JP4631620B2 - 回路基板の検査装置および回路基板の検査方法 - Google Patents
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また製造コストも高価となり、さらに一部の金属ピンが損傷した場合に修理、交換することが困難である。
特に、近年では電子機器の製品サイクルが短縮し、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進んでいるが、これに伴って検査治具を長期間使用することができなくなり、プリント回路基板の生産が切り替わる度に検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
この検査装置は、一対の第1検査治具111aと第2検査治具111bとを備え、これらの検査治具は、回路基板側コネクタ121a、121bと、中継ピンユニット131a、131bと、テスター側コネクタ141a、141bとを備えている。
する追従性を確保するために導電ピン132a、132bの軸方向移動により追従していたが、この導電ピン132a、132bの軸方向移動量にも限界があるため追従性が良好でない場合があり、導通不良が発生して正確な検査ができないことがある。
また、プレス圧力は導電ピン132a、132bで受けるようになっているため、一定間隔で多数の導電ピン132a、132bを配置する必要がある。
しかしながらこの場合、絶縁板に形成する貫通孔数の2倍のドリル加工作業が必要となり、加工工程が煩雑となる
また、こうしたユニバーサルタイプの検査治具では、回路基板側コネクタを構成する異方導電性シート122a、122bとして、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用していた。
ある。
また、被検査電極の離間距離が50μm以下である回路基板を検査するための偏在型異方導電性シートは、金型によって成形することがきわめて困難であるため、実質的には得られていない。
分散型異方導電性シートでは、厚み方向に圧縮された際に安定して導通を達成できる圧縮率は約20%以下である。
しかし厚みが100μm以上の分散型異方導電性シートを使用すると、被検査電極が50μm以下の小さい回路基板を検査することが、実質的に不可能となってしまう。
離が小さくなる。
特許文献7(特開平9−26446号公報)には、エラストマーにより導電性粒子が結着された導電ゴムよりなる弾性接続用部材を、電流供給用電極および電圧測定用電極の個々に配置してなる検査装置が開示されている。
近年、回路基板においては、高い集積度を得るために電極のサイズおよびピッチもしくは電極間距離が小さくなる傾向がある。
の位置ずれに対する許容度が大きく検査装置の作製が容易である。
従って電極間における電気抵抗の低い回路基板について、その電気抵抗の測定を高い精度で行うことは困難である。
本発明の回路基板の検査装置は、
一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1検査治具と前記第2検査治具がそれぞれ、
第1異方導電性シートと、
前記第1異方導電性シートの被検査回路基板側に配置され、基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置された第2異方導電性シートと、
前記第2異方導電性シートの被検査回路基板側に配置され、リング状電極に電気的に接続される検査用コア電極と中継電極に電気的に接続される接続用コア電極を有する絶縁性支持シートからなる中継基板と、
前記中継基板の被検査回路基板側に配置され、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔を有する第3異方導電性シートと、
前記第3異方導電性シートの被検査回路基板側に、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔を有し、前記貫通孔を包囲するよう複数の前記リング状電極が形成されるとともに前記リング状電極に電気的に接続された前記中継電極を裏面に有する柔軟な電極シートと、
前記電極シートの被検査回路基板側に設けられた第4異方導電性シートと、
を備えた回路基板側コネクタと、
一定ピッチで配置された複数の導電ピンと、
前記導電ピンを上下へ移動可能に支持する絶縁板と、
を備えた中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第5異方導電性シートと、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
を備えたテスター側コネクタと、
から構成されていることを特徴とする。
前記回路基板側コネクタの前記中継基板における前記検査用コア電極および前記接続用コア電極が、
前記絶縁性支持シートの厚み方向に移動可能に設けられていることを特徴とする。
前記回路基板側コネクタが、
前記被検査回路基板における両面の前記被検査電極の各々に、前記回路基板側コネクタにおける前記電極シートの前記リング状電極および前記中継基板の前記検査用コア電極が同時に電気的に接続されて測定可能状態とされ、
この測定可能状態において、指定された1つの前記被検査電極に電気的に接続された前
記検査用コア電極および前記リング状電極のうち、一方を電流供給用電極とし、他方を電圧測定用電極として用いることにより、指定された1つの前記被検査電極に係る電気抵抗の測定が実行されることを特徴とする。
前記中継ピンユニットが、
所定のピッチで配置された複数の前記導電ピンと、
前記導電ピンを軸方向へ移動可能に支持する一対の離間した第1絶縁板と第2絶縁板と、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間に配置された中間保持板と、
前記第1絶縁板と中間保持板との間に配置された第1支持ピンと、
前記第2絶縁板と中間保持板との間に配置された第2支持ピンと、
から構成されていることを特徴とする。
前記中継ピンユニットが、
前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、
中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
前記一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2絶縁板の方向に撓むとともに、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1絶縁板の方向に撓むように構成されていることを特徴とする。
前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、
前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴とする。
前記中継ピンユニットが、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
隣接する前記中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
を備えるとともに、
