JP2005283571A - 回路基板の検査装置並びに回路基板の検査方法 - Google Patents

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杉郎 下田
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Abstract

【課題】 検査対象の回路基板が、微細ピッチの微小電極を有するものであっても信頼性の高い検査を行うことができ、作業性が良好で検査コストの低い回路基板の検査装置および検査方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の回路基板の検査装置は、一対の上部側検査治具と下部側検査治具とにより被検査回路基板の両面を挟圧して電気的検査を行う回路基板の検査装置であって、上部側検査治具および下部側検査治具がそれぞれ、被検査回路基板に対接される異方導電性シートとして導電性粒子が厚み方向に配列し面方向に分散した異方導電性シートを備えた被検査回路基板側コネクターと、多数の導電ピンが配置された仲介ピン装置と、該仲介ピン装置を介して被検査回路基板側コネクターをテスターへ電気的に接続するテスター側コネクターと、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上部側検査治具と下部側検査治具とにより検査すべき回路基板の両面を挟圧することにより、回路基板の両面の導電接点部がテスターに電気的に接続された状態を達成し、これにより当該回路基板の電気的接続状態を検査する回路基板の検査装置、およびこの検査装置による回路基板の検査方法に関するものである。
一般に集積回路などを搭載するためのプリント回路基板については、集積回路などを実装する以前に、当該回路基板の配線パターンが所期の性能を有することを確認することが必要であり、そのためにその電気的特性を検査することが行われている。
そのような回路基板の検査のための検査装置としては、被検査回路基板の搬送機構を備えた検査用テスターに、検査ヘッドを組み込み、検査ヘッド部分を交換することにより、異なる被検査回路基板の検査を実施する方法が行われている
かかる検査装置としては、特許文献1(特開平6−94768号公報)に示されるように、被検査回路基板の被検査電極に接して電気的に導通する金属の検査ピンを基板に植設した構造の検査治具を用いる方法や、特許文献2(特開平5−159821号公報)に示されるように、導電ピンを有する検査ヘッドにオフグリットアダプターと呼ばれるピッチ変換を行う検査用回路基板と異方導電性シートと組み合わせた検査治具を用いる方法が知られている。
金属検査ピンを直接に被検査回路基板の被検査電極に接触させる検査治具を用いる方法においては、金属により構成された導電ピンとの接触により被検査電極が損傷することが懸念されており、とくに近年の微細、高密度化されたプリント回路基板を検査する際においては、多数の導電ピンを被検査電極に同時に導通接触させるためには、高い圧力にて検査治具を加圧することが必要となり、被検査電極の損傷の懸念が増大している。
そして、微細、高密度化されたプリント回路基板を検査するための検査治具は、高密度で多数の金属検査ピンを基板に植設することが、技術的に困難になりつつあり、その製造コストも高価となり、更に一部の検査ピンが損傷した場合、修理、交換が困難であるとの問題も生じている。
一方、異方導電性シートを使用する検査治具においては、被検査プリント回路基板の被検査電極が異方導電性シートを介して、検査用回路基板の検査電極と接触することから、被検査プリント回路基板の被検査電極が損傷しにくいという利点がある。
図10は、従来の異方導電性シートを用いたプリント回路基板の検査装置に用いられる検査治具の一例の基本的な構成を示す説明図、図11はアダプター装置の拡大断面図である。
この検査治具は、上部側検査治具および下部側検査治具の各々が、検査用回路基板137と、導電ピンを植設した支持板(検査電極装置146a,146b)と、導電ピンとテスター側のコネクター153a,153bとを接続する電線149a,149bと、導電ピンと検査用回路基板137とを電気的に接触させる異方導電性シート151a,151bとを備え、検査するべき被検査回路プリント基板134を、上部側検査治具と下部側検査治具とにより加圧して検査を行うものである。検査用回路基板137は一面側に被検査プリント基板134の被検査電極135,136と同一の位置に検査電極138を有し、
他面側に一定ピッチまたは格子点上に接続電極139を有し、その被検査プリント基板134側には一体的に配置された異方導電性シート140を備えている。
この検査治具においては、異方導電性シートが被検査プリント回路基板に接触するので、被検査回路基板の損傷が防止できるという利点を有するのみならず、ピッチ変換を行う検査用回路基板を使用しているため、基板に植設される検査ピンを、被検査プリント回路基板の被検査電極のピッチより広いピッチで植設することができるため、微細ピッチの検査ピンの植設が不要となり、検査治具の製造コストを節約できるという利点もある。
しかし、この検査治具においては、被検査プリント回路基板ごとに検査用回路基板(ピッチ変換ボード)と、検査ピンを植設する検査治具を作成する必要があるため、実質的に検査されるプリント回路基板と同数の検査治具が必要となり、複数のプリント回路基板が生産されている状況においては、複数の検査治具を保有しなければならないという問題がある。
更に、近年の電子機器の製品サイクルの短縮により、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進行しており、検査治具を長期間使用することができず、プリント回路基板の生産が切り替わる度に、検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
上記の問題の対策のために、例えば特許文献3(特開平7−248350号公報)、特許文献4(特開平8−271569号公報)、特許文献5(特開平8−338858号公報)のような、仲介ピン装置を用いる、いわゆるユニバーサルタイプの検査治具が提案されている。
図12は、従来の仲介ピン装置と異方導電性シートを用いたプリント回路基板の検査装置に用いられる検査治具の一例の基本的な構成を示す説明図である。
この検査治具は、上部側検査治具189と下部側検査治具169とから構成され、上部側検査治具189および下側検査治具169の各々は、接続用配線板(ピッチ変換ボード193(171))と異方導電性シート191,192(172,173)により構成される被検査回路基板側コネクター190(170)と、仲介ピン装置199(175)と、電極分岐分配板196(183)と検査電極板装置198(182)と異方導電性シート195,197(184,185)とを備えたテスター側コネクター194(181)とにより構成されている。
そして、仲介ピン装置は例えば一定ピッチ(例えば2.54mmピッチ)で中継ピン(仲介ピン)が格子点上に多数(例えば5000ピン等)配置されなるものである。
この検査治具においては、異なる被検査プリント回路基板を検査する際において、被検査回路基板側コネクターを被検査回路基板に対応するものに交換し、仲介ピン装置とテスター側コネクターは共通で使用するので、複数のプリント配線基板の検査を行う際に、個々のプリント配線基板に対応する被検査回路基板側コネクターを準備するだけでよく、検査されるプリント配線基板と同数の検査治具を準備する必要が無いという利点がある。
しかしながら、これまで考案された上記の異方導電性シートを用いるユニバーサルタイプの検査治具においては、以下のような問題点があり、実際にプリント基板の検査に用いることが困難であった。
(1)被検査回路基板側コネクターを構成する異方導電性シートに、厚み方向にのみ導通し一面において突出した導電路形成部を有する異方導電性シートを使用していたが、この異方導電性シートが検査の繰り返し使用時において、その導電路形成部の劣化(抵抗値の上昇)が早く、使用寿命が短く、頻繁に異方導電性シートを交換しなければならず、その
度ごとに、異方導電性シートと接続用配線板との位置合わせ、被検査回路基板側コネクターと仲介ピン装置との位置合わせが必要で、交換頻度の多さにより検査効率が低下してしまう問題点があった。
(2)被検査回路基板側コネクターを構成する異方導電性シートに、厚み方向にのみ導通し一面において突出した導電路形成部を有する異方導電性シートを使用していたが、検査を連続して行い、被検査回路基板と繰り返し接触することにより、異方導電性シートの位置ズレが生じ、異方導電性シートの導電路形成部と、接続用配線板の接続電極との位置が一致しなくなり、そのため被検査プリント回路基板と検査治具の電気的接続が達成されず、過大な抵抗値が測定され、本来は良品と判断されるべき被検査プリント回路基板が不良品と誤判断されやすくなり、検査結果の信頼性がるとの問題点があった。
