JP4632452B2 - 画像補正処理装置、画像補正処理方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば文字領域、写真領域、網点領域のような領域毎に適した補正処理をするための画像補正処理装置、画像補正処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
原稿画像を光学的に読み取り、読み取った画像を紙等の記録媒体上に印刷する複写機が従来から提案されている。しかしながら、複写機のスキャナで光学的に読み取った画像のエッジ(輪郭)は、原稿画像のエッジに比べてなだらかとなり、このまま記録媒体上に記録印刷を施すと、シャープ感が損なわれた印刷画像しか得られなかった。また、印刷画像のシャープ感を出す目的で、読み取り後にエッジ強調処理を実施すると、網点部分に生ずるモアレも強調されてしまう弊害があった。そこで、像域分離を使った技術が提案されている。像域分離とは、例えば、読み取った画像データを文字領域と網点領域の2領域に分離し、文字領域に対してはエッジ強調処理を施し、網点領域に対しては平滑化処理を施すことで、印刷画像のシャープ感の向上とモアレの低減とを両立する技術である。
しかしながら、この像域分離処理において領域の誤り判定があると、例えば、文字に対して平滑化処理を施す、あるいは、網点に対してエッジ強調を施すこととなり、逆に印刷画像を劣化させてしまうことになっていた。また、像域分離の精度によっては、例えば文字の一部を文字領域と判定し、文字の他部を網点領域と判定することもあり、実際の文字の記録において、エッジ強調と平滑化の処理の切り換えが発生する。エッジ強調と平滑化の処理の切り換えが発生すると、著しく印刷画像を劣化させることとなっていた。これを防止するために、以下の技術が提案されている。
過去に提案されている第1の技術は、エッジ量に応じて連続的にエッジ強調量を設定する技術である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された第1の技術によれば、エッジ量に応じた適応的なエッジ強調が可能となり、印刷画像の画像劣化を低減することが可能となる。
第2の技術はエッジ量に応じて適応的にエッジ強調量を設定し、且つ網点の場合は適応的な設定をOFFにする技術である(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された第2の技術によれば、エッジ量に応じた適応的なエッジ強調が可能であり、また網点に対するエッジ強調を低減することが可能可能となる。
また、第3の技術は、黒画素の連結度と黒画素の濃度差に応じて文字、写真及び網点を含む多数の領域に分離する技術である(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示された第3の技術によれば、より細かい像域分離が可能となる。
特許登録03099354号 特開2002−077623号公報 特許登録03472094号
特許文献1に開示された第1の技術の場合、エッジ量(変動量)に着目して適応的にエッジ強調量を設定している。しかしながら、網点も文字と同様にエッジを持つ為、文字と同様なエッジ量(変動量)を持つ場合がある。このとき、網点に対しても文字と同様にエッジ強調量が大きくなり、モアレを強調してしまうことが課題となっている。
また、特許文献2に開示された第2の技術の場合、第1の技術と同様にエッジ量(変動量)に着目して適応的にエッジ強調量を設定する。ただし、この技術では、網点の周期(変動回数)にも着目しており、網点の周期(変動回数)によって適応的なエッジ強調量設定をOFFにしている。その為、網点へのエッジ強調を停止し、モアレ強調を減らすことができる。しかしながら、ある変動回数まではエッジ強調量が変動量に応じて適応的であるが、所定の変動回数に達すると、エッジ量に関係なくエッジ強調量は適応的ではなくなってしまう。したがって、所定の変動回数に達すると処理の切り替わりが発生し、結果として印刷画像の劣化を招くことが課題である。
さらにまた、特許文献3に開示された第3の技術の場合、黒画素の連結度と黒画素の濃度差を考慮した像域分離が行われる。この場合、黒画素の連結度が大きければ、画像信号の変動量は小さくなる為、網点の周期(変動回数)に着目していると言える。また、黒画素の濃度差は、画像信号の変動量であり、エッジ量(変動量)に着目していると言える。そして、変動回数と変動量共に3値以上設定し、少なくとも文字、写真及び網点を含む多数の領域に像域分離し、分離精度を向上している。しかしながら、第3の技術では、変動回数と変動量に応じて適応的に分離すること及び適応的に処理強度を適用することが開示されていない。すなわち、第3の技術適用のみでは、変動回数または変動量に応じた適応的な処理ができない。よって、処理の切り替わりが発生し、印刷画像を劣化してしまうことが課題である。
また、前記第1乃至第3のいずれの技術においても、「それぞれ目的は異なるが、複数の互いに相互作用し合う補正処理を使用する例」は開示されていない。したがって、当然にして「それぞれ目的は異なるが、複数の互いに相互作用し合う補正処理の処理強度を適用的に適用すること」は開示されていない。
すなわち、上記「それぞれ目的は異なるが、複数の互いに相互作用し合う補正処理を使用する例」に対して、第1、第2の技術の適用では「互いに相互作用し合う」部分に対応出来ないので、特定の組み合わせ時に印刷画像の劣化が発生する事が課題となっている。また、第3の技術の適用では、補正処理の数が増えるに応じて補正処理の切り替わりの回数が多くなり、印刷画像において画像劣化の発生個所が増加する事が課題となっている。 従って、本発明の目的は、印刷画像において画像劣化の発生しない画像補正処理を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態における画像補正処理装置は、画像補正処理装置であって、
処理対象画像に対し、注目画素を含む複数画素で構成される領域を設定する領域設定手段と、
前記領域内の画素の輝度値の変化の頻度を表現する値である変動回数を算出する変動回数算出手段と、
前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向を検出し、前記領域内の当該エッジ方向における画素の輝度値の変化の大きさを表現する値である変動量を算出する変動量算出手段と、
前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向における輝度値の変化の加速度を表現する値である変動加速度を算出する変動加速度算出手段と、
前記領域内の少なくとも前記注目画素に対して前記エッジを強調するための第1補正強度を、算出した前記変動回数と前記変動量とに従って設定する第1設定手段と、
前記領域内で、前記注目画素に対して前記エッジを強調するための置換画素を選択する選択手段と、
選択された前記置換画素を補正するための第2補正強度を、算出した前記変動回数、前記変動量、および前記変動加速度に従って設定する第2設定手段と、
前記注目画素の輝度値を前記第1補正強度に従って補正する第1補正手段と、
選択された前記置換画素の輝度値を前記第2補正強度に従って補正する第2補正手段と、
を備える、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の、さらに他の実施形態における画像補正処理装置の制御方法は、画像補正処理装置の制御方法であって、
処理対象画像に対し、注目画素を含む複数画素で構成される領域を設定する領域設定工程と、
前記領域内の画素の輝度値の変化の頻度を表現する値である変動回数を算出する変動回数算出工程と、
前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向を検出し、前記領域内の当該エッジ方向における画素の輝度値の変化の大きさを表現する値である変動量を算出する変動量算出工程と、
前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向における輝度値の変化の加速度を表現する値である変動加速度を算出する変動加速度算出工程と、
前記領域内の少なくとも前記注目画素に対して前記エッジを強調するための第1補正強度を、算出した前記変動回数と前記変動量とに従って設定する第1設定工程と、
前記領域内で、前記注目画素に対して前記エッジを強調するための置換画素を選択する選択工程と、
選択された前記置換画素を補正するための第2補正強度を、算出した前記変動回数、前記変動量、および前記変動加速度に従って設定する第2設定工程と、
前記注目画素の輝度値を前記第1補正強度に従って補正する第1補正工程と、
選択された前記置換画素の輝度値を前記第2補正強度に従って補正する第2補正工程と、
を備える、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の、さらに他の実施形態においては、前記実施形態の画像補正処理装置の制御方法を記述したコンピュータで実行可能なプログラムを提供する。
上記の目的を達成するために、本発明の、さらに他の実施形態においては、前記実施形態の画像補正処理装置の制御方法を記述したプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本発明によれば、印刷画像において画像劣化の発生しない画像補正処理を提供することが可能となる。
以下、本発明実施の形態を説明する。
<MFP装置>
図1の(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るマルチファンクションプリンタ装置(以下、MFP装置ともいう)1の概観斜視図である。このMFP装置1は、ホストコンピュータ(以下PCともいう)からデータを受信して印刷する通常のPCプリンタとしての機能、スキャナとしての機能を有する。さらにはMFP装置単体で動作する機能として、スキャナで読取った画像を印刷する複写機能、メモリカード等の記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って印刷する機能、或いはデジタルカメラからの画像データを受信して印刷する機能を備えている。
