JP2006010682A - 回路基板の検査装置および回路基板の検査方法 - Google Patents

回路基板の検査装置および回路基板の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 検査対象である被検査回路基板が微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い電気的検査を行うことができ、さらに、検査治具と被検査回路基板との位置合わせを効率的に行うことができる回路基板の検査装置および検査方法を提供する。
【解決手段】 回路基板側コネクタ21と、テスター側コネクタ41との間の中継ピンユニット31において、第1の絶縁板34と中間保持板36とを第1の支持ピン33で固定するとともに、第2の絶縁板35と中間保持板36とを第2の支持ピン37で固定し、第1の支持ピン33の中間保持板36に対する第1の当接支持位置と、第2の支持ピン37の中間保持板36に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板36の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されるようにした。そして、中継ピンユニット31内にCCDカメラ91のような撮像装置を配置して検査治具11と被検査回路基板1との位置合わせを行うようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気検査を行う検査対象である回路基板(以下、「被検査回路基板」と言う。)を、上側検査治具と下側検査治具で両面から挟圧することにより、被検査回路基板の両面に形成された電極をテスターに電気的に接続された状態として、被検査回路基板の電気的特性を検査する回路基板の検査装置および回路基板の検査方法に関する。
集積回路などを実装するためのプリント回路基板は、集積回路などを実装する前に、回路基板の配線パターンが所定の性能を有することを確認するために電気的特性が検査される。
この電気検査では、例えば、回路基板の搬送機構を備えた検査用テスターに検査ヘッドを組み込み、検査ヘッド部分を交換することにより異なる回路基板の検査を行っている。
例えば、特許文献1(特開平6−94768号公報)に開示されているように、被検査回路基板の被検査電極に接して電気的に導通する金属の検査ピンを基板に植設した構造の検査治具を用いる方法が提案されている。
また、特許文献2(特開平5−159821号公報)に開示されているように、導電ピンを有する検査ヘッドと、オフグリットアダプターと呼ばれるピッチ変換用の回路基板と、異方導電性シートとを組み合わせた検査治具を用いる方法が知られている。
しかしながら、特許文献1(特開平6−94768号公報)のように、金属検査ピンを直接に被検査回路基板の被検査電極に接触させる検査治具を用いる方法では、金属からなる導電ピンとの接触により被検査回路基板の電極が損傷する可能性がある。
特に、近年では回路基板における回路の微細化、高密度化が進み、このようなプリント回路基板を検査する場合、多数の導電ピンを被検査回路基板の被検査電極に同時に導通接触させるためには、高い圧力で検査治具を加圧することが必要となり、被検査電極が損傷し易くなる。
そして、このような微細化、高密度化されたプリント回路基板を検査するための検査治具では、高密度で多数の金属ピンを基板に植設することが技術的に困難になりつつある。また、その製造コストも高価となり、さらに、一部の金属ピンが損傷した場合に、修理、交換することが困難である。
一方、特許文献2(特開平5−159821号公報)のように、異方導電性シートを使用する検査治具では、被検査回路基板の被検査電極が、異方導電性シートを介してピッチ変換用基板の電極と接触することになるため、被検査回路基板の被検査電極が損傷しにくいという利点がある。また、ピッチ変換を行う基板を使用しているため、基板に植設する検査ピンを、被検査回路基板の被検査電極のピッチよりも広いピッチで植設することができるため、微細ピッチで検査ピンを植設する必要がなく、検査治具の製造コストを節約できるという利点もある。
しかしながら、この検査治具では、検査対象である被検査回路基板ごとに、ピッチ変換用基板と、検査ピンを植設する検査治具とを作成する必要があるため、検査される被検査回路基板であるプリント回路基板と同数の検査治具が必要となる。
このため、複数のプリント回路基板を生産している場合では、それに対応して複数の検査治具を保有しなければならないという問題がある。特に、近年では電子機器の製品サイクルが短縮し、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進んでいるが、これに伴って検査治具を長期間使用することができなくなり、プリント回路基板の生産が切り替わる度に検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
このような問題への対策として、例えば、特許文献3〜5(特開平7−248350号公報、特開平8−271569号公報、特開平8−338858号公報)のような、中継ピンユニットを用いる、いわゆるユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置が提案されている。
図25は、このようなユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置の断面図である。この検査装置は、一対の第1の検査治具111aと第2の検査治具111bとを備え、これらの検査治具は、回路基板側コネクタ121a、121bと、中継ピンユニット131a、131bと、テスター側コネクタ141a、141bとを備えている。
回路基板側コネクタ121a、121bは、ピッチ変換用基板123a、123bと、その両面側に配置される異方導電性シート122a、122b、126a、126bとを有している。
中継ピンユニット131a、131bは、一定ピッチ(例えば2.54mmピッチ)で格子点上に多数(例えば5000ピン)配置された導電ピン132a、132bと、この導電ピン132a、132bを上下へ移動可能に支持する一対の絶縁板134a、134bを有している。
テスター側コネクタ141a、141bは、被検査回路基板101を検査治具111a、111bで挟圧した際に、テスターと導電ピン132a、132bとを電気的に接続するコネクタ基板143a、143bと、コネクタ基板143a、143bの導電ピン132a、132b側に配置される異方導電性シート142a、142bと、ベース板146a、146bとを有している。
この中継ピンユニットを使用した検査治具は、異なる被検査対象であるプリント回路基板を検査する際に、回路基板側コネクタ121a、121bを被検査回路基板101に対応するものに交換するだけでよく、中継ピンユニット131a、131bとテスター側コネクタ141a、141bは共通で使用できる。
ところで、被検査回路基板101であるプリント配線基板は、多層高密度化してきており、実際には厚み方向に、例えば、BGAなどのハンダボール電極などの被検査電極102、103による高さバラツキや基板自体の反りが生じている。そのため、被検査回路基板101上の検査点である被検査電極102、103に電気的接続を達成するためには、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bとを高い圧力で加圧して、被検査回路基板101を平坦に変形させる必要がある。また、被検査電極102、103の高さバラツキに対応するためには、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bによる被検査電極102、103の高さに対する追従性が必要となる。
従来のこのようなユニバーサルタイプの検査治具では、被検査回路基板101を挟圧した際のプレス圧力を、図25に示したように、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bに設けられた異方導電性シート122a、122b、126a、126b、142a、142bによって吸収している。そして、被検査電極102、103の高さに対する追従性を、導電ピン132a、132bの軸方向移動により確保していたが、この導電
ピン132a、132bの軸方向移動量にも限界があるため、このような被検査電極102、103の高さに対する追従性が良好でない場合があり、この場合、導通不良が発生して正確な検査ができないことがある。
また、このようなユニバーサルタイプの検査治具では、ピッチ変換用基板123a、123bを支持しプレス圧を分散させるために多数の導電ピン132a、132bを一定間隔で高密度に配置する必要がある。
被検査回路基板を各検査治具により狭圧して電気検査を行う前に、被検査回路基板の被検査電極と、ピッチ変換用基板の接続電極とを正確に電気的に接続するために、被検査回路基板を検査治具に対して相対的に移動させて、これらの間で位置合わせをする必要がある。従来、被検査回路基板と検査治具との位置合わせを行う方法として、検査治具に配置したカメラにより被検査回路基板に設けられた位置合わせ用マークを撮像し、この撮像結果に基づいて被検査回路基板を所定の位置に移動させる光学的な位置合わせ方法と、電気信号に基づいて被検査回路基板を所定の位置に移動させる電気的な位置合わせ方法が知られている。
効率的に位置合わせを行う点では、光学的な位置合わせ方法で位置合わせすることが望ましい。この場合、CCDカメラのような撮像装置をピッチ変換用基板の裏面側に配置し、被検査回路基板と撮像装置との間に配置されたピッチ変換用基板、異方導電性シートなどに窓穴を設け、この窓穴を介して被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像する必要があるが、上記したようなユニバーサルタイプの検査治具では、多数の導電ピン132a、132bを一定間隔で高密度に配置しなければならないため、撮像装置を配置する空間がなく、光学的な位置合わせ方法を採用することができない。
特開平6−94768号公報 特開平5−159821号公報 特開平7−248350号公報 特開平8−271569号公報 特開平8−338858号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、検査対象である被検査回路基板が微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い電気的検査を行うことができ、さらに、検査治具と被検査回路基板との位置合わせを効率的に行うことができる回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、検査対象である被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対する追従性が良好で、導通不良が発生せず、正確な検査を行うことができる回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性に優れ、異方導電性シートの交換回数が少なく、検査作業効率が良い回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、一定間隔で導電ピンを配置する必要がなく、そのため、導電ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することが可能な回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、検査対象である被検査回路基板について、繰り返し連続検査を行う際に、異方導電性シートの位置ずれを補正する必要が少なく、検査の作業性が良好な回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、検査対象である被検査回路基板の繰り返し連続検査において、異方導電性シートが劣化した際に、異方導電性シートの交換作業が容易な回路基板の検査装置および検査方法を提供することを目的としている。
本発明の回路基板の検査装置は、一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
(i) 基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置される第1の異方導電性シートと、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板とは逆側に配置される第2の異方導電性シートと、
を備えた回路基板側コネクタと、
(ii) 複数の導電ピンと、
前記導電ピンを軸方向に移動可能に支持する、離間した一対の第1の絶縁板と第2の絶縁板と、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板と、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピンと、
前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピンと、
を備えるとともに、前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている中継ピンユニットと、
(iii) テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シートと、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
を備えたテスター側コネクタと、を備え、
一方の前記検査治具における前記第1の絶縁板と中間保持板との間、または前記第2の絶縁板と中間保持板との間に、撮像装置が設けられていることを特徴とする。ここで、CCDカメラ等の前記撮像装置は、例えば絶縁板もしくは中間保持板に、その全体もしくは一部が埋め込まれていてもよく、また絶縁板もしくは中間保持板の上面に配置されていてもよい。
前記撮像装置は、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像することによって前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行うために用いることができる。
このように構成された本発明では、第1の検査治具と第2の検査治具とにより検査対象である被検査回路基板を両面側から挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニットの導電ピンの厚み方向への移動と、第1の異方導電性シートと、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮にて圧力を吸収して、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
そして、第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において、異なる位置に配置されているので、第1の検査治具と第2の検