特に、被検査プリント回路基板の被検査電極が微小で例えば200μm以下の微少ピッチになると、この問題が顕著となる傾向があった。
(3)被検査回路基板側コネクターを例えば、特許文献6(特開平6−82531号公報)に示されるような、異方導電性シートと接続用配線板が一体化したコネクターを使用した場合、位置合わせが容易であるが、異方導電性シート部分が劣化した場合、接続用配線板ごと交換しなければならず、多数の接続用配線板が必要となり、検査コストが増大するという問題点があった。
特開平6−94768号公報 特開平5−159821号公報 特開平7−248350号公報 特開平8−271569号公報 特開平8−338858号公報 特開平6−82531号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、検査対象の回路基板が、微細ピッチの微少電極を有するものであっても、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができる回路基板の検査装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、回路基板の繰り返し連続検査を行う際に、異方導電性シートの位置ずれを補正する必要が少なく、検査の作業性が良好な回路基板の検査装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、回路基板の繰り返し連続検査において、異方導電性シートが劣化した際に、異方導電性シートの交換作業が容易な回路基板の検査装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、上記の目的に加え、検査するべき回路基板が変更されても、検査治具全体を作成することなく、接続用配線板を変更するだけで検査の対応が可能な回路基板の検査装置を提供することにある。
本発明の第5の目的は、検査対象の回路基板が、微細ピッチの微少電極を有するものであっても、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができる回路基板の検査方法を提供することにある。
本発明の回路基板の検査装置は、一対の上部側検査治具と下部側検査治具とにより被検査回路基板の両面を挟圧して電気的検査を行う回路基板の検査装置であって、
上部側検査治具および下部側検査治具がそれぞれ、
被検査回路基板の被検査電極に電気的に接続される複数の接続電極が一方の面に形成され、複数の端子電極が他方の面に形成された接続用配線板と、
接続用配線板の被検査回路基板側の表面に配置される第1の異方導電性シートと、
接続用配線板の被検査回路基板とは逆側の表面に配置される第2の異方導電性シートと、
を備えた被検査回路基板側コネクターと、
一定ピッチに配置された複数の導電ピンと、
前記複数の導電ピンを上下へ移動可能に保持する絶縁性の支持板と、
を備えた仲介ピン装置と、
仲介ピン装置を介して被検査回路基板側コネクターをテスターへ電気的に接続する検査電極板と、
検査電極板の仲介ピン装置側の表面に配置される第3の異方導電性シートと、
検査電極板の仲介ピン装置とは逆の面側に配置されるベース板と、
を備えたテスター側コネクターと、
を備えることを特徴とする。
本発明の回路基板の検査装置においては、前記第1の異方導電性シートが、導電性粒子が厚み方向に配列し面方向に分散した異方導電性シートであり、その厚みW1が0.03
〜0.5mmであり、導電性粒子の数平均粒子径D1が3〜50μmであり、厚みW1と数平均粒子径D1との比W1/D1が1.1〜10であり、シート基体である絶縁性エラスト
マーのデュロメータ硬度が30〜90であることが好ましい。
また、前記第2の異方導電性シートが、導電路形成部が絶縁部により離間された異方導電性シートであり、その導電路形成部の厚みW2が0.1〜2mmであり、導電性粒子の
数平均粒子径D2が5〜200μmであり、厚みW2と数平均粒子径D2との比W2/D2
1.1〜20であり、シート基体である絶縁性エラストマーのデュロメータ硬度が15〜60であることが好ましい。
本発明の回路基板の検査装置においては、前記接続用配線板の接続電極が、被検査回路基板の被検査電極に対応する位置に配置され、前記接続用配線板の端子電極が、一定のピッチで配置されていることが好ましい。
本発明の回路装置の検査方法は、上記した回路基板の検査装置を用いて、上部側検査治具と下部側検査治具とにより被検査回路基板の両面を挟圧した状態で被検査回路基板の電気的検査を行うことを特徴とする。
本発明の回路基板の検査装置によれば、被検査回路基板側コネクターの被検査回路基板側に、特定の厚みを有し、特定の物性の導電性粒子が厚み方向に配列し面方向に分散した異方導電性シートを配置したので、例えば200μm以下の微細ピッチで、電極幅が100μm以下の微小な電極を備えた回路基板であっても、回路基板の各被検査電極間の絶縁状態を保ちつつ、被検査電極と被検査回路基板側コネクターの接続電極との電気的接続がなされ、回路基板の電気的検査が可能な状態が達成される。
そして、第1の異方導電性シートは絶縁部に隔てられた導電路形成部を有しないため、回路基板の繰り返し検査時において、異方導電性シートの横方向の位置ずれが生じても、常に被検査回路基板の被検査電極と被検査回路基板側コネクターの接続電極との電気的接続が達成されるので、異方導電性シートの位置ズレに起因して良品回路基板が不良品と誤判定されることを抑制できる。
また、被検査回路基板側コネクターの仲介ピン装置側に備えられた第2の異方導電性シートと、テスター側コネクターに備えられた第3の異方導電性シートとが、特定の厚みと物性を有する導電路形成部が絶縁部に離間された、弾力性の大きい異方導電性シートであるため、検査時における検査治具の加圧力を吸収し、被検査回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する。このため、被検査回路基板側コネクターの被検査回路基板側に配置された、導電性粒子が厚み方向に配列し面方向に分散した第1の異方導電性シートは弾力性が比較的少ないが、第1の異方導電性シートへの圧力集中や衝撃が緩和され、該異方導電性シートの劣化を抑制するので、繰り返し検査使用における該異方導電性シートの使用寿命が長いものとなり、結果として回路基板の電気的検査において、異方導電性シートの交換回数を減少させることができ、検査効率の向上が達成される。
更に、被検査回路基板側コネクターの被検査回路基板側に配置された第1の異方導電性シートが、接続用配線板とは別体となっているため、第1の異方導電性シートに劣化が生じた場合、第1の異方導電性シートのみ交換できるので交換が容易であり、接続用配線板は再使用が可能であるため、回路基板の検査コストを減少させることができる。
本発明の回路基板の検査方法によれば、上記の回路基板の検査装置を用いているため、多数の回路基板について連続的に検査を行っても、異方導電性シートの交換頻度が少なく、異方導電性シートの位置合わせの回数も少なく、検査効率が良く、検査コストを減少させることができ、更に異方導電性シートの位置ずれによる被回路基板の誤判断も減少するので、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の回路基板の検査装置の一例の構成を、検査対象である回路基板(被検査回路基板)と共に示す説明用断面であり、図2は、図1の回路基板の検査装置の一部を拡大して示す説明図であり、図3は図1の回路基板の検査装置を積層した状態を示す説明用断面図である。
この検査装置10は、回路基板における電極間の電気抵抗を測定することによって回路基板の電気的検査を行うものであって、検査対象の回路基板(被検査回路基板)1の上面側に配置される上部側検査治具11と、下面側に配置される下部側検査治具12とが、上下に互いに対向するように配置されている。
上部側検査治具11は、その両面に異方導電性シートを備えた上側被検査回路基板側コネクター35と、上側仲介ピン装置40と、その仲介ピン装置側に異方導電性シートを備えた上側検査電極板47と上部側ベース板49とを備えた上側テスター側コネクター45により構成されている。
下部側検査治具12は、その両面に異方導電性シートを備えた下側被検査回路基板側コネクター85と、仲介ピン装置90と、その仲介ピン装置側に異方導電性シートを備えた下側検査電極板97と下部側ベース板99とを備えた下側テスター側コネクター95により構成されている。
この例における被検査回路基板1は、その上面には、上面被検査電極2が形成されていると共に、その下面には、下面被検査電極3が形成されており、上面被検査電極2と下面被検査電極3とは互いに電気的に接続されている。
上側被検査回路基板側コネクター35は、図1〜図3に示すように、上側接続用配線板
38と、第1の異方導電性シート36と、第2の異方導電性シート37より構成される。下側被検査回路基板側コネクター85も同様に、下側接続用配線板88と、第1の異方導電性シート86と、第2の異方導電性シート87より構成される。