図1の(a)及び(b)において、MFP装置1はフラットベットスキャナ等の読取装置34、インクジェット式や電子写真式等による印刷装置33、および表示パネル39や各種キースイッチ等を備える操作パネル35により構成されている。また、MFP装置1の背面にはPCと通信するUSBポート(不図示)が設けられ、PCとの通信が行われる。さらに、各種メモリカードからデータを読み出すカードスロット42、デジタルカメラとデータ通信を行うカメラポート43、自動で原稿を原稿台にセットするオートドキュメントフィーダー(以下ADFともいう)31等からMFP装置1は構成されている。
図2は図1に示すMFP装置1の機能ブロック図を示す。図2において、CPU11は、MFP装置1が備える様々な機能を制御し、図1の操作パネル35に対応する操作部15での所定の操作に従い、ROM16に記憶された各種の処理のプログラムを実行する。CCDを備える読取部14は、図1の読取装置34に対応し、原稿画像を読取り、赤(R)、緑(G)および青(B)色のアナログ輝度データを出力する。なお、読取部14は、CCDの代わりに密着型イメージセンサ(CIS)を備えてもよい。また、図1のようなADF31を備えれば、連続で原稿を読取る事が出来る。
また、カードインターフェイス22も図1のカードスロット42に対応し、例えばディジタルスチルカメラ(Digital Still Camera、以下DSCともいう)で撮影され、メモリカード等に記録された画像データを、操作部15での所定の操作に従い読み込む。なお、カードインターフェイス22を介して読み込まれた画像データの色空間は、必要ならば、画像処理部12により、DSCの色空間(例えばYCbCr)から標準的なRGB色空間(例えばNTSC−RGBやsRGB)に変換される。また、そのヘッダ情報に基づき、読み込まれた画像データは、有効な画素数への解像度変換等、アプリケーションに必要な様々な処理が必要に応じて施される。また、カメラインターフェイス23も図1のカメラポート43に対応し、DSCに直接接続して画像データを読み込むためのものである。
画像処理部12においては、後述する画像解析、変換特性の算出、輝度信号(RGB)から濃度信号(CMYK)への変換、スケーリング、ガンマ変換、誤差拡散等の画像処理等の画像処理が行われ、それによって得られるデータは、RAM17に格納される。そして、RAM17に格納された補正データが、図1の印刷装置33に対応する記録部13で記録するのに必要な所定量に達すると、記録部13による記録動作が実行される。
また、不揮発性RAM18は、バッテリバックアップされたSRAM等で、画像処理に固有のデータ等を記憶する。また、操作部15は、図1の操作パネル35に相当し、記憶媒体に記憶された画像データを選択し、記録をスタートするためにフォトダイレクト記録スタートキー、原稿を記録させるキー、原稿を読み込ますキー、モノクロ複写時やカラー複写時における複写スタートキー等を有する。さらに、複写解像度や画質等のモードを指定するモードキー、複写動作等を停止するためのストップキー、並びに、複写枚数を入力するテンキーや登録キー等を有する。CPU11は、これらキーの押下状態を検出し、その状態に応じて各部を制御する。
表示部19は図1の表示パネル39に対応し、ドットマトリクスタイプの液晶表示部(LCDともいう)およびLCDドライバを備え、CPU11の制御に基づき各種表示を行う。また、記憶媒体に記録されている画像データのサムネイルを表示する。記録部13は図1の印刷装置33に対応し、インクジェット方式のインクジェットユニット701、汎用IC等によって構成され、CPU11の制御により、RAM17に格納されている記録データを読み出し、ハードコピーとして出力する。
駆動部21は、上述した読取部14および記録部13それぞれの動作における、給排紙ローラを駆動するためのステッピングモータ、ステッピングモータの駆動力を伝達するギヤ、および、ステッピングモータを制御するドライバ回路等から構成される。
センサ部20は、記録紙幅センサ、記録紙有無センサ、原稿幅センサ、原稿有無センサおよび記録媒体検知センサ等から構成される。CPU11は、これらセンサから得られる情報に基づき、原稿および記録紙の状態を検知する。
PCインターフェイス24は、接続されるPCとMFP装置1とのインターフェイスであり、MFP装置はPCインターフェイス24を介してPCからの要求に応じて印刷記録、スキャン等の動作を行う。
複写動作時は、読取装置34で読取った画像データをMFP装置内部でデータ処理し、印刷装置33で印刷する。
操作部15により、複写動作が指示されると、読取部14は原稿台に置かれた原稿を読取る。読取られたデータは画像処理部12に送られ、後述する画像処理が施された後、記録部13に送られ印刷が行われる。
<画像処理>
図3は複写時に、MFP装置1で実行される画像処理の動作を表すフローチャート図である。以下、各ステップについて説明を記述するが、本発明の本質でない部分の処理方法の詳細は割愛する。
MFP装置1の読取部14で読取られ、A/D(Analog/Digital)変換された画像データは、ステップ301により撮像素子であるCCDのばらつきを補正するシェーディング補正が施される。その後、ステップ302で、入力デバイス色変換が行われる。これによりデバイス固有であった画像データが、IEC(国際電気標準会議:International Electrotechnical Commission)により定められた sRGB や Adobe Systems 社により提唱されている AdobeRGB 等、標準的な色空間領域へと変換される。ここでの変換方法は、3x3や3x9のマトリクスによる演算方式や、変換規則を記載したテーブルを参照し、それに基づいて決定するルックアップテーブル方式等が挙げられる。
変換された画像データは、ステップ303において、画像補正/加工処理が施される。ここでの処理内容は、読取りによるボケを補正するエッジ強調処理や、文字の判読性を向上させる文字加工処理、光照射による読取りで発生した裏写りを除去する処理等が挙げられる。本発明の特徴となる処理は、このステップで実行するのが望ましい。
ステップ304では、拡大/縮小処理が実行され、ユーザーにより変倍指定がされている場合や、2枚の原稿を一枚の紙に割り当てる割付け複写等で、所望の倍率に変換される。ここでの変換方法は、バイキュービック法やニアレストネイバー法等の方法が一般的である。ステップ305では、標準色な色空間上の画像データを、出力デバイスに固有の画像データへと変換する出力デバイス色変換処理が実行される。本実施形態では、インクジェット方式の印刷装置33を備えたMFP装置1であり、この場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のインク色画像データへの変換処理が実行される。この変換処理もステップ302と同様の方式を用いればよい。
さらに、ステップ306において、記録可能なレベル数への変換である量子化処理が行われる。例えば、インクドットを打つ/打たないの2値で表現する場合あれば、誤差拡散等の量子化方法において、2値化すればよい。これにより、印刷装置33が記録可能な画像データ形式となり、ここでの処理は終了し、それに基づいて記録動作が実行され、画像が形成される。
<画像処理単位>
図4(a)は、本発明の特徴となる処理(以下画像補正処理)を実施する際の処理単位について説明する図である。
先ず、処理単位が画素単位の場合を説明する。図4(a)の○印の画素を注目画素とすると、図4(a)の太線のように注目画素を含む7×7画素で構成される領域(7×7領域)を設定する。この設定した7×7領域内の画像データを用いて注目画素に対する補正強度を設定して注目画素を補正する。注目画素の補正後は、例えば図4(b)の×印の画素のように、注目画素に隣接する画素を次の注目画素と設定し、前記説明したように×印を注目画素として7×7領域を設定して同様に補正処理を実行する。以降、同様に順次注目画素を1画素ずつ移動し、その都度7×7領域を設定することによって補正対象の画素の全てについて補正する。
次に、処理単位が領域単位の場合を説明する。図4(a)の○印の画素に対して7×7領域を設定し、○印の画素に対して設定する補正強度を7×7領域内の複数画素、例えば全画素に適用する。次の処理は、図4(c)の△印の画素に対して7×7領域を設定することで、○印の画素に対する7×7領域と△印の画素に対する7×7領域とが隣接するように処理単位を移動する。ただし、処理単位を画素単位とした方がより高い精度で補正強度を設定できる為、好適である。以下に説明する実施形態は、処理単位を画素単位として説明する。
図5は処理単位の移動する動作を説明するフローチャート図である。ステップ501は処理対象の設定処理であり、処理の開始後、最初の処理対象を設定する。ステップ505からステップ501に戻った場合は、次の処理対象を設定することになる。
ステップ502では処理領域を設定する。処理領域とは前記説明したように処理単位を含む複数画素(前記説明では7×7領域)で構成される領域である。
ステップ503では補正強度を設定する。すなわち、処理単位に対する補正強度を設定する。そして、ステップ504で、ステップ503で設定した補正強度を使用して処理単位を補正する。ステップ505では最終補正対象の判定を行い、処理した処理単位が最後の処理単位であるか否かを判定する。最後の処理単位でなければ(NO)ステップ501に戻り、最後の処理単位であれば(YES)この処理の終了となる。