査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、第1の異方導電性シートと、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニットの第1の絶縁板と、第2の絶縁板と、第1の絶縁板と第2の絶縁板の間に配置された中間保持板のバネ弾性により、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板の被検査電極のそれぞれに対して安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、異方導電性シートの局部的な破損が抑制される。その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
そして、支持ピンを用いて中継ピンユニットを支持しているので、導電ピンを一定ピッチで高密度に敷き詰める必要がなく、中継ピンユニット内にCCDカメラなどの撮像装置を配置することができる。このため、例えば下側の検査治具における第1の絶縁板と中間保持板との間、または第2の絶縁板と中間保持板との間の位置にCCDカメラを配置し、所定の位置調節機構によって仮配置された被検査回路基板の位置合わせ用マークを、これらの間のピッチ変換用基板、異方導電シートなどに設けられた窓穴を介して撮像し、この撮像結果に基づいて位置調節機構を介して被検査回路基板を相対移動させて位置合わせを行うことができる。
上記の位置調節機構は、一方の前記検査治具の中継ピンユニットにおける前記第1の絶縁板と中間保持板との間、または前記第2の絶縁板と中間保持板との間に設けられた可動板と、
この可動板に固定され、該可動板と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートとに形成された貫通穴に挿通されるとともに、その先端部で被検査回路基板を上下へ移動可能に支持する複数の被検査回路基板支持ピンと、
前記可動板を移動させる駆動装置とから構成することができる。この位置調節機構では、前記被検査回路基板支持ピンに支持された被検査回路基板の位置合わせ用マークを前記撮像装置により撮像し、その結果に基づいて、前記駆動装置により前記可動板を、例えば水平方向もしくは回転方向へ移動させ、これにより前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との相対位置を調節する。
前記可動板として、前記第1の支持ピンもしくは第2の支持ピン、および導電ピンが貫通される貫通穴が形成され、該可動板がこれらの支持ピンおよび導電ピンに対して相対移動できるようにしたものを使用することができる。これにより、多数のピンが配設された、中継ピンユニットの絶縁板と中間保持板との間の位置に、可動板を水平方向および回転方向に移動可能となるように配置することができる。
前記被検査回路基板支持ピンとして、外筒部と、この外筒部の内部に収納され、該外筒部の一端から軸方向へ突き出た棒状の伸縮子とを備え、該伸縮子が、弾性部材を介して前記外筒部へ取り付けられ、軸方向へ移動可能に保持されたものを使用することができる。これによって、伸縮子の先端部に保持された被検査回路基板を、可動板を水平方向もしくは回転方向に移動させて所定位置に位置させた後、被検査回路基板を押圧し、弾性部材の弾性力に抗して伸縮子を軸方向に下方へ移動させることによって、被検査回路基板の被検査電極と、ピッチ変換用基板の接続電極との電気的な接続が確保されるように正確に位置合わせされた状態で検査治具の当接面と被検査回路基板とを当接させることができる。
前記撮像装置としては、CCDカメラを使用することが好ましく、複数の該CCDカメ
ラを一方の検査治具に設けることが精度よく位置合わせを行う点から好ましい。
また、本発明の回路基板の検査装置は、一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2の絶縁板方向に撓むとともに、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板方向に撓むように構成されていることを特徴としている。
このように構成することによって、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴としている。
このように構成することによって、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置が、格子状に配置され、しかも、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置の格子点位置が全てずれた位置に配置されることになる。
したがって、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向により撓むことになり、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板を加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、複数個の中間保持板が所定間隔離間して配置されるとともに、
これらの隣接する中間保持板同士の間に、保持板支持ピンが配置され、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に前記撮像装置が設けられていることを特徴としている。ここで、CCDカメラ等の前記撮像装置は、例えば絶縁板もしくは中間保持板に、その全体もしくは一部が埋め込まれていてもよく、また絶縁板もしくは中間保持板の上面に載置されていてもよい。
また、本発明の回路基板の検査装置は、一方の前記検査治具の中継ピンユニットにおける前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に設けられた可動板と、
この可動板に固定され、該可動板と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートに形成された貫通穴に挿通されるとともに、その先端部で被検査回路基板を上下へ移動可能に支持する複数の被検査回路基板支持ピンと、
前記可動板を移動させる駆動装置とからなる位置調節機構を備え、
前記位置調節機構は、前記被検査回路基板支持ピンに支持された被検査回路基板の位置合わせ用マークを前記撮像装置により撮像した結果に基づいて、前記駆動装置により前記可動板を移動させ、これにより前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との相対位置を調節することを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記可動板に、前記第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンと、導電ピンとが貫通される貫通穴が形成され、該可動板がこれらの支持ピンおよび導電ピンに対して相対移動できるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記被検査回路基板支持ピンが、外筒部と、この外筒部の内部に収納され、該外筒部の一端から軸方向へ突き出た棒状の伸縮子とを備え、該伸縮子は、弾性部材を介して前記外筒部へ取り付けられ、軸方向へ移動可能に保持されていることを特徴としている。
前記撮像装置としては、CCDカメラを使用することが好ましく、複数の該CCDカメラを一方の検査治具に設けることが精度よく位置合わせを行う点から好ましい。
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
これによって、隣接する中間保持板の間で、保持板支持ピンの中間保持板との当接支持位置がずれた位置に配置されるので、これらの複数個の中間保持板のバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
このように、全ての中間保持板において、両面側からの当接支持位置が互いにずれた配置とすることで、第1の絶縁板、第2の絶縁板、および中間保持板の弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分
散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記撮像装置と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートに、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像するための窓穴が形成され、
前記ピッチ変換用基板に形成された前記窓穴の周囲に、前記撮像装置で撮像することにより該ピッチ変換用基板と前記被検査回路基板との位置合わせを行うための位置合わせ用マークが設けられていることを特徴としている。
このように構成することによって、例えば、ピッチ変換用基板の窓穴周囲に設けられた位置合わせ用マークを撮像装置により撮像し、この撮像データに基づいて、被検査回路基板の位置合わせ用マークが位置すべき、前記窓穴内における正位置を算出し、被検査回路基板の位置合わせ用マークの実際の撮像位置と、前記正位置とのズレから、例えば上記の位置調節機構により被検査回路基板を移動させる方向、距離を算出して位置合わせを行うことができる。
前記ピッチ変換用基板に設けられた位置合わせ用マークは、前記中継ピンユニット側の表面における前記窓穴の周囲に、フォトエッチング処理によって金属パターンを形成することによって設けることができる。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第1の異方導電性シートが、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された異方導電性シートであることを特徴としている。
このように、第1の異方導電性シートとして導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に分散された異方導電性シートを使用しているので、シート横方向へ多少位置がずれしたとしても、被検査回路基板と第1の異方導電性シートとの良好な電気的接続が確保される。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴としている。
このように、第2の異方導電性シートおよび第3の異方導電性シートとして、導電路形成部と絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用することにより、検査治具の押圧による加圧力や衝撃がこれらのシートで吸収され、これにより第1の異方導電性シートの劣化が抑制される。
本発明における一つの態様では、前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより、前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。
本発明における他の態様では、前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。さらに、導電ピンとして円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピンおよびそれを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
また、本発明の回路基板の検査方法は、前述した回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
前記撮像装置により被検査回路基板に設けられた位置合わせ用マークを撮像することによって、前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行った後に、第1の検査治具と第2の検査治具との間で被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査方法は、前述した回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
前記撮像装置により、前記被検査回路基板に設けられた位置合わせ用マークと、前記ピッチ変換用基板に設けられた位置合わせ用マークとを撮像することによって、前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行った後、
第1の検査治具と第2の検査治具との間で被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査方法は、前記撮像装置によって撮像された前記ピッチ変換用基板の位置合わせ用マークに基づいて、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークが撮像視野内において位置すべき正位置を算出し、前記撮像装置によって撮像された前記被検査回路基板の位置合わせ用マークの前記撮像視野内における実際の位置と、前記正位置との間のズレ量に基づいて位置合わせを行うことを特徴としている。
このように構成することによって、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
そして、中継ピンユニット内に撮像装置を設け、この撮像装置を用いて位置合わせしているので、高精度に効率よく位置合わせすることができる。
本発明によれば、検査対象である被検査回路基板が微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い電気的検査を行うことができ、さらに、被検査回路基板とピッチ変換用基板との位置合わせ、およびピッチ変換用基板と中継ピンユニットとの位置合わせを効率的に行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以降の記述において、第1の検査治具と第2の検査治具における一対の同一の構成要素(例えば回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21b、第1の異方導電性シート22aと第1の異方導電性シート22bなど)を総称する場合には、記号「a」、「b」を省略することがある(例えば、第1の異方導電性シート22aと第1の異方導電性シート22bとを総称して「第1の異方導電性シート22」と記述することがある)。
図1は、本発明の検査装置の一実施形態を示した断面図、図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図、図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図、図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。
この検査装置は、集積回路などを実装するためのプリント回路基板などの検査対象である被検査回路基板1において、被検査電極間の電気抵抗を測定することにより被検査回路基板の電気検査を行うものである。
この検査装置は、図1および図2に示したように、被検査回路基板1の上面側に配置される第1の検査治具11aと、下面側に配置される第2の検査治具11bとが、上下に互いに対向するように配置されている。
