JP4636585B2 - グリップ付き軸筒 - Google Patents
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ゲート部は、その残り方や位置によって軸体の美観を損ねるおそれがある。また、ゲート跡が大きいと、把持した際に手に不快感を与えたり、キャップの嵌合を阻害するおそれという問題がある。
この第1の手段により、ゲート部が軸筒本体の外周にないため外観が向上する。また、グリップ部の外周にゲート部があると、把持時の感触を阻害する。具体的には、使用時、手に不快なひっかかり感を与えたり、スムーズなキャップ嵌合を阻害する。また、ゲート跡があると、そのゲート跡がひっかかりとなるため、手指によるグリップ部のはがれのきっかけとなってしまう。軸筒本体の内方部にゲート部があれば、上記の問題を防止できる。また、貫通部が存在することで、グリップ部のめくれ、はがれがより効果的に防止できる。更に、延伸部が内部の口金などと接するようにすれば、よりはがれなどを防止できるようになるとともに、口金などのガタツキなども防止できる。さらに突出部を形成することで、口金などを軸筒本体の端部にはめ込む際に、ガタ止めや回り止めとすることができる。
なお、軸筒本体の端部とは、前端部、後端部のいずれでもよい。また、本明細書において前方とは、筆記チップが配置されている方をいい、後方とは、筆記チップとは反対方向をいう。
軸筒本体の内部にゲート部を設けるとコアピン等の内部にゲートを形成するトンネルゲート等を設ける必要が生じ、金型構造が複雑になる傾向がある。その結果、量産性が低下したり、コスト高になる。延伸部を軸筒本体の端部まで形成し、かつ、延伸部の端面に形成することで、金型構造を簡易にし、量産性を向上させ、コスト低下が可能となる。
前記尾栓は、尾端部22と、尾端部22の前方に形成された外径が尾端部よりも細い円筒部23と、円筒部23の後方に形成された雄ネジ部24とからなる。雄ネジ部24が、グリップ付き軸筒10の後方に形成された雌ネジ部19と螺合されることで、尾栓20はグリップ付き軸筒10に係止されている。
なお、筆記チップ33は、ボールを用いたボールペン用チップに限定されるものではない。
口金40は、グリップ付き軸筒10の後方から挿入され圧入されることで、グリップ付き軸筒10の内壁と圧接している。さらに、後方に外方へ拡がった顎部41が形成されているため、この顎部41がグリップ付き軸筒10に当接し、前方への移動が規制されている。
グリップ付き軸筒10は、軸筒本体11と、グリップ部70とからなる。
軸筒本体11には、円周方向に3等分した角度(120度)に、貫通孔12が形成されている。
グリップ部70は、軸筒本体11の前方に設けられ、軸筒本体11の外周面を覆うかたちで帯状に形成されたグリップ本体71と、内方部72とからなる。この内方部72は、グリップ本体71と連続して形成され、前記貫通孔12を通じて、軸筒本体11の外表面側から内方に向かって形成された貫通部73と、この貫通部73から軸筒本体11の前端部方向に向かって形成された延伸部74とからなる。グリップ本体71は、図2に図示してあるが、軸筒本体11の前方に設けられた軸筒凹部13の内部に形成されている。
さらに、延伸部74は軸筒本体11の前端部まで形成されている。そして、この延伸部74の端面にゲート部Gを形成してある。
このように、ゲート部Gをグリップ本体71の外表面に設けずに、内方部72に形成したため、ゲート跡によって軸筒本体11の美観を損ねることなく、また、手に不快なひっかかり感を与えないグリップ付き軸筒10を提供することができる。
また、延伸部74を軸筒本体11の前端部まで延伸せず、軸筒本体11の前端部の手前(軸筒本体11の前端部と貫通孔12との間)まで形成し、この延伸部74にゲート部Gを形成することもできる。
また、ゲート部Gの大きさが大きくなければ外観上目立つことを防止できるため、軸筒本体11の前端部を越えて延伸部74を形成し、この外方へ露出した延伸部74にゲート部Gを形成することもできる。すなわち、必ずしも延伸部74の端部と軸筒本体の端部が一致していなくてもよい。
図4は一次側成形時、即ち、軸筒本体11の成形時を示す縦断面図である。キャビティー50内面は、軸筒本体11の外周形状に合わせた形状となっている。このキャビティー50の内部に可動側コアピン61及び固定側コアピン60が配置され、この両コアピンとキャビティー50との隙間である製品部51に樹脂が充填され、軸筒本体11が形成される。樹脂の充填は、ランナー52及びゲート54を通過した樹脂が製品部51に流入されることにより行われる。
なお、軸筒本体11の材質としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、ABS樹脂、PMMAなどを用いることができ、この場合、グリップ部70の材質として、ポリエステル系のエラストマーを用いることが望ましい。また、軸筒本体11の材質を、例えば、ポリプロピレン(PP)を用いることができ、この場合、グリップ部70の材質として、スチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーを用いることが望ましい。
図6は、貫通部73の内周面にゲート部Gを形成したものである。ゲート部Gを形成するためには、コアピンにランナーやゲートを形成するのが一般的である。この場合も、ゲート部Gがグリップ部70の外表面に現れないため、ゲート跡によって軸筒の美観を損ねることなく、また、手に不快なひっかかり感を与えないグリップ付き軸筒を提供することができる。
図7は、延伸部74を軸筒本体11の内壁に沿って、かつ、全周に渡って形成し、かつ、軸筒本体11の前端部まで形成したものである。
延伸部74が軸筒本体11の内壁の全周に渡って形成されているため、例えば、軸筒本体11の端面付近に十分な肉厚を確保できない場合、全周とすることで、樹脂の流動が確保可能となる。
さらに、口金を設ける場合は、回り止めの機能やガタツキ防止の機能をより発揮することができる。
11 軸筒本体
12 貫通孔
13 軸筒凹部
14 軸筒本体内壁
17 溝部
19 雌ネジ部
20 尾栓
22 尾端部
23 円筒部
24 雄ネジ部
30 リフィール
31 インク収納管
32 継手
33 筆記チップ
34 規制部材
35 ボール部材
40 口金
41 顎部
50 キャビティー
51 製品部
52 ランナー
53 固定側プレート
54 ゲート
55 隙間
60 固定側コアピン
61 可動側コアピン
62 凸部
63 凹部
70 グリップ部
71 グリップ本体
72 内方部
73 貫通部
74 延伸部
75 突出部
G ゲート部
Claims (2)
- 二色成形によって軸筒本体の外周にグリップ部が設けられたグリップ付き軸筒において、
前記軸筒本体には、内部に向かって貫通孔と端部方向の内壁に複数の溝部が形成され、
前記グリップ部は、
軸筒本体の外周に形成されたグリップ本体と、
前記グリップ本体と連続して形成され、前記貫通孔を通じて軸筒本体の内部に形成された内方部とからなり、
前記内方部はゲート部と、貫通孔を通過する貫通部と、
軸筒本体の内部に形成され貫通部から軸筒本体の端部方向に沿った前記複数の溝部に形成されるとともに軸筒本体の内壁よりも内方に突出した突出部を形成した延伸部とからなることを特徴とするグリップ付き軸筒。 - 前記延伸部は、軸筒本体の端部まで形成されているとともに、延伸部の端面にゲート部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のグリップ付き軸筒。
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Family
ID=34815992
Family Applications (1)
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- 2004-01-05 JP JP2004000034A patent/JP4636585B2/ja not_active Expired - Fee Related
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