JP4622630B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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また、電子ペーパーやRFIDタグなどに対応させるため、フレキシブル化、低コスト化、さらに軽量化などの観点から、電子回路を形成する薄膜トランジスタをフレキシブル基板上に形成する、有機半導体を用いたデバイスの開発が行われている。
この有機半導体を用いた薄膜トランジスタにおいては、成膜温度を室温から200度程度に低減できることから、プラスチック基板を用いた薄膜トランジスタが製造可能になり、軽量かつフレキシブルな論理回路の製造が期待されている。
また、印刷法を用いた電極の形成においては、導電性高分子や金属コロイド溶液などを用いた電極パターンの形成に関する開発も行われている(非特許文献2参照)。
Science vo1.265、1684(1994) Thin Solid Films Vol.279、438(2003)
かかる方法によれば、リーク電流が少ない薄膜トランジスタを製造することができる。また、印刷方法を採用すれば必要な部分にのみ電極を形成することができるので、製造工程が大幅に削減され、大量に安価に製造することが可能となる。
かかる方法によっても、上記と同様の効果が得られる。
図1(a)は第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの平面図、図1(b)は図1(a)のA−A´の断面図、図2(a)〜(d)は製造工程を示す断面図である。
第1の実施形態の薄膜トランジスタ10は、絶縁基板1の上面にゲート電極2が形成され、絶縁基板1とゲート電極2がゲート絶縁膜3で覆われている。ゲート絶縁膜3の上面には、ソース電極4およびドレイン電極5が形成され、ソース電極4とドレイン電極5の間隙が半導体層6で覆われている。
図4(a)は第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの平面図、図4(b)は図4(a)のA−A´の断面図、である。
第2の実施形態の薄膜トランジスタ20は、第1の実施形態と略同一の構成を有しており、同様の工程にて形成されるが、半導体層6が形成される領域が異なる。すなわち、半導体層6は、ソース電極4の外壁とドレイン電極5の内壁との間に形成されるとともに、ソース電極4を覆うように形成されている。半導体層6を形成する際には、半導体材料をソース電極4の中心位置に塗布する。塗布された半導体材料はソース電極上において流動していき、ソース電極4とドレイン電極5によって形成された間隙に流入する。流入した半導体材料は、等幅リング状に形成されている間隙内でチャネルを形成する。
図5(a)は第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの平面図、図5(b)は図5(a)のA−A´の断面図、図2(a)〜(d)および図3(a)〜(d)は製造工程を示す断面図である。
第3の実施形態の薄膜トランジスタ30は、第1の実施形態の薄膜トランジスタに加えて、層間絶縁層7、ビアホール9、ソース配線8が形成されている。第3の実施形態の薄膜トランジスタ30は、第1の実施形態の薄膜トランジスタのソース電極4、ドレイン電極5、半導体層6を覆うように、層間絶縁層7が形成されている。層間絶縁膜7としては、エポキシ、ポリイミド等の有機物を使用することができる。層間絶縁層7には、ソース電極4の上部の位置にビアホール9が形成されている。層間絶縁層7の上面には、ソース配線8が形成され、ビアホール9を介してソース電極4に接続されている。ソース配線8としてはAgペースト、Niペーストや、Al、ITO等が好適に用いられる。
ところが、ドレイン電極の高さが1μm未満の場合、図6(b)に示すように半導体材料はドレイン電極5から溢れ出し、他の領域の電極(例えば、ドレイン電極5’)と連結してしまうので好ましくない。
尚、ソース電極4やドレイン電極5の角部の曲率や幅によってチャネル長が大きく変化すると、特性のばらつきが生じることがあり、好ましくない。そのため、ソース電極4とドレイン電極5の間隔(チャネル長)を一定に保つことが望ましく、ソース電極4およびドレイン電極5を形成する版としては円形状の版を用いることが好ましい。特に、ソース電極4が円形、ドレイン電極5が等幅リング形状であり、それらの中心が一致するようにソース電極およびドレイン電極を形成することにより、より高精度にチャネル長を均一にすることができる。
