JP2006343863A - 画像処理装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 階調補正後の画像に対して鮮鋭化処理を施すと、通常の画像に対して鮮鋭化処理を施した場合に比べ、よりノイズを目立たせる結果となってしまう。
【解決手段】 UIにより指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正部201と、画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定部203と、処理範囲設定部203で設定された処理範囲の大きさと階調補正の強度とに応じて、その処理範囲に対する処理強度を決定する最大処理強度決定部204と、最大処理強度決定部204で決定された処理強度を用いて画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理部205とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 UIにより指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正部201と、画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定部203と、処理範囲設定部203で設定された処理範囲の大きさと階調補正の強度とに応じて、その処理範囲に対する処理強度を決定する最大処理強度決定部204と、最大処理強度決定部204で決定された処理強度を用いて画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理部205とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、画像に含まれる顔領域に対して鮮鋭化処理を行う画像処理装置及びその方法に関する。
近年、コンシューマ向けの昇華型或はインクジェット方式のプリンタの進歩が著しく、特にインクジェット方式では、インクジェットヘッドの解像度が4800dpiを超え、インクドロップの小滴化も向上したため、非常に高精彩なカラー画像を粒状感をほとんど感じない程度でプリントできるようになっている。これにより近年、このようなプリンタを使用して、デジタルカメラで撮影した画像を自宅で印刷するHome DPE(Development Print Enlargement)が一般ユーザにも浸透している。
一般のユーザがデジタルカメラを用いて撮像した画像は、様々な要因により鮮鋭度が失われ、いわゆる「ボケて」いる状態となっている場合が多い。画像がボケる原因としては、まず手ぶれなどの撮影テクニック上の問題がある。特に、デジタルカメラの撮影モードをオートにしたまま、光量の少ない環境下で撮影を行うと手ぶれを生じやすい。また、オートフォーカスで撮影を行うと、被写体にピントを合わせたつもりでも、撮影するタイミングで背景にピントが合ってしまい、肝心の被写体がボケるという失敗写真も数多く見られる。また、普及価格帯の望遠レンズを用いて撮影を行うと、その望遠レンズの特性により、撮影された画像の鮮鋭度が失われることも多い。以上述べたような様々な要因により画像の鮮鋭度が低下すると、せっかく高解像度のプリンタにより印刷を行っても、そのプリンタの性能が十分に生かされない。このような問題を解消するためには、何らかのエッジ強調処理を行って、画像の鮮鋭度を向上させてプリントすることが望ましい。
ところで、一般のユーザが撮影する主な被写体は、人物の顔であることがよく知られている。従って、上記問題を解決するためには、画像から顔領域を抽出し、その顔領域に対して鮮鋭化処理を行うことが考えられる。このような処理例に特許文献1がある。この文献では、顔領域を抽出し、その顔領域に対して鮮鋭化処理を行っている。その際、顔のサイズが小さくなるほどエッジ強調の度合いを強くすることで、小さいサイズの画像は目鼻立ちを、よりはっきりさせ、サイズの大きい顔に対しては、人肌上のノイズを増幅させない処理が可能であるとしている。
特開平9−233423号公報
しかし上記従来技術では、画像から主被写体領域を抽出し、その領域に対して鮮鋭化処理を行っている。一般的な鮮鋭化処理を行う場合、その前段で行われた画像処理によっては、同じ強度で鮮鋭化処理を施しても不具合が生じる場合がある。例えば、逆光補正と鮮鋭化処理とを組み合わせた場合を考える。一般ユーザが、デジタルカメラ等の撮像装置を用いて画像を撮影する際の高頻度の失敗画像として逆光画像がある。例えば、人物を逆光状態で撮影すると、人物の顔領域は周囲の背景に比べ暗く写ってしまう。このような画像は、ガンマ補正などの階調補正手段を用いることによって補正する処理が考えられる。この場合は、例えば図4に示すような階調曲線を用いて、暗い領域の輝度値を持ち上げるように補正する。尚、同図において、横軸は各画素のオリジナル画素値であり、縦軸は階調補正後の値を示している。同図には2種類の階調曲線が示されており、Curve1よりもCurve2の方が、画像全体をより明るく補正することが可能である。
一方、近年のデジタルカメラ等に使用されているCCDやCMOS等の撮像素子は、一般的に暗部における感度が低いため、撮影画像の暗い部分にはいわゆる「暗部ノイズ」が発生することが知られている。従って、暗く写った画像に対して上述した階調補正処理を施すと、暗部ノイズも増幅されることになる。更に、この階調補正後の画像に対して鮮鋭化処理を施すと、通常の画像に対して鮮鋭化処理を施した場合に比べ、よりノイズを目立たせる結果となってしまう。
本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置であって、