第1の検査治具11aは、その両側に異方導電性シート(第1の異方導電性シート22aおよび第2の異方導電性シート26a)を備えた回路基板側コネクタ21aと、中継ピンユニット31aとを備えている。また、第1の検査治具11aは、その中継ピンユニット31a側に第3の異方導電性シート42aが配置されるコネクタ基板43aとベース板46aとからなるテスター側コネクタ41aを備えている。
第2の検査治具11bも、第1の検査治具11aと同様に構成され、その両側に異方導電性シート(第1の異方導電性シート22bおよび第2の異方導電性シート26b)を備えた回路基板側コネクタ21bと、中継ピンユニット31bを備えている。また、第2の検査治具11bは、その中継ピンユニット31b側に異方導電性シート42bが配置されるコネクタ基板43bとベース板46bとからなるテスター側コネクタ41bを備えている。
中継ピンユニット31bの第2の絶縁板35bと中間保持板36bとの間には、CCDカメラ91が配置され、被検査回路基板1の一面側に予め設けられた位置合わせ用マークを、このCCDカメラ91で撮像し、その結果に基づいて被検査回路基板1を下側検査治具11bに対して相対移動させて位置合わせが行われる。被検査回路基板1の移動は、中継ピンユニット31bにおける第1の絶縁板34bと中間保持板36bとの間に配置された可動板94を、駆動装置93によって水平方向(X−Y方向および回転方向)に移動することによって行われる。すなわち、可動板94には、その先端部に被検査回路基板1が載置される複数の被検査回路基板支持ピン92が固定されており、可動板94を水平方向に移動することにより、被検査回路基板支持ピン92に保持された被検査回路基板1が同方向に移動できるようになっている。
被検査回路基板1の上面には、被検査用の電極2が形成され、その下面にも被検査用の電極3が形成されており、これらは互いに電気的に接続されている。
図3は、ピッチ変換用基板23の被検査回路基板1側の表面を示した図であり、図4は、その中継ピンユニット31側の表面を示した図である。また、図7は、第1の異方導電性シートをピッチ変換用基板に積層した状態を示した断面図である。ピッチ変換用基板23の一方の表面、すなわち被検査回路基板1側には、図3に示したように、被検査回路基板1の電極2、3に電気的に接続される複数の接続電極25が形成されている。これらの接続電極25は、被検査回路基板1の被検査電極2,3のパターンに対応するように配置されている。
そして、図1の可動板94に固定された被検査回路基板支持ピン92が挿通される貫通穴75と、中継ピンユニット31内に設けられたCCDカメラ91によってピッチ変換用基板23を介して被検査回路基板1を撮像するための窓穴76が形成されている。
一方、ピッチ変換用基板23の他方の表面、すなわち被検査回路基板1と反対側には、図4に示したように、中継ピンユニット31の導電ピン32a、32bに電気的に接続される複数の端子電極24が形成されている。これらの端子電極24は、中継ピンユニットの導電ピン32a、32bの配置位置に対応する位置に配置されている。
そして、中継ピンユニット31内に設けられたCCDカメラ91によってピッチ変換用基板23を介して被検査回路基板1を撮像するための窓穴76の周囲には、ピッチ変換用基板23を位置合わせするための位置合わせ用マーク77が形成されている。この位置合わせ用マーク77は、フォトエッチングにより金属パターンとして端子電極24と同時に形成することができ、CCDカメラ91による撮像領域内に収まるサイズで形成されている。
図3のそれぞれの接続電極25は、図7に示したように、配線52および絶縁基板51の厚み方向に貫通する内部配線53によって、対応する図4の端子電極24に電気的に接続されている。
ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部は、例えば、図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように形成された絶縁層54で構成され、この絶縁層54の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。この厚みが過小である場合、表面粗さが小さい絶縁層を形成することが困難となることがある。一方、この厚みが過大である場合、接続電極25と異方導電性シートとの電気的接続が困難となることがある。
ピッチ変換用基板の絶縁基板51を形成する材料としては、一般にプリント回路基板の基材として使用されるものを用いることができる。具体的には、例えばポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などを挙げることができる。
図7の絶縁層54、55の形成材料としては、薄膜状に成形可能な高分子材料を用いることができ、具体的には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、これらの混合物、レジスト材料などを挙げることができる。
ピッチ変換用基板23は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、平板状の絶縁基板の両面に金属薄層を積層した積層材料を用意し、この積層材料に対して、形成すべき端子電極に対応するパターンに対応して積層材料の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、数値制御型ドリリング装置、フォトエッチング処理、レーザー加工処理などによ
り形成する。
次いで、積層材料に形成された貫通孔内に無電解メッキおよび電解メッキを施すことによって、基板両面の金属薄層に連結されたバイアホールを形成する。その後、金属薄層に対してフォトエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に配線パターンおよび接続電極を形成するとともに、反対側の表面に端子電極を形成する。
そして、図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように絶縁層54を形成するとともに、反対側の表面に、それぞれの端子電極24が露出するように絶縁層55を形成することにより、ピッチ変換用基板23が得られる。なお、絶縁層55の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。
回路基板側コネクタ21を構成し、ピッチ変換用回路基板23と積層される第1の異方導電性シート22は、図5に示したように、絶縁性の弾性高分子からなるシート基材61中に多数の導電性粒子62が面方向に分散されるとともに厚み方向に配列した状態で含有されている。
第1の異方導電性シート22の厚みは、0.03〜0.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2mmである(この厚みは、ピッチ変換用回路基板23との位置ずれを抑制するために、第1の異方導電性シート22のピッチ変換用回路基板23側の表面における表面粗さを大きくしている場合には、当該表面における凹凸の凹部を基準とした最小厚みのことである)。
この最小厚みが0.03mm未満である場合には、第1の異方導電性シート22の機械的強度が低くなり易く、必要な耐久性が得られないことがある。一方、この第1の異方導電性シート22の厚みが0.5mmを超える場合には、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く、また、接続すべき電極のピッチが小さい場合には、加圧により形成される導電路間において所要の絶縁性が得られず、被検査電極間で電気的な短絡が生じて検査対象回路基板の電気的検査が困難となることがある。
第1の異方導電性シート22のシート基材61を構成する弾性高分子物質は、そのデュロメータ硬さが好ましくは30〜90であり、より好ましくは35〜80、さらに好ましくは40〜70である。なお、本明細書において、「デュロメータ硬さ」とは、JIS
K6253のデュロメータ硬さ試験に基づいてタイプAデュロメータによって測定されたものをいう。弾性高分子物質のデュロメータ硬さが30未満である場合、厚み方向に押圧された際に、異方導電性シートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪みが生じるため、異方導電性シートが早期に劣化して検査使用が困難となり耐久性が低くなり易い。
一方、弾性高分子物質のデュロメータ硬さが90を超える場合、異方導電性シートが厚み方向に押圧された際に、厚み方向の変形量が不十分となるため、良好な接続信頼性が得られず、接続不良が発生し易くなる。
第1の異方導電性シート22の基材を構成する弾性高分子物質としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、形成加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
第1の異方導電性シート22を構成する導電性粒子62に磁性導電性粒子を使用する場合、その数平均粒子径D1が3〜50μmであることが好ましく、より好ましくは5〜3
0μm、さらに好ましくは8〜20μmである。ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子
径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
磁性導電性粒子の数平均粒子径D1が3μm以上であることにより、得られる異方導電
性シートにおける磁性導電性粒子が含有されている部分の加圧変形が容易になり、また、その製造工程において、磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易になる。このため、得られる異方導電性シートの異方性が高くなり、異方導電性シートの分解能(異方導電性シートを加圧して、厚み方向に対向する電極間の電気的導通を達成しつつ、横方法に隣接する電極間の電気的絶縁を保持する能力)が良好になる。
一方、磁性導電性粒子の数平均粒子径D1が50μm以下であると、得られる異方導電
性シートの弾性が良好であり、加圧変形が容易となり、微細で微小ピッチの電極に対しても分解能が良好になる。
第1の異方導電性シート22は、その厚みW1(μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒
子径D1(μm)との比率W1/D1が1.1〜10であることが好ましい。比率W1/D1
が1.1未満である場合、異方導電性シートの厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、この異方導電性シートはその弾性が低くなり、このため、この異方導電性シートをプリント配線基板などの被検査物(被検査回路基板1)と検査電極との間に配置して加圧を行い接触導通状態を達成する際に、被検査物が傷つきやすくなる。
一方、比率W1/D1が10を超える場合には、異方導電性シートをプリント配線基板などの被検査物と検査電極との間に配置して加圧を行い接触導通状態を達成する際に、被検査物と検査電極との間に多数の導電性粒子が配列して連鎖が形成され、多数の導電性粒子同士の接点が存在するため、電気的抵抗値が高くなり易く、電気的検査への使用が困難となり易い。
磁性導電性粒子としては、異方導電性シートを形成するためのシート成形材料中において、磁性導電性粒子を磁場の作用によって容易に移動させることができる点から、その飽和磁化が好ましくは0.1Wb/m2 以上、より好ましくは0.3Wb/m2 以上、特に好ましくは0.5Wb/m2 以上のものが使用される。
飽和磁化が0.1Wb/m2 以上であることにより、その製造工程において磁性導電性粒子を磁場の作用によって確実に移動させて所望の配向状態とすることができるため、異方導電性シートを使用する際に磁性導電性粒子の連鎖を形成することができる。
磁性導電性粒子の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子もしくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、あるいはこれらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に高導電性金属を被覆した複合粒子、あるいは非磁性金属粒子もしくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に、高導電性金属のメッキを施した複合粒子、あるいは芯粒子に、フェライト、金属間化合物などの導電性磁性体および高導電性金属の両方を被覆した複合粒子などが挙げられる。
ここで、「高導電性金属」とは、0℃における導電率が5×106 Ω-1-1以上の金属をいう。このような高導電性金属としては、具体的には、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを用いることができ、これらの中では、化学的に安定でかつ高い導電率を有する点で金を用いることが好ましい。
上記の磁性導電性粒子の中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの高導電性金属のメッキを施した複合粒子が好ましい。
芯粒子の表面に高導電性金属を被覆する手段として、例えば、無電解メッキ法を用いることができる。
磁性導電性粒子は、その数平均粒子径の変動係数が50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。ここで、「数平均粒子径の変動係数」とは、式:(σ/Dn)×100(但し、σは、粒子径の標準偏差の値を示し、Dnは、粒子の数平均粒子径を示す。)によって求められるものである。
磁性導電性粒子の数平均粒子径の変動係数が50%以下であることにより、粒子径の不揃いの程度が小さくなるため、得られる異方導電性シートにおける部分的な導電性のバラツキを小さくすることができる。
このような磁性導電性粒子は、金属材料を常法により粒子化し、あるいは市販の金属粒子を用意し、この粒子に対して分級処理を行うことにより得ることができる。粒子の分級処理は、例えば、空気分級装置、音波ふるい装置などの分級装置によって行うことができる。分級処理の具体的な条件は、目的とする導電性金属粒子の数平均粒子径、分級装置の種類などに応じて適宜設定される。
磁性導電性粒子の具体的な形状は、特に限定されないが、例えば複数の球形の一次粒子が一体的に連結された二次粒子が好ましく用いられる。
磁性導電性粒子として、芯粒子の表面に高導電性金属が被覆された複合粒子(以下、「導電性複合金属粒子」という。)を用いる場合、良好な導電性が得られる点から、導電性複合金属粒子の表面における高導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する高導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、高導電性金属の被覆量は、芯粒子の重量の2.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45質量%、さらに好ましくは3.5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
