JP4632647B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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本発明は電子写真用感光体に関するものである。特に半導体レーザーやLEDアレイ等の光を光源としたプリンター、ファクシミリ、複写機等に好適に使用される電子写真感光体に関するものである。
フタロシアニン顔料は、比較的容易に合成でき、600nm以上の波長域に吸収ピークを有し、さらに他の色素より比較的長波長域まで良好な光導電性を有しており、600nm〜900nmの単色光を発するレーザー、LED等の光で露光する、高速で高画質なプリンター、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に好適な電子写真用感光体として、フタロシアニン顔料を電荷発生物質として用いた電子写真感光体が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
これらの電子写真感光体の電気特性は、必ずしも電子写真装置の露光光源特性に適合したものではなく、露光光源と電気特性の適合性の悪さから、文字の太り、細り、解像度低下等の問題を起こす場合がある。例えば、露光光源に対して感度が高すぎる場合は、文字の太りが起こり同時に解像度が落ちることになり、さらに現像剤であるトナーの消費量も必要以上に増加することとなる。感光体の感度は、採用した電荷発生物質の特性によりほぼ一義的に決まってしまうため、露光装置に適合した感光体を提供することは困難であった。
感光体の光感度を制御するには、例えば光導電材料を分散法で用いる方法が知られているが、バインダー樹脂や有機溶剤は感光体の構成上使用できるものが限られているため、実際には感度を要求に応じて調整することは難しい。そこで、複数のフタロシアニンを混合して用いることにより光感度を調整する技術が知られている(例えば、特許文献3、特許文献4および特許文献5 参照)。
特開昭59―49544号公報 特開昭59−166959号公報 特開昭62−272272号公報 特開平2−183261号公報 特開平2−280169号公報
しかしながら、従前知られた感光体では、感度調整範囲が狭いために、光感度を特定の露光光源にしか調整できなかったり、初期の帯電特性が悪い、残留電位が大きい、繰り返し使用した場合電位変動が大きい等の電気特性上の問題があり、実際には満足できるものではなかった。本発明の目的は、画像形成装置の露光光源が必要とする感度に適合させることができ、画像の線太りや線細りが無く鮮鋭で、且つトナーの消費量が少なく、トナーをカートリッジで提供した場合に長寿命である電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明者らは、電荷発生層中の電荷発生物質と結着樹脂の含有比率を調整し、電荷発生物質となりうるフタロシアニン顔料の含有量を従来より低い特定の範囲とすることにより、初期帯電電位や残留電位が良好で、且つ感度の制御が可能であることを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、導電性支持体上に、電荷発生物質および結着樹脂を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる感光層を有する電子写真感光体を用い、波長600nm〜900nmの単色光で露光する画像形成装置において、該電荷発生層が、β型オキシチタニウムフタロシアニンを電荷発生層全体に対して20〜40重量%含有し、かつ該電荷輸送物質が、特定の一般式で表されるアリールアミン系化合物であることを特徴とする画像形成装置に存する。
本発明によれば、画像形成装置の露光光源が要求する感度に適合させることが可能で
あり、文字の太りや細り又は解像度の等の問題を解決し、高品質な画像を得ることのできる電子写真用感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質が結着樹脂中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質が結着樹脂中に分散された電荷輸送層を有するが、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順に形成したものでも、電荷輸送層、電荷発生層をこの順に形成したものでも構わない。また支持体と感光層の間、電荷発生層と電荷輸送層の間、さらには感光層の上に別の機能層を有していてもよい。各層は必要に応じて酸化防止剤、増感剤となる色素、電子吸引性化合物等を含有していても構わない。
<電荷発生物質>
本発明では、電荷発生物質としてフタロシアニン顔料が用いられる。フタロシアニン顔料は、単独で用いても異なった2種類を混合して使用しても異なった2種類の混晶物を使用しても構わない。本発明で用いられるフタロシアニン顔料としては、電荷発生物質として公知のものを何れも用いることができるが、具体的には例えば、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンが好適であり、金属フタロシアニンとしては、Cu、Co、Pb、Fe、Mg、Ga、Ni、Cr、Zr、Ti、V、Mn、In、Al、Si、Ge、Sn等の中心金属を有するフタロシアニンが挙げられる。ここで中心金属は、酸素、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子を置換基として有していても良い。さらにこれらフタロシアニン顔料の中では、オキシチタニウムフタロシアニンが好適である。
オキシチタニウムフタロシアニンには、電子写真感光体の電荷発生物質として好適な幾つかの結晶形が知られているが、本発明においてはそれらの結晶形のうち何れのものも用いることができる。各種オキシチタニウムフタロシアニンの中でも特に、感度の制御が容易である点により、CuKα特性X線に対するX線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)が、27.3°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、9.3°,13.2°,26.2°および27.1°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンが好適に用いられる。
<電荷発生層>
本発明の電荷発生層は、前記フタロシアニン顔料および結着樹脂を溶剤に溶解あるいは分散して得られる塗布液を、支持体上に塗布、乾燥して形成することができる。
電荷発生物質であるフタロシアニン顔料の量が多すぎると、画像形成装置の露光光源に適合する感度とすることが困難となるため、通常45重量%以下、好ましくは40重量%以下であり、特に好ましくは35重量%以下である。また、電荷発生物質の量が少なすぎると残留電位が上昇して、繰り返し使用時に画像に悪影響が出ることがあるため、通常10重量%以上、好ましくは15重量%以上であり、特に好ましくは20重量%以上である。