階調補正の強度を指示する強度指示手段と、
前記強度指示手段により指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正手段と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定手段と、
前記処理範囲設定手段で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定手段と、
前記処理強度決定手段で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有することを特徴とする。
画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置であって、
階調補正の強度を指示する強度指示手段と、
前記強度指示手段により指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正手段と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定手段と、
前記処理範囲設定手段で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定手段と、
前記処理強度決定手段で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る画像処理装置の画像処理方法は以下のような工程を備える。即ち、
画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置における画像処理方法であって、
階調補正の強度を指示する強度指示工程と、
前記強度指示工程で指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正工程と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定工程と、
前記処理範囲設定工程で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定工程と、
前記処理強度決定工程で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理工程とを有することを特徴とする。
画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置における画像処理方法であって、
階調補正の強度を指示する強度指示工程と、
前記強度指示工程で指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正工程と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定工程と、
前記処理範囲設定工程で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定工程と、
前記処理強度決定工程で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、鮮鋭化処理の前段で処理される処理の強度に応じて鮮鋭化処理における処理強度を決定して鮮鋭化処理を行うことにより、前段で生じたノイズ成分が鮮鋭化処理で強調されるのを抑制できる効果がある。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、以下で説明する処理機能は、主として、プリンタエンジンへ出力すべき画像情報を作成するコンピュータ(PC)のプリンタドライバソフトで実現される場合で説明する。しかし本発明はこれに限定されるものでなく、スキャナ等の光学読取り装置を動作させるためのドライバソフト、又はアプリケーションソフトとして内蔵されても良く、また或は複写機、ファクシミリ、プリンタ本体等のハードウェア、或はソフトウェアの機能として内蔵されても良い。
図1は、本発明の実施の形態に係るホストコンピュータ(PC)とプリンタとを接続したシステムの構成を説明する図である。
図において、コンピュータ(PC)100は、コンピュータ100全体の動作を制御するCPU101、CPU101により実行されるプログラムやデータを記憶しているROM102、2次記憶装置105からロードした、CPU101により実行されるアプリケーションプログラムやOSなどを記憶すると共に、CPU101による制御処理時に各種データを一時的に格納するワークエリアを提供するRAM103、ディスプレイなどの表示装置104、キーボード107、マウス106などのユーザインターフェース(UI)を備えている。ハードディスクなどの2次記憶装置105には、OSや各種アプリケーションがインストールされており、これらOSやプログラムは実行時にRAM103にロードされて実行される。またインターフェース108は、他のコンピュータやプリンタ109などと接続しており、このインターフェース108はネットワークなどとの接続も可能である。更に、このインターフェース108は有線だけでなく、無線によるデータのやり取りも可能である。
図2は、本実施の形態1に係るPC100における画像処理の機能を説明するブロック図である。
この画像処理は、階調補正部201、顔・器官位置検出部202、処理範囲設定部203、最大処理強度決定部204、鮮鋭化処理部205の機能を有している。
