JP4627380B2 - 田植機の植付部 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機の植付部に関するものである。特に、駆動力を伝動する伝動機構を有し、該伝動機構内にクラッチを備えた田植機の植付部の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
田植機の植付部においては、植付爪を備えたロータリーケースを回動させて植付作業を行ったり、外部の作業機械によって様々な作業を行うために、駆動力を伝動する伝動機構を備えている。伝動機構の一例として、田植機本体等の外部から伝動した駆動力が植付駆動軸を介し、植付駆動軸とベベルギアで噛合する植付アーム軸に入力し、該植付アーム軸がロータリーケースを回動させる構成がある。そして、植付アーム軸から、さらに外部の作業機等を駆動する出力駆動軸がベベルギアを介して連設され、該出力駆動軸に薬剤散布機等の外部作業機を接続することで田植えと同時に異なる作業を行えるようにした植付部も知られている。
【0003】
そして、従来の植付部において、例えば本出願人による先行出願、特願2000−284599号では、植付アーム軸への駆動力の伝動を断接するために植付アーム軸上にクラッチを配置し、該クラッチを切ることによってロータリーケースの回動を止められるようにした植付部を開示している。しかし、該手法では植付駆動軸及び、植付アーム軸、出力駆動軸の各軸間を伝動するベベルギアが噛合したままであるため、出力駆動軸への伝動を断接することはできず、外部の作業機のために別個なクラッチを配設しなければならなかった。
田植機の植付部は製造コスト面においても、取り扱いの容易さの点においても、軽量化は重要な課題であるが、従来の植付部の構成では、複数のクラッチを配設しなければならず、この点においては、これらの課題に十分応えられているとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、その目的は、低コスト化、小型化、軽量化を図ると共に、簡易な構成で作用するクラッチを備えた田植機の植付部を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による田植機の植付部は、以下の特徴を備える。まず、田植機の植付部において、駆動力を伝動する伝動機構が、植付爪を駆動する植付アーム軸と、該植付アーム軸に植付部外部から入力した駆動力を伝動する植付駆動軸と、該植付アーム軸から駆動力をさらに他の機械に伝達する出力駆動軸とを少なくとも有する構成であって、該植付駆動軸上に、植付アーム軸及び出力駆動軸への駆動力の伝達を遮断可能なクラッチを配設した田植機の植付部であって、植付アーム軸に固設するベベルギアが、植付駆動軸に固設するベベルギアと噛合すると共に、出力駆動軸に固設するベベルギアとも噛合する構成とする。そして、前記クラッチが、駆動側クラッチ爪を備えた駆動側クラッチ部と、従動側クラッチ爪を備えた従動側クラッチ部と、一端が従動側クラッチ部に固定され、従動側クラッチ爪を駆動側クラッチ爪に押圧可能な押圧部材とを少なくとも有する構成において、駆動側クラッチ部及び従動側クラッチ部が同軸上に配設される略管体から成り、駆動側クラッチ部が、植付駆動軸を構成する伝動軸と、伝動軸の後端に設けられた駆動側クラッチ爪と、伝動軸の後端と嵌め合わされた駆動側軸とを少なくとも有する構成であり、従動側クラッチ部が、植付駆動軸を構成する従動側アイドル軸と、従動側アイドル軸の前端に設けられた従動側クラッチ爪とを少なくとも有する構成であり、駆動側軸の外周面と従動側アイドル軸の内周面とが摺動自在に当接するように従動側クラッチ部を配設する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
図1は本発明による植付部を備えた田植機の側面図である。
田植機(1)は、図1に示すように自走可能な走行機体(2)と、昇降機構(3)および植付部(4)から主に構成されている。昇降機構(3)は植付部(4)を昇降する機構である。走行機体(2)は、機体フレーム(5)に運転や駆動に関わる諸部材を配設して形成される。
【0007】
図2は本発明による田植機の機体のフレーム構成を表す平面図である。機体フレーム(5)は、図1および図2に示すように、前後方向には、左右一対の断面矩形のメインフレーム(30)(31)を走行機体(2)の略全長に亘って架設する。