電荷発生層の膜厚は、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上であり、通常5μm以下、好ましくは2μm以下である。
電荷発生層を形成する結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルアルコール等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、電子写真特性を満たすものであれば、単独で使用しても2種類以上の樹脂を混合して使用しても構わない。また、2種類以上の共重合樹脂でも構わない。
<支持体>
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、化成皮膜処理等を施してから用いても良い。陽極酸化処理を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、ブロッキング層を設けても良い。
<ブロッキング層>
ブロッキング層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。ブロッキング層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも電気特性およびブロッキング層形成用塗布液の安定性の面から、顕微鏡観察による平均一次粒径が、10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
ブロッキング層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。ブロッキング層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の混合比は任意に選べるが、10〜500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
ブロッキング層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。またブロッキングには、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
<電荷輸送物質>
感光層に用いられる電荷輸送物質としては、ジフェノキノン誘導体、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チオジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などが挙げられる。また、電荷輸送材料は、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの電荷輸送物質の中でも特に下記一般式(1)で表されるアリールアミン系化合物が好適に用いられる。
Figure 0004632647
式(1)中、Ar1〜Ar4は、置換基を有していても良いアリール基を表し、それぞれ同一でも異なっていても構わない。Ar5およびAr6は、置換基を有していても良いアリーレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていても構わない。Xは、置換基を有していても良いアルキレン基を表し、置換基が環を形成していても構わない。
Ar1〜Ar4のアリール基、Ar5,Ar6のアリーレン基およびXは、感光層の電子写真特性、感光層形成時の塗布液に用いられる有機溶媒に対する溶解性などに悪影響を及ぼさない範囲で、それぞれ独立に置換基を有していてもよいが、具体的に有していてもよい置換基としては、
水酸基;
フッ素原子、塩素原子,臭素原子,沃素原子,などのハロゲン原子;
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基、イソプロピル基等のアルキル基;
メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;
アリル基,ベンジル基,ナフチルメチル基,フェネチル基等のアラルキル基;
フェノキシ基,トリロキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;
フェニル基,ナフチル基等の炭化水素系アリール基;
チオフェニル基、フラニル基、ピリジル基等の複素環系アリール基;
スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;
アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;
ジアリルアミノ基;
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基,ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;
ジベンジルアミノ基,ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基,
ジピリジルアミノ基,ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;
また、上記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基があげられる。
これらの置換基はお互いに縮合して、単結合,メチレン基,エチレン基,カルボニル基,ビニリデン基,エチレニレン基等を介した炭素環基;
酸素原子,硫黄原子,窒素原子等を含む,複素環基を形成してもよい。これらの置換基の中でも電気特性を考慮した場合には、アルキル置換基、アルコキシ置換基、アリール置換基が特に好ましい。
更にこれらの中でも、電荷輸送層形成用塗布液の安定性等を勘案すれば、Ar1,Ar3はそれぞれ独立に同一でも異なっていても良い、置換基を有していても構わないフェニル基が好ましい。置換基を有する場合は、アルキル置換基が好ましく、より好ましくは、Nに対してパラ位にアルキル置換基を持つものであり、特にはNに対してパラ位および少なくとも1つのメタ位にアルキル置換基を持つものが好ましい。
Ar2,Ar4は、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等の炭化水素系アリール基または、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基等の複素環系アリール基である。また、これらのアリール基は前記の置換基を有していてもよい。
Ar5,Ar6は、フェニレン基、キシリレン基、ナフチレン基等の炭化水素系アリーレン基または、ピリジレン基、フラニレン基、チオフェニレン基等の複素環系アリーレン基を表わし、Ar5,Ar6は、同一であっても異なっていても良い。
