JP3717241B2 - 基板検査方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装型ICのリードの足浮き(半田付けの良否)検査を非接触プロービングによりおこなう基板検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、表面実装型ICのリードの足浮き検査において、非接触プロービングを構成し、導体パターンと被検査ICのリード群との間で1対1の位置関係又は接続関係とともにその間の電気的状態を抽出するようにした検査手法が知られている。
【0003】
例えば、特開平5−264672号には、高密度実装基板のインサーキット試験に供される容量結合プローブ(プローブチップ)が開示されている。ここでは、非接触はオーミック接触のない結合を意味し、容量性と互換的に使用されている。すなわち、容量(性)結合の手段はコンデンサである。
【0004】
また、容量(性)結合を使用するという点では、特開平4−309875号にみられるように、ICパッケージ上に絶縁体を介して金属箔による電極(所謂ベタプローブ)を載置したインサーキット試験装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例はいずれも非接触プロービングを構成したものであるが、被検査ICのリード群に対する個々のアプローチにおいて位置決めが必要であり、また被検査ICのリードの足浮きが何箇所かに接続している導体パターンのどの部分であるのかを1対多(少なくとも1対3〜5程度)の接続関係、即ち、検査信号を供給している導体パターンが非検査ICの複数のリードのどのリードに接続されているか、その中のどのリードに足浮きがあるかを判別することはできなかった。
したがって、多電極プローブを被検査ICのリード群に近接配置して通電(電子回路へアクセス)可能とすることにより、プロービングにおける位置決めを不要とし、かつ、1対多の関係、即ち、1本から多数本に分岐する導体パターンに対するリード群の足浮きを判別してゆくことは合理的であり、産業上有益であるとの期待がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、表面実装型ICのリードの足浮き(半田付けの良否)検査に係る被検査ICのリード群に対して、多電極プローブにより非接触プロービングを構成して電子回路へアクセス(給電又は受電・検出)し、その電気的状態を、被検査ICの各リードに対するプローブの位置関係、及び導体パターンに接続する複数のリードについて1対多の接続関係、即ち、1本から多数本に分岐する導体パターンと該パターンに接続する各リードの接続関係とともに抽出するように改善した基板検査方法及び装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、被検査ICのリードの足浮きの有無を判別するために、被検査ICのリード群に対して該リード群のピッチより狭ピッチの多電極プローブを近接配置した非接触プロービングを構成して、微弱な電磁界(又は電磁波)を捕捉することにより電子回路へアクセス(給電又は受電・検出)し、その電気的状態を、被検査ICの各リードに対する多電極プローブの位置関係、及び導体パターンに接続する複数のリードについて1対多の接続関係、即ち、1本から多数本に分岐する導体パターンと該パターンに接続する各リードの接続関係とともに抽出するようにした基板検査方法及び装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
好適な実施態様に係る本発明方法は、被検査ICのリードに接続される導体パターンの個々の検査対象部位に対してコンタクトプローブを介して順次個別に交流信号を供給してゆき、交流信号供給導体パターンにそれぞれ接続する被検査ICの各リードにおいて発生した電磁界を各リードに対置した複数電極からなる多電極プローブの対応領域ごとに非接触受電・検出し、それぞれの多電極プローブからの検出信号のレベル差を評価し、被検査ICの各リードに対する多電極プローブの位置関係を把握し、かつ、その足浮きの有無を前記交流信号供給導体パターンに対応するリードを含む被検査ICの複数のリードを含めて検出し、前記交流信号供給導体パターンとの接続関係とともに判別するようにしている。
【0009】
また、上記給受電側の構成を逆にして、多電極プローブに交流信号を供給することにより電磁界を発生させ被検査ICのリード群に対して非接触給電し、給電状態のリードに接続されている導体パターンの個々の検出信号検出部位においてコンタクトプローブを介して順次個別に検出信号を検出する状態をつくってゆき、各リードに対置した複数電極からなる多電極プローブの交流信号供給領域ごとの各給電状態のリードに接続されている導体パターンの検出信号検出部位からの検出信号のレベル差を評価し、被検査ICの各リードに対する多電極プローブの位置関係を把握し、かつ、被検査ICの各リードの足浮きの有無を前記交流信号供給導体パターンに対応するリードを含む被検査ICの複数のリードを含めて検出し、前記交流信号供給導体パターンとの接続関係とともに判別するようにしてもよい。