図4は、本発明に用いられる接続用配線板の一例における構成の被検査回路基板側の表面を示す説明用平面図であり、図5はその仲介ピン装置側の表面を示す平面図であり、図6はそのA−A’断面図である。
この接続用配線板120は絶縁性基板121を有し、この絶縁性基板121の被検査回路基板側(図6において上面)には、図4に示すように接続電極122が形成されている。
これらの接続電極122は、被検査回路基板に設けられた被検査電極のパターンに従って配置されている。
一方、絶縁性基板121の仲介ピン装置側(図6において下面)には、図5に示すように端子電極123が形成されている。
これらの端子電極123は、例えばピッチが2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、その配置ピッチは仲介ピン装置の導電ピンの配置ピッチと同一とされている。
そして、接続電極122の各々は、絶縁性基板121の表面に形成されたパターン配線部124および絶縁性基板121の厚み方向に貫通して伸びるバイアホールよりなる内部配線125によって、適宜の端子電極123に電気的に接続されている。
絶縁性基板121を構成する材料としては、一般にプリント配線板の基材として使用されるものを用いることができ、好ましい具体例としては、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
被検査回路基板側コネクターを構成する第1の異方導電性シートは、図7にも拡大して示したように、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子Pが面方向に分散し厚み方向に配列した状態で含有されてなるものである。
図7に示した第1の異方導電性シート25の厚みW1は、0.03〜0.5mmである
ことが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2mmである。この最小厚みW1が0.
03mm未満である場合には、第1の異方導電性シート25の機械的強度が低いものとなりやすく、必要な耐久性が得られないことがある。一方、この厚みW1が0.5mmを超
える場合には、厚み方向の電気抵抗が大きいものとなりやすく、また、接続すべき電極のピッチが小さいものである場合には、加圧により形成される導電路間における所要の絶縁性が得られず、被検査電極間で電気的な短絡が生じて被検査回路基板の電気的検査が困難となることがある。
第1の異方導電性シート25のシート基材26を構成する弾性高分子物質は、そのデュロメータ硬さが30〜90のものとされ、好ましくは35〜80のものとされ、更に好ましくは40〜70のものとされる。
本発明において、「デュロメータ硬さ」とは、JIS K6253のデュロメータ硬さ
試験に基づいて、タイプAデュロメータによって測定されたものをいう。弾性高分子物質
のデュロメータ硬さが30未満である場合には、厚み方向に押圧された際に、異方導電性シートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪みが生じるため、異方導電性シートが早期に劣化して検査使用が困難となり耐久性の低いものとなりやすい。
一方、弾性高分子物質のデュロメータ硬さが90を超える場合には、異方導電性シートが厚み方向に押圧されたときに、厚み方向の変形量が不十分なものとなるため、良好な接続信頼性が得られず、接続不良が発生しやすくなる。
第1の異方導電性シート25の基材を構成する弾性高分子物質としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、形成加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
第1の異方導電性シート25を構成する導電性粒子Pとして磁性導電性粒子を使用する場合は、その数平均粒子径D1が3〜50μmであることが好ましく、更に5〜30μm
であることが好ましく、8〜20μmであることが特に好ましい。
ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
磁性導電性粒子の数平均粒子径D1が3μm以上であることにより、得られる異方導電
性シートが磁性導電性粒子が含有されている部分の加圧変形が容易なものとなり、また、その製造工程において、磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易となりやすく、そのため、得られる異方導電性シートが異方性の高いものとなり、異方導電性シートの分解能(異方導電性シートを加圧して、厚み方法に対向する電極間の電気的導通達成しつつ、横方法に隣接する電極間の電気的絶縁を保持する能力)が良好なものとなる。
一方、磁性導電性粒子の数平均粒子径D1が50μm以下であることにより、得られる
異方導電性シートが、その弾性が良好で加圧変形が容易なものとなり、微細で微少ピッチの電極に対しても分解能が良好なものとなる。
そして、第1の異方導電性シート25においては、その厚みW1(μm)と、磁性導電
性粒子の数平均粒子径D1(μm)との比率W1 /D1が1.1〜10であることが好ま
しい。
比率W1 /D1が1.1未満である場合には、異方導電性シートの厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいは大きいものとなるため、この異方導電性シートはその弾性が低いものとなり、そのため、この異方導電性シートをプリント配線基板などの被検査物と検査電極との間に配置して加圧を行い接触導通状態を達成する際に、被検査物が傷つきやすくなる。
一方、比率W1 /D1が10を超える場合には、異方導電性シートをプリント配線基板などの被検査物と検査電極との間に配置して加圧を行い接触導通状態を達成する際に、被検査物と検査電極との間に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成することとなり、そのため、多数の導電性粒子同士の接点が存在することから、電気的抵抗値が高いものとなりやすく、電気的検査の使用が困難となりやすい。
磁性導電性粒子としては、後述する製造方法により異方導電性シートを形成するためのシート成形材料中において、当該磁性導電性粒子を磁場の作用によって容易に移動させることができる観点から、その飽和磁化が0.1Wb/m2 以上のものを好ましく用いることができ、より好ましくは0.3Wb/m2 以上、特に好ましくは0.5Wb/m2 以上
のものである。
飽和磁化が0.1Wb/m2 以上であることにより、その製造工程において磁性導電性粒子を磁場の作用によって確実に移動させて所望の配向状態とすることができるため、異方導電性シートを使用する際に磁性導電性粒子の連鎖を形成することができる。
磁性導電性粒子の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に高導電性金属を被覆した複合粒子、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、高導電性金属のメッキを施した複合粒子、あるいは芯粒子に、フェライト、金属間化合物などの導電性磁性体および高導電性金属の両方を被覆した複合粒子などが挙げられる。
ここで、「高導電性金属」とは、0℃における導電率が5×106 Ω-1-1以上の金属をいう。
このような高導電性金属としては、具体的に、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを用いることができ、これらの中では、化学的に安定でかつ高い導電率を有する点で金を用いることが好ましい。
これらの磁性導電性粒子の中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの高導電性金属のメッキを施した複合粒子が好ましい。
芯粒子の表面に高導電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば無電解メッキ法を用いることができる。
磁性導電性粒子は、その数平均粒子径の変動係数が50%以下のものであることが好ましく、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下のものである。
ここで、「数平均粒子径の変動係数」とは、式:(σ/Dn)×100(但し、σは、粒子径の標準偏差の値を示し、Dnは、粒子の数平均粒子径を示す。)によって求められるものである。
磁性導電性粒子の数平均粒子径の変動係数が50%以下であることにより、粒子径の不揃いの程度が小さくなるため、得られる異方導電性シートにおける部分的な導電性のバラツキを小さくすることができる。
このような磁性導電性粒子は、金属材料を常法により粒子化し、あるいは市販の金属粒子を用意し、この粒子に対して分級処理を行うことにより得ることができる。