Ar1〜Ar6が、アルキル置換基を有する場合には、アルキル置換基の炭素数が多過ぎると、製造過程で油状となり、晶析、再沈などの分離、精製手法が適用困難となり不利であるので、それぞれのアルキル置換基の炭素数は、通常15以下であり、好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。特に、Ar1,Ar3がメタ位および少なくとも一つのパラ位に有するアルキル基、およびAr2,Ar4がアルキル置換基を有する場合のアルキル置換基は、物性に与える影響が大きく油状となりやすいため、それらのアルキル置換基の炭素数は、通常10以下であり、好ましくは6以下、特に好ましくは4以下である。つまり、より具体的にはメチル基、エチル基、炭素数が3つの直鎖及び分岐アルキル基、炭素数が4つの直鎖および分岐アルキル基が、それそれの置換位置に任意の組み合わせで導入される場合が好ましい。
Ar1,Ar3の具体的な例としては、3,4−ジメチルフェニル基、3−メチル−4−エチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、3,4,6−トリメチルフェニル基、3,4−ジメチル−5−エチルフェニル基、などが挙げられる。これらの中でも、3,4−ジメチルフェニル基が特に好ましい。
電気特性およびコストの点から、Ar2,Ar4は、置換基としてアルキル基、アルコキシ基および/またはアリール基を有することが好ましく、より具体的な例としては、3,4−ジメチルフェニル基、3−メチル−4−エチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、3,4,6−トリメチルフェニル基、3,4−ジメチル−5−エチルフェニル基、4−フェニル−フェニル基、4−メトキシ−フェニル基、4−ベンジルーフェニル基などが挙げられる。
Ar5,Ar6としては、アルキル基、アルコキシ基および/またはアリール基を有するフェニレン基か、無置換のフェニレン基が好ましい。特に、無置換のフェニレン基が好ましい。
Xで表されるアルキレン基は、それぞれ独立に前記の置換基を有していても良いが、なかでも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基のように、窒素原子を有
さない置換基が好ましく、特にアルキル基またはアリール基が好ましい。Xが有していても良いアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基などがあげられ、直鎖および分岐のいずれの構造を持ってもよい。Xが有していても良いアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、チオフェニル基、フラニル基、ピレニル基、など、炭化水素系アリール基および窒素原子を有さない複素環系アリール基があげられる。これらのアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としてはたとえば、
水酸基;
フッ素原子,塩素原子,臭素原子,沃素原子などのハロゲン原子;
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,イソプロピル基等のアルキル基;
メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;
アリル基,ベンジル基,ナフチルメチル基,フェネチル基等のアラルキル基;
フェノキシ基,トリロキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;
フェニル基,ナフチル基等の炭化水素系アリール基;
チオフェニル基,フラニル基,ピリジル基等の複素環系アリール基;
スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;
アセチル基,ベンゾイル基等のアシル基;
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基,ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;
ジベンジルアミノ基,ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
ジピリジルアミノ基,ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;
ジアリルアミノ基;
また、上記の置換アミノ基の有する置換基を2つ組み合わせた、ジ置換アミノ基等の置換アミノ基があげられる。
これらの中でも更に、Xが無置換のメチレン基であるか、少なくとも一つのアルキル置換基を有することが好ましい。特に、アルキル置換メチレン構造であることが好ましく、Xがアルキル置換メチレン構造である場合の総炭素数は、少なすぎると有機溶媒に対する溶解度が低下して吸着剤等による精製処理が困難となる問題があるため、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、多すぎると油状となり固体化しないため、晶析、再沈等の精製処理や、製品として使用する際に包装からの取り出しや秤量などの取り扱いが難しくなる問題が生じる点で好ましくないため、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは7以下である。
Xは具体的には、1,1―エチレン基、1,1−プロピレン基、1,1−ブチレン基、2−メチル-1,1−プロピレン基、1,1−ペンチレン基、2−メチル-1,1−ブチレン基、2,2−ジメチル−1,1−プロピレン基、2−エチル−1,1−ブチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、3,3−ペンチレン基、2−フェニル−1,1−エチレン基があげられる。電子写真感光層を形成する際に溶媒として通常用いられるトルエンに対する溶解度を考慮すると、2−メチル−1,1−ブチレン基など、Ar5
Ar6との結合位置に水素原子が結合した形の分子構造が対称中心を持たない分子となる
ようなアルキレン基であることが更に好ましい。
電荷輸送層は、前記電荷輸送物質を、公知の結着樹脂と共に適当な溶媒中に溶解または、分散し、必要に応じて電子受容性化合物、或いは可塑剤、無機粒子、有機顔料その他の添加剤を添加して得た電荷輸送層形成用塗布液を塗布、乾燥することにより形成すること
ができる。
結着樹脂としては電荷輸送物質との相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送物質が結晶化したり、相分離することのないポリマーが好ましく、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の樹脂を用いることができる。また、これらの部分的架橋硬化物も使用できる。これらの中では、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有している。
