JP2006047298A - 回路基板の検査装置および回路基板の検査方法 - Google Patents

回路基板の検査装置および回路基板の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査回路基板が微細ピッチの微小電極を有するものでも、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができ、異方導電性シートの位置ずれを補正する必要が少なく、検査作業を円滑に行うことができる回路基板の検査装置を提供する。
【解決手段】中継ピンユニット31が、中間保持板36と、第1の絶縁板34と中間保持板36との間に配置された第1の支持ピン33と、第2の絶縁板35と中間保持板36との間に配置された第2の支持ピン37とを備えるとともに、第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。第1の異方導電性シート22は、導電性粒子を厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートからなる。
【選択図】図17

Description

本発明は、電気検査を行う検査対象である回路基板(以下、「被検査回路基板」という。)を、一対の第1の検査治具と第2の検査治具で両面から挟圧することにより、被検査回路基板の両面に形成された電極をテスターに電気的に接続された状態として、被検査回路基板の電気的特性を検査する回路基板の検査装置および回路基板の検査方法に関する。
集積回路などを実装するためのプリント回路基板は、集積回路などを実装する前に、回路基板の配線パターンが所定の性能を有することを確認するために電気的特性が検査される。
この電気検査では、例えば、回路基板の搬送機構を備えた検査用テスターに検査ヘッドを組み込み、検査ヘッド部分を交換することにより異なる回路基板の検査を行っている。
例えば、特許文献1(特開平6−94768号公報)に開示されているように、被検査回路基板の被検査電極に接して電気的に導通する金属の検査ピンを基板に植設した構造の検査治具を用いる方法が提案されている。
また、特許文献2(特開平5−159821号公報)に開示されているように、導電ピンを有する検査ヘッドと、オフグリットアダプターと呼ばれるピッチ変換用の回路基板と、異方導電性シートとを組み合わせた検査治具を用いる方法が知られている。
しかしながら、特許文献1(特開平6−94768号公報)のように、金属検査ピンを直接に被検査回路基板の被検査電極に接触させる検査治具を用いる方法では、金属からなる導電ピンとの接触により被検査回路基板の電極が損傷する可能性がある。
特に、近年では回路基板における回路の微細化、高密度化が進み、このようなプリント回路基板を検査する場合、多数の導電ピンを被検査回路基板の被検査電極に同時に導通接触させるためには、高い圧力で検査治具を加圧することが必要となり、被検査電極が損傷し易くなる。
そして、このような微細化、高密度化されたプリント回路基板を検査するための検査治具では、高密度で多数の金属ピンを基板に植設することが技術的に困難になりつつある。また、その製造コストも高価となり、さらに、一部の金属ピンが損傷した場合に、修理、交換することが困難である。
一方、特許文献2(特開平5−159821号公報)のように、異方導電性シートを使用する検査治具では、被検査回路基板の被検査電極が、異方導電性シートを介してピッチ変換用基板の電極と接触することになるため、被検査回路基板の被検査電極が損傷しにくいという利点がある。また、ピッチ変換を行う基板を使用しているため、基板に植設する検査ピンを、被検査回路基板の被検査電極のピッチよりも広いピッチで植設することができるため、微細ピッチで検査ピンを植設する必要がなく、検査治具の製造コストを節約できるという利点もある。
しかしながら、この検査治具では、検査対象である被検査回路基板ごとに、ピッチ変換用基板と、検査ピンを植設する検査治具とを作成する必要があるため、検査される被検査回路基板であるプリント回路基板と同数の検査治具が必要となる。
このため、複数のプリント回路基板を生産している場合では、それに対応して複数の検査治具を保有しなければならないという問題がある。特に、近年では電子機器の製品サイクルが短縮し、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進んでいるが、これに伴って検査治具を長期間使用することができなくなり、プリント回路基板の生産が切り替わる度に検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
このような問題への対策として、例えば、特許文献3〜5(特開平7−248350号公報、特開平8−271569号公報、特開平8−338858号公報)のような、中継ピンユニットを用いる、いわゆるユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置が提案されている。
図24は、このようなユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置の断面図である。この検査装置は、上側検査治具111aと下側検査治具111bとを備え、これらの検査治具は、回路基板側コネクタ121a、121bと、中継ピンユニット131a、131bと、テスター側コネクタ141a、141bとを備えている。
回路基板側コネクタ121a、121bは、ピッチ変換用基板123a、123bと、その両面側に配置される異方導電性シート122a、122b、126a、126bとを有している。
中継ピンユニット131a、131bは、一定ピッチ(例えば2.54mmピッチ)で格子点上に多数(例えば5000ピン)配置された導電ピン132a、132bと、この導電ピン132a、132bを上下へ移動可能に支持する一対の絶縁板134a、134bとを有している。
テスター側コネクタ141a、141bは、被検査回路基板101を検査治具111a、111bで挟圧した際に、テスターと導電ピン132a、132bとを電気的に接続するコネクタ基板143a、143bと、コネクタ基板143a、143bの導電ピン132a、132b側に配置される異方導電性シート142a、142bと、ベース板146a、146bとを有している。
この中継ピンユニットを使用した検査治具は、異なる被検査対象であるプリント回路基板を検査する際に、回路基板側コネクタ121a、121bを被検査回路基板101に対応するものに交換するだけでよく、中継ピンユニット131a、131bとテスター側コネクタ141a、141bは共通で使用できる。
ところで、被検査回路基板101であるプリント配線基板は、多層高密度化してきており、実際には厚み方向に、例えば、BGAなどのハンダボール電極などの被検査電極102、103による高さバラツキや基板自体の反りが生じている。そのため、被検査回路基板101上の検査点である被検査電極102、103に電気的接続を達成するためには、上側検査治具111aと下側検査治具111bとを高い圧力で加圧して、被検査回路基板101を平坦に変形する必要がある。また、被検査電極102、103の高さバラツキに対しては、上側検査治具111aと下側検査治具111bの被検査電極102、103の高さに対する追従性が必要となる。
従来のこのようなユニバーサルタイプの検査治具では、被検査電極102、103の高さに対する追従性を確保するために、導電ピン132a、132bの軸方向移動により追従していたが、この導電ピン132a、132bの軸方向移動量にも限界があるため、このような被検査電極102、103の高さに対する追従性が良好でない場合があり、導通不良が発生して正確な検査ができないことになる。
また、このようなユニバーサルタイプの検査治具では、上側検査治具111aと下側検査治具111bによって、被検査回路基板101を挟圧した際のプレス圧力は、その上下の異方導電性シート122a、122b、126a、126b、142a、142bにて吸収している。
そのため、このようなユニバーサルタイプの検査治具では、ピッチ変換用基板123a、123bを支持しプレス圧を分散させるために、一定間隔で導電ピン132a、132bを配置する必要がある。
また、従来のユニバーサルタイプの検査治具では、プレス圧力は導電ピン132a、132bで受けるようになっているため、一定間隔で多数の導電ピン132a、132bを配置する必要がある。
このため、被検査回路基板101の電極の微細化に対応して、例えば、0.75mmピッチで1万以上の貫通孔を有する絶縁板134a、134bを形成する場合、絶縁板134a、134bの基板の厚さが薄いと強度が低くなり、曲げた時に割れることもあるので、絶縁板134a、134bの厚さは厚めにする必要があった。
しかしながら、形成する貫通孔の径が例えば直径0.5mm程度と微細になり、絶縁板134a、134bの厚さが5mm以上になると、一回のドリル加工で貫通孔を形成しようとする場合に、ドリルの刃の強度の関係で、ドリルの刃の欠損、折れが生じて絶縁板の加工に失敗する場合が多くなる。
このため、絶縁板の片面から厚みの半分程度までドリル加工し、さらに他面側から同一部分にドリル加工を行うことにより貫通孔を形成することによって絶縁板の加工を行っているが、この場合、絶縁板に形成する貫通孔数の2倍のドリル加工作業が必要となり、加工工程が煩雑となるという問題があった。
また、従来のこうしたユニバーサルタイプの検査治具では、回路基板側コネクタを構成する異方導電性シート122a、122bとして、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用していた。この異方導電性シートは検査での繰り返し使用により導電路形成部が劣化(抵抗値の上昇)し、異方導電性シートを交換する場合、交換の度に異方導電性シートとピッチ変換用基板との位置合わせ、および回路基板側コネクタと中継ピンユニットとの位置合わせが必要であり、この位置合わせ作業が煩雑で検査効率の低下の要因となっていた。
また、被検査回路基板の電極が、例えば200μm以下のような微少ピッチになると、上記のような異方導電性シートを用いて複数の被検査回路基板について検査を連続して行った場合、被検査回路基板と繰り返し接触することにより異方導電性シートの位置ずれが生じ易くなる。すると異方導電性シートの導電路形成部と被検査回路基板の電極位置とが一致しなくなり、良好な電気的接続が得られなくなるため過大な抵抗値が測定され、本来は良品と判断されるべきプリント回路基板が不良品と誤判断され易くなる。
一方、例えば特許文献6に記載されたような、異方導電性シートとピッチ変換用基板とが一体化したコネクタを使用すると、位置合わせは容易であるが、異方導電性シート部分が劣化した際にピッチ変換用基板ごと交換しなければならず、多数のピッチ変換用基板が必要となり検査コストが増大する。
特開平6−94768号公報 特開平5−159821号公報 特開平7−248350号公報 特開平8−271569号公報 特開平8−338858号公報 特開平6−82531号公報
本発明は、このような現状に鑑み、検査対象である被検査回路基板が、微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができる回路基板の検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、検査対象である被検査回路基板について、繰り返し連続検査を行う際に、異方導電性シートの位置ずれを補正する必要が少なく、複数の回路基板を連続的に検査する際にも検査作業を円滑に行うことができる回路基板の検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、検査対象である被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対しても、高さに対する追従性が良好で、導通不良が発生せず、正確な検査を実施することが可能な回路基板の検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、一定間隔で導電ピンを配置する必要がなく、そのため、導電ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することが可能な回路基板の検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、検査対象である被検査回路基板が、微細ピッチの微小電極を有するものであっても、被検査回路基板の電気的検査を、信頼性が高く実施することができる回路基板の検査装置を用いた検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、本発明の回路基板の検査装置は、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置される第1の異方導電性シートと、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板とは逆側に配置される第2の異方導電性シートと、
