JP4330116B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の後端部にクリップを一体又は付設してなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
「特開2001−10287号公報」
【特許文献2】
「特開2001−146094号公報」
【特許文献3】
「特開昭57−193397号公報」
【特許文献4】
「登録実用新案第3009092号公報」
【0003】
従来から、軸筒の後端部にクリップを一体に形成又は付設した筆記具はよく知られている。こうしたクリップを有する筆記具は、衣服のポケットや本、ノート等の被挟持物を、クリップの内側面に形成した玉部等の挟持部と軸筒との間に挟持して保持している。このクリップと軸筒との挟持力は、クリップの付け根の構造や材質からくる剛性等によって決定される。
【0004】
しかし、移動中の振動や衝撃によってクリップの挟持部と被挟持物が容易に外れてしまうことがないように、より挟持力を高く設定することが望まれている。特に、本や下敷き等の硬質材からなる被挟持物は、外れやすいという問題があった。だからといって、単に挟持力を高くしようとすると、逆にクリップと軸筒間の開きが小さくなってしまいクリップが折れる等、破損しやすいという相反する問題を抱えている。
【0005】
こうしたクリップの挟持力と折れ等の破損を考慮し、特開平2001−10287号公報「筆記具」では、クリップの一部にエラストマー樹脂部を設けたり、特開2001−149094号「筆記具のクリップ取付装置」のように、U字状の挟みバネ等の補強部材を付設する必要があるが、前者は、エラストマー樹脂部での部分的な弾性変形により、折れ等の破損に対する強度は向上するが、挟持力は低下してしまったり、新たに材料や形状によるクリップの挟持力や破損等の耐久性等を検討する必要がある。また、後者は、別部材を付設するため構造が複雑となったり、部品の増加につながり、製造上の問題から低価格品の筆記具に採用するには難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開昭57−193397号公報「滑り止め付筆記具およびその製造方法」で、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の硬質材で形成した筆記具の軸筒に、熱可塑性エラストマー等の軟質材を把持部や軸筒の全体に被着した筆記具の軸筒が開示されている。
【0007】
こうした、硬質材で形成した筆記具の軸筒に、熱可塑性エラストマー等の軟質材を装着するのは、低硬度であるための感触の良さ、及び硬質材に比べ、軟質材の摩擦係数が高いため、筆記具の軸筒を握った際の滑り止めとして効果が高いためである。しかし、熱可塑性エラストマーを軸筒の全体に被着する等、クリップの先端部の挟持部に対面する位置の軸筒表面を軟質材で形成した場合には、前述したように、軟質材の摩擦係数が高いため、クリップの挟持部と軸筒間にポケットや本等が進入しにくく、結果的には挟持しにくいという問題があった。
【0008】
本発明は上記事実に鑑み、従来のクリップの構造や材質を踏襲することができ、容易にクリップと軸筒間で挟持でき、かつ一度挟持したポケットや本等、被挟持部材が硬質材で形成してあっても容易に外れにくい筆記具を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸筒の後端部にクリップを一体に形成又は付設し、クリップの内側面に形成した挟持部と、該挟持部に対面する軸筒表面との間に、被挟持物を挟持可能な筆記具において、前記軸筒が、前記挟持部に対面する軸筒表面及び該挟持部に対面する軸筒表面に対し、円周方向で対向する軸筒表面を硬質材で形成し、前記クリップの挟持部より軸心方向で軸筒後端側の軸筒表面に軟質材で形成したストッパー部を形成するとともに、軸心から前記クリップの内側面に形成した挟持部に対面する位置における軸筒表面までの最大距離L、軸心から前記ストッパー部表面までの最大距離Mとしたとき、L≦Mを満足し、前記軸筒の把持部に軟質材からなるグリップ部材を装着し、軸心から該グリップ部材表面までの最大距離Nとしたとき、N<Lを満足するように形成する。
【0011】
本発明の硬質材とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等の樹脂材料や黄銅、ステンレス等の金属材料など、筆記具の軸筒として一般的に知られている硬質材のことであり、また軟質材とは、シリコーンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、塩化ビニル樹脂、ブタジエンゴム、ウレタンゴムや、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーのような、滑り止め部材として一般的に知られている軟質材のことである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。本実施例では便宜上、ノック式ボールペンとして説明するが、本発明はこれら実施の形態に制限されるものではない。
【0013】
図1、図2に示す、第1の実施の形態における筆記具1は、前軸2と後軸3を螺合してなる軸筒内に回転カム6からなる繰出機構を具備している。該繰出機構は、従来から知られているもので、簡単に説明すると、後軸3の内壁面に回転カム6を前後に摺動案内し回転させるためのカム溝(図示せず)を形成し、このカム溝に、回転カム6に形成した突起を係合して配設してある。回転カム6の後端には、前記回転カム6を摺動し回転を付与するためのカム部を先端に有したノック体5を、ノック体5の後端部が後軸後端部3aの開口部より外方に突出した状態に配設したノック式の筆記具である。