そして、該メインフレーム(30)(31)の前部に左右幅方向に向けて中空円筒状の前部フレーム(32)(32)と、中途部に中部フレーム(33)と、後端部に後部フレーム(34)とをそれぞれ架設する。メインフレーム(30)(31)の後半部は、前低後高に傾斜が設けられており、後部フレームは下向きに開くコ字形状の部材と、左右の幅方向に延出する部材から構成される。
前部フレーム(32)(32)には、エンジン支持板(35)が架設され、その上面にエンジン(6)を載置する。
エンジン支持板(35)の後部にはミッションケース(12)が接続され、エンジン(6)と連結される。ミッションケース(12)は中途部を中部フレーム(33)で支持される。他に、メインフレーム(30)(31)には座席部を支持する座席支持フレーム(39)等が配設される。
【0008】
前記ミッションケース(12)は、エンジン支持板(35)の後端より後部フレーム(34)まで延出して前後方向に長く形成され、側面視(図1)において前高後低に配されている。また、前記ミッションケース(12)前左側部にベルト式無段変速機構(40)が連設されている。
ベルト式無段変速機構(40)は上記ミッションケース(12)に連設される部分(40a)と、エンジン(6)に連設される部分(40b)から構成され、それらは動力を伝達するベルト(40c)で連結されている。そしてベルト式無段変速機構(40)に伝達された動力はミッションケース(12)に設けたクラッチ機構を経た後、ミッションケース(12)に設けた動力伝達機構に伝達される。
【0009】
ミッションケース(12)の左右側面にフロントアクスルケース(41)(41)が固設され、該フロントアクスルケース(41)(41)の左右端部より下方に向かって車軸ケース(42)(42)が固設され、該車軸ケース(42)(42)の下端部に前輪(13)(13)を固設する車軸(45)(45)が軸支されている。そして、車軸ケース(42)(42)は左右一対の独立したサスペンション機構(43)(43)によって支持されている。
ミッションケース(12)後端部には、軸方向が左右方向である筒状のリアアクスルケース(44)(44)が形成され、該リアアクスルケース(44)(44)内に後輪駆動軸(46)(46)が軸支される。
後輪駆動軸(46)(46)の左右端部に後輪(14)(14)が固設される。フロントアクスルケース(41)(41)とリアアクスルケース(44)(44)とは、ミッションケース(12)に一体的に形成される。
【0010】
また、ミッションケース(12)の中途右側部からは作業用の出力を伝達するPTO出力軸(51)が後方に向けて突出する。該PTO出力軸(51)の駆動は後方の植付部(4)に入力される。植付部(4)については後述する。
走行機体(2)と植付部(4)を接続する昇降機構(3)は上下に2個のリンクから構成され、上側は後部フレーム(34)の上部から延出するパイプ体であるアッパーリンク(47)であり、下側は後部フレーム(34)の中段に張設して接続されたロワーリンク(48)である。そして、走行機体(2)の後部とロワーリンク(48)との間に介設された油圧シリンダーの伸縮動作によって、昇降自在に構成されている。
【0011】
次に機体フレームの上部を概観する。前方のエンジン(6)の直上方には燃料タンク(7)がある。エンジン(6)はボンネット(8)で覆われ、ボンネット(8)の左右側方位置には、予備の苗を載置しておくための2段の予備苗載台(9)(9)が配設される。予備苗載台(9)(9)は支柱(10)にブラケット(11)(11)を介して固定されている。
燃料タンク(7)の後方が作業者の運転位置である。作業者は昇降ステップ(15)に足を掛けてステップ(16)に上がる。ステップ(16)には幅方向中央に座席(17)が配置されている。
作業者は座席(17)に着座し、前方のハンドル(18)等を操作する。ハンドル(18)はステアリングシャフト(50)の上端に取り付けられており、該ステアリングシャフト(50)の下部に配設されるギア機構によって田植機(1)の向きを変更する。
【0012】
これらの他に運転位置には各種の操作機器を備えている。ステアリングシャフト(50)の左方に走行機体(2)の変速操作を行う変速レバー(19)及びその側方に、走行機体(2)から降りて走行機体(2)の側方からクラッチ操作やブレーキ操作を可能にするクラッチレバー(20)がある。又、座席(17)の右側部には植付部(4)の昇降操作、植付クラッチの入切操作、マーカー操作を行う昇降レバー(21)を配設する。これらの各レバー(19)(20)(21)はいずれも前後方向に揺動操作する。