少なくとも1つの前記中間保持板において、前記中間保持板に対して一面側から当接する前記保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置と、
前記中間保持板に対して他面側から当接する第1支持ピン、第2支持ピン、または前記保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置とが、
前記中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
全ての前記中間保持板において、
前記中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置と、
前記中間保持板に対して他面側から当接する第1支持ピン、第2支持ピン、または保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置とが、
前記中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
前記第1異方導電性シートが、
厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、
これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部と、
からなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより前記導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする。
前記第5異方導電性シートが、
厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、
これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部と、
からなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより前記導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする。
前記複数の導電ピンは、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、
前記中央部の両端側に形成され前記中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1絶縁板と第2絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、
これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする。
前記第1絶縁板と中間保持板との間、前記第2絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、
前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、
前記第1絶縁板および第2絶縁板に形成された貫通孔と、
前記屈曲保持板に形成された貫通孔と、
を支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする。
前記被検査基板における両面の前記被検査電極が、ハンダボール電極であることを特徴とする。
上記のいずれかに記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする。
また、本発明によれば、検査対象である被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対しても、高さに対する追従性が良好で、導通不良が発生せず、正確な検査を実施することが可能である。
また、本発明によれば、導電ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することが可能である。
なお、以降の記述において、第1検査治具と第2検査治具における一対の同一の構成要素(例えば回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21b)を総称する場合には、記号「a」、「b」を省略することがある(例えば、回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21bとを総称して「回路基板側コネクタ21」と記述することがある)。
<検査装置>
図1は、本発明の検査装置の実施形態を説明する断面図、図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図である。
第1検査治具11aは、回路基板側コネクタ21aと、中継ピンユニット31aと、テスター側コネクタ41aと、から構成されている。
に接続するコネクタ基板43aと、コネクタ基板43aの中継ピンユニット31a側に配置される第5異方導電性シート42aと、コネクタ基板43aの中継ピンユニット31aとは逆側に配置されるベース板46aと、を備えている。
なお、被検査回路基板1の一面側被検査電極2と他面側被検査電極3は、特に限定されるものではないが、本実施例では、一面側被検査電極2と他面側被検査電極3にハンダボール電極を用いた被検査回路基板1を用いるものとする。
<ピッチ変換用基板72>
図3は、ピッチ変換用基板72の回路基板側の表面を示した図、図4は、ピッチ変換用基板72のピン側表面を示した図、図5は、ピッチ変換用基板72と中継基板76と被検査回路基板1とを積層した状態を示した部分断面図である。
、被検査回路基板1の一面側被検査電極2と他面側被検査電極3とに電気的に接続される複数の接続電極25が形成されている。
また接続電極25は、被検査回路基板1における一個の一面側被検査電極2(他面側被検査電極3)に対して接続される、一対の離間した電流用端子電極27および電圧用端子電極28から構成されている。
これらの端子電極24は、例えばピッチが2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、そのピッチは中継ピンユニットの導電ピン32a、32bの配置ピッチと同一である。
ピッチ変換用基板72の絶縁層54を形成する材料としては、一般にプリント回路基板の基材として使用されるものを用いることができる。
ピッチ変換用基板72は、次のようにして製造することができる。
その後、金属薄層に対してフォトエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に配線パターンおよび接続電極を形成するとともに、反対側の表面に端子電極を形成する。
<電極シート74>
図6は、電極シート74の要部を拡大して示した平面図であり、図7は、電極シート74の要部を拡大して示した説明用断面図である。
そして中継電極14の各々は、絶縁性シート11をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部15および絶縁性シート11の表面に形成された配線部16Bを介して、リング状電極13に電気的に接続されている。
またリング状電極13、中継電極14、短絡部15および配線部16Bを構成する材料としては銅、ニッケル、金またこれらの金属の積層体などを用いることができる。
