JP4878572B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、詳しくは、画像に対する平滑化処理の適用ないし適用の仕方に関するものである。
最近では、インクジェットプリント方式の記録機構およびスキャナ機構を備えた複合機(以下、IJMFPとも言う)が広く提供されている。IJMFPは、パーソナルコンピュータ(PC)と接続してプリント、スキャンなどを実施する機能、機器単体でのコピー機能、デジタルカメラなどと接続してダイレクトプリントを行う機能など、種々の用途で使用可能なプリンタである。このような点から、例えば、家庭用の複写機としても用いられている。IJMFPにおけるコピー機能は、原稿画像をスキャナによって読取り、読取った画像を紙等の記録媒体上に記録するものである。
このようなコピーでは、一般に、コピー対象である原稿の種類によって色の再現範囲などが異なる。このため、原稿とコピーの出力物との間で視覚的に色が一致するものを得ることが難しい場合がある。また、原稿の種類の違いに応じて再現される階調性が異なることもある。
これに対し、特許文献1には像域分離を用いた技術が提案されている。すなわち、同文献には、読取った画像を少なくとも網点と写真の領域に分離し、それぞれの領域に最適なγ変換を施し、総ての領域で良好な画像を得る方法が記載されている。また、特許文献2にも、同様に読取った画像を文字領域と写真領域に分離し、それぞれの領域に最適な色空間変換を施すことにより、総ての領域で良好な画像を得る方法が記載されている。
また、IJMFPで普通紙にコピーする場合、印刷物や銀塩写真などの原稿の画像に較べて普通紙の色再現範囲が狭いため、色圧縮の方法によっては、擬似輪郭や階調のつぶれといった階調性の劣化が生じる場合がある。これに対し、特許文献3には、文字エッジ量を検出して、その量に応じて乱数を付加することにより文字のシャープさを損なわず、連続階調の擬似輪郭を抑制する方法が記載されている。同様に、特許文献4には、多値カラー画像のデータ中に乱数データを付加する一部領域を設定し、設定した領域にのみ乱数データを付与することによって階調とびの補正を行い、残りの領域は原画像を維持することが記載されている。
特開2001−251513号公報 特開2002−218271号公報 特開平10−155087号公報 特開2001−144943号公報
以上のとおり、コピーなどの場合の原稿など入力画像が持つ色再現範囲と記録装置の色再現範囲が異なるという問題があり、これに対して色圧縮の技術が用いられるのが一般的である。しかしながら、インクジェット方式で普通紙を用いる場合のように色再現範囲が比較的狭い場合は、一つの色圧縮方式のみで、文字、写真画像ともに最適な色再現を行なうことが困難である。例えば、文字がくっきりと表されるように、コントラストを高く設定した色圧縮をおこなうと、その同じ色圧縮が写真に対して行なわれたときには、高濃度、高彩度の階調がつぶれることがある。一方、写真画像の階調が損なわれないように、階調性を重視した色圧縮を行なうと、その同じ色圧縮が文字に対して行なわれたときには、黒文字などがさらに薄く記録される。具体的には、鉛筆などによる低濃度の文字やいわゆるベタ黒でない文字、さらにはインクジェット方式で普通紙に出力した黒文字などがさらに薄く記録され、くっきりとした文字出力を得ることができない。
これら文字と写真画像の記録を両立するため、上述のとおり特許文献1や特許文献2が提案されている。しかし、それぞれの画像ごとに色圧縮テーブルあるいはガンマ加工テーブルを複数切り替えて用いる場合、文字、写真それぞれに適したテーブルを保持するためのメモリ領域が必要になるという問題がある。
また、像域にあわせてテーブルを増やさずに加工を変化させる方法として、上述の特許文献3や特許文献4が提案されている。しかし、これら文献に記載の技術は、擬似輪郭が発生する部分にノイズを加えることにより階調再現性を向上させるものであり、元々発生している擬似輪郭を消すものである。従って、後に施される画像変換の影響を考慮し、その処理の効果を軽減させるような制御を行うものではない。
本発明の目的は、テーブルなど像域ごとの処理の数を増すことなく、例えば文字と写真画像の良好な再現性を両立できる画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
そのために本発明では、画像データにおける画素値に基づいて所定の色空間で定義される、画像を表す成分が、当該色空間における所定範囲内にある場合に、当該画素値に基づく前記成分の値を変更する加工処理を含む画像処理を実行する画像処理装置であって、画像データにおける画素値に基づく前記成分に前記成分の変調量を付加することにより当該成分が前記所定の範囲外となるようにすることによって、前記加工処理による加工の対象となる画素が少なくなるように画素値の変調を行う画素値変調手段、を具えたことを特徴とする。
また、画像データにおける画素値に基づいて所定の色空間で定義される、画像を表す成分が、当該色空間における所定範囲内にある場合に、当該画素値に基づく前記成分の値を変更する加工処理を含む画像処理を実行するための画像処理方法であって、画像データにおける画素値に基づく前記成分に前記成分の変調量を付加することにより当該成分が前記所定の範囲外となるようにすることによって、前記加工処理による加工の対象となる画素が少なくなるように画素値の変調を行う画素値変調工程、を有したことを特徴とする。
以上の構成によれば、黒潰しや彩度強調などの加工処理による加工の対象となる画素が少なくなるように画素値の変調が行われる。これにより、写真画像などが上記加工処理の対象となる場合でも、加工処理の効果を弱めることができ、写真画像において、階調つぶれのない記録結果を得ることができる。一方、文字や罫線などの文字/線画については、加工処理によって鮮明な記録結果を得ることができる。
その結果、テーブルなど像域ごとの処理の数を増すことなく、例えば文字と写真画像の良好な再現性を両立することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
MFP装置
図1(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るマルチファンクションプリンタ装置(以下、MFP装置)1のそれぞれ外観斜視図およびオートドキュメントフィーダーを兼ねた原稿台蓋を開けた状態の斜視図である。このMFP装置1は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して記録する通常のPCプリンタとしての機能、スキャナとしての機能を備えている。さらにはスキャナで読取った画像をプリンタで記録するコピー機能、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って記録する機能、あるいはデジタルカメラからの画像データを受信して記録する機能を備えている。
MFP装置1は、CCDセンサを備えたスキャナによる読取装置34を備える。この読取装置は、原稿台に直接置かれた原稿またはオートドキュメントフィーダー(以下ADF)31によって供給される原稿の読み取りを行なう。記録装置33はインクジェット式による装置であり、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)の4色のインクを用いて用紙などの記録媒体に記録を行なう。
MFP装置1は、さらに表示パネル39や各種キースイッチ等を備える操作パネル35を備える。また、MFP装置1の背面にはPCと通信するためのUSBポート(不図示)が設けられている。さらに、各種メモリカードからデータを読み出すためのカードスロット42やデジタルカメラとデータ通信を行うためのカメラポート43を備える。なお、記録装置の記録方式は、本発明を適用する上でインクジェット方式に限られない。例えば電子写真式など他の種類の方式によるものであってもよい。
図2は、図1(a)および(b)に示したMFP1の制御および画像処理などを実行する構成を示すブロック図である。