このような、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子62が面方向に分散し厚み方向に配列した状態で含有された異方導電性シートは、例えば特開2003−77560号公報に示されるように、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に、磁性を示す導電性粒子が含有された流動性の成形材料を調製し、この成形材料からなる成形材料層を、当該成形材料層における一面に接する一面側成形部材と、当該成形材料層における他面に接する他面側成形部材との間に形成し、この成形材料層に対してその厚み方向に磁場を作用させると共に、当該成形材料層を硬化処理する方法等により製造することができる。
ピッチ変換用基板23の中継ピンユニット31側に配置される第2の異方導電性シート26は、図6に示したように、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子62が厚み方向に配列して形成された導電路形成部72と、それぞれの導電路形成部72を離間する絶縁部71から構成されている。このように、導電性粒子62は導電路形成部72中にのみ、面方向に不均一に分散されている。
導電路形成部72の厚みW2は、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜
1.5mmである。この厚みW2が0.1mm未満である場合、厚み方向の加圧に対する
吸収能力が低く、検査時において検査治具による加圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクタ21への衝撃を緩和する効果が減少する。このため、第1の異方導電性シート22の劣化を抑制しにくくなり、結果として被検査回路基板1の繰り返し検査時における第1の異方導電性シート22の交換回数が増加して、検査の効率が低下する。一方、この厚みW2が2mmを超える場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く電気検査が困難とな
ることがある。
絶縁部71の厚みは、導電路形成部72の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。図6に示したように、絶縁部71の厚みを導電路形成部72の厚みよりも小さくして導電路形成部72が絶縁部71より突出した突出部73を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部72の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大するため、検査時において検査治具の加圧力を吸収し、回路基板側コネクタへ21の衝撃を緩和することができる。
第2の異方導電性シート26を構成する導電性粒子62に、磁性導電性粒子を使用する場合、その数平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。磁性導電性粒子の数平均粒子径が5μm以上であると、異方導電性シートの導電路形成部の加圧変形が容易になる。また、その製造工程において磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易である。磁性導電性粒子の数平均粒子径が200μm以下であると、異方導電性シートの導電路形成部72の弾性が良好で加圧変形が容易になる。
導電路形成部72の厚みW2(μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒子径D2(μm)との比率W2/D2は1.1〜10であることが好ましい。比率W2/D2が1.1未満である場合、導電路形成部72の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、導電路形成部72の弾性が低くなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。このため、検査時における検査治具の加圧力を吸収する能力が低くなり、回路基板側コネクタ21への衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シート22の劣化を抑制しにくくなり、結果として被検査回路基板1の繰り返し検査時において第1の異方導電性シート22の交換回数が増加し、検査の効率が低下し易くなる。
一方、比率W2/D2が10を超える場合、導電路形成部72に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成し、導電性粒子同士の接点が多数存在することになるため、電気的抵抗値が高くなり易い。
導電路形成部72の基材である弾性高分子(エラストマー)は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが好ましくは15〜60、より好ましくは20〜50、さらに好ましくは25〜45である。
弾性高分子のデュロメータ硬さが15よりも小さい場合、厚み方向に押圧された際のシートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪が生じるためシート形状が早期に変形して検査時の電気的接続が困難となり易い。弾性高分子のデュロメータ硬さが60よりも大きい場合、厚み方向に押圧された際の変形が小さくなるため、その厚み方向への加圧力に対する吸収能力が小さくなる。このため、第1の異方導電性シート22の劣化を抑制しにくくなり、結果として、被検査回路基板1の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シート22の交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
導電路形成部72の基材となる弾性高分子としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、加工性および電気特性の点から、シリコーンゴムを用い
ることが好ましい。
第2の異方導電性シート26の絶縁部71は、実質的に導電性粒子を含有しない絶縁材料により形成される。絶縁材料としては、例えば、絶縁性の高分子材料、無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、導電路形成部に使用した弾性高分子と同一の材料を用いると生産が容易である。絶縁部の材料として弾性高分子を使用する場合、デュロメータ硬さが上記の範囲であるものを使用することが好ましい。
磁性導電性粒子としては、前述の第1の異方導電性シート22に用いられる導電性粒子を用いることができる。
第2の異方導電性シート26は、例えば次の方法で製造することができる。先ず、それぞれ全体の形状が略平板状であって、互いに対応する上型と下型とからなり、上型と下型との間の成形空間内に充填された材料層に磁場を作用させながら当該材料層を加熱硬化することができる構成の異方導電性シート成形用金型を用意する。
この異方導電性シート成形用金型には、材料層に磁場を作用させて適正な位置に導電性を有する部分を形成するために、金型内の磁場に強度分布を生じさせるための鉄、ニッケルなどからなる強磁性体部分と、銅などの非磁性金属もしくは樹脂からなる非磁性体部分とが互いに隣接するように交互に配置されたモザイク状の層を有する基板が用いられる。強磁性体部分は、形成すべき導電路形成部のパターンに対応して配列されている。上型の成形面は平坦であり、下型の成形面は形成すべき異方導電性シートの導電路形成部に対応してわずかに凹凸を有している。
次いで、異方導電性シート成形用金型の成形空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質材料中に磁性を示す導電性粒子が含有された成形材料を注入して成形材料層を形成する。そして、上型および下型の強磁性体部分および非磁性体部分を利用し、形成された成形材料層に対してその厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させることにより、導電性粒子を、上型における強磁性体部分と、その直下に位置する下型における強磁性体部分との間に集合させ、導電性粒子を厚み方向に並ぶように配向させる。そして、その状態で当該成形材料層を硬化処理することにより、複数の柱状の導電路形成部が、絶縁部によって互い絶縁された異方導電性シートが製造される。
テスター側コネクタ41a,41bは、図1および図2に示したように、第3の異方導電性シート42a,42bと、コネクタ基板43a,43bと、ベース板46a,46bとを備えている。第3の異方導電性シート42a,42bには、前述した第2の異方導電性シート26と同様のもの、すなわち、図6に示したような、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子が厚み方向に配列して形成された導電路形成部と、それぞれの導電路形成部を離間する絶縁部とから構成された異方導電性シートが使用されている。
コネクタ基板43a,43bは、その中継ピンユニット31a,31b側における絶縁基板の表面に、図1および図2に示したようにピン側電極45a,45bが形成されている。これらのピン側電極45a,45bは、中継ピンユニット31a,31bの導電ピン32a,32bの配置位置に対応する位置に配置されている。
それぞれのピン側電極45a,45bは、絶縁基板の表面に形成された配線パターンおよびその内部に形成された内部配線によって、テスター側電極44a,44bに電気的に接続されている。
中継ピンユニット31は、図1、図2、図8(図8は、説明の便宜上、中継ピンユニット31aについて示している)、および図14〜図17に示したように、上下方向を向く
ように並列に、所定のピッチで設けられた多数の導電ピン32a,32bを備えている(なお、図14〜図17では可動板などの位置調節機構を省略して示している)。また、中継ピンユニット31は、これらの導電ピン32a,32bの両端側に設けられ、導電ピン32a,32bを挿通支持する被検査回路基板1側に配置された第1の絶縁板34a,34bと、被検査回路基板1側とは反対側に配置された第2の絶縁板35a,35bの2枚の絶縁板を備えている。
導電ピン32は、例えば、図9に示したように、直径の大きい中央部82と、これよりも直径の小さい端部81a,81bとからなる。第1の絶縁板34と第2の絶縁板35には、導電ピン32の端部81が挿入される貫通孔83が形成されている。そして、貫通孔83の直径が、導電ピン32の端部81a,81bの直径よりも大きく、且つ中央部82の直径よりも小さく形成され、これにより導電ピン32が脱落しないように保持されている。
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35は、図1の第1の支持ピン33および第2の支持ピン37によって、これらの間隔が導電ピン32の中央部82の長さよりも長くなるように固定され、これにより導電ピン32が上下へ移動可能に保持されている。導電ピン32の端部81の長さは、絶縁板34の厚みよりも長くなるように形成され、これにより、少なくとも一方の絶縁板34から導電ピン32が突出するようになっている。
中継ピンユニットは、多数の導電ピンが、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmのピッチの格子点上に配置されている。
中継ピンユニット31の導電ピン32の配置ピッチと、ピッチ変換用基板23に設けられた端子電極24の配置ピッチとを同一とすることにより、導電ピン32を介してピッチ変換用基板23がテスター側に電気的に接続されるようになっている。
また、図1および図8に示したように、中継ピンユニット31には、第1の絶縁板34a,34bと、第2の絶縁板35a,35bとの間に、中間保持板36a、36bが配置されている。
そして、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間には、第1の支持ピン33a,33bが配置され、これによって、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間を固定している。
同様に、第2の絶縁板35a,35bと中間保持板36a,36bとの間には、第2の支持ピン37a,37bが配置され、これによって、第2の絶縁板35a,35bと中間保持板36a,36bとの間を固定している。
第1の支持ピン33と、第2の支持ピン37の材質としては、例えば、真鍮、ステンレスなどの金属が使用される。
なお、図8における第1の絶縁板34と中間保持板36との間の距離L1と、第2の絶縁板35と中間保持板36との間の距離L2としては、特に限定されるものではないが、後述するように、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の弾性による、被検査回路基板1の被検査電極2,3の高さバラツキの吸収性を考慮すれば、2mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上である。
そして、図8に示したように、第1の支持ピン33の中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37の中間保持板36に対する第2の当接支持位置
38Bとは、検査装置を中間保持板の厚さ方向に(図1において上方から下方に向かって)投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されている。
この場合、異なる位置としては、特に限定されるものではないが、第1の当接支持位置38Aと、第2の当接支持位置38Bは、図13に示したように、中間保持板投影面A上において格子上に形成されていることが好ましい。
具体的には、図13に示したように、中間保持板投影面A上において、隣接する4個の第1の当接支持位置38Aからなる単位格子領域R1に、1個の第2の当接支持位置38Bが配置される。また、中間保持板投影面Aにおいて、隣接する4個の第2の当接支持位置38Bからなる単位格子領域R2に、1個の第1の当接支持位置38Aが配置される。なお、図13では、第1の当接支持位置38Aを黒丸、第2の当接支持位置群38Bを白丸で示している。
なお、ここでは、第1の当接支持位置38Aの単位格子領域R1の対角線Q1の中央に、1個の第2の当接支持位置38Bを配置するとともに、第2の当接支持位置38Bの単位格子領域R2の対角線Q2の中央に、1個の第1の当接支持位置38Aを配置している。しかしながら、これらの相対的な位置は、特に限定されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。すなわち、格子状に配置されない場合には、このような相対位置関係に拘束されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。
また、この場合、互いに隣接する第1の当接支持位置38Aの間の離間距離、第2の当接支持位置38Bの間の離間距離は、好ましくは10〜100mm、より好ましくは12〜70mm、特に好ましくは15〜50mmである。
