JP4620221B2 - エネルギ分解及び角度分解電子分光用の結像装置、その方法及び分光器 - Google Patents

エネルギ分解及び角度分解電子分光用の結像装置、その方法及び分光器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、あるエネルギ分布及び角度分布を持つ荷電粒から成る粒子の粒子ビームを検出装置に結像するための結像装置及び方法並びにこの結合装置を用いた分光器、特に、エネルギ分解能及び角度分解能の電子回折を測定する結像装置及び方法並びにこの結像装置を用いた分光器に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料のサンプルを電磁放射又は電荷粒子で照射すると、サンプル内での相互作用によって荷電粒子の放射が生じて、その空間分布(又は角度分布)及びエネルギ分布から、相互作用の際の物理的又は化学的プロセス又は関与した粒子の配置若しくは相互作用領域について逆推量行うことができる。これを基礎にして、例えば、電子回折試験法又は分光試験法を用いて多数の分析方法が開発されてきた。
【0003】
公知の分析法には、粒子流(例えば、電子、イオン又はイオン群、原子又は原子群から成るもの)の角度分布及びエネルギ分布を同時に検出することに問題がある。例えば、サンプルの高エネルギの電子の反射を検査する場合(RHEED法(高速反射電子線回折法))と、エネルギ濾過が行われて検出された回折像で弾性散乱行程と非弾性散乱行程とを分離できるか否かが問題になる。純粋の散乱をモデル化すると構造的分解能(Strukturaufloesung)を改善することができる。
【0004】
DE−OS 197 01 192に、電子回折試験で場所的分解能(Ortsdaufloesung) 及びエネルギ分解能を同時に用いる従来のシステムが説明されている。第1の例として、回折像の部分を走査することができる走査機構が示されており、そのエネルギ分析法が記載されているが、干渉が生じ易く、時間が掛かり、特にリアルタイム分析、例えば固体の表面変化を観察するためのリアルタイム分析が限定された態様でしかできないか全くできない。リアルで同時のエネルギ分解能及び角度分解能による分析は、回折パターンをいくつかの対のフィルタ又は各々が3個組のフィルタ(一般に、濾過電極の群)によって観察する第2の例で達成される。所定の減速電界が濾過電極間に形成され、例えば、弾性的に散乱される電子を通過させるが非弾性散乱電子を反射するようになっている。
【0005】
Japanese Journal of Applied Physics (Jpn. J. Appl. Phys.) (日本応用物理ジャーナル(仮訳)) 第35巻、1996年、3559頁以下のワイ・ホリオ(Y. Horio)の論文に、第2の例を実現するための球形のグリッドの形の濾過電極が開示されているが、これらの濾過電極は、必然的に作用距離が小さく、汚染があればエネルギ分解能及び感度が小さくなるという不利な点がある。これに対して、DE−OS 197 01 192(本発明の図16参照)によれば、平坦なグリッド電極3,4の形の濾過電極と、相互間の距離が電子の角度散乱に対応し濾過電極を指向する平行電子ビームを形成する偏向装置とを組み合わせて用いることによって改良を行った。平行電子路を平面濾過電極に組み合わせて使用すると、サンプルからの検出器2の作用距離、結像装置の感度、強度に関するワイ・ホリオによる技術の不利な点を解消することができる。極限条件で測定を行うために、平坦な濾過電極を用いる技術の場合にも、結像品質は、例えば、像ひずみを制限して最大回折距離を高精度で測定できる品質(電子回折を高度に分解する品質)になっていなければならない。
【0006】
従来のエネルギ選択結像(energieselektive Abbildung) での像ひずみは、特に、不均一散乱角収束(inhomogene Streuwinkelfokussierung) によって、また、グリッド形濾過電極3,4における干渉モアレパターンによって生じる。散乱角収束(Streuwinkelfokussierung) の品質が制限されているために、特に、散乱角が大きい場合は、平行な部分光線間の距離と散乱電子の角散乱との間の対応関係が、もはや線形でなくなる。使用法に応じて、像寸法と像の分解能(解像能)との双方又は片方がこれによって制限される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特に散乱光像を広げることと像の分解能を高めて結像品質を高めることによって特徴づけられる、粒子ビームの角度分解及びエネルギ分解結像を行うための改善された結像装置及び方法を提供することである。更に、本発明の課題は、対応して設計された分光器及びその操作方法及び使用方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の重要なことは、例えば、電子のような荷電粒のエネルギ選択及び角度選択結像を行うための結像装置に、粒子ビームに直角な前付けの入口孔又は前付けの入口グリッドを設けることである。入口グリッドは偏向装置に対して電気的に絶縁されており、その電位は、望ましくは、接地電位になっている。これは、サンプル側の偏向ユニットによって発生される電界を制限するのに用いられ、エッジビーム制御(Randstrahllenkung)をよりよく行えるようにする。エッジビーム制御とは、また、散乱角が像のエッジまでの大きさの場合にも、散乱角と、平行にされた粒子軌道間の距離との間の関係が線形になることを保証する制御のことをいう。第1実施形態によれば、入口グリッドは、偏向装置の軸に直角に設けられ、望ましくは+/−10°までの大きな散乱角範囲を結像するために実施化された実質に平坦なグリッドである。しかし、適応例によっては、結像に最高の線形性(最小ひずみ)がより重要である場合、入口グリッドの第2実施形態に基づいて、この入り口グリッドは球形グリッドとして形成される。球形グリッドの場合は、入口グリッドは対応の所定の球半径を持つ球欠面の形をしている。