図2において、CPU11は、MFP1が備える様々な機能を制御し、操作パネル35を有した操作部15における所定の操作に従い、ROM16に記憶された画像処理のプログラムを実行する。読取装置34を有した読取部14は、原稿画像を読取り、赤(R)、緑(G)および青(B)色のアナログ輝度データを出力する。なお、読取部14は、CCDの代わりに密着型イメージセンサ(CIS)を備えてもよい。
カードスロット42を有したカードインターフェイス22は、例えばディジタルスチルカメラ(Digital Still Camere 以下DSC)で撮影され、メモリカードなどに記録された画像データを、操作部15の所定の操作に従って読み込む。カードインターフェイス22を介して読み込まれた画像データの色空間は、必要に応じ、画像処理部12によって、DSCの色空間(例えばYCbCr)から標準的なRGB色空間(例えばNTSC−RGBやsRGB)に変換される。また、読み込まれた画像データは、そのヘッダ情報に基づき、有効な画素数への解像度変換など、アプリケーションに必要な様々な処理が必要に応じて施される。また、カメラポート43を有したカメラインターフェイス23は、DSCに直接接続して画像データを読み込む。
画像処理部12は、図3にて後述する、入力デバイス色変換、画像補正・加工処理、出力デバイス色変換、色分解、量子化などの画像処理を行う。それによって得られる記録データは、RAM17に格納される。そして、RAM17に格納された記録データは、記録装置33を有した記録部13で記録するのに必要な所定量に達すると、記録部13による記録動作が実行される。
不揮発性RAM18は、バッテリバックアップされたSRAMなどによって構成され、画像処理装置に固有のデータなどを記憶する。また、操作部15には、記憶媒体に記憶された画像データを選択し、記録をスタートするためにフォトダイレクトプリントスタートキー、オーダーシートをプリントさせるキー、オーダーシートを読み込ますキーが設けられる。さらに、モノクロコピー時やカラーコピー時におけるコピースタートキー、コピー解像度や画質などのモードを指定するモードキー、コピー動作などを停止するためのストップキー、並びに、コピー数を入力するテンキーや登録キーなどが設けられる。CPU11は、これらキーの押下状態を検出し、その状態に応じて各部を制御する。
表示部19は表示パネル39(図1(a))を備える。すなわち、この表示部は、ドットマトリクスタイプの液晶表示部(LCD)およびLCDドライバを備え、CPU11の制御に基づき各種表示を行う。また、記憶媒体に記録されていた画像データのサムネイルを表示する。記録装置33を有した記録部13は、インクジェット方式の記録ヘッド、汎用ICなどによって構成され、CPU11の制御によってRAM17に格納されている記録データを読み出し、ハードコピーとして記録を行なう。
駆動部21は、上述した読取部14および記録部13それぞれの動作における、給排紙ローラを駆動するためのステッピングモータやDCモータ、ステッピングモータやDCモータの駆動力を伝達するギヤ、および、ステッピングモータやDCモータを制御するドライバ回路などから構成される。センサー部20は、記録紙幅センサー、記録紙有無センサー、原稿幅センサー、原稿有無センサーおよび記録媒体検知センサーなどから構成される。CPU11は、これらセンサーから得られる情報に基づき、原稿および記録紙の状態を検知する。
PCインターフェイス24は、PCと本MFP装置1とのインターフェイスであり、MFP装置はこのPCインターフェイス24を介してPCから記録動作や読み取りの指示を受ける。
以上の構成において、コピー動作時は、読取装置34で読取った画像データに対して画像処理部12で所定の画像処理を行い、その結果のデータに基づいて記録装置33で記録する。
画像処理
図3は、本実施形態のMFPにおいてコピー時に実行される画像処理を示すフローチャートである。
図3において、最初に、ステップ501で、読取部14で読取られAD変換されたデータに対してシェーディング補正が施され、これにより撮像素子のばらつきが補正される。次に、ステップ502で、入力デバイス色変換が行われる。これにより、デバイス固有の色空間の画像信号データがデバイスに依存しない標準色空間の信号データに変換される。この標準色空間としては、IEC(国際電気標準会議;International Electrotechnical Commission)により定められたsRGBやAdobeSystems社により提唱されているAdobeRGBなどが知られている。本実施形態では、ルックアップテーブルを用いてこの変換を行う。なお、変換方法としては、マトリクス演算方式を用いることもできる。
変換されたデータは、ステップ503で、補正・加工の処理が施される。処理内容としては、読取りに起因したいわゆる画像のボケを補正するエッジ強調処理や、文字の判読性を向上させる文字加工処理、光照射による読取りで発生した裏写りを除去する処理などがある。また、図9以降で詳細に後述される、本発明の実施形態に係る画素値変調処理や画素値加工処理もこの補正・加工処理として行われる。
さらに、ステップ504では、画像の拡大縮小処理が実行される。ユーザーによって変倍指定がされている場合や、2枚の原稿を1枚の紙に割り当てる割付けコピーなどの場合に、その所望の倍率に変換される。変換方法は、バイキュービックやニアレストネイバーなどの方法が一般的である。
次に、ステップ505では、標準色空間の画像信号データを、出力デバイスである記録装置に固有の信号データに変換する。この変換は、後述されるように、色域写像(ガマットマッピング)による変換(色域写像色変換)である。
次に、ステップ506で、出力デバイス固有の信号データから、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のMFPで使用するインク色データへの変換処理が実行される。この変換もステップ502と同様の方式を用いることができる。さらに、ステップ507で、画像信号データについて記録装置33で記録可能なレベル数への変換が行われる。すなわち、本実施形態の記録装置33は、インクを吐出する/吐出しない、の2値で画像を表現する。従って、誤差拡散などの量子化方法によって2値のデータに変換する。
次に、ステップ505の出力デバイス色変換についてさらに詳細に説明する。本実施形態では、出力プロファイルとして出力デバイス色変換のルックアップテーブルを定義するものとし、これを以下では出力色変換テーブルとも言う。
出力色変換テーブルは、標準色空間であるsRGB色空間の色信号に対して、記録装置の色域(以下、単にプリンタ色域とも言う)の色信号を対応付けるものである。具体的には、このテーブルは、sRGB色空間の信号データによって離散的な格子点を規定し、各格子点に対してプリンタ色域の色信号を対応させたものである。
図4は、標準色空間であるsRGB色空間信号によるsRGB色域601とプリンタ色域602をCIE‐L***表色系で表した図である。以下、本実施形態の図で示す色空間は、総てCIE−L***表色系で示されるものとする。なお、この扱う表色系は特にCIE−L***表色系に限定されるものでなく、L***色空間等、それに類似する色空間であってもよい。
図4に示されるように、sRGB色域601とプリンタ色域602の形状、サイズなどが異なっている。そこで、色変換テーブルを作成する際に、標準色空間の色域をプリンタ色域に圧縮する「ガマット圧縮」の技術を用いる。本実施形態で用いるガマット圧縮は、プリンタ色域中に、標準色空間の色を測色的に一致した色再現をさせる非圧縮領域を設け、それ以外の標準色空間の色域の色を、非圧縮領域外のプリンタ色域に圧縮する方法を採る。以上のガマット圧縮の手法を用いることにより、非圧縮領域内は標準色空間の色域の色と測色的に一致した色再現を実現し、また、非圧縮領域外で階調を保持することが可能となる。例えば、コピーに用いる記録媒体が写真専用紙とマット紙のように、それらによる色域の形状が異なる場合に、両者間で同じような色再現を実現することが可能となる。