本実施の形態では、入力端子200から画像データは、例えばデジタルカメラで撮影された画像や、スキャナなどの光学読取装置で原稿を読み込んで得られた画像や、デジタルビデオカメラで撮影された動画中の1フレームを抽出した画像などの画像データを想定している。また本実施の形態では、この画像データはRGB各8ビットで構成された画像データを想定して説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばモノクロ画像に対しても容易に適用できることは言うまでもない。
この画像データは階調補正部201に入力され、階調補正処理が行われる。本実施の形態では、最も簡単なガンマ補正を例にして説明する。例えばここではガンマ補正を行って、人物などの主被写体が暗くなっている場合にはその画像を明るくするような階調補正を行う。また、この際に用いた階調補正の処理強度は、後段の最大処理強度決定部204に入力される。
この階調補正部201で階調補正された後の画像データは、顔・器官位置検出部202に入力される。この顔・器官位置検出部202は、この画像データから人物の顔、目や鼻、口などの器官の位置を検出する。ここで検出された顔領域の位置情報は、後段の処理範囲設定部203や最大処理強度決定部204に入力されて利用される。
次に、画像データは処理範囲設定部203に入力される。この処理範囲設定部203は、顔・器官位置検出部202で検出した顔領域に対して、鮮鋭化強調処理を適用する範囲を決定する。尚、本実施の形態で用いる鮮鋭化処理を、アンシャープマスク処理を例に挙げて説明する。このアンシャープマスク処理のアルゴリズムは、公知である以下の式(1)により表される。
S'=S+k・(U−S) ...式(1)
ここで、Sは原画像信号、Uは注目画素周辺に対して設定したエリア内の平滑化信号を示している。従って(U−S)は、原画像信号と平滑化信号との差分の絶対値であり、この信号を強調信号と呼ぶ。アンシャープマスクアルゴリズムでは、ある強調係数kを乗じた強調信号(U−S)を原画像Sに加算することで鮮鋭化処理を実現し、鮮鋭化処理済の画像をS'で表している。
ここで、Sは原画像信号、Uは注目画素周辺に対して設定したエリア内の平滑化信号を示している。従って(U−S)は、原画像信号と平滑化信号との差分の絶対値であり、この信号を強調信号と呼ぶ。アンシャープマスクアルゴリズムでは、ある強調係数kを乗じた強調信号(U−S)を原画像Sに加算することで鮮鋭化処理を実現し、鮮鋭化処理済の画像をS'で表している。
次に最大処理強度決定部204において、後段に位置する鮮鋭化処理部205における鮮鋭化処理の最大処理強度を決定する。本実施の形態に係る鮮鋭化処理では、顔領域周辺に対して設定した処理範囲を均一の処理強度で鮮鋭化するのではなく、顔領域の中心から外側に向かうに従って、除々に鮮鋭化強度を小さくするような処理を行う。ところで、本実施の形態で用いるアンシャープマスク処理の処理強度を決定するパラメータとして、以下の2つのパラメータが存在する。一方は、平滑化信号を生成するために注目画素周辺に設定するエリアの大きさである。他方は強調係数である。前者である注目画素周辺エリアの大きさを大きくすると、一般的に注目画素の鮮鋭化強度は強くなる。また後者の強調係数の値を大きくすると、強調信号が増幅されるため鮮鋭化強度は強くなる。
本実施の形態ではこれらの内、前者である注目画素周辺エリアのサイズを、処理範囲内部で画素位置に応じて変化させることで鮮鋭化強度を変化させる。具体的には、鮮鋭化処理範囲の中心の注目画素周辺エリアのサイズが最大であり、中心から外側に向かうに従って、注目画素周辺エリアのサイズを小さくしてゆく。この最大処理強度決定部204の目的は、処理領域中心の画素に対して適用する注目画素周辺エリアの最大値を、処理対象となっている顔領域の大きさと、ユーザが指定した鮮鋭化処理の強度、及び階調補正部201から入力された階調補正強度に応じて決定することにある。
鮮鋭化処理部205は、上記アンシャープマスクアルゴリズムに基づく鮮鋭化処理を行う。ここでは処理範囲設定部203で設定された領域に対し、最大処理強度決定部204で決定された最大エリア、或はそれより小さいエリアを適用して、アンシャープマスク処理を行う。尚、この鮮鋭化処理部205における詳細な処理の説明は後述する。
このような処理が施された画像データは端子206から出力され、表示装置104に表示されたり、また圧縮処理が施されて2次記憶装置105に保存される。また或は、インターフェース108を介して接続されたプリンタ109に送られて印刷される。
以上が、本実施の形態に係る処理の概要説明である。以下より、各部の詳細な処理について説明する。
階調補正部201は、上述したように、階調補正として最も簡単なガンマ補正を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。一般的なガンマ補正の式は、次式によって与えられることが知られている。
Vout/255=(Vin/255)1/γ
上式において、Vin及びVoutは、それぞれ8ビット階調の入力画素値と出力画素値を想定している。また、γは補正量を表すパラメータであり、γ=1.0で入力画素値と出力画素値は一致し、γの値が「1.0」よりも大きくなるに従って、各画素値が明るい方向に補正されることになる。例えば、γ=1.5,Vin=128の場合、Vout=180となる。
上式において、Vin及びVoutは、それぞれ8ビット階調の入力画素値と出力画素値を想定している。また、γは補正量を表すパラメータであり、γ=1.0で入力画素値と出力画素値は一致し、γの値が「1.0」よりも大きくなるに従って、各画素値が明るい方向に補正されることになる。例えば、γ=1.5,Vin=128の場合、Vout=180となる。
階調補正部201では、上記ガンマ補正を入力画像の各画素に対して施すことにより、特に暗部、中間調部分が明るくなるような補正を行う。尚、この階調補正は、入力された画像を構成するRGBの各要素に対して施してもよいし、YCbCr等の輝度色差成分のうち、輝度成分Yのみに対して施してもよい。