絶縁性シート11の貫通孔12の径は、後述する中継基板76の検査用コア電極7が移動可能に挿入できる大きさであればよく、好ましくは検査用コア電極7の径の1.05〜2倍、より好ましくは1.1〜1.7倍である。
<電極シート74の製造方法>
電極シート74は、以下のようにして製造することができる。
の一部を除去することにより、図8(d)に示したように、絶縁性シート11の表面にリング状電極13および配線部16Bを形成する。
<第1異方導電性シート71(第5異方導電性シート42)>
図9(a)は、第1異方導電性シート71の部分断面図である。
導電路形成部79の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mmである。
絶縁部78の厚みは、導電路形成部79の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。このように絶縁部78の厚みを導電路形成部79の厚みよりも小さくして導電路形成部79が絶縁部78より突出した突出部87を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部79の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大する。
第1異方導電性シート71を構成する導電性粒子80に、磁性導電性粒子を使用する場合、数平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。
磁性導電性粒子の数平均粒子径が5μm以上であると、第1異方導電性シート71の導電路形成部79の加圧変形が容易になる。
比率W/Dが1.1未満である場合、導電路形成部79の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等かそれよりも大きくなるため、導電路形成部79の弾性が低くなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。
導電路形成部79の基材となる弾性高分子としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、加工性および電気特性の点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
絶縁材料としては、例えば絶縁性の高分子材料、無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、導電路形成部に使用した弾性高分子と同一の材料を用いると生産が容易である。
磁性導電性粒子としては、後述する第2異方導電性シート73、第3異方導電性シート75、第4異方導電性シート77に用いられる導電性粒子と同じものを用いることができる。
<第1異方導電性シート71(第5異方導電性シート42)の製造方法>
第1異方導電性シート71は、次の方法で製造することができる。
を有する部分を形成するために、金型内の磁場に強度分布を生じさせるための鉄、ニッケルなどからなる強磁性体部分と、銅などの非磁性金属もしくは樹脂からなる非磁性体部分とが互いに隣接するように交互に配置されたモザイク状の層を有する基板が用いられる。
上型の成形面は平坦であり、下型の成形面は形成すべき第1異方導電性シート71の導電路形成部79に対応してわずかに凹凸を有している。
<第2異方導電性シート73>
第2異方導電性シート73は、図9(b)に示したように、絶縁部78の厚みが導電路形成部79の厚みと実質的に同一であること以外は、基本的に第1異方導電性シート71(第5異方導電性シート42)と同様の構成である。
<第2異方導電性シート73の製造方法>
第2異方導電性シート73の製造方法は、使用される異方導電性シート成形用金型に導電路形成部79に対応した凹凸が設けられていないこと以外は、基本的に第1異方導電性シート71(第5異方導電性シート42)の製造方法と同様である。
<第4異方導電性シート77>
図10は、第4異方導電性シート77の一部を拡大して示した説明用断面図である。
このような弾性高分子物質を得るために用いることのできる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。
ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。
またシリコーンゴムは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000のものであることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する手段としては、例えば化学メッキまたは電解メッキ法、スパッタリング法、蒸着法などが用いられる。
この数平均粒子径が過小である場合には、後述する製造方法において導電性粒子Pを厚み方向に配向させることが困難となることがある。
また、導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
この割合が過小である場合には、厚み方向に十分に高い導電性を有する第4異方導電性シート77が得られないことがある。
また、第4異方導電性シート77の厚みは、20〜100μmであることが好ましく、より好ましくは25〜70μmである。
<第4異方導電性シート77の製造方法>
第4異方導電性シート77は、以下のようにして製造することができる。
そして、図11(b)に示したように、他面側成形部材62の成形面(図11(b)において上面)上にスペーサー63を配置し、他面側成形部材62の成形面上におけるスペーサー63の開口32K内に、調製した導電性シート用材料17Bを塗布し、この導電性シート用材料17B上に一面側成形部材30をその成形面(図11(b)において下面)が導電性シート用材料17Bに接するよう配置する。
また、一面側成形部材30および他面側成形部材62の厚みは50〜500μmであることが好ましく、より好ましくは75〜300μmである。
一方、この厚みが500μmを超える場合には、後述する導電性シート用材料層に所要の強度の磁場を作用させることが困難となることがある。
その後、一面側成形部材30の裏面および他面側成形部材62の裏面に、一対の電磁石を配置し、この電磁石を作動させることにより、導電性シート用材料層17Aの厚み方向に平行磁場を作用させる。
そして、導電性シート用材料層17Aを硬化処理することにより、弾性高分子物質中に導電性粒子Pが厚み方向に配向した状態で、かつ導電性粒子Pによる連鎖が面方向に分散された状態で含有されてなる第4異方導電性シート77が製造される。
導電性シート用材料層17Aに作用される平行磁場の強度は、平均で0.02〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性シート用材料層17Aを構成する高分子物質用材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要する時間などを考慮して適宜選定される。<第3異方導電性シート75>
図14は、第3異方導電性シート75の要部を拡大して示した説明用断面図である。
第3異方導電性シート75の貫通孔19の径は、後述する中継基板76の検査用コア電極7が移動可能に挿入される大きさであればよく、例えば検査用コア電極7の径の1.1〜2倍、好ましくは1.2〜1.7倍である。
