JP4630890B2 - 車両用クリップ - Google Patents
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Description
このようにクリップの頭部で内装部材を押さえ込みつつ、クリップの先端部を車体側の固定部材に押し込み固定する場合、車体に対する組み付けが比較的容易になるものの、組み付け時にクリップの頭部に大きな押圧荷重を加えるために専用の治具を用いる必要が生じる。このため、組み付け作業の容易化を図るうえでは未だ改善の余地が残っている。
この発明の場合、車体取付部品を車体に取り付けるときには、クリップ本体の基端部の開口に本体支持部材を半挿入した状態において、本体支持部材を設定方向に一定角度回転させる。このとき、クリップ本体と本体支持部材は軸方向連結手段によって軸方向で係合して仮組付け状態とされる。次に、クリップ本体の先端部側を車体取付部品の貫通孔に挿入した状態において、本体支持部材に荷重を加えてクリップ本体の先端部側を車体側の固定部材に押し込み固定する。この後、本体支持部材を設定方向と逆向きに回転させることによって軸方向連結手段による本体支持部材とクリップ本体の係合を解除するが、このとき、本体支持部材の設定方向側への回転が回転規制手段によって規制されているため、本体支持部材は誤って設定方向にさらに回転操作されることはない。こうして、本体支持部材が初期の回転姿勢に戻された後には、本体支持部材をクリップ本体の開口に完全に挿入する。これにより、本体支持部材がクリップ本体から突出しなくなるとともに、本体支持部材がクリップ本体を内側から支持してクリップ本体の変形等を規制するようになる。
この発明の場合、車体取付部品を車体に取り付けるときには、クリップ本体の基端部の開口に本体支持部材を半挿入した状態において、本体支持部材を設定方向に一定角度回転させ、クリップ本体と本体支持部材とを軸方向連結手段によって軸方向で係合する。このとき、軸方向連結手段には本体支持部材が設定方向と逆向きに回転操作されるのを規制する逆仮組付け規制機構が設けられているため、本体支持部材は誤って設定方向と逆向きに回転操作されることはない。次に、クリップ本体の先端部側を車体取付部品の貫通孔に挿入した状態において、本体支持部材に荷重を加えてクリップ本体の先端部側を車体側の固定部材に押し込み固定する。この後、本体支持部材を設定方向と逆向きに回転させることによって軸方向連結部材による本体支持部材とクリップ本体の係合を解除し、本体支持部材をクリップ本体の開口に完全に挿入する。これにより、本体支持部材がクリップ本体から突出しなくなるとともに、本体支持部材がクリップ本体を内側から支持してクリップ本体の変形等を規制するようになる。
これにより、所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入された本体支持部材を設定方向に回転させるときには、本体支持部材とクリップ本体の対向壁に夫々形成されている係止突起と保持孔の軸方向位置が合致し、対応するもの同士が係合される。一方、本体支持部材を誤って設定方向と逆側に回転させようとした場合、本体支持部材側の係止突起とクリップ本体側の保持孔とが軸方向で合致せず、両者の係合が不可となる。
この発明の場合、車体取付部品を車体に取り付けるときには、クリップ本体の基端部の開口に本体支持部材を半挿入した状態において、本体支持部材を設定方向に一定角度回転させ、クリップ本体と本体支持部材とを軸方向連結手段によって軸方向で係合する。このとき、軸方向連結手段には本体支持部材が設定方向と逆向きに回転操作されるのを規制する逆仮組付け規制機構が設けられているため、本体支持部材は誤って設定方向と逆向きに回転操作されることはない。次に、クリップ本体の先端部側を車体取付部品の貫通孔に挿入した状態において、本体支持部材に荷重を加えてクリップ本体の先端部側を車体側の固定部材に押し込み固定する。この後、本体支持部材を設定方向と逆向きに回転させることによって軸方向連結部材による本体支持部材とクリップ本体の係合を解除するが、このとき、本体支持部材の設定方向側への回転が回転規制手段によって規制されているため、本体支持部材は誤って設定方向にさらに回転操作されることはない。こうして、本体支持部材が初期の回転姿勢に戻された後には、本体支持部材をクリップ本体の開口に完全に挿入する。これにより、本体支持部材がクリップ本体から突出しなくなるとともに、本体支持部材がクリップ本体を内側から支持してクリップ本体の変形等を規制するようになる。
