JP4623847B2 - 特記事項を表示する診療支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、診療支援システムに係り、特に、カルテに記載する診療情報とは別に、特記情報を表示、編集することができる診療支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
紙のカルテに変わって電子的に診療情報を記録する電子カルテシステムや診療支援システムにおいては、主訴や症状、検査結果や実施した診療行為等を入力して、患者別に診療情報データベースに記憶している。この診療情報データベースは追記型であり、新しい診療情報が次々に書き加えられていく。そして、医師や医療スタッフは、診療に際して患者の診療情報を呼び出して画面に表示し、最近の治療内容や投薬歴を確認しながら、診療行為を進めていく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
診療に際しては、患者のアレルギーに関する情報や、患者が妊婦または授乳婦であるといった情報が重要なこともある。また、患者の既往歴や、患者の家族の病歴といった情報が役に立つこともある。また、医療スタッフ同士の申し送り的なコメントや、今後の予定などのメモも役に立つ。そして、従来の紙のカルテであれば、欄外などの目立つところにこれら情報を医師が手書きしておくことができた。しかし、電子カルテは追加記録が基本であるので、診療情報を呼び出した際、常に最初の表示内容にこれら情報が含まれているとは限らない。また、いわゆる診療記録としてのデータにならないものもあるので、それらはカルテに記載する診療情報と一緒に入力することにはなじまない。そこで、カルテ情報とは別に、このような情報を特記事項として記憶しておいて、診療の際の参考情報として提供することができれば有効である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、診療情報データベースとは別に特記事項を記憶する特記事項データベースと、特記事項データベースから患者の特記事項を読み出し、その読み出した特記事項を少なくとも患者の氏名と性別を含む患者識別情報とともに特記事項ウインドウとして表示手段に表示する特記事項表示制御手段とを設け、入力手段からの指示に応じて患者の診療情報を表示しようとするとき、その表示に先立って特記事項表示制御手段は特記事項ウインドウを表示するものであり、特記事項データベースは特記事項として患者のアレルギー情報と、妊婦又は授乳婦かを示す患者属性情報とを少なくとも記憶し、前記特記事項表示制御手段は、設定に応じて、前記特記事項の表示/非表示を制御することで、上記課題を解決するものである。
【0005】
【実施例】
図1は、実施例の診療支援システムの構成を示すブロック図である。実施例はクライアント/サーバシステムの構成をとり、各種のデータベースを備えたサーバ10と、そのデータベースを利用する複数の端末16とが、ネットワーク回線15によって結ばれている。端末16は医療機関の各診察室に設置され、医師または医療スタッフが患者の電子カルテに診療データを入力するのに利用する。そのために、キーボード等で構成した入力手段18と、表示手段19と、制御手段17とを備える。制御手段17は、サーバ10のデータベースから患者の診療情報いわゆる電子カルテを取得して表示手段19に表示し、入力された診療情報をサーバ10に送ってデータベースに登録する。
【0006】
一方、サーバ10には、端末16から送られた診療情報を記憶する診療情報データベース14があり、制御手段11が端末16のリクエストに応じて、指定された患者の診療情報を診療情報データベース14から読み出して端末16に配信する。そして、端末16から送られてきた診療情報を、患者別に診療情報データベース14に登録する。診療情報の中には、医師が診断した病名の情報も含まれる。従って、病名情報だけを取り出すことで、患者の病歴が分るものである。また、サーバ10には、端末16と同様に入力手段12と表示手段13があって、サーバ10単独でも患者の診療情報を表示及び入力し、登録することができる。
【0007】
サーバ10には、さらに、経過情報データベース30と特記事項データベース40とがある。経過情報データベース30には、あらかじめ医師が設定し、入力した経過等情報を記憶している。この経過等情報は、電子カルテに記載された診療情報の一部であるが、実施例では特に、診療情報データベース14とは別に経過情報データベース30を設けて、そこに記憶するようにしている。
【0008】
経過等情報の設定をするためのウインドウ表示例を図2に示す。この設定ウインドウ20では、経過等情報の種類を表すデータ名21を入力し、それを特記事項の表示ウインドウに出力するか否かを、ラジオボタン22で設定するようになっている。本例ではデータ名は画像診断であり、またそれを特記事項に表示するように設定している。データ名としてはこの外に、例えば、血液型や小児期既往歴などがある。こうして設定した内容が、経過情報データベース30に登録される。
【0009】
同データベース30の構成を図3に示す。設定ウインドウ20で入力したデータ名21がデータ名31に対応し、ラジオボタン22の指定が、特記事項に表示フラグ34に反映される。コメント32がそのデータ名31のデータであり、これは、診療情報の入力ウインドウ(図示せず)で別途、医師等が電子カルテに入力したテキストデータである。経過等情報は、それを入力した日付および入力した個人の識別情報(記入者ID)とともに記録される。そして、その経過等情報を主治医が承認したか否かを示すフラグ33がある。経過等情報は、同じデータ名31のものが後から入力されたときもマージされることはなく、入力の都度、追加して登録されるものである。
