JP4665802B2 - 明度補正処理装置および明度補正判別方法 - Google Patents

明度補正処理装置および明度補正判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、明度補正を必要としない画像であるか否かを適正に判別するための技術に関するものである。
従来では、デジタルカメラなどによって撮影された画像(写真画像)をプリンタや複合機などを用いて印刷する場合、その画像を表す画像データからその画像の特徴量を抽出して、その抽出した特徴量に基づいて、その画像に対し明度補正を行うことが提案されていた。
例えば、下記の特許文献1においては、画像データの累積ヒストグラムから基準最小値,基準最大値,基準平均値という特徴量を抽出し、それらを用いて、露出アンダ,露出オーバを判断し、明度補正を行う方法が提案されている。
また、下記の特許文献2においては、画像データの累積ヒストグラムを用いて、面積比1%のところを、最大値,最小値という特徴量として抽出し、それらを用いて露出アンダ,露出オーバを判断して、明度補正を行う方法が提案されている。
さらに、下記の特許文献3においては、画像データの累積ヒストグラムを用いて、面積比毎に特徴量Y1〜Ynを求め、その特徴量に基づいて明度補正を行うと共に、ユーザが夜景モードを設定した場合には、暗い画素が明るい側に明度補正されないように制御する方法が提案されている。
特開平9−68764号公報 特開2002−281337号公報 特開2004−104464号公報
しかしながら、上記した既提案例では、ヒストグラムなど、画像全体から求めた特徴量のみを用いているため、花火や夜景を撮影した画像など、本来、露出が適正であると判断されるべき画像についても、露出アンダと判断してしまい、そのような画像について、誤って、明度補正が行われてしまうという問題があった。
また、既提案例のうち、特許文献3に記載の方法では、ユーザが夜景モードを設定した場合には明度補正がされないように制御しているが、ユーザが、例えば、オートモードに設定して、花火や夜景などを撮影してしまうと、上記と同様に、明度補正が行われてしまうという問題があった。
図5は花火を撮影した画像に明度補正を行った場合を示す説明図である。図5において、(a)は夜空に上がった花火を撮影した画像を示しており、(b)はその画像についての輝度値のヒストグラムH1と、明度補正後の輝度値のヒストグラムH2を示している。
明度補正は、例えば、図5(b)に示すように、輝度分布の山が全体的に暗い側に寄っている場合には、矢印で示す如く、全体的に明るい側に山を移動させることにより、行われる。
しかしながら、このように、花火を撮影した画像に明度補正を行うと、黒い背景も明るい側に移動してしまう。一般的に、シャド側はノイズがのりやすいため、黒い背景を明るい側に移動させてしまうと、その部分のノイズを強調してしまうという結果にもなりかねない。
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、明度補正を必要としない画像であるか否かを適正に判別するための技術を提供することにある。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の明度補正処理装置は、画像データによって表される画像について、明度補正を必要としない画像であるか否かを判別することが可能な明度補正処理装置であって、
前記画像データに基づいて、前記画像を複数に分割して得られる各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値から、そのブロックにおける基準最大輝度値をそれぞれ導き出し、それら導き出された各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値を、第1の特徴量として導き出す第1の特徴量導出部と、
前記画像データに基づいて、前記画像における、前記第1の特徴量以外の所定の特徴量を、第2の特徴量として導き出す第2の特徴量導出部と、
導き出された前記第1及び第2の特徴量に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する明度補正判別部と、
を備えることを要旨とする。
このように、本発明の明度補正処理装置では、画像を複数に分割して得られる各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値から、そのブロックにおける基準最大輝度値をそれぞれ導き出し、さらに、それら導き出された各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値を、第1の特徴量として導き出すと共に、その第1の特徴量以外の所定の特徴量を、第2の特徴量として導き出し、それら第1及び第2の特徴量に基づいて、画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別している。ここで、基準最大輝度値には、最大輝度値の他、それに準ずる値、例えば、大きい方からn番目の値、あるいは、大きい側からヒストグラム累積m%の値なども含まれる。