【0013】
次に、本発明による植付部(4)について詳述する。植付部において、特に植付作業を司る要部の平面図を図3に示す。
植付部(4)の最前部、すなわち昇降機構(3)との接続部には、走行機体(2)からの駆動力を伝動する複数の駆動軸やギアから構成される伝動機構(23)の前部が位置する。そしてその上部に苗載台(24)を後部に傾斜する形態で備えるとともに、苗載台(24)下部にフロート(25)を配置している。
本植付部(4)は、4条植え式であり、ロータリー植付装置(60・・・)を4基備えている。各ロータリー植付装置(60・・・)は、それぞれ2本の植付爪(61)(61)とロータリーケース(62)から構成される。
植付部(4)は、左右方向水平に1個の連結パイプ(63)と、該連結パイプ(63)から後方に延出した左右1対の伝動パイプ(64L)(64R)とを備える。各パイプ(63)(64L)(64R)にはそれぞれ連結軸(65)、伝動軸(66L)(66R)が内装されており、それらは複数のベアリングに軸支されて回転自在である。
【0014】
走行機体(2)からPTO出力軸(51)によって伝達される駆動力は、PTO出力軸(51)の端部に配設された出力ベベルギア(67)を介し、それと噛合する連結軸(65)右端の連結入出力ベベルギア(68)を経て、連結軸(65)の回転力となる。
同時に、該連結入出力ベベルギア(68)は、右側伝動軸(66R)の上端に固設される入力ベベルギア(69R)と噛合し、右側伝動軸(66R)を回転させる。一方、連結軸(65)の左端部に固設される連結出力ベベルギア(70)が、左側伝動軸(66L)上端に固設される入力ベベルギア(69L)と噛合し、左側伝動軸(66R)も連動回転する。
以下、左右の伝動軸(66L)(66R)の構成において、植付爪(61・・・)の駆動については左右で略同一なため、右側伝動軸(66R)を基に説述する。
【0015】
伝動パイプ(64R)の後端部は十字管継手(71)に連結し、該継手における左右方向に植付アーム軸(72)が貫通している。
伝動軸(66R)の後端には植付出力ベベルギア(73)が固設され、植付アーム軸(72)に固設したベベルギア(74)と噛合して植付アーム軸(72)を回転させる。植付アーム軸(72)の両端はロータリーケース(62)に連結し、該ロータリーケース(62)が回転することによって植付爪(61・・・)を駆動する。
ここで、伝動軸(66R)は、前端と後端をベアリング(53)(54)で軸支されると共に、上端の入力ベベルギア(69L)の直後方に連設して安全クラッチ(100)を配設しており、伝動軸(66R)に過大な負荷がかかった場合に、安全クラッチ(100)が駆動力の伝動を遮断して安全を図るようにしている。
【0016】
さらに、植付出力ベベルギア(73)寄りの部位に、本発明に係るユニットクラッチ(90)を配設している。該クラッチ(90)は、従来植付アーム軸(72)上に配設されていたが、本発明による植付部では伝動軸(66R)上に配設していることを大きな特徴としている。この点についてはさらに詳しく後述する。
左側伝動軸(66L)については以上の構成であるが、右側のロータリー植付装置(60)ではさらに出力駆動軸(110)を後方に延出させることができる。すなわち、出力駆動軸(110)の前端に固設されるベベルギア(111)を前記植付アーム軸(72)上に固設されるベベルギア(74)と噛合させることによって、外部の作業機を接続し、該作業機を駆動させることができる出力駆動軸(110)を回転させる。
なお、上記右側のロータリー植付装置(60)における出力駆動軸(110)の構成は、左側のロータリー植付装置(60)においても配設可能であり、さらに多くのロータリー植付装置を備えた植付部においては、いずれのロータリー植付装置にも同様の構成で配設することができる。
【0017】
出力駆動軸(110)には、例えば薬剤散布機等を接続し、走行機体(2)からの駆動力によって、植付作業と同時に薬剤の散布等の作業を行う。
本実施例のように出力駆動軸(110)を植付部(4)後方に位置する十字管継手(71)から延出する構成は、シンプルな構造で確実に駆動が得られる他、出力駆動軸(110)やベベルギア(111)等を加えるだけで良いため、植付部(4)の軽量化にも寄与する。