【0014】
軸筒内の回転カム6の前方には、筆記具用インキ(図示せず)を収容したインキ収容管8をスプリング7により後軸後端部3a方向へ付勢して、摺動自在に配設してある。
【0015】
前軸2は、先ず、前軸2をエチレンニトリルスチレン樹脂等の硬質材で成形する。軸筒2の把持部3は、外径が軸筒外径より小径に形成してある。次にオレフィン系エラストマー等の軟質材を把持部に二色成形にて装着しグリップ部材10としてある。
【0016】
前軸2と同様に、後軸3は、後軸2をエチレンニトリルスチレン樹脂等の硬質材で成形する。後軸3にはクリップ4が一体に形成されており、クリップ4の内側面に挟持部4aを形成する。次にオレフィン系エラストマー等の軟質材をクリップの挟持部4aより軸心方向で後軸3の後端部3a側の軸筒表面に位置するように二色成形にて周状に装着して、半円状の突部を有するストッパー部11を形成する。この時、軸心J−Jからクリップ4の内側面に形成した挟持部4aに対面する軸筒表面Aまでの最大距離Lに対して、軸心J−Jからストッパー部11表面までの最大距離Mを同径もしくはそれ以上(L≦M)とすることにより、被挟持物12を挟持した時に、ストッパー部11に必ず当接するので容易に外れることがない。
【0017】
図3に示すように、クリップ4の内側面に形成した挟持部4aに対面する軸筒表面A及びこの軸筒表面に対し、円周方向で対向する軸筒表面Bを、摩擦係数の小さい硬質材とすることで、被挟持物12の部材間を挟持する時に滑りがよく進入(図3の矢印F方向)しやすい。さらに進入が進むと、クリップ4の挟持部4aより軸心方向で後軸3の後端部3a側の軸筒表面に軟質材で形成したストッパー部11を形成してあるので、一度、クリップで挟持してしまえば、被挟持物は摩擦係数の高い軟質材に常に当接しているため、容易に外れることがない。
【0018】
図4に示す第2の実施の形態における筆記具21は、軸心J−Jから前軸2の把持部に装着したグリップ部材10表面までの最大距離Nより、軸心J−Jから後軸23に一体に形成したクリップ24の内側面に形成した挟持部24aに対面する軸筒表面Aまでの最大距離Lを大径(N<L)とした以外は、第1の実施の形態と同様にしてクリップを有する筆記具を得ている。
【0019】
軸心J−Jからグリップ部材10表面までの最大距離Nより、軸心J−Jからクリップ24の挟持部24aに対面する位置の軸筒表面Aまでの最大距離Lを大径(N<L)とすることで、グリップ部材10を軟質材で形成しても、被挟持部材32をクリップ24の挟持部24aに挟持する時に、図5に示すように被挟持部材32とグリップ部材10表面との間に間隙Kが形成され、被挟持部材32がグリップ部材10に当接しにくくなり、クリップ24にスムーズに挟持することが可能となる。
【0020】
本発明の硬質材及び軟質材の材質は、前記実施の形態に限るものでなく、適宜選択して用いることができる。また本実施の形態では、ストッパー部に半円形の突部を設けているが、その形状も特に限定されるものでなく、軸心からストッパー部までの最大距離が、軸心からクリップの内側面に形成した挟持部に対面する位置における軸筒表面の最大距離と同径又はそれ以上であればよい。また本実施の形態では、ストッパー部を周状に設けているが、少なくともクリップの挟持部より軸心方向で軸筒後端側の軸筒表面に形成してあれば特に限定されるものでない。
【0021】
【発明の効果】
本発明は前述したような構成なので、従来のクリップの構造や材質を踏襲することができ、容易にクリップと軸筒間で挟持でき、かつ一度挟持したポケットや本等、被挟持部材が硬質材で形成してあっても容易に外れにくい筆記具を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図2】図1における一部省略した要部拡大図である。
【図3】被挟持部材間にクリップを挟持した状態を示す、一部省略した要部拡大図である。
【図4】第2の実施の形態を示す筆記具の縦断面図である。
【図5】被挟持部材をクリップに挟持した状態を示す、一部省略した要部拡大図である。
【符号の説明】
1、21 筆記具
2 前軸
2a 先端開口部
3、23 後軸
3a、23a 後端部
4、24 クリップ
4a、24a 挟持部
5 ノック部材
6 回転カム
7 コイルスプリング
8 インキ収容管
9 筆記先端部
10 グリップ部材
11、31 ストッパー部
L 軸心から挟持部に対面する位置の軸筒表面までの最大距離
M 軸心からストッパー部表面までの最大距離
N 軸心からグリップ部材表面までの最大距離
Claims (1)
- 軸筒の後端部にクリップを一体に形成又は付設し、クリップの内側面に形成した挟持部と、該挟持部に対面する軸筒表面との間に、被挟持物を挟持可能な筆記具において、前記軸筒が、前記挟持部に対面する軸筒表面及び該挟持部に対面する軸筒表面に対し、円周方向で対向する軸筒表面を硬質材で形成し、前記クリップの挟持部より軸心方向で軸筒後端側の軸筒表面に軟質材で形成したストッパー部を形成するとともに、軸心から前記クリップの内側面に形成した挟持部に対面する位置における軸筒表面までの最大距離L、軸心から前記ストッパー部表面までの最大距離Mとしたとき、L≦Mを満足し、前記軸筒の把持部に軟質材からなるグリップ部材を装着し、軸心から該グリップ部材表面までの最大距離Nとしたとき、N<Lを満足するように形成したことを特徴とする筆記具。
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