以下の実施形態では処理領域を7×7領域として説明している。これは図1で説明する読取装置34と図2で説明する読取部14で使っているCCD又はCIS等の撮像素子の1画素が読む原稿の画素範囲を6画素以内とするよう設計した為である。尚、6画素以内の設計と言っても、原稿台からの原稿の浮きや原稿の凹凸等によって、撮像素子に入射する原稿からの反射光は種々の影響を受ける。その為、実際には6画素を超える範囲を読み取る場合もある。以下の実施形態の説明において、原稿を読み取った画像信号の説明図を複数示すが、これらの画像信号も必ずしも6画素以内の反射光とは限らない。図6は撮像素子の1画素に入射する原稿からの反射光範囲を簡易的に示している。
本実施形態で使用した撮像素子は、図6(a)に示すように撮像素子の1画素に対して、原稿の7画素範囲から6画素以内の反射光が入射するよう設計されている(前述したように場合によっては6画素を超える場合もある)。つまり、原稿の1画素の反射光は撮像素子7画素に影響している。これが背景技術で述べたエッジのボケを発生し、シャープ感を損なう原因となっている。以下の実施形態は、ボケを低減することを目的の1つとしている。例えば、後述の実施形態2では、注目画素を置換候補画素で置換してエッジを強調する。したがって、注目画素に対応する原稿画素の影響が少ない画素領域から置換候補を選択するとエッジ強調の効果は高くなる。そこで最低限、原稿画像の1画素の影響を受けている領域は処理領域として確保するため、7×7領域を処理領域と設定している。
しかしながら、エッジ強調の効果をより高くする為、7×7を超える領域を参照領域とすることも有効である。また、図6(b)に示すように撮像素子の1画素に対して、原稿の3画素範囲から反射光が入射する設計とした場合は、処理領域を3×3領域のように小さく設定してもよい。このように参照領域は、原稿画像の1画素が影響する撮像素子の画素数や、スポット径、ボケ画素数、MTF(Modulation Transfer Function)等の撮像素子の性能に応じて適宜設定すればよい。
ここで、本発明の実施形態の説明に使用される言葉の定義と限定について以下に記載する。
変動回数とは、以下の実施形態では注目する領域内の輝度変化における符号変化数(零交差点数)として説明する。しかしながらこれに限定されるものではなく、注目する領域内の画像信号に関連する値の1次微分の零交差点数や空間周波数、2値化後の黒白の変化数等、画像信号に関連する値の変化の頻度を表現する値であると定義するものである。
変動量とは、以下の実施形態では、注目する画素に対する輝度の差の絶対値(エッジ量)として説明する。しかしながらこれに限定されるものではなく、注目する画素の画像信号に関連する値の1次微分の絶対値等、変化の差分(大きさ)を表現する値、または注目する領域内の画像信号に関連する値の変化の差分(大きさ)を代表して表現する値であると定義するものである。
変動加速度とは、以下の実施形態では注目する領域内の輝度の差からさらに差をとった値として説明する。しかしながらこれに限定されるものではなく、注目する領域内の画像信号に関連する値の2次微分等、変化の加速度を表現する値であると定義するものである。
彩度とは、以下の実施形態では注目する画素または領域における各色の画像信号差の内最大絶対値として説明するが、これに限定されるものではなく、輝度軸からの距離を表現する値であると定義するものである。
適応的に補正強度を設定するとは、以下の実施形態で説明するように少なくとも前記定義した変動回数、変動量、変動加速度、彩度の夫々取り得る値領域の内、夫々少なくとも一部の値領域において、夫々の値毎に異なる補正強度を設定することであると定義する。 以下、実施形態の詳細を説明する。尚、画像信号の取り得る範囲を0〜255を例に説明するが、画像信号の範囲はこれに限るものではなく、MFP装置、画像処理に適するよう設定すればよい。
<実施形態1>
実施形態1は補正強度をエッジ強度とし、補正処理をエッジ強調フィルタ処理とする。すなわち、後述するエッジ強調フィルタによるエッジ強調量を、変動回数と変動量に基づいて適応的に設定するエッジ強度によって補正する。以下は、エッジ強度設定と設定したエッジ強度の適用する説明である。
図7は実施形態1における補正強度設定の処理のフローチャートを示しており、該フローチャートのステップに沿って補正強度設定を説明する。
まず、処理の開始後のステップ701で、処理領域設定の処理を実行する。RGBの多値の画像信号で構成される画像において、注目画素を中心とした横7画素、縦7画素で構成される7×7領域の処理領域を設定し、該処理領域の各画素値から式(1)に従って輝度Lを算出し、輝度Lの7×7領域の処理領域を生成する。
L=(R+2×G+B)/4・・・式(1)
尚、本実施形態1では、式(1)で算出した輝度Lを用いているが、別の輝度を適用してもよい。例えば、均等色空間L*a*b*のL*を輝度としてもよく、YCbCrのYを輝度としてもよい。図8(a1)は、白を背景とした黒の縦線を横方向に読み取った際の輝度値Lを示している。図8(a2)は、白を背景し、横方向に並んだ網点を横方向に読み取った際の輝度値Lを示している。
次に、ステップ702で4方向抽出処理を実行する。すなわち、ステップ701で生成した輝度Lの処理領域から、図9に示すように横1方向、縦1方向、斜2方向の合計4方向の各7画素を抽出する。
次のステップ703では、L差分算出処理が実行される。すなわち、ステップ702で抽出した4方向の輝度値Lから、各方向5画素の輝度値Lの差分Grdを図10と式(2)に示すように算出する。ここで、画素(i)の輝度値をL(i)、前画素(i−1)の輝度値をL(i−1)及び後画素(i+1)の輝度値をL(i+1)とする。
Grd(i)=L(i+1)−L(i−1)・・・式(2)
尚、L差分算出の方法はこれに限らず、隣接同士の差分でもよく、前記で説明した前後の画素より更に離れた画素同士の差分でもよい。
図8(b1)と図8(b2)は、夫々図8(a1)と図8(a2)の輝度値Lに対して式(2)を適用して求めた差分Grdを示している。
次に、ステップ704でエッジ方向判定処理が行われる。すなわち、ステップ703で算出した4方向の差分Grdで、注目画素の4方向の差分Grd絶対値を求める。4方向の差分Grd絶対値の内、最大の差分Grd絶対値である方向を注目画素のエッジ方向として判定する。
さらに、ステップ705で変動量算出処理を実行する。ここでは、ステップ704で判定したエッジ方向について、ステップ703で算出したエッジ方向の差分Grdの5画素から、最大絶対値を注目画素の変動量(エッジ量)として算出する。変動量が大きい程急峻なエッジであり、変動量が弱い程平坦に近いエッジであることを示す。
さらにまた、ステップ706で変動回数算出処理が行われる。ここでは、ステップ703で算出した4方向の差分Grdから、4方向合計の変動回数を算出する。変動回数は図11(a)に示すように差分Grdの符号が+から−、又は−から+に変化する回数を算出する。さらに図11(b)に示すようにGrdの符号が+から0そして次の画素で−又は−から0そして次の画素で+に変化する回数を注目画素の変動回数(零交差点数)として算出する。
尚、実施形態1では、図11(c)に示すように複数画素の0を挟んで符号が変化する場合や図11(d)に示すように、0にはなるが符号の変化がない場合には変動回数としてカウントしていない。複数画素の0を挟んだ場合や0にはなるが、符合が変化しない場合は太線である可能性があり、ステップ708と、後に説明される図14のステップ1403で述べるように、太線に対しては図11(a)や図11(b)の細線とは別強度を設定できる利点があるからである。
また、図8に示すように、文字は網点に比べて変動回数が少ない傾向にあるが、原稿の濃度均一性やシェーディング精度によっては、図12(a)に示すように、文字の場合も差分Grdに振幅の小さい変化が多くなる場合がある。この場合、変動回数が網点のように多くなり、後述の補正強度設定を実施すると、網点に近いエッジ強度が設定されてしまう弊害が起こる。そこで、ステップ705で算出した変動量が、設定した閾値を超えるような比較的大きい場合は、小さい差分Grdを0に平滑化すると、より精度の高いエッジ強度の設定が可能である。具体的には、図12(b)に示すように、ステップ705で算出した変動量を閾値(エッジ閾値)と比較し、変動量がエッジ閾値を超える場合は、平滑化閾値を設定する。平滑化閾値以下の差分Grd絶対値の場合は、図12(c)に示すように差分Grdを0として変動回数を算出する。これにより、文字の変動回数を少なく抑えることができ、エッジ強度設定の精度を高く出来る。
図7の処理にもどり、引き続きステップ707で変動回数に基づくエッジ強度設定Fz1の処理を行う。すねわち、ステップ706で算出した変動回数に応じ、適応的にエッジ強度Fz1を設定する。図13(a)はステップ707におけるエッジ強度Fz1の設定を説明する図であり、横軸は変動回数、縦軸はエッジ強度Fz1を示している。文字の可能性が高い、第1閾値より小さい変動回数の場合は、エッジを強調する為にエッジ強度Fz1を1に設定する。線の数が多く、モアレの発生し易い網点の可能性が高い、第2閾値より大きい変動回数の場合は、モアレを強調しない為にエッジ強度Fz1を0に設定する。第1閾値以上且つ第2閾値以下の変動回数の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする必要がある。その為、変動回数=第1閾値のときエッジ強度Fz1=1、変動回数=第2閾値のときエッジ強度Fz1=0となるように、変動回数毎に異なるエッジ強度Fz1を適応的に設定する。具体的には図13(a)の参照や、以下の式(3)によって適応的に設定できる。
Fz1=(第2閾値−変動回数)/(第2閾値−第1閾値)・・・式(3)