さらに、外部の作業機を使用しない際には、出力駆動軸(110)及びベベルギア(111)を一括して取り外すことにより、不使用時の植付部の軽量化や、出力駆動軸(110)が突出しないことによる安全性を確保することができ、好適である。
また、用途に応じて、出力駆動軸(110)を具備する植付部と具備しない植付部を提供する場合にも、部品の共通化が図られることから経済性にも寄与する。
【0018】
次に苗載台(24)の左右摺動機構について説述する。図4及び図5に苗載台(24)の正面図、側面図を示す。苗載台(24)はロータリーケース(62)の数に対応して4個の縦長の部材(24a)(24b)(24c)(24d)から構成され、各部材は一体的に成形されている。苗載台の前面には中途位置に左右に水平に張設した上ガイドレール(37)と、下端位置に左右に張設した下ガイドレール(38)が配設される。苗載台(24)は各ガイドレール(37)(38)に沿って摺動することにより、苗載台(24)後面に配置する苗をロータリー植付装置(60・・・)に供給する。
前記連結パイプ(63)左端は十字管継手(75)と接続され、該十字管継手(75)内部に連結軸(65)と伝動軸(66L)のギア機構、及び連結出力ベベルギア(70)によって中継される連結延長軸(83)を配設し、左方から該連結延長軸(83)が突出し、その左端部付近に歯数の異なる2個の鉄製ギア(76)(77)が固設される。該ギア(76)(77)はそれぞれ、噛合する2個の樹脂製ギア(78)(79)と共に、横送り変換ケース(80)に内装されており、該横送り変換ケース(80)からは出力側ギア(78)(79)に軸通する縦送り軸(81)が上記連結軸(65)と平行に延出している。さらに、その延長上には横送り軸(84)が連設され、縦送り軸(81)による縦送り作業と同時に、横送り作業を司っている。
【0019】
ここで、2個のギア(76)(77)は、連結軸(65)上に配設されたシフター(82)によっていずれかのギアのみが連結軸(65)と連動回転するように構成され、両ギア(76)(77)の歯数の違いによって縦送り軸(81)及び、横送り軸(84)の回転速度を変更出来るようになっている。
【0020】
各ギア(76ないし79)は鉄製と樹脂製で構成される。これは次の理由による。すなわち、鉄製のみの場合には重量が大きくなり、田植機の軽量化・低廉化に奉仕しない。逆に樹脂製のみで構成すると、ギアの摩擦が大きくなり、耐久性の点で劣ること、剛性を高めるためには部材を大きくしなければならず、前記シフター(82)による変速時にニュートラル位置を取り難い。このため、両者を組み合わせることによって、軽量化を図ると同時に十分な耐久性を有し、低廉化にも寄与させている。
本構成により、横送り変換ケース(80)内に4個のギアと、シフター(82)、連結延長軸(83)が一体的に形成されるので、組み立て性が向上すると共に、メンテナンスにも便宜である。
【0021】
本実施例における苗載台(24)は上記構成を備えるとともに、植付部(4)本体のフレーム上に固設した滑り子受け(88)に係合させる滑り子(85)が、横送り軸(84)の外周面上に穿設される摺動溝(86)に嵌入し、該摺動溝(86)内を摺動することによって、苗載台(24)の左右方向の摺動を実現している。
田植機の植付部(4)は、以上のように伝動機構(23)やロータリー植付装置(60)、苗載台(24)の摺動機構が互いに協働して植付作業を行うようになっている。
【0022】
ここで、本発明に係るユニットクラッチ(90)について詳述する。クラッチの機構を示す拡大図を図6に示す。
ユニットクラッチ(90)は前述のように伝動軸(66R)上に配設され、駆動力の伝動を断接する働きがある。本実施例におけるユニットクラッチ(90)は、植付部(4)における左右の伝動軸(66L)(66R)上に設けられており、植付アーム軸(72)(72)及び出力駆動軸(110)への駆動力伝達の導通・遮断を切り替える働きを有する。
本植付部におけるユニットクラッチ(90)は、左右同一であるので、以下では右側の伝動軸(66R)に装着されるユニットクラッチに基づいて順次詳述する。
【0023】
ユニットクラッチ(90)は伝動軸(66R)と多重軸状に配設され、該伝動軸(66R)を後端で軸支するベアリング(53)の直前方に位置する。