粒子の分級処理は、例えば空気分級装置、音波ふるい装置などの分級装置によって行うことができる。
また、分級処理の具体的な条件は、目的とする導電性金属粒子の数平均粒子径、分級装置の種類などに応じて適宜設定される。
磁性導電性粒子においては、その具体的な形状は、特に限定されるものではないが、複数の球形の一次粒子が一体的に連結されてなる二次粒子からなる形状のものを好ましい形状の粒子として挙げることができる。
磁性導電性粒子として、芯粒子の表面に高導電性金属が被覆されてなる複合粒子(以下、「導電性複合金属粒子」ともいう。)を用いる場合には、良好な導電性が得られる観点
から、当該導電性複合金属粒子の表面における高導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する高導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、更に好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
また、高導電性金属の被覆量は、芯粒子の重量の2.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45質量%、更に好ましくは3.5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
このような、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子Pが面方向に分散し厚み方向に配列した状態で含有されてなる異方導電性シートは、例えば特開2003−77560号公報に示されるように、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に、磁性を示す導電性粒子が含有されてなる流動性の成形材料を調製し、この成形材料よりなる成形材料層を、当該成形材料層における一面に接する一面側成形部材と、当該成形材料層における他面に接する他面側成形部材との間に形成し、この成形材料層に対してその厚み方向に磁場を作用させると共に、当該成形材料層を硬化処理する方法等により製造することができる。
被検査回路基板側コネクターを構成する第2の異方導電性シートは、図8にも拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子Pが厚み方向に配列して形成された導電路形成部21と、導電路形成部21の各々を離間する絶縁部22より構成されるものである。
図8に示した第2の異方導電性シート20における導電路形成部21の厚みW2は、0
.1〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5mmである。この厚みW2が0.1mm未満である場合には、第2の異方導電性シート20はその厚み方向の
加圧圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
一方、この厚みW2が2mmを超える場合には、厚み方向の電気抵抗が大きいものとな
りやすく、被検査回路基板の電気的検査が困難となることがある。
第2の異方導電性シート20における絶縁部22の厚みは、その導電路形成部21の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。絶縁部22の厚みが導電路形成部21の厚みより小さく、導電路形成部21が絶縁部22より突出した突出部23を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部21の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大し、検査時における検査治具の加圧力を吸収し、被検査回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が増大するので好ましい。
第2の異方導電性シート20を構成する導電性粒子Pに、磁性導電性粒子を使用する場合は、その数平均粒子径D2が5〜200μmであることが好ましく、更に5〜150μ
mであることが好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。
ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
磁性導電性粒子の数平均粒子径D2が5μm以上であることにより、得られる異方導電
性シートの導電路形成部の加圧変形が容易なものとなり、また、その製造工程において、磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易となりやすい。
一方、磁性導電性粒子の数平均粒子径D2が200μm以下であることにより、得られ
る異方導電性シートの導電路形成部の弾性が良好で加圧変形が容易なものとなる。
そして、第2の異方導電性シート20においては、その導電路形成部21の厚みW2
μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒子径D2(μm)との比率W2/D2が1.1〜20
であることが必要とされる。
比率W2/D2が1.1未満である場合には、異方導電性シートの導電路形成部の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいは大きいものとなるため、この導電路形成部はその弾性が低いものとなり、その厚み方向の加圧圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
一方、比率W2 /D2が20を超える場合には、導電路形成部に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成することとなり、そのため、多数の導電性粒子同士の接点が存在することから、電気的抵抗値が高いものとなりやすく、電気的検査の使用が困難となりやすい。
第2の異方導電性シート20の基材を構成する弾性高分子物質は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが15〜60のものとされ、好ましくは20〜50のものとされ、更に好ましくは25〜45のものとされる。
弾性高分子物質のデュロメータ硬さが15未満である場合には、厚み方向に押圧された際に、異方導電性シートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪みが生じるため、異方導電性シートが早期に形状が変形して検査時の電気的接続が困難となりやすい。
一方、弾性高分子物質のデュロメータ硬さが60を超える場合には、異方導電性シートが厚み方向に押圧されたときに、厚み方向の変形が小さくなるため、その厚み方向の加圧圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧圧力を吸収が小さくなり、回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
第2の異方導電性シート20の基材を構成する弾性高分子物質としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであればとく限定されないが、形成加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
第2の異方導電性シート20の絶縁部は、実質的に導電性粒子を含有しない絶縁性物質により構成されるものであり、絶縁性物質としては絶縁性の高分子物質、絶縁性フィルムや無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、その導電路形成部に弾性高分子材料を使用した際、同一の弾性高分子材料を用いると、その生産が容易なので好ましい。
磁性導電性粒子としては、前述の第1の異方導電性シートに用いられる導電性粒子を用いることができる。
第2の異方導電性シート20は、以下のようにして製造することができる。
例えば、それぞれ全体の形状が略平板状であって、互いに対応する上型と下型とよりなり、上型と下型との間の成形空間内に充填された材料層に磁場を作用させながら当該材料層を加熱硬化することができる構成の異方導電性シート成形用金型を用意する。
この異方導電性シート成形用金型は、材料層に磁場を作用させて適正な位置に導電性を有する部分を形成するために、上型および下型の両方は、鉄、ニッケルなどの強磁性体からなる基板上に、金型内の磁場に強度分布を生じさせるための鉄、ニッケルなどよりなる強磁性体部分と、銅などの非磁性金属若しくは樹脂よりなる非磁性体部分とが互いに隣接するよう交互に配置されたモザイク状の層を有する構成のものであり、強磁性体部分は、形成すべき導電路形成部のパターンに対応するパターンに従って配列されている。
ここで、上型の成形面は平坦であり、下型の成形面は形成すべき異方導電性シートの導電路形成部に対応してわずかに凹凸を有するものである。