本発明の薄膜トランジスタを製造する場合の実施例1について、図2と図3を用いて説明する。
基板1として、厚さ125μmのポリエチレンナフタレート(PEN)を準備し、Alをスパッタ成膜、フォトリソおよびエッチングによって等幅リング状のゲート電極2を形成した(図2(a))。ゲート電極2の厚さは100nm、内径は200μm、外径は400μmとした。ポリビニルフェノール溶液をスピンコートし、焼成してゲート絶縁膜3を形成した。(図2(b))。ゲート絶縁膜の膜厚は1μmとした。ソース電極4およびドレイン電極5として、Agペーストをスクリーン印刷によって形成した(図2(c))。ソース電極4の厚さは10μm、円の直径は250μmとした。ドレイン電極5の厚さは10μm、内径は350μm、外径は450μmとして等幅リング状に形成した。このようにソース電極4とドレイン電極5を形成したことにより、ソース電極4とドレイン電極5の間には、幅が50μmの等幅リング状の間隙が形成されたことになる。
ポリチオフェン溶液の塗布をソース電極4の上面の中心位置に合わせて行った以外は、実施例1と同様の工程によって、薄膜トランジスタを作成した。
このように作成した薄膜トランジスタにおいて、リーク電流(off電流)を測定したところ、Vd=−40Vにおいて10pAであった。
実施例2と同様の工程によって、薄膜トランジスタを作成した。ただし、ソース電極4とドレイン電極5の厚さを、1、5、20、50、60μmとした。
このように作成した薄膜トランジスタにおいて、リーク電流(off電流)を測定したところ、表1に示すような結果になった。
図8(a)および(b)を用いて、比較例1について説明する。
絶縁基板1として、厚さが125μmのポリエチレンナフタレート(PEN)を準備し、Alをスパッタ成膜、フォトリソおよびエッチングによって長方形状のゲート電極2を形成した。ゲート電極2の厚さは100nm、縦長は1.1mm、横長は100μmとした。次に、ポリビニルフェノール溶液をスピンコートし、焼成してゲート絶縁膜3を形成した。ゲート絶縁膜3の膜厚は1μmとした。次に、長方形のソース電極4とドレイン電極5(ただし、引き出し電極を有する)とをAgペーストをスクリーン印刷することによって形成した。尚、平面視的配置において、ソース電極4およびドレイン電極5の一部がゲート電極に重なるように形成されている。ソース電極4およびドレイン電極5の厚さは10μmとし、長辺は1mm、短辺は100μmとした。対向したソース電極4とドレイン電極5の間には、幅が50μmの間隙が形成された。
比較例として、ソース電極とドレイン電極をCrおよびAuの蒸着およびフォトリソ、エッチングにて0.5μmの厚さに形成した以外は、実施例2と同様の工程で作成した薄膜トランジスタを作成した。ただし、半導体層溶液はドレイン外部に流出し、他の電極にも到達した。
このように作成した薄膜トランジスタにおいて、リーク電流(off電流)を測定したところ、Vd=−40Vにおいて−Id=10pAであったが、他の電極を0Vに接続すると1nAに増大した。
Claims (2)
- 絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記絶縁基板と前記ゲート電極を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成されたソース電極とドレイン電極と半導体層とを有し、平面視的配置において、前記ソース電極が孤立島パターンに形成されており、前記ドレイン電極が前記ソース電極を取り囲むように配置されており、さらに前記ゲート電極が前記ソース電極と前記ドレイン電極との間隙を埋める位置に配置されてなり、前記ドレイン電極の膜厚が1μm以上である薄膜トランジスタを製造する方法であって、前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成する工程が少なくともスクリーン印刷工程を含み、前記半導体層を形成する工程が少なくともディスペンサ工程またはインクジェット工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記膜厚が1μm以上のドレイン電極を堤防として、ディスペンサ工程またはインクジェット工程で形成する半導体層のドレイン電極外への漏れ出しを防止しつつ半導体層をドレイン電極の内側に形成することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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