結着樹脂の粘度平均分子量が低すぎると機械的強度が不足し、逆に高すぎると感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下するといった不具合が生じるため、粘度平均分子量は通常10,000以上、好ましくは20,000以上であり、通常100,000以下、より好ましくは70,000以下の範囲で用いられる。
電荷輸送層の膜厚は、薄すぎると帯電性や画像欠陥が起こりやすいことから、通常5μm以上、好ましくは10μm以上で用いる。また、厚すぎると、解像度が下がる等の問題があるため、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、更に好ましくは35μm以下で用いる。
<層形成方法>
本発明の電子写真用感光体の感光層は、常法に従って、感光層の含有する成分を含む塗布形成用塗布液を、導電性支持体に塗布、乾燥させることにより製造することができる。
感光層の塗布形成方法としては、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。
スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
スパイラル塗布法としては、特開昭52−119651号公報に開示されている注液塗布機またはカーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に開示されているマルチノズル体を用いた方法等がある。
塗布形成後、塗膜を乾燥させるが、必要且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度時間を調整するとよい。乾燥温度は、高すぎると感光層内に気泡が混入する原因となり、低すぎると乾燥に時間を要し、残留溶媒量が増加して電気特性に悪影響を与えるなどの問題があるため、通常100〜250℃、好ましくは110〜170℃、さらに好ましくは120〜140℃の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
<画像形成装置>
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いても良い。
帯電方法(帯電機)としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロン、スコロトロン
帯電の他に、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電手段を用いてもよい。直接帯電手段としては、導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを用いてもよく、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。このうち、コロナ放電を使用した帯電方法では暗部電位を一定に保つため、スコロトロン帯電が好ましい。導電性ローラー等を用いた接触帯電装置の場合の帯電方式としては、直流帯電または交流重畳直流帯電を用いることができる。
露光光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光、および380〜500nm領域の短波長単色光を用いることができる。
現像工程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁重合、乳化重合凝集法等の重合トナーを用いることができる。特に、重合トナーの場合には、平均径4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写行程はコロナ転写、ローラー転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
除電工程は、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用され、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。また、これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有しても良い。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッ
ジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼,アルミニウム,銅,真鍮,リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写など
の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の製造例および実施例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」と記載しているものは、特に指定しない限り「重量部」を示す。
実施例1
<感光体ドラムの作製>
[電荷発生層の作製]
表面が鏡面加工された、外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるドラムの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔処理剤を用いて封孔処理を行うことより約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このドラム上に、β型オキシチタニウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名#6000−C)20部、1,2−ジメトキシエタン500部を混合し、更にサンドグラインドミルで粉砕、分散処理して得られた電荷発生層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布し、乾燥させて、β型オキシチタニウムフタロシアニンを33重量%含有する電荷発生層を形成した。
[電荷輸送層の作製]
前記電荷発生層上に、下記の電荷輸送物質(1)50部、下記酸化防止剤(1)8部、下記ポリカーボネート樹脂(1)100部とテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(重量比8/2)を混合し、最終的に固形分濃度が23重量%となるようにした電荷輸送層形成用塗布液を、乾燥後の膜厚が25μmになるように浸漬塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成した。このようにして得られた電子写真感光体ドラムをA1とする。
Figure 0004632647
実施例2
下記電荷輸送物質(2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体ドラムB1を作成した。
Figure 0004632647
実施例3
下記電荷輸送物質(3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体ドラムC1を作成した。
