JP4632511B2 - 筒状物の梱包装容器及び梱包装方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、筒状物の梱包装容器及び梱包装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルムを巻き取ったフィルムロール等の筒状物を梱包部署から使用部署に搬送する場合、筒状物を紙製の段ボール箱に入れて搬送することが行われていた。
紙製の段ボール箱は一度使用すると損傷や吸湿などで強度が低下するため、使用不能となることが多く、段ボールゴミとなる。また、筒状物を支えるアタッチメントとしての支え板、スペーサーなどや箱の固定に用いられているポリプロピレンバンド、テープ、接着剤もゴミとして廃棄しなければならなかった。そこで、何度も繰り返し再使用が可能であり、環境に負荷を与えず、かつ搬送が容易な上、筒状物の梱包が容易で安定して梱包できる梱包装通い容器が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、筒状物を容易に自動で梱包、解梱することができ、かつ梱包部署から使用部署まで搬送し、筒状物を使用した後、折り畳んでワンタッチで減容化し、製造部署に返送することを繰り返し行うことが可能な耐久性、長寿命性、繰り返し使用可能な梱包装容器であって、ゴミの発生がなく、また、廃棄する場合はマテリアルリサイクル性に優れる環境対応型の筒状物の梱包装容器及びこれを用いた梱包装方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プラスチック製の矩形状枠体と、該枠体の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と、該枠体の他の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と底板からなるコの字状底板付き側板と、該枠体の一辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の蓋とからなり、該2枚の側板の枠体取り付け部と、該底板付き側板の枠体取り付け部の下部と、側板の中央部と、側板と底板の連結部とにプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部を設け、箱形の組立状態が扁平な折り畳み状態に変化するようにするとともに、前記2枚の側板の内側に、筒状物の端部を保持するための筒状物支えを側板と一体に設けたことを特徴とする筒状物の梱包装容器に関する。
【0005】
本発明はまた、筒状物の梱包部署で前記の梱包装容器に筒状物を入れ、筒状物の使用部署に搬送し、筒状物を取り出して使用後、梱包装容器を折り畳んで筒状物の梱包部署に返送することを繰り返し行うことを特徴とする筒状物の梱包装方法に関する。
【0006】
【作用】
本発明の梱包装容器は、部材がすべて一体化して構成されており、ひもやテープなどの包装用の副資材を必要とせず、ワンタッチで組立て及び折り畳みが可能である。また、プラスチック段ボール等のリサイクル可能な環境に害を与えない材料を使用しており、何度も再生でき、資源、資材が節減でき、多少のイニシャルコストはかかるがファイナルコストを大幅に低減することができる。また、紙製段ボール、並びにひもやテープなどの包装用の副資材は1回使用毎にゴミが発生せず、廃棄する場合もマテリアルリサイクル可能なPP、PE容器素材及び部品素材で統一することで、回収、再利用が可能である。さらに、素材はメルト油化分解により処理可能であるため、サーマルリサイクル原料となり、燃料への活用においても、焼却時のSOx、NOxなどの有害物を発生せず、環境負荷を低減し、環境対応にも優れている。
また、部材は紙粉などを発塵しない材料であるためクリーンであり、また空隙構造の板状物であり軽量で保冷性にも優れている。
【0007】
本発明の筒状物の梱包装方法は、上記の梱包装容器を用いているので、筒状物の挿入が容易で、かつ安定して固定保持できる。また、筒状物の自動挿入にも対応できる。また、筒状物を使用後、簡単に折り畳むことができ、梱包部署に返送する際には、容器の容積を大幅に小さくすることができ、部材が一体構造であるため折り畳みもワンタッチに行うことができ、収納及び減容を簡単に行うことができる。また、副資材、部材が分割タイプのものと異なり、紛失のおそれや別管理の煩雑さがなく、使い勝手に優れている。