図1は、クーペタイプの車両の側面図であり、同図中1は、車両のルーフ部2と車体後方側の側面を連結するリヤピラー(ピラー部)である。この車両はクーペタイプの車両であるため、リヤピラー1はルーフ部2から車体の後方側に向かって緩やかに下方傾斜している。
リヤピラー1とルーフ部2の各車内側には、内装部材であるピラーガーニッシュ3とルーフライニング4とが夫々取り付けられている。ルーフ部2の側端部(ルーフサイドレール部)からリヤピラー1の一部にかけては、カーテンエアバッグ装置のエアバッグ5(図7の断面図参照)が折り畳まれた状態で取り付けられ、そのエアバッグ5の収納部がルーフライニング4とピラーガーニッシュ3によって車室内側から覆い隠されている。
これらの図に示すように、ピラーガーニッシュ3は、前部側上縁領域に略L字状の切欠き部6を有するガーニッシュ本体7と、この切欠き部6を閉塞する略長方形状のガーニッシュリッド8と、ガーニッシュリッド8の裏面側に配置されてガーニッシュリッド8を主に補強する略U字状のガーニッシュフレーム9と、を備えている。ルーフライニング4の後部側の下縁領域は、ガーニッシュリッド8の前端部に接合され、ガーニッシュリッド8とともにガーニッシュ本体7の切欠き部6内に配置されている。ルーフライニング4とガーニッシュリッド8の下縁はエアバッグ5の収納部の下方に位置され、エアバッグ5の展開時にエアバッグ5の推力によって押し開かれる(エアバッグ5の展開口を開く。)ようになっている。なお、ルーフライニング4とガーニッシュリッド8は、いずれも比較的軟質で変形容易な発泡樹脂材料を主体として形成されている。また、ガーニッシュ本体7は、クリップ10や係止爪11等によってリヤピラー1や車内側の図示しないトリム部材等に係止固定されるようになっている。
ガーニッシュリッド8の下縁のうちの前端部に近接した部位には、図9と、図5および図7に示すように、下端方向に向かって延出する補助挟持片38が延設されている。この補助挟持片38には、先端側に向かって開口する略U字状のスリット39が形成されている。また、ガーニッシュ本体7の裏面側の縁部には、切欠き部6(下部側境界部a)から幅方向(下方側)に離間した位置にボス部40が突設されており、下部係止フレーム部材9Bのこのボス部40に対応する部位には、ボス部40の先端部が嵌入される貫通孔41が形成されている。そして、ガーニッシュリッド8の下縁が係止フランジ37とガーニッシュ本体7の端縁の間に挿入状態で係止される際には、補助挟持片38のスリット39がボス部40の外周に係合されるとともに、下部係止フレーム部材9Bの貫通孔41を貫通したボス部40にビス42(補助結合部)が結合される。補助挟持片38は、これにより下部係止フレーム部材9Bとガーニッシュ本体7の間に挟持固定される。
このクリップ22は、前述のように金属製のクリップ本体23と樹脂製のクリップキャップ24とから構成されるが、これらは最終組付け状態とは別の形態で組み付けられ、ピラーガーニッシュ3を車体に取り付ける際に、クリップ本体23の脚部32を固定ブラケット25に容易に係止させ得るように工夫されている。
支持壁59a,59bには、挿入軸線pを挟んで相反方向に突出する係止突起60,61が形成されている。この係止突起60,61は、挿入軸線pに沿う方向で相互にオフセットするように配置されており、一方の係止突起60はクリップ本体23の一方の保持孔53に対して嵌合可能とされ、他方の係止突起61はクリップ本体23の他方の保持孔54に対して嵌合可能とされている。ただし、各係止突起60,61は先端部に円弧面が設けられ、挿入軸線pを中心とする支持軸35の回転により、対応する保持孔53,54に対して係脱し得るようになっている。
また、この実施形態においては、正規の回転姿勢と180°異なる向きでクリップキャップ24がクリップ本体23に半挿入されたときには、回転規制突起62と係止孔55との位置関係によってクリップキャップ24の設定方向qと逆向きの回転が規制されることから、クリップキャップ24がいずれの方向にも回転しなくなり、即時に誤った向きで組み付けられようとしていることを作業者に気づかせることができる。
20…取付孔
22…クリップ
23…クリップ本体
24…クリップキャップ(本体支持部材)
25…固定ブラケット(車体側の固定部材)
32a,32b…対向壁
53,54…保持孔(軸方向連結手段)
55…係止孔(回転規制手段)
56…開口
60,61…係止突起(軸方向連結手段)
62…回転規制突起(回転規制手段)
Claims (6)
- 車体取付部品の取付孔に挿入係合され、その取付孔を貫通した先端部側が車体側の固定部材に押し込み固定されるとともに、基端部に開口が形成された略中空状のクリップ本体と、
このクリップ本体の開口に所定の回転姿勢で完全に挿入されて、前記クリップ本体を内側から支持する本体支持部材と、