図5は、図3に示した出力デバイス色変換(S505)で用いるガマット圧縮の一例を説明する図である。図5において、色域701および色域702は、sRGB色空間の色域およびプリンタ色域をL**平面に投影したものである。また、色域703は、sRGB色空間の色を測色的に一致した色再現をさせる非圧縮領域を表している。この例では、非圧縮領域はプリンタ色域に相似な形状で80%の大きさとしたものである。点Oは圧縮収束点を示している。また、点704、708は、sRGB色空間における格子点に対応する色である。
ガマット圧縮では、先ず、このようなsRGB色空間の格子点が非圧縮領域内に位置しているか否かを判定する。この色域内外判定処理は、以下の方法による。先ず、判定対象となる点と圧縮収束点を結ぶベクトル(ソースベクトルと称す)の長さを算出する。そして、圧縮収束点から判定対象の点に向かうベクトル(色域ベクトルと称す)と色域表面との交点までの距離を求め、ソースベクトルと色域ベクトルの長さを比較する。ソースベクトルの長さが色域ベクトルの長さよりも大きいときは、判定対象点は色域外、小さいときは色域内と判定する。
このような色域内外判定処理の結果、点708は非圧縮領域内に位置すると判定される。その場合は、圧縮処理を行わず、入力のsRGB値と同じ値を保持する。一方、点704は非圧縮領域内の色ではないと判定されるため、以下の方法でガマット圧縮を行う。すなわち、点704は非圧縮領域外のプリンタ色域にガマット圧縮される。具体的には、先ず、点704と点Oとの距離Xを算出する。さらに、点Oと点704を結ぶ直線と、それぞれsRGB色空間の色域701の外郭が交わる点705と、プリンタ色域702の最外郭が交わる点706と、非圧縮領域703の外郭が交わる点707を探し、それぞれの点との距離を算出する。図5では、それぞれの距離をT、D、Fで表している。これらの圧縮収束点Oと距離の関係を基に、点704をプリンタ色域に圧縮する。圧縮後の点は点Oと点704を結ぶ直線上で、以下の圧縮関数(1)により算出できる距離の場所に線形に圧縮される。
なお、この圧縮関数は(1)式に示すように線形である必要はなく、例えば、色域の外に位置するほど、階調を潰すような多次関数やそれに類似する関数を用いてもよい。また、非圧縮領域の広さは、プリンタ色域の約80%の大きさとしたが、それに限定されない。例えば、100%の大きさに設定した場合は、プリンタ色域の色は、測色的一致を重視し、色域外の色を潰すようなガマット圧縮方法を実施することができる。
次に、図3のステップ503の補正・加工処理で実施され、図9以降で後述する本発明のいくつかの実施形態に係る黒潰し処理や白飛ばし処理について説明する。コピー機能の使い方として、原稿を複写し、複写された記録物をさらに原稿として再び複写する場合が想定される。このような繰り返しコピーが行われる場合でも、良好な画像再現を実現すべく、特定の明度(例えば、プリンタ色域の白点の明度)以上の色をプリンタ色域の白(記録用紙の白)に変換することが行なわれる(白飛ばし)。また、同じく、特定の明度(例えば、プリンタ色域の黒点の明度)以下の色をプリンタ色域の黒に変換すること(黒潰し)が行われる。
図6は、黒潰し処理や白飛ばし処理を色域における色(点)の移動として説明する図である。色域801および色域802は、図5にて説明したように、それぞれsRGB色空間の色域およびプリンタ色域をL**平面に投影したものである。
色域802は、コピー時に用いられる記録媒体で記録する際のプリンタ色域である。また、点803はプリンタ色域802の白点を示している。また、LWtは、プリンタ色域の白点の明度を示している。ここで、sRGB色空間の色域801のうち、明度がLWt以上の領域にある格子点は、総て点803に変換される。このようにして白飛ばしが行なわれる。一方、点804はプリンタ色域の黒点を示し、また、LBkはプリンタ色域の黒点の明度を示している。黒潰し処理を行なうことにより、sRGB色空間の色域801のうち、LBk以下の明度を持つ格子点は、総て点804に変換される。
図6に示すように、例えば、入力原稿が色域805を持っているとすると、白抜きの三角印で表した色はLWtより高い明度にあるため、総て用いる記録媒体の白で再現される。また、黒で塗りつぶした三角印の色は、LBkより明度が低いため、総てプリンタ色域の黒として再現される。以下、LBkを黒潰し明度、LWTを白飛ばし明度と称する。ここで、LBkをプリンタ色域の黒点としたが、それに限定されるものではない。例えば、原稿を読み込む際の誤差で、黒点が明るい色と認識される場合もある。それらを考慮して、プリンタ色域の黒点よりも明るい位置にLBkを設定しておいてもよい。LWtに関しても同様である。
次に、図3のステップ506の色分解処理で用いる色分解テーブルについて説明する。上述したステップ505の出力デバイス色変換(ガマットマッピング)で得られる画像信号がRGBの信号である場合、その色域内のRGB信号と測色空間で特定される色(例えば、CIE−L***値)とは1対1の関係で対応している。そこで、RGB信号による色空間で等間隔の、例えば729個の格子点を規定する。そして、これら729個の格子点に対応したカラーパッチデータを用意し記録装置で記録する。この記録後のカラーパッチを測色することにより、プリンタ固有のRGB値で表される格子点の色を、例えばCIE−L***表色系の色として特定することができる。次に、ステップ505の処理で圧縮されたsRGB色空間の格子点をCIE−L***表色系の色に変換し、上記の729個の測色値の中で、色差が最小な格子点を探す。そして、色差最小点の周囲の格子点で補間演算を行うことにより、sRGB色空間の格子点が対応するプリンタRGB値が得られる。以上のようにして、入力色空間の色を記録装置のどのインク色で出力するかを記載した色分解テーブルを作成することができる。
処理単位
図7(a)〜(c)は、図3に示す画像処理のうち、ステップ503で実施される補正・加工処理の処理単位を説明する図である。なお、この処理単位の説明は、後述する第4、第5実施形態に特に関連するものである。
図7(a)は、処理単位が画素単位の場合を示している。補正・加工処理では、同図の○印の画素を注目画素に設定する。次に、注目画素を中央に含み太線で囲まれた7×7画素で構成される領域(7×7領域)を設定する。そして、この設定した7×7領域内の画像信号を用いて注目画素の画素値を補正する。
以上の処理の後、例えば、図7(b)の×印の画素のように、注目画素に隣接する画素を次の注目画素に設定する。そして、上記で説明したのと同じく、×印を注目画素として7×7領域を設定して補正・加工処理を実行する。以降、同様に順次注目画素を1画素ずつ移動し、その都度7×7領域を設定することによって処理対象の画素総てを補正・加工する。
処理単位が領域単位の場合は、図7(a)の○印の画素に対して7×7領域を設定するとともに、○印の画素に対して設定する補正強度を7×7領域内の複数画素、例えば全画素に適用する。そして、図7(c)に示す△印の画素に対して7×7領域を設定することにより、○印の画素に対する7×7領域と△印の画素に対する7×7領域とが隣接するように処理単位を移動する。なお、処理単位を画素単位とした方がより高い精度で補正強度を設定できる。
図8は、上記処理単位の移動を説明するフローチャートである。ステップ1001で処理対象の設定を行う。本処理開始直後は、最初の処理対象を設定する。ステップ1005からステップ1001に戻った場合は、次の処理対象を設定する。次に、ステップ1002で処理領域の設定を行う。処理領域は上述したように処理単位を含む複数画素(上記の例では7×7領域)で構成される領域である。
ステップ1003では像域分離を行う。処理単位に対する領域を判定し、領域情報を決定する。すなわち、この判定では、文字などのエッジ領域か、写真画像などの平坦領域かを判断する。次に、ステップ1004では、上記領域判断に基づいて、加工・補正処理を行なう。そして、ステップ1005で、処理対象について総て補正が終了したか否かを判断し、終了していない場合はステップ1001からの処理を繰返す。