伝動軸(66R)には駆動側軸(91)が嵌設され、その外周にはスプライン加工(92)が施されている。その外周と、従動側アイドル軸(93)の内周面が回動自在にスプライン嵌合している。さらに該従動側アイドル軸(93)の外周面に対向して従動側クラッチ爪(95)の内周面が従動側アイドル軸(93)の軸方向に摺動自在にスプライン嵌合されている。
そして、該従動側クラッチ爪(95)にはカム部(95a)が連設され一体的に形成されている。該カム部を、従動側アイドル軸(93)に一端を固定した押圧バネ(96)が押圧する構成となっている。
【0024】
本構成により、従動側アイドル軸(93)と連動回転する従動側クラッチ爪(95)が押圧バネ(96)によって駆動側クラッチ爪(94)に押圧され、両クラッチ爪(94)(95)のクラッチ部(94’)(95’)が当接する。そして、伝動軸(66R)を伝動する駆動力は、本ユニットクラッチ(90)により従動側アイドル軸(93)に伝動する。
【0025】
ここで、ユニットクラッチ(90)の伝動を断接する機構について説明すると、前記カム部(95a)の一部にクラッチピン(98)が当接する当接部位(95a’)を備え、該部位の傾斜に沿ってクラッチピン(98)が挿入されると従動側クラッチ爪(95)が押圧バネ(96)に抗して後方に摺動する。これにより、前記クラッチ部(94’)(95’)が離れ、駆動力の伝動が遮断される。
クラッチピン(98)はその一端をクラッチアーム(99)の後方に平面視におけるコ字状で挟み込み、止めピンで回動自在に支承している。クラッチアームは大きくはL字状であり、その屈折部を伝動パイプ(64R)に固設したクラッチアームブラケット(66’)に貫入された回動軸(99a)に枢支されている。
【0026】
さらに、クラッチアーム(99)の他端をバネ(97a)を介してワイヤ(97)で連結し、該ワイヤ(97)を図4に示す苗載台(24)上部に配設したユニットクラッチレバー(87)で操作することにより、ユニットクラッチ(90)の断接を操作可能としている。ここで、本構成によるとユニットクラッチレバー(87)において、1個のクラッチを操作するだけで出力駆動軸(110)への伝動も遮断できるため、複数のクラッチを同時に動作させなければならない場合よりも小さな力でクラッチレバー(87)を操作することができ、取り扱いが容易な植付部を提供することにも寄与する。
【0027】
本発明においては、以上のようにユニットクラッチ(90)を伝動軸(66R)と多重軸状に配設する構成をとることにより、クラッチの小型化を図ることができる。特に、伝動パイプ(64L)を図6に示すように、クラッチが配設される部分のみ直径を大きくし、伝動軸(66R)のみを覆う部分では直径を小さくすることで、より植付部の小型化、軽量化を図ることができる。
さらに、従来の十字管継手内にユニットクラッチを配設する方法では、植付アーム軸への伝動のみを遮断するだけで、本実施例の右側のロータリー植付装置のようにさらに後方に出力駆動軸が延出する構成の場合、出力駆動軸のために別途クラッチを配設する必要があったが、本構成ではユニットクラッチ(90)によって植付アーム軸(72)と出力駆動軸(110)に対する伝動を同時に遮断することができるので、植付部の軽量化に寄与することができる。
また、小型化、軽量化は田植機の植付部の製造コスト、維持コストを抑制する上でも有利であり、この点においても効果を奏する。
【0028】
本発明によるユニットクラッチは従来技術における植付部のクラッチ構成を一新するものであり、また、多重軸構造のクラッチにより小型化にも寄与している。同時に、このような構成を採ることにより、伝動軸(66R)を軸支するベアリング(53)の近傍にユニットクラッチ(90)を配設することが可能となり、これによって偏心を抑制し、剛性を向上させることができる。
【0029】
以上の構成は、上記実施例に限らず、植付部における植付アーム軸及び出力駆動軸に伝動する機構におけるクラッチであれば適用可能である。特に、多重軸状の構成に限らず、駆動側軸と従動側アイドル軸とがそれぞれ前方と後方に位置し、クラッチを介して対向する従来の構成であってもよい。また、クラッチピンによるクラッチ動作についても、その断接方法は任意に変更可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の田植機の植付部は、以上の構成を備えるので次の効果を奏する。