JP4445217B2 - レーザマーキング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類ドープ光ファイバレーザを用いたレーザマーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、希土類ドープ光ファイバを用いたレーザマーキング装置として本願出願人が出願したものが知られている。これは、コンソールから入力された文字、図形等のマーキング情報を制御手段で始点及び終点を含む複数の線分として構成し、これら線分からマーキングすべき座標データを生成して記憶手段に記憶する。そして、マーキング開始のトリガ信号に基づいて制御手段は記憶手段に記憶された座標データをガルバノミラー装置に送信するとともに、励起用及び信号用の半導体レーザにも駆動電流を供給するよう各ドライバに制御信号を送信する構成とされている。
【0003】
このとき、希土類ドープ光ファイバは、励起用半導体レーザからのレーザ光により励起状態とされ、この励起状態において信号用半導体レーザからの光が入射されると誘導放出により信号用半導体レーザのレーザ光と同一波長・同一位相の光が放出されて、結果として増幅されたレーザ光が出射端面から出射される。このレーザ光は収束レンズを介して被マーキング対象物上に集光され、前述したガルバノミラー装置により被マーキング対象物上を走査されて、文字・図形等がマーキングされるようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、このようなレーザマーキング装置では消費電力が比較的大きいことから、マーキングを行なわない間には希土類ドープ光ファイバがマーキング不能となるようにすることで省電力化を図っている。これにより、省電力化を図りながら所定のレーザ出力を得て高い印字品質を保つことができる。
ここで、希土類ドープ光ファイバから出射されるレーザ光の出力は被マーキング対象物の材質等に応じて設定しており、そうすることで、被マーキング対象物上に印字された文字・図形等が深彫りされたり、あるいは印字深さが足りずに視認できないといった不具合の発生を防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−340872公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、希土類ドープ光ファイバから出射されるレーザ光の出力を低出力とした場合には以下のような不具合が生じる。
光ファイバから出射されるレーザ光の出力を低く設定するには、励起用半導体レーザに供給する駆動電流を低くしてこの半導体レーザから出射されるレーザ光の出力を低くすることとなる。そうすると、レーザ光の出力を高くした場合と比べ、信号用半導体レーザのレーザ光により希土類元素が基底状態に遷移する割合が多くなって、所定の励起状態とされるには時間がかかり、レーザ出力の立ち上がりが遅れる。
例えば、図8に示すように、希土類ドープ光ファイバからのレーザ出力PをP10としたい場合には、励起用半導体レーザに供給する駆動電流IexはIex10となり、この駆動電流Iex10の供給開始TONからレーザ出力がP10となるまでには時間T10を要する。一方、レーザ出力をP10よりも低いP20とした場合は駆動電流はIex20となり、この駆動電流Iex20の供給開始TONからレーザ出力がP20となるには時間T10よりも長いT20となる。
このように、希土類ドープ光ファイバのレーザ出力を低くすると所望のレーザ出力を得るのに時間がかかるから、各線分の始点付近ではレーザ光の出力不足により印字深さが不足し、印字品質が悪くなってしまうという不具合が生じる。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、印字品質を向上させることができるレーザマーキング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るレーザマーキング装置は、希土類元素を含む希土類ドープ光ファイバと、この希土類ドープ光ファイバ内に、励起用半導体レーザから駆動電流に応じた励起用レーザ光を入射させることで、その内部の希土類元素を励起状態として、希土類ドープ光ファイバの出射面から増幅されたレーザ光を出射させるための励起手段と、この希土類ドープ光ファイバから出射されるレーザ光のレーザ出力を設定するレーザ出力設定手段と、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光が被マーキング対象物上に照射されるように走査するガルバノミラー装置と、レーザ出力設定手段でのマーキング可能な設定レーザ出力に応じた駆動電流を励起手段に与えて希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力を制御するとともに、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光が、印字すべき文字・記号・図形等を構成する各線分を等速で走査されるようにガルバノミラー装置を駆動制御することで被マーキング対象物上にマーキング処理を行なわせる制御手段とを備えたレーザマーキング装置であって、制御手段は、各線分をマーキングする際に各線分の始点からの書き始めにおいてレーザ光を照射するときに、設定レーザ出力に対応する駆動電流よりも高い初期駆動電流を励起手段に与え、その後、設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与えるよう動作するところに特徴を有する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、レーザ出力設定手段は、設定レーザ出力を変更可能に設定できるようになっており、制御手段は、各線分をマーキングする際に始点からの書き始めにおいて、所定レベルの初期駆動電流を、レーザ出力設定手段での各設定レーザ出力に対応して定められた初期駆動電流供給時間まで励起手段に与えて、その後、当該各設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与えるよう動作させ、設定レーザ出力手段での設定レーザ出力が変更されるに伴って初期駆動電流供給時間を変更するところに特徴を有する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1記載のレーザマーキング装置において、レーザ出力設定手段は、設定レーザ出力を変更可能に設定できるようになっており、制御手段は、各線分をマーキングする際に始点からの書き始めにおいて、レーザ出力設定手段での各設定レーザ出力に対応して定められた初期駆動電流を、所定の基準時間まで励起手段に与えて、その基準時間経過後に設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与えるよう動作させ、設定レーザ出力手段での設定レーザ出力が変更されるに伴って初期駆動電流を変更するところに特徴を有する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2記載のレーザマーキング装置において、初期駆動電流供給時間は、所定レベルの初期駆動電流を励起手段に与えて始めてから、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力が各設定レーザ出力に達するまでの到達時間であって、それらの到達時間情報が各設定レーザ出力に対応付けられて予め記憶される記憶手段が設けられ、制御手段は、レーザ出力設定手段に設定されている設定レーザ出力に基づいて到達時間情報を記憶手段から読み出し、この到達時間経過まで所定レベルの初期駆動電流を励起手段に与えるよう動作するところに特徴を有する。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3記載のレーザマーキング装置において、初期駆動電流は、所定の基準時間経過までに希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力を各設定レーザ出力まで立ち上げるレベルの駆動電流であって、これらの初期駆動電流情報が、各設定レーザ出力に対応付けられて予め記憶される記憶手段が設けられ、制御手段は、レーザ出力設定手段で設定されている設定レーザ出力に基づいて初期駆動電流情報を記憶手段から読み出し、この初期駆動電流を基準時間経過まで励起手段に与えるよう動作するところに特徴を有する。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のレーザマーキング装置において、制御手段は、各線分をマーキングする際にガルバノミラー装置を各線分の始点の手前から駆動開始してこの始点で目的の速度に達するように加速させ、始点から各線分の終点までを目的の速度で等速にして終点から減速させるようにこの終点を越えて駆動させるところに特徴を有する。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のものにおいて、希土類ドープ光ファイバ内にその発振波長と略同一波長のレーザ光を入射させる信号用半導体レーザが備えられるとともに、励起用半導体レーザは、希土類ドープ光ファイバの励起波長と略同一波長の励起用レーザ光を出射するように構成されているところに特徴を有する。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のものにおいて、制御手段は、線分のマーキング終了から次の線分のマーキング開始までの間、励起用半導体レーザからのレーザ光の出力を停止するところに特徴を有する。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のものにおいて、制御手段は、線分のマーキング終了から次の線分のマーキング開始までの間、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力が被マーキング対象物に対してマーキング不能な程度の出力となるよう制御するところに特徴を有する。
【0017】
請求項10の発明は、請求項9に記載のものにおいて、励起用半導体レーザは、被マーキング対象物上へのマーキングが不能な程度に希土類ドープ光ファイバを励起状態とすべく常時駆動される低励起用半導体レーザと、被マーキング対象物上へのマーキングが可能な程度に希土類ドープ光ファイバを励起状態とする高励起用半導体レーザとを備えて構成されているところに特徴を有する。
【0018】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
本構成によれば、各線分の始点からの書き始めにおいてレーザ光を照射するときに、一旦、設定レーザ出力に対応する駆動電流よりも高い初期駆動電流を励起手段に与えている。その後、設定レーザ出力に対応する駆動電流が励起手段に与えられるようにしている。