【0008】
【実施例】
図1は本発明の一態様の梱包装容器の箱形の組立状態を示す斜視図であり、図2は図1の梱包装容器の折り畳み状態を示す斜視図である。図3は図1の梱包装容器のA−A部分断面図であり、図4はB−B部分断面図である。ポリプロピレン製の矩形の枠体1の相対向する枠体短辺1aにポリプロピレン製のプラスチック段ボールからなる2枚の側板2がそれぞれ取り付けられており、側板の枠体取り付け部にはプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部4が設けられ、側板2は内側に折り曲げ可能な構造となっている。枠体及びプラスチック段ボールの材質は上記のものに限られないが、溶融再生、再利用が可能であり、廃棄の際にはリサイクルが可能なように油化又は分解可能なプラスチックであることが好ましい。
【0009】
枠体1の枠体長辺1bには、プラスチック製段ボール製のコの字状の底板3aと側板3b、3cとからなる底板付き側板3が取り付けられている。側板3b、3cの各々の枠体取り付け部下部と、側板3b、3cの各々の中央部と側板3b、3cと底板3aの各々の連結部にはプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部4が設けられており、コの字状の底板付き側板3は折り折り畳み可能な構造となっている。枠体1の一辺にはヒンジ部4′を介して蓋5が取り付けられている。蓋の内面側の中央部には発泡ポリスチレン製の筒状物を非接触又は接触状態で保持し得る蓋天部緩衝シート6が張り付けられている。
【0010】
蓋5の開口辺5aには、中央部に蓋5のプラスチック製段ボールを下方に直角に折り曲げたタブ部10aが設けられ、タブ部10a下部には左右にタブ部10aの一部を内側に折り曲げたロック爪部11aが設けられており、枠体1に係合可能な係止部を構成している。この係止部により簡単に蓋をすることができる。
【0011】
側板2の各々の内側には筒状物の端部を保持するための筒状物支えが側板と一体に設けられている。この実施例においては、筒状物の端部を受容する半円形底部を持つ切り欠き部7を有する筒状物支え板8が板状の発泡ウレタン製の弾性部材9を介して一体に設けられている。筒状物支え板には筒状物の端部が切り欠き部7容易に受容されるように筒状物の端部をガイドするガイドテーパー12が設けられている。
この弾性部材は、収納する筒状物の長さが変化した場合においても、筒状物の側面を保持できるようなバネ弾性力を有する伸縮部材であることが好ましい。弾性部材としては、気体を内包するマット、空気袋、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン、スポンジ、ゴム弾性体などの材質からなるものが好ましく、必要により金属バネ体を用いてもよい。また、筒状物の端部を受容する切り欠き部の形状は、半円形のほかに、矩形であっても、多角形であっても、放物線形であってもよい。また、支えと弾性部材により筒状物が保持できれば切り欠き部は必ずしも必要ではない。
また、本実施例においては、筒状物の外側を筒状物支えで保持しているが、筒状物の筒内に挿入された筒あるいは棒により筒状物を保持してもよい。
【0012】
図3は図1のA−A断面図、図4は図1のB−B断面図である。弾性部材9は下方に広がるテーパーを有しており、筒状物をガイドし入れやすく、また弾性を有するため筒状物の長さの変化に対応でき、筒状物の両端を押さえ、安定して収納することができる。
【0013】
筒状物支え板8の表面には、滑り性を有する高密度ポリプロピレン製表層シート8aが張り付けられており、筒状物の受容性を良好にしている。表層シート8aの材質としてはその他に高密度ポリエチレン、パーフルオロエチレンなどが用いられる。シートは単層のみならず、複層化したものであってもよい。滑り性の他に耐久性、耐引き裂き性に優れたものが好ましい。筒状物支え板8は剛性シート8bと緩衝軟質シート8cを複数枚交互に積層した積層体からなり、緩衝軟質シートが剛性シートより切り欠き部内側上部に突き出した構造をしており、筒状物やそのカバーフィルムの損傷を防止している。剛性シート8bとしてはポリプロピレンシートが用いられており、ポリエチレンシート、プラスチック製段ボールであってもよく、緩衝軟質シート8cとしては発泡ポリエチレンシートが用いられており、発泡ポリプロピレンシート等も用いられる。
