JP4620848B2 - プリント配線板の電気検査装置及び電気検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の電気検査装置及び電気検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板に形成されている導体回路には、ショートや断線といった欠陥が含まれていることがある。このような欠陥は、一般には導通検査治具を用いて導体回路間に定電流を印加し、そのときに流れる電流値を測定することにより発見される。ところで、導体回路に電気めっき用のめっきリードが接続されている場合、このような導通検査治具を用いた電気的検査の実施が困難になる。そこでこの場合には、被検査体である導体回路を画像認識させ、この画像と設計パターンとを比較して導通不良を検出するAOI(光学的外観検査)法が行われる。しかしながら、AOI検査方法では検出漏れが発生するおそれがある。
【0003】
このため、本発明者は、磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることにより、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する電気検査装置をすでに提案している。より具体的にいうと、磁界発生治具である上治具は、コイルが巻回された多数のヘッドを有している。このようなヘッドは、プリント配線板上面側の導体回路に近接した状態で配置される。そして、この状態でコイルへの通電量を変化させることによって磁場を変化させ、導体回路に誘導電流を発生させるようにしている。
【0004】
一方、導通検査治具である下治具は、プリント配線板下面側の導体回路に接触される多数のコンタクトピンと、特定のコンタクトピン間に流れる誘導電流の値を測定するための電流計とを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、被検査物が多数個取り用のプリント配線板である場合、現状においても下治具に数千本のコンタクトピンを密集した状態で立設させる必要がある。このため、ピン自体の形成やピンのアライメントが困難になる結果、下治具の製造が困難になる。また、プリント配線板のファイン化が進むと、この問題がより顕著になることも予想される。
【0006】
さらに、プリント配線板のファイン化が進んだ場合、上治具のヘッドもおのずと密集した状態になる。この場合、ヘッドの発生する磁気が隣のものに干渉してしまい、検査精度が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造が比較的簡単であってしかも検査精度の高いプリント配線板の電気検査装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、検査精度の高いプリント配線板の電気検査方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、導体回路に近接した状態で配置されるヘッドを有する磁界発生治具と、前記導体回路に接触した状態で配置される複数のコンタクトを有する導通検査治具とを備え、前記磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることによって、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する多数個取り用プリント配線板の電気検査装置であって、前記磁界発生治具は、前記多数個取り用プリント配線板における一部の取り片に属する導体回路に対応して設けられた第1ヘッドを備える第1磁界発生治具と、残りの取り片に属する導体回路に対応して設けられた第2ヘッドを備える第2磁界発生治具とによって構成され、前記第1及び第2磁界発生治具を一列にかつ交互に並べて配置するとともに、前記第1及び第2磁界発生治具の総数は、多数個取り用プリント配線板の持つ部品エリアの数よりも1つだけ多くなるように設定されていることを特徴とするプリント配線板の電気検査装置をその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1及び第2ヘッドは、前記多数個取り用プリント配線板における取り片に対応して、ともに千鳥状に配置されているとした。
【0011】
請求項3に記載の発明では、導体回路に近接した状態で配置されるヘッドを有する磁界発生治具と、前記導体回路に接触した状態で配置される複数のコンタクトを有する導通検査治具とを備える電気検査装置を用い、前記磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることによって、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する多数個取り用プリント配線板の電気検査方法であって、前記磁界発生治具は、前記多数個取り用プリント配線板における一部の取り片に属する導体回路に対応して設けられた第1ヘッドを備える第1磁界発生治具と、残りの取り片に属する導体回路に対応して設けられた第2ヘッドを備える第2磁界発生治具とによって構成され、前記第1及び第2磁界発生治具を一列にかつ交互に並べて配置するとともに、前記第1及び第2磁界発生治具の総数は、多数個取り用プリント配線板の持つ部品エリアの数よりも1つだけ多くなるように設定されており、前記第1磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第1工程を行った後、前記プリント配線板を前記治具1つ分だけ同治具の配列方向にずらしたうえで、前記第2磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第2工程を行うことを特徴とするプリント配線板の電気検査方法をその要旨とする。