そして、上記の異方導電性シート成形用金型を用いて、以下のようにして異方導電性シートが製造される。
先ず、異方導電性シート成形用金型の成形空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質材料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる成形材料を注入して成形材料層を形成する。
次に、上型および下型の各々における強磁性体部分および非磁性体部分を利用し、形成された成形材料層に対してその厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させることにより、その磁力の作用によって、導電性粒子を、上型における強磁性体部分と、その直下に位置する下型における強磁性体部分との間に集合させ、更には導電性粒子を厚み方向に並ぶように配向させる。そして、その状態で当該成形材料層を硬化処理することにより、複数の柱状の導電路形成部が、絶縁部によって互い絶縁されてなる構成を有する異方導電性シートが製造される。
下側仲介ピン装置90は、図1および図2に示したように、上下方向に伸びるよう設けられた多数の導電ピン91と、各導電ピン91の下側の基端部分に設けられた、各導電ピン91を挿通支持する水平な基端側支持板93と、各導電ピン91の上側の先端部分に設けられた、各導電ピン91を挿通支持する水平な先端側支持板94と、先端側支持板94と基端側支持板とを固定する支柱92により構成されている。
この下側仲介ピン装置90の各導電ピン91は、例えば図9示すように、直径の大きい中央部91C(直径=d1、長さ=L)、直径の小さい先端部91A(直径=d2)および基端部91B(直径=d3)よりなる。
先端側支持板94には導電ピン91の先端部91Aが挿入される貫通孔94H(直径=r1)が形成され、基端側支持板93には導電ピン91の基端部91Bを挿入する貫通孔93H(直径=r2)が形成されている。
そして、導電ピン91の各部分の直径が、支持板の貫通孔の直径と以下の関係となることにより、導電ピン91が仲介ピン装置90より脱落しないように保持されている。
先端部側: d2 <r1 <d1
基端部側: d3 <r2 <d1
また、基端側支持板93と先端側支持板94は、支柱92によりその間隔が一定(長さ=M)に固定される。
そして、基端側支持板93と先端側支持板94の間隔(長さ=M)が、導電ピン91の中央部の長さ(長さ=L)と以下の関係とされ、導電ピン91が上下に可動するように保持されている。
導電ピンの中央部の長さ: L < M
そして、導電ピンの先端部91Aの長さ(長さ=L1)と基端部91Bの長さ(長さ=L2)は、それぞれ先端側支持板94の厚み(厚さ=T1)と基端側支持板93の厚み(厚さ=T2)より大きくなっていることより、仲介ピン装置90は、その先端部支持板側または基端部支持板側の少なくとも一面側より導電ピンが突出するように構成されている。
先端部側: T1 < L1
基端部側: T2 < L2
この仲介ピン装置90は、多数の導電ピン91が例えばピッチが2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されている。
そして、この仲介ピン装置90の導電ピン91の配置ピッチと、接続用配線板88に設けられる端子電極89bの配置ピッチとが同一とされることより、仲介ピン装置90の導電ピン91と、接続用配線板88に設けられた接続電極89aとが電気的に接続される。
下側テスター側コネクター95は、図1〜図3に示すように、第3の異方導電性シート96と下側検査電極基板97と、下部側ベース板99により構成される。
第3の異方導電性シート96は、第2の異方導電性シートと同様で、図8にも拡大して示すように、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子Pが厚み方向に配列して形成された導電路形成部(図8の符号21)と、導電路形成部の各々を離間する絶縁部(図8の符号22)より構成されるものである。
第3の異方導電性シート96における導電路形成部の厚みW3は、0.1〜2mmであ
ることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5mmである。この厚みW3が0.1m
m未満である場合には、第3の異方導電性シート96はその厚み方向の加圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
一方、この厚みW3が2mmを超える場合には、厚み方向の電気抵抗が大きいものとな
りやすく、検査対象回路基板の電気的検査が困難となることがある。
第3の異方導電性シート96における絶縁部の厚みは、その導電路形成部の厚みと実質的に同一か、小さいことが好ましい。絶縁部の厚みがその導電路形成部の厚みより小さく、導電路形成部が絶縁部より突出した突出部を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大し、検査時における検査治具の加圧力を吸収し、被検査回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が増大するので好ましい。
第3の異方導電性シート96を構成する導電性粒子Pに、磁性導電性粒子を使用する場合は、その数平均粒子径D3が5〜200μmであることが好ましく、更に5〜150μ
mであることが好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。
ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
磁性導電性粒子の数平均粒子径D3が5μm以上であることにより、得られる異方導電
性シートの導電路形成部の加圧変形が容易なものとなり、また、その製造工程において、磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易となりやすい。
一方、磁性導電性粒子の数平均粒子径D3が200μm以下であることにより、得られ
る異方導電性シートの導電路形成部の弾性が良好で加圧変形が容易なものとなる。
そして、第3の異方導電性シート96においては、その導電路形成部の厚みW3 (μ
m)と、磁性導電性粒子の数平均粒子径D3(μm)との比率W3/D3が1.1〜20で
あることが好ましい。
比率W3/D3が1.1未満である場合には、異方導電性シートの導電路形成部の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいは大きいものとなるため、この導電路形成部はその弾性が低いものとなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧圧力を吸収が小さくなり、被検査回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
一方、比率W3/D3が20を超える場合には、導電路形成部に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成することとなり、そのため、多数の導電性粒子同士の接点が存在することから、電気的抵抗値が高いものとなりやすく、電気的検査の使用が困難となりやすい。
第3の異方導電性シート96の基材を構成する弾性高分子物質は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが15〜60のものとされ、好ましくは20〜50のものとされ、更に好ましくは25〜45のものとされる。
弾性高分子物質のデュロメータ硬さが15未満である場合には、厚み方向に押圧された際に、異方導電性シートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪みが生じるため、異方導電性シートが早期に形状が変形して検査時の電気的接続が困難となりやすい。
一方、弾性高分子物質のデュロメータ硬さが60を超える場合には、異方導電性シートが厚み方向に押圧されたときに、厚み方向の変形が小さくなるため、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さいものとなり、検査時における検査治具の加圧力の吸収が小さくなり、被検査回路基板側コネクターへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
第3の異方導電性シート96の基材を構成する弾性高分子物質としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、形成加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
下側検査電極板97は絶縁性基板を有し、この絶縁性基板の仲介ピン装置側に(図2において上面)には、図2に示すように検査電極98が形成されている。