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の形成材料には、可撓性を有するものが用いられる。これらの板の可撓性は、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の両端部を、それぞれ10cm間隔で支持した状態で水平に配置した場合において、上方から50kgfの圧力で加圧することによって生ずる撓みが、これらの絶縁板の幅の0.02%以下であり、かつ上方から200kgfの圧力で加圧することによっても破壊および永久変形が生じない程度であることが好ましい。
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の材料としては、具体的には、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、例えばポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポチエチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチック・ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエチルケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の機械的強度の高い樹脂材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリエステル樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強フェノール樹脂、ガラス繊維補強型フッ素樹脂等のガラス繊維型複合樹脂材料、カーボン繊維補強型エポキシ樹脂、カーボン繊維補強型ポリエステル樹脂、カーボン繊維補強型ポリイミド樹脂、カーボン繊維補強型フェノール樹脂、カーボン繊維補強型フッ素樹脂等のカーボン繊維型複合樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にシリカ、アルミナ、ボロンナイトライド等の無機材料を充填した複合樹脂材料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にメッシュを含有した複合樹脂材料などが挙げられる。また、これらの材料からなる板材を複数積層して構成された複合板材等も用いることができる。
第1の絶縁板34、中間保持板36、および第2の絶縁板35の厚みは、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35を構成する材料の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜10mmである。例えば、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなり、その厚みが2〜5mmであるものを使用することができる。
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に導電ピン32を移動可能に支持する方法としては、図9に示した方法の他に、図10〜図12に示した方法を挙げることができる。この例では、導電ピン32として図示したように、この例では第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、屈曲保持板84が設けられている。
また、導電ピン32として、円柱形状である金属ピンを用いている。
図10に示したように、屈曲保持板84には導電ピン32が挿通される貫通孔85が形成されている。導電ピン32は、第1の絶縁板34に形成された貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84に形成された貫通孔85とを支点として、互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持されている。
なお、中間保持板36には、導電ピン32と接触しない程度に径を大きくした貫通孔86が形成され、この貫通孔86に導電ピン32が挿通されている。
導電ピン32は、図11(a)〜図11(c)に示した手順で第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に支持される。図11(a)に示したように、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とが軸方向に位置合わせされた位置に屈曲保持板84を配置する。
次に、図11(b)に示したように、導電ピン32を、第1の絶縁板34の貫通孔83aから屈曲保持板84の貫通孔85を通して第2の絶縁板35の貫通孔83bまで挿入する。
次に、図11(c)に示したように、屈曲保持板84を、導電ピン32の軸方向と垂直な横方向(水平方向)に移動し、適宜の手段によって屈曲保持板84の位置を固定する。これによって、導電ピン32は、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピン32が、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、軸方向へ移動可能に、且つ脱落しないように保持することができるとともに、導電ピン32として円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピン32およびそれを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
なお、屈曲保持板84が配置される位置は、第1の絶縁板34と中間保持板36との間であってもよい。
このように構成された本実施形態の検査装置では、図2に示したように、被検査回路基板1の電極2および電極3が、第1の異方導電性シート22a,22b、ピッチ変換用基板23a,23b、第2の異方導電性シート26a,26b、導電ピン32a,32b、第3の異方導電性シート42a,42b、コネクタ基板43a,43bを介して、最外側に配置されたベース板46a,46bをテスターの加圧機構により規定の圧力で押圧することによってテスター(図示せず)に電気的に接続され、被検査回路基板1の電極間における電気抵抗測定などの電気検査が行われる。
測定時に被検査回路基板に対して上側および下側の第1の検査治具11a,第2の検査治具11bから押圧する圧力は、例えば、100〜250kgfである。
以下、図14〜図17を参照しながら(便宜的に、第2の検査治具11bのみ示す)、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で被検査回路基板1の両面を挟圧した際における圧力吸収作用および圧力分散作用について説明する。
図15に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1の両面を挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニット31の導電ピン32の厚み方向への移動と、第1の異方導電性シート22と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮により圧力を吸収して、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
そして、第1の支持ピンと中間保持板との第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンと中間保持板との第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されているので、図16の矢印で示したように、上下方向に力が作用し、図17に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、第1の異方導電性シート22と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニット31の第1の絶縁板34と、第2の絶縁板35と、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35の間に配置された中間保持板36のバネ弾性により、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
すなわち、図16および図17に示したように、第1の支持ピン33と中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aを中心として、中間保持板36が、第2の絶縁板35の方向に撓むとともに(図17の一点鎖線で囲んだEの部分参照)、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bを中心として、中間保持板36が、第1の絶縁板34の方向に撓むことになる(図17の一点鎖線で囲んだDの部分参照)。なお、ここで「撓む」および「撓み方向」とは中間保持板36が凸状になる方向に突出するように撓むことおよびその突出方向を言う。
このように、中間保持板36が、第1の当接支持位置38A、第2の当接支持位置38Bを中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、中間保持板36のバネ弾性力が発揮されることになる。
また、図17の一点鎖線で囲んだB部分で示したように、第2の異方導電性シート26の導電路形成部の突出部の圧縮によって、導電ピン32bの高さが吸収されるが、この突出部の圧縮よって吸収しきれない圧力が、第1の絶縁板34bに加わることになる。
したがって、図17の一点鎖線で囲んだC部分で示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35も、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37との当接位置で、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35のバネ弾性力が発揮されることになる。
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板1の被検査電極のそれぞれに対して安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、第1の異方導電性シート22の局部的な破損が抑制される。その結果、第1の異方導電性シート22の繰り返
し使用耐久性が向上するので、その交換回数が減り、検査作業効率が向上することになる。
図18は、本発明の検査装置の他の実施形態を説明する図14と同様な断面図(便宜的に第2の検査治具のみ示している)、図19は、その中継ピンユニットの拡大断面図である。なお、これらの図では可動板などの位置調節機構を省略して示している。この検査装置は、図1に示した検査装置と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付している。この検査装置では、図18および図19に示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、複数個(本実施形態では3個)の中間保持板36が所定間隔離間して配置されるとともに、これらの隣接する中間保持板36同士の間に、保持板支持ピン39が配置されている。
この場合、少なくとも1つの中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることが必要である。
最も好ましくは、全ての中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置される。
この場合、詳述しないが、「異なる位置」とは、前述した実施形態において、第1の支持ピン33と中間保持板36との第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bとの間の関係で説明した相対位置と同様な配置とすることが可能である。
本実施形態では、3つの中間保持板36bのうち上側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
また、3つの中間保持板36bのうち中央の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
また、3つの中間保持板36bのうち下側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第2の支持ピン37bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Bとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板36によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキに対して
、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
なお、中間保持板36の個数としては、複数個であればよく、特に限定されるものではない。
以下、本発明の検査装置が備える位置調節機構について、図7、9、10、20〜24を参照しながら説明する。図20は、本発明の検査装置の一実施形態における被検査回路基板の位置調節機構を説明する断面図である。同図では、第2の検査治具の一部のみ示し、他の部分を省略している。第1の検査治具と第2の検査治具とにより被検査回路基板1を狭圧して電気検査を行う前に、被検査回路基板1の被検査電極3と、第2の検査治具のピッチ変換用基板23bにおける接続電極25bとが第1の異方導電性シート22bを介して電気的に接続するように、被検査回路基板1と、第2の検査治具11bの上面との位置合わせをする必要がある。
本実施形態では、図1および図2にも示したように、中継ピンユニット31bの第2の絶縁板35bと中間保持板36bとの間の位置に、CCDカメラ91を配置し、その上方に保持した被検査回路基板1の一面側に予め設けられた位置合わせ用マーク(図示せず)を、CCDカメラ91と被検査回路基板1との間に配置された中間保持板36b、第1の絶縁板34b、第2の異方導電性シート26b、ピッチ変換用基板23b、および第1の異方導電性シート22bに形成された窓穴を介してこのCCDカメラ91で撮像し、その結果に基づいて被検査回路基板1を第2の検査治具11bに対して相対移動させて位置合わせが行われる。
中継ピンユニット31bの第1の絶縁板34bと中間保持板36bとの間には、可動板94が配置され、この可動板94には、その先端部に被検査回路基板1が載置される複数の被検査回路基板支持ピン92が固定されている。
被検査回路基板支持ピン92は、第1の絶縁板34b、第2の異方導電性シート26b、ピッチ変換用基板23b、および第1の異方導電性シート22bに形成された、被検査回路基板支持ピン92の直径よりも大きい貫通穴に挿通され、これにより被検査回路基板支持ピン92が貫通穴のサイズの範囲内で水平方向に移動できるようになっている。