また、この際の補正強度は、例えば、図3に示すようなユーザインタフェース(UI)によって、ユーザが指定することも可能である。
図3は、ユーザが処理強度を指定するための表示装置104に表示されるユーザインターフェース(UI)の一例を示している。
同図のUIでは、ガンマ補正の強度をボックス301に入力する数値により、10段階で指定できる。ユーザはチェックボックス304をチェックして、ボックス301でガンマ補正の強度を指定した後、実行ボタン303を指示することにより所望の階調補正処理を実行させることができる。
またユーザは、ボックス302に入力する数値により10段階で鮮鋭化強度を設定できる。ユーザはチェックボックス305をチェックして、ボックス302の所望の鮮鋭化処理の強度を入力して実行ボタン303を押すことにより、鮮鋭化処理を実行させることが可能である。
ここでユーザが指定した階調補正の強度をLとする。実際に処理を行う際には、予め10段階の指定強度との値を1対1に対応付けておき、入力された指定強度に相当するγ値を用いて階調補正を行えばよい。また、このときに設定された階調補正の強度は、後段の最大処理強度決定部204に入力される。これにより最大処理強度決定部204は、この指定された階調補正強度を鮮鋭化処理の最大処理強度を決定する際のパラメータの一つとして利用する。
階調補正後の画像データは、顔・器官位置検出部202において、入力画像中から人物の顔および目や口などの器官の位置情報を検出する。顔および器官位置の検出に関しては、従来より様々な方法が提案されている。例えば本願出願人が以前提案した特開2002−183731号公報によれば、まず入力画像から目領域を検出し、目領域周辺を顔候補領域とする。該顔候補領域に対して、画素毎の輝度勾配、及び輝度勾配の重みを算出し、これらの値が予め設定されている理想的な顔基準画像の勾配、及び勾配の重みと比較した時に、各勾配間の平均角度が所定の閾値以下であった場合、入力画像が顔領域を有すると判定する方法が記載されている。また特開2003−30667号公報によれば、まず画像中から肌色領域を検出し、同領域内において、人間の虹彩色画素を検出することにより、目の位置を検出している。更に、特開平8−63597号公報によれば、複数の顔の形状をしたテンプレートと画像とのマッチング度を計算し、マッチング度が最も高いテンプレートを選択し、最も高かったマッチング度が予め定められた閾値以上であれば、選択されたテンプレート内の領域を顔候補領域とする。またこのテンプレートを用いることで、目の位置を検出することが可能であるとしている。更に、特開2000−105829号公報によれば、まず、鼻画像パターンをテンプレートとし、画像全体、或は画像中の指定された領域を走査し最もマッチする位置を鼻の位置として出力する。次に、画像の鼻の位置よりも上の領域を目が存在する領域と考え、目画像パターンをテンプレートとして目存在領域を走査してマッチングをとり、ある閾値よりもマッチ度が度置きい画素の集合である目存在候補位置集合を求める。更に、目存在候補位置集合に含まれる連続した領域をクラスタとして分割し、各クラスタと鼻位置との距離を算出する。その距離が最も短くなるクラスタを目が存在するクラスタと決定することで、器官位置の検出が可能であるとしている。その他、顔および器官位置を検出する方法としては、特開平8−77334号公報、特開2001−216515号公報、特開平5−197793号公報、特開平11−53525号公報、特開2000−132688号公報、特開2000−235648号公報、特開平11−250267号公報、特登録2541688など、数多くの手法が提案されており、本発明においては、それらのうちどのような手法を用いても良い。また、顔及び器官位置の検出法については、上記記載に限定されることはなく、その他のどのような手法を用いても構わない。尚、顔及び器官位置の検出に関しては、従来方法が様々な文献および特許で開示されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
処理範囲設定部203は、顔・器官位置検出部202で検出した顔領域の周辺に対して鮮鋭化処理の対象となる領域を設定する。
図5は、本実施の形態において処理対象とする画像の一例を示す図である。この図では1個所の顔領域が検出される。
本実施の形態では、顔・器官位置検出部202から得られる顔領域として、図6に示すような矩形領域を想定する。
図6は、図5の画像に基づいて顔領域を検出した例を示す図である。
この顔領域を示す矩形領域600は、少なくとも顔領域のうち、目、口、鼻を含む領域であると定義する。この場合、処理範囲設定部203では、図6に示すように、該矩形領域600に外接する楕円領域601を、鮮鋭化対象となる処理範囲と設定する。この楕円領域601の短軸及び長軸の長さを、図7に示すように規定する。
図7は、鮮鋭化対象となる処理範囲として設定された領域を説明する図である。
ここで短軸と長軸の比は、処理対象となる楕円領域601が人物の顔領域に設定されていることを考慮し、ra:rb=2:3、もしくは、ra:rb=3:4程度となっていることが望ましい。尚、この楕円領域601の設定は、画像から検出された全ての顔位置に対して同様に行われる。
最大処理強度決定部204は、検出した顔位置毎に、鮮鋭化処理の最大処理強度を決定する。本実施の形態では、上述したように、後段である鮮鋭化処理部で適用するアンシャープマスクアルゴリズムの、平滑化対象となる注目画素周辺エリアの最大値を決定する。本実施の形態では、上記最大値は、処理対象となる顔領域の大きさ、及びユーザが指定した鮮鋭化処理の強度、及び階調補正部201から入力された階調補正強度に応じて決定する。