を備えた回路基板側コネクタと、
所定のピッチで配置された複数の導電ピンと、
前記導電ピンを軸方向に移動可能に支持する、一対の離間した第1の絶縁板と第2の絶縁板と、
を備えた中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シートと、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
を備えたテスター側コネクタとを備え、
前記中継ピンユニットが、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板と、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピンと、
前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピンと、
を備えるとともに、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されており、
前記第1の異方導電性シートは、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートからなり、その被検査回路基板に接する表面における表面粗さが0.5〜5μmであり、且つ、ピッチ変換用基板に接する表面における表面粗さが0.3μm以下であり、
前記ピッチ変換用基板は、その第1の異方導電性シートに接する表面における絶縁部の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴とする。
このように構成することによって、第1の検査治具と第2の検査治具との間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニットの導電ピンによる厚み方向への移動と、第1の異方導電性シートと、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮にて圧力を吸収して、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
そして、第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において、異なる位置に配置されているので、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、第1の異方導電性シートと、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニットの第1の絶縁板と、第2の絶縁板と、第1の絶縁板と第2の絶縁板の間に配置された中間保持板のバネ弾性により、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板の被検査電極の各々に対しても、安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、異方導電性シートの局部的な破損が抑制される。その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、第1の異方導電性シートとして導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に分散されたエラストマーシートを使用しているので、シート横方向へ多少位置ずれしたとしても、被検査回路基板と第1の異方導電性シートとの良好な電気的接続が確保される。
そして、その被検査回路基板側の接触面を特定の表面粗さを有する粗面としたことにより、被検査回路基板に対する加圧が解除された際における被検査回路基板と第1の異方導電性シートとの接触面積が小さいため、シート基材であるエラストマーの粘着性が抑制され、第1の異方導電性シートが被検査回路基板に接着することを防止または抑制することができる。
さらに、ピッチ変換用基板側の接触面を表面粗さが小さい平坦面とし、ピッチ変換用基板の表面の絶縁部における表面粗さを小さくしているため、ピッチ変換用基板と第1の異方導電性シートとの接触面積が大きくなる。このため、両者の密着性が高く、被検査回路基板に対する加圧が解除された後も、シート基材であるエラストマーの粘着性によって第
1の異方導電性シートがピッチ変換用基板に確実に保持される。したがって、第1の異方導電性シートがピッチ変換用基板から離脱することを防止することができる。このため、多数の被検査回路基板の電気検査を連続して行う場合であっても、検査作業を円滑に行うことができる。
また、ピッチ変換用基板と第1の異方導電性シートとが着脱可能な別体であるので、第1の異方導電性シートが劣化した場合には、それだけを新たなものに交換すればよく、検査コストを低減できる。
本発明の回路基板の検査装置は、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2の絶縁板の方向に撓むとともに、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板の方向に撓むように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて局部的な応力集中を回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制される。その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
本発明の回路基板の検査装置は、前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置が格子状に配置され、しかも、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置の格子点位置が全てずれた位置に配置されることになる。
従って、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向により撓むことになり、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板を加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができる。よって、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記中継ピンユニットが、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
隣接する中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
を備えるとともに、
少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制される。その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする。
これによって、隣接する中間保持板の間で、保持板支持ピンの中間保持板との当接支持位置がずれた位置に配置されるので、これらの複数個の中間保持板のバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制される。その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴としている。
また、本発明の回路基板の検査装置は、前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴としている。
このように、第2の異方導電性シートおよび第3の異方導電性シートとして、導電路形成部と絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用することにより、検査治具の押圧による加圧力や衝撃がこれらのシートで吸収され、これにより第1の異方導電性シートの劣化が抑制される。
本発明における一つの態様では、前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより、前
記導電ピンが軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。
本発明における他の態様では、前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。さらに、導電ピンとして円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピンおよびそれを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
本発明の回路基板の検査方法は、前述した回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする。
このように構成することによって、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
本発明によれば、検査対象である被検査回路基板が、微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことができる。
また、検査対象である被検査回路基板について、繰り返し連続検査を行う際に、異方導電性シートの位置ずれを補正する必要が少なく、複数の回路基板を連続的に検査する際にも検査作業を円滑に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。なお、以降の記述において、第1の検査治具と第2の検査治具における一対の同一の構成要素(例えば回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21b、第1の異方導電性シート22aと第1の異方導電性シート22bなど)を総称する場合には、記号「a」、「b」を省略することがある(例えば、第1の異方導電性シート22aと第1の異方導電性シート22bとを総称して「第1の異方導電性シート22」と記述することがある)。
図1は、本発明の検査装置の実施例を説明する断面図、図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図、図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図、図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。
この検査装置は、集積回路などを実装するためのプリント回路基板などの検査対象である被検査回路基板1において、被検査電極間の電気抵抗を測定することにより被検査回路基板の電気検査を行うものである。
そして、この検査装置には、図1および図2に示したように、被検査回路基板1の上面
側に配置される第1の検査治具11aと、下面側に配置される第2の検査治具11bとが
、上下に互いに対向するように配置されている。
第1の検査治具11aは、その両側に異方導電性シート22a、26aを備えた回路基板側コネクタ21aと、中継ピンユニット31aを備えている。また、第1の検査治具11aは、その中継ピンユニット31a側に第3の異方導電性シート42aが配置されるコネクタ基板43aと、ベース板46aからなるテスター側コネクタ41aを備えている。
第2の検査治具11bも、第1の検査治具11aと同様に構成され、その両側に異方導電性シート22b、26bを備えた回路基板側コネクタ21bと、中継ピンユニット31bを備えている。また、第2の検査治具11bは、その中継ピンユニット31b側に異方導電性シート42bが配置されるコネクタ基板43bと、ベース板46bからなるテスター側コネクタ41bとを備えている。
被検査回路基板1の上面には、被検査用の電極2が形成され、その下面にも被検査用の電極3が形成されており、これらは互いに電気的に接続されている。
回路基板側コネクタ21a,21bは、ピッチ変換用基板23a,23bと、その両側に配置される第1の異方導電性シート22a,22bおよび第2の異方導電性シート26a,26bを有している。