【0012】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1又は2に記載の発明によると、一部の取り片に属する導体回路については、第1ヘッドを備える第1磁界発生治具によって磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることにより、導体回路間の導通不良が検出される。一方、残りの取り片に属する導体回路については、第2ヘッドを備える第2磁界発生治具によって磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることにより、導体回路間の導通不良が検出される。
【0013】
また、この構成であると、ヘッドの密集度を低くすることができるため、ヘッドの発生する磁気が隣のものに干渉しにくくなる。ゆえに、プリント配線板がファイン化したときでも、高い検査精度を維持することができる。さらに、この構成であると、ヘッドの密集度が低減されることにより、1つの導通検査治具におけるコンタクトの数も少なくて済むようになる。このため、同治具を比較的簡単に製造することが可能となる。
【0016】
請求項2に記載の発明によると、第1及び第2ヘッドを取り片に対応して千鳥状に配置した結果、隣接する取り片に対応する箇所にヘッドが存在しなくなり、ヘッド間にある程度の距離が確保される。このようにヘッドの密集度が確実に低減されることで、ヘッドの発生する磁気が隣のものに干渉しにくくなる。ゆえに、ファイン化したときでも高い検査精度を確実に維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態の電気検査装置11及びそれを用いた電気検査方法を、図1〜図9に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1,図2等にて概略的に示されるように、本実施形態における被検査体であるプリント配線板1は、いわゆる多数個取り用のプリント配線板1である。このプリント配線板1は、多数の取り片1aからなる正方形状の部品エリアを4つ備えている。各取り片1aは正方形状を呈しており、1つの部品エリアにおいて前記取り片1aは4個×4個のマトリクス状となるように規則的に配列されている。個々の取り片1aは最終的には切り離されて1つ1つの製品となる。
【0019】
このプリント配線板1は、いわゆる両面板であって、電気めっきが施された導体回路5を絶縁基材7の表裏両面に有している。もっとも、プリント配線板1は多層板であっても構わない。なお、前記導体回路5のパターン形状は各取り片1aについて等しくなっている。各取り片1aにおける導体回路5は、めっきリード4を介して電気的に接続されている。プリント配線板1の表裏両面には、導体回路5の大部分を覆うソルダーレジストがそれぞれ形成されている。裏面側のソルダーレジストに形成された開口部からは、導体回路5に設けられた外部接続端子部(具体的には、はんだボール接合部)が露出している。プリント配線板1の略中央部に集中して設けられた前記はんだボール接合部には、各々はんだボールが接合されるようになっている。一方、裏面側のソルダーレジストに形成された開口部からは、導体回路5に設けられた外部接続端子部(具体的にはボンディングパッド)が露出している。プリント配線板1の外周部に配列された前記ボンディングパッドとLSIチップ側のパッドとは、ボンディングワイヤを介して接続されるようになっている。
【0020】
本実施形態の電気検査装置11は、めっきリード4を介して連結される2つの導体回路5に誘導電流を生じさせて導体回路5の間の導通不良を検出するものであり、磁界発生治具としての第1及び第2上治具12,13と、導通検査治具としての下治具14とを備えている。
【0021】
第1上治具12は、導体回路5に近接した状態で配置される複数の第1ヘッド15のみを有しており、第2上治具13は導体回路5に近接した状態で配置される複数の第2ヘッド16のみを有している。第1ヘッド15は、多数個取り用プリント配線板1における一部の取り片1aに属する導体回路5に対応して設けられている。第2ヘッド16は、残りの取り片1aに属する導体回路5に対応して設けられている。より具体的にいうと、第1ヘッド15及び第2ヘッド16は、取り片1aに対応して、ともに千鳥状に配置されている。
【0022】