さらにステップ708で変動回数に基づくエッジ強度の設定を行う。この場合、ステップ706で算出した変動回数に応じ、適応的にフィルタ強度Fz2を設定する。図13(b)は、ステップ708におけるフィルタ強度Fz2の設定を説明する図であり、横軸は変動回数、縦軸はフィルタ強度Fz2を示しており、図13(a)と組み合わせ、図13(c)となることを目的としている。ステップ706で述べたように変動回数が0の場合は太線である可能性が高い。太線を後述するエッジ強調フィルタを用いてエッジ強調すると、太線の縁部が濃くなる縁取りが発生する。もし縁取りを取り除きたい場合、図13(b)のように太線である可能性が高い、第3閾値より小さい変動回数の場合は、エッジ強調を抑える為にフィルタ強度Fz2を0に設定する。細線である可能性が高い第4閾値より大きい変動回数の場合は、エッジ強調する為にフィルタ強度Fz2を1に設定する。第3閾値以上且つ第4閾値以下の変動回数の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする為に変動回数=第3閾値のときフィルタ強度Fz2=0、変動回数=第4閾値のときフィルタ強度Fz2=1となるように変動回数に異なるフィルタ強度Fz2を適応的に設定する。具体的には図13(b)の参照や以下の式(4)によって適応的に設定できる。
Fz2=(変動回数−第3閾値)/(第4閾値−第3閾値)・・・式(4)
Fz1×Fz2によって図13(c)のエッジ強度を実現できる。縁取りを有りとしたい場合は、変動回数に関係なくフィルタ強度Fz2=1を設定すればよい。
引き続きステップ709において、変動量に基づくエッジ強度設定処理を実行する。すなわち、ステップ705で算出した変動量に応じ、適応的にエッジ強度Feを設定する。図13(d)はステップ709におけるエッジ強度Fe設定を説明する図であり、横軸は変動量、縦軸はエッジ強度Feを示している。平坦である可能性が高い第5閾値より小さい変動量の場合は、小さい変動を強調して画像を荒らさない為にエッジ強度Fe=0を設定する。エッジの可能性が高い第6閾値より大きい変動量の場合は、エッジ強調する為にエッジ強度Fe=1を設定する。第5閾値以上且つ第6閾値以下の変動量の場合は、処理切り換えを目立ち難くする為に変動量=第5閾値のときエッジ強度Fe=0、変動量=第6閾値のときエッジ強度Fe=1となるよう変動量毎に異なるエッジ強度Feを適応的に設定する。具体的には図13(d)の参照や、以下の式(5)によって適応的に設定できる。
Fe=(変動量−第5閾値)/(第6閾値−第5閾値)・・・式(5)
かくして、補正強度設定の処理は終了する。
図14は、実施形態1における補正処理の動作を表すフローチャートを示しており、該フローチャートのステップに沿って補正処理を説明する。
処理の開始後ステップ1401でエッジ強調量算出処理が行われる。すなわち、ステップ701で設定したRGBの7×7領域に対して、エッジ強調フィルタを掛けた際の注目画素値と掛ける前の注目画素値との差分(エッジ強調量)を各色毎に算出する。本実施形態1では、注目画素を中心として5×5エッジ強調フィルタを掛ける例で説明をする。しかしながら、ステップ701で設定した処理領域サイズ以下のフィルタサイズであればよく、フィルタ係数値も適宜設定すればよい。図15(a)は5×5のエッジ強調フィルタのフィルタ係数の一例である。注目画素値をN0とし、図15(a)のフィルタを通した結果の注目画素値をN1とし、エッジ強調量をΔFとすると、エッジ強調量ΔFは式(6)を使って算出できる。
ΔF=N1−N0・・・式(6)
また、注目画素のフィルタ係数を図15(b)のように、図15(a)の注目画素位置のフィルタ係数から図15(a)のフィルタ合計値を引いた値とすることで、図15(b)を適用すれば、エッジ強調量ΔFを算出することができる。
次に、ステップ1402に進み、エッジ強度Fz1によるエッジ強調量補正処理を実行する。すなわち、ステップ1401で算出したエッジ強調量ΔFをステップ707で設定したエッジ強度Fz1で補正する。補正したエッジ強調量ΔFz1は式(7)を使って算出する。
ΔFz1=Fz1×ΔF・・・式(7)
ステップ1402によって、変動回数が少ない文字に対しては比較的強くエッジ強調し、変動回数が多い網点に対しては比較的弱くエッジ強調を施すことが可能で、文字のシャープ感を増加することと、モアレを強調しないことを両立させることが出来る。
次のステップ1403では、フィルタ強度Fz2によるエッジ強調量補正が実行される。すなわち、ステップ1402で算出したエッジ強調量ΔFz1を、ステップ708で設定したフィルタ強度Fz2で補正する。補正したエッジ強調量ΔFz2は式(8)を使って算出する。
ΔFz2=Fz2×ΔFz1・・・式(8)
図13(b)のようにフィルタ強度Fz2を設定した場合、ステップ1403によって、太線に対しては縁取りがでないようエッジ強調が施され、細線に対しては太線より強くエッジ強調することで、シャープ感の増加と黒文字の濃度増加を施すことができる。
さらにステップ1404に進み、エッジ強度Feによるエッジ強調量補正処理が実行される。すなわち、ステップ1403で算出したエッジ強調量ΔFz2を、ステップ709で設定したエッジ強度Feで補正する。補正したエッジ強調量ΔFeは式(9)を使って算出する。
ΔFe=Fe×ΔFz2・・・式(9)
ステップ1404によって、文字のようなエッジ部は比較的強くエッジ強調し、背景や写真のような平坦部は比較的弱くエッジ強調を施すことが出来る。これにより文字のシャープ感の増加、モアレの強調を防止、写真を荒らさない等が可能となる。
最後にステップ1405において、エッジ強調フィルタ処理完了の処理を行う。すなわち、ステップ1404で算出したエッジ強調量ΔFeを、式(10)に示すように注目画素値N0に加算することで、本実施形態1によるエッジ強調フィルタ処理画素値Neを算出する。
Ne=N0+ΔFe・・・式(10)
尚、エッジ強調フィルタ処理画素値Neを所望のレンジにクリップする処理を入れてもよい。かくして、補正処理の動作を終了する。
以上説明した実施形態1による効果を説明する。図16は、実施形態1により設定した適応的な補正強度を変動回数と変動量を座標軸として示している。尚、ここで示す補正強度は、エッジ強度Fz1、Fz2とフィルタ強度Feの全てを適用した際の強度(Fz1×Fz2×Fe)である。図16(a)は、太線に縁取りを出す場合の設定であり、図16(b)は、太線に縁取りを出さない場合の設定を示しており、濃度が高い程補正強度が強いことを示している。
従来、変動回数に対しては適応的に補正強度を設定できないことが課題であったが、本実施形態1では、図16に示す通り変動回数に対しても適応的に補正強度を設定できる効果がある。変動量のみならず変動回数によって補正強度を変えることができる為、背景技術で説明した第1の技術の課題である網点に対するエッジ強調によるモアレ弊害を低減できる効果がある。また、変動回数に応じて適応的に補正強度を設定できる為、同第2の技術の課題である変動回数による処理の切り換え弊害を低減できる効果がある。また、変動回数と変動量に応じて適応的に補正強度を設定できる為、同第3の技術の課題である変動回数と変動量による処理の切り換え弊害を低減できる効果がある。
図17は600dpiの解像度で原稿を読み取った画像の、エッジ強調前とエッジ強調後を示している。図17(a1)と(a2)は7ptサイズの数字「5」の一部であり、夫々本実施形態1のエッジ強調前とエッジ強調後の状態を示している。また、図18(a1)と(a2)は、夫々図17(a1)と(a2)に対応しており、図17(a1)と(a2)中に示した16画素の画像信号を示している。
図17(b1)と(b2)は150線スクリーン角30°の網点で50%濃度を表現しており、夫々実施形態1のエッジ強調前と後を示している。また、図18(b1)と(b2)は夫々図17(b1)と(b2)に対応しており、図17(b1)と(b2)中に示した16画素の画像信号を示している。
図17(c1)と(c2)は人間の目の一部を表現した写真であり、夫々実施形態1のエッジ強調前と後を示している。また、図18(c1)と(c2)は夫々図17(c1)と(c2)に対応しており、図17(c1)と(c2)中に示した16画素の画像信号を示している。
図17と図18に示すように、実施形態1文字エッジの画像信号の強調と、網点エッジの画像信号を文字エッジ程は強調しないことと、写真エッジの画像信号を文字エッジ程は強調しないこととを両立することができる。
<実施形態2>
実施形態1ではフィルタ処理によるエッジ強調を適応的な強度で実施する例を説明したが、実施形態2ではエッジ強調と平滑化を適応的な強度で実施する例を説明する。
実施形態1の図7に示すステップ707において、図13(a)のエッジ強度Fz1ではなく、図19に示すエッジ強度Fz1を用いる。図19のエッジ強度Fz1は−の強度も持つことが特徴である。エッジ強度が+の場合はエッジを強調する効果を持つが、エッジ強度が−の場合はエッジを弱める(平滑化する)効果を持つ。図19に示すように、網点の可能性が高い変動回数(第2a閾値より大きい変動回数)に対して−のエッジ強度を設定することにより、網点を平滑化することができる。すなわち、実施形態1では網点によるモアレを強調しないようにしたが、実施形態2ではモアレを低減することができる。
以下に平滑化する別の例を説明する。図20は実施形態2における補正強度設定のフローチャートである。図20に示すフローチャートのステップ2001〜ステップ2009は、実施形態1で既に説明した図7のフローチャートのステップ701〜ステップ709と夫々同じである為、説明は省略する。実施形態1と異なるステップについて説明する。
すなわち、ステップ2010においては、ステップ2006で算出した変動回数に応じて適応的に平滑化強度Azを設定する。図21はステップ2010における平滑化強度Azの設定を説明する図であり、横軸は変動回数、縦軸は平滑化強度Azを示している。文字の可能性が高い第7閾値より小さい変動回数の場合は、平滑化しない為に平滑化強度Azを0に設定する。網点の可能性が高い第8閾値より大きい変動回数の場合は、平滑化する為に平滑化強度Azを1に設定する。第7閾値以上且つ第8閾値以下の変動回数の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする為に変動回数=第7閾値のとき平滑化強度Az=0、変動回数=第8閾値のとき平滑化強度Az=1となるように変動回数毎に異なる平滑化強度Azを適応的に設定する。具体的には図16の参照や、以下の式(11)によって適応的に設定できる。