図3は、ピッチ変換用基板23の被検査回路基板1側の表面を示した図であり、図4は、その中継ピンユニット31側の表面を示した図である。
ピッチ変換用基板23の一方の表面、すなわち、被検査回路基板1側には、図3に示したように、被検査回路基板1の電極2、3に電気的に接続される複数の接続電極25が形成されている。これらの接続電極25は、被検査回路基板1の被検査電極2,3のパターンに対応するように配置されている。
一方、ピッチ変換用基板23の他方の表面、ずなわち、被検査回路基板1と反対側には、図4に示したように、中継ピンユニット31の導電ピン32a、32bに電気的に接続される複数の端子電極24が形成されている。これらの端子電極24は、例えば、ピッチが2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、そのピッチは中継ピンユニットの導電ピン32a、32bの配置ピッチと同一である。
図3のそれぞれの接続電極25は、配線52および絶縁基板51の厚み方向に貫通する内部配線53によって、対応する図4の端子電極24に電気的に接続されている。
第1の異方導電性シート22に接する図3で示した表面において、ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部の表面粗さは0.2μm以下、好ましくは0.001〜0.1μm、より好ましくは0.01〜0.03μmである。
なお、本明細書において「表面粗さ」とは、JIS B0601による中心線粗さRaをいう。
絶縁部表面における表面粗さが過大である場合、後述する第1の異方導電性シートに対する密着性が不充分となり、ピッチ変換用基板23からの第1の異方導電性シートの離脱を防止することが困難となる。
ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部は、例えば、図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように形成された絶縁層54で構成される。この絶縁層54の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜6
0μmである。この厚みが過小である場合、表面粗さが小さい絶縁層を形成することが困難となることがある。一方、この厚みが過大である場合、接続電極25と第1の異方導電性シートとの電気的接続が困難となることがある。
ピッチ変換用基板23の絶縁基板51を形成する材料としては、一般にプリント回路基板の基材として使用されるものを用いることができる。具体的には、例えばポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などを挙げることができる。
図7の絶縁層54、55の形成材料としては、薄膜状に成形可能な高分子材料を用いることができ、具体的には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、これらの混合物、レジスト材料などを挙げることができる。
ピッチ変換用基板23は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、平板状の絶縁基板の両面に金属薄層を積層した積層材料を用意し、この積層材料に対して、形成すべき端子電極に対応するパターンに対応して積層材料の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、数値制御型ドリリング装置、フォトエッチング処理、レーザー加工処理などにより形成する。
次いで、積層材料に形成された貫通孔内に無電解メッキおよび電解メッキを施すことによって、基板両面の金属薄層に連結されたバイアホールを形成する。その後、金属薄層に対してフォトエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に配線パターンおよび接続電極を形成するとともに、反対側の表面に端子電極を形成する。
そして、図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように絶縁層54を形成するとともに、反対側の表面に、それぞれの端子電極24が露出するように絶縁層55を形成することにより、ピッチ変換用基板23が得られる。なお、絶縁層55の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。
回路基板側コネクタを構成し、ピッチ変換用回路基板23と積層される第1の異方導電性シート22は、図5にも示したように、絶縁性の弾性高分子からなる基材シート61中に多数の導電性粒子62が面方向に分散されるとともに厚み方向に配列した状態で含有されている。
この第1の異方導電性シート22における被検査回路基板1と接触する側の表面63は、凹凸を有する粗面とされている。一方、そのピッチ変換用基板と接触する側の表面64は平坦面とされている。
被検査回路基板1と接触する側の粗面における表面粗さは0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmである。この表面粗さが過小である場合、この面における粘着性を充分に抑制することが困難となり、検査時に被検査回路基板1に引きずられて第1の異方導電性シート22が位置ずれしてしまったり、第1の異方導電性シート22が被検査回路基板1に貼り付いてピッチ変換用基板23から離脱してしまったりする。一方、表面粗さが過大である場合、被検査回路基板1に対して安定な電気的接続を行うことが困難となる。
第1の異方導電性シート22のピッチ変換用基板23と接触する側の表面における表面粗さは0.3μm以下、好ましくは0.005〜0.2μm、より好ましくは0.01〜0.1μmである。この表面粗さが過大である場合、ピッチ変換用基板23に対する第1の異方導電性シート22の密着性が不充分であるため、ピッチ変換用基板23からの第1
の異方導電性シート22の離脱を防止することが困難となる。
図5に示したように、第1の異方導電性シート22に含有された導電性粒子62は、その厚み方向に並ぶように配向し、複数の導電性粒子62による連鎖が厚み方向に延びるように配置されている。導電性粒子62による連鎖は、第1の異方導電性シート22の粗面側における凸部および凹部の位置と無関係に第1の異方導電性シート22の面方向に分散された状態で形成されている。
第1の異方導電性シート22の最小厚み(粗面63側の凹部から平坦面64までの厚み)は、好ましくは0.03〜0.3mm、より好ましくは0.05〜0.2mmである。この最小厚みが0.03mm未満である場合、第1の異方導電性シート22の機械的強度が低くなり易く、必要な耐久性が得られないことがある。この最小厚みが0.3mmを超える場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く、また接続する電極のピッチが小さい場合には、加圧により形成される導電路間で充分な絶縁性が得られないことがある。
第1の異方導電性シート22に用いられる弾性高分子基材(エラストマー)を得るために好ましく使用される硬化性の高分子材料としては、例えばポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
第1の異方導電性シート22に耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以下であることが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキ
シル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、例えばジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、例えば、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において加水分解および縮合反応させ、引続いて溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下でアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜調節することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、例えば、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下で加水分解お
よび縮合反応させ、引続いて溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、環状シロキサンを触媒の存在下でアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜調節することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
液状シリコーンゴムとしては、その硬化物の150℃における圧縮永久歪みが35%以下のものを用いることが、異方導電性シートの厚み方向に繰り返し圧縮させた際の耐久性が良好となる点から好ましく、この圧縮永久歪みは、より好ましくは20%以下である。
また、その硬化物の23℃における引き裂き強度が7kN/m以上の液状シリコーンゴムを用いることが、異方導電性シートの厚み方向に繰り返し圧縮させた際の耐久性が良好となる点から好ましく、この引き裂き強度は、より好ましくは10kN/m以上である。
ここで、液状シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みおよび引き裂き強度は、JIS K
6249に準拠した方法によって測定することができる。
第1の異方導電性シート22の基材である弾性高分子は、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。)が10000〜40000であることが好ましい。また、耐熱性の点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。)が2以下であることが好ましい。
弾性高分子基材を得るための上記した高分子材料中には、これを硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、例えば有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを挙げることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用可能な触媒としては、例えば塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、これを添加する高分子材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子材料100重量部に対して3〜15重量部である。
弾性高分子基材中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、第1の異方導電性シート22を得るための成形材料のチキソトロピー性が確保され、その粘度が高くなる。さらに、導電性粒子の分散安定性が向上するとともに、得られる第1の異方導電性シート22の強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、多量に使用すると、磁場により導電性粒子を充分に配向させることができなくなるため好ましくない。
また、シート成形材料の粘度は、温度25℃において100000〜1000000cpの範囲内であることが好ましい。
シート基材中に含有される導電性粒子としては、磁場を作用させることによって容易にシートの厚み方向に並ぶよう配向させることができる点から、磁性を示す導電性粒子が用いられる。このような導電性粒子としては、例えばニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属からなる粒子、これらの合金からなる粒子、これらの金属を含有する粒子、これらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性が良好な金属のメッキを施したもの、非磁性金属粒子またはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に導電性磁性体および導電性が良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