【0010】
一方、特記事項データベース40は、図4に示すデータを記憶している。即ち、アレルギー情報と患者属性情報およびその他情報である。アレルギー情報には、同図(a)に示すように、アレルギーの有無41を示すデータと、コメントデータ42とがある。患者属性情報には、同図(b)に示すように、妊婦43あるいは授乳婦44を示すデータと、コメントデータ35とがある。その他情報は、同図(c)に示すようにコメントデータ46である。これらコメントは、フリーテキスト形式で入力されたものであり、入力されたものがコメント単位に追加して記録されるものである。また、特記事項として入力されたそれぞれの情報は、入力または設定された日付と、入力した個人の識別情報(記入者ID)とともに記録されるようになっている。
【0011】
次に、特記事項を表示する手順について説明する。実施例では、特記事項を表示させるために特に指示をする必要はない。患者の電子カルテを呼び出そうとすると、自動的に表示されるようになっている。即ち、患者を指定し、その患者の電子カルテに診療データを入力するために、診療情報の入力ウインドウ(図示せず)を表示させようと指示すると、それに応じて、先ず特記事項がウインドウ表示されるようになっている。その表示例を図5に示す。特記事項ウインドウ50のトップには、患者の氏名、性別、年齢が分りやすく大きな文字で表示される。51は経過等情報エリアであり、経過情報データベース30から読み出した経過等情報が、日付の新しい順に表示される。そのうち、主治医承認フラグ33が未承認のものは、符号52で示すように頭に未の文字が付されて表示される。これにより、その経過等情報が未承認であることが、一目で分るものである。
【0012】
また、53はその他の特記事項エリアであり、特記事項データベース40から読み出したその他情報が表示される。そして、54は患者病歴情報エリアであり、診療情報データベース14から読み出した病名情報が、日付の新しい順に表示される。
【0013】
実施例システムでは、アレルギー情報や患者病歴情報といったカテゴリ別に、特記事項として表示するかしないかを設定することができるようになっている。そこで、表示設定ボタン55を指示すると、図7に示す表示設定ウインドウ70が表示される。そこでは、経過等情報やアレルギー情報などのカテゴリ72別に、表示するか否か71をチェックマークの有無で指定する。また、特記事項ウインドウ50を、診療情報を開くとき即ち患者の電子カルテを表示しようとするとき、自動的に表示するかどうかの指定73や、各カテゴリの情報量に応じて表示する量、即ち行数を自動的に調整して変化させる指定74や、更に、情報量が多いカテゴリのウインドウ程、上側に表示する指定75も、チェックマークの有無で指定するようになっている。
【0014】
そして、これらの設定内容は、端末16毎に設けた端末設定データベース80に登録される。図8に端末設定データベース80の構成を示す。経過等情報81乃至患者病歴情報85について、表示する/しないの設定情報と、図7の73から75の設定を記憶する86から88の設定情報とが登録されるものである。そして、端末16の制御手段17は、端末設定データベース80を参照して、特記事項ウインドウ50の表示を制御するのである。
【0015】
ここで、図9を参照して実施例システムの動作を説明する。患者の電子カルテを呼び出すように入力手段18から指示されると、制御手段17はそれを検知し、先ず、その患者の特記事項を表示するように動作する。その際、制御手段17は、端末設定データベース80を参照して特記事項の表示の要否を判定する(ステップS1)。そして、自動的に表示86がオフの場合は、特記事項は表示しないで直ちに次の処理に移行する。即ち、診療情報を読み出して電子カルテを表示する。他方、自動的に表示86がオンならば、特記事項のデータを読み出して表示しようとするが、データが一切入力されていなければ表示するデータもないので、特記事項ウインドウ50は表示しないで、直ちに電子カルテを表示するようにしている(ステップS2;Yes)。
【0016】
次に、制御手段17は経過等情報の表示の要否を判定する(同S3)。経過等情報81がオンならば表示するので、経過情報データベース30から患者の経過等情報を読み出してくる(同S4)。そして、最新のみ表示がオンならば(同S5;Yes)、読み出した経過等情報のうち、既往歴や血液型などデータ名31毎に最新の情報のみをセレクトする(同S6)。さらに、未承認も表示がオフかどうか判定し(同S7)、オフならば未承認のデータを削除する(同S8)。
【0017】
次に、アレルギー情報の表示の要否を判定する(同S9)。アレルギー情報82がオンならば表示するので、特記事項データベース40から患者のアレルギー情報を読み出してくる(同S10)。次に、患者属性情報の表示の要否を判定する(同S11)。患者属性情報83がオンならば表示するので、特記事項データベース40から患者属性情報を読み出してくる(同S12)。次に、その他の特記事項を表示するか判定する(同S13)。その他情報84がオンならば表示するので、特記事項データベース40からその他情報を読み出してくる。さらに、患者病歴情報を表示するか判定する(同S15)。患者病歴情報85がオンならば表示するので、診療情報データベース14から病名情報を読み出してくる。
【0018】