可動板94には、例えばパルスモータなどを用いた駆動装置93が取り付けられている。この駆動装置93によって、可動板94はX−Y方向および回転方向に移動し、これに伴い被検査回路基板支持ピン92に保持された被検査回路基板1が同方向に移動する。
駆動装置93は、被検査回路基板1の位置合わせ用マークをCCDカメラ91で撮像した結果に基づいて、被検査回路基板1が、被検査回路基板1とピッチ変換用基板23bとの電気的な接続が達成される所定位置に配置されるように可動板94を移動させる。
本実施形態では、2つのCCDカメラ91,91を配置して、これに対応して被検査回路基板1に設けられた2つの位置合わせ用マークを各CCDカメラ91,91で撮像するようにしている。このように2つ以上のCCDカメラを用いることにより、これらによる撮像結果に基づいて被検査回路基板1を所定の位置に精度よく配置させることができる。CCDカメラ91の数は、2つが好ましいが、その数は特に限定されない。また、CCDカメラ91を、第1の絶縁板34bと中間保持板36bとの間の位置に配置してもよく、可動板94を、第2の絶縁板35bと中間保持板36bとの間の位置に配置してもよい。
本実施形態では、第1の支持ピン33bによって第1の絶縁板34bと中間保持板36
bとを保持するとともに、第2の支持ピン37bによって第2の絶縁板35bと中間保持板36bとを保持しているので、被検査回路基板1の面積に対応する領域全体に導電ピン32bを均一なピッチで高密度に配置する必要が無く、この領域における導電ピン32bの数を減らすことができる、このため、CCDカメラ91を配置するのに充分な間隔で配置された複数の第2の支持ピン37bの隙間の位置にCCDカメラ91を配置することができ、光学的な位置合わせにより効率よく位置合わせすることができる。
図9および図10に、中継ピンユニット内における位置調節機構の配置状態の一例を示した。図示したように、CCDカメラ91は、中間保持板36に埋め込んで取り付けてもよい。CCDカメラ91の上方の可動板94および第1の絶縁板34には、窓穴76d,76cが形成され、この窓穴76d,76cを介して被検査回路基板1の位置合わせ用マークが撮像される。
可動板94には、被検査回路基板支持ピン92が固定され、第1の絶縁板34に形成された、被検査回路基板支持ピン92の横断面よりも大きいサイズの貫通穴75cを介して上方へ突き出している。このため、可動板94は水平方向(同図の矢印の方向)に移動することができ、被検査回路基板支持ピン92の先端部に支持した被検査回路基板1を中継ピンユニット31bに対して相対移動できるようになっている。
図21は、可動板の一例を示した上面図、図22は、この可動板を用いた被検査回路基板の位置調節機構を示した側面図である。図21の可動板94には、多数の導電ピン32bおよび支持ピン(第1の支持ピン33bもしくは第2の支持ピン37b)が挿通する貫通穴96aと、それぞれが1本の支持ピン(第1の支持ピン33bもしくは第2の支持ピン37b)を挿通する貫通穴96bとが形成されている。貫通穴96bは、そのサイズがこれに挿通される支持ピンの横断面のサイズよりも大きく形成されている。
このように、可動板94が移動できる余裕がある充分なサイズの貫通穴を形成しているので、駆動装置93によって可動板94を同図の直線(X−Y)方向もしくは回転(θ)方向に移動させることができる。
また、図22に示したように、被検査回路基板支持ピン92に支持された被検査回路基板1の下面に設けられた位置合わせ用マーク95をCCDカメラ91で撮像した結果に基づいて、駆動装置93によって可動板94を移動させることができる。
図23は、被検査回路基板支持ピンの一例を示した概略図である。この被検査回路基板支持ピン92は、一端に開口を有する筒状の外筒部87と、この外筒部87の内部に収納され、外筒部87の前記開口側の一端から軸方向へ突き出た棒状の伸縮子88とを備えている。この伸縮子88は、外筒部87の内部に設けられた、スプリングなどの弾性部材(図示せず)を介して外筒部87へ取り付けられ、弾性部材によって軸方向へ移動可能に保持されている。
被検査回路基板1は、これに形成された貫通穴が、伸縮子88の円錐状の先端部89に係合することによって保持され、上記の位置調節機構によって被検査回路基板1を所定位置に位置させた後、例えば被検査回路基板1を上方の第1の検査治具11aの下面で押圧し、弾性部材の弾性力に抗して伸縮子88を軸方向に下方へ移動させることによって(同図の破線)、被検査回路基板1の被検査電極2,3と、ピッチ変換用基板23の接続電極25a,25bとの電気的な接続が確保されるように正確に位置合わせされた状態で検査治具の当接面と被検査回路基板1とを当接させることができる。
図7に、ピッチ変換用基板と位置調節機構の配置関係を示した。図示したように、ピッ
チ変換用基板23bには被検査回路基板支持ピン92挿通する貫通穴75bが形成され、被検査回路基板支持ピン92は、この貫通穴75bと、第1の異方導電性シート22bに形成された貫通穴75aとを介して上方へ突き出し、その先端部で被検査回路基板1を支持している。
また、CCDカメラ91は、ピッチ変換用基板23bに形成された窓穴76bと、第1の異方導電性シート22bに形成された窓穴76aとを介して、被検査回路基板1に設けられた位置合わせ用マーク78を撮像するとともに、ピッチ変換用基板23bの下面に、窓穴76bの開口周縁に設けられた位置合わせ用マーク77を撮像する。
このピッチ変換用基板23bの下面に設けられた位置合わせ用マーク77は、図4にも示したように、例えばフォトエッチングによる銅パターンとして形成することができる。
被検査回路基板の位置合わせは、例えば図24に示したように行うことができる。図24(a)は、中継ピンユニット31内に配置されたCCDカメラ91による撮像視野を示し、図示したように、撮像視野79内に、ピッチ変換用基板23に形成された窓穴76と、その周囲に設けられた位置合わせ用マーク77とが収まっている。
被検査回路基板1の位置合わせ用マーク78が位置すべき正位置80は、ピッチ変換用基板23の位置合わせ用マーク77より計算される。例えば、CCDカメラ91により撮像された位置合わせ用マーク77の画像データを処理することによってこの正位置80を特定させることができる。
図24(b)に示したように、CCDカメラ91により、ピッチ変換用基板23に形成された窓穴76の周囲に設けられた位置合わせ用マーク77と、ピッチ変換用基板23に形成された窓穴76を通じて観察される被検査回路基板1に設けられた位置合わせ用マーク78とを撮像する。次いで、ピッチ変換用基板23の位置合わせ用マーク77より計算される、本来あるべき被検査回路基板1の位置合わせ用マーク78の正位置80と、実際に観察された被検査回路基板1の位置合わせ用マーク78との位置ズレ方向、位置ズレ距離を計算し、これにより、位置合わせマーク78が正位置80に位置するように被検査回路基板1を移動させるのに必要な被検査回路基板支持ピン92の移動方向、移動距離を算出する。この算出結果に基づいて可動板94を移動させることにより、図24(c)に示したように、被検査回路基板1をピッチ変換用基板23に対して所定の位置に位置させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更および修正が可能である。
例えば、被検査回路基板1は、プリント回路基板以外に、パッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよい。また、プリント回路基板は、両面プリント回路基板だけではなく片面プリント回路基板であってもよい。
第1の検査治具11aと第2の検査治具11bは、使用材料、部材構造などにおいて必ずしも同一である必要はなく、これらが異なるものであってもよい。
テスター側コネクタは、コネクタ基板のような回路基板と異方導電性シートを複数積層して構成してもよい。
また、第1の絶縁板34bと第2の絶縁板35bとの間に、複数個の中間保持板36bを所定間隔離間して配置し、これらの隣接する中間保持板同士の間に保持板支持ピンを配
置するとともに、第1の絶縁板34bもしくは第2の絶縁板35bと中間保持板36bとの間、または中間保持板36b同士の間にCCDカメラなどの撮像装置、および可動板を設ける構成としてもよい。
上記の実施形態では、第1の異方導電性シート22として、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された異方導電性シートを用い、第2の異方導電性シート26および第3の異方導電性シート42として、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出しているものを用いたが、この組み合わせは特に限定されるものではない。
また、図1、図2、図14、図15、図17および図18に示したように、テスター側コネクタ41におけるコネクタ基板43とベース板46との間に、支持ピン49を配置してもよい。これらの支持ピン49によって、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37(図18では第1の支持ピン33、第2の支持ピン37および保持板支持ピン39)が与える作用と同様にして、面圧を分散させる作用を与えることも可能である。この面圧分散作用を与えるためには、支持ピン49の位置と、第2の支持ピン37の位置とが面方向において互いに異なるようにこれらを配置することが好ましい。
[実施例]
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1)
レール搬送型回路基板自動検査機(日本電産リード社製,品名:STARREC V5)の検査部に適合する、図1に示したような、下記の評価用回路基板を検査するための回路基板検査装置を作製した。
(1)評価用回路基板1
下記の仕様の評価用回路基板1を用意した。
寸法:100mm(縦)×100mm(横)×0.8mm(厚み)
上面側の被検査電極の数:7312個
上面側の被検査電極の径:0.3mm
上面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
下面側の被検査電極の数:3784
下面側の被検査電極の径:0.3mm
下面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
下側面の2ヶ所に直径0.8mmの円形の位置合わせ用マークを設けた。
(2)第1の異方導電性シート22
導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された以下の第1の異方導電性シート22を作製した。
寸法:110mm×110mm、厚み0.1mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、数平均粒子径;20μm、含有率;18体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;40
なお下側の第2の検査治具11bに用いる第1の異方導電性シートにおいては、被検査回路基板支持ピン92に対応する部分に直径6mmの貫通孔を、CCDカメラ91に対応する部分には直径4mmの貫通孔を設けた。
(3)ピッチ変換用基板23
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製,品名:R−1766)に、数値制御
型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.2mmの円形の貫通孔を合計で7312個形成した。
次いで、貫通孔が形成された積層材料に対して、EDTAタイプ銅メッキ液を用いて無電解メッキ処理を施すことにより、各貫通孔の内壁に銅メッキ層を形成し、さらに、硫酸銅メッキ液を用いて電解銅メッキ処理を施すことにより、各貫通孔内に、積層材料表面の各金属薄層を互いに電気的に接続する、厚さ約10μmの円筒状のバイアホールを形成した。
次いで、積層材料表面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成するとともに、この積層材料の他面側の金属薄層上に保護シールを配置した。このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、エッチング用のレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンを形成した面の金属薄層に対してエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に、直径200μmの7312個の接続電極と、各接続電極とバイアホールとを電気的に接続する線幅が100μmのパターン配線部を形成し、次いで、レジストパターンを除去した。
接続電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の表面に、厚みが25μmのドライフィルムソルダーレジスト(日立化成製、品名:SR−2300G)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置して、絶縁層に対して平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、それぞれの接続電極を露出する、直径200μmの7312個の開口を形成した。硫酸銅メッキ液を用い、積層材料の他面側の金属薄層を共通電極として用い、それぞれの接続電極に対して電解銅メッキ処理を施すことにより、絶縁層の表面から突出する7312個の接続電極を形成した。
次いで、積層材料の他面側の金属薄層上の保護シールを除去し、この面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成した。その後、このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、積層材料における金属薄層上にエッチング用のレジストパターンを形成した。次いでエッチング処理を施すことにより、絶縁性基板の裏面に7312個の端子電極と、各端子電極とバイアホールとを電気的に接続するパターン配線部を形成し、レジストパターンを除去した。
次いで、端子電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の裏面に、厚みが38μmのドライフィルムソルダーレジスト(ニチゴーモートン製、品名:コンフォマスク2015)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置し、次いで、絶縁層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理することにより、電極を露出する直径0.4mmの開口を7312個形成した。
以上のようにして、第1の検査治具11a用のピッチ変換用基板23aを作製した。このピッチ変換用基板23aは、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極の絶縁層表面から露出した部分の直径が約300μm、接続電極の絶縁層表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、接続電極が形成された面側の絶縁層の表面粗さが0.02μmであった。
