32952547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003023854A Pending JP2004230448A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | レーザ加工装置 |
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JP (1) | JP2004230448A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011175158A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光ファイバの端面封止方法およびその装置 |
CN104339084A (zh) * | 2013-07-29 | 2015-02-11 | Ap系统股份有限公司 | 使用非球面多焦点透镜加工脆性基底的设备 |
CN108526696A (zh) * | 2018-02-26 | 2018-09-14 | 大族激光科技产业集团股份有限公司 | 一种利用激光对硅棒进行打码标识的方法及设备 |
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003023854A patent/JP2004230448A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP2011175158A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光ファイバの端面封止方法およびその装置 |
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CN108526696B (zh) * | 2018-02-26 | 2020-06-09 | 大族激光科技产业集团股份有限公司 | 一种利用激光对硅棒进行打码标识的方法及设备 |
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