第1ヘッド15は、炭素鋼板等の磁性体からなる板材17に磁界発生コイル18を巻いた構造となっている。前記磁界発生コイル18は、交流電流源19(100mA 〜800mA)に対して接続されている。第1ヘッド15を構成する板材17は、4枚で1組となっていて、それらは全体として矩形状をなすように配置されている。第2ヘッド16を構成する板材17も、4枚で1組となっていて、それらは全体として矩形状をなすように配置されている。なお、4枚の板材17によってが形作られる矩形は、取り片1aよりも一回り小さくなるように設定されている。
【0023】
本実施形態において、1つの第1上治具12における第1ヘッド15の数は8個、1つの第2上治具13における第2ヘッド16の数は8個になっている。即ち、個々の上治具12,13の備えるヘッド15,16の数は等しくなっている。
【0024】
図2(a)に示されるように、第1上治具12及び2個の第2上治具13は、一列にかつ交互に並んだ状態で配置されている。そして、3個の第1上治具12及び2個の第2上治具13により、1つの上治具ユニットが構成されている。
【0025】
図3にて概略的に示されるように、下治具14は、導体回路5の一部である前記はんだボール接合部に接触した状態で配置される複数のコンタクトピン20を有している。下治具14において第1上治具12の直下に位置するエリアにおいては、第1ヘッド15に対応する箇所にのみコンタクトピン20が立設されている。下治具14において第2上治具13の直下に位置するエリアにおいては、第2ヘッド16に対応する箇所にのみコンタクトピン20が立設されている。なお、前記下治具14は、特定のコンタクトピン20間に流れる電流を測定するための電流計21を備えている。
【0026】
次に、本実施形態における測定原理及び測定の仕方を図3〜図9に基づいて説明する。
コンタクトピン20は、検査対象である2つの導体回路5のはんだボール接合部に接触される。2つの導体回路5が正常である場合には、2つの導体回路5を接続しているめっきリード4及び下治具14が閉回路を形成する。
【0027】
この閉回路にあるめっきリード4の近傍には、上治具12,13が配置されるとともに、磁界発生コイル18に流れる交流電流によって磁場2が変化する。すると、めっきリード4及びこれに接続されている導体回路5に誘導電流が流れる。この誘導電流は、下治具14の電流計21によって検出される。
【0028】
まず、正常な導体回路5及びショートが生じている導体回路5の誘導電流特性を予備検査する。
図4には、ショート及び断線がなく正常な導体回路5が示されている。図5には、正常な導体回路5の誘導電流の電流特性が示されている。なお、図3において誘導電流は破線にて示されている。図5の上方の線Bは磁界発生コイル18に流れる交流電流を示し、図5の下方の線Aは正常な導体回路5に流れる誘導電流の電流量を示している。
【0029】
図6には、ショート22を有する導体回路5を示す。図7には、ショート22が生じている導体回路5の誘導電流の電流特性を示す。図7の上方の線Bは磁界発生コイル18に流れる交流電流を示し、図7の下方の線a1はショート22が生じている導体回路5に流れる誘導電流の電流量を示している。
【0030】
図7の正常電流量Aとショート22が生じている場合の電流量a1とを比較すると、ショート22が生じている導体回路5の誘導電流は、正常な導体回路5の誘導電流の電流量に比べて、著しく減衰している。これは、ショート22によって誘導電流の分流が生じるため、下治具14を流れる誘導電流の量が小さくなることによるものである。
【0031】
図8には、断線23が生じている導体回路5が示されている。図9に、断線23が生じている導体回路5の誘導電流の電流特性を示す。図9の上方の線Bは磁界発生コイル18に流れる交流電流を示し、図9の下方の線a2は断線23が生じている導体回路5に流れる誘導電流の電流量を示している。断線23が生じている場合、誘導電流量はゼロとなり、導体回路5には誘導電流が発生しない。
【0032】
次に、検査対象である3種のサンプルを用意するとともに、それらのサンプル(1)〜(3)の導体回路5に対し、上記予備検査の結果に基づいて電気検査を行う。
【0033】
サンプル(1)の導体回路5における誘導電流の検査電流量が図5の正常電流量Aと同じパターンを示していると仮定する。この場合、同サンプル(1)については、導体回路5にショート22及び断線23などの導通不良が発生していないともの判断することができる。
【0034】
次に、サンプル(2)の導体回路5における誘導電流の検査電流量が図5に示す正常電流量よりも著しく小さくてわずかな誘導電流が検出されたものと仮定する。この場合には、同サンプル(2)の導体回路5には、ショート22が発生しているものと判断することができる。
【0035】
次に、サンプル(3)の導体回路5における誘導電流の検査電流量がゼロであったと仮定する。この場合には、導体回路5には断線23が生じているものと判断することができる。
【0036】
以上のようにして第1回目の検査工程を行うことにより、プリント配線板1における取り片1aの半数のものについて電気検査が完了する。この後、プリント配線板1を治具1つ分だけ治具配列方向にずらすようにする。即ち、図2(b)の位置から図2(c)の位置までプリント配線板1を水平移動させる。そして、再びヘッド15,16を導体回路5に近接させるように配置して、第2回目の検査工程として上記と同様の検査を行う。その結果、プリント配線板1における取り片1aのうち、前記第1回目の検査対象でなかった残りの半数のものについても電気検査が完了する。