Az=(第8閾値−変動回数)/(第8閾値−第7閾値)・・・式(11)
図22は実施形態2における補正処理のフローチャートである。図22のフローチャートにおけるステップ2201〜ステップ2205は、実施形態1で既に説明した図14のフローチャートのステップ1401〜ステップ1405と夫々同じである為、説明は省略する。したがって、実施形態1とは異なるステップのみについて説明する。
ステップ2206においては、ステップ2001で設定したRGBの7×7領域のブロックに対して、平滑化フィルタを掛けた際の注目画素値の変化量(平滑化量)を各色毎に算出する。本実施形態2では、注目画素を中心として5×5平滑化フィルタを掛ける例で説明をするが、ステップ2001で設定した処理領域サイズ以下のフィルタサイズであればよく、フィルタ係数値も適宜設定すればよい。図23(a)は5×5平滑化フィルタのフィルタ係数の一例である。注目画素値をN0とし、図23(a)のフィルタを掛けた結果の注目画素値をN2とし、平滑化量をΔAとすると、平滑化量ΔAは式(12)を使って算出できる。
ΔA=N2−N0・・・式(12)
また、注目画素のフィルタ係数を図18(b)のように、図18(a)の注目画素位置のフィルタ係数から図18(a)のフィルタ合計値を引いた値とすることで、図18(b)を適用するだけで平滑化量ΔAを算出することができる。
さらにステップ2207では、ステップ2206で算出した平滑化量ΔAをステップ2010で設定した平滑化強度Azで補正する。補正した平滑化量ΔAzは式(13)を使って算出する。
ΔAz=Az×ΔA・・・式(13)
ステップ2207によって、変動回数が少ない文字に対しては比較的弱く平滑化することでシャープ感を損なわず、変動回数が多い網点に対しては比較的強く平滑化を施してモアレを低減できる。
さらにステップ2208においては、ステップ2207で算出した平滑化量ΔAzを、次式(14)に示すように、ステップ2205で算出した注目画素値のエッジ強調フィルタ処理画素値Neに加算することによって、本実施形態2によるフィルタ処理画素値Nfを算出する。
Nf=Ne+ΔAz・・・式(14)
尚、フィルタ処理画素値Nfを所望のレンジにクリップする処理を入れてもよい。次に、以上説明した実施形態2による効果を説明する。実施形態1では、変動回数が比較的多い網点に対してエッジ強調を抑えることができる為、モアレを強調しない効果がある。しかし、画像補正処理前に既にモアレが発生している場合、実施形態1においては、モアレをそれ以上悪化することはなくても、良化することはできない。しかしながら、実施形態2においては、変動回数が比較的多い網点に対して平滑化を強く施すことができる為、モアレを低減する効果がある。また、変動回数が少ない文字に対しては平滑化を弱くできる為、文字のシャープ感を損なうこともない。
<実施形態3>
実施形態1ではフィルタ処理によるエッジ強調を適応的な強度で実施する例を説明した。図24(a)は白の背景中に黒の縦直線が描かれた原稿を白の背景から黒の縦直線にかけて読み取った画像信号Gの値を示している。ここで、図24(a)に示す値と同値が画像の縦方向に並んでいる場合、エッジ強度Fz1、フィルタ強度Fz2、エッジ強度Feを、全て1の強度で図15のフィルタを使って実施形態1を実施すると、図24(a)の画像信号が図24(b)のようになる。図24(b)は図24(a)に比べてエッジが強調されるが、図24(c)のようにエッジ中に中間値がない状態ではない。実施形態3においては、実施形態1のエッジ強調に加え、置換を適応的な強度で実施して図24(c)に近づけることで更にエッジ強調する例を説明する。
図25は実施形態3の補正強度設定のフローチャートである。図25のフローチャートにおいて、ステップ2501〜ステップ2509は、実施形態1で既に説明した図14のフローチャートのステップ701〜ステップ709と夫々同じである為、説明は省略する。したがって、実施形態1と異なるステップのみについて説明する。また、実施形態3は実施形態2と組み合わせて使用することも可能である。
まず、ステップ2510では、ステップ2504で判定したエッジ方向について、ステップ2502で抽出した4方向の内、エッジ方向の輝度値Lの7画素から最大輝度値Lと最小輝度値Lの画素位置を判定する。そしてステップ2511に進み、ステップ2504で判定したエッジ方向について、ステップ2503で算出したエッジ方向の差分Grdから3つの連続する画素の変動加速度Lapを算出する。変動加速度Lapの算出方法は式(15)で表される。但し、画素Grd(i)の前画素をGrd(i−1)、また後画素をGrd(i+1)とする。図8(c1)と図8(c2)は夫々図8(b1)と図8(b2)のGrdに対して式(15)を適用して求めたLapを示している。
Lap(i)=Grd(i+1)−Grd(i−1)・・・式(15)
尚、変動加速度Lapの算出方法はこれに限らず、Grdの隣接同士の差分でもよい。
次に、ステップ2512では、ステップ2510で判定した最大輝度値Lと最小輝度値Lの画素位置と、ステップ2511で算出した変動加速度Lapから置換画素位置を判定する。図8のように、変動加速度Lapの符号が+の場合は、注目画素の輝度値Lは最大輝度値Lよりも最小輝度値Lに値の大きさが近く、変動加速度Lapの符号が−の場合は注目画素の輝度値Lは最小輝度値Lよりも最大輝度値Lに値の大きさが近い傾向がある。そこで、表1に示すように変動加速度Lapの符号に対して置換画素位置を判定し、置換すれば図24(c)を実現することができる。実施形態3では表1のように置換画素位置を判定する。しかしながら、注目画素の変動加速度Lapが0となるエッジ中心の扱いについては表1に限るものではなく、注目画素の変動加速度Lapが0であれば、最大輝度値Lの画素位置にしてもよいし、また逆に最小輝度値Lの画素位置にしてもよい。
次にステップ2513では、ステップ2511で算出した変動加速度Lapの絶対値に応じて適応的に置換強度Clを設定する。置換強度Clを変動加速度Lapの絶対値によらず、置換強度Cl=1に設定することで、図24(c)を得ることができる。ただ、常に置換強度Cl=1とするとジャギーが目立つ場合がある。そこで、ここではジャギーを抑えつつ、図24(b)よりもエッジを強調できる置換例を説明する。図26(a)はステップ2513における置換強度Clの設定を説明する図であり、横軸は変動加速度絶対値、縦軸は置換強度Clを示している。エッジ中心付近である第9閾値より小さい変動加速度の場合は、置換しない為に置換強度Clを0に設定する。エッジ中心付近を置換しないように設定するのはジャギー発生を目立たなくする目的である。エッジ中心から離れた第10閾値より大きい変動加速度絶対値の場合は、置換する為に置換強度Clを1に設定する。第9閾値以上且つ第10閾値以下の変動加速度分絶対値の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする為に変動加速度絶対値=第9閾値のとき置換強度Cl=0、変動加速度絶対値=第9閾値のとき置換強度Cl=1となるように変動加速度絶対値毎に異なる置換強度Clを適応的に設定する。具体的には図26(a)の参照や以下の式(16)によって適応的に設定できる。
Cl=(変動加速度絶対値−第9閾値)/(第10閾値−第9閾値)・・・式(16)
さらにステップ2514では、ステップ2506で算出した変動回数に応じて適応的に置換強度Czを設定する。第11閾値と第12閾値を使い、ステップ2507と同様に図26(b)の特性で置換強度Czを適応的に設定する。変動回数が第11閾値より小さい太線の場合は置換強度Cz=1、第12閾値より大きい細線や網点の場合は置換強度Cz=0、第11閾値以上且つ第12閾値以下の場合は式(17)によって適応的に設定できる。
Cz=(第12閾値−変動回数)/(第12閾値−第11閾値)・・・式(17)
またステップ2515では、ステップ2505で算出した変動量に応じて適応的に置換強度Ceを設定する。第13閾値と第14閾値を使い、ステップ2509と同様に図26(c)の特性で置換強度Ceを適応的に設定する。変動量が第13閾値より小さいの場合は置換強度Ce=0、第14閾値より大きい場合は置換強度Ce=1、第13閾値以上且つ第14閾値以下の場合は式(18)によって適応的に設定できる。
Ce=(変動量−第13閾値)/(第14閾値−第13閾値)・・・式(18)
図27は実施形態3の補正処理のフローチャートである。図27のフローチャートのステップ2701〜ステップ2705は、実施形態1で既に説明した図14のフローチャートのステップ1401〜ステップ1405と夫々同じである為、説明は省略する。したがって、実施形態1と異なるステップについてのみ説明する。
まずステップ2706においては、ステップ2512で判定した置換画素位置の画素値を用いて置換量を算出する。ステップ2501で設定したRGBの7×7領域からステップ2512で判定した置換画素位置のRGB値を抽出する。注目画素値をN0とし、置換画素位置の画素値をC0とし、置換量をΔCとすると、置換量ΔCは式(19)を使って算出できる。
ΔC=C0−N0・・・式(19)
<補正処理ステップ2707:Clによる置換量補正>
ステップ2706で算出した置換量ΔCを、図25に示すステップ2513で設定した置換強度Clで補正する。補正した置換量ΔClは式(20)を使って算出する。
ΔCl=Cl×ΔC・・・式(20)
したがってステップ2707によって、ジャギー発生を抑えた置換が施される。さらにステップ2708に進み、ステップ2707で算出した置換量ΔClを、図25に示すステップ2514で設定した置換強度Czで補正する。補正した置換量ΔCzは式(21)を使って算出する。
ΔCz=Cz×ΔCl・・・式(21)
したがってステップ2708によって、太線は置換を強くし、細線は置換を弱くしてジャギー発生を抑えた置換を施すことができる。
さらにまた、ステップ2709では、ステップ2708で算出した置換量ΔCzを、図25に示すステップ2515で設定した置換強度Ceで補正する。補正した置換量ΔCeは式(22)を使って算出する。