【0009】
本発明の他の重要なことは、平行で減速された粒子ビームを発生させる偏向ユニットと、この平行な粒子ビームに直角に配置された単一の濾過グリッドから成る濾過装置との上述の組み合わせに基づいて、本発明による、荷電粒子ビームのエネルギ分解及び角度分解結像を行うための装置をさらに改良することにある。このことは、偏向装置と検出装置の間には粒子ビームと直角に延びる濾過グリッド電極があるだけであって、これらの偏向装置と検出装置との間の空間に別のビーム成形用電極がないことを意味する。濾過グリッドは、偏向装置と協働して、例えば、電子回折の検査の際に非弾性的に散乱された電子の濾過に用いられる減速電界アナライザ(Gegenfeldanalysator)を形成する。
【0010】
一群の濾過電極から単一の濾過グリッドに転換することは、特に先付けの入口グリッドと協働する場合は、取り付け全体が簡単になることのみならず結像品質を高めるという点で重要な利点になる。驚くべきことには、本発明の発明者は、濾過グリッドを用いると、従来の結像装置を用いたのと同じ高感度のエネルギー選択が達成され、しかもモアレパターンが生ぜず、従って、結像品質が改良されることを発見した。
【0011】
本発明の課題は、また、分光器、特に、上述の結像装置を備えた電子回折分光器を提供することである。このような分光器は、すべての通常のエネルギレベル(それぞれ低、中、高のエネルギ電子回折に対応するLEED,MEED、HEED)用の電子回折試験、エネルギ分解及び角度分解されたイオンの散乱試験、弾性散乱及び非弾性拡散(例えば、キクシライン(Kikushi-Linien)に基づくもの)による構造解析、又は角度分解電子分光に用いることが望ましい。本発明に基づく結像装置の使用は回折分光器への使用に限定されない。本発明に基づく装置は、いわゆる飛行時間分光("Time-of-Flight"-Spektroskopie)用の電子鏡として使用することもできる。
【0012】
本発明の課題は、さらに、特定のエネルギ分布及び角度分布を持つ荷電粒子から成る粒子ビームを検出装置に結像する方法を提供することである。この結像のために、粒子は偏向装置によって減速された平行粒子ビームにされ又は平行減速軌道をとるように成形され、濾過グリッドへ指向される。濾過グリッドは偏向装置と共働して或るカットオフエネルギを越えるエネルギを有する粒子を検出装置へ選択的に通過させるが、低エネルギを有する粒子を反射する。本発明の望ましい実施形態によれば、粒子は、偏向装置に入る前に、サンプルの前方の、平面入り口グリッド又は球欠状の入り口グリッド(球状入り口グリッド)によって偏向装置に対してシールドされて無電界の空間を通過する。
【0013】
本発明には、エネルギ分解能が、例えば、10keVの電子エネルギレベルに対して約2eVであるように著しく高まる利点がある。更に、結像特性が公知装置に対して改善されており、特に、最大回折結像(Beugungsmaxima)に対するひずみが減少している。他の利点は、本発明に基づく結像装置の構造が簡単であること、像がひずまないこと(散乱角収束(Streuwinkelfokussierung)が改良されていること)、結像寸法が大きくなっていること(利用できる結像散乱角が大きいこと)である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を特定のエネルギ分布及び角度分布を持つ電子ビームを結像する結像装置について以下に説明するが、本発明は電子を結像することに限定されず、他の電荷粒子を結像するのに適用できるものである。
【0015】
図1乃至3は、断面図で、電子ビーム108のエネルギ分解及び角度分解結像をするための、本発明に基づく結像装置100に一実施形態を縦断面図で示すが、明確化のために、ハウジング101内に結像段部だけを示している。詳述すると、結像段部は、入り口部110、偏向装置120、濾過装置130及び検出装置140を含む。円筒状のハウジング101は、更に、ハウジング101内にある部品を取り付けるための保持装置と、これらの部品に所望の制御電圧を印加しかつ検出装置140から結像信号を得るための電気結線と、ハウジング101を例えば分光器に接続するための外側保持装置とを含む。しかし、これらの部品は公知のものであるから詳細には説明しない。結像装置100の幾何学的寸法は適用例に応じて選択され、例えば、ハウジングの直径は約5cm乃至15cmの範囲に、結像段部の軸方向の長さはハウジングの直径の0.5倍乃至1.5倍の範囲にある。結像装置100の光軸はハウジング101の円筒軸に一致する。