【0010】
上記発明方法を実施するために好適な実施態様に係る本発明装置は、導体パターンの個々の検査対象電極に対して接続されたコンタクトプローブ及び該プローブ駆動制御リレーと、被検査ICのリード群に近接して対置された多電極プローブ及び該プローブ駆動制御リレーと、多電極プローブにより検出した電磁界のレベル差を波形処理回路を介して評価し、被検査ICの各リードに対する多電極プローブの位置関係を把握し、かつ、その足浮きの有無を当該導体パターンが分岐している場合には分岐導体パターン毎の接続関係とともに判別する測定手段とを具備したものとされる。
【0011】
ここで、上記コンタクトプローブ駆動制御リレーに発振器を接続してなり、導体パターンの検査対象電極群を接触式の個別給電側とし、被検査ICのリード群を非接触式の受電・検出側として構成されする場合がある。
【0012】
また、多電極プローブ駆動リレーに発振器を接続してなり、被検査ICのリード群を非接触式の給電側及び通電時の検出側とし、導体パターンの検査対象電極群を接触式の個別受電側として構成される場合がある。
【0013】
したがって、被検査ICのリード群に対して該リード群のピッチより狭ピッチの多電極プローブを近接配置(非接触プロービングを構成)し、導体パターンに交流信号を供給して、非接触部分に電磁界を発生させ、これを捕捉して電子回路の電気的状態を評価することにより、被検査ICの各リードに対する多電極プローブの位置関係を把握し、かつ、その足浮きの有無を当該導体パターンが分岐している場合には分岐導体パターン毎の接続関係とともに判別することができる。
【0014】
【実施例】
本発明の一実施例を添付図面を参照して以下説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例における機器構成概略図であり、構成態様において導体パターンを接触式の個別給電側とし、被検査ICのリード群を非接触式の受電・検出側としたものである。
【0016】
ここで、1が発振器(交流電源)、2がコンタクトプローブ駆動制御リレー、3がコンタクトプローブ、3が基板、5が導体パターン、6が被検査IC、7が被検査ICのリード(足)、8が多電極プローブ、9が多電極プローブ駆動制御リレー、10が波形処理回路、110 がフィルタ、111 がアンプ、11がA/Dコンバータ、12がパーソナルコンピュータ(測定手段)及びXが基板検査装置である。
【0017】
図示するように、発振器(1)から交流信号〔電圧〕をコンタクトプローブ駆動制御リレー(2)に入力する。このとき、コンタクトプローブ駆動制御リレー(2)は基板(4)の導体パターン(5)の1チャンネル〔以下、chと略記する。〕のみがコンタクトプローブ(3)に導通し、その他のchは接地〔以下、GNDと略記する。〕される。この駆動制御は、測定手段であるパーソナルコンピュータ(12)〔以下、パソコンという。〕よりなされる。〔個別給電〕
【0018】
交流信号は、当該導体パターン(5)と被検査IC(6)の接続リード(7)〔群〕に流れる。このとき、被検査IC(6)の接続リード(7)〔群〕において、微弱な電磁界〔電磁波〕が発生〔放射〕する。これを多電極プローブ(8)を介して順番に1本づつ受信してゆく。〔受電・検出〕
【0019】
このとき、受信のあった多電極プローブ(8)の当該電極は、多電極プローブ駆動制御リレー(9)により波形処理回路(10)に接続され、他の電極〔群〕はGND に接続される。この駆動制御もパソコン(12)によりなされる。
【0020】
波形処理回路(10)はフィルタ(110)及びアンプ(111)であり、フィルタ(110)は受信した検出信号のノイズを除去してアンプ(111)に出力し、アンプ(111)はこれを増幅してA/Dコンバータ(11)に出力する。そして、波形処理後の検出信号がパソコン(12)に入力される。このときの受信レベルが判定値となる。
ここで、当該リード(7)に足浮きがあると、その受信レベルが基準値よりはるかに小さくなるので、そのレベル差をもって足浮きの有無を判別することができる。
【0021】
次いで、コンタクトプローブ(3)に入力する交流信号のchを変え、上記動作を繰り返してゆき、それぞれ受信レベルを測定することによって、多電極プローブ(8)の1本1本の電極が被検査IC(6)のどのリード(7)の近傍に対置しているのか、その位置を知得することができる。すなわち、受信レベルの高い電極が被検査IC(6)のリード(7)の近傍に位置しているといえ、受信レベルの低い電極が被検査IC(6)のリード(7)間(の空間)に位置しているといえる。〔以下、この自動的な位置決め手法をセルフアライメント方式と称する。〕
【0022】