以下、図8(A)(B)を参照して注目画素周辺エリアの最大値の決定方法を説明する。
図8(A)(B)は、ある基準となる顔領域の大きさWstd×Hstd(基準画像サイズ、単位:画素)に対する指定強度と強調係数の最大値Kmax、及び注目画素周辺エリアの最大値Dmaxとの関係を示している。図8(A)から明らかなように、本実施の形態においては、指定強度Lが変化しても強調係数の最大値Kmaxが変化しないこととする。また図8(B)から明らかなように、指定強度Lが強くなると目画素周辺エリアの最大値Dmaxも増加するように設定されている。いま検出した顔領域のサイズを以下のように定義する。
顔領域のサイズ=(2・ra+1)×(2・rb+1)
これにより上記顔領域のサイズに対する注目画素周辺エリアの最大値D'maxは以下のように算出することができる。
これにより上記顔領域のサイズに対する注目画素周辺エリアの最大値D'maxは以下のように算出することができる。
D'max=Dmax×f(L)×√{(2・ra+1)×(2・rb+1)/Wstd×Hstd}
即ち、この式は、D'maxが、その顔領域のサイズと基準画像サイズとの面積比の平方根に比例して決定されることを表している。また上式においてf(L)は、図9に示すような指定強度Lの関数となっている。
即ち、この式は、D'maxが、その顔領域のサイズと基準画像サイズとの面積比の平方根に比例して決定されることを表している。また上式においてf(L)は、図9に示すような指定強度Lの関数となっている。
図9は、指定強度Lに対する関数f(L)の変化を説明する図である。
ここではL=0、即ち、階調補正を行わない場合には、f(L)=1.0となるが、Lの値が大きくなるに従ってf(L)の値は減少している。その結果、注目画素周辺エリアのサイズが小さくなる。このサイズが小さくなることにより、後段のアンシャープマスクの処理強度も弱くなるため、暗部ノイズの強調を抑制することができる。
こうして即ち、例えばユーザが図3に示したUIを用いて鮮鋭化処理の強度を「中」(例えば「5」)と指定した場合、上式により、鮮鋭化処理を適用する顔のサイズが異なったとしても、同様に処理強度が「中」の鮮鋭化処理を適用することが可能となる。
また本実施の形態では、指定強度の大きさに応じてアンシャープマスク処理における注目画素周辺エリアのサイズを変化させる方法について述べたが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、指定強度の大きさに応じて、アンシャープマスク処理における強調係数Kmaxを小さくすることにより、アンシャープマスクの処理強度を弱める方法も、当然のことながら含まれる。
次に、処理は鮮鋭化処理部205において、検出した全ての顔領域に対して、前記設定した処理範囲内に対して鮮鋭化処理を適用する。
図10は、鮮鋭化処理部205における鮮鋭化対象領域である楕円領域(同図(A)の外側楕円601)と、アンシャープマスクの鮮鋭化強度を決定する注目画素周辺エリア602のサイズD'の関係を示す図である。
アンシャープマスク処理の処理強度を決定するパラメータの一つである注目画素周辺エリアのサイズD'は、同図(A)に示す外側楕円601内の位置に応じて変化することを示している。具体的には、同図(A)に示す内側楕円602内では、同図(B)に示すようにサイズD'=D'maxで均一である。これに対して内側楕円602から外側楕円601の境界に向かうに従ってサイズD'が減衰している。同図(A)において、内側楕円602の短軸及び長軸は、外側楕円601の短軸及び長軸の長さra,rbのそれぞれに係数eを乗じたものとなっている。ここで係数eの値はどのような値であっても本実施の形態の範疇に含まれることは言うまでもないが、楕円領域が人物の顔に適用されることから、係数eの値は、0.6〜0.8程度が望ましい。また、同図(B)に示すように、サイズD'は、外側楕円601の境界で「0」となるため、鮮鋭化処理領域と非処理領域との境界で不自然な境界等の発生を抑制することが可能となる。
図11は、本実施の形態に係る鮮鋭化処理部205における処理を説明するフローチャートである。この鮮鋭化処理部205では、検出した各顔位置に対して、前述のように設定された処理範囲に含まれる画素を対象としてアンシャープマスク処理による鮮鋭化を行う。尚、本実施の形態では、この処理はRAM103に記憶されたプログラムに従ってCPU101が実行する処理により実現されている。
まずステップS1101は、顔領域の中心から、その鮮鋭化の対象となる注目画素位置までの距離を算出する。次にステップS1102、ステップS1103において、その注目画素位置が図10に示す内側楕円602内か、或は内側楕円602と外側楕円601との間の領域かを判定する。内側楕円602内であればステップS1102からステップS1105に進み、注目画素周辺エリアのサイズD'はD'maxと決定してステップS1107に進む。
ここでステップS1102及びステップS1103の双方の判定が共に否の場合は、その注目画素位置は処理対象範囲に含まれないことを示しているためステップS1104に進み、その注目画素位置を移動してステップS1101に戻る。