これにより、当初から設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与える構成に比べて、希土類ドープ光ファイバから出力されるレーザ光のレーザ出力が短時間でレーザ出力設定手段での設定レーザ出力とされるから、各線分の始点付近においてレーザ光の出力不足によるかすれ等を防止して、印字品質を向上させることができる。なお、ここでいう「設定レーザ出力に対応する駆動電流」とは、例えば、励起手段に与え続ければ、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力が、最終的に設定レーザ出力に収束するレベルの駆動電流をいう。
【0019】
<請求項2の発明>
本構成によれば、各線分の始点の書き始めから、各設定レーザ出力に応じた時間の初期駆動電流供給時間まで、当該設定レーザ出力よりも高い所定のレーザ出力に対応する初期駆動電流(本構成では、この初期駆動電流レベルは設定レーザ出力にかかわらず一定。)が励起手段に与えられる。そして、その後、設定レーザ出力に対応する駆動電流が励起手段に与えられるようになる。つまり、変更設定され得る各設定レーザ出力に応じて、設定レーザ出力に対応する駆動電流よりも高い所定レベルの初期駆動電流を与える供給時間(初期駆動電流供給時間)を変更させる構成になっている。
これにより、当初から設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与える構成に比べて、希土類ドープ光ファイバから出力されるレーザ光のレーザ出力が短時間でレーザ出力設定手段での設定レーザ出力とされるから、各線分の始点付近においてレーザ光の出力不足によるかすれ等を防止して、印字品質を向上させることができる。
【0020】
<請求項3の発明>
本構成によれば、各線分の始点の書き始めから、各設定レーザ出力に応じたレベルの初期駆動電流が、所定の基準時間(本構成では、この基準時間は設定レーザ出力にかかわらず一定。)まで前記励起手段に与えられ、その基準時間経過後に設定レーザ出力に対応する駆動電流が励起手段に与えられる。つまり、変更設定され得る各設定レーザ出力に応じて、所定の基準時間内に励起手段に与える初期駆動電流レベルを変更する構成になっている。
これにより、各設定レーザ出力にかかわらず、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力を、書き始めから常に一定時間後に当該設定レーザ出力に到達させることができるから、書き始め付近での印字品質の更なる向上を図ることができる。
【0021】
<請求項4及び請求項5の発明>
本構成によれば、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光の出力を低く設定した場合であっても、効率よく短時間で所定の出力のレーザ光を出射させることができる。
また、被マーキング対象物の材質に応じて複数のレーザ出力を使い分ける場合には、それぞれのレーザ出力に応じた到達時間情報(或いは初期駆動電流情報)を記憶し、その都度記憶手段から対応する到達時間情報(或いは初期駆動電流情報)を読み出すようにすればよく、希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力の制御を簡略化することができる。
【0022】
<請求項6の発明>
本構成によれば、始点・終点間において確実にレーザ光を等速で走査させることができる。
【0023】
<請求項7の発明>
本構成によれば、励起手段からの励起用レーザ光により希土類ドープ光ファイバを励起しつつ、信号用半導体レーザからのレーザ光により効率的に誘導放出を生じさせて、効率よくレーザ光を出力させることができ、もって、省電力化を図ることができる。
【0024】
<請求項8の発明>
本構成では、被マーキング対象物に対してマーキングを行なわない間は励起用半導体レーザの駆動を停止しているから、省電力化を図ることができる。
【0025】
<請求項9の発明>
本構成では、被マーキング対象物上にマーキングを行なわない間は希土類ドープ光ファイバは予備的励起状態とされているから、線分をマーキングする際に励起手段の出力を上げることで極めて短時間で高励起状態とすることができる。
しかも、均一な励起状態とすることができるので、この高励起状態にある希土類ドープ光ファイバ内を、例えば別途設けられた信号用半導体レーザからのレーザ光により増幅されて出力されたレーザ光は、スポットの中心から同心円に均一な光強度となる。この結果、被マーキング対象物にマーキングしたときにきれいな彫り口とすることができる。
【0026】
<請求項10の発明>
本構成では、低励起用半導体レーザを常時一定のレーザ出力で駆動しており、被マーキング対象物上に各線分をマーキングする際には高励起用半導体レーザを所定のレーザ出力となるようにオン制御すれば良いから、励起用半導体レーザへの制御を簡略化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。
本実施形態のレーザマーキング装置は図1に示すように、いわゆるヘッド分離型のものであって、コントローラ部1とヘッド部2とを備えており、コントローラ部1により生成されたレーザ光をヘッド部2を介して被マーキング対象物Wに照射することで、そこに文字・記号・図形等をマーキングするものである。
【0028】
コントローラ部1は、信号用半導体レーザ10と、3つの励起用半導体レーザ11A〜11Cと、希土類ドープ光ファイバ12と、制御手段13と、入出力手段14とを備えている。信号用半導体レーザ10はドライバ20を介して制御手段13により駆動され、波長1060nm帯の赤外線レーザをパルス発振する。励起用半導体レーザ11A〜11Cはドライバ21A〜21Cを介して制御手段13により駆動されて、波長960nm帯のレーザ光をそれぞれ所定のレーザ出力で連続発振する。