<第3異方導電性シート75の製造方法>
第3異方導電性シート75は、第4異方導電性シート77と同様の方法によって製造し、その後レーザー加工または抜き打ち加工を施すことによって貫通孔19を形成することにより得られる。
<中継基板76>
図15は、中継基板76の要部を拡大して示した説明用断面図である。
検査用コア電極7の各々は、絶縁性支持シート9の貫通孔4に挿通された円柱状の胴部25aと、この胴部25aの両端の各々に一体に連結されて形成された絶縁性支持シート9の表面に露出する端子部25bとにより構成されている。
また接続用コア電極60の各々も検査用コア電極7と同様に形成されており、胴部61と端子部26bとから構成されている。
さらに絶縁性支持シート9の貫通孔4の径は、20〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。
検査用コア電極7および接続用コア電極60の各々における胴部25a、61の径は18μm以上であることが好ましく、より好ましくは25μm以上である。
また、絶縁性支持シート9の貫通孔4の径と検査用コア電極7および接続用コア電極60の各々における胴部25a、60の径との差は、1μm以上であることが好ましく、よ
り好ましくは2μm以上である。
検査用コア電極7および接続用コア電極60の各々における端子部25b、26bの径は、被検査電極の径の70〜150%であることが好ましい。また、検査用コア電極7および接続用コア電極60の端子部25b、26bの径と貫通孔4の径との差は、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。
絶縁性支持シート9の厚み方向における検査用コア電極7および接続用コア電極60の各々の移動可能距離、すなわち検査用コア電極7および接続用コア電極60の各々における胴部25a、61の長さと絶縁性支持シート9の厚みとの差は、5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。
一方、これらの移動可能距離が過大である場合には、絶縁性支持シート9の貫通孔4から露出する検査用コア電極7の胴部25aおよび接続用コア電極60の胴部61の長さが大きくなり、検査に使用したときに、検査用コア電極7の胴部25aおよび接続用コア電極60の胴部61が座屈または損傷するおそれがある。
<中継基板76の製造方法>
中継基板76は、以下のようにして製造することができる。
次に図16(c)に示したように、積層材料20Bにおける絶縁性支持シート9に、それぞれ金属層23Aの開口23Kに連通して厚み方向に伸びる貫通孔4を形成する。
このようにして、厚み方向に伸びる複数の貫通孔4が形成された絶縁性支持シート9と、この絶縁性支持シート9の一面に積層された、それぞれ絶縁性支持シート9の貫通孔4に連通する複数の開口23Kを有する易エッチング性の金属層23Aと、絶縁性支持シート9の貫通孔4の内壁面および金属層23Aの開口縁を覆うよう形成された易エッチング性の金属薄層23Bと、を有してなる複合積層材料20Aが製造される。
金属層23Aおよび金属薄層23Bを構成する易エッチング性の金属材料としては銅、ニッケルなどを用いることができる。
そして、この複合積層材料20Aに対してフォトメッキ処理を施すことにより、絶縁性支持シート9の貫通孔4の各々に検査用コア電極7および接続用コア電極60を形成する。
<回路基板側コネクタ21による被検査回路基板1との接続>
上記の回路基板側コネクタ21においては、図19に示したように、被検査回路基板1の一面に、回路基板側コネクタ21における各検査用コア電極7が被検査回路基板1の各一面側被検査電極2上に位置するよう配置され、さらに適宜の手段によって回路基板側コネクタ21が押圧される。
このとき、電極シート74におけるリング状電極13は、絶縁性シート11の貫通孔12を包囲するよう形成されているため図21に示したように、絶縁性シート11の貫通孔12に進入する検査用コア電極7の中心位置が一面側被検査電極2の中心位置から位置ずれした場合であっても、一面側被検査電極2に検査用コア電極7が電気的に接続されていれば、リング状電極13も必ず一面側被検査電極2に電気的に接続される。
<中継ピンユニット31>
中継ピンユニット31は、図1、図2、図23(図23は説明の便宜上、中継ピンユニット31aについて示している)、および図29〜32に示したように、上下方向を向くように並列に、所定のピッチで設けられた多数の導電ピン32a、32bを備えている。
第1絶縁板34と第2絶縁板35には、導電ピン32の端部81が挿入される貫通孔83が形成されている。そして貫通孔83の直径が、導電ピン32の端部81a、81bの直径よりも大きく、かつ中央部82の直径よりも小さく形成され、これにより導電ピン32が脱落しないように保持されている。
なお、図23における第1絶縁板34と中間保持板36との間の距離L1と、第2絶縁板35と中間保持板36との間の距離L2としては、後述するように第1絶縁板34、中間保持板36、第2絶縁板35の弾性による被検査回路基板1における一面側被検査電極2、他面側被検査電極3の高さバラツキの吸収性を考慮すれば、2mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上である。
また中間保持板投影面Aにおいて、隣接する4個の第2の当接支持位置38Bからなる単位格子領域R2に、1個の第1の当接支持位置38Aが配置される。なお図28では、
第1の当接支持位置38Aを黒丸、第2の当接支持位置38B群を白丸で示している。
第1絶縁板34、中間保持板36、および第2絶縁板35の厚みは、構成する材料の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜10mmである。
第1絶縁板34および第2絶縁板35に導電ピン32を移動可能に支持する方法としては図24に示した方法の他に、図25〜図27に示した方法を挙げることができる。
導電ピン32として、円柱形状である金属ピンを用いている。
導電ピン32は、第1絶縁板34に形成された貫通孔83aおよび第2絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84に形成された貫通孔85とを支点として、互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持されている。
導電ピン32は、図26(a)〜図26(c)に示した手順で第1絶縁板34および第2絶縁板35に支持される。
さらに図26(c)に示したように、屈曲保持板84を導電ピン32の軸方向と垂直な横方向(水平方向)に移動し、適宜の手段によって屈曲保持板84の位置を固定する。
このように構成された本実施形態の検査装置では、図2に示したように、被検査回路基板1の一面側被検査電極2が第4異方導電性シート77、電極シート74、第3異方導電性シート75、中継基板76、第2異方導電性シート73、ピッチ変換用基板72、第1異方導電性シート71、導電ピン32、第5異方導電性シート42、コネクタ基板43aを介して、最外側に配置されたベース板46をテスターの加圧機構により規定の圧力で押圧することによってテスター(図示せず)に電気的に接続され、被検査回路基板1の電極間における電気抵抗測定などの電気検査が行われる。