従って、花火や夜景などを撮影した画像、すなわち、背景は暗いが、画像全体に明るい部分が点在しているような画像については、各ブロックとも、それぞれ、基準最大輝度値として、或る程度の値を得ることができるため、それら基準最大輝度値の平均値である第1の特徴量を、明度補正判別の指標の一つとして用いることにより、花火や夜景などを撮影した画像については、明度補正を必要としない画像であると適正に判別することができる。
よって、本発明の明度補正処理装置によれば、画像における各ブロック毎の最大輝度値の平均値を判別指標の一つとして用いているため、明度補正を必要としない画像であるか否かを適正に判別することができる。
本発明の明度補正処理装置において、前記明度補正判別部により明度補正を必要とする画像であると判別された場合に、前記画像について明度補正を行う明度補正部をさらに備え、
前記明度補正判別部により明度補正を必要としない画像である判別された画像については、前記明度補正部により、明度補正を行わないことが好ましい。
このように、明度補正を必要としない画像である判別された画像について、明度補正を行わないようにすることにより、花火や夜景などを撮影した画像について、黒い背景部分でノイズが強調されてしまうのを防止することができる。
本発明の明度補正処理装置において、前記明度補正判別部により明度補正を必要とする画像であると判別された場合に、前記画像について明度補正を行う明度補正部をさらに備え、
前記明度補正判別部により明度補正を必要としない画像である判別された画像については、前記明度補正部により、明度補正を行うものの、明度補正を必要とすると判別された画像の場合よりも、補正の程度を少なくすることが好ましい。
このように、明度補正を必要としない画像である判別された画像について、明度補正を行う場合でも、補正の程度を少なくすることにより、花火や夜景などを撮影した画像について、黒い背景部分でノイズが強調されてしまうのを或る程度抑制することができる。
本発明の明度補正処理装置において、前記画像についてのサムネイル画像が存在する場合には、前記画像に代えて、前記サムネイル画像を用いて、前記サムネイル画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別し、前記サムネイル画像について明度補正を必要としない画像であると判別した場合に、前記画像(以下、本画像という場合がある)についても明度補正を必要としない画像であると判別するようにしてもよい。
サムネイル画像は、本画像に比較して、画像サイズが小さいため、このように、本画像に代えて、サムネイル画像を用いることにより、処理の負荷が小さくて済み、処理時間を大幅に短縮することができる。
本発明の明度補正処理装置において、前記第2の特徴量は、前記画像に属する各画素の輝度値の中央値、各画素の輝度値の平均値、各画素の輝度値の累積ヒストグラム、黒つぶれ画素の画素数比、及び暗い画素の画素数比のうち、少なくとも1つであることが好ましい。
これらの特徴量は、画像の特徴を表すパラメータとして、代表的なものであるからである。
本発明の明度補正処理装置において、前記第2の特徴量は、前記画像に属する各画素の輝度値の平均値であると共に、
前記明度補正判別部は、前記第1の特徴量である各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値及び前記第2の特徴量である各画素の輝度値の平均値を変数とする閾値関数式に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別するようにしてもよい。
このように構成することによって、明度補正を必要としない画像であるか否かをより適切に判別することができる。
本発明の明度補正処理装置において、
各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値をAvRmax、各画素の輝度値の平均値をAvとし、定数をa,b(但し、a,bは正の数)とした場合に、前記閾値関数式は、
AvRmax>−a・Av+b
であり、
前記閾値関数式を満たした場合に、前記画像が明度補正を必要としない画像であると判別するようにしてもよい。
このように構成することにより、明度補正を必要としない画像であるか否かをより高精度に判別することができる。
本発明の明度補正処理装置において、前記ブロックにおける基準最大輝度値は、そのブロックに属する各画素の輝度値のうち、最大の輝度値であることが好ましい。
最大の輝度値は、求めやすい値であるため、処理時間の短縮化が期待できる。
なお、本発明は、上記した明度補正処理装置に適用する場合だけでなく、その明度補正処理装置を備えるプリンタにも適用することができる。また、本発明は、このような装置発明の態様に限ることなく、明度補正判別方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらには、それら方法や装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例の構成:
B.実施例の動作:
C.実施例の効果:
D.変形例:
A.実施例の構成:
図1は本発明の一実施例としての明度補正処理装置を備える複合機を示すブロック図である。図1に示す複合機10は、明度補正処理装置として機能すると共に、後述する各種構成要素に対する制御等を行う制御回路100と、写真などから画像を読み取って画像データに変換するためのスキャナ部140と、挿入されたメモリカード150aに画像データなどを読み書きするためのメモリカードスロット150と、デジタルカメラ(図示せず)などとUSBケーブル(図示せず)を介して接続し、画像データなどを読み書きするためのUSBインタフェース部160と、画像や各種メッセージを表示するための液晶ディスプレイ170と、ユーザからの各種指示を受けるための操作部180と、画像データに基づいて用紙などに画像を印刷するためのプリンタ部190と、を主として備えている。
このうち、制御回路100は、コンピュータプログラムに従って各種処理や制御を行うCPU110と、CPU110による処理や制御中に得られるデータなどを一時的に格納するためのRAM120と、CPU110で用いられる上記コンピュータプログラムなどを格納するためのROM130と、を備えている。また、CPU110は、上記コンピュータプログラムを実行することにより、画像特徴量抽出部111や、最大輝度平均値算出部112や、明度補正判別部113や、画像補正部114や、印刷制御部115として機能する。このうち、特に、画像特徴量抽出部111,最大輝度平均値算出部112,明度補正判別部113,画像補正部114などによって、明度補正処理装置が構成される。
なお、図1において、画像特徴量抽出部111は、請求項における第2の特徴量導出部に相当し、最大輝度平均値算出部112は、請求項における第1の特徴量導出部に相当し、明度補正判別部113は、請求項における明度補正判別部に相当し、画像補正部114は、請求項における明度補正部に相当する。
B.実施例の動作:
本実施例では、花火や夜景などを撮影した画像は、背景は暗いが、画像全体に明るい部分が点在している点に着目して、画像の輝度値の平均値だけでなく、画像の各ブロック毎の最大輝度値の平均値も判別指標の一つとして用いることにより、花火や夜景などを撮影した画像についても、明度補正を必要としない画像であると適正に判別できるようにしている。
それでは、本実施例の動作について、ユーザが、図1に示す複合機10に対し、メモリカード150aに画像データとして記録された複数の画像の中から、所望の画像を指定して、印刷実行を指示する場合を例として、説明する。
図2は本発明の一実施例における明度補正判別処理を含む画像印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
例えば、液晶ディスプレイ170上に、メモリカード150aに記録されている各画像に関する情報(例えば、画像データのファイル名やサムネイル画像など)が表示されており、ユーザがそれを見て、それら複数の画像の中から、所望の画像を操作部180によって指定して、印刷実行を指示すると、CPU110は、その画像について、図2に示す画像印刷処理を実行する。
図2に示す画像印刷処理が開始されると、まず、CPU110によって機能する画像特徴量抽出部111が、メモリカードスロット150を介してメモリカード150aにアクセスし、メモリカード150aに記録された複数の画像データの中から、指定された画像に対応する画像データを読み出して取得し、RAM120に書き込む(ステップS102)。次に、画像特徴量抽出部111は、その画像データから、その画像の特徴量を抽出する(ステップS104)。画像の特徴量としては、後ほど別途導き出す最大輝度平均値以外の特徴量を抽出する。具体的には、その画像を構成する各画素の輝度値の平均値(以下、輝度平均値という)Avを始め、各画素の輝度値の累積ヒストグラム、各画素の輝度値の中央値などを抽出する。
次に、最大輝度平均値算出部112は、その画像データの示す画像をM×N(M,Nは1以上の整数)個のブロックに分割する(ステップS106)。具体的には、その画像データから、ブロックのサイズや、各ブロックの位置などを算出する。次に、最大輝度平均値算出部112は、その画像データに基づいて、各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値の中から最大輝度値Bmaxを、それぞれ求める(ステップS108)。
図3はブロック毎に最大輝度値Bmaxを求めた様子を模式的に示す説明図である。図3に示す例では、M=5,N=5として、合計25個のブロックについて、それぞれ、最大値度値Bmax(m,n)を求めている(但し、m=1,…,5、n=1,…,5)。
続いて、最大輝度平均値算出部112は、それら求めた各ブロック毎の最大輝度値Bmaxの平均を求めることにより、最大輝度平均値AvBmaxを算出する(ステップS110)。
例えば、図3に示す例の場合、最大輝度平均値AvBmaxは、式(1)に示すごとくになる。