以下では、以上説明した本実施形態の構成に基づく、画素値の変調処理および画素値の加工処理のいくつかの実施形態を説明する。なお、画像信号の取り得る範囲が0〜255を例に説明するが、画像信号の範囲はこれに限るものではなく、MFP装置、画像処理などの構成に応じて適切に設定できることはもちろんである。
(実施形態1)
図9(a)〜(c)は、本発明の第一の実施形態に係る補正・加工処理(S503)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態は、図9(a)に示すように、輝度加工処理(同図のS1300)として黒潰し処理が行われることに対応して、写真画像などの平坦画像の場合は輝度変調処理(同図のS1200)を行なうものである。これにより、テーブルなど処理構成を個別に設けることなく、写真画像と文字画像の良好な再現性を両立することができる。なお、以下に示す処理では、特に断りの無い限り計算結果が0未満の時は0に、256以上の時は255にクリップするものとする。
図9(a)において、先ず、ステップ1000で、注目画素情報を取得する。すなわち、注目画素のRGB信号値と文字属性値Mを取得する。ここで文字属性値Mは、注目画素が文字/線画を構成する画素(文字領域の画素)であるかどうかを示す特徴量である。Mが0のときは、注目画素は自然画やグラデーション画像を構成する画素(写真領域の画素)であり、Mが1のときは、注目画素は文字/線画を構成する画素であると判断する。Mの求め方については像域分離やパターンマッチングなどの既知の技術を用いることができる。次に、ステップ1100で、画像判別を行う。すなわち、上記で求めた注目画素の文字属性値Mを判別する。Mの値が0、すなわち、文字/線画以外の写真領域の画素のときはステップ1200へ、Mの値が1、すなわち文字/線画領域の画素であるときはステップ1300へ進む。
注目画素が写真領域のものであるときは、ステップ1200の輝度変調処理を行う。図9(b)は、この輝度変調処理の詳細を示すフローチャートである。
この処理では、先ず、ステップ1210で、注目画素ごとにそのデータであるRGB値に基づいて輝度を算出する。輝度値Y1は以下の計算式によって算出する。
Y1=0.299×R+0.587×G+0.114×B・・・式(2)
なお、本実施形態では式(2)で算出した輝度Yを用いているが、入力画素の明るさ成分を表す値であれば、他の値でもよい。例えば、L***色空間やLuv色空間におけるLの値を用いることもできる。また、これら色空間で定義される輝度、明度等をそのまま用いるのでなく、計算の単純化のために近似的に表したものを用いてもよい。
次に、ステップ1220で輝度変調量を算出する。輝度変調量は、後述されるように、各画素値にノイズとして付加されるものであり、本ステップによって生成されるものである。この輝度変調量dYは、上記で求めた輝度値Y1に基づき、以下の計算式によって算出される。
dY=0 (Y1≧Ys)
dY=Yb×(1−Y1/Ys) (Y1<Ys)・・・式(3)
図10は、上記式(3)の関係を示す線図である。上記式(3)および図10において、Ysは、黒潰し処理において輝度変調を開始する値を表す。また、Ybは、黒潰し処理で輝度0に潰れる輝度値を表し、本実施形態では、MFP装置でベタ黒を印刷したものを自身でスキャンした際に読み取ったRGB値から得られる輝度とする。これにより、繰り返しコピー時にいわゆるベタ黒の濃度を保った記録結果を得ることができる。
なお、YsおよびYbそれぞれの値は、本発明を実施するMFP装置など記録装置の入出力特性に応じて設定できる。例えば安定した記録濃度やスキャンデータが得られない装置であればYsやYbを高めに設定したり、式(3)では後述する輝度加工処理で用いるYs、Ybをそのまま用いずに、マージンをとっても良い。
次に、ステップ1230で、輝度変調符号を算出する。すなわち、注目画素ごとに輝度を加算する変調(+)を行うか減算する変調(−)を行うかを定めるための変調符号値Fを算出する。本実施形態では、注目画素の座標が「x座標、y座標ともに偶数」または「x座標、y座標ともに奇数」の場合はF=+1とし、それ以外の場合はF=−1とする。図11に示すように、画素の2次元配列において列方向および行方向それぞれで変調対象画素の位置に応じて変調量の正負の決定、つまり輝度の加算と減算が交互に行なわれる。
ステップ1240では、輝度を変調する。すなわち、以上求めた、輝度変調量dY、輝度変調符号F、輝度値Y1から、以下の計算式によって変調後の輝度Y’(8ビット)を算出する。
Y’=Y1+dY×F/255・・・式(4)
最後に、ステップ1250で、輝度変調後の画素値を算出する。すなわち、上記で求めた輝度Y’と、その算出に係る画素値RGBから、変調後の画素値R’G’B’を以下の計算式によって算出する。
R’=Y’+1.371×( 0.511×R−0.428×G−0.083×B)
G’=Y’−0.698×(−0.172×R−0.339×G−0.336×B)
−0.336×( 0.511×R−0.428×G−0.083×B)
B’=Y’+1.732×(−0.172×R−0.339×G−0.336×B)
・・・式(5)
以上の処理によって、写真などの画像領域である注目画素については、その画素が本来持つ輝度値に応じた変調量の分だけノイズとして輝度が増加または減少する。
図12(a)〜(d)は、黒潰しに関して連続階調のグラデーション画像がどのように変調されるのか説明する図である。
図12(a)は、変調前のグラデーション画像を示している。同図の左から右に向かって、黒から灰色へのグラデーションが形成されている。これに対して、本実施形態の変調処理を行なうと、図12(c)に示す画像が得られる。黒潰し領域でない、明るい領域では変調量がゼロのために、図12(a)に示すそのままの階調を保持している。しかし、黒潰し領域の画素についてみると、変調が行なわれ、元の画素値よりも明るい画素と暗い画素が交互に並んで市松模様を形成している。ここで、元の画素値よりも明るい画素については、黒潰しで完全につぶれる輝度Ybよりも明るい輝度となっており、後述されるように、黒潰しを行なっても元の階調を保存できる。
なお、上述の処理では、各信号値が0未満または255以上の際にはクリップを行なった。そのため、変調の前後で画像全体の輝度総和がクリップによって変化する場合が考えられる。具体的には、暗部で変調後にマイナスになった輝度をゼロにクリップしてしまう場合がある。特に輝度総和の保存が必要でなければこのまま用いてよいが、輝度の保存が必要である場合には、以下の手順を追加すればよい。すなわち、輝度をクリップした際に切り捨てられた分の値を保持し、他の画素に対して変調処理を行なう際に、その分の値を加えればよい。これにより、本発明を実施する装置で、輝度変調処理を行なった後に、例えば画像に対して輝度ヒストグラムをとり、その平均値を用いて何らかの処理を行なう補正加工処理などを実施する場合に、本発明によって補正加工処理結果に影響を与えないようにできる。また、輝度保存が目的でないならば、変調符号値Fを常に正としてもよい。その場合、変調の前後において、各画素のY’の大小関係が、もとのYの大小関係を保つように、dYを算出する式を与えればよい。
再び図9(a)を参照すると、輝度変調処理の後、ステップ1300では、注目画素に対して輝度加工処理を行なう。図9(c)は、この輝度加工処理の詳細を示すフローチャートである。
図9(c)において、先ず、ステップ1310で、ステップ1200による輝度変調後のRGB値に基づいて、輝度を算出する。詳しくは、ステップ1200で求めた画素値R’G’B’に基づき、輝度Y2を以下の計算式を用いて算出する。
Y2=0.299×R’+0.587×G’+0.114×B’・・・式(6)
なお、変調後の画素値R’G’B’を情報として保持する必要がなければ、ステップ1240を省略し、Y’をそのまま用いてY2=Y’としても良い。