中でも、強磁性体からなる粒子、例えばニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に導電性が良好な金属、特に金のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する方法としては、例えば化学メッキ、電解メッキなどを挙げることができる。
導電性粒子として芯粒子の表面に導電性金属を被覆したものを用いる場合には、良好な導電性が得られる点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは3.5〜17重量%である。
導電性粒子の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
上記のような各条件を満足する導電性粒子を用いることにより、導電性粒子間に充分な電気的接触が得られる。
導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、シート基材である弾性高分子を形成する高分子材料中に容易に分散させることができる点から、球状、星形状あるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状であることが好ましい。
導電性粒子の含水率は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、弾性高分子基材を形成する高分子材料を硬化処理する際に気泡が生ずることが防止または抑制される。
導電性粒子として、その表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを用いてもよい。導電性粒子の表面をカップリング剤で処理することにより、導電性粒子と弾性高分子基材との接着性が高くなり、その結果、得られる異方導電性シートの繰り返し使用における耐久性が高くなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくはこの被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
第1の異方導電性シート中の導電性粒子の含有量は、シート厚み方向に充分に電気抵抗値の小さい導電路を形成するとともに、シートに必要な弾性を損なわないようにする点から、体積分率で好ましくは5〜30%、より好ましくは7〜27%、特に好ましくは10〜25%である。
シート厚み方向に並ぶ導電性粒子の数(厚み方向に導電路を形成するための導電性粒子の数)は3〜20個であることが好ましく、より好ましくは5〜15個である。この粒子数が3個以上である場合、第1の異方導電性シートの抵抗値のばらつきが小さくなる。この粒子数が20個以下である場合、第1の異方導電性シート22の圧縮時に、導電性粒子の連鎖による導電路の変形が大きくならず、抵抗値の上昇を生じることが少ない。
第1の異方導電性シートには、弾性高分子物質の絶縁性を損なわない範囲で帯電防止剤を含有させることができる。
このような帯電防止剤としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオシキエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン系帯電防止剤;
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤;
テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系帯電防止剤;
アルキルベタイン、イミダゾリン型両性化合物等の両性帯電防止剤などが挙げられる。
このような帯電防止剤を異方導電性シート中に含有させることにより、シート表面に電荷が蓄積されることが防止または抑制されるので、シートを回路基板の電気検査に使用する際に、検査時に異方導電性シートから電荷が放出されることによる不具合を防止することができるとともに、一層小さい加圧力で良好な導電性を得ることができる。これらの点から、第1の異方導電性シート22を形成する弾性高分子基材の体積固有抵抗が1×109〜1×1013Ω・cmとなるように帯電防止剤を含有させることが好ましい。
異方導電性シート22は、例えば次のようにして製造することができる。まず、硬化されて弾性高分子物質となる液状の高分子材料中に磁性導電性粒子を分散した流動性の成形材料を調製する。また、図20に示したように、非磁性シートからなる一対の成形部材93a,93bを用意する。そして、片方の成形部材93bの成形面上に、目的とする異方導電性シート22の平面形状に適合する形状の開口を有し、その厚みに対応する厚みを有する枠状のスペーサ94を配置する。調製した成形材料95をスペーサ94の開口内に塗
布し、この成形材料95の上に他方の成形部材93aをその成形面が成形材料95に接するよう配置する。
成形部材93a,93bとして使用する非磁性シートとしては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂シートを用いることができる。
図5および図7のように第1の異方導電性シート22の片面に粗面処理を施したものを作製する場合、図21に示したように、片方の成形部材93aの成形面には、目的とする異方導電性シート22の表面63における表面粗さに応じた粗面化処理が施される。例えば、サンドブラスト法、エッチング法などの方法により成形面に凹部99aおよび凸部99bが形成される。他方の成形部材93bには、その成形面が平坦面であるものが用いられる。
成形部材93a,93bのシート厚みは、好ましくは50〜500μm、より好ましくは75〜300μmである。この厚みが50μm未満である場合、成形部材として必要な強度が得られないことがある。この厚みが500μmを超える場合、導電性粒子を配列させる際に成形材料に所望の強度の磁場を作用させることが困難となることがある。
次に、図20に示したように、加圧ロール91および支持ロール92によって、成形材料95を挟んだ成形部材93a、93bを挟圧することにより、成形材料を所定の厚さとする。この状態では、図21に示したように、成形材料95の内部で導電性粒子62が均一に分散している。
次に、図22に示したように、成形部材93a,93bの裏面側に、例えば一対の電磁石98a,98bを配置して、成形材料95の厚み方向に平行磁場を作用させる。これにより、成形材料中に分散されている導電性粒子62が、図23に示したように、面方向に分散された状態を維持しながら厚み方向に並ぶよう配向し、厚み方向に延びる複数の導電性粒子62による連鎖が面方向に分散した状態で形成される。
この状態で成形材料を硬化することにより、弾性高分子基材中に導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向し、且つ面方向に分散された状態で含有された異方導電性シート22が製造される。
成形材料の硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行ってもよく、平行磁場の作用を停止させた後に行ってもよい。成形材料に作用させる平行磁場の強度は、平均で0.02〜1.5テスラとなる大きさが好ましい。
成形材料に平行磁場を作用させる手段として、電磁石の代わりに永久磁石を用いてもよい。永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場強度が得られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどからなるものが好ましい。
成形材料の硬化処理は、使用される材料にもよるが、通常は加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、高分子材料などの種類、導電性粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜設定される。
以上に説明した方法によれば、硬化処理した異方導電性シート自体に粗面化処理を施す必要がなく、異方導電性シートを簡易な工程で製造でき、さらに、後処理を施すことによる異方導電性シートへの悪影響を回避することができる。
また、成形部材として成形面が粗面化処理された非磁性体シートを用いているので、成形材料に対して面方向において均一な強度の磁場を作用させることができる。すなわち、
粗面化処理された成形面の凸部の位置に凹部の位置よりも大きい強度の磁場が形成されることがないため、凸部の位置に導電性粒子の連鎖が選択的に形成されることがなく、導電性粒子の連鎖は異方導電性シートの面方向に分散した状態で形成され、これにより、異方導電性シートの粗面における凸部の位置にも導電性粒子の連鎖が形成されることになる。このため、異方導電性シートの粗面における凸部のみが加圧された状態であっても、その厚み方向に導電性が得られる。したがって、小さい加圧力で高い導電性を示す異方導電性シートが得られる。また、成形部材として樹脂シートなどの非磁性シートを用いることにより、金型などの高価な成形部材を用いる場合に比べて製造コストを低減することができる。
ピッチ変換用基板の中継ピンユニット側に配置される第2の異方導電性シートは、図6に示したように、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子62が厚み方向に配列して形成された導電路形成部72と、それぞれの導電路形成部72を離間する絶縁部71から構成されている。このように、導電性粒子62は導電路形成部72中にのみ、面方向に不均一に分散されている。
導電路形成部の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mmである。この厚みが0.1mm未満である場合、厚み方向の加圧に対する吸収能力が低く、検査時において検査治具による加圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和する効果が減少する。このため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時における第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下する。一方、この厚みが2mmを超える場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く電気検査が困難となることがある。
絶縁部71の厚みは、導電路形成部72の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。図6に示したように、絶縁部71の厚みを導電路形成部72の厚みよりも小さくして導電路形成部72が絶縁部71より突出した突出部73を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部72の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大するため、検査時において検査治具の加圧力を吸収し、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和することができる。
第2の異方導電性シートを構成する導電性粒子に、磁性導電性粒子を使用する場合、その数平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。磁性導電性粒子の数平均粒子径が5μm以上であると、第2の異方導電性シートの導電路形成部の加圧変形が容易になる。また、その製造工程において磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易である。磁性導電性粒子の数平均粒子径が200μm以下であると、第2の異方導電性シートの導電路形成部の弾性が良好で加圧変形が容易になる。
導電路形成部の厚みW(μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒子径D(μm)との比率W/Dは1.1〜10であることが好ましい。
比率W/Dが1.1未満である場合、導電路形成部の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、導電路形成部の弾性が低くなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。検査時における検査治具の加圧圧力を吸収が小さくなり、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1の異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として被検査回路基板の繰り返し検査時において、第1の異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下し易くなる。