【0029】
希土類ドープ光ファイバ12はシングルモードのもの12Aとマルチモードのもの12Bとからなる。両者12A,12Bはコア部分に希土類元素である例えばイットリビウム(Yb)を含んでおり、この希土類元素の励起波長は約960nm、発振波長は約1060nmとされている。シングルモードの希土類ドープ光ファイバ12Aの途中にはレーザ光を一方向にのみ通過させる光アイソレータ15が設けられており、両開口端には例えば光結合器からなる結合手段16A,16Bが取り付けられている。マルチモードの希土類ドープ光ファイバ12Bは図示しないボビンに多数回巻回することで所要長の光路を確保しており、その一方の開口端が結合手段16Bに取り付けられており、レーザ光を出射する開口端(出射端面に相当)には同じく光結合器からなる結合手段16Cが設けられている。
【0030】
結合手段16Aには2本の光ファイバ17,18Aが接続されており、これらには信号用半導体レーザ10のレーザ光及び励起用半導体レーザ11Aのレーザ光が入射されるようになっている。また、結合手段16Bには光ファイバ18Bが取りつけられており、励起用半導体レーザ11Bのレーザ光が入射される。また、光結合器16Cには2本の光ファイバ18C,19が取りつけられており、18Cには励起用半導体レーザ11Cのレーザ光が入射されるようになっているとともに、19はヘッド部2内に連なっている。
尚、励起用半導体レーザ11Aは希土類ドープ光ファイバ12を低励起状態にするレーザ出力とされており(以下、低励起用半導体レーザ11Aと称する。)、励起用半導体レーザ11B,11Cは希土類ドープ光ファイバ12を高励起状態にするレーザ出力とされており(本発明の「励起手段(高励起用半導体レーザ)」に相当。以下、高励起用半導体レーザ11B,11Cと称する。)、いずれも本発明の「励起用半導体レーザ」に相当する。また、これら各励起用半導体レーザ11(11A,11B,11C)と、それぞれに応じて設けられたドライバ21A,21B,21Cとで本発明の「励起手段」が構成されている。
【0031】
制御手段13は、各ドライバ20,21A〜21Cに制御信号を出力して各半導体レーザ10,11A〜11Cを駆動する。具体的には、信号用半導体レーザ10及び高励起用半導体レーザ11B,11Cにはマーキング動作を行なうときに駆動電流を供給し、低励起用半導体レーザ11Aには駆動電流を常時供給するようにそれぞれのドライバ10,21A〜21Cに制御信号を送信している。
【0032】
制御手段13には、例えばコンソールからなる入力手段3(レーザ出力設定手段に相当)が接続されており、この入力手段3において、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ光のレーザ出力(本発明でいう「設定レーザ出力」。以下「設定レーザ出力」という)、被マーキング対象物Wにマーキングすべき文字・記号・図形等のマーキング情報やマーキングプログラム等を入力するようになっている。また、制御手段13はマーキング情報から座標データを生成するにあたって、マーキング情報を構成する各線分の延長線上に仮始点及び仮終点を設けており、生成された座標データに基づいて制御信号を入出力手段14を介してヘッド部2に送信するようになっている。例えば、図2に示す線分Mについては、その線分の延長線上において始点N1の手前に仮始点N2が設けられ、終点N3の後方に仮終点N4が設けられる。
制御手段13に備えられたメモリ13Aには、入力手段3にて入力された情報や上述した座標データが記憶されている。また、入力手段3にて変更可能に設定され得る各設定レーザ出力Pに対応する高励起用半導体レーザ11B,11Cの駆動電流Iex(本発明でいう「設定レーザ出力に対応する駆動電流」に相当)がデータテーブルとして記憶されているとともに、最大駆動電流IexM (本発明でいう「所定レベルの初期駆動電流」に相当)とした場合において、その最大駆動電流IexM の供給開始TONから希土類ドープ光ファイバのレーザ出力Pが所定のレーザ出力P(例えば、P1 ,P2 )に到達するまでの到達時間T(例えば、T1 ,T2 )がデータテーブルとして記憶されている(図4参照)。
【0033】
ヘッド部2は、コリメータレンズ30と、ガルバノミラー装置40と、fθレンズ50と、入出力手段60とを備える。光ファイバ19からのレーザ光はコリメータレンズ30により平行光とされ、ガルバノミラー装置40に備えられたX軸及びY軸のガルバノミラーを反射し、fθレンズ50により被マーキング対象物Wに集光される。また、ガルバノミラー装置40は入出力手段60を介して制御手段13からの制御信号を受けると、その制御信号に応じて両ガルバノミラーを回動させ、これによってレーザ光が被マーキング対象物W表面上で2次元方向に走査されるようになっている。
【0034】
本実施形態の構成は以上であり、続いてその動作について説明する。
制御手段13は、入力手段3に入力されたレーザ出力、文字・図形・記号等のマーキング情報、マーキングプログラム等を受けてマーキング情報を構成する各線分の座標データを生成し、このデータをメモリ13Aに記憶する。そして、マーキング開始のトリガ信号により、制御手段13は各種設定値、レーザ出力、座標データに基づいて制御信号をドライバ20,21A〜21C及びヘッド部2に送信して被マーキング対象物W表面上にマーキング処理を施す。
【0035】