これらの検査電極98は、例えばピッチが2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、その配置ピッチは仲介ピン装置90の導電ピン91の配置ピッチと同一とされている。
そして、検査電極98の各々は、絶縁性基板の表面に形成されたパターン配線部および絶縁性基板の内部に平行方向に伸びる内部配線によって、テスター側接続コネクター100に電気的に接続されている。
そのため、被検査回路基板1の下面被検査電極3は、下側被検査回路基板コネクター85、下側仲介ピン装置90、下側テスター側コネクター95を介して、下側テスター接続
コネクター100よりテスター(図示せず)に電気的に接続されるので、被検査回路基板1の電気的検査が可能となる。
下部側ベース板99は、図1において下側検査電極板97の下側に配置され、この下部側ベース板99をテスターの加圧機構により規定の圧力にて押圧することより、被検査回路基板1の電気的検査が行われる。
上部側検査治具11は、上側被検査回路基板側コネクター35、上側仲介ピン装置40、上側テスター側コネクター45より構成され、具体的には下部側検査治具12と同様の構成である。
そして、一対の上部側検査治具11と、下部側検査治具12とにより検査装置10が構成され、上部側検査治具11と下部側検査治具12の間に、被検査回路基板1が配置され、上部側検査治具11と下部側検査治具12がテスターの加圧機構により所定の圧力にて加圧されることにより、被検査回路基板1の電極間の電気抵抗が測定される状態となる。
測定状態における被検査回路基板1に対する押圧力は、例えば100〜250kgfとされる。
この測定状態において、被検査回路基板1の上面被検査電極2は、各々、上側接続用配線板38の対応する接続電極に第1の異方導電性シート36を介して電気的に接続され、この上側接続用配線板38の端子電極は、第2の異方導電性シート37を介して、上側仲介ピン装置40の導電ピン41に接続され、導電ピン41は第3の異方導電性シート46を介して、上側検査電極板47の検査電極48に電気的に接続され、上側検査電極板47のテスター接続コネクター50によりテスター(図示せず)と電気的に接続される。
一方、被検査回路基板1の下面被検査電極3は、各々、下側接続用配線板88の対応する接続電極89a(図2)に第1の異方導電性シート86を介して電気的に接続され、この下側接続用配線板88の端子電極89bは、第2の異方導電性シート87を介して、下側仲介ピン装置90の導電ピン91に接続され、導電ピン91は第3の異方導電性シート96を介して、下側検査電極板装置97の検査電極98に電気的に接続され、下側検査電極板装置97のテスター接続コネクター100によりテスター(図示せず)と電気的に接続される。
このようにして、被検査回路基板1の上面被検査電極2および下面被検査電極3の各々が、上側テスター側コネクター45における検査電極48および下側テスター側コネクター95における検査電極98の各々に電気的に接続されることより、テスターの検査回路に電気的に接続された状態が達成され、この状態で被検査回路基板1の上面被検査電極2と、これに電気的に接続された下面被検査電極3との間の電気抵抗値の測定などの電気的検査が行われる。
以上のような検査装置によれば、被検査回路基板に接触する第1の異方導電性シートに、絶縁性を有する弾性高分子物質よりなる基材中の全域に、導電性粒子が均等に配向した状態で含有されてなる構成の特定の物性の異方導電性シートを用いているために、繰り返し検査使用時においても、異方導電性シートの横方向の位置ずれによる検査結果への影響が少なく、微細、微少ピッチの被検査電極を有する被検査回路基板であっても、信頼性の高い電気的検査が可能であり、繰り返し検査使用時においても、第1の異方導電性シートの横方向の位置ずれの補正作業が不要となるため、検査時の作業効率が向上する。
また、被検査回路基板側コネクターの接続配線板と第1の異方導電性シートとが着脱可能な別体であるので、第1の異方導電性シートが劣化した場合でも、第1の異方導電性シ
ートを新たなものに交換することができ、接続配線板を再利用できるので、その検査コストの低減がなされる。
更に、被検査回路基板側コネクターは、仲介ピン装置と着脱可能な別体として設けられているため、被検査電極の配置が異なる被検査回路基板を測定する際に、被検査回路基板側コネクターを被検査回路基板に対応した被検査回路基板側コネクターと交換するだけでよいので、仲介ピン装置、テスター側コネクターを交換する必要がなく共通に使用することができるので、検査コストの低減と作業効率の向上がなされる。
そして、被検査回路基板側コネクターに用いられる第2の異方導電性シートと、テスター側コネクターに用いられる第3の異方導電性シートとして、絶縁性を有する弾性高分子物質よりなる基材中に導電性粒子が厚み方向に配向した状態で含有されてなる導電路形成部が絶縁部により隔てられた構成の特定の物性の異方導電性シートを用いているために、検査使用時における検査治具の押圧による加圧力や衝撃を吸収し、第1の異方導電性シートの劣化を抑制するため、第1の異方導電性シートの使用寿命が延びるので、交換頻度が低減し、これによって、検査コストが低減し作業効率が向上する。
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は以上の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、被検査回路基板としてはプリント回路基板に限定されず、パッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよく、プリント回路基板においては、両面プリント回路基板のみならず片面プリント回路基板であってもよい。
本発明の回路基板の検査装置においては、上部側検査治具と下部側検査治具が同一の構造、構成である必要はなく、異なる構造、構成のものであってもよい。
更に、テスター側コネクターは、複数個の検査電極板と異方導電性シートとを積層して構成することもできる。
実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
レール搬送型回路基板自動検査機(日本電産リード社製,品名:STARREC V5)の検査部に適合する、図1に示したような、下記の評価用回路基板を検査するための回路基板検査装置を作製した。
(1)評価用回路基板1
下記の仕様の評価用回路基板を用意した。
寸法:100mm(縦)×100mm(横)×0.8mm(厚み)
上面側の被検査電極の数:3400個
上面側の被検査電極の径:0.3mm
上面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
下面側の被検査電極の数:2500
下面側の被検査電極の径:0.3mm
下面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
(2)第1の異方導電性シート36,86
導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散された以下の第1の異方導電性シートを作製した。
寸法:110mm×110mm、厚み0.1mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;20μm、含有率
;18体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;40
(3)接続用配線板38,88
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる厚さ0.5mmの絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製,品名:R−1766)に、数値制御型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.1mmの円形の貫通孔を合計で6800個形成した。
この場合、貫通孔の形成は2個を一組として、評価用回路基板の上面側の被検査電極に対応する位置に形成し、一組の貫通孔は0.1mmの間隙を設けて形成した(すなわち、貫通孔A=0.1mm と貫通孔B=0.1mmの間の間隙=0.1mmとなるように設
定することを意味する)。
その後、貫通孔が形成された積層材料に対し、EDTAタイプ銅メッキ液を用いて無電解メッキ処理を施すことにより、各貫通孔の内壁に銅メッキ層を形成し、さらに、硫酸銅メッキ液を用いて電解銅メッキ処理を施すことにより、各貫通孔内に、積層材料表面の各金属薄層を互いに電気的に接続する、厚さ約10μmの円筒状のバイアホールを形成した。