<検査治具による圧力吸収作用および圧力分散作用についての説明>
以下、図29〜図32を参照しながら(便宜的に、第2検査治具11bのみ示した)、第1検査治具11aと第2検査治具11bとの間で被検査回路基板1の両面を挟圧した際
における圧力吸収作用および圧力分散作用について説明する。
このように、中間保持板36が第1の当接支持位置38A、第2の当接支持位置38Bを中心として相互に反対方向に撓むので、第1検査治具11aと第2検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、中間保持板36のバネ弾性力が発揮されることになる。
図33は、本発明の検査装置における他の実施形態を説明する図29と同様な断面図(便宜的に第2の検査治具のみ示している)、図34は、その中継ピンユニットの拡大断面図である。この検査装置は、図1に示した検査装置と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付している。
換回数が減り検査作業効率が向上する。
また、導電ピン32を保持するための前述した屈曲保持板84を用いる場合、場合に応じて、第2絶縁板35と中間保持板36との間、第1絶縁板34と中間保持板36との間、あるいは2枚の中間保持板36の間に配置することができる。
例えば被検査回路基板1は、プリント回路基板以外にパッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよい。
第1検査治具11aと第2検査治具11bは、使用材料、部材構造などにおいて必ずしも同一である必要はなく、これらが異なるものであってもよい。
上記の実施例では、第1異方導電性シート71および第5異方導電性シート42として、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出しているものを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
これらの支持ピン49によって、第1支持ピン33、第2支持ピン37(図33、図34では第1支持ピン33、第2支持ピン37および保持板支持ピン39)が与える作用と同様にして、面圧を分散させる作用を与えることも可能である。
なお、本発明の回路基板の検査装置においては、上記のような中継ピンユニット31を用いることが望ましいが、本発明の回路基板側コネクタ21を用いることによって、多数の検査電極を有する被検査回路基板1の検査を良好に行えるだけのクッション性、耐久性が充分に確保できる場合には、このような中継ピンユニット31以外にも、図35に示したような従来型の中継ピンユニットを用いて検査を行ってもよいものである。
<実施例および比較例>
以下、本発明の具体的な実施例および比較例を示した。
[実施例1]
レール搬送型回路基板自動検査機(日本電産リード社製、品名:STARREC V5)の検査部に適合する、図1に示したような、下記の評価用回路基板を検査するための検査装置を作製した。
(1)被検査回路基板1
下記の仕様の被検査回路基板1を用意した。
上面側の被検査電極の数:3600個
上面側の被検査電極の径:0.1mm
上面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.225mm
下面側の被検査電極の数:2600個
下面側の被検査電極の径:0.1mm
下面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.225mm
(2)回路基板側コネクタ21
上記のピッチ変換用基板72の一面側に、第1異方導電性シート71aと、第1異方導電性シート71aの被検査回路基板側に配置され、基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板72aと、ピッチ変換用基板72aの被検査回路基板側に配置された第2異方導電性シート73aと、第2異方導電性シート73aの被検査回路基板側に配置され、リング状電極13に電気的に接続される検査用コア電極7と中継電極14に電気的に接続される接続用コア電極60を有する絶縁性支持シートからなる中継基板76aと、中継基板76aの被検査回路基板側に配置され、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板1の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔19を有する第3異方導電性シート75aと、第3異方導電性シート75aの被検査回路基板側に、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板1の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔12を有し、貫通孔12を包囲するよう複数のリング状電極13が形成されるとともにリング状電極13に電気的に接続された中継電極を裏面に有する柔軟な電極シート74aと、電極シート74aの被検査回路基板側に設けられた第4異方導電性シート77aと、を備え回路基板側コネクタ21とした。
〔第1異方導電性シート71〕
寸法:110mm×150mm
導電路形成部の厚み:0.6mm
導電路形成部の外径:0.35mm
導電路形成部の突出高さ:0.05mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;35μm、導電路形成部における導電性粒子の含有率;30体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;30
(W/D=17)
第2異方導電性シート73は、図9(b)に示される形状であり、具体的には以下の構成のものを使用した。
〔第2異方導電性シート73〕
寸法:110mm×110mm
導電路形成部の厚み:0.12mm
導電路形成部の外径:0.08mm
導電路形成部の突出高さ:0mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;20μm、導電路形成部における導電性粒子の含有率;30体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;30
〔第4異方導電性シート77〕
導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された下記の第4異方導電性シート77を作製した。
寸法:110mm×110mm、厚み0.05mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;20μm、含有率;18体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム(硬度40)
さらに、第3異方導電性シート75は、第4異方導電性シート77と同じ構成のものに
、UVレーザー加工にて被検査回路基板1の被検査電極の位置に対応する位置に複数の貫通候を形成した。
〔第3異方導電性シート75〕
寸法:100mm(縦)×100mm(横)×0.3mm(厚み)
上面側の第3異方導電性シート75a