Figure 0004665802
次に、CPU110によって機能する明度補正判別部113は、ステップS104で抽出された画像の特徴量のうちの輝度平均値Avと、ステップS110で算出された最大輝度平均値AvBmaxと、に基づいて、それらの値Av,AvBmaxが、式(2)として示す閾値関数式を満たすか否かを判定する(ステップS112)。
AvBmax>−a・Av+b (2)
但し、式(2)において、a,bはそれぞれ正の定数である。
閾値関数式を満たす場合には、明度補正判別部113は、その画像を、明度補正を必要としない画像であると判別する(ステップS114)。画像補正部114は、その判別結果に基づき、その画像に対して、明度補正を行わずに、それ以外の画像補正、すなわち、ホワイトバランス調整処理やノイズ除去処理などを、ステップS104で抽出された画像の特徴量を用いて行う(ステップS116)。
反対に、閾値関数式を満たさない場合は、明度補正判別部113は、その画像を、明度補正を必要とする画像であると判別する(ステップS118)。画像補正部114は、その判別結果に基づき、その画像に対して、ステップS104で抽出された画像の特徴量を用いて、明度補正を行い、さらに、それ以外の画像補正も行う(ステップS120)。
明度補正は、前述したとおり、例えば、その画像における輝度値のヒストグラムにおいて、輝度分布の山が全体的に暗い側に寄っている場合に、その山を全体的に明るい側に移動させることによって、行われる。
こうして、その画像に対し画像補正が行われると、次に、印刷制御部115は、プリンタ部190を制御して、その画像を印刷させ(ステップS122)、それにより、一連の画像印刷処理を終了する。
C.実施例の効果:
図4は、多数の画像について、輝度平均値と最大輝度平均値とをパラメータとした各画像の分布を、閾値関数式と共に示したグラフである。図4において、横軸は輝度平均値Avであり、縦軸は最大輝度平均値AvBmaxであり、いずれも0〜255の値を取り得る。また、最大輝度平均値AvBmaxと輝度平均値Avとは、AvBmax≧Avの関係にあるため、各画像は、グラフ上において、AvBmax=Avの直線よりも上側に位置することになる。このとき、○印は露出の適正な画像を示し、×印は露出の不足した画像を示している。さらに、中央及び右上に位置する画像のグループは、それぞれ、通常の画像であって、露出が適正な画像である。左下に位置する画像のグループは、それぞれ、一部分だけ明るく、それ以外の部分は暗い画像であって、露出が不足した画像である。それらのグループの間に位置する画像のグループは、図5(a)に示した画像に代表される、花火や夜景などを撮影した画像であって、背景は暗いが、画像全体に明るい部分が点在している画像であり、露出が適正な画像である。
そこで、式(2)に示す閾値関数式において、例えば、図4に示すように、定数aを「1」とし、定数bを「80」とすると、直線AvBmax=−Av+80の直線より、右上に位置する画像は、全て、明度補正を必要としない画像であると判別されることになる(図2のステップS112,S114)。反対に、左下に位置する画像は、全て、明度補正を必要とする画像であると判別されることになる(図2のステップS112,S118)。その結果、通常の画像は、もちろんのこと、花火や夜景などの画像についても、その全ての画像を、明度補正を必要としない画像であると判別することができる。
以上のように、本実施例によれば、画像の特徴量である、画像の輝度値の平均値だけでなく、画像の各ブロック毎の最大輝度値の平均値も判別指標の一つとして用いているため、花火や夜景などを撮影した画像について、明度補正を必要としない画像であると適正に判別できる。
D.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
D−1.変形例1:
上記した実施例では、図2のステップS114で、明度補正判別部113が、明度補正を必要としない画像であると判別した場合には、画像補正部114は、その画像に対して、明度補正を行わないようにしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、画像補正部114は、その画像に対しても、明度補正を行うようにしてもよいが、その場合に、明度補正を必要とすると判別された画像に対して明度補正を行う場合よりも、補正の程度(言い換えれば、補正量)が少なくなるように、明度補正を行うようにする。
D−2.変形例2:
上記した実施例では、図2のステップS104で、画像の特徴量を抽出した後に、画像の最大輝度平均値を算出するための一連の処理(ステップS106〜S110)を行うようにしていたが、それとは逆の順序で、最大輝度平均値を算出した後に、画像の特徴量を抽出するようにしてもよい。
D−3.変形例3:
上記した実施例においては、印刷されるべき画像自体を、明度補正判別処理の対象としていたが、その画像のサムネイル画像が存在する場合には、そのサムネイル画像を明度補正判別処理の対象としてもよい。例えば、印刷されるべき画像(以下、本画像という)がExifファイルとして提供される場合は、通常、そのExifファイル内に、サムネイル画像が存在する。従って、明度補正判別処理を行う際には、本画像に代えて、そのサムネイル画像を用いて明度補正判別処理を行うようにしてもよい。そのようなサムネイル画像は、通常、160×120画素の大きさであるため、本画像に比較して、画像サイズが非常に小さいため、ブロック分割、ブロック毎の最大輝度値の導出、最大輝度平均値の算出などの処理も、負荷が小さくて済み、処理時間を大幅に短縮することができる。
また、Exifファイル内に、サムネイル画像が存在しない場合や、Exifファイルでない場合には、本画像から、間引き処理などによりサムネイル画像を生成し、その生成したサムネイル画像を用いて、明度補正判別処理を行うようにしてもよい。
D−4.変形例4:
上記した実施例においては、画像のデータ形式について、特に言及しなかったが、例えば、画像がJPEG(Joint Photographic Experts Group)にて圧縮されたJPEG画像である場合には、JPEG画像のデータ構造などに着目して、次のような処理を行うようにしてもよい。
1.JPEG画像は、8×8画素のブロックが一つの処理サイズとなっているので、明度補正判別処理において、ブロック毎の最大輝度値を求める際に、この8×8画素のブロックを単位として、その最大輝度値を求めるようにしてもよい。このようにすることにより、画像をM×Nのブロックに分割する処理を省略することができると共に、JPEG画像を8×8画素のブロック単位でデコードする際に、ブロック毎の最大輝度値を併せて求めることができ、効率的な処理が可能となる。
2.明度補正判別処理において、各ブロック毎の最大輝度値Bmaxを求める際に、8×8画素のブロック毎に、そのブロックにおけるDCTのDC成分と第3係数くらいまでのAC成分とを用いて、そのブロックの最大輝度値を求めるようにしてもよい。通常、各ブロックにおけるDCTのAC成分のうち、高周波成分の値は極めて小さいため、それらの値を無視しても、明度補正判別の精度を損なうことはないからである。このような方法を採ることにより、そのブロックに属する各画素の輝度値の中から最大輝度値を求める場合に比較して、処理時間を大幅に短縮することができる。
D−5.変形例5:
上記した実施例では、明度補正判別処理を行うために、ステップS104で抽出された画像の特徴量のうち、画像の輝度平均値Avを用いるようにしていたが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像の他の特徴量を用いるようにしてもよい。例えば、以下のような特徴量を、輝度平均値Avの代わりに用いるようにしてもよい。
1.輝度中央値:各画素の輝度値の中央値
2.累積ヒストグラム:暗い側または明るい側からのヒストグラム累積a%の輝度値
3.黒つぶれ画素の画素数比:画像全体の画素数に対する輝度値が0の画素数の比
4.暗い画素の画素数比:画像全体の画素数に対する輝度値が0〜iの画素数の比(但し、iは1以上の整数)
D−6.変形例6:
上記した実施例では、メモリカード150aに記録された画像データを、画像印刷の対象としていたが、USBインタフェース部160にデジタルカメラなどを接続して、そのデジタルカメラに記録された画像データを対象としてもよいし、スキャナ部140で読み取った画像データを対象としてもよい。
D−7.変形例7:
上記した実施例においては、輝度平均値Av及び最大輝度平均値AvBmaxを算出し、式(2)に示す閾値関数式を用いて明度補正判別処理を行うようにしたが、閾値関数式に代えて、ルックアップテーブルを用いて、明度補正判別処理を行うようにしてもよい。
すなわち、輝度平均値Av及び最大輝度平均値AvBmaxを入力とし、判別結果を出力とするようなルックアップテーブルを予め用意し、算出された輝度平均値Av及び最大輝度平均値AvBmaxを、そのルックアップテーブルに入力することにより、その値の組み合わせに対応した判別結果を、そのルックアップテーブルから得るようにするのである。
D−8.変形例8:
上記した実施例では、明度補正判別処理において、各ブロック毎の最大輝度値Bmaxを求め、さらに、それら求めた各ブロック毎の最大輝度値Bmaxの平均を求めることにより、最大輝度平均値AvBmaxを算出するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像がExifファイルとして提供される場合、そのExifファイル内に、撮影したときの測光方式に関する情報が記録されている場合がある。そのような場合には、その測光方式に関する情報を取得して、その測光方式に応じて、各ブロック毎の最大輝度値Bmaxに重み付けを施した上で、平均を求めるようにしてもよい。
また、Exifファイルから測光方式に関する情報を取得できない場合は、独自の重み付け関数を用いて同様の計算を行うようにしてもよい。
さらに、最大輝度平均値を求める場合だけに限らず、画像の輝度平均値などを求める際にも、同様な重み付け関数を用いるようにしてもよい。
D−9.変形例9:
上記した実施例においては、明度補正判別処理において、各ブロック毎の最大輝度値Bmaxを用いるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、最大の輝度値ではなく、それに準ずる値を用いるようにしてもよい。例えば、そのブロックに属する各画素の輝度値のうち、n番目に大きい値を用いるようにしてもよい。または、大きい側からヒストグラム累積m%の値を用いるようにしてもよい。
D−10.変形例10:
上記した実施例においては、画素の輝度値の取り得る範囲を0〜255としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これよりも広い範囲であってもよいし、狭い範囲であってもよい。
D−11.変形例11:
上記した実施例では、本発明の明度補正判別装置を複合機に適用した場合について説明したが、プリンタ、デジタルカメラ、画像ビューワ、スキャナ、プロジェクタなど、各種デバイスに適用するようにしてもよいし、或いは、コンピュータに適用するようにしてもよい。
本発明の一実施例としての明度補正処理装置を備える複合機を示すブロック図である。 本発明の一実施例における明度補正判別処理を含む画像印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。 ブロック毎に最大輝度値Bmaxを求めた様子を模式的に示す説明図である。 多数の画像について、輝度平均値と最大輝度平均値とをパラメータとした各画像の分布を、閾値関数式と共に示したグラフである。 花火を撮影した画像に明度補正を行った場合を示す説明図である。
符号の説明
10…複合機
100…制御回路
110…CPU
111…画像特徴量抽出部
112…最大輝度平均値算出部
113…明度補正判別部
114…画像補正部
115…印刷制御部
120…RAM
130…ROM
140…スキャナ部
150…メモリカードスロット
150a…メモリカード
160…USBインタフェース部
170…液晶ディスプレイ
180…操作部
190…プリンタ部

Claims (8)

  1. 画像データによって表される画像について、明度補正を必要としない画像であるか否かを判別することが可能な明度補正処理装置であって、
    前記画像データに基づいて、前記画像を複数に分割して得られる各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値から、そのブロックにおける基準最大輝度値をそれぞれ導き出し、それら導き出された各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値を、第1の特徴量として導き出す第1の特徴量導出部と、
    前記画像データに基づいて、前記画像における、前記第1の特徴量以外の所定の特徴量を、第2の特徴量として導き出す第2の特徴量導出部と、
    導き出された前記第1及び第2の特徴量に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する明度補正判別部と、
    を備え
    前記第2の特徴量は、前記画像に属する各画素の輝度値の平均値であると共に、
    前記明度補正判別部は、前記第1の特徴量である各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値及び前記第2の特徴量である各画素の輝度値の平均値を変数とする閾値関数式に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別し、
    各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値をAvRmax、各画素の輝度値の平均値をAvとし、定数をa,b(但し、a,bは正の数)とした場合に、前記閾値関数式は、
    AvRmax>−a・Av+b
    であり、
    前記明度補正判別部は、前記閾値関数式を満たした場合に、前記画像が明度補正を必要としない画像であると判別することを特徴とする明度補正処理装置。
  2. 請求項1に記載の明度補正処理装置において、
    前記明度補正判別部により明度補正を必要とする画像であると判別された場合に、前記画像について明度補正を行う明度補正部をさらに備え、
    前記明度補正判別部により明度補正を必要としない画像である判別された画像については、前記明度補正部により、明度補正を行わないことを特徴とする明度補正処理装置。
  3. 請求項1に記載の明度補正処理装置において、
    前記明度補正判別部により明度補正を必要とする画像であると判別された場合に、前記画像について明度補正を行う明度補正部をさらに備え、
    前記明度補正判別部により明度補正を必要としない画像である判別された画像については、前記明度補正部により、明度補正を行うものの、明度補正を必要とすると判別された画像の場合よりも、補正の程度を少なくすることを特徴とする明度補正処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちの任意の一つに記載の明度補正処理装置において、