一方、比率W/Dが10を超える場合、導電路形成部に多数の導電性粒子が配列して連
鎖を形成することとなり、導電性粒子同士の接点が多数存在することになるため、電気的抵抗値が高くなり易い。
導電路形成部の基材である弾性高分子(エラストマー)は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが好ましくは15〜60、より好ましくは20〜50、さらに好ましくは25〜45である。
弾性高分子のデュロメータ硬さが過小である場合、厚み方向に押圧された際のシートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪が生じるためシート形状が早期に変形して検査時の電気的接続が困難となり易い。弾性高分子のデュロメータ硬さが過大である場合、厚み方向に押圧された際の変形が小さくなるため、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。
導電路形成部の基材となる弾性高分子としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、加工性および電気特性の点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
第2の異方導電性シートの絶縁部は、実質的に導電性粒子を含有しない絶縁材料により形成される。絶縁材料としては、例えば絶縁性の高分子材料、無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、導電路形成部に使用した弾性高分子と同一の材料を用いると生産が容易である。絶縁部の材料として弾性高分子を使用する場合、デュロメータ硬さが上記の範囲であるものを使用することが好ましい。
磁性導電性粒子としては、前述の第1の異方導電性シートに用いられる導電性粒子を用いることができる。また、第2の異方導電性シートは、図20および図22に示したような装置を用いて成形および導電性粒子の配向を行って製造することができる。
一方、テスター側コネクタ41a,41bは、図1に示したように、第3の異方導電性シート42a,42bとコネクタ基板43a,43bと、ベース板46a,46bとを備えている。第3の異方導電性シート42a,42bは、前述した第2の異方導電性シート26と同様のものが使用され、図6に示したような、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子が厚み方向に配列して形成された導電路形成部と、それぞれの導電路形成部を離間する絶縁部とから構成されている。
コネクタ基板43a,43bは、絶縁基板から構成され、その表面の中継ピンユニット31側に、図1および図2に示したようにピン側電極45a,45bが形成されている。
これらのピン側電極45は、一定ピッチ、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、その配置ピッチは中継ピンユニット31の導電ピン32の配置ピッチと同一である。
それぞれのピン側電極45は、絶縁基板の表面に形成された配線パターンおよびその内部に形成された内部配線によって、テスター側電極44a,44bに電気的に接続されている。
中継ピンユニット31は、図1、図2、図8(図8は、説明の便宜上、中継ピンユニット31aについて示している)、および図14〜図17に示したように、上下方向を向くように並列に、所定のピッチで設けられた多数の導電ピン32a,32bを備えている。また、中継ピンユニット31は、これらの導電ピン32a,32bの両端側に設けられ、導電ピン32a,32bを挿通支持する被検査回路基板1側に配置された第1の絶縁板3
4a,34bと、被検査回路基板1側とは反対側に配置された第2の絶縁板35a,35bの2枚の絶縁板を備えている。
導電ピン32は、例えば、図9に示したように、直径の大きい中央部82と、これよりも直径の小さい端部81a,81bとからなる。第1の絶縁板34と第2の絶縁板35には、導電ピン32の端部81が挿入される貫通孔83が形成されている。そして、貫通孔83の直径が、導電ピン32の端部81a,81bの直径よりも大きく、且つ中央部82の直径よりも小さく形成され、これにより導電ピン32が脱落しないように保持されている。
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35は、図1の第1の支持ピン33および第2の支持ピン37によって、これらの間隔が導電ピン32の中央部82の長さよりも長くなるように固定され、これにより導電ピン32が上下へ移動可能に保持されている。導電ピン32の端部81の長さは、絶縁板34の厚みよりも長くなるように形成され、これにより、少なくとも一方の絶縁板34から導電ピン32が突出するようになっている。
中継ピンユニットは、多数の導電ピンが、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmのピッチの格子点上に配置されている。
中継ピンユニット31の導電ピン32の配置ピッチと、ピッチ変換用基板23に設けられた端子電極24の配置ピッチとを同一とすることにより、導電ピン32を介してピッチ変換用基板23がテスター側に電気的に接続されるようになっている。
また、図1および図8に示したように、中継ピンユニット31には、第1の絶縁板34a,34bと、第2の絶縁板35a,35bとの間に、中間保持板36a、36bが配置されている。
そして、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間には、第1の支持ピン33a,33bが配置され、これによって、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間を固定している。
同様に、第2の絶縁板35a,35bと中間保持板36a,36bとの間には、第2の支持ピン37a,37bが配置され、これによって、第2の絶縁板35a,35bと中間保持板36a,36bとの間を固定している。
第1の支持ピン33と、第2の支持ピン37の材質としては、例えば、真鍮、ステンレスなどの金属が使用される。
なお、図8における第1の絶縁板34と中間保持板36との間の距離L1と、第2の絶縁板35と中間保持板36との間の距離L2としては、特に限定されるものではないが、後述するように、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の弾性による、被検査回路基板1の被検査電極2,3の高さバラツキの吸収性を考慮すれば、2mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上である。
そして、図8に示したように、第1の支持ピン33の中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37の中間保持板36に対する第2の当接支持位置38Bとは、検査装置を中間保持板の厚さ方向に(図1において上方から下方に向かって)投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されている。
この場合、異なる位置としては、特に限定されるものではないが、第1の当接支持位置
38Aと、第2の当接支持位置38Bは、図13に示したように、中間保持板投影面A上において格子上に形成されていることが好ましい。
具体的には、図13に示したように、中間保持板投影面A上において、隣接する4個の第1の当接支持位置38Aからなる単位格子領域R1に、1個の第2の当接支持位置38Bが配置される。また、中間保持板投影面Aにおいて、隣接する4個の第2の当接支持位置38Bからなる単位格子領域R2に、1個の第1の当接支持位置38Aが配置される。なお、図13では、第1の当接支持位置38Aを黒丸、第2の当接支持位置群38Bを白丸で示している。
なお、ここでは、第1の当接支持位置38Aの単位格子領域R1の対角線Q1の中央に、1個の第2の当接支持位置38Bを配置するとともに、第2の当接支持位置38Bの単位格子領域R2の対角線Q2の中央に、1個の第1の当接支持位置38Aを配置している。しかしながら、これらの相対的な位置は、特に限定されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。すなわち、格子状に配置されない場合には、このような相対位置関係に拘束されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。
また、この場合、互いに隣接する第1の当接支持位置38Aの間の離間距離、第2の当接支持位置38Bの間の離間距離は、好ましくは10〜100mm、より好ましくは12〜70mm、特に好ましくは15〜50mmである。
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の形成材料には、可撓性を有するものが用いられる。これらの板の可撓性は、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の両端部を、それぞれ10cm間隔で支持した状態で水平に配置した場合において、上方から50kgfの圧力で加圧することによって生ずる撓みが、これらの絶縁板の幅の0.02%以下であり、かつ上方から200kgfの圧力で加圧することによっても破壊および永久変形が生じない程度であることが好ましい。
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の材料としては、具体的には、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、例えばポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポチエチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチック・ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエチルケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の機械的強度の高い樹脂材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリエステル樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強フェノール樹脂、ガラス繊維補強型フッ素樹脂等のガラス繊維型複合樹脂材料、カーボン繊維補強型エポキシ樹脂、カーボン繊維補強型ポリエステル樹脂、カーボン繊維補強型ポリイミド樹脂、カーボン繊維補強型フェノール樹脂、カーボン繊維補強型フッ素樹脂等のカーボン繊維型複合樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にシリカ、アルミナ、ボロンナイトライド等の無機材料を充填した複合樹脂材料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にメッシュを含有した複合樹脂材料などが挙げられる。また、これらの材料からなる板材を複数積層して構成された複合板材等も用いることができる。
第1の絶縁板34、中間保持板36、および第2の絶縁板35の厚みは、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35を構成する材料の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜10mmである。例えば、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなり、その厚みが2〜5mmであるものを使用することができる。
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に導電ピン32を移動可能に支持する方法としては、図9に示した方法の他に、図10〜図12に示した方法を挙げることができる。この例では、導電ピン32として図示したように、この例では第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、屈曲保持板84が設けられている。屈曲保持板84としては、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35と同様の絶縁材料で作製したものを用いることができる。