貫通孔の数:3600個(被検査回路基板1の上面側の被検査電極の位置に形成した)
貫通孔の径:65μm
下面側の第3異方導電性シート75b
貫通孔の数:2600個(被検査回路基板1の下面側の被検査電極の位置に形成した)
貫通孔の径:65μm
〔ピッチ変換用基板72〕
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる厚さ0.5mmの絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製、品名:R−1766)に、数値制御型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.1mmの円形の貫通孔を合計で7200個形成した。
形成した。
さらに積層材料の他面側の金属薄層上の保護シールを除去し、この面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製、品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成した。
このピッチ変換用基板72は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極25の絶縁層表面から露出した部分の寸法が直径約60μm、接続電極25の絶縁層表面からの突出高さが約30μm、対をなす接続電極25間の離間距離が160μm(中心間距離)、端子電極24の直径が0.4mm、端子電極24の配置ピッチが0.75mmであった。
〔中継基板76〕
先ず、電極構造体を7200個有する第1検査治具11a用の中継基板76aを次のようにして製造した。
記の評価用回路装置における上面側被検査電極に対応するパターンに従ってレジスト膜に直径が40μmの円形のパターン孔を3600個形成するとともに、このパターン孔から中心間距離で160μm離間したパターン孔を3600個形成した。
金属層23Aの開口23Kに連通する貫通孔4を形成した(図16(c)参照)。
次いで、複合積層材料20Aの両面(絶縁性支持シート9の一面に形成された金属層23Aの表面および絶縁性支持シート9の他面)の各々に、厚みが25μmのドライフィルムレジストをラミネートして露光処理および現像処理を施すことにより、図17(b)に示したような、形成すべき検査用コア電極7および接続用コア電極60における端子部25b、26bのパターンに従って直径50μmの円形のパターン孔24Kが形成されたレジスト膜6を形成した。
得られた中継基板76bは材質が液晶ポリマーで、縦横の寸法が190mm×130mm、厚みdが50μm、貫通孔4の直径r1が40μm、検査用コア電極7および接続用
コア電極60は総数が7200で、胴部25a、61の径r2が30μm、端子部25b、26bの径r3が50μm、胴部25a、61の長さLが95μm、検査用コア電極7および接続用コア電極60の移動距離(L−d)が45μmで、対をなす検査用コア電極7および接続用コア電極60の離間距離は160μmである。
(3)中継ピンユニット31
第1絶縁板34、中間保持板36、第2絶縁板35の材料として、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなり、その厚みが1.9mmのものを用いた。
〔導電ピン〕
材質:金メッキ処理を施した真鍮
端部81aの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
中央部64の寸法外径0.45mm、全長41mm
基端部81bの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
この場合、第1支持ピン33の中間保持板36との第1の当接支持位置38Aと、第2支持ピン37の中間保持板36との第2の当接支持位置38Bは、図29に示したように格子状に配置した。
(4)テスター側コネクタ41
テスター側コネクタ41を、図1に示したように第5異方導電性シート42と、コネクタ基板43と、ベース板46とから構成した。
性能試験
1.最低プレス圧力の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、検査装置に対して用意した被検査回路基板1をセットして、レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力を100〜210kgfの範囲内において段階的に変化させ、各プレス圧力条件毎に各10回づつ、被検査回路基板1の被検査電極について、電流供給用電極を通じて1ミリアンペアの電流を印加したときの導通抵抗値を電圧測定用電極で測定した。
検査装置においては検査時の加圧圧力を低く設定できれば、検査時の加圧圧力による被検査回路基板および異方導電性シート並びに検査用回路基板の劣化が抑制できるばかりでなく、検査装置の構成部材として耐久強度の低い部品を使用することが可能となることから、検査装置の構造を小さくコンパクトにすることができる。
最低プレス圧の測定結果を表1に示した。
2.異方導電性シートの耐久性の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、検査装置に対して用意した被検査回路基板1をセットして、レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力条件を110kgfとし、所定回数の加圧を行った後、被検査回路基板1の被検査電極について、プレス圧力110kgfの条件下にて、電流供給用電極を通じて1ミリアンペアの電流を印加したときの導通抵抗値を10回測定し、次いで所定回数の加圧を行い、同様に導通抵抗値を電圧測定用電極にて10回測定する作業を繰り返した。
次いで、検査装置における異方導電性シートを新しいものに交換し、プレス圧力条件を130kfgに変更したこと以外は上記と同様の条件によって所定回数の加圧を行い、上記と同様の手法でNG検査点割合を算出した。
すなわち、NG検査点割合が0.01%を超える場合には、良品である被検査回路基板に対して不良品であるとの誤った検査結果が得られる場合があることから、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができなくなるおそれがある。
3.絶縁性の評価
以下のようにして、回路基板側コネクタ21におけるピッチ変換用基板72の対をなす接続電極25(電流用端子電極27および電圧用端子電極28)の間の絶縁抵抗を評価した。
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、検査装置に対して上記のガラスエポキシ基板をセットして、レール搬送型
回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力を100〜210kgfの範囲内において段階的に変化させ、プレス圧力条件ごとに10回づつ、第1検査治具11a用のピッチ変換用基板72aに設けられた各々の対をなす接続電極25の間の絶縁抵抗を測定した。
すなわち、絶縁性合格点割合が99.9%未満の場合には、検査時において電流供給用電極として使用する接続電極から電圧測定用電極として使用する接続電極へリーク電流が流れることにより、良品である被検査回路基板に対して不良品であるとの誤った検査結果が得られる場合がある。