次に、ステップ1320で、輝度黒潰しを行なう。すなわち、上記で求めた輝度Y2に基づき、黒潰し処理による輝度Y’’を以下の計算式によって求める。
Y’’=f(Y2)・・・式(7)
ここで、f(y)は、入力輝度yに応じて変化する関数であり、本実施形態では、図13に示す1次元ルックアップテーブルを用いて実現する。この黒潰し処理によって、繰り返しコピーでも常に良好な黒画像を得ることができ、また、黒文字が鮮明な色再現を行なうことができる。
なお、このルックアップテーブルを用いて他の輝度加工処理をあわせて行ってもよく、例えば高輝度部を飽和させることでいわゆる下地飛ばし処理などを同時に行っても良い。
上記輝度加工の後、ステップ1330で、輝度黒潰し処理後の画素値を算出する。具体的には、上記で求めたY’’、RGB値から、黒潰し処理後の画素値R’’G’’B’’を以下の計算式によって算出する。
R’’=Y’’+1.371×( 0.511×R−0.428×G−0.083×B)
G’’=Y’’−0.698×(−0.172×R−0.339×G−0.336×B)
−0.336×( 0.511×R−0.428×G−0.083×B)
B’’=Y’’+1.732×(−0.172×R−0.339×G−0.336×B)
・・・式(8)
以上説明した本実施形態の処理によれば、注目画素のうち、写真領域の画像で黒潰しの対象となる画素については、輝度変調処理(S1200)によって、「黒潰し対象の輝度をもつ画素」と「黒潰し対象外の輝度をもつ画素」のいずれかに変調される。すなわち、ノイズ付加による変調によって、本来画素値が黒潰しの対象の画素(所定範囲の画素)のうち、黒潰し対象外の輝度をもつ画素に変換されるものが生じる。その結果、このように変換された「黒潰し対象外の輝度をもつ画素」については、黒潰し処理(S1300)において輝度が変化しないため、結果として写真画像領域では黒潰し処理が発生しない画素を存在させることができる。これにより、写真領域に対して、文字/線画領域用に設定した黒潰し処理を同様に適用しても(S1300)、その効果を弱めることができる。
先に示した図12(b)は、図12(a)に示す元の画像に対し、本実施形態の変調処理を行なわずに黒潰し処理を行なった場合の画像を示している。この場合、黒潰し処理によって暗部の階調がつぶれ、左側の数ラインは真っ黒な画像になる。
一方、図12(d)は、図12(a)に示す元の画像に対し、本実施形態の変調処理を行なうことによって、図12(c)のように変化させたものに黒潰し処理を行なった結果の画像を示している。この画像では、上述の通り、暗部についても「黒潰し対象外の輝度をもつ」画素が一定の間隔で存在しているため、黒潰し後であってもこれらの画素による階調性が残り、図12(b)にみられるようなつぶれが回避される。
なお、上記実施形態では、画素値変調(輝度変調)と画素値加工(輝度加工)を連続して行ったが、与えた変調の意味を損ねない限りにおいては、二つの処理の間に他の加工処理を実施しても良い。これは以下に続く他の実施形態でも同様である。
また、本実施形態では文字属性値Mについて0または1の二値情報としたが、これを文字らしさに基づく多値情報にしても良い。たとえば、Mを8ビットで表し、M=0のときは完全に写真領域の画素、M=255のときは完全に文字領域の画素とし、その間の信号値では、文字領域の画素である可能性の高さによって信号値を決定する。その場合、ステップ1100での文字属性判別でMが任意の閾値以下となるかで場合わけすればよい。さらに、Mの値に応じて変調量を変化させても良い。この場合、ステップ1100での分岐は必ずしも必要でなく、ステップ1220での変調量算出の際にMに応じた最適な変調量dYを求めればよい。
具体的には、前述の式(3)を例えば下記のように変更すればよい。
dY=0 (Y1≧Ys)
dY=Yb×(1−Y1/Ys)×(255−M) (Y1<Ys)
・・・式(9)
これにより、Mが大きい値の時には、文字領域の画素である可能性が高いため、変調量を低く設定し、Mが小さい値の時には、写真領域の画素である可能性がたかいため、変調量を高く設定できる。以上により、本実施形態で述べた効果に加え、画像中で領域の切り替わりを目立たなくし、画質を向上できる。これはいかに続く他の実施形態でも同様である。
(実施形態2)
上述の第一の実施形態では、ステップ1220〜1240の処理で画素値の変調を行った。この方法では画素の位置に基づいて変調量の方向を決定するものであるため、変調が実施される領域では画素が市松模様状の明暗に変調される。記録装置の出力解像度によっては、この画素の規則的な明暗変化が出力物にパターンとして現れてしまい、画質を損ねる可能性がある。また、入力された画像が例えば網点印刷によるものであって、その画像自体がもつ空間周波数特性が、上記実施形態における市松模様状の変調が持つ空間周波数特性と干渉した場合にはモアレの発生の恐れがある。本実施形態ではこれを改善する方法に係るものである。
図14(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る補正・加工処理を示すフローチャートである。図において、ステップ2000〜2210、ステップ2240〜2400の処理については、前述のステップ1000〜1210、ステップ1250〜1400と同じであるため、それらの説明は省略する。
本実施形態では、輝度置換処理(図14(a)のS2200)を実施することにより、輝度を変調するとともにその変調に不規則性を持たせるものである。
輝度置換処理の詳細を示す図14(b)において、ステップ2220は置換確率を算出する処理である。すなわち、輝度Y1から輝度置換確率pYを以下の計算式によって算出する。
pY=0 (Ys≦Y1)
pY=(pYmax/(Ys−Yb))(Ys−Y1) (Yb<Y1≦Ys)
pY=(pYmax/Yb)×Y1 (0≦Y1)
・・・式(10)
ここでpYは置換確率を表し、0のときに確率ゼロ、255の時に確率1である。pYMaxについては、写真階調でどの程度黒近傍の階調を残したいかを考慮して設定する。なお、それぞれの値は本処理を実施する際のMFP装置の入出力特性に応じて設定することができ、また、第1実施形態でも述べたように黒潰し処理で設定したYs、Ybに対し任意のマージンを取っても良い。図15は、上記pYとY1の関係を示す線図である。
次に、ステップ2230で、輝度置換を行なう。具体的には、上記で求めたpY、Y1から、以下の計算式によって置換処理後の輝度Y’を算出する。まず、乱数発生器を用いて、1〜255の値をランダムに発生させる。発生した値がpY以下のときは注目画素の輝度を以下の式で置換する。
Y’=eY ・・・式(11)
ここでeYは置換輝度であり、本実施形態ではeY=Ysとする。
発生した値がpYを超えるときは注目画素の輝度Y1をそのまま用いる。
Y’=Y1 ・・・式(12)
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、変調を不規則に行なうことによって、変調によって画素の規則的な明暗変化が出力物にパターンとして現れることを抑制できる。また、変調時の空間周波数特性と、例えば網点印刷物などが原稿中にもつ空間周波数特性が干渉してモアレが発生することを抑制できる。
なお、本実施形態では置換輝度eYをYsとしたが、eYはステップ2310の輝度加工で輝度ゼロに加工される値(0〜Yb)でなければ他の値であっても良い。例えばYsより低い値に設定することで、置換前後での画素値の変化を低減できるため、画像上で置換画素を目立たなくすることが可能となる。その場合、pYとeYをあわせて調整することで、本実施形態の効果を得ることができる。
また、変調量そのものを乱数で決定したり、変調符号Fを乱数で決定してもよい。
(実施形態3)
上記第一および第二の実施形態では、画素値加工処理として黒潰し処理を行う場合について説明したが、本実施形態は、高彩度部における彩度強調処理を行う場合に本発明を適用する場合について説明する。