請求項1に記載の植付部によると、田植機の植付部において、駆動力を伝動する伝動機構が、植付爪を駆動する植付アーム軸と、該植付アーム軸に植付部外部から入力した駆動力を伝動する植付駆動軸と、該植付アーム軸から駆動力をさらに他の機械に伝達する出力駆動軸とを少なくとも有する構成であって、該植付駆動軸上に、植付アーム軸及び出力駆動軸への駆動力の伝達を遮断可能なクラッチを配設した田植機の植付部であって、植付アーム軸に固設するベベルギアが、植付駆動軸に固設するベベルギアと噛合すると共に、出力駆動軸に固設するベベルギアとも噛合する構成であるので、植付アーム軸への伝動を遮断するクラッチによって、出力駆動軸への伝動も遮断することができるので、別途出力駆動軸にクラッチを設ける必要がなく、部品点数の削減、軽量化、低コスト化に寄与する。
【0031】
また、各軸がベベルギアの噛合によって連動するので、各軸間の伝動機構の小容量化を実現することができる。これによって、植付駆動軸上に配設したクラッチによって容易に植付アーム軸と出力駆動軸とへの伝動を遮断する構成をとることができ、本発明の効果をより享受しやすくなる。
【0032】
請求項に記載の植付部によると、クラッチの容積を小さくし、植付部の小型化をはかることができると同時に、各部材を同軸上に配設することで偏心を抑制し、剛性の向上も図ることができる。これにより、作業精度が向上し、故障率を低減可能な植付部を提供可能となる。さらに、クラッチの製造において、特に軸方向の長さにおける誤差の許容量が大きくなるため、製造コストを抑制することができ、経済的な植付部に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機側面図
【図2】田植機の機体フレーム平面図
【図3】本発明による植付部の要部、平面図
【図4】苗載台正面図
【図5】苗載台側面図
【図6】ユニットクラッチ分解説明図
【符号の説明】
1 田植機
2 走行機体
3 昇降機構
4 植付部
53 ベアリング(前)
54 ベアリング(後)
60 ロータリー植付装置
61 植付爪
62 ロータリーケース
63 連結パイプ
64L・64R 伝動パイプ
64’ クラッチアームブラケット
65 連結軸
66L・66R 伝動軸
67 出力ベベルギア
68 連結入出力ベベルギア
69L・69R 入力ベベルギア
69a 小径部
69b 大径部
70 連結出力ベベルギア
71 十字管継手
72 植付アーム軸
73 植付出力ベベルギア
74 ベベルギア
75 十字管継手
87 ユニットクラッチレバー
90 ユニットクラッチ
91 駆動側軸
92 スプライン加工
93 従動側アイドル軸
94 駆動側クラッチ爪
94’ クラッチ部
95 従動側クラッチ爪
95’ クラッチ部
96 押圧バネ
97 ワイヤ
97a バネ
98 クラッチピン
99 クラッチアーム
100 安全クラッチ
110 出力駆動軸
111 ベベルギア

Claims (2)

  1. 田植機の植付部において、駆動力を伝動する伝動機構が、植付爪を駆動する植付アーム軸と、該植付アーム軸に植付部外部から入力した駆動力を伝動する植付駆動軸と、該植付アーム軸から駆動力をさらに他の機械に伝達する出力駆動軸とを少なくとも有する構成であって、該植付駆動軸上に、植付アーム軸及び出力駆動軸への駆動力の伝達を遮断可能なクラッチを配設した田植機の植付部であって、植付アーム軸に固設するベベルギアが、植付駆動軸に固設するベベルギアと噛合すると共に、出力駆動軸に固設するベベルギアとも噛合する構成である田植機の植付部。
  2. 前記クラッチが、駆動側クラッチ爪を備えた駆動側クラッチ部と、従動側クラッチ爪を備えた従動側クラッチ部と、一端が従動側クラッチ部に固定され、従動側クラッチ爪を駆動側クラッチ爪に押圧可能な押圧部材とを少なくとも有する構成において、駆動側クラッチ部及び従動側クラッチ部が同軸上に配設される略管体から成り、
    駆動側クラッチ部が、植付駆動軸を構成する伝動軸と、伝動軸の後端に設けられた駆動側クラッチ爪と、伝動軸の後端と嵌め合わされた駆動側軸とを少なくとも有する構成であり、
    従動側クラッチ部が、植付駆動軸を構成する従動側アイドル軸と、従動側アイドル軸の前端に設けられた従動側クラッチ爪とを少なくとも有する構成であり、
    駆動側軸の外周面と従動側アイドル軸の内周面とが摺動自在に当接するように従動側クラッチ部を配設する、請求項1に記載の田植機の植付部。
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