【0037】
即ち、一部の取り片1aに属する導体回路5については、第1ヘッド15を備える第1上治具12によって磁場を変化させて導体回路5に誘導電流を発生させることにより、当該導体回路5間の導通不良を検出することができる。
【0038】
一方、残りの取り片1aに属する導体回路5については、第2ヘッド16を備える第2上治具13によって磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることにより、当該導体回路5間の導通不良を検出することができる。
【0039】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)この電気検査装置11は、第1ヘッド15を備える第1上治具12と、第2ヘッド16を備える第2上治具13とによって構成されている。よって、従来のものに比べてヘッド15,16の密集度を低くすることができる。しかも、本実施形態では、第1ヘッド15及び第2ヘッド16を取り片1aに対応して千鳥状に配置している。その結果、隣接する取り片1aに対応する箇所にヘッド15,16が存在しなくなり、ヘッド15,16間にある程度の距離が確保されている。このため、ヘッド15,16の発生する磁気が隣のヘッド15,16に干渉しにくくなる。ゆえに、プリント配線板1がファイン化したときでも、高い検査精度を確実に維持することができる。
【0040】
(2)また、この電気検査装置11の構成であると、ヘッド15,16の密集度が低くなることから、1つの下治具14におけるコンタクトピン20の数も従来の半分で済むようになる。このため、コンタクトピン20の形成やアライメントがそれほど困難ではなくなり、下治具14を比較的簡単に製造することが可能となる。よって、製造が簡単な電気検査装置11とすることができる。
【0041】
(3)本実施形態では、3つの第1上治具12及び2つの第2上治具13を一列にかつ交互に並べて配置している。また、上治具12,13の総数は、多数個取り用プリント配線板1の持つ部品エリアの数よりも1つだけ多くなるように設定されている。そして、上述のごとく第1工程を行った後、プリント配線板1を治具1つ分だけ治具配列方向にずらしたうえで、第2工程を行うようにしている。
【0042】
従って、プリント配線板1を一方向に1回ずらすだけで、全部の取り片1aについての検査を完了することができる。このため、検査を効率良く行うことができるとともに、プリント配線板1の搬送動作及びそれを実現するための装置の複雑化を未然に防止することができる。また、この構成によれば、1種類の上治具ユニットのみを用いれば足りることとなる。
【0043】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1ヘッド15及び第2ヘッド16は、必ずしも千鳥状に配置されていなくてもよい。例えば、ヘッド15,16を列状に配置するとともに、各列の間に間隔をもたせてもよい。
【0044】
・ 第1上治具12における第1ヘッド15の数、及び第2上治具13における第2ヘッド16の数は、必ずしも同数でなくてもよい。
・ ヘッド15,16は、必ずしも板材17を矩形状に配置したものでなくてもよい。また、ヘッド15,16は、4枚で1組の板材17からなるものでなくてもよい。
【0045】
・ 例えば、4個の第1上治具12のみを列設してなる上治具ユニットを用いて第1の検査工程を行った後、4個の第2上治具13のみを列設してなる別の上治具ユニットを用いて第2の検査工程を行うようにしてもよい。
【0046】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項2において、個々の治具の備える前記第1及び第2ヘッドの数は、ほぼ同数であること。従って、この技術的思想1に記載の発明によれば、確実にヘッドの密集度を低くすることができる。
【0047】
(2) 請求項1又は2、技術的思想1のいずれか1つにおいて、前記ヘッドは、板状の磁性体に磁界発生コイルを巻いてなるものであること。従って、この技術的思想2に記載の発明によれば、コイルへの通電によって、誘導電流を発生させるのに十分な磁界を発生させることができる。
【0048】
(3) 導体回路に近接した状態で配置されるヘッドを有する磁界発生治具と、前記導体回路に接触した状態で配置される複数のコンタクトを有する導通検査治具とを備える電気検査装置を用いるとともに、前記磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることによって、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する多数個取り用プリント配線板の電気検査方法であって、前記多数個取り用プリント配線板における一部の導体回路に対応して設けられた第1ヘッドを備える第1磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第1工程を行った後、残りの導体回路に対応して設けられた第2ヘッドを備える第2磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第2工程を行うことを特徴とするプリント配線板の電気検査方法。