ΔCe=Ce×ΔCz・・・式(22)
したがってステップ2709によって、文字等のエッジ部は比較的強く置換することでシャープ感を向上し、平坦部は比較的弱く置換することで荒れを防止することが出来る。
次にステップ2710に進み、ステップ2709で算出した置換量ΔCeを式(23)に示すように注目画素のエッジ強調フィルタ値Neに加算することで、本実施形態3によるフィルタと置換によるエッジ強調した注目画素値Ncを算出し、処理を終了する。
Nc=Ne+ΔCe・・・式(23)
尚、注目画素値Ncを所望のレンジにクリップする処理を入れてもよい。
以上説明した実施形態3による効果を説明する。実施形態1のエッジ強調フィルタによるエッジ強調に加え、実施形態3の置換を使ったエッジ強調を実施することで、実施形態1よりも更にシャープ感を増す効果が得られる。また、実施形態1の縁どりが出ないようにした場合は、太線のエッジ強調が弱くなるが、実施形態3によって縁取りが出ないことは維持したまま実施形態1よりもエッジを強調する効果がある。また、変動回数が比較的多い網点に対しては置換を弱くできる為、モアレを強調することもない。さらに、変動量が比較的小さい写真に対しては置換を弱くできる為、写真を荒らすこともない。
実施形態3ではエッジ強調と置換を適応的な強度で実施する例を説明したが、本実施形態3の効果は特にこのエッジ強調と平滑化、エッジ強調と置換の組み合わせだけではなく、他の実施形態との組み合わせでも有効である。
<変形例1>
本変形例では、「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理の処理強度を同一の評価値に基づいて適用的に適用すること」の効果について説明する。
まず、図32を用いて本変形例1を説明する、評価値の「変動量」と「変動回数」に対応した画像領域に対する「好適な処理」の関係例を表す図を示す。図32においては、便宜上補正処理領域を大まかに網点適用処理領域、写真適用処理領域、細線適用処理領域、太線適用処理領域の4つに分けている。実際には全領域が上記の4つに明確に区分けされているわけではなく、それらの適用処理が一様に行われるわけではない。例えば「網点適用処理領域」から「細線適用処理領域」の間ではある地点で「網点適用処理」と「細線適用処理」に急激に切り替わるわけではない。実際には、徐々に「網点適用処理」と「細線適用処理」の度合いが変化するように切り替わる。これは他の処理領域間においても同じである。
表2に本変形例1における「各処理領域」における「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理の好適な処理強度」例を示す。ここでは「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理」として、置換処理、エッジ強調処理、黒化処理、モアレ除去処理の4つを例示する。
表2において、2重丸は処理を相対的に強くかける、一重丸は処理を相対的に中ぐらいにかけるを意味し、バツ印は処理を相対的に弱くかける、もしくは全くかけないを意味する。
したがって、網点領域に対する適応処理としては、置換処理及びエッジ強調処理を弱目にして網点の強調を避け、黒化処理を中ぐらいにして黒の網点上に発生するカラーノイズを低減し、モアレの除去処理を強くしてモアレの弊害を低減している。
逆に、自然画領域に対する適応処理としては、置換処理、黒化処理及びモアレ除去処理といった処理は弱めにする事で原画像の解像情報及び色情報を極力保持し、エッジ強調処理だけを弱目にかけて若干画像にメリハリをつけている。
また、太線領域に対する適応処理としては、置換処理及び黒化処理を強目にして線のエッジをはっきりさせる。そして、エッジ強調処理は中ぐらいとし、太線の境界部のみの濃度が高くなる「フチドリ」現象の発生を低減し、モアレ除去処理を弱くしてエッジのボケ現象の発生を極力低減している。
さらに、細線領域に対する適応処理としては、エッジ強調処理及び黒化処理を強目にして細線をはっきりと強調し、置換処理は中ぐらいにしてジャギーの発生を低減し、モアレ除去処理を弱くしてエッジのボケ現象の発生を極力低減している。
図33は「背景技術」の特許文献1および特許文献2に記載の技術を上記「置換処理」および「エッジ強調」に適用した場合において発生する「画像劣化」を説明する図である。
図33では変動量に基づいてエッジ強調処理を、変動回数に基づいて置換処理を行っている。これは、2種類の補正処理を相互作用の無い互いに独立の存在として別途制御しているからである。
そして、エッジ強調処理は変動量に基づく事で「網点領域」と「細線領域」間での好適な置換処理強度を設定し、置換処理は変動回数に基づく事で「太線領域」と「細線領域」間での好適な置換処理強度を設定している。このようにすると、「細線領域」においては置換処理が中ぐらいでエッジ強調処理が強くかかり、良好な結果が得られる。しかし「細線領域」と「太線領域」はほぼ同様の変動量を示す場合が有るので、「太線領域」においては結果的に置換処理およびエッジ強調処理の両方が強くかかる場合が発生してしまい、ジャギーの発生による「画像劣化」が生じてしまう。
この様に、「エッジ強調処理」と「置換処理」の様に、「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理」の処理強度をそれぞれ独立に決定してしまうと、特定の組み合わせ時に画像劣化が生じてしまうので、図34の様に「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理の処理強度」は「同一の評価値に基づいて連動して適用的に」制御される事が好ましい。
図34は本変形例1の処理内容を説明する図である。ここでは共通の評価値として「変動回数」を用い、「変動回数」に基づいてエッジ強調処理と置換処理を行っている。そして、この2種類の補正処理を相互作用し合う補正処理として連動制御している。
エッジ強調処理は、変動回数に基づき「太線領域」と「細線領域」間での好適な置換処理強度を設定し、置換処理も変動回数に基づく事で「太線領域」と「細線領域」間での好適な置換処理強度を設定している。こうする事で「太線領域」おいては強い置換処理および中位のエッジ強調処理、「細線領域」においては中位の置換処理と強いエッジ強調処理、という好適な処理強度が実現出来る。さらに「太線領域」と「細線領域」の間の領域においては、置換処理およびエッジ強調処理が共に「強い〜中位の間の強さ」で適用的に設定されるので、切り替え点が目立たない好適な処理結果が得られる。
図35は「背景技術」の特許文献3に記載の技術を適用した場合において発生する画像劣化を説明する図である。
図35では、本変形例1と同様に変動回数に基づいて置換処理およびエッジ強調処理を切り替えた例を示す。この場合、置換処理およびエッジ強調処理の切り替え点(本例では2点、実施状況に応じて更に増える場合が有る)において、処理の切り替えが発生し、その切り替えポイント付近に処理切り替えムラが画像弊害として発生する。
本変形例1では、この切り替えを上記で説明したように、「太線領域」と「細線領域」の間の領域においては、置換処理およびエッジ強調処理が共に「強い乃至中位の間の強さ」で適用的に設定されるので、切り替え点が目立たない好適な処理結果が得られる。
<変形例2>
本変形例2では、「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理の処理強度を同一の複数の評価値に基づいて適用的に適用すること」の効果について説明する。
図36は従来の方式における画像劣化の説明図である。図36では共通の変動量に基づいてエッジ強調処理と置換処理を行っているが、2種類の補正処理を相互作用の無い互いに独立の存在として別途制御している例である。
そして、エッジ強調処理は変動量に基づく事で「網点領域」と「細線領域」間での好適な置換処理強度を設定し、置換処理は変動量に基づく事で「自然画領域」と「太線領域」間での好適な置換処理強度を設定している。
このようにすると、変動量が大きな「細線領域」および「太線領域」の両方において置換処理およびエッジ強調処理が強くかかり、エッジ部が強調され過ぎる事によって太線領域は「フチドリ」発生による画像劣化、細線領域は「ジャギー」発生による画像劣化が生じてしまう。
図37乃至図40は、上記課題を解決するため、本発明の変形された変形例を説明する図である。図37には、変動量および変動回数に対する好適な置換処理強度が示してある。先に図32を使用して説明したが、図中において、◎印、○印、×印はそれぞれ処理強度が相対的に強い、中位、弱いもしくは全く無い、を意味している。また、各処理領域内外で処理強度は必ずしも一様ではなく、例えば「網点領域」から「細線領域」の間はバツ印強度から一重丸印強度になだらかに適用的に強度が変化している。
図38には変動量および変動回数に対する好適なエッジ強調処理強度、図39には変動量および変動回数に対する好適な黒化処理強度、図40には変動量および変動回数に対する好適なモアレ除去処理強度が示してある。
このようにする事で、上記のような「網点領域」と「細線領域」間、「自然画領域」と「太線領域」間の関係については好適な処理強度が設定出来てもその結果「細線領域」と「太線領域」に弊害が出るといった事は無くなる。したがって、「網点領域」「自然画領域」「細線領域」「太線領域」それぞれおよびその間の領域全てに対して好適な処理強度が設定出来る事となる。
以上の様に「複数の目的は異なるが互いに相互作用し合う補正処理の処理強度を同一の複数の評価値に基づいて適用的に適用すること」で、画像弊害を低減した画像処理を行う事が可能となる。
本変形例1および2では評価値を「変動量」および「変動回数」の2つとした。しかしながら、この表価値および個数に限る必要は無く、他の評価値、例えば「変動量の累積値」「変動加速度」等を換わりに用いたり、第3、第4の評価値として更に組み合わせて用いても良い。