Figure 0004632647
比較例A
下記電荷輸送物質(4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体ドラムD1を作成した。
Figure 0004632647
比較例B
下記電荷輸送物質(5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体ドラムE1を作成した。
Figure 0004632647
比較例C
下記電荷輸送物質(6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体ドラムF1を作成した。
Figure 0004632647
比較例1
実施例1で用いた電荷発生層形成用塗布液にて使用したポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名#6000−C)の量を10部にした以外は、実施例1と同様にして、β型オキシチタニウムフタロシアニンを50重量%含有する電荷発生層を形成し、該電荷発生層上に、実施例1と同様にして電荷輸送層を形成して電子写真感光体A2を作成した。
比較例2
電荷発生層として比較例1で形成したものを使用した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B2を作成した。
比較例3
電荷発生層として比較例1で形成したものを使用した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体C2を作製した。
比較例4
電荷発生層として比較例1で形成したものを使用した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体D2を作製した。
比較例5
電荷発生層として比較例1で形成したものを使用した以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体E2を作製した。
比較例6
電荷発生層として比較例1で形成したものを使用した以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体F2を作製した。
<トナー消費量、転写率測定>
感光体ドラムを市販のファックス機(パナソニックコミュニケーションズ製 UF―890)に装着して、気温25°、相対湿度50%(以下、N/N環境ということがある)の環境下において10000枚の画像形成を行った。形成した画像は3%印字パターンを使用した。
画像形成開始前にトナーボックスと廃トナーボックスの重量を計量し、1000枚、3000枚、5000枚、7000枚、10000枚の画像形成毎に、それぞれの重量を計量し、トナーボックスの重量の変化値から画像1枚辺りのトナー消費量を求めた。同様に、1000枚、3000枚、5000枚、7000枚、10000枚の画像形成毎に廃トナーボックスおよびトナーボックスの重量を計量し、下記式から転写率を算出した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004632647
また、1000枚、3000枚、5000枚、7000枚、10000枚の画像形成毎に、文字画像、ハーフトーン、黒ベタ、白ベタの画像を形成した。画像濃度は、黒ベタの画像をマクベス濃度計(マクベス社製 RD−920D)を使用して測定した。濃度計の校正は、黒標準1.8、白標準0.05にて行った。文字の中抜けや文字太り文字細りは文字画像を目視することにより評価した。結果を表1に示す。白カブリ微小黒点は白ベタ画像で、白点は黒ベタとハーフトーン画像における目視検査により行い、いずれのサンプルも良好であった。
Figure 0004632647
実施例7
実施例1で用いた電荷発生層形成用塗布液にて使用したポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製、商品名#6000−C)の量を15部にした以外は、実施例1と同様にして、β型オキシチタニウムフタロシアニンを40重量%含有する電荷発生層を形成し、該電荷発生層上に、実施例1と同様にして電荷輸送層を形成して電子写真感光体A3を作製した。
実施例8
電荷発生層として実施例7で形成したものを使用した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B3を作製した。
実施例9
電荷発生層として実施例7で形成したものを使用した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体C3を作製した。
比較例D
電荷発生層として実施例7で形成したものを使用した以外は、比較例Aと同様にして、電子写真感光体D3を作製した。
比較例E
電荷発生層として実施例7で形成したものを使用した以外は、比較例Bと同様にして、電子写真感光体E3を作製した。
比較例F
電荷発生層として実施例7で形成したものを使用した以外は、比較例Cと同様にして、電子写真感光体F3を作製した。
<画像評価>
感光体ドラムを市販のファックス機(パナソニックコミュニケーションズ製 UF−890)に装着して、N/N環境下において文字画像、ハーフトーン、黒ベタ、白ベタの画像を形成した。実施例1〜6と同様にして、黒ベタ濃度および文字画像を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004632647

高画質でトナー消費量の少ない、プリンター、ファクシミリ、複写機等の電子写真装置に適用可能な電子写真感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (1)

  1. 導電性支持体上に、電荷発生物質および結着樹脂を含有する電荷発生層、および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる感光層を有する電子写真感光体を用い、波長600nm〜900nmの単色光で露光する画像形成装置において、
    該電荷発生層が、β型オキシチタニウムフタロシアニンを電荷発生層全体に対して20〜40重量%含有し、
    かつ該電荷輸送物質が、下記一般式(1)で表されるアリールアミン系化合物であることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004632647

    (式(1)中、Ar1〜Ar4は、置換基を有していても良いアリール基を表し、それぞれ同一でも異なっていても構わない。Ar5およびAr6は、置換基を有していても良いアリーレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていても構わない。Xは、アルキル置換基を有するメチレン構造を表し、該アルキル置換基が環を形成していても構わない。)

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