色文字をコピー出力する際の出力色設計を考えた場合、高彩度部では文字をくっきりと目立たせることが望ましい。そのためには、高彩度の画素について、彩度成分を増加させて強調することが有効である。一方、自然画では、彩度を強調することは画像の見栄えを良くするために有効であるが、文字の場合のように極端な彩度強調をすると、高彩度部での階調が失われてしまう。これを防ぐために、原稿中の文字・線画領域では色文字をくっきりと強調するような彩度加工を用い、その他の領域では連続階調を保ちつつ見栄えを良くするような強調量で彩度加工を行う必要がある。しかし、それぞれのための加工テーブルを設ける必要があり、また、注目画素の画素属性に応じて切り替えて使用した場合、動作速度やメモリ効率の点で実現が難しい場合がある。
本実施形態は、複数の加工テーブルを切り替えることなしに、色文字を鮮明に出力するとともに、自然画の高彩度領域での階調性を保つ構成に関するものである。
図16(a)および(b)は、本発明の第2の実施形態に係る補正・加工処理を示すフローチャートである。図において、ステップ3000〜3100、ステップ3400については、前述のステップ1000〜ステップ1100、ステップ1400と同様の処理であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、前述の輝度変調と同様に彩度変調(図16(a)のS3200)を行なう。この彩度変調の詳細を示す図16(b)において、先ず、ステップ3210で色情報を算出する。具体的には、注目画素ごとの画素値RGBから、色相H1、彩度S1、および明度V1を以下の計算式によって算出する。なお、以下の式では一般にRGB→HSV変換として用いられている色変換を用いている。ここで、RGBの最大値をMaxRGB、最小値をMinRGBとする。
S1=(MaxRGB−MinRGB)/MaxRGB
V1=MaxRGB
H1については、MaxRGBがR、G、Bのどの信号値であるかで場合わけして算出する。
MaxRGBがR信号値の場合、
H1=60×(G−B)/(MaxRGB−MinRGB)+0
MaxRGBがG信号の場合、
H1=60×(B−R)/(MaxRGB−MinRGB)+120
MaxRGBがB信号の場合、
H1=60×(G−B)/(MaxRGB−MinRGB)+240
・・・式(12)
なお、上例では、式(12)で算出したようなH1、S1を用いているが、入力画素の色味成分と鮮やかさ成分を表す値であれば、他の値でもよい。例として、L***色空間やLuv色空間での色相、彩度でもよい。また、これら色空間の定義する式をそのまま用いるのでなく、計算の単純化の為に近似的に表したものを用いてもよい。
次に、ステップ3220で、色変調量を算出する。具体的には、上記で求めたS1から色変調量dSを以下の計算式によって算出する。
dS=0 (S<Ss)
dS=(dSMax/(255−Ss))×(S1−Ss) (S≧Ss)
・・・式(13)
ここで、dSMaxは最大変調量を表し、Ssは彩度変調閾値を表す。本実施形態では、後のステップで実施される彩度強調において、RGBCMY各色の色相において、彩度強調対象となるような色の最低彩度を色相ごとに求め、その平均値をSsとして用いる。dSMaxについては、色変調の前後で、彩度の大小関係に反転が起こらないよう、(255−Ss)を超えない範囲で、写真画像での階調再現と彩度強調のバランスにあわせた値を設定する。
なお、それぞれの値は本発明を実施する際のMFP装置の入出力特性に応じて任意に設定すればよく、例えば安定した印刷濃度やスキャンデータが得られない装置であればSsやdSMaxを高めに設定してマージンをとっても良い。また、前ステップで述べたように、L***色空間やLuv色空間での彩度をもとに設定しても良い。各色で彩度強調のさせ方が異なっている場合には、前ステップで求めたHに対応した色相での彩度強調量と彩度強調対象となる最低彩度を求め、HによってdSMax、Ssを変化させても良い。
図17は、上記dSとS1の関係を示す線図である。
次に、ステップ3230で、色変調方向を算出する。すなわち、注目画素に対し、彩度を加算する変調を行うか減算する変調を行うかを切り替えるための変調符号値Fを算出する。変調符号値Fは、注目画素の座標が「x座標、y座標ともに偶数」または「x座標、y座標ともに奇数」の場合はF=+1とし、それ以外の場合はF=−1とする。
そして、ステップ3240で、色変調を行なう。具体的には、上記で求めたS1、F、dSから変調後の彩度S2を算出する。
S2=S1+F×dS
最後に、ステップ3250で、変調後画素値を算出する。具体的には、上記で求めたH1、V1、S2から、変調後の画素値R2、G2、B2を算出する。
S2=0の場合、
R2=G2=B2=V1
S2>0の場合、以下の式によって算出する。なお、以下の式では一般にHSV→RGB変換として利用されている色変換を用いている。また、「int(x)」はxの小数を切り捨てた値を表す。
i=int(H1/60)
f=H1−(i*60)
p1=V1*(1−S2)
p2=V1*(1−S2*f)
p3=V1*(1−S2*(1−f))
R2=V1, G2=p3, B2=p1 (i=0)
R2=p2, G2=V1, B2=p1 (i=1)
R2=p1, G2=V1, B2=p3 (i=2)
R2=p1, G2=p2, B2=V1 (i=3)
R2=p3, G2=p1, B2=V1 (i=4)
R2=V1, G2=p1, B2=p2 (i=5)
また、前ステップで述べたように、L***色空間やLuv色空間での彩度をもとに変調を行った場合は、これに対応するように各色空間からRGBへの逆変換を行えばよい。
再び図16(a)を参照すると、上述した彩度変調処理(S3200)の後、ステップ3300で、変調後の画素値R2、G2、B2に基づいて、彩度強調を行う。ここでは、文字/線画に適した強調量による彩度強調処理を、三次元ルックアップテーブル情報として保持し、それを参照することで彩度強調を行うものとする。
この彩度強調では、写真領域の画像で彩度強調の対象となる画像の画素については、本実施形態の変調処理によって「彩度強調対象となる画素」と「彩度強調対象とならない画素」のいずれかに変調されている。従って、変調によって、「彩度強調対象とならない画素」になったものについては、彩度強調処理において彩度が変化しない。これにより、写真画像領域では彩度強調がなされない画素を存在させることができる。その結果、写真画像領域に対して文字/線画領域用に設定した彩度強調処理を同様に適用しても、その効果を弱めることができる。
以上の本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加えて以下の効果が得られる。すなわち、複数の加工テーブルを切り替えることなしに、色文字を鮮明に出力できるとともに、自然画の高彩度領域での階調性を良好に保つことができる。
なお、本実施形態では彩度の強調量を制御することを例としたが、あわせて第1、第2実施形態における黒潰し量の制御を行うことも可能である。その場合、変調方向は明るさ方向と色相方向を組み合わせたベクトルとして表現できる。つまり、注目画素の持つRGB信号値から決まる、色空間上での三次元的な位置によって、その信号値に対して適切な方向に指向性を持たせて、適切な量でもって変調を行なってもよい。
また、加工処理や色変換によって、文字・線画領域に対して最適になるような処理を実施している際に、写真領域として判別された画素に対し、その処理の効果が弱まる方向への画素値変調を施すことで、領域別に適した強度で処理を実施できる。
(実施形態4)
上述した第一から第三の実施形態では、注目画素ごとの画素情報をもとに、注目画素ごとに画素値を変調する例について説明した。しかし、例えば、像域分離結果の文字/写真判定の精度によっては、特異点として写真中に文字/線画領域として判別された画素などが生じることがあり、その場合にその画素に対しては画素値変調が行われないことになる。