詳述すると、まず制御手段13は、各レーザ光源の駆動電流を制御するための制御信号をそれぞれのドライバ20,21A〜21Cに出力する。そして、図示しない励起用スイッチをオン操作することにより、低励起用半導体レーザ11Aはドライバ20により直流駆動され、出力されたレーザ光は結合手段16を介して希土類ドープ光ファイバ12内に入射する。この結果、希土類ドープ光ファイバ12には、その励起波長と略同一の励起波長を有するレーザ光が入射されて希土類元素が励起状態とされるが、低励起状態であるから、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ出力はマーキング不能な程度のレーザ出力LC とされている(請求項9の構成に相当。図3参照)。
【0036】
次に、マーキング動作が開始されてマーキング情報を構成する各線分をマーキングするときの動作について、図2に示す線分Mを例に挙げて説明する。
まずガルバノミラー装置40が線分Mの仮始点N2から始点N1に向かって駆動し、始点N1に到達すると、制御手段13からの制御信号に基づいてドライバ20,21B,21Cから駆動電流が供給されて信号用半導体レーザ10がパルス発振するとともに、高励起用半導体レーザ11B,11Cが連続発振する。すると、希土類ドープ光ファイバ12内の希土類元素が低励起状態から高励起状態とされてマーキング可能な程度のレーザ出力LBを十分に越えてマーキングするのに十分なレーザ出力LAとなる。また、信号用半導体レーザ10からのパルスレーザ光により誘導放出が促進されて増幅されたパルスレーザ光が光ファイバ19からヘッド部2内に向けて出射される(図3参照)。
【0037】
ガルバノミラー装置40が線分Mの終点N3に到達すると、信号用半導体レーザ10及び高励起用半導体レーザ11B,11Cは駆動電流が断たれて停止状態とされる。また、ガルバノミラー装置40は終点N3を超えて仮終点N4に到達するまで動作する。上記のようにガルバノミラー装置40を動作させれば、仮始点N2・始点N1間を加速区間、始点N1・終点N3間を等速区間、終点N3・仮終点N4間を減速区間と区切ることができ、線分M間では等速でレーザ光を走査することが可能となる。
これにより、請求項6の「各線分をマーキングする際に前記ガルバノミラー装置を始点の手前から駆動開始して始点で目的の速度に達するように加速させ、始点から終点までを目的の速度で等速にして終点から減速させるように終点を越えて駆動させる」構成が実現される。
尚、マーキング動作を開始するときには、希土類ドープ光ファイバ12は低励起用半導体レーザ11Aにより均一な低励起状態とされているから、短時間で高励起状態に遷移させることが可能となる。
【0038】
ヘッド部2では、上述したように、光ファイバ19からのパルスレーザ光をコリメータレンズ30、ガルバノミラー装置40及びfθレンズ50を介して被マーキング対象物Wに照射する。同時に、ガルバノミラー装置40は制御手段13から受けた制御信号に基づいてX軸及びY軸のガルバノミラーを回動させることにより、パルスレーザ光を被マーキング対象物W上に2次元方向に走査して所望のマーキングを行う。
【0039】
ところで、希土類ドープ光ファイバ12から出射されるレーザ光のレーザ出力は、入力手段3にて入力された設定レーザ出力により決定されており、図4に示すように設定レーザ出力に応じて高励起用半導体レーザ11B,11Cに供給する駆動電流(即ち、高励起用半導体レーザ11B,11Cのレーザ出力)を制御している。
図4に示すように、例えば、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ出力が設定レーザ出力P1に設定されている場合には、その設定レーザ出力P1に対応した駆動電流Iex1及び到達時間T1をメモリ13Aから読み出す。そして、マーキング動作を開始するときには、高励起用半導体レーザ11B,11Cに最大駆動電流IexM(本発明の「所定レベルの初期駆動電流」に相当)を到達時間T1に相当する時間供給し、T1経過後に駆動電流Iex1を供給する。
また、例えば、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ出力が設定レーザ出力P2に設定されている場合には、その設定レーザ出力P2に対応した駆動電流Iex2及び到達時間T2をメモリ13Aから読み出す。そして、マーキング動作を開始するときには、高励起用半導体レーザ11B、11Cに最大駆動電流IexMを到達時間T2に相当する時間供給し、T2経過後に駆動電流Iex2を供給する(請求項2の構成に相当)。
【0040】
また、希土類ドープ光ファイバ12のレーザ出力が設定レーザ出力とされるまでは、設定されているレーザ出力に関係無く高励起用半導体レーザ11B,11Cに最大駆動電流が供給されるから、レーザ出力の立ち上がりは常に一定とされており、かつ、最も急峻とされている。
尚、図4において、希土類ドープ光ファイバ12のレーザ出力の波形は本来パルス状とされているが(図3参照)、便宜上パルスのピーク値をサンプリングした場合の波形を示している。
これにより、制御手段13は本発明の「レーザ出力設定手段で設定されているレーザ出力に基づいて到達時間情報を記憶手段から読み出し、この到達時間経過まで当該設定レーザ出力よりも高い所定のレーザ出力に対応する駆動電流を励起手段に与える」動作を行なっている(請求項4の構成に相当)。
【0041】
このように本実施形態では、マーキング動作を開始する際に、高励起用半導体レーザ11B,11Cに最大駆動電流を供給し、到達時間経過後に設定レーザ出力に対応した駆動電流を供給するようにしているから、当初から設定レーザ出力に駆動電流を供給する場合に比べて短時間で所定の出力を得ることができる。これによって、各線分の始点付近においてレーザ出力の不足によるかすれ等が防止されて印字品質を向上させることができる。