また、適用領域も「網点」、「細線」、「自然画」、「太線」の4つとしたが、これは理解を助けるために説明の為に便宜的に使用した。したがって、特に適用領域の設定に制限を設けるものではなく、また適用領域の設定を強制する物でもない。そして、適用領域数も4つに限るわけではなく、異なる領域数であっても構わない。例えば「網点」についても「高周波網点」と「低周波網点」ではその特性も異なり、好適な補正強度も異なるので、別領域として取り扱った方が良い場合もある。また、「自然画」においても「自然画中の境界部分」と「自然画中の平坦部分」についても同様である。このように、異なる領域を設定したとしても本発明が適用出来ることは以上の説明から明らかである。実際には評価値の組み合わせに対してどのように相互作用する各補正処理の補正量を決定するかが重要なのである。
<実施形態4>
これまで説明した実施形態1乃至3では、原稿を読み取った際に発生するボケとモアレを改善する為に、シャープ感を向上するエッジ強調処理とモアレを低減する平滑化処理を説明した。ただ、原稿を読み取った際の別の課題もある。例えば黒文字を読み取った際にRとGとBが必ずしも同じ値を有しないために、印刷結果として黒文字の黒濃度低下とやや彩度増加が発生する。これは黒文字の品位を劣化していた。
本実施形態4では、黒を読み取ったRとGとBの値をより近くする処理について説明する。また、本実施形態4では、RとGとBの値をより近くする処理を無彩色化処理と呼び、無彩色化処理の強度を無彩色化強度と呼ぶ。無彩色化強度についても実施形態1乃至3と同様に適応的に設定することを説明する。
図28は実施形態4における補正強度設定のフローチャートである。図28のフローチャートのステップ2801〜ステップ2815は、実施形態3で既に説明した図25のフローチャートのステップ2501〜ステップ2515と夫々同じである為、説明は省略する。ここでは、実施形態3に実施形態4を付け加えたフローチャートであるが、実施形態1や実施形態2に付け加えたフローチャートであってもよい。したがって、実施形態3と異なるステップのみについて説明する。
まずステップ2816では、ステップ2801で設定したRGB7×7領域の注目画素に対して彩度を算出する。注目画素を中心とする3×3領域の各色平均値を算出する。R、G、Bそれぞれの平均値をAR、AG、ABとし、|AR−AG|、|AG−AB|、|AB−AR|の内、最大の値を彩度として算出する。尚、彩度の算出はこれに限ったものではない。ここでは3×3領域の平均から求めたが、ステップ2801で設定した処理領域サイズ内の領域から求めればよい。また、色空間をRGBで求めたが、該ブロックを輝度色差空間に変換して色差成分を使って輝度軸からの距離として求めてもよい。更に、実施形態3で求めた注目画素値Ncを使ってエッジ強調や平滑化処理を施した後の値から求めてもよい。
次にステップ2817に進み、ステップ2816で算出した彩度に応じて適応的に無彩色化強度Ksを設定する。図29(a)はステップ2816における無彩色化強度Ks設定を説明する図であり、横軸は彩度、縦軸は無彩色化強度Ksを示している。輝度軸付近である第15閾値より小さい彩度の場合は、無彩色化する為に無彩色化強度Ksを1に設定する。輝度軸付近を無彩色化するのは、輝度軸に近い為原稿は無彩色に近い可能性が高いと判断できるからである。輝度軸から離れた第16閾値より大きい彩度の場合は、無彩色化しない為に無彩色化強度Ksを0に設定する。これはカラーの可能性が高いからである。第15閾値以上且つ第16閾値以下の彩度の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする為に彩度=第15閾値のとき無彩色化強度Ks=1、彩度=第16閾値のとき無彩色化強度Ks=0となるように彩度毎に異なる無彩色化強度Ksを適応的に設定する。具体的には図24(a)の参照や以下の式(24)によって適応的に設定できる。
Ks=(第16閾値−彩度)/(第16閾値−第15閾値)・・・式(24)
さらにステップ2818に進み、ステップ2806で算出した変動回数に応じて適応的に無彩色化強度Kzを設定する。第17閾値と第18閾値を使い、ステップ2507と同様に図29(b)の特性で無彩色化強度Kzを適応的に設定する。変動回数が第17閾値より小さいの場合は無彩色化強度Kz=1、第18閾値より大きい場合は無彩色化強度Kz=0、第17閾値以上且つ第18閾値以下の場合は式(25)によって適応的に設定できる。
Kz=(第18閾値−変動回数)/(第18閾値−第17閾値)・・・式(25)
さらにステップ2819において、ステップ2805で算出した変動量に応じて適応的に無彩色化強度Keを設定する。第19閾値と第20閾値を使い、ステップ2509と同様に図29(c)の特性で無彩色化強度Keを適応的に設定する。変動量が第19閾値より小さいの場合は無彩色化強度Ke=0、第20閾値より大きい場合は無彩色化強度Ke=1、第19閾値以上且つ第20閾値以下の場合は式(26)によって適応的に設定できる。
Ke=(変動量−第19閾値)/(第20閾値−第19閾値)・・・式(26)
図30は実施形態4の補正処理のフローチャートである。図30のフローチャートのステップ3001〜ステップ3010は、実施形態3で既に説明した図27のフローチャートのステップ2701〜ステップ2710と夫々同じである為、説明は省略する。したがって、実施形態3と異なるステップのみについて説明する。
まずステップ3011で、ステップ3010で算出した注目画素値Ncを使って、式(27)から無彩色化量ΔKを算出する。G成分の注目画素値NcをNcGとし、RまたはB成分の注目画素値NcをNcPとする。
ΔK=NcG−NcP・・・式(27)
さらにステップ3012では、ステップ3011で算出した無彩色化量ΔKをステップ2817で設定した無彩色化強度Ksで補正する。補正した無彩色化量ΔKsは式(28)を使って算出する。
ΔKs=Ks×ΔK・・・式(28)
ステップ3012によって、輝度軸付近の画像信号を、より輝度軸に近づけることが可能である。
また、ステップ3013では、ステップ3012で算出した無彩色化量ΔKsをステップ2818で設定した無彩色化強度Kzで補正する。補正した無彩色化量ΔKzは式(29)を使って算出する。
ΔKz=Kz×ΔKs・・・式(29)
ステップ3013によって、変動回数が少ない文字に対しては無彩色化を比較的強くして文字を黒く、変動回数が多い網点や写真に対しては無彩色化を比較的弱くして色味の変化を抑えることができる。
さらにまたステップ3014では、ステップ3013で算出した無彩色化量ΔKzをステップ2819で設定した無彩色化強度Keで補正する。補正した無彩色化量ΔKeは式(30)を使って算出する。
ΔKe=Ke×ΔKz・・・式(30)
ステップ3014によって、文字のようなエッジ部は無彩色化を強くして文字を黒くし、写真のようにエッジが比較的弱い画像は無彩色化を弱くして色味の変化を抑えることができる。
さらに、ステップ3015に進み、ステップ3014で算出した無彩色化量ΔKeを式(31)に示すようにフィルタと置換によってエッジ強調した注目画素値Ncに加算する。そして、本実施形態4によるフィルタ処理と置換処理と無彩色化処理した注目画素値Nkを算出し、処理を終了する。
Nk=Nc+ΔKe・・・式(31)
尚、注目画素値Nkを所望のレンジにクリップする処理を入れてもよい。
以上の実施形態4による効果を説明する。実施形態1乃至3によってシャープ感を増す効果が得られる。しかし、各色の画像信号が同値に近づけて黒文字を黒々とした印象にすることはできない。実施形態4は彩度に応じて適応的に無彩色化できる為、輝度軸に近い画素値を持つ黒文字をより黒々とした品位にする効果を持つ。また、変動回数と変動量に応じて無彩色化強度を変更できる為、文字に特化して無彩色化し、網点や写真の色味を変えないようにすることもできる。
<その他の実施形態>
実施形態1乃至4では、エッジ強調や平滑化、無彩色化等を適応的に補正することを説明した。ここでは、実施形態1乃至4を実施した画像信号に対して、図31を適用する例を説明する。図31は横軸を入力画像信号値、縦軸を出力画像信号値としている。実施形態1乃至4を実施した画像信号を図31の入力画像信号とし、出力画像信号を求めることによって、図31の適用が可能である。図31の画像信号が小さい程暗く、大きい程明るいことを表現しているとすると、図31の適用によって、黒文字部の画像信号はより黒く、白の背景部の画像信号はより白くすることができる。以上により、文字部と背景部とのコントラストを増加できる為、文字のシャープ感を更に増す効果がある。図31の画像信号をRGBとし、RGB各色に適用してもよいし、画像信号を輝度値Lとし、輝度値Lに適用してもよい。また、図31の画像信号をRGBとした場合、各色毎に入出力の曲線の変化を変更してもよい。また、図31の入出力曲線に限らず、適宜設定することが可能である。
上記で説明した実施形態1乃至4では、変動回数と変動量、その他変動加速度や彩度を使って適応的に補正強度を決定した。補正強度を像域とすれば、変動回数及び変動量に応じ、適応的に像域分離が可能となる効果を持つ。例えば、エッジ強度のFzとFeの積が大きい程、より文字の可能性が高い画素として像域分離出来、小さい程より網点や写真の可能性が高い画素ととして像域分離出来るする効果がある。また、変動加速度や彩度も使うことで、エッジの中心への近さ、輝度軸への近さについても像域分離が可能で、像域をより詳細に分離できる効果がある。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給しても達成可能である。すなわち、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリカード、ROM等を用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合もある。