一方、ステップS1102の判定が否でステップS1103の判定を満たす場合は、その注目画素は内側楕円602と外側楕円601の間に存在することになるためステップS1106に進み、サイズD'を算出する。この場合、サイズD'は、図10(B)に示すように、内側楕円602の境界から外側楕円601の境界に向かうに従って単調減少するような直線の関数で算出される。次にステップS1107に進み、注目画素周辺の平坦度を算出する。本実施の形態に係る鮮鋭化処理では人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施すが、その際に、目や口のエッジ部だけでなく、比較的平坦な肌領域に対しても同様の処理強度で鮮鋭化を行ってしまうとノイズ成分などを増幅し、滑らかな人肌がザラついた印象を与えてしまうという不具合がある。そこで本実施の形態では、注目画素とその周辺の画素値との差分の絶対和を算出し、その算出結果を平坦度評価量とする。そして、この平坦度評価量に応じて鮮鋭化強度を制御している。
図12は、上述の平坦度評価量の算出に用いる対象画素位置1202を説明する図である。
図において、中心に位置する画素1200が現在の注目画素であり、その周辺に1辺の長さを(2D'+1)とする正方領域1201を設定している。本実施の形態においては、注目画素1200の画素値と、8点の平坦度算出の対象画素1202の画素値との差の絶対値の総和を算出し、その算出結果を平坦度評価量Eとする。即ち、平坦度評価量Eが小さいほど注目画素1200の周辺は平坦な領域である可能性が高く、平坦度評価量Eが大きいほど注目画素1200の周辺はエッジ部などの変動が大きい領域である可能性が高いことになる。
図13は、ステップS1108で用いる平坦度評価量Eと強調係数K'との関係を説明する図である。
同図では、平坦度評価量Eが大きい、即ち、注目画素1200の周辺がエッジ部などである可能性が高い場合には、強調係数K'=Kmaxとする。また平坦度評価量Eがある閾値Th以下になると強調係数K'は単調減少し、平坦度評価量E=0の時K'=0.0なっている。
このように平坦度評価量Eに応じて強調係数K'を変化させることにより、人肌などの比較的平坦な部分に対する鮮鋭化処理を抑制することが可能となる。尚、本発明は、以上説明した平坦度評価方法に限定されるものではなく、その他様々な方法を用いても構わない。例えば、注目画素周辺エリア内画素値の最大最小差を算出し、その最大最小差を平坦度評価量として、同様の処理を行うことも容易に考えられる。
図11に戻り、ステップS1108で、平坦度評価量Eに応じて強調係数K'を変化させた後ステップS1109に進み、ステップS1105及びステップS1106及びステップS1108で算出したパラメータを用いて、前述の式(1)に示したアルゴリズムに従ってアンシャープマスク処理を行う。次にステップS1110に進み、その注目画素が最後の画素か否かを判定し、その場合は処理を終了するが、最後の画素でない場合はステップS1104に進み、注目画その位置を移動してステップS1101に進んで、前述した処理を実行する。
以上説明した鮮鋭化処理は、画像から複数個の顔領域が検出された場合には、それぞれの顔領域に対して実行される。
また、画像中に人物の顔が存在するにも拘わらず、なんらかの理由により、顔・器官位置検出部202において顔領域が検出できない場合も存在する。
図14は、本実施の形態に係るコンピュータ100で表示装置104及びキーボード107を使用して顔領域を指定する処理を説明する図である。
図14では、処理対象の画像を表示装置104に表示し、その画像に含まれる顔領域に対してユーザがキーボードやマウスなどのインターフェースを用いて矩形領域1401を指定した状態を示している。この状態で実行ボタン1402を指示することにより、その矩形領域1401を顔検出部で検出された顔領域として設定できる。そして、その顔領域に対して前述した鮮鋭化処理を適用することも可能である。
以上説明したように本実施の形態1によれば、画像の階調を補正し、その階調補正した画像の顔領域に対して適切な鮮鋭化処理を実行できる。
また本実施の形態1によれば、鮮鋭化処理領域と非処理領域との境界で不自然な境界等の発生を抑制できる。
また本実施の形態1によれば、人肌などの比較的平坦な部分に対する鮮鋭化処理を抑制できるため鮮鋭化処理による画像の劣化を防止できる。
[実施の形態2]
前述の実施の形態1では、鮮鋭化処理の前段で行われた階調補正処理の処理強度に応じて、アンシャープマスク処理のパラメータ(注目画素周辺エリアのサイズ及び強調係数)を変化させることにより暗部ノイズの不必要な強調を抑制する方法について説明した。
前述の実施の形態1では、鮮鋭化処理の前段で行われた階調補正処理の処理強度に応じて、アンシャープマスク処理のパラメータ(注目画素周辺エリアのサイズ及び強調係数)を変化させることにより暗部ノイズの不必要な強調を抑制する方法について説明した。
これに対して実施の形態2では、同様の目的を達成するための別の方法として、前述の実施の形態1で説明した平坦度を検出する際の閾値を、階調補正処理の強度に応じて変化させる場合で説明する。
図15は、本発明の実施の形態2に係るPC100における画像処理の機能を説明するブロック図で、図2と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。前述の実施の形態1で示した図2と異なる点は、階調補正部201における階調補正強度が鮮鋭化処理部205に入力される点である。
図16(A)〜(C)は、本実施の形態2に係る鮮鋭化処理部205において、階調補正部201から入力される階調補正強度に応じて平坦度評価量の閾値を変化させる様子を説明する図である。
図16(A)は、階調補正強度Lが「0」の場合の平坦度評価量Eと強調係数K'との関係を示している。また図16(B)及び(C)は、それぞれL=5,L=9の場合の平坦度評価量Eと強調係数K'との関係を示している。これら図を見ると明らかなように、階調補正強度Lが大きくなるに従って、強調係数K'が一定になる、平坦度評価量Eの閾値Thx(xはLの値に対応)の値も大きくなっている(Th0<Th5<Th9)。これにより階調補正の強度Lが強くなると、平坦度評価量Eの小さい領域に対しては強調係数K'の値がより小さくなり、結果として鮮鋭化処理の強度が弱くなる。