また、励起用半導体レーザ11A〜11Cの発振波長を希土類ドープ光ファイバ12に含まれている希土類元素の励起波長と同一の波長としており、また、信号用半導体レーザ10の発振波長を希土類元素の発振波長と同一の波長としている(請求項7の構成)から、希土類元素を効率的に励起しつつ、誘導放出を生じさせ易くなっている。従って、短時間で所定のレーザ出力を得ることができ、もって、印字品質の向上に寄与することとなる。
【0042】
また、励起用半導体レーザ11A〜11Cについては、低励起用半導体レーザ11Aは常時駆動しているから、高励起用半導体レーザ11B,11Cの駆動電流を制御すればよく、光源の駆動電流の制御を簡略化することができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、マーキング動作を行わないときは低励起用半導体レーザ11Aをマーキングを行うのに不十分な低レベルで発振させて希土類ドープ光ファイバ12を均一な低励起状態とし、マーキングを行う際には高励起用半導体レーザ11B,11Cも併せて発振させることで希土類ドープ光ファイバ12を短時間で均一な高励起状態となるようにしている(請求項9の構成)。このため、均一な高励起状態にある希土類ドープ光ファイバ12内を信号用半導体レーザ10からのパルスレーザ光が通過することになり、増幅されたパルスレーザ光の出力をそのスポットの中心から同心円に均一な出力分布とすることができる。この結果、被マーキング対象物Wにマーキングしたときにパルスレーザ光のスポットが外側から中央へ同心円を描くようなきれいな彫り口となって印字品質を一層向上させることができる。
【0044】
また、上記の動作以外では、低励起用半導体レーザ11Aを高励起用半導体レーザ11B,11Cと同様にマーキング動作を開始する際にレーザ発振させ、マーキング動作を終了するときにレーザ発振を停止するように構成することもできる(請求項8の構成)。このようにすれば、更なる省電力化を図ることができる。
【0045】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。尚、第1実施形態との相違は信号用半導体レーザ10及び高励起用半導体レーザ11Cが省略されているところにある。
本実施形態では、マルチモードの希土類ドープ光ファイバ12Bの途中に光アイソレータ15が設けられており、この光ファイバ12Bの両端には結合手段16A、16Cが設けられている。そのうち、結合手段16Aには2本の光ファイバ17,18Bが取りつけられてそれぞれ低励起用半導体レーザ11Aと高励起用半導体レーザ11Bのレーザ光が入射されるようになっており、結合手段16Cにはヘッド部2に連なる光ファイバ19が接続されている。
従って、まず低励起用半導体レーザ11Aを駆動して希土類ドープ光ファイバ12Bを低励起状態としておき、マーキング動作を開始する際に高励起用半導体レーザ11Bを駆動して、被マーキング対象物Wにマーキングを施す。このように、信号用半導体レーザ10及び高励起用半導体レーザ11Cを省略したことに伴って装置の構成が簡略化されるから、小型化を図ることができる。
【0046】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果の説明についての説明も省略する。
本実施形態では、結合手段16Aに光ファイバ18Aと希土類ドープ光ファイバ12Cが取り付けられており、この希土類ドープ光ファイバ12Cの開口端のうち結合手段16Aと反対側には全反射ミラー22が取り付けられている。そして、結合手段16Cには同じく希土類ドープ光ファイバ12Dが取りつけられてヘッド部2内に連なっているとともに、ヘッド部2側の開口端(出射端面)には部分透過ミラー23が取り付けられている。
【0047】
本実施形態では、ヘッド部2に連なる光ファイバに希土類ドープ光ファイバ12Dを用いているから、レーザ光の増幅効率を一層高めて更なる省電力化を図ることができる。また、全反射ミラー22及び部分透過ミラー23とにより、希土類ドープ光ファイバ12内で放出されたレーザ光が往復するから、誘導放出が促進されて効率よくレーザ光を増幅させることができる。
【0048】
<第4実施形態>
本発明の第4本実施形態(請求項3,5の発明に対応)について図7を参照して説明する。第1実施形態との相違は、希土類ドープ光ファイバ12のレーザ出力Pの制御方法及びメモリ13Aの記憶内容の一部にあり、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態では、各線分要素の書き始めから所定の基準時間T0でレーザ光のレーザ出力を設定レーザ出力にするのに要する初期駆動電流を励起用光源に供給し、前記基準時間T0経過後にその設定レーザ出力に対応する駆動電流を励起用光源に与えるよう制御する。
【0049】
そのために、本実施形態のメモリ13Aには、入力手段3にて入力設定され得る各設定レーザ出力(P1,P2...)に対応して、希土類ドープ光ファイバ12のレーザ出力を上記基準時間T0で当該設定レーザ出力(P1,P2...)に立ち上げるのに要する初期駆動電流(Ih1,Ih2...)、及び、立ち上がり後に設定レーザ出力に対応する駆動電流(Iex1,Iex2...)が例えばデータテーブルとして記憶した記憶領域が設けられている。なお、各初期駆動電流(Ih1,Ih2...)は、希土類ドープ光ファイバ12のレーザ出力が上記所定の基準時間T0で各設定レーザ出力に立ち上げるのに要する駆動電流を実験的に求めることで得られる。