次いで、積層材料表面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成するとともに、この積層材料の他面側の金属薄層上に保護シールを配置した。このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、エッチング用のレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンを形成した面の金属薄層に対してエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に、横60μm、縦150μmの6800個の接続電極と、各接続電極とバイアホールとを電気的に接続する線幅が100μmのパターン配線部を形成し、次いで、レジストパターンを除去した。
次に、積層材料の接続電極とパターン配線部を形成した側の面に、厚みが50μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成し、このレジスト層の上にフォトマスクフィルムを配置して、レジスト層に対して平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、それぞれの接続電極を露出する、横方向60μm、縦方向150μmの矩形の6800個の開口を形成した。
そして、硫酸銅メッキ液を用い、積層材料の他面側の金属薄層を共通電極として用い、それぞれの接続電極に対して電解銅メッキ処理を施すことにより6800個の接続電極を形成した。次いでレジストパターンを除去した。
次いで、積層材料の他面側の金属薄層上の保護シールを除去し、この面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成した。その後、このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、積層材料における金属薄層上にエッチング用のレジストパターンを形成した。
次いで、積層材料の接続電極を形成した側の面に保護シールを施した後に、エッチング処理を施すことにより、絶縁性基板の裏面に6800個の端子電極と、各端子電極とバイアホールとを電気的に接続するパターン配線部を形成し、レジストパターンを除去した。
次いで、端子電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の裏面に、厚みが38μmのドライフィルムソルダーレジスト(ニチゴーモートン製、品名:コンフォマスク2015)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置し、次いで、絶縁層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理することにより、電極を露出する直径0.4mmの開口を6800個形成した。
以上のようにして、接続用配線板38を作製した。この接続用配線板38は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極の絶縁層表面から露出した部分の寸法が、横方向約60μmで、縦方向約150μm、接続電極の絶縁層表面からの突出高さが約60μm、対をなす接続電極間の離間距離が100μm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、接続電極が形成された面側の絶縁層の表面粗さが0.02μmであった。
また、上記と同様にして、表面に5000個の接続電極を有すると共に裏面に5000個の端子電極24を有する、下部側検査治具用の接続用配線板88を作製した。
この接続用配線板88は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極における絶縁層の表面に露出した部分の横方向約60μmで、縦方向約150μm、接続電極における絶縁層の表面からの突出高さが約60μm、対をなす接続電極間の離間距離が100μm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、表面(接続電極が形成された面)側の絶縁層の表面粗さが0.02μmのものである。
(4)被検査回路基板側コネクター35,85
この接続用配線板38,88の表面側に、上記の第1の異方導電性シート36,86を配置し、裏面側に、厚み方向に延びる多数の導電路形成部と、これらを互いに絶縁する絶縁部とからなり、片面に導電路形成部が突出した偏在型異方導電性シートからなる第2の異方導電性シート37,87を配置することにより、被検査回路基板側コネクター35,85とした。
なお、接続用配線板38,88と仲介ピン装置40,90との間に配置される第2の異方導電性シート37,87は、図8に示される形状であり、具体的には以下の構成のものを使用した。
〔第2の異方導電性シート〕
寸法:110mm×150mm
導電路形成部の厚み:0.6mm
導電路形成部の外径:0.35mm
導電路形成部の突出高さ:0.05mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;35μm、導電路形成部における導電性粒子の含有率;30体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;30
(W2/D2=17)
(5)仲介ピン装置40,90
支持板43,44(93,94)(厚さ6mm)の材料として、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上であるガラス繊維補強型エポキシ樹脂を用いた。
そして、2枚の支持板をその距離が52mmとなるように支柱で固定するとともに、以下の構成からなる導電ピン41(91)を上下へ移動自在となるように支持板の貫通孔に配置した。
〔導電ピン〕
材質:金メッキ処理を施した真鍮
先端部の寸法:外径0.35mm、全長6.7mm
中央部の寸法外径0.45mm、全長51mm
基端部の寸法:外径0.35mm、全長6.7mm
隣接検査ピン間離間距離:0.75mm
(6)テスター側コネクター45,95
テスター側コネクターを、図1に示したように、第3の異方導電性シート46(96)と、検査電極板47(97)と、ベース板49(99)とから構成した。なお、第3の異方導電性シートは、前述した第2の異方導電性シートと同様のものを用いた。
〔性能試験〕
(1)最低プレス圧力の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、検査装置に対して用意した評価用回路基板をセットして、レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力を100〜250kgfの範囲内において段階的に変化させ、各プレス圧力条件毎に各10回づつ、評価用回路基板の被検査電極について、電流供給用電極より検査用電極に1ミリアンペアの電流を供給したときの導通抵抗値を電圧測定電極にて測定した。
測定された導通抵抗値が100Ω以上となった検査点(以下、「NG検査点」という。)を導通不良と判定し、総検査点におけるNG検査点の割合(以下、「NG検査点割合」という。)を算出し、NG検査点割合が0.01%以下となった最も低いプレス圧力を最低プレス圧力とした。
この導通抵抗値の測定においては、一の導通抵抗値の測定が終了した後に、当該測定に係るプレス圧力を開放して検査装置を無加圧状態に戻し、次の導通抵抗値の測定は、再度、所定の大きさのプレス圧力を作用させることによって行った。
また、具体的に、NG検査点割合は、評価用回路基板の上面被検査電極数は3400点、下面被検査電極数は2500点であり、各プレス圧力条件において10回の測定を行ったことから、式(3400+2500)×10=59000によって算出される59000点の検査点に占める、NG検査点の割合を示す。
この場合、「最低プレス圧が小さい」とは、低いプレス圧力で被検査回路基板の電気的検査が行えることを意味している。検査装置においては、検査時の加圧力を低く設定できれば、検査時の加圧力による被検査回路基板および異方導電性シート並びに検査用回路基板の劣化が抑制できるばかりでなく、検査装置の構成部材として、耐久性強度の低い部品を使用することが可能となることから、検査装置の構造を小さくコンパクトにすることができ、その結果、検査装置の耐久性の向上、検査装置の製造のコスト削減が達成されるので好ましい。
試験結果を表1に示した。
(2)異方導電性シートの耐久性の測定
作成した検査装置をレール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」の検査部にセットし、当該検査装置に対して用意した評価用回路基板をセットして、レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」のプレス圧力条件を150kgfとし、所定回数の加圧を行った後、評価用回路基板の被検査電極について、プレス圧力150kgfの条件下にて、電流供給用電極より検査用電極に1ミリアンペアの電流を供給したときの導通抵抗値を電圧測定電極にて10回測定した。