また、導電ピン32として、円柱形状である金属ピンを用いている。
図10に示したように、屈曲保持板84には導電ピン32が挿通される貫通孔85が形成されている。導電ピン32は、第1の絶縁板34に形成された貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84に形成された貫通孔85とを支点として、互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持されている。
なお、中間保持板36には、導電ピン32と接触しない程度に径を大きくした貫通孔86が形成され、この貫通孔86に導電ピン32が挿通されている。
導電ピン32は、図11(a)〜図11(c)に示した手順で第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に支持される。図11(a)に示したように、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とが軸方向に位置合わせされた位置に屈曲保持板84を配置する。
次に、図11(b)に示したように、導電ピン32を、第1の絶縁板34の貫通孔83aから屈曲保持板84の貫通孔85を通して第2の絶縁板35の貫通孔83bまで挿入する。
次に、図11(c)に示したように、屈曲保持板84を、導電ピン32の軸方向と垂直な横方向(水平方向)に移動し、適宜の手段によって屈曲保持板84の位置を固定する。これによって、導電ピン32は、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持される。
このように構成することで、導電ピン32が、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、軸方向へ移動可能に、且つ脱落しないように保持することができるとともに、導電ピン32として円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピン32およびそれを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
なお、屈曲保持板84が配置される位置は、第1の絶縁板34と中間保持板36との間であってもよい。
また、それぞれの中継ピンユニット32a,32bに、屈曲保持板84を2枚以上設けてもよい。中継ピンユニット31には多数の導電ピン32が配置されているので、1枚の屈曲保持板84だけでは全ての導電ピン32を保持し切れず、一部の導電ピン32が脱落してしまう場合もある。こうした場合に、屈曲保持板84を2枚以上設けることにより導電ピン32の保持能力が向上し、確実に全ての導電ピンを保持することができる。
屈曲保持板84を2枚以上設ける場合、第1の絶縁板34と中間保持板36との間、あるいは第2の絶縁板35と中間保持板36との間のいずれか一方に、複数の屈曲保持板84を配置することができる。あるいは、第1の絶縁板34と中間保持板36との間、および第2の絶縁板35と中間保持板36との間の両方の位置に屈曲保持板84を配置しても
よい。
このように構成された本実施例の検査装置では、図2に示したように、被検査回路基板1の電極2および電極3が、第1の異方導電性シート22a,22b、ピッチ変換用基板23a,23b、第2の異方導電性シート26a,26b、導電ピン32a,32b、第3の異方導電性シート42a,42b、コネクタ基板43a,43bを介して、最外側に配置されたベース板46a,46bをテスターの加圧機構により規定の圧力で押圧することによってテスター(図示せず)に電気的に接続され、被検査回路基板1の電極間における電気抵抗測定などの電気検査が行われる。
測定時に被検査回路基板に対して上側および下側の第1の検査治具11a,第2の検査治具11bから押圧する圧力は、例えば、100〜250kgfである。
以下、図14〜図17を参照しながら(便宜的に、第2の検査治具11bのみ示す)、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で被検査回路基板1の両面を挟圧した際における圧力吸収作用および圧力分散作用について説明する。
図15に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1の両面を挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニット31の導電ピン32の厚み方向への移動と、第1の異方導電性シート22と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮により圧力を吸収して、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
そして、第1の支持ピンと中間保持板との第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンと中間保持板との第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されているので、図16の矢印で示したように、上下方向に力が作用し、図17に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、第1の異方導電性シート22と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニット31の第1の絶縁板34と、第2の絶縁板35と、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35の間に配置された中間保持板36のバネ弾性により、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
すなわち、図16および図17に示したように、第1の支持ピン33と中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aを中心として、中間保持板36が、第2の絶縁板35の方向に撓むとともに(図17の一点鎖線で囲んだEの部分参照)、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bを中心として、中間保持板36が、第1の絶縁板34の方向に撓むことになる(図17の一点鎖線で囲んだDの部分参照)。なお、ここで「撓む」および「撓み方向」とは中間保持板36が凸状になる方向に突出するように撓むことおよびその突出方向を言う。
このように、中間保持板36が、第1の当接支持位置38A、第2の当接支持位置38Bを中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、中間保持板36のバネ弾性力が発揮されることになる。
また、図17の一点鎖線で囲んだB部分で示したように、第2の異方導電性シート26の導電路形成部の突出部の圧縮によって、導電ピン32bの高さが吸収されるが、この突出部の圧縮よって吸収しきれない圧力が、第1の絶縁板34bに加わることになる。
したがって、図17の一点鎖線で囲んだC部分で示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35も、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37との当接位置で、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35のバネ弾性力が発揮されることになる。
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板1の被検査電極のそれぞれに対して安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、第1の異方導電性シート22の局部的な破損が抑制される。その結果、第1の異方導電性シート22の繰り返し使用耐久性が向上するので、その交換回数が減り、検査作業効率が向上することになる。
図18は、本発明の検査装置の他の実施形態を説明する図14と同様な断面図(便宜的に第2の検査治具のみ示している)、図19は、その中継ピンユニットの拡大断面図である。この検査装置は、図1に示した検査装置と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付している。この検査装置では、図18および図19に示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、複数個(本実施形態では3個)の中間保持板36が所定間隔離間して配置されるとともに、これらの隣接する中間保持板36同士の間に、保持板支持ピン39が配置されている。
この場合、少なくとも1つの中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることが必要である。
最も好ましくは、全ての中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置される。
この場合、詳述しないが、「異なる位置」とは、前述した実施形態において、第1の支持ピン33と中間保持板36との第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bとの間の関係で説明した相対位置と同様な配置とすることが可能である。
本実施形態では、3つの中間保持板36bのうち上側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
また、3つの中間保持板36bのうち中央の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
また、3つの中間保持板36bのうち下側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第2の支持ピン37bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Bとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板36によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、異方導電性シートの局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、異方導電性シートの交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
なお、中間保持板36の個数としては、複数個であればよく、特に限定されるものではない。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更および修正が可能である。
例えば、被検査回路基板1は、プリント回路基板以外に、パッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよい。また、プリント回路基板は、両面プリント回路基板だけではなく片面プリント回路基板であってもよい。
第1の検査治具11aと第2の検査治具11bは、使用材料、部材構造などにおいて必ずしも同一である必要はなく、これらが異なるものであってもよい。
テスター側コネクタは、コネクタ基板のような回路基板と異方導電性シートを複数積層して構成してもよい。
上記の実施例では、第2の異方導電性シート26および第3の異方導電性シート42として、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出しているものを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
また、図1、図2、図14、図15、図17および図18に示したように、テスター側コネクタ41におけるコネクタ基板43とベース板46との間に、支持ピン49を配置してもよい。これらの支持ピン49によって、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37(図18では第1の支持ピン33、第2の支持ピン37および保持板支持ピン39)が与える作用と同様にして、面圧を分散させる作用を与えることも可能である。この面圧分散作用を与えるためには、支持ピン49の位置と、第2の支持ピン37の位置とが面方向において互いに異なるようにこれらを配置することが好ましい。