【0014】
筒状物支え板8と弾性部材9の間には、プラスチック段ボール製の突当板13が設けられており、該突当板13が筒状物支え板の切り欠き部に相当する面部分で半円形の形状に表出した突当面部13aと、突当面部13aの上辺の中央部から上方に短冊状に伸び、先端が内側に折り曲げられて筒状物押さえ爪13bを形成している。この筒状物押さえ爪13bにより筒状物が安定的に固定される。また、突き当て板13の短冊の下部の突当面部13aには左右に切り込みが入れられており、筒状物押さえ爪13bに弾性を付与し、筒状物の挿入時に筒状物押さえ爪13bを開放ガイドし、筒状物の挿入を容易にするとともに、挿入後はプラスチックのバネ弾性により筒状物押さえ爪13bを平面に戻し、筒状物押さえ爪13bはロック状態となり、筒状物が安定的に固定される。
【0015】
底板3aには中央部に蓋天部緩衝シート6と同じ材質の底部緩衝シート14が張り付けられており、筒状物を大きな衝撃より保護する。底板3aの側縁は上部に折れ曲がってタブ部3a′を形成し、タブ部3a′には側板2の下端の一部を折り曲げて形成した側板係止用突起15を梱包装容器を組み立てたときに嵌合して側板2を固定するための嵌合孔16が設けられている。
【0016】
図1に示す箱型の組立状態の梱包装容器に筒状物を挿入すると、筒状物は損傷せずに、容易に安定に保持して梱包することができる。筒状物を取り出した後は、図2、図3及び図4に示すように、左右の側板2をヒンジ部4を軸として上に引き上げ、次いで底板付き側板をヒンジ部4で折り畳むことにより、一体化した保持アタッチメントがワンタッチで簡単に扁平な形状に折り畳まれ、容積を大幅に減少することができる。枠体1の各短辺1a外側には、中央部に下方に折り曲げられたタブ部10bが設けられ、タブ部10b下部には左右にタブ部10bの一部を内側に折り曲げたロック爪部11bが設けられている。梱包装容器の折り畳み時には、ロック爪部11bが嵌合孔16に嵌合し、折り畳み状態を維持する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の梱包装容器及び梱包装方法は、筒状物を自動又は半自動で容易に、安定に保持して梱包することができる。また、弾性部材を備えることにより筒状物の幅の変化にも追従することができる。更に、本発明の梱包装容器は梱包部署から使用部署まで搬送し、筒状物を取り出した後、ワンタッチで折り畳んで製造部署に返送することを繰り返し行うことが可能なリユース通い箱であり、分離された部材、部品がなく、結束バンド、テープ、接着剤などのゴミの発生がない。また、使用部材として環境負荷の少ない循環可能な部材を使用すれば、廃棄する場合もリサイクル性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の梱包装容器の箱形の組立状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の梱包装容器の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
1a 枠体短辺
1b 枠体長辺
2 側板
3 底板付き側板
3a 底板
3a′タブ部
3b 側板
3c 側板
4 ヒンジ部
4′ ヒンジ部
5 蓋
6 蓋天部緩衝シート
7 切り欠き部
8 筒状物支え板
8a 表層シート
8b 剛性シート
8c 緩衝軟質シート
9 弾性部材
10a タブ部
10b タブ部
11a ロック爪部
11b ロック爪部
12 ガイドテーパー
13 突当板
13a 突当面部
13b 筒状物押さえ爪
14 底部緩衝シート
15 側面係止用突起
16 嵌合孔
Claims (7)