以上説明したように実施の形態2によれば、平坦度評価量Eに対して強調係数K'をKmaxとして適用する平坦度評価量Eの閾値Thを、階調補正処理の強度に応じて変化させる、ここでは階調補正処理の強度Lが大きくなるほど閾値Thを上げることにより、強度Lが大きい場合に平坦度評価量Eの低い領域での強調係数K'の増大を抑えて暗部ノイズの不必要な強調を抑制することが可能となる。
[実施の形態3]
前述の実施の形態1,2では、鮮鋭化処理の前段で行った階調補正処理の強度に応じて、鮮鋭化処理の様々なパラメータを変化させるて暗部ノイズの不必要な強調を抑制する方法について説明した。
前述の実施の形態1,2では、鮮鋭化処理の前段で行った階調補正処理の強度に応じて、鮮鋭化処理の様々なパラメータを変化させるて暗部ノイズの不必要な強調を抑制する方法について説明した。
これに対して本実施の形態3は上記実施の形態とは異なり、鮮鋭化処理の直前にノイズ除去フィルタを用いることにより、上記課題を解決している。
図17は、本発明の実施の形態3に係るPC100における画像処理の機能を説明するブロック図で、前述の図2と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。 図17において,前述の実施の形態1,2と異なる点は、階調補正部1701の次段にノイズ除去部1702を設けた点にある。また階調補正部1701から出力された階調補正強度はノイズ除去部1702に入力される。ノイズ除去部1702は、この階調補正強度をノイズ除去の強度を制御するためのパラメータとして利用する。
本実施の形態3では、ノイズ除去部で用いるノイズ除去方法として、公知のメディアンフィルタを例に挙げて説明する。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、その他の様々なノイズ除去方法、例えばローパスフィルタ(LPF)等を用いても本発明の範疇に含まれる。
メディアンフィルタは中央値フィルタとも呼ばれるフィルタである。
図18は、この実施の形態3に係るメディアンフィルタを説明する図である。
ここでは注目画素1800の周辺に1辺がS(L)となる正方エリア1801を設定する。そして、このエリア1801に含まれる画素の値の中央値を求め、その中央値を注目画素1800の画素値として置換する。このような処理を行うことにより、注目画素1800の周辺で、特に突出しているノイズを除去することが可能となる。また、メディアンフィルタはローパスフィルタよりも原画像のエッジの保存性に優れているという特徴も持っている。
ここで、メディアンフィルタを施す対象となるエリアのサイズS(L)は、図19に示すような階調補正強度Lの関数である。
図19は、階調補正強度Lとノイズ除去フィルタの処理範囲を示すサイズS(L)との関係を説明する図である。
サイズS(L)は、階調補正強度Lが大きくなるに従って増加する関数となっている。一般的に、メディアンフィルタの強度は、処理対象となるエリアの大きさが大きくなるに従って強くなる傾向にある。従って、図19に示すように、階調補正強度Lが強くなる(大きくなる)に従って、メディアンフィルタの強度(サイズS(L))を強くすることにより、強調された暗部ノイズをより適切に除去できる。これにより後段の鮮鋭化処理部205において、不必要なノイズが強調されるのを抑制することが可能となる。
[その他の実施の形態]
また本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用しても良い。
また本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用しても良い。
また本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システム或は装置に供給し、そのシステム或は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
以上説明したように本発明の実施の形態1によれば、鮮鋭化処理の前段に施した階調補正処理の強度に応じて、鮮鋭化処理の処理強度を決定することが可能となる。例えば、階調補正処理の強度が強い場合には、鮮鋭化処理の強度を弱くすることができるため、強い階調補正によって強調されたノイズを、鮮鋭化処理で更に目立たせるといった不具合を抑制することが可能となる。
また本発明の実施の形態2によれば、鮮鋭化処理の前段に施した階調補正処理の強度に応じて、鮮鋭化処理を行う際に求めた平坦度評価量の閾値を決定することにより、上記したように、不必要なノイズの強調を抑制することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態3によれば、階調補正を施した後、ノイズ除去処理を行うことにより、その後段で行う鮮鋭化処理によって、ノイズ成分が不必要に強調される不具合を抑制することが可能となる。更に、ノイズ除去強度は、階調補正処理の強度に応じて変化せることができるため、より適切なノイズ除去処理が可能となる。
Claims (22)
- 画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置であって、
階調補正の強度を指示する強度指示手段と、
前記強度指示手段により指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正手段と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定手段と、