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。
[実施例1]
レール搬送型回路基板自動検査機(日本電産リード社製,品名:STARREC V5)の検査部に適合する、図1に示したような、下記の評価用回路基板を検査するための回路基板検査装置を作製した。
(1)評価用回路基板1
下記の仕様の評価用回路基板1を用意した。
寸法:100mm(縦)×100mm(横)×0.8mm(厚み)
上面側の被検査電極の数:7312個
上面側の被検査電極の径:0.3mm
上面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
下面側の被検査電極の数:3784
下面側の被検査電極の径:0.3mm
下面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
(2)第1の異方導電性シート22
二液型の付加型液状シリコーンゴムのA液とB液とを等量となる割合で混合した。この混合物100重量部に平均粒子径が20μmの導電性粒子100重量部を添加して混合した後、減圧による脱泡処理を行うことにより、成形材料を調製した。
付加型液状シリコーンゴムとして、A液およびB液の粘度がそれぞれ500Pで、その硬化物の150℃における圧縮永久歪(JIS K 6249に準拠した測定方法による)が6%、23℃における引き裂き強度(JIS K 6249に準拠した測定方法による)が25kN/mのものを用いた。
導電性粒子として、ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に無電解金メッキを施したもの(平均被覆量:芯粒子の重量の5重量%となる量)を用いた。
一方の成形部材の成形面に、120mm×200mmの矩形の開口を有する、厚みが0.08mmの枠状のスペーサを配置した後、スペーサの開口内に、調製した成形材料を塗布し、この成形材料上に他方の成形部材をその成形面が成形材料に接するよう配置した。
一方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その非光沢面(表面粗さが1μm)を成形面として使用し、他方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その光沢面(表面粗さが0.04μm)を成形面として使用した。
次いで、加圧ロールおよび支持ロールからなる加圧ロール装置を用い、これらの成形部材によって成形材料を挟圧し、成形材料の厚みを0.08mmとした。
各成形部材の裏面に電磁石を配置し、成形材料に対してその厚み方向に0.3Tの平行磁場を作用させながら、120℃、30分間の条件で成形材料の硬化処理を行うことにより、厚みが0.1mmの矩形の異方導電性シートを製造した。
得られた異方導電性シートは、その一面における表面粗さが1.4μmで、他面における表面粗さが0.12μmであり、導電性粒子の割合が体積分率で12%であった。この異方導電性エラストマーシートを「異方導電性シート(a)」とする。
(3)ピッチ変換用基板23
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製,品名:R−1766)に、数値制御型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.2mmの円形の貫通孔を合計で7312個形成した。
次いで、貫通孔が形成された積層材料に対して、EDTAタイプ銅メッキ液を用いて無電解メッキ処理を施すことにより、各貫通孔の内壁に銅メッキ層を形成し、さらに、硫酸銅メッキ液を用いて電解銅メッキ処理を施すことにより、各貫通孔内に、積層材料表面の各金属薄層を互いに電気的に接続する、厚さ約10μmの円筒状のバイアホールを形成した。
次いで、積層材料表面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成するとともに、この積層材料の他面側の金属薄層上に保護シールを配置した。このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、エッチング用のレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンを形成した面の金属薄層に対してエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に、直径200μmの7312個の接続電極と、各接続電極とバイアホールとを電気的に接続する線幅が100μmのパターン配線部を形成し、次いで、レジストパターンを除去した。
接続電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の表面に、厚みが25μmのドライフィルムソルダーレジスト(日立化成製、品名:SR−2300G)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置して、絶縁層に対して平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、それぞれの接続電極を露出する、直径200μmの7312個の開口を形成した。硫酸銅メッキ液を用い、積層材料の他面側の金属薄層を共通電極として用い、それぞれの接続電極に対して電解銅メッキ処理を施すことにより、絶縁層の表面から突出する7312個の接続電極を形成した。
次いで、積層材料の他面側の金属薄層上の保護シールを除去し、この面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成した。その後、このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、積層材料における金属薄層上にエッチング用のレジストパターンを形成した。次いでエッチング処理を施すことにより、絶縁性基板の裏面に7312個の端子電極と、各端子電極とバイアホールとを電気的に接続するパターン配線部を形成し、レジストパターンを除去した。
次いで、端子電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の裏面に、厚みが38μmのドライフィルムソルダーレジスト(ニチゴーモートン製、品名:コンフォマスク2015)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置し、次いで、絶縁層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理することにより、電極を露出する直径0.4mmの開口を7312個形成した。
以上のようにして、第1の検査治具11a用のピッチ変換用基板23aを作製した。このピッチ変換用基板23aは、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極の絶縁層表面から露出した部分の直径が約300μm、接続電極の絶縁層表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、接続電極が形成された面側の絶縁層の表面粗さが0.02μmであった。
また、上記と同様にして、表面に3784個の接続電極を有すると共に裏面に3784個の端子電極を有する、第2の検査治具11b用のピッチ変換用基板23bを作製した。このピッチ変換用基板23bは、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極における絶縁層の表面に露出した部分の直径が約300μm、接続電極における絶縁層の表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.75mmであり、表面(接続電極が形成された面)側の絶縁層の表面粗さが0.02μmのものである。
(4)回路基板側コネクタ21
このピッチ変換用基板23の表面側に、上記の第1の異方導電性シート22を配置し、裏面側に、厚み方向に延びる多数の導電路形成部と、これらを互いに絶縁する絶縁部とからなり、片面に導電路形成部が突出した偏在型異方導電性シートからなる第2の異方導電性シート26を配置することにより、回路基板側コネクタ21とした。
なお、ピッチ変換用基板23と中継ピンユニット31との間に配置される第2の異方導電性シート26は、図6に示される形状であり、具体的には以下の構成のものを使用した。
〔第2の異方導電性シート26〕
寸法:110mm×150mm
導電路形成部の厚み:0.6mm
導電路形成部の外径:0.35mm
導電路形成部の突出高さ:0.05mm
導電性粒子:材質;金メッキ処理を施したニッケル粒子、平均粒子径;35μm、導電路形成部における導電性粒子の含有率;30体積%
弾性高分子物質:材質;シリコーンゴム、硬度;30
(W2/D2=17)
(5)中継ピンユニット31
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の材料として、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなり、その厚みが1.9mmのものを用いた。
そして、第1の絶縁板34と中間保持板36との間の距離L1が、36.3mm、第2の絶縁板35と中間保持板36との間の距離L2が、3mmとなるように、第1の支持ピ
ン33(直径2mm、長さ36.3mm)と、第2の支持ピン37(直径2mm、長さ3mm)によって固定支持するようにするとともに、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35
との間に、下記の構成からなる導電ピン32を移動自在となるように貫通孔83(直径0.4mm)に配置して作製した。
〔導電ピン〕
材質:金メッキ処理を施した真鍮
先端部81aの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
中央部32の寸法外径0.45mm、全長41mm
基端部81bの寸法:外径0.35mm、全長2.1mm
なお、この場合、第1の支持ピン33の中間保持板36との第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37の中間保持板36との第2の当接支持位置38Bは、図13に示したように、格子状に配置した。なお、互いに隣接する第1の当接支持位置38Aの間の
離間距離、第2の当接支持位置38Bの間の離間距離を、17.5mmとした。
(6)テスター側コネクタ41
テスター側コネクタ41として、図1に示したように、第3の異方導電性シート42とコネクタ基板43と、ベース板46とから構成した。なお、第3の異方導電性シート42は、前述した第2の異方導電性シート26と同様のものを用いた。
<性能評価>
レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」(日本電産リード社製)に検査装置を装着し、下記の方法により、接続安定性試験および異方導電性シートの剥離試験を行った。
1.接続安定性試験
検査装置に上記の評価用回路基板を搬送させてセットし、所定のプレス荷重で評価用回路基板に対して加圧した。この状態で、2つのコネクタの接続電極と電気的に接続された評価用回路基板に1ミリアンペアの電流を印加した際の電気抵抗値を測定し、次いで評価
用回路基板に対する加圧を解除した。
この操作を10回行い、測定された電気抵抗値が100Ω以上となった検査点(NG検査点)を導通不良と判定し、総検査点数(評価用回路基板の上面側の被検査電極の総数)に対するNG検査点数の割合(NG検査点割合)を算出した。このNG検査点割合を求める工程を、プレス荷重を100〜210kgfの範囲内において段階的に変更して行うことにより、NG検査点割合が0.01%未満となる最小のプレス荷重(接続可能荷重)を測定した。
回路基板の検査装置では、実用上、NG検査点割合が0.01%未満であることが必要とされている。NG検査点割合が0.01%以上である場合、良品である被検査回路基板を不良品であると判定するおそれがあるため、信頼性の高い回路基板の電気検査を行うことができない。
接続可能荷重は、その値が小さい程接続安定性が高いことを示す。接続可能荷重が小さい程、小さい加圧力で被検査回路基板の電気検査を行うことができるため、検査時の加圧力による被検査回路基板、異方導電性シートおよびピッチ変換用基板などの構成部材の劣化を抑制することができる。測定結果を表1に示した。