また、上記と同様にして、表面に3784個の接続電極を有すると共に裏面に3784個の端子電極を有する、第2の検査治具11b用のピッチ変換用基板23bを作製した。このピッチ変換用基板23bは、縦横の寸法が130mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極における絶縁層の表面に露出した部分の直径が約300μm、接続電極における絶縁層の表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、表面(接続電極が形成された面)側の絶縁層の表面粗さが0.02μmのものである。
そして、第2の検査治具11b用のピッチ変換用基板23bには、可動板94に設けられた被検査回路基板支持ピン92に対応する位置に直径6mmの貫通孔を設け、中間保持板36bに設けられたCCDカメラ91に対応する位置に直径3mmの貫通孔よりなる撮像用の窓を設けた。
上記のピッチ変換用基板23bの中継ピンユニット側の面において、貫通孔よりなる撮像用の窓の周辺には、外側の寸法が4.5mm×4.0mmの銅からなる金属薄層より形成された位置合わせ用マークを設けた。
(4)回路基板側コネクタ21
このピッチ変換用基板23の表面側に、上記の第1の異方導電性シート22を配置し、裏面側に、厚み方向に延びる多数の導電路形成部と、これらを互いに絶縁する絶縁部とからなり、片面に導電路形成部が突出した偏在型異方導電性シートからなる第2の異方導電性シート26を配置することにより、回路基板側コネクタ21とした。
なお、ピッチ変換用基板23と中継ピンユニット31との間に配置される第2の異方導電性シート26は、図6に示される形状であり、具体的には以下の構成のものを使用した。
〔第2の異方導電性シート〕
導電路形成部72の厚み:0.6mm
導電路形成部72の外径:0.3mm
絶縁部71の厚み:0.5mm
導電性粒子62:材質;金メッキを施したニッケル粒子、数平均粒子径;30μm
導電路形成部72における導電性粒子の含有率:15体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;30
下側の第2の検査治具11bに用いる第2の異方導電性シート26bには、被検査回路基板支持ピン92に対応する部分に直径8mmの貫通孔を設けるとともに、CCDカメラ91に対応する部分に直径5mmの貫通孔を設けた。
そして、下側の第2の検査治具11bに用いる回路基板側コネクタ21bの構成においては、第1の異方導電性シート22b、ピッチ変換用基板23b、第2の異方導電性シート26bの各々の貫通孔を一致させるように配置して回路基板側コネクタ21bとした。(5−1)中継ピンユニット31a
第1の絶縁板34a、中間保持板36a、第2の絶縁板35aの材料として、固有抵抗
が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなり、その厚みが1.9mmのものを用いた。
そして、第1の絶縁板34aと中間保持板36aとの間の距離L1が36.3mm、第
2の絶縁板35aと中間保持板36aとの間の距離L2が3mmとなるように、第1の支持ピン33a(直径2mm、長さ36.3mm)と、第2の支持ピン37a(直径2mm、長さ3mm)によって固定支持するようにするとともに、第1の絶縁板34aと第2の絶縁板35aとの間に、下記の構成からなる導電ピン32aを移動自在となるように貫通
孔83(直径0.4mm)に配置して作製した。
(5−2)中継ピンユニット31b
第1の絶縁板34b、中間保持板36b、第2の絶縁板35bの材料として、固有抵抗
が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなり、その厚みが1.9mmのものを用いた。
そして、第1の絶縁板34bと中間保持板36bとの間の距離L1が36.3mm、第2の絶縁板35bと中間保持板36bとの間の距離L2が3mmとなるように、第1の支持ピン33b(直径2mm、長さ36.3mm)と、第2の支持ピン37b(直径2mm、長さ3mm)によって固定支持するようにするとともに、第1の絶縁板34bと第2の絶縁板35bとの間に、下記の構成からなる導電ピン32bを移動自在となるように貫通孔83(直径0.4mm)に配置して作製した。
更に第1の絶縁板34bには、可動板94に固定された被検査回路基板支持ピン92が挿入される直径6mmの貫通孔75cと、中間保持板36bの2ヶ所の位置合わせ用のCCDカメラ91に対応した位置に直径8mmの貫通孔よりなる撮像用の窓穴76を設けた。
そして、上記の中間保持板36bの2ヶ所に位置合わせ用のCCDカメラ91を2個設置した。CCDカメラとしては、Pixelplus社の「CMOS Image Sensor 640×480ピク
セル:品番PO1030K」に撮影用の投光器(フラッシュ)を備えたものを用いた。
更に、第1の絶縁板34bと中間保持板36bとの間に厚みが2.8mmのガラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなる可動板94を配置した。
可動板94は、導電ピン32bが配置されている部分には、複数の導電ピン32bが挿入される貫通孔96aが配置され、該貫通孔96a以外の部分において、第1の支持ピン33bに対応する部分には、直径5mmの貫通孔96bが配置されている。
そして可動板94には、以下の被検査回路基板支持ピン92が6個固定されている。なお、中間保持板36bに配置されたCCDカメラ91に対応する部分には、貫通孔96aが配置されるようにした(貫通孔96aを介して被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像するため)。
〔被検査回路基板支持ピン〕
外筒部87 直径3mm 全長2.5mm
伸縮子88 直径2.5mm 外筒部より露出した先端部方向の全長16mm
先端部89 全長2mm 円錐形
〔導電ピン〕
材質:金メッキ処理を施した真鍮
先端部81aの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
中央部32の寸法外径0.45mm、全長41mm
基端部81bの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
第1の支持ピン33の中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37の中間保持板36に対する第2の当接支持位置38Bは、図13に示したように、格子状に配置した。なお、互いに隣接する第1の当接支持位置38Aの間の離間距離、および第2の当接支持位置38Bの間の離間距離を、17.5mmとした。
そして、上記の可動板94を図20に示したように配置して中継ピンユニット31bを構成した。
(6)テスター側コネクタ41
テスター側コネクタ41として、図1に示したように、第3の異方導電性シート42と
コネクタ基板43と、ベース板46とから構成した。なお、第3の異方導電性シート42には、前述した第2の異方導電性シート26と同様のものを用いた。
〔性能試験〕
(1)最低プレス圧力の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、検査装置に対して用意した評価用回路基板1をセットして、評価用回路基板1に設けられた位置合わせ用マーク95をCCDカメラ79で撮像し、撮像された評価用回路基板1の位置ずれ方向と位置ずれ量を算出し、駆動装置93を作動させることにより可動板94を移動させ、これによって評価用回路基板1を所定位置に移動させた。
レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力を100〜250kgfの範囲内において段階的に変化させ、各プレス圧力条件毎に各10回づつ、評価用回路基板1の被検査電極について、検査用電極に1ミリアンペアの電流を印加したときの導通抵抗値を測定した。
測定された導通抵抗値が100Ω以上となった検査点(以下、「NG検査点」という。)を導通不良と判定し、総検査点におけるNG検査点の割合(以下、「NG検査点割合」という。)を算出し、NG検査点割合が0.01%以下となった最も低いプレス圧力を最低プレス圧力とした。
この導通抵抗値の測定においては、一の導通抵抗値の測定が終了した後に、当該測定に係るプレス圧力を開放して検査装置を無加圧状態に戻し、次の導通抵抗値の測定は、再度、所定の大きさのプレス圧力を作用させることによって行った。
また、具体的に、NG検査点割合は、評価用回路基板1の上面被検査電極数は7312点、下面被検査電極数は3784点であり、各プレス圧力条件において10回の測定を行ったことから、式(7312+3784)×10=110960によって算出される110960点の検査点に占める、NG検査点の割合を示す。
この場合、「最低プレス圧が小さい」とは、低いプレス圧力で被検査回路基板の電気的検査が行えることを意味している。検査装置においては、検査時の加圧圧力を低く設定できれば、検査時の加圧圧力による被検査回路基板および異方導電性シート並びに検査用回路基板の劣化が抑制できるばかりでなく、検査装置の構成部材として、耐久性強度の低い部品を使用することが可能となることから、検査装置の構造を小さくコンパクトにすることができ、その結果、検査装置の耐久性の向上、検査装置の製造のコスト削減が達成されるので好ましい。
(2)異方導電性シートの耐久性の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、当該検査装置に対して用意した評価用回路基板1をセットして、評価用回路基板1に設けられた位置合わせ用マーク95をCCDカメラ79で撮像し、撮像された評価用回路基板1の位置ずれ方向と位置ずれ量を算出し、駆動装置93によって可動板94を移動させ、これによって評価用回路基板1を所定位置に移動させた。
レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力条件を130kgfとし、所定回数の加圧を行った後、評価用回路基板1の被検査電極について、プレス圧力130kgfの条件下にて、検査用電極に1ミリアンペアの電流を印加したときの導通抵抗値を10回測定し、所定回数の加圧を行い同様に導通抵抗値を10回測定する作業を繰り返した。
測定された導通抵抗値が100Ω以上となった検査点(NG検査点)を導通不良と判定
し、総検査点におけるNG検査点の割合(NG検査点割合)を算出した。
次いで、検査装置における異方導電性シートを新しいものに交換し、プレス圧力条件を150kgfに変更したこと以外は上記と同様の条件によって所定回数の加圧を行い、その後、プレス圧力条件を150kgfとしたこと以外は上記と同様の手法によってNG検査点割合を算出した。
この異方導電性シートの耐久性に係る導通抵抗値を測定においては、一の導通抵抗値の測定が終了した後に、当該測定に係るプレス圧力を開放して検査装置を無加圧状態に戻し、次の導通抵抗値の測定は、再度、所定の大きさのプレス圧力を作用させることによって行った。
また、具体的に、NG検査点割合は、評価用回路基板1の上面被検査電極数は7312点、下面被検査電極数は3784点であり、各プレス回数条件において10回の測定を行ったことから、式(7312+3784)×10=110960によって算出される110960点の検査点に占める、NG検査点の割合を示す。
この場合、検査装置においては、実用上、NG検査点割合が0.01%以下であることが必要とされており、NG検査点割合が0.01%を超える場合には、良品である被検査回路基板に対して不良品であるとの誤った検査結果が得られる場合があることから、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができなくなるおそれがある。
(比較例1)
上記の中継ピンユニット31の代わりに、図25に示したような従来の中継ピンユニット131a、131b、すなわち、一定ピッチ(2.54mmピッチ)で格子点上に多数(8000ピン)配置された導電ピン132a、132bと、この導電ピン132a、132bを上下へ移動可能に支持する絶縁板134a、134bとを有しているものを用いた。
作製した比較用検査装置について、実施例1と同様な方法により、最低プレス圧および異方導電性シートの耐久性を測定した。最低プレスの測定結果を表1に、異方導電性シートの耐久性の測定結果を表2に示す。
なお、評価用回路基板1は、レール搬送型回路基板自動検査機のセット装置によりガイドピンのみを用いて検査部にセットを行い、セット時において所定位置から評価用回路基板1のセット位置がずれて所定の検査が行われなかった場合は、評価用回路基板1が所定位置にセットされるまでセット作業を繰り返して行った。
Figure 2006010682
Figure 2006010682
これらの表1および表2から明らかなように、従来の検査装置に比較して、本発明の検査装置によれば、最低プレス圧も低く、異方導電性シートの耐久性も格段と向上した。
図1は、本発明の検査装置の実施形態を説明する断面図である。 図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図である。 図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図である。 図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。 図5は、第1の異方導電性シートの部分断面図である。 図6は、第2の異方導電性シートの部分断面図である。 図7は、第1の異方導電性シートをピッチ変換用基板に積層した状態を示した断面図である。 図8は、中継ピンユニットの断面図である。 図9は、中継ピンユニットの導電ピン、中間保持板および絶縁板の一部を示した断面図である。 図10は、中継ピンユニットの構成における他の例を示した図9と同様の断面図である。 図11は、図10の構成において第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に導電ピンを配置するまでの工程を示した断面図である。 図12は、屈曲保持板を配置した中継ピンユニットの断面図である。 図13は、中継ピンユニットの中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面の部分拡大図である。 図14は、本発明の検査装置の実施形態を説明する部分拡大断面図である。である。 図15は、本発明の一実施形態における検査装置の使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図16は、本発明の検査装置の中継ピンユニットの使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図17は、本発明の一実施形態における検査装置の使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図18は、本発明の検査装置の実施形態を説明する図11と同様な断面図である。 図19は、その中継ピンユニットの拡大断面図である。 図20は、本発明の検査装置の一実施形態における被検査回路基板の位置調節機構を説明する断面図である。 図21は、可動板の一例を示した上面図である。 図22は、図18の可動板を用いた被検査回路基板の位置調節機構を示した側面図である。 図23は、基板支持ピンの一例を示した図である。 図24は、中継ピンユニット内に配置したCCDカメラによって被検査回路基板の位置合わせを行う方法を説明する図である。 図25は、従来における回路基板の検査装置の断面図である。