【0049】
(4) 技術的思想3において、前記第1及び第2磁界発生治具を一列にかつ交互に並べて配置するとともに、前記第1工程を行った後、前記プリント配線板を前記治具1つ分だけ同治具の配列方向にずらしたうえで、前記第2工程を行うこと。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の発明によれば、製造が比較的簡単であってしかも検査精度の高いプリント配線板の電気検査装置を提供することができる。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、検査精度のいっそうの向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、検査精度の高いプリント配線板の電気検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態の電気検査装置を構成する第1上治具の一部を示す要部拡大斜視図、(b)は同じく第2上治具の一部を示す要部拡大斜視図。
【図2】(a)は実施形態の上治具におけるヘッドのレイアウトを概略的に示した図、(b),(c)は多数個取り用プリント配線板の概略平面図。
【図3】実施形態の電気検査方法の原理を説明するための概略図。
【図4】プリント配線板において正常な導体回路がある箇所の部分拡大平面図。
【図5】正常な導体回路に流れる誘導電流の電気特性を示す線図。
【図6】プリント配線板においてショートが発生した導体回路がある箇所の部分拡大平面図。
【図7】ショートが発生した導体回路に流れる誘導電流の電気特性を示す線図。
【図8】プリント配線板において断線が発生した導体回路がある箇所の部分拡大平面図。
【図9】断線が発生した導体回路に流れる誘導電流の電気特性を示す線図。
【符号の説明】
1…多数個取り用プリント配線板、1a…取り片、4…めっきリード、5…導体回路、11…電気検査装置、12…第1磁界発生治具としての第1上治具、13…第2磁界発生治具としての第2上治具、14…導通検査治具としての下治具、15…第1ヘッド、16…第2ヘッド、20…コンタクトとしてのコンタクトピン。
Claims (3)
- 導体回路に近接した状態で配置されるヘッドを有する磁界発生治具と、前記導体回路に接触した状態で配置される複数のコンタクトを有する導通検査治具とを備え、前記磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることによって、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する多数個取り用プリント配線板の電気検査装置であって、
前記磁界発生治具は、前記多数個取り用プリント配線板における一部の取り片に属する導体回路に対応して設けられた第1ヘッドを備える第1磁界発生治具と、残りの取り片に属する導体回路に対応して設けられた第2ヘッドを備える第2磁界発生治具とによって構成され、前記第1及び第2磁界発生治具を一列にかつ交互に並べて配置するとともに、前記第1及び第2磁界発生治具の総数は、多数個取り用プリント配線板の持つ部品エリアの数よりも1つだけ多くなるように設定されていることを特徴とするプリント配線板の電気検査装置。 - 前記第1及び第2ヘッドは、前記多数個取り用プリント配線板における取り片に対応して、ともに千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の電気検査装置。
- 導体回路に近接した状態で配置されるヘッドを有する磁界発生治具と、前記導体回路に接触した状態で配置される複数のコンタクトを有する導通検査治具とを備える電気検査装置を用い、前記磁界発生治具により磁場を変化させて導体回路に誘導電流を発生させることによって、めっきリードを介して連結された導体回路間の導通不良を検出する多数個取り用プリント配線板の電気検査方法であって、
前記磁界発生治具は、前記多数個取り用プリント配線板における一部の取り片に属する導体回路に対応して設けられた第1ヘッドを備える第1磁界発生治具と、残りの取り片に属する導体回路に対応して設けられた第2ヘッドを備える第2磁界発生治具とによって構成され、前記第1及び第2磁界発生治具を一列にかつ交互に並べて配置するとともに、前記第1及び第2磁界発生治具の総数は、多数個取り用プリント配線板の持つ部品エリアの数よりも1つだけ多くなるように設定されており、
前記第1磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第1工程を行った後、前記プリント配線板を前記治具1つ分だけ同治具の配列方向にずらしたうえで、前記第2磁界発生治具により磁場を変化させて検査を行う第2工程を行うことを特徴とするプリント配線板の電気検査方法。
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