    前記画像についてのサムネイル画像が存在する場合には、前記画像に代えて、前記サムネイル画像を用いて、前記サムネイル画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別し、前記サムネイル画像について明度補正を必要としない画像であると判別した場合に、前記画像についても明度補正を必要としない画像であると判別することを特徴とする明度補正処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項のうちの任意の一つに記載の明度補正処理装置において、
    前記ブロックにおける基準最大輝度値は、そのブロックに属する各画素の輝度値のうち、最大の輝度値であることを特徴とする明度補正処理装置。
  6. 画像データによって表される画像を印刷するためのプリンタであって
    請求項1ないし請求項のうちの任意の一つに記載の明度補正処理装置を備えることを特徴とするプリンタ。
  7. 画像データによって表される画像について、明度補正を必要としない画像であるか否かを判別するための明度補正判別方法であって、
    (a)前記画像データに基づいて、前記画像を複数に分割して得られる各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値から、そのブロックにおける基準最大輝度値をそれぞれ導き出し、それら導き出された各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値を、第1の特徴量として導き出す工程と、
    (b)前記画像データに基づいて、前記画像における、前記第1の特徴量以外の所定の特徴量を、第2の特徴量として導き出す工程と、
    (c)導き出された前記第1及び第2の特徴量に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する工程と、
    を備え
    前記第2の特徴量は、前記画像に属する各画素の輝度値の平均値であると共に、
    前記工程(c)は、前記第1の特徴量である各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値及び前記第2の特徴量である各画素の輝度値の平均値を変数とする閾値関数式に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する工程を含み、
    各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値をAvRmax、各画素の輝度値の平均値をAvとし、定数をa,b(但し、a,bは正の数)とした場合に、前記閾値関数式は、
    AvRmax>−a・Av+b
    であり、
    前記工程(c)は、前記閾値関数式を満たした場合に、前記画像が明度補正を必要としない画像であると判別する工程であることを特徴とする明度補正判別方法。
  8. 画像データによって表される画像について、明度補正を必要としない画像であるか否かを判別するためのコンピュータプログラムであって、
    (a)前記画像データに基づいて、前記画像を複数に分割して得られる各ブロック毎に、そのブロックに属する各画素の輝度値から、そのブロックにおける基準最大輝度値をそれぞれ導き出し、それら導き出された各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値を、第1の特徴量として導き出す手順と、
    (b)前記画像データに基づいて、前記画像における、前記第1の特徴量以外の所定の特徴量を、第2の特徴量として導き出す手順と、
    (c)導き出された前記第1及び第2の特徴量に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する手順と、
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであり、
    前記第2の特徴量は、前記画像に属する各画素の輝度値の平均値であると共に、
    前記手順(c)は、前記第1の特徴量である各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値及び前記第2の特徴量である各画素の輝度値の平均値を変数とする閾値関数式に基づいて、前記画像が明度補正を必要としない画像であるか否かを判別する手順を含み、
    各ブロック毎の基準最大輝度値の平均値をAvRmax、各画素の輝度値の平均値をAvとし、定数をa,b(但し、a,bは正の数)とした場合に、前記閾値関数式は、
    AvRmax>−a・Av+b
    であり、
    前記手順(c)は、前記閾値関数式を満たした場合に、前記画像が明度補正を必要としない画像であると判別する手順であることを特徴とするコンピュータプログラム。
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