符号の説明
1 被検査回路基板
2 被検査電極
3 被検査電極
11a 第1の検査治具
11b 第2の検査治具
21a、21b 回路基板側コネクタ
22a,22b 第1の異方導電性シート
23a,23b ピッチ変換用基板
24a,24b 端子電極
25a,25b 接続電極
26a,26b 第2の異方導電性シート
31a,31b 中継ピンユニット
32a,32b 導電ピン
33a,33b 第1の支持ピン
34a,34b 第1の絶縁板
35a,35b 第2の絶縁板
36a,36b 中間保持板
37a,37b 第2の支持ピン
38A 第1の当接支持位置
38B 第2の当接支持位置
39 保持板支持ピン
39A 当接支持位置
41a,41b テスター側コネクタ
42a,42b 第3の異方導電性シート
43a,43b コネクタ基板
44a,44b テスター側電極
45a,45b ピン側電極
46a,46b ベース板
49a,49b 支持ピン
51 絶縁基板
52 配線
53 内部配線
54 絶縁層
55 絶縁層
61 シート基材
62 導電性粒子
71 絶縁部
72 導電路形成部
73 突出部
75 貫通穴
76 窓穴
77 位置合わせ用マーク
78 位置合わせ用マーク
79 CCDカメラの撮像視野
80 位置合わせ用マークの正位置
81a,81b 端部
82 中央部
83,83a,83b貫通孔
84 屈曲保持板
85 貫通孔
86 貫通孔
87 外筒部
88 伸縮子
89 先端部
91 CCDカメラ
92 被検査回路基板支持ピン
93 駆動装置
94 可動板
95 位置合わせ用マーク
96a,96b 貫通穴
97 基板支持ピン保持用貫通穴
101 被検査回路基板
102 被検査電極
103 被検査電極
111a 第1の検査治具
111b 第2の検査治具
121a、121b 回路基板側コネクタ
122a,122b 第1の異方導電性シート
123a,123b ピッチ変換用基板
124a,124b 端子電極
125a,125b 接続電極
126a,126b 第2の異方導電性シート
131a,131b 中継ピンユニット
132a,132b 導電ピン
133a,133b 支持ピン
134a,134b 絶縁板
141a,141b テスター側コネクタ
142a,142b 第3の異方導電性シート
143a,143b コネクタ基板
144a,144b テスター側電極
145a,145b ピン側電極
146a,146b ベース板
A 中間保持板投影面
L1 距離
L2 距離
Q1 対角線
Q2 対角線
R1 単位格子領域
R2 単位格子領域

Claims (25)

  1. 一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
    前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
    (i) 基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
    前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置される第1の異方導電性シートと、
    前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板とは逆側に配置される第2の異方導電性シートと、
    を備えた回路基板側コネクタと、
    (ii) 複数の導電ピンと、
    前記導電ピンを軸方向に移動可能に支持する、離間した一対の第1の絶縁板と第2の絶縁板と、
    前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板と、
    前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピンと、
    前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピンと、
    を備えるとともに、前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている中継ピンユニットと、
    (iii) テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
    前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シートと、
    前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
    を備えたテスター側コネクタと、を備え、
    一方の前記検査治具における前記第1の絶縁板と中間保持板との間、または前記第2の絶縁板と中間保持板との間に、撮像装置が設けられていることを特徴とする回路基板の検査装置。
  2. 前記撮像装置は、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像することによって前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行うために用いられることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。
  3. 一方の前記検査治具の中継ピンユニットにおける前記第1の絶縁板と中間保持板との間、または前記第2の絶縁板と中間保持板との間に設けられた可動板と、
    この可動板に固定され、該可動板と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートとに形成された貫通穴に挿通されるとともに、その先端部で被検査回路基板を上下へ移動可能に支持する複数の被検査回路基板支持ピンと、
    前記可動板を移動させる駆動装置とからなる位置調節機構を備え、
    前記位置調節機構は、前記被検査回路基板支持ピンに支持された被検査回路基板の位置合わせ用マークを前記撮像装置により撮像した結果に基づいて、前記駆動装置により前記可動板を移動させ、これにより前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との相対位置を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。
  4. 前記可動板に、前記第1の支持ピンもしくは第2の支持ピン、および導電ピンが貫通される貫通穴が形成され、該可動板がこれらの支持ピンおよび導電ピンに対して相対移動できるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の回路基板の検査装置。
  5. 前記被検査回路基板支持ピンが、外筒部と、この外筒部の内部に収納され、該外筒部の一端から軸方向へ突き出た棒状の伸縮子とを備え、該伸縮子は、弾性部材を介して前記外筒部へ取り付けられ、軸方向へ移動可能に保持されていることを特徴とする請求項3また
    は4に記載の回路基板の検査装置。
  6. 前記撮像装置がCCDカメラであり、複数の該CCDカメラが一方の検査治具に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  7. 一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
    前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2の絶縁板の方向に撓むとともに、
    前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板の方向に撓むように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  8. 前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
    前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
    前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
    前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  9. 前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、複数個の中間保持板が所定間隔離間して配置されるとともに、
    これらの隣接する中間保持板同士の間に、保持板支持ピンが配置され、
    前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に前記撮像装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。
  10. 一方の前記検査治具の中継ピンユニットにおける前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に設けられた可動板と、
    この可動板に固定され、該可動板と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートに形成された貫通穴に挿通されるとともに、その先端部で被検査回路基板を上下へ移動可能に支持する複数の被検査回路基板支持ピンと、
    前記可動板を移動させる駆動装置とからなる位置調節機構を備え、
    前記位置調節機構は、前記被検査回路基板支持ピンに支持された被検査回路基板の位置合わせ用マークを前記撮像装置により撮像した結果に基づいて、前記駆動装置により前記可動板を移動させ、これにより前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との相対位置を調節することを特徴とする請求項9に記載の回路基板の検査装置。
  11. 前記可動板に、前記第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンと、導電ピンとが貫通される貫通穴が形成され、該可動板がこれらの支持ピンおよび導電ピンに対して相対移動できるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路基板の検査装置。
  12. 前記被検査回路基板支持ピンが、外筒部と、この外筒部の内部に収納され、該外筒部の一端から軸方向へ突き出た棒状の伸縮子とを備え、該伸縮子は、弾性部材を介して前記外
    筒部へ取り付けられ、軸方向へ移動可能に保持されていることを特徴とする請求項10または11に記載の回路基板の検査装置。
  13. 前記撮像装置がCCDカメラであり、複数の該CCDカメラが一方の検査治具に設けられていることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  14. 少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  15. 全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の回路基板の検査装置。
  16. 前記撮像装置と被検査回路基板との間の第1の絶縁板もしくは第1の絶縁板および中間保持板と、ピッチ変換用基板と、第1および第2の異方導電性シートに、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークを撮像するための窓穴が形成され、
    前記ピッチ変換用基板に形成された前記窓穴の周囲に、前記撮像装置で撮像することにより該ピッチ変換用基板と前記被検査回路基板との位置合わせを行うための位置合わせ用マークが設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  17. 前記ピッチ変換用基板に設けられた位置合わせ用マークは、前記中継ピンユニット側の表面に、フォトエッチング処理によって形成された金属パターンであることを特徴とする請求項16に記載の回路基板の検査装置。
  18. 前記第1の異方導電性シートが、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された異方導電性シートであることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  19. 前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  20. 前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  21. 前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
    前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  22. 前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
    前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
    前記撮像装置により被検査回路基板に設けられた位置合わせ用マークを撮像することによって、前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行った後に、第1の検査治具と第2の検査治具との間で被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。
  24. 請求項16または17に記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
    前記撮像装置により、前記被検査回路基板に設けられた位置合わせ用マークと、前記ピッチ変換用基板に設けられた位置合わせ用マークとを撮像することによって、前記被検査回路基板と前記ピッチ変換用基板との位置合わせを行った後、
    第1の検査治具と第2の検査治具との間で被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。
  25. 前記撮像装置によって撮像された前記ピッチ変換用基板の位置合わせ用マークに基づいて、前記被検査回路基板の位置合わせ用マークが撮像視野内において位置すべき正位置を算出し、前記撮像装置によって撮像された前記被検査回路基板の位置合わせ用マークの前記撮像視野内における実際の位置と、前記正位置との間のズレ量に基づいて位置合わせを行うことを特徴とする請求項24に記載の回路基板の検査方法。
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