を備え、
前記クリップ本体と本体支持部材の間には、
前記本体支持部材を、前記所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入して設定方向に一定角度回転させた状態において、前記クリップ本体と本体支持部材を軸方向で係合させる軸方向連結手段と、
この軸方向連結手段によって前記クリップ本体と本体支持部材を軸方向で係合させた仮組付け状態から、前記本体支持部材の前記設定方向へのさらなる回転を規制する回転規制手段と、
が設けられている
ことを特徴とする車両用クリップ。 - 前記クリップ本体は、前記開口を間に挟む一対の対向壁を備え、
前記軸方向連結手段は、
前記一対の対向壁に夫々形成される保持孔と、
前記本体支持部材に形成されて、前記仮組付け状態において前記各保持孔に係合される複数の係止突起と、
によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用クリップ。 - 前記回転規制手段は、
前記クリップ本体に前記開口内に臨むように形成された係止孔と、
前記本体支持部材に形成されて、前記仮組付け状態において前記係止孔に挿入される回転規制突起と、
から成り、
前記回転規制突起は、前記仮組付け状態から前記本体支持部材が前記設定方向にさらに回転するときに前記係止孔の一方側の端縁に当接するとともに、前記仮組付け状態から前記本体支持部材が前記設定方向と逆向きに回転するときに前記係止孔内を変位し得るように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用クリップ。 - 車体取付部品の取付孔に挿入係合され、その取付孔を貫通した先端部側が車体側の固定部材に押し込み固定されるとともに、基端部に開口が形成された略中空状のクリップ本体と、
このクリップ本体の開口に所定の回転姿勢で完全に挿入されて、前記クリップ本体を内側から支持する本体支持部材と、
を備え、
前記クリップ本体と本体支持部材の間には、
前記本体支持部材を、前記所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入して設定方向に一定角度回転させた状態において、前記クリップ本体と本体支持部材を軸方向で係合させる軸方向連結手段が設けられ、
この軸方向連結手段には、前記本体支持部材が所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入されて設定方向と逆向きに回転操作されるのを規制する逆仮組付け規制機構が設けられている
ことを特徴とする車両用クリップ。 - 前記クリップ本体は、前記開口を間に挟む一対の対向壁を備え、
前記軸方向連結手段は、
前記一対の対向壁に夫々形成される保持孔と、
前記本体支持部材に形成されて、前記本体支持部材をクリップ本体に仮組付けした状態において前記各保持孔に係合される複数の係止突起と、
を備え、
前記一方の対向壁に形成される保持孔と前記他方の対向壁に形成される保持孔が夫々軸方向にオフセットして配置されるとともに、前記各係止突起がこれらの保持孔に対応して夫々軸方向にオフセットして配置され、これらのオフセットして配置された保持孔と係止突起によって前記逆仮組付け規制機構が構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用クリップ。 - 車体取付部品の取付孔に挿入係合され、その取付孔を貫通した先端部側が車体側の固定部材に押し込み固定されるとともに、基端部に開口が形成された略中空状のクリップ本体と、
このクリップ本体の開口に所定の回転姿勢で完全に挿入されて、前記クリップ本体を内側から支持する本体支持部材と、
を備え、
前記クリップ本体と本体支持部材の間には、
前記本体支持部材を、前記所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入して設定方向に一定角度回転させた状態において、前記クリップ本体と本体支持部材を軸方向で係合させる軸方向連結手段と、
この軸方向連結手段によって前記クリップ本体と本体支持部材を軸方向で係合させた仮組付け状態から、前記本体支持部材の前記設定方向へのさらなる回転を規制する回転規制手段と、
が設けられ、
前記軸方向連結手段には、前記本体支持部材が所定の回転姿勢でクリップ本体に半挿入されて設定方向と逆向きに回転操作されるのを規制する逆仮組付け規制機構が設けられている
ことを特徴とする車両用クリップ。
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