絶縁性評価の結果を表3に示した。
[比較例1]
上記のピッチ変換用基板72の代わりに、
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる厚さ0.5mmの絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製、品名:R−1766)に、数値制御型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.1mmの円形の貫通孔を合計で7200個形成した。
このピッチ変換用基板72は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極25の絶縁層表面から露出した部分の寸法が60μm×30μm、接続電極25の絶縁層表面からの突出高さが約30μm、対をなす接続電極25間の離間距離が30μm、端子電極24の直径が0.4mm、端子電極24の配置ピッチが0.75mmであった。
00個の端子電極24を有する、第2検査治具11b用のピッチ変換用基板72bを作製した。
最低プレス圧の測定結果を表1に、異方導電性シートの耐久性の測定結果を表2に、絶縁性評価の結果を表3に示した。
そして、表3の結果から明らかなように、実施例1の検査装置は接続電極間のリーク電流の発生がほとんど無い。
2・・・一面側被検査電極
3・・・他面側被検査電極
4・・・貫通孔
6・・・レジスト膜
7・・・検査用コア電極
8a・・回路
8b・・回路
9・・・絶縁性支持シート
10A・・積層材料
10H・・貫通孔
11・・・絶縁性シート
11a・・第1検査治具
11b・・第2検査治具
12・・・貫通孔
13・・・リング状電極
14・・・中継電極
15・・・短絡部
16A・・金属層
16B・・配線部
17A・・導電性シート用材料層
17B・・導電性シート用材料
19・・・貫通孔
20A・・複合積層材料
20B・・積層材料
21・・・回路基板側コネクタ
21a・・回路基板側コネクタ
21b・・回路基板側コネクタ
23A・・金属層
23K・・開口
23B・・金属薄層
24・・・端子電極
24K・・パターン孔
25・・・接続電極
25a・・胴部
25b・・端子部
26b・・端子部
27・・・電流用端子電極
28・・・電圧用端子電極
30・・・一面側成形部材
31・・・中継ピンユニット
31a・・中継ピンユニット
31b・・中継ピンユニット
32・・・導電ピン
32a・・導電ピン
32b・・導電ピン
32K・・開口
33・・・第1支持ピン
33a・・第1支持ピン
33b・・第1支持ピン
34・・・第1絶縁板
34a・・第1絶縁板
34b・・第1絶縁板
35・・・第2絶縁板
35a・・第2絶縁板
35b・・第2絶縁板
36・・・中間保持板
36a・・中間保持板
36b・・中間保持板
37・・・第2支持ピン
37a・・第2支持ピン
37b・・第2支持ピン
38A・・第1の当接支持位置
38B・・第2の当接支持位置
39・・・保持板支持ピン
39b・・保持板支持ピン
41・・・テスター側コネクタ
41a・・テスター側コネクタ
41b・・テスター側コネクタ
42・・・第5異方導電性シート
42a・・第5異方導電性シート
42b・・第5異方導電性シート
43・・・コネクタ基板
43a・・コネクタ基板
43b・・コネクタ基板
46・・・ベース板
49・・・支持ピン
51・・・絶縁基板
52・・・配線
53・・・内部配線
54・・・絶縁層
60・・・接続用コア電極
61・・・胴部
62・・・他面側成形部材
63・・・スペーサー
64・・・中央部
65・・・加圧ロール
66・・・支持ロール
67・・・加圧ロール装置
71・・・第1異方導電性シート
71a・・第1異方導電性シート
71b・・第1異方導電性シート
72・・・ピッチ変換用基板
72a・・ピッチ変換用基板
72b・・ピッチ変換用基板
73・・・第2異方導電性シート
73a・・第2異方導電性シート
73b・・第2異方導電性シート
74・・・電極シート
74a・・電極シート
74b・・電極シート
75・・・第3異方導電性シート
75a・・第3異方導電性シート
75b・・第3異方導電性シート
76・・・中継基板
76a・・中継基板
76b・・中継基板
77・・・第4異方導電性シート
77a・・第4異方導電性シート
77b・・第4異方導電性シート
78・・・絶縁部
79・・・導電路形成部
80・・・導電性粒子
81・・・端部
81a・・端部
81b・・基端部
82・・・中央部
83・・・貫通孔
83a・・貫通孔
83b・・貫通孔
84・・・屈曲保持板
85・・・貫通孔
86・・・貫通孔
87・・・突出部
90A・・積層材料
90B・・複合積層材料
91・・・絶縁基板
91H・・貫通孔
92・・・剛性導体電極
92a・・胴部
92b・・端子部
93A・・金属層
93B・・金属薄層
93K・・開口
94・・・レジスト膜
94H・・パターン孔
101・・・被検査回路基板
102・・・被検査電極
111a・・検査治具
111b・・検査治具
121a・・回路基板側コネクタ
122a・・異方導電性シート
123a・・ピッチ変換用基板
131a・・中継ピンユニット
132a・・導電ピン
134a・・絶縁板
141a・・テスター側コネクタ
142a・・異方導電性シート
143a・・コネクタ基板
146a・・ベース板
200・・・被検査回路基板
202・・・被検査電極
206・・・電源装置
208・・・電気信号処理装置
300・・・被検査電極
302・・・電流供給用電極
304・・・電圧測定用電極
A・・・中間保持板投影面
B・・・貫通孔
D・・・離間距離
L・・・直径
L1・・距離
L2・・距離
P・・・導電性粒子
PA・・・電流供給用プローブ
PB・・・電圧測定用プローブ
PC・・・電圧測定用プローブ
PD・・・電流供給用プローブ
Q1・・対角線
Q2・・対角線
R1・・単位格子領域
R2・・単位格子領域
r1・・直径
r2・・径
r3・・径
Claims (15)
- 一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1検査治具と前記第2検査治具がそれぞれ、
第1異方導電性シートと、
前記第1異方導電性シートの被検査回路基板側に配置され、基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置された第2異方導電性シートと、
前記第2異方導電性シートの被検査回路基板側に配置され、リング状電極に電気的に接続される検査用コア電極と中継電極に電気的に接続される接続用コア電極を有する絶縁性支持シートからなる中継基板と、
前記中継基板の被検査回路基板側に配置され、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔を有する第3異方導電性シートと、
前記第3異方導電性シートの被検査回路基板側に、電気抵抗を測定すべき被検査回路基板の被検査電極に対応するパターンに従って複数の貫通孔を有し、前記貫通孔を包囲するよう複数の前記リング状電極が形成されるとともに前記リング状電極に電気的に接続された前記中継電極を裏面に有する柔軟な電極シートと、
前記電極シートの被検査回路基板側に設けられた第4異方導電性シートと、
を備えた回路基板側コネクタと、
一定ピッチで配置された複数の導電ピンと、
前記導電ピンを上下へ移動可能に支持する絶縁板と、