こうして表示すべき特記事項データを揃えたところで、特記事項を表示するのであるが、その際、制御手段17は、表示サイズを自動調整する指定87がなされていれば、それぞれの特記事項の情報量に応じて表示する量を調整する。実施例では表示する行数を調整する。即ち、情報量が少ない特記事項には標準の行数より少ない行数を与え、逆に、その分、情報量が多い特記事項には標準より多い行数を付与するのである(同S17)。また、表示順を調整する指定88がなされていれば、情報量が多いカテゴリの順に特記事項の表示位置を調整する(同S18)。そして、それぞれの特記事項を特記事項ウインドウ50に表示する(同S19)。図7の指定内容に従って表示するサイズや位置を調整した場合の表示例を図6に示す。
【0019】
以上、説明したように、実施例システムでは、患者の電子カルテを表示する前に、特記事項ウインドウ50を先ず表示するようにしている。こうすることで、電子カルテに患者の診療情報を入力する前に、医師等に参考情報を提供して注意喚起するようにしているのである。図5又は図6からも分るように、氏名や性別から確かにその患者であるかどうかや、経過情報や病歴、さらにアレルギーの有無や妊産婦あるいは授乳婦かなど、重要な情報が確認できる。しかも、これら情報は日付が新しいものほど優先して表示するので、より確度の高い情報が提供できるものである。但し、特記事項の情報が何もなければ特記事項ウインドウは表示しないようにしている。また、特記事項はそれぞれの情報量に応じて表示サイズを調整して、無駄なく効率よく必要な情報を提供するようになっている。
【0020】
また、情報量が多い特記事項程、上側に表示することで、重要な情報を目立たせて見落しを防止するようにしている。これは、全特記事項をスクロールさせて連続して表示させるような場合、特に有効である。尚、項目別に重要度を指定可能にして、その重要度と情報量でスコアリングし、それに応じて表示位置を自動調整するように構成してもよい。その際、上側に表示するか、中央に表示するか等をユーザが指定できるようにするとよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、電子カルテの表示に先立って特記事項ウインドウを表示する際に、特記事項データが何も入力されていない場合は、特記事項ウインドウを表示しないで即座に電子カルテを表示する。これにより、必要のない特記事項ウインドウを閉じるなどのわずらわしい作業をしなくて済むようになるものである。また、特記事項の情報量に応じてそれぞれのカテゴリで表示サイズを調整するので、表示エリアを有効に使って無駄をなくし、効率よく必要な情報を提供できるようになる。また、情報量に応じて表示位置を変えるので、重要な情報を目立たせて見落しを防止することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施例における経過等データ設定ウインドウの表示例である。
【図3】 実施例における表示設定ウインドウの表示例である。
【図4】 実施例における経過情報データベースの構成を示す図である。
【図5】 実施例における端末設定データベースの構成を示す図である。
【図6】 実施例における特記事項データベースの構成を示す図である。
【図7】 実施例の動作を示すフローチャートである。
【図8】 実施例における特記事項ウインドウの表示例である。
【図9】 実施例における特記事項ウインドウの表示例である。
【符号の説明】
10 サーバ 11 制御手段 12 入力手段 13 表示手段 14 診療情報データベース 15 ネットワーク回線 16 端末 17 制御手段 18 入力手段 19 表示手段 20 経過情報データベース 30 特記事項データベース 40 端末設定データベース
Claims (5)
- カルテに記載する診療情報を入力する入力手段と、診療情報を患者別に記憶する診療情報データベースと、表示手段とを備え、前記入力手段からの指示に応じて患者の診療情報を診療情報データベースから読み出して診療情報入力ウインドウとして表示手段に表示する診療支援システムにおいて、
前記診療情報データベースとは別に特記事項を記憶する特記事項データベースと、特記事項データベースから患者の特記事項を読み出し、その読み出した特記事項を少なくとも患者の氏名と性別を含む患者識別情報とともに特記事項ウインドウとして前記表示手段に表示する特記事項表示制御手段とを設け、前記入力手段からの前記指示に応じて患者の診療情報を表示しようとするとき、その表示に先立って前記特記事項表示制御手段は前記特記事項ウインドウを表示するものであり、
前記特記事項データベースは特記事項として患者のアレルギー情報と、妊婦又は授乳婦かを示す患者属性情報とを少なくとも記憶し、前記特記事項表示制御手段は、設定に応じて、前記特記事項の表示/非表示を制御することを特徴とする診療支援システム。 - 前記特記事項は患者の患者属性に係るカテゴリと、アレルギーに関するカテゴリとを少なくとも含み、前記特記事項表示制御手段は、それぞれのカテゴリで前記特記事項データベースに記憶されている情報量に応じて、それぞれのカテゴリの表示量を調整することを特徴とする請求項1に記載の診療支援システム。
- 前記特記事項表示制御手段は、前記特記事項データベースに記憶されている前記カテゴリ毎の情報量に応じて、特記事項の表示順を調整して表示することを特徴とする請求項2に記載の診療支援システム。
- 前記特記事項表示制御手段は、前記カテゴリ毎の表示行数を調整するものである請求項2又は請求項3に記載の診療支援システム。
- 前記特記事項表示制御手段は、前記特記事項データベースに記憶されている前記カテゴリ毎の情報量が多い順に上から特記事項を表示することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の診療支援システム。
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