また、変調前後で階調を保存したい場合について、第1実施形態の応用として、クリップした輝度を保持する方法を示したが、これで解決できないものとして、以下のような場合が考えられる。つまり、原稿が例えば新聞広告などの、面積階調の画素である場合、単画素を見ているのみでは網点画像が存在する部分だけが画素値変調されることになる。このとき、網点画像が比較的濃いインクで印刷されている場合、輝度を変調する際に、暗く変調するのに十分な輝度が残っていない場合が考えられる。変調対象となる画素が網点の濃いインク部分だけであると、これを解消することはできない。結果として、変調時に原稿全体での輝度を保存できなくなる。
また、単一の画素に対する変調量や変調方向を乱数や画素の座標をもとに決定した場合、例えば記録するページ全体などの十分に大きな画素数で構成される領域に対しては、変調の総和は統計的にゼロになる。そして、変調の前後において原画像の輝度、彩度などの信号値の総和は保存される。しかし、変調対象の画像領域が少ない画素数で構成されているときに、同様に信号値の総和が保存される確率は下がってしまう。
本実施形態ではこれらを改善する方法に関し、画像データにおける画素値の分布に応じて変調を行うものである。
図18(a)〜(c)は、本発明の第四の実施形態に係る加工・補正処理を示すフローチャートである。これら図において、ステップ4100〜4220、ステップ4250〜4400の処理については、前述のステップ1100〜1220、ステップ1240〜1400と同様であるため、それらの説明は省略する。
図18(a)において、ステップ4000では、注目画素の周辺情報を取得する。具体的には、注目画素を中心とした横7画素、縦7画素で構成される7画素×7画素の処理領域を設定し、この処理領域の各画素値から式(14)に従って輝度Yを算出する。
Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B・・・式(14)
そして、画素ごとに求めたYの7画素×7画素領域の平均を、注目画素の輝度値Y1として使用する。また、属性地Mの7画素×7画素の画素ごと値を平均したものを、注目画素の画素属性値M’として使用する。ここで、7画素×7画素領域の各画素値について、注目画素近傍に重みをおいて加重平均をとることにより、注目画素とその近傍でのM、Yをより重視して注目画素のM’、Y1を求めるようにしてもよい。
図18(b)におけるステップ4230では、変調符号を算出する。ここでは、注目画素を左上とした横4画素、縦4画素で構成される4画素×4画素の処理領域を設定し、この処理領域の各画素値に対して、輝度を加算する変調を行うか減算する変調を行うかを切り替えるための変調符号値Fを算出する。変調符号値Fは、該処理領域の各画素の座標が「x座標、y座標ともに偶数」または「x座標、y座標ともに奇数」の場合はF=+1とし、それ以外の場合はF=−1とする。
そして、ステップ4240で変調値を記憶する。ここでは、dY(実施形態1でのステップ1220と同様にステップ4220で求める)、Y1、前述の処理領域の各画素におけるFから、各画素の変調値を記憶する。各画素の変調値は、以下の式によって求めることができる。
dY=dY0 (Y1≧Ys)
dY=dY0+dYMax/16×(1−Y1/Ys) (Y1<Ys)
・・・式(15)
ここで、dY0は、既に他の注目画素による変調によって与えられた各画素の変調値である。なお、上式では注目画素によって得た変調量を均等に各画素に加算したが、注目画素近傍に重みをおいて加算しても良い。
以上の本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加えて以下の効果が得られる。すなわち、注目画素を含む複数画素の画素情報をもとに変調量を決定することができる。その結果、複数画素の文字属性値を見ることで、像域分離の精度によらず、画像中に変調の切り替わりが目立ちにくい変調結果が得られる。また、複数画素の画素値を見ることで、原稿の印刷形態の特徴によらず、変調前後での輝度保存を保証できる。さらには、注目画素を含む複数画素の画素値を変調することで、画像中の局所領域や低画素数で構成される画像に対しても、変調前後での輝度保存を保証できる。
なお、本実施形態では、上記第1の実施形態に対し、入力する画素/変調する画素を複数にしたものを述べたが、第2実施形態、第3実施形態に対しても同様の実施が可能である。第2実施形態で乱数付加によって画素値を変調しているような場合に、本実施形態と同様に、注目画素の1つの画素における変調処理による変調量の総和がゼロになることを保証するには、例えば注目画素そのものへの変調量は第2実施形態と同様に求める。そして、0から先の変調量を引いた値を、残った周辺画素に対して任意の比率、分散で割り振ればよい。また、入力、変調のいずれかの画素を複数にすることでも、それぞれの効果を得られるので、これについても装置の性能や規模の制約にあわせて任意に実施できる。入力する画素の周辺画素で参照する画素数と領域、変調の対象とする画素数と領域についても、本実施形態で挙げた画素数に限らず、任意に設定が可能である。
(実施形態5)
上述の第1〜第4実施形態では、画素値(またはその平均値)と属性値(またはその平均値)をもとに、変調量を決定していた。しかし、注目画素を構成する画像が面積階調画像であるか濃度階調画像であるかによって、変調量を決定した方がより好適である場合が考えられる。例えば、原稿が網点印刷などの面積階調画像である場合、暗い部分や濃い部分での階調は、C、M、Y、Kといったドットの隙間に空白部分がどの程度含まれるかによって表現する。つまり、本発明における輝度変調処理を行なわなくとも、輝度加工処理後も空白部分は保持されるため、そのままでもある程度階調が損なわれずにコピー出力が可能である場合も考えられる。このような原稿に対して、本発明を適用すると、写真画像領域に対して新たに高周波成分を加えることになり、本来の画質が損なわれる場合も考えられる。
本実施形態ではこれを改善する方法に関するものである。
図20(a)〜(c)は、本発明の第四の実施形態に係る加工・補正処理を示すフローチャートである。これら図において、ステップ5100〜5210、ステップ5250〜5400については、前述のステップ4100〜4210、ステップ4230〜4400と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図20(b)におけるステップ5210では、注目画素を中心とした横7画素、縦7画素で構成される7画素×7画素の処理領域を設定し、この処理領域の各画素値から式(16)に従って輝度Yを算出する。
Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B・・・式(16)
7画素×7画素領域の画素ごとのYの値の平均を、注目画素の輝度値Y1として使用する。また、属性Mの7画素×7画素領域の値を平均したものを、注目画素の画素属性値M’として使用する。ここで、7画素×7画素領域の各値について、注目画素近傍に重みをおいて加重平均をとることで、注目画素とその近傍でのM、Yをより重視して注目画素のM’、Y1を求めてもよい。
さらに、7画素×7画素領域のYの値について、最大値YMaxと最小値YMinを求め、以下の式によってYの輝度幅Ywを得る。
Yw=YMax−YMin・・・式(17)
ここで、もし注目画素が濃度階調画像の画素であれば、その周辺の画素の輝度値も連続的に変化していることになり、YMaxとYMinは互いに近い値となり、Ywは小さくなる。これに対し、もし注目画素が面積階調画像の画素であれば、その周辺に空白部分が存在することによって、YMaxには白近傍の輝度が選ばれるため、Ywは濃度階調画像の場合に比べて大きくなる。
すなわち、次のステップ5220で、上記で求めた輝度幅について輝度幅閾値による判定を行なう。具体的には、輝度幅Ywを輝度幅閾値ThYwと比較し、Yw>ThYwであるとき、注目画素は面積階調画像の画素であると判断し、ステップ5240へ進む。一方、Yw≦ThYwであるとき、注目画素は濃度階調画像の画素であると判断し、ステップ5230へ進む。