2.剥離性試験
検査装置に上記の評価用回路基板を搬送させてセットし、130kgfのプレス荷重で評価用回路基板に対して加圧した。この状態で、2つのコネクタの接続電極と電気的に接続された評価用回路基板に1ミリアンペアの電流を印加した際の電気抵抗値を測定し、次いで評価用回路基板に対する加圧を解除した。この操作を10回行った後、評価用回路基板を検査装置の検査領域から搬送した。
上記の工程を100枚の評価用回路基板について行い、評価用回路基板を検査装置の検査領域から搬送した際に、異方導電性シート(a)がピッチ変換用基板から離脱して評価用回路基板に接着していた回数(搬送エラー回数)を測定した。測定結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で作製した検査装置において、異方導電性エラストマーシート(a)の代わりに下記の異方導電性エラストマーシート(b)を用いて検査装置を構成し、実施例1と同様にして接続安定性試験および剥離性試験を行った。測定結果を表1に示した。
一方の成形部材の成形面に、120mm×200mmの矩形の開口を有し、厚みが0.08mmである枠状のスペーサを配置した後、スペーサの開口内に、実施例1と同様にして調製した成形材料を塗布し、この成形材料上に他方の成形部材を、その成形面が成形材料に接するよう配置した。
両方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その光沢面(表面粗さが0.04μm)を成形面として使用した。
次いで、加圧ロールおよび支持ロールよりなる加圧ロール装置を用い、各成形部材によって成形材料を挟圧することにより、厚み0.08mmの成形材料層を形成した。各成形部材の裏面に電磁石を配置し、成形材料層に対してその厚み方向に0.3Tの平行磁場を作用させながら、120℃で30分間成形材料層の硬化処理を行うことにより、厚み0.1mmの矩形の異方導電性シートを作製した。
得られた異方導電性シート(b)は、一方の表面における表面粗さが0.13μm、他
方の表面における表面粗さが0.12μmであり、導電性粒子の割合が体積分率で12%であった。
Figure 2006047298
図1は、本発明の検査装置の実施例を説明する断面図である。 図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図である。 図3は、ピッチ変換用基板の被検査回路基板側の表面を示した図である。 図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。 図5は、第1の異方導電性シートの部分断面図である。 図6は、第2の異方導電性シートの部分断面図である。 図7は、第1の異方導電性シートをピッチ変換用基板に積層した状態を示した断面図である。 図8は、中継ピンユニットの断面図である。 図9は、中継ピンユニットの導電ピン、中間保持板および絶縁板の一部を示した断面図である。 図10は、中継ピンユニットの構成における他の例を示した図9と同様の断面図である。 図11は、図10の構成において第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に導電ピンを配置するまでの工程を示した断面図である。 図12は、屈曲保持板を配置した中継ピンユニットの断面図である。 図13は、中継ピンユニットの中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面の部分拡大図である。 図14は、本発明の検査装置の実施例を説明する部分拡大断面図である。 図15は、本発明の検査装置の実施例の使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図16は、本発明の検査装置の中継ピンユニットの使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図17は、本発明の検査装置の実施例の使用状態を説明する部分拡大断面図である。 図18は、本発明の検査装置の別の実施例を説明する図14と同様な断面図である。 図19は、図18の実施例における中継ピンユニットの拡大断面図である。 図20は、第1の異方導電性シートの製造工程を説明する図である。 図21は、成形部材内部の導電性粒子の分布状態を示した図である。 図22は、第1の異方導電性シートの製造工程を説明する図である。 図23は、磁場を作用した後の導電性粒子の分布状態を示した図である。 図24は、従来における回路基板の検査装置の断面図である。
符号の説明
1 被検査回路基板
2 被検査電極
3 被検査電極
11a 第1の検査治具
11b 第2の検査治具
21a,21b 回路基板側コネクタ
22a,22b 第1の異方導電性シート
23a,23b ピッチ変換用基板
24a,24b 端子電極
25a,25b 接続電極
26a,26b 第2の異方導電性シート
31a,31b 中継ピンユニット
32a,32b 導電ピン
33a,33b 第1の支持ピン
34a,34b 第1の絶縁板
35a,35b 第2の絶縁板
36a,36b 中間保持板
37a,37b 第2の支持ピン
38A 第1の当接支持位置
38B 第2の当接支持位置
39 保持板支持ピン
39A 当接支持位置
41a,41b テスター側コネクタ
42a,42b 第3の異方導電性シート
43a,43b コネクタ基板
44a,44b テスター側電極
45a,45b ピン側電極
46a,46b ベース板
49a,49b 支持ピン
51 絶縁基板
52 配線
53 内部配線
54 絶縁層
55 絶縁層
61 シート基材
62 導電性粒子
63 表面
64 裏面
71 絶縁部
72 導電路形成部
73 突出部
81a,81b 端部
82 中央部
83,83a,83b貫通孔
84 屈曲保持板
85 貫通孔
86 貫通孔
91 加圧ロール
92 支持ロール
93a,b 成型部材
94 スペーサ
95 成型材料
96 上部表面
97 下部表面
98a,b 電磁石
99a 凹部
99b 凸部
101 被検査回路基板
102 被検査電極
103 被検査電極
111a 第1の検査治具
111b 第2の検査治具
121a、121b 回路基板側コネクタ
122a,122b 第1の異方導電性シート
123a,123b ピッチ変換用基板
124a,124b 端子電極
125a,125b 接続電極
126a,126b 第2の異方導電性シート
131a,131b 中継ピンユニット
132a,132b 導電ピン
133a,133b 支持ピン
134a,134b 絶縁板
141a,141b テスター側コネクタ
142a,142b 第3の異方導電性シート
143a,143b コネクタ基板
144a,144b テスター側電極
145a,145b ピン側電極
146a,146b ベース板
A 中間保持板投影面
L1 距離
L2 距離
Q1 対角線
Q2 対角線
R1 単位格子領域
R2 単位格子領域

Claims (10)

  1. 一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
    前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
    基板の一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、
    前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置される第1の異方導電性シートと、
    前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板とは逆側に配置される第2の異方導電性シートと、
    を備えた回路基板側コネクタと、
    所定のピッチで配置された複数の導電ピンと、
    前記導電ピンを軸方向に移動可能に支持する、一対の離間した第1の絶縁板と第2の絶縁板と、
    を備えた中継ピンユニットと、
    テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、
    前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シートと、
    前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板と、
    を備えたテスター側コネクタとを備え、
    前記中継ピンユニットが、
    前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板と、
    前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピンと、
    前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピンと、
    を備えるとともに、
    前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されており、
    前記第1の異方導電性シートは、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートからなり、その被検査回路基板に接する表面における表面粗さが0.5〜5μmであり、且つ、ピッチ変換用基板に接する表面における表面粗さが0.3μm以下であり、
    前記ピッチ変換用基板は、その第1の異方導電性シートに接する表面における絶縁部の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴とする回路基板の検査装置。
  2. 一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
    前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2の絶縁板の方向に撓むとともに、
    前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板の方向に撓むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。
  3. 前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
    前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
    前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
    前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。
  4. 前記中継ピンユニットが、
    前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
    隣接する中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
    を備えるとともに、
    少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。
  5. 全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の回路基板の検査装置。
  6. 前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  7. 前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  8. 前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
    前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  9. 前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
    前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
    一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。
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