しかし、さらにそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる場合もあり得る。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施形態が適用可能なMFP装置の説明図である。 本発明の実施形態が適用可能なMFP装置の制御の説明図である。 本発明の実施形態が適用可能なMFP装置の画像処理の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態で使用される処理単位の説明図である。 本発明の実施形態で使用される処理単位の移動の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態で使用される撮像素子の読取範囲の説明図である。 本発明の実施形態1の補正強度設定の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態1で使用される輝度と1次微分と2次微分の説明図である。 本発明の実施形態1で使用される4方向抽出の説明図である。 本発明の実施形態1で使用されるL差分の説明図である。 本発明の実施形態1で使用される変動回数の説明図である。 本発明の実施形態1で使用される変動回数補正の説明図である。 本発明の実施形態1で使用されるエッジ強度設定の説明図である。 本発明の実施形態1の補正処理の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態1で使用されるエッジ強調フィルタ係数の説明図である。 本発明の実施形態1で使用される設定したエッジ強度の説明図である。 本発明の実施形態1で使用されるエッジ強調前後の画像の説明図である。 本発明の実施形態1で使用されるエッジ強調前後の画像信号の説明図である。 本発明の実施形態1で使用される平滑化を含むエッジ強度設定の説明図である。 本発明の実施形態2の補正強度設定の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態2で使用される平滑化強度設定の説明図である。 本発明の実施形態2の補正処理の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態2で使用される平滑化フィルタ係数の説明図である。 本発明の実施形態2で使用されるエッジ強調の説明図である。 本発明の実施形態3の補正強度設定の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態3で使用される置換強度設定の説明図である。 本発明の実施形態3の補正処理の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態4の補正強度設定の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態4で使用される黒化強度設定の説明図である。 本発明の実施形態4の補正処理の動作フローチャート図である。 本発明の実施形態4で使用される黒つぶしと白とばしの説明図である。 本発明の実施形態4における変形例1の説明図である。 本発明の実施形態4における変形例1の説明において使用される、従来の第1の方式および第2の方式による画像劣化の説明図である。 本発明の実施形態4における変形例1の処理内容説明図である。 本発明の実施形態4における変形例1の説明において使用される、従来の第3の方式による弊害の説明図である。 本発明の実施形態4における変形例2の説明において使用される、従来の画像劣化の説明図である。 本発明の実施形態4における変形例2に使用される、変動量および変動回数に対する好適な置換処理強度図である。 本発明の実施形態4における変形例2に使用される、変動量および変動回数に対する好適なエッジ強調処理強度図である。 本発明の実施形態4における変形例2に使用される、変動量および変動回数に対する好適な黒化処理強度図である。 本発明の実施形態4における変形例2に使用される、変動量および変動回数に対する好適なモアレ除去処理強度図である。
符号の説明
1 MFP装置
31 オートドキュメントフィーダ
33 印刷装置
34 読取装置
35 操作パネル
39 表示パネル
42 カードスロット
43 カメラポート
11 CPU
12 画像処理部
13 記録部
14 読取部
15 操作部
16 ROM
17 RAM
18 不揮発性RAM
19 表示部
20 センサー部
21 駆動部
22 カードインターフェイス
23 カメラインターフェイス
24 PCインターフェイス

Claims (8)

  1. 画像補正処理装置であって、
    処理対象画像に対し、注目画素を含む複数画素で構成される領域を設定する領域設定手段と、
    前記領域内の画素の輝度値の変化の頻度を表現する値である変動回数を算出する変動回数算出手段と、
    前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向を検出し、前記領域内の当該エッジ方向における画素の輝度値の変化の大きさを表現する値である変動量を算出する変動量算出手段と、
    前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向における輝度値の変化の加速度を表現する値である変動加速度を算出する変動加速度算出手段と、
    前記領域内の少なくとも前記注目画素に対して前記エッジを強調するための第1補正強度を、算出した前記変動回数と前記変動量とに従って設定する第1設定手段と、
    前記領域内で、前記注目画素に対して前記エッジを強調するための置換画素を選択する選択手段と、
    選択された前記置換画素を補正するための第2補正強度を、算出した前記変動回数、前記変動量、および前記変動加速度に従って設定する第2設定手段と、
    前記注目画素の輝度値を前記第1補正強度に従って補正する第1補正手段と、
    選択された前記置換画素の輝度値を前記第2補正強度に従って補正する第2補正手段と、
    を備える、ことを特徴とする画像補正処理装置。
  2. 前記第2設定手段は、前記変動回数が取り得る値領域内の少なくとも一部の値領域において、前記変動回数毎に異なる補正強度を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像補正処理装置。
  3. 前記第2設定手段は、前記変動量が取り得る値領域内の少なくとも一部の値領域において、前記変動量毎に異なる補正強度を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像補正処理装置。
  4. 前記変動回数を第1閾値と、前記第1閾値より大きい第2閾値と比較する比較手段と、
    前記変動回数が前記第1閾値より小さい場合に前記補正強度を最大強度に設定する最大強度設定手段と、
    前記変動回数が前記第2閾値より大きい場合に前記補正強度を最小強度に設定する最小強度設定手段と、
    前記変動回数が前記第1閾値以上且つ前記第2閾値以下の場合に、前記変動回数が前記第1閾値の場合は補正強度が最大強度、且つ前記変動回数が前記第2閾値の場合は補正強度が最小強度となるように前記変動回数毎に異なる補正強度を設定する第3補正強度設定
    手段と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の画像補正処理装置。
  5. 前記変動量を第3閾値と、前記第3閾値より大きい第4閾値と比較する比較手段と、
    前記変動量が前記第3閾値より小さい場合に前記補正強度を最小強度に設定する最小強度設定手段と、
    前記変動量が前記第4閾値より大きい場合に前記補正強度を最大強度に設定する最大強度設定手段と、
    前記変動量が前記第3閾値以上且つ前記第4閾値以下の場合に前記変動量が前記第3閾値の場合は補正強度が最小強度且つ前記変動量が前記第4閾値の場合は補正強度が最大強度となるように前記変動量毎に異なる補正強度を設定する第3補正強度設定手段と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の画像補正処理装置。
  6. 画像補正処理装置の制御方法であって、
    処理対象画像に対し、注目画素を含む複数画素で構成される領域を設定する領域設定工程と、
    前記領域内の画素の輝度値の変化の頻度を表現する値である変動回数を算出する変動回数算出工程と、
    前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向を検出し、前記領域内の当該エッジ方向における画素の輝度値の変化の大きさを表現する値である変動量を算出する変動量算出工程と、
    前記領域内の画素から前記注目画素のエッジ方向における輝度値の変化の加速度を表現する値である変動加速度を算出する変動加速度算出工程と、
    前記領域内の少なくとも前記注目画素に対して前記エッジを強調するための第1補正強度を、算出した前記変動回数と前記変動量とに従って設定する第1設定工程と、
    前記領域内で、前記注目画素に対して前記エッジを強調するための置換画素を選択する選択工程と、
    選択された前記置換画素を補正するための第2補正強度を、算出した前記変動回数、前記変動量、および前記変動加速度に従って設定する第2設定工程と、
    前記注目画素の輝度値を前記第1補正強度に従って補正する第1補正工程と、
    選択された前記置換画素の輝度値を前記第2補正強度に従って補正する第2補正工程と、
    を備える、ことを特徴とする画像補正処理装置の制御方法。
  7. 請求項に記載の画像補正処理装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 請求項に記載の画像補正処理装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行可能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
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