- プラスチック製の矩形状枠体と、該枠体の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と、該枠体の他の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と底板からなるコの字状底板付き側板と、該枠体の一辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の蓋とからなり、該2枚の側板の枠体取り付け部と、該底板付き側板の枠体取り付け部の下部と、側板の中央部と、側板と底板の連結部とにプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部を設け、箱形の組立状態が扁平な折り畳み状態に変化するようにするとともに、前記2枚の側板の内側に、筒状物の端部を保持するための筒状物支えを側板と一体に設けた筒状物の梱包装容器であって、該筒状物支えが筒状物の端部を受容するための切り欠き部を有する筒状物支え板からなり、筒状物端部を切り欠き部にガイドするガイドテーパーを有するものであり、該筒状物支え板が剛性シートと軟質シートを複数枚交互に積層させた積層体からなり、軟質シートが剛性シートより切り欠き部の内側に突き出した構造のものである筒状物の梱包装容器。
- プラスチック製の矩形状枠体と、該枠体の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と、該枠体の他の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と底板からなるコの字状底板付き側板と、該枠体の一辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の蓋とからなり、該2枚の側板の枠体取り付け部と、該底板付き側板の枠体取り付け部の下部と、側板の中央部と、側板と底板の連結部とにプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部を設け、箱形の組立状態が扁平な折り畳み状態に変化するようにするとともに、前記2枚の側板の内側に、筒状物の端部を保持するための筒状物支えを側板と一体に設けた筒状物の梱包装容器であって、該筒状物支えが筒状物の端部を受容するための切り欠き部を有する筒状物支え板からなり、筒状物端部を切り欠き部にガイドするガイドテーパーを有するものであり、該筒状物支えが弾性部材を介して側板と一体に設けられており、該弾性部材が下方に広がるテーパーを有する板状物である筒状物の梱包装容器。
- プラスチック製の矩形状枠体と、該枠体の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と、該枠体の他の相対向する辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の2枚の側板と底板からなるコの字状底板付き側板と、該枠体の一辺に取り付けられたプラスチック段ボール製の蓋とからなり、該2枚の側板の枠体取り付け部と、該底板付き側板の枠体取り付け部の下部と、側板の中央部と、側板と底板の連結部とにプラスチック製段ボールの厚さの一部を切断してなるヒンジ部を設け、箱形の組立状態が扁平な折り畳み状態に変化するようにするとともに、前記2枚の側板の内側に、筒状物の端部を保持するための筒状物支えを側板と一体に設けた筒状物の梱包装容器であって、該筒状物支えが筒状物の端部を受容するための切り欠き部を有する筒状物支え板からなり、筒状物端部を切り欠き部にガイドするガイドテーパーを有するものであり、該筒状物支えが弾性部材を介して側板と一体に設けられており、該筒状物支え板と弾性部材の間に突当板が設けられており、該突当板が、筒状物支え板の切り欠き部に相当する面部分に表出した突当面部と、突当部の上辺の中央部から上方に短冊状に伸び、先端が内側に折り曲げられた筒状物押さえ爪とを有する筒状物の梱包装容器。
- 筒状物支えの表面に滑り性を有する緩衝シートが張り付けられている請求項1〜3いずれか記載の筒状物の梱包装容器。
- 蓋の内面側中央部に筒状物を非接触又は接触状態で保持し得る蓋天部緩衝シートが張り付けられている請求項1〜4いずれか記載の筒状物の梱包装容器。
- 蓋が、開口辺の中央部を下方に直角に折り曲げたタブ部と該タブ部の一部を内側に折り曲げたロック爪部からなり、枠体に係合可能な係止部を有する請求項1〜5いずれか記載の筒状物の梱包装容器。
- 筒状物の梱包部署で請求項1〜6いずれか記載の梱包装容器に筒状物を入れ、筒状物の使用部署に搬送し、筒状物を取り出して使用後、梱包装容器を折り畳んで筒状物の梱包部署に返送することを繰り返し行うことを特徴とする筒状物の梱包装方法。
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