ステップ5230では、濃度階調画像用の輝度変調処理であることから、dYを求める。これはステップ4220と同様に求めることができる。一方、ステップ5240では、面積階調画像用の輝度変調処理であることから、dY=0とする。
以上の本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加えて以下の効果が得られる。すなわち、原稿が銀塩写真などの濃度階調画像である場合には、輝度変調によって連続階調部分のつぶれを抑制し、原稿が網点印刷などの面積階調画像である場合には、輝度変調を行なわずに画質を保つことができる。
なお、本実施形態では、注目画素が濃度階調画像の画素であるか、輝度階調画像の画素であるかを、YwとThYwの比較によって判別したが、これをYについての他の統計量とその閾値で判別してもよい。例えば、Yの7×7領域の値について、分散をとってもよい。また、判別を二者択一で行なったが、これを多段階で行なってもよい。たとえば、ステップ5220〜ステップ5240のかわりに、Ywの値によらずに以下のような式によってdYを求めるステップをおいてもよい。
dY=dY0 (Y1≧Ys)
dY=dY0+dYMax/16×(1−Y1/Ys)×(255−Yw)/255
(Y1<Ys)
・・・式(503)
上式により、Ywが十分大きいときにdYが小さくなり、Ywが十分小さいときにdYが大きくなる。
(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るマルチファンクションプリンタ(MFP)のそれぞれ外観斜視図およびオートドキュメントフィーダーを兼ねた原稿台蓋を開けた状態の斜視図である。 図1(a)および(b)に示したMFPの制御および画像処理などを実行する構成を示すブロック図である。 上記MFPにおいてコピー時に実行される画像処理を示すフローチャートである。 標準色空間の色域とプリンタ色域をCIE‐L***表色系で表した図である。 本発明の一実施形態で用いるガマット圧縮の一例を説明する図である。 白飛ばしおよび黒潰しの詳細を説明する図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る処理単位を説明する図である。 本実施形態に係る処理単位の移動を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は、本発明の第一の実施形態に係る補正・加工処理の詳細を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る輝度変調量を求める関係式を示す線図である。 第1実施形態に係る変調符号Fと注目画素座標との関係を説明する図である。 (a)〜(d)は、黒潰しに関して連続階調のグラデーション画像がどのように変調されるのか説明する図である。 第1実施形態に係る黒潰し処理による輝度Y’’を求める1次元ルックアップテーブルを示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の第二の実施形態に係る補正・加工処理の詳細を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る置換確率pYと輝度Y1との関係を示す線図である。 (a)および(b)は、本発明の第三の実施形態に係る補正・加工処理の詳細を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る彩度変調量を求める関係式を示す線図である。 (a)〜(c)は、本発明の第四の実施形態に係る補正・加工処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、本発明の第五の実施形態に係る補正・加工処理の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1 MFP装置
11 CPU
12 画像処理部
13 記録部
14 読取部
15 操作部
16 ROM
17 RAM
18 不揮発性RAM
33 記録装置
34 読取装置

Claims (13)

  1. 画像データにおける画素値に基づいて所定の色空間で定義される、画像を表す成分が、当該色空間における所定範囲内にある場合に、当該画素値に基づく前記成分の値を変更する加工処理を含む画像処理を実行する画像処理装置であって、
    画像データにおける画素値に基づく前記成分に前記成分の変調量を付加することにより当該成分が前記所定の範囲外となるようにすることによって、前記加工処理による加工の対象となる画素が少なくなるように画素値の変調を行う画素値変調手段、
    を具えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像データの種類を判別する画像判別手段をさらに具え、
    該画像判別手段が文字/線画以外の画像であると判別したとき、前記画素値変調手段は画素値の変調を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記加工処理は、画像の明るさ成分の階調を加工する処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像の明るさ成分の階調を加工する処理は、黒潰し処理であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記加工処理は、画像の彩度成分を増加させる処理であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  6. 前記画素値変調手段は、色空間上で画素値がとる位置に応じて前記変調量を付加することにより当該成分の値を増加または減少させる変調がなされるように前記変調量を決定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記画素値変調手段は、変調対象画素の位置に応じて変調量の正負を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記画素値変調手段は、画素値に応じた確率で当該画素値の置換を行うことにより変調を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記画素値変調手段は、画素値の変調の前後で変調対象となる画素の画素値の総和を保存することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記画素値変調手段は、画像データにおける画素値の分布に応じて、画素値の変調を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 前記画素値変調手段は、前記画像データが面積階調画像を構成するか、濃度階調画像を構成するかによって異なる変調を行なうことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. 画像データにおける画素値に基づいて所定の色空間で定義される、画像を表す成分が、当該色空間における所定範囲内にある場合に、当該画素値に基づく前記成分の値を変更する加工処理を含む画像処理を実行するための画像処理方法であって、
    画像データにおける画素値に基づく前記成分に前記成分の変調量を付加することにより当該成分が前記所定の範囲外となるようにすることによって、前記加工処理による加工の対象となる画素が少なくなるように画素値の変調を行う画素値変調工程、
    を有したことを特徴とする画像処理方法。
  13. 画像データの種類を判別する画像判別工程をさらに有し、
    該画像判別工程が文字/線画以外の画像であると判別したとき、前記画素値変調工程は画素値の変調を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
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