【0050】
図7に示すように、例えば、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ出力が設定レーザ出力P1に設定されている場合には、その設定レーザ出力P1に対応した駆動電流Iex1及び初期駆動電流Ih1をメモリ13Aから読み出す。そして、マーキング動作を開始するときには、上記所定の基準時間T0の間、高励起用半導体レーザ11B,11Cに初期駆動電流Ih1を供給し、T0経過後に駆動電流Iex1を供給する。
【0051】
また、例えば、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ出力が設定レーザ出力P2に設定されている場合には、その設定レーザ出力P2に対応した駆動電流Iex2及び初期駆動電流Ih2をメモリ13Aから読み出す。そして、マーキング動作を開始するときには、所定の基準時間T0の間、高励起用半導体レーザ11B、11Cに初期駆動電流Ih2を供給し、T0経過後に駆動電流Iex2を供給する。
このような構成であれば、希土類ドープ光ファイバ12からのレーザ光のレーザ出力を、各設定レーザ出力(P1,P2...)にかかわらず、書き始めから常に一定の基準時間T0後に当該設定レーザ出力に到達させることができるから、上記各実施形態に比べてより書き始め付近での印字品質の向上を図ることができる。
なお、本実施形態に上記第2及び第3実施形態を適用してよいことは言うまでもない。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、励起用半導体レーザ11B,11Cに最大駆動電流を供給した後に、所定の駆動電流を供給する構成としていたが、必ずしも最大駆動電流を供給する必要はなく、所定レベルの駆動電流(レーザ出力設定手段での設定レーザ出力よりも高いレーザ出力に対応する初期駆動電流)以上の駆動電流を供給するような構成であれば良い。
【0052】
(2)上記実施形態では、励起用半導体レーザ11Aを低励起用、励起用半導体レーザ11B,11Cを高励起用としたが、これに限らず、例えば励起用半導体レーザ11A,11Bを低励起用、励起用半導体レーザ11Cを高励起用とする構成など、3つ励起用半導体レーザ11A,11B,11Cを自由の組み合わせで低励起用、高励起用とする構成であってもよい。
(3)上記各実施形態では、希土類ドープ光ファイバ12に光アイソレータ15を設ける構造としたが、光ファイバの部分であれば、あらゆる位置に適用可能であり、複数個のアイソレータを設けてもよい。
【0053】
(4)上記各実施形態では、励起用半導体レーザを2個あるいは3個の半導体レーザにより構成したが、これは1個でも4個以上の光源としてもよい。なお、励起用半導体レーザが1個である構成の場合(図1では符号11(11A,11B,11C)のいずれか1つの励起用半導体レーザを選択)、それは高励起用である必要がある。
【0054】
(5)上記各実施形態では、入力装置はコンソールであったが、この限りではなく、パソコンなどのキーボードによって入力するものであっても良い。
【0055】
(6)上記各実施形態では光ファイバはガラスファイバで構成されていたが、プラスチックファイバなどの屈曲可能な樹脂製の光ファイバを利用してもよい。
【0056】
(7)レーザ光を増幅及び伝達する希土類ドープ光ファイバ12は、全長にわたって希土類元素がドープされているものに限らず、増幅に必要な部分だけに希土類元素がドープされているような部分的な希土類ドープ光ファイバを利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレーザマーキング装置のブロック図
【図2】ガルバノミラー装置の回動範囲とマーキング可能レーザ出力範囲を示した模式図
【図3】各レーザ光源及び希土類ドープ光ファイバの動作波形図
【図4】高励起用半導体レーザの駆動電流と希土類ドープ光ファイバのレーザ出力との関係を示した図
【図5】第2実施形態に係るレーザマーキング装置のブロック図
【図6】第3実施形態に係るレーザマーキング装置のブロック図
【図7】第4実施形態における高励起用半導体レーザの駆動電流と希土類ドープ光ファイバのレーザ出力との関係を示した図係るレーザマーキング装置のブロック図
【図8】従来のレーザマーキング装置の高励起用半導体レーザの駆動電流と希土類ドープ光ファイバのレーザ出力との関係を示した図
【符号の説明】
10…信号用半導体レーザ
11…励起用半導体レーザ
11A…励起用半導体レーザ(低励起用半導体レーザ)
11B,11C…励起用半導体レーザ(高励起用半導体レーザ)
12…希土類ドープ光ファイバ
13…制御手段
21A,21B,21C…ドライバ
40…ガルバノミラー装置
M…線分
N1…始点
N3…終点
W…被マーキング対象物
Claims (10)
- 希土類元素を含む希土類ドープ光ファイバと、
この希土類ドープ光ファイバ内に、励起用半導体レーザから駆動電流に応じた励起用レーザ光を入射させることで、その内部の前記希土類元素を励起状態として、前記希土類ドープ光ファイバの出射面から増幅されたレーザ光を出射させるための励起手段と、
この希土類ドープ光ファイバから出射されるレーザ光のレーザ出力を設定するレーザ出力設定手段と、
前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光が被マーキング対象物上に照射されるように走査するガルバノミラー装置と、