前記処理範囲設定手段で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定手段と、
前記処理強度決定手段で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記強度指示手段は更に鮮鋭化処理の強度を指示し、
前記処理強度決定手段は、前記処理範囲設定手段で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度と前記鮮鋭化の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記処理範囲の画素濃度の平坦度を算出する算出手段を更に有し、
前記処理強度決定手段は、更に前記前記処理範囲の画素濃度の平坦度に応じて前記処理範囲に対する処理強度を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 - 前記処理強度決定手段は、前記処理範囲設定手段で設定された前記処理範囲の境界近傍で前記処理強度を小さくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記階調補正手段により階調補正された後の画像データに対してノイズ除去を行うノイズ除去手段を更に有し、前記ノイズ除去手段は、前記階調補正の強度に応じてノイズ除去強度を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記画像データに含まれる顔領域を抽出する抽出手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記鮮鋭化処理手段は、アンシャープマスク処理による鮮鋭化を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記ノイズ除去手段は、前記階調補正の強度が大きくなるに従ってノイズ除去の強度を大きくしてノイズ除去処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記ノイズ除去手段は、メディアンフィルタを用いてノイズ除去処理を行うことを特徴とする請求項5又は8に記載の画像処理装置。
- 階調補正の強度に応じて処理強度を決定する処理強度決定手段と、
前記処理強度決定手段で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 画像に含まれる人物の顔領域に対して鮮鋭化処理を施す画像処理装置における画像処理方法であって、
階調補正の強度を指示する強度指示工程と、
前記強度指示工程で指示された階調補正の強度に応じて、画像データに対して階調補正を施す階調補正工程と、
前記画像データに含まれる顔領域を含む処理範囲を設定する処理範囲設定工程と、
前記処理範囲設定工程で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定する処理強度決定工程と、
前記処理強度決定工程で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記強度指示工程では更に鮮鋭化処理の強度を指示し、
前記処理強度決定工程では、前記処理範囲設定工程で設定された前記処理範囲の大きさと前記階調補正の強度と前記鮮鋭化の強度とに応じて、前記処理範囲に対する処理強度を決定することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。 - 前記処理範囲の画素濃度の平坦度を算出する算出工程を更に有し、
前記処理強度決定工程では、更に前記前記処理範囲の画素濃度の平坦度に応じて前記処理範囲に対する処理強度を決定することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理方法。 - 前記処理強度決定工程では、前記処理範囲設定工程で設定された前記処理範囲の境界近傍で前記処理強度を小さくすることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記階調補正工程で階調補正された後の画像データに対してノイズ除去を行うノイズ除去工程を更に有し、前記ノイズ除去工程では、前記階調補正の強度に応じてノイズ除去強度を変化させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記画像データに含まれる顔領域を抽出する抽出工程を更に有することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記鮮鋭化処理工程では、アンシャープマスク処理による鮮鋭化を行うことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記ノイズ除去工程では、前記階調補正の強度が大きくなるに従ってノイズ除去の強度を大きくしてノイズ除去処理を行うことを特徴とする請求項15に記載の画像処理方法。
- 前記ノイズ除去工程では、メディアンフィルタを用いてノイズ除去処理を行うことを特徴とする請求項15又は18に記載の画像処理方法。
- 階調補正の強度に応じて処理強度を決定する処理強度決定工程と、
前記処理強度決定工程で決定された処理強度を用いて前記画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項11乃至20のいずれか1項に記載の画像処理方法を実行することを特徴とするプログラム。
- 請求項21に記載のプログラムを格納していることを特徴とする、コンピュータにより読取り可能な記憶媒体。
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