このセルフアライメント方式によって、実際に受信する多電極プローブ(8)の本数〔ch数〕を決定する。本数は被検査IC(6)の電極〔リード〕(7)の幅により変わってくるが、通常、1電極〔リード〕(7)に対して3〜5本程度である。
【0023】
また、導体パターン(5)及び被検査IC(6)のリード(7)間の各chについて、多電極プローブ(8)で受信するch数(プローブ番地領域)を設定する。例えば、被検査IC(6)の第1のリード〔図示の丸1〕に対して多電極プローブ(8)の3〜5ch,第2のリード〔図示の丸2〕に対して多電極プローブ(8)の10〜12chというふうにch数(プローブ番地領域)を設定する。
【0024】
したがって、被検査IC(6)の足浮き検査の実際は、上記セルフアライメント方式によって決められた被検査IC(6)のリード(7)対多電極プローブ(8)のch数(電極本数)の関係、すなわちリード1本対多数の多電極プローブ電極本数との関係でリード(7)において発生した電磁界を捕捉(受電・検出)することになる。このことが重要であり、以下の点で極めて有益である。あわせて、図2を参照されたい。
【0025】
1.プロービングにおける位置決めが不要となり、正常製品において、1本づつ受電・検出することによって各レベル差と位置の特性をとることができる。よって、多電極プローブのどのプローブがどのリード(の近傍)に対置しているのかがわかる。〔図2(a)(b)〕
【0026】
2.何箇所かのリードと接続している導体パターンのうち、どの部分(接続部)がリード浮き(足浮き又は半田不良)かが判別できる。〔図2(c)〕
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば被検査ICのリード(群)に対して多電極プローブによる非接触プロービングを構成しているので、各リードに対するプローブの位置が知得でき、かつ、導体パターンと接続している複数のリードのどれが足浮き又は半田付け不良なのか判別できる。しかも位置決め手段を不要とするコンパクトな自動化基板検査装置を構成できるので、産業上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例装置の機器構成概略図である。
【図2】セルフアライメント方式による検査態様の説明図である。
【符号の説明】
1 発振器(交流電源)
2 コンタクトプローブ駆動制御リレー
3 コンタクトプローブ
4 基板
5 導体パターン
6 被検査IC
7 被検査ICのリード(足)
8 多電極プローブ
9 多電極プローブ駆動制御リレー
10 波形処理回路
110 フィルタ
111 アンプ
11 A/Dコンバータ
12 パーソナルコンピュータ(測定手段)
X 基板検査装置

Claims (3)

  1. 被検査ICのリード群に対してそのピッチより狭ピッチの複数電極からなる多電極プローブを近接配置して受電・検出を制御し、表面実装型ICのリードの足浮きを検査する基板検査方法であって、
    前記被検査ICのリードに接続される個々の導体パターンの検査対象電極に対してコンタクトプローブを介して順次個別に交流信号を供給してゆき、
    前記交流信号供給される導体パターンにそれぞれ接続する被検査ICの各リードにおいて発生した電磁界を各リードに対置した前記多電極プローブで捕捉して非接触受電・検出し、
    多電極プローブのそれぞれの電極からの検出信号のレベル差を測定し、
    前記それぞれの電極と被検査ICの各リードに対する位置関係を把握し、
    基板上の導体パターンに接続される被検査ICリード群の足浮きの有無を検査することを特徴とする基板検査方法。
  2. 基板上の導体パターンに接続された表面実装型ICのリードの足浮き検査を非接触プロービングによりおこなう基板検査装置であって、
    導体パターンの個々の検査対象電極に接続されるコンタクトプローブと、
    前記コンタクトプローブに個別に交流信号を供給するコンタクトプローブ制御リレーと、
    被検査ICのリード群に近接して対置され該リード群のピッチより狭ピッチの複数電極からなる多電極プローブと、
    前記多電極プローブの検出電極の選択を行う多電極プローブ駆動制御リレーと、
    前記多電極プローブ制御リレーで選択された前記多電極プローブの検出電極により検出した電磁界の受信レベルを波形処理回路を介して評価し、被検査ICの各リードに対する前記多電極プローブの各電極の位置関係を把握し、かつその足浮きの有無を判別する測定手段とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  3. 前記測定手段は、前記多電極プローブの各電極よりの受信信号レベルと基準値の受信レベルとのレベル差によりリードの足浮きの有無を判別することを特徴とする請求項2記載の基板検査装置。
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