前記レーザ出力設定手段でのマーキング可能な設定レーザ出力に応じた駆動電流を前記励起手段に与えて前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力を制御するとともに、前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光が、印字すべき文字・記号・図形等を構成する各線分を等速で走査されるように前記ガルバノミラー装置を駆動制御することで前記被マーキング対象物上にマーキング処理を行なわせる制御手段とを備えたレーザマーキング装置であって、
前記制御手段は、前記各線分をマーキングする際に前記各線分の始点からの書き始めにおいてレーザ光を照射するときに、前記設定レーザ出力に対応する駆動電流よりも高い初期駆動電流を前記励起手段に与え、その後、前記設定レーザ出力に対応する駆動電流を前記励起手段に与えるよう動作することを特徴とするレーザマーキング装置。 - 前記レーザ出力設定手段は、前記設定レーザ出力を変更可能に設定できるようになっており、
前記制御手段は、前記各線分をマーキングする際に前記始点からの書き始めにおいて、所定レベルの前記初期駆動電流を、前記レーザ出力設定手段での各設定レーザ出力に対応して定められた初期駆動電流供給時間まで前記励起手段に与えて、その後、当該各設定レーザ出力に対応する駆動電流を前記励起手段に与えるよう動作させ、前記設定レーザ出力手段での設定レーザ出力が変更されるに伴って前記初期駆動電流供給時間を変更することを特徴とする請求項1記載のレーザマーキング装置。 - 前記レーザ出力設定手段は、前記設定レーザ出力を変更可能に設定できるようになっており、
前記制御手段は、前記各線分をマーキングする際に前記始点からの書き始めにおいて、前記レーザ出力設定手段での各設定レーザ出力に対応して定められた前記初期駆動電流を、所定の基準時間まで前記励起手段に与えて、その基準時間経過後に前記設定レーザ出力に対応する駆動電流を前記励起手段に与えるよう動作させ、前記設定レーザ出力手段での設定レーザ出力が変更されるに伴って前記初期駆動電流を変更することを特徴とする請求項1記載のレーザマーキング装置。 - 前記初期駆動電流供給時間は、前記所定レベルの初期駆動電流を前記励起手段に与えて始めてから、前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力が前記各設定レーザ出力に達するまでの到達時間であって、それらの到達時間情報が各設定レーザ出力に対応付けられて予め記憶される記憶手段が設けられ、
前記制御手段は、前記レーザ出力設定手段に設定されている設定レーザ出力に基づいて前記到達時間情報を前記記憶手段から読み出し、この到達時間経過まで前記所定レベルの初期駆動電流を前記励起手段に与えるよう動作することを特徴とする請求項2記載のレーザマーキング装置。 - 前記初期駆動電流は、所定の基準時間経過までに前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力を前記各設定レーザ出力まで立ち上げるレベルの駆動電流であって、これらの初期駆動電流情報が、前記各設定レーザ出力に対応付けられて予め記憶される記憶手段が設けられ、
前記制御手段は、前記レーザ出力設定手段で設定されている設定レーザ出力に基づいて前記初期駆動電流情報を前記記憶手段から読み出し、この初期駆動電流を前記基準時間経過まで前記励起手段に与えるよう動作することを特徴とする請求項3記載のレーザマーキング装置。 - 前記制御手段は、前記各線分をマーキングする際に前記ガルバノミラー装置を前記各線分の始点の手前から駆動開始してこの始点で目的の速度に達するように加速させ、前記始点から前記各線分の終点までを前記目的の速度で等速にして前記終点から減速させるようにこの終点を越えて駆動させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のレーザマーキング装置。
- 前記希土類ドープ光ファイバ内にその発振波長と略同一波長のレーザ光を入射させる信号用半導体レーザが備えられるとともに、
前記励起用半導体レーザは、前記希土類ドープ光ファイバの励起波長と略同一波長の励起用レーザ光を出射するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のレーザマーキング装置。 - 前記制御手段は、前記線分のマーキング終了から次の線分のマーキング開始までの間、前記励起用半導体レーザからのレーザ光の出力を停止することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のレーザマーキング装置。
- 前記制御手段は、前記線分のマーキング終了から次の線分のマーキング開始までの間、前記希土類ドープ光ファイバからのレーザ光のレーザ出力が前記被マーキング対象物に対してマーキング不能な程度の出力となるよう制御することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のレーザマーキング装置。
- 前記励起用半導体レーザは、前記被マーキング対象物上へのマーキングが不能な程度に前記希土類ドープ光ファイバを励起状態とすべく常時駆動される低励起用半導体レーザと、前記被マーキング対象物上へのマーキングが可能な程度に前記希土類ドープ光ファイバを励起状態とする高励起用半導体レーザとを備えて構成されていることを特徴とする請求項9に記載のレーザマーキング装置。
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