測定された導通抵抗値が100Ω以上となった検査点(NG検査点)を導通不良と判定
し、総検査点におけるNG検査点の割合(NG検査点割合)を算出した。
次いで、検査装置における異方導電性シートを新しいものに交換し、プレス圧力条件を180kgfに変更したこと以外は上記と同様の条件によって所定回数の加圧を行い、その後、プレス圧力条件を180kgfとしたこと以外は上記と同様の手法によってNG検査点割合を算出した。
この異方導電性シートの耐久性に係る導通抵抗値を測定においては、一の導通抵抗値の測定が終了した後に、当該測定に係るプレス圧力を開放して検査装置を無加圧状態に戻し、次の導通抵抗値の測定は、再度、所定の大きさのプレス圧力を作用させることによって行った。
また、具体的に、NG検査点割合は、評価用回路基板の上面被検査電極数は3400点、下面被検査電極数は2500点であり、各プレス回数条件において10回の測定を行ったことから、式(3400+2500)×10=59000によって算出される59000点の検査点に占める、NG検査点の割合を示す。
この場合、検査装置においては、実用上、NG検査点割合が0.01%以下であることが必要とされており、NG検査点割合が0.01%を超える場合には、良品である被検査回路基板に対して不良品であるとの誤った検査結果が得られる場合があることから、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができなくなるおそれがある。
試験結果を表2に示した。
Figure 2005283571
Figure 2005283571
本発明の回路基板の検査装置の一例の構成を、検査対象回路基板と共に示す説明図である。 図1の回路基板の検査装置の一部を拡大して示す説明用断面図である。 図1の回路基板の検査装置の検査使用時の積層状態を示す説明用断面図である。 本発明の被検査回路基板側コネクターを構成する一例における接続用配線板の被検査回路基板側の表面を示す説明図平面図である。 図4の接続用配線板の仲介ピン側の表面を示す説明図平面図である。 図4および図5の接続用配線板のA−A' 断面図である。 本発明の第1の異方導電性シートの一例における構成を示す説明用断面図である。 本発明の第2の異方導電性シートおよび第3の異方導電性シートの一例における構成を示す説明用断面図である。 図1の回路基板の検査装置の仲介ピン装置を構成する検査ピンを示す説明用断面図である。 従来の回路基板の検査装置の一例の構成を、検査対象回路基板と共に示す説明図である。 図10のアダプター装置周辺拡大断面図である。 従来の回路基板の検査装置の他の例の構成を、検査対象回路基板と共に示す説明図である。
符号の説明
1 被検査回路基板
2 上面被検査電極
3 下面被検査電極
10 検査装置
11 上部側検査治具
12 下部側検査治具
20 第2の異方導電性シート
21 導電路形成部
22 絶縁部
23 突出部
25 第1の異方導電性シート
26 シート基材
35 上側被検査回路基板側コネクター
36 第1の異方導電性シート
37 第2の異方導電性シート
38 上側接続用配線板
40 上側仲介ピン装置
41 導電ピン
42 支柱
43 基端側支持板
44 先端側支持板
45 上側テスター側コネクター
46 第3の異方導電性シート
47 上側検査電極板
48 上側検査電極
49 上部側ベース板
50 テスター接続コネクター
85 下側被検査回路基板側コネクター
86 第1の異方導電性シート
87 第2の異方導電性シート
88 下側接続用配線板
89a 接続電極
89b 端子電極
90 下側仲介ピン装置
91 導電ピン
91A 先端部
91B 基端部
91C 中央部
92 支柱
93 基端側支持板
93H 貫通孔
94 先端側支持板
94H 貫通孔
95 下側テスター側コネクター
96 第3の異方導電性シート
97 下側検査電極板
98 下側検査電極
99 下部側ベース板
100 テスター接続コネクター
120 接続用配線板
121 絶縁性基板
122 接続電極
123 端子電極
124 パターン配線部
125 内部配線
131a 上部側アダプター装置
131b 下部側アダプター装置
132 ホルダー
133 位置決めピン
134 被検査回路基板
135,136 被検査電極
137 検査用回路基板
138 検査電極
139 接続電極
140 異方導電性シート
141 導電部
142 絶縁部
143 絶縁性エラストマー層
144a 上部側検査ヘッド
144b 下部側検査ヘッド
146a,146b 検査電極装置
148a,148b 検査電極
149a,149b 電線
150a,150b 支柱
151a,151b 異方導電性シート
152a 上部側支持板
152b 下部側支持板
153a,153b コネクター
161 被検査回路基板
162 搬送機構
163 一方の搬送部材
164 他方の搬送部材
165 一方のガイドレール
166 一方の搬送ベルト
167 他方のガイドレール
168 他方の搬送ベルト
169 下部側検査治具
170 被検査回路基板側コネクター
171 ピッチ変換ボード
172 第1の異方導電性シート
173 第2の異方導電性シート
174 位置決めピン
175 仲介ピン装置
176 導電ピン部材
177 基端側支持板
178 中央支持板
179 先端側支持板
180 スペーサー
181 テスター側コネクター装置
182 検査電極板装置
183 電極分岐分配板
184 第3の異方導電性シート
185 第4の異方導電性シート
186 コネクター
187 押圧板
188 導電ピン部材抑制機構
189 上部側検査治具
190 被検査回路基板側コネクター
191 第1の異方導電性シート
192 第2の異方導電性シート
193 ピッチ変換ボード
194 テスター側コネクター装置
195 第3の異方導電性シート
196 電極分岐分配板
197 第4の異方導電性シート
198 検査電極板装置
199 仲介ピン装置
200 導電ピン部材
201 基端側支持板
202 中央支持板
203 先端側支持板
204 コネクター
P 導電性粒子

Claims (5)

  1. 一対の上部側検査治具と下部側検査治具とにより被検査回路基板の両面を挟圧して電気的検査を行う回路基板の検査装置であって、
    上部側検査治具および下部側検査治具がそれぞれ、
    被検査回路基板の被検査電極に電気的に接続される複数の接続電極が一方の面に形成され、複数の端子電極が他方の面に形成された接続用配線板と、
    接続用配線板の被検査回路基板側の表面に配置される第1の異方導電性シートと、
    接続用配線板の被検査回路基板とは逆側の表面に配置される第2の異方導電性シートと、
    を備えた被検査回路基板側コネクターと、
    一定ピッチに配置された複数の導電ピンと、
    前記複数の導電ピンを上下へ移動可能に保持する絶縁性の支持板と、
    を備えた仲介ピン装置と、
    仲介ピン装置を介して被検査回路基板側コネクターをテスターへ電気的に接続する検査電極板と、
    検査電極板の仲介ピン装置側の表面に配置される第3の異方導電性シートと、
    検査電極板の仲介ピン装置とは逆の面側に配置されるベース板と、
    を備えたテスター側コネクターと、
    を備えることを特徴とする回路基板の検査装置。
  2. 前記第1の異方導電性シートが、導電性粒子が厚み方向に配列し面方向に分散した異方導電性シートであり、その厚みW1が0.03〜0.5mmであり、導電性粒子の数平均
    粒子径D1が3〜50μmであり、厚みW1と数平均粒子径D1との比W1/D1が1.1〜
    10であり、シート基体である絶縁性エラストマーのデュロメータ硬度が30〜90であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。
  3. 前記第2の異方導電性シートが、導電路形成部が絶縁部により離間された異方導電性シートであり、その導電路形成部の厚みW2が0.1〜2mmであり、導電性粒子の数平均
    粒子径D2が5〜200μmであり、厚みW2と数平均粒子径D2との比W2/D2が1.1
    〜20であり、シート基体である絶縁性エラストマーのデュロメータ硬度が15〜60であることを特徴とする請求項2に記載の回路基板の検査装置。
  4. 前記接続用配線板の接続電極が、被検査回路基板の被検査電極に対応する位置に配置され、前記接続用配線板の端子電極が、一定のピッチで配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の検査装置を用いて、上部側検査治具と下部側検査治具とにより被検査回路基板の両面を挟圧した状態で被検査回路基板の電気的検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。
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