を備えた中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第5異方導電性シートと、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
を備えたテスター側コネクタと、
から構成されていることを特徴とする回路基板の検査装置。 - 前記回路基板側コネクタの前記中継基板における前記検査用コア電極および前記接続用コア電極が、
絶縁性支持シートの厚み方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。 - 前記回路基板側コネクタが、
前記被検査回路基板における両面の前記被検査電極の各々に、前記回路基板側コネクタにおける前記電極シートの前記リング状電極および前記中継基板の前記検査用コア電極が同時に電気的に接続されて測定可能状態とされ、
この測定可能状態において、指定された1つの前記被検査電極に電気的に接続された前記検査用コア電極および前記リング状電極のうち、一方を電流供給用電極とし、他方を電圧測定用電極として用いることにより、指定された1つの前記被検査電極に係る電気抵抗の測定が実行されることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。 - 前記中継ピンユニットが、
所定のピッチで配置された複数の前記導電ピンと、
前記導電ピンを軸方向へ移動可能に支持する一対の離間した第1絶縁板と第2絶縁板と、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間に配置された中間保持板と、
前記第1絶縁板と中間保持板との間に配置された第1支持ピンと、
前記第2絶縁板と中間保持板との間に配置された第2支持ピンと、
から構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 前記中継ピンユニットが、
前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、
中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の回路基板の検査装置。 - 前記一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2絶縁板の方向に撓むとともに、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1絶縁板の方向に撓むように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の回路基板の検査装置。 - 前記第1支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、
前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の回路基板の検査装置。 - 前記中継ピンユニットが、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
隣接する前記中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
を備えるとともに、
少なくとも1つの前記中間保持板において、前記中間保持板に対して一面側から当接する前記保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置と、
前記中間保持板に対して他面側から当接する第1支持ピン、第2支持ピン、または前記保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置とが、
前記中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 全ての前記中間保持板において、
前記中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置と、
前記中間保持板に対して他面側から当接する第1支持ピン、第2支持ピン、または保持板支持ピンの前記中間保持板に対する当接支持位置とが、
前記中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の回路基板の検査装置。 - 前記第1異方導電性シートが、
厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、
これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部と、
からなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより前記導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 前記第5異方導電性シートが、
厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、
これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部と、
からなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより前記導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 前記複数の導電ピンは、
前記第1絶縁板と第2絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、
前記中央部の両端側に形成され前記中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1絶縁板と第2絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、
これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 前記第1絶縁板と中間保持板との間、前記第2絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、
前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、
前記第1絶縁板および第2絶縁板に形成された貫通孔と、
前記屈曲保持板に形成された貫通孔と、
を支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の回路基板の検査装置。 - 前記被検査基板における両面の前記被検査電極が、ハンダボール電極であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
- 請求項1から14のいずれかに記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
一対の第1検査治具と第2検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。
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