【0016】
入り口部110は、図示の実施形態では、段付き孔の形をした入り口窓111によって形成されている。入り口窓111は接地されてその電位を接地電位とし、結像装置100のサンプル側前方に無電界の空間を形成してこの空間が大きな散乱角を持つ電子ビームに影響しないようになっていることが望ましい。例えば、+/−6°を超える散乱角をフェードアウトする。段付き構造にされた入り口窓111は軸対称に取り付けられたリング孔部111aと、軸方向に延びる円筒形部111bと、それのサンプル側端に設けた他のリング孔部111cとを含む。段状構造になっているために、偏向装置120の電界をサンプル側に部分的に延ばすことができる。
【0017】
図示の実施形態の偏向装置120は4個の減速レンズ121、122、123及び124を含む。これとは別に、これよりも少ない(少なくとも1個)かこれよりも多い減速レンズを設けてもよい。減速レンズはハウジング101の内側に軸対称に設けられ、シートメタルリングとして構成されるのが望ましい。減速レンズ121−124の寸法と制御方法は適用例に応じて選択される。また。各減速レンズには可変制御電圧をバイアスするための別個のコネクタを設けるか、すべての減速レンズに共通の接続装置と各減速レンズの制御電圧を設定するための固定分割段部(feste Teilerstufen) とを設けるかする。
【0018】
濾過装置130には1個の濾過グリッド131だけが設けられている。この濾過グリッド131は、ハウジング101内において、電子ビーム108の入射方向でみて最後の減速レンズ124と検出装置140との間に設けられている。濾過グリッド131は、ハウジングの軸に直角に、入り口窓111と減速レンズ121−124によって形成される電子ビーム108の入射領域全体を横切って延びる平面グリッドである。このグリッドは望ましくは約T=90%の高い透過度を有し、長方形、傾斜したストライプ状のグリッド又はワイヤグリッドである。
【0019】
検出装置140は、適宜なセンサ(図示せず)と協働する蛍光スクリーン141を含む。センサはCCDカメラ、光ダイオード、電子増倍管の一つ又はこれらを組み合わせたものでもよい。蛍光スクリーン141は、帯電を避けるために、電導材を含んで形成されるのが望ましい。低電流で非常に感度の高い測定を行う場合は、蛍光スクリーン141をチャンネル−プレート電子増倍管に換えてもよく、その際、その後に適宜な蛍光スクリーンを設ける。
【0020】
操作について述べると、図1の左端に概略的に示されたサンプル102から射出された電子ビーム108は入り口窓111を通して偏向装置120に入る。電子ビーム108は、サンプルの面で散乱後、発散粒子軌跡を形成する電子の束である。図面では、軌跡は、1線につき1°の散乱角の開きをつけた線で示す。入り口窓111を通過した電子ビームのうちで散乱角が+/−6°を下回るものの角度分布がハウジングの軸に直角な基準面では電子ビーム分布になる。電子は減速レンズ121−124によって形成された電界の影響を受けて矢印Aの方向へ移動し、この際、実質的に平行で直線の粒子軌跡を有する電子ビーム109が形成される。電子はビームの方向に増加する減速レンズのカウンタポテンシャル(Gegenpotentiale) によって減速される。電子ビーム109は進行方向Aに直角な基準平面で元の角度分布に対応する電子ビーム分布を形成するが、この際、大きな散乱角に対してはハウジングの軸からの距離を大きく、小さな散乱角に対してはハウジングの軸からの距離を小さくさせる。
【0021】
従って、減速レンズは二重の機能を果たす。一方では、上記の平行な粒子の軌跡(いわゆる”平行回折像”)を形成する。他方、電子を減速する。この場合、減速は、電子が最後の減速レンズ124を過ぎる時にできるだけ低いエネルギレベルを有することになるように強く行われることが望ましい。こうすることによって濾過グリッド131でのエネルギ分解能が高まる。例えば、約90%減速すると、エネルギ分解能が約10倍向上する。
【0022】
減速レンズ121−124にバイアスされる静電位(stationaeren Potentiale)は、具体的な構造と所望の精度で静電気学(例えば、各レンズの電界分布に関するもの)に基づいて計算され、適宜な数値シミュレーション(numerische Simulationen)を用いて決定される。シミュレーションのための入力の大きさを選ぶためには、特に、偏向装置120を通過する粒子軌道が平行にされかつ強く減速されなければならないということが要件になる。例えば、平行化を行うためには、シミュレーション条件として、0.5°未満の粒子軌跡の拡散が考慮される。他の条件は、偏角を線形に設定することである。このことは、大きな散乱角に対しても、散乱角とシリンダ軸からの対応の粒子軌道の距離との間に線形関係が保たれなければならないことを意味する。これはピンクッションディストーション(ネガティブディストーション)(Kissenverformung) と名付けられている結像ひずみを最小限に押さえる。計算又は数値シミュレーションで減速レンズの電位を決定することは以下に述べる発明の他の実施形態についても行われる。
【0023】
減速レンズ123を通過後、電子は、減速電界を形成するための減速レンズ124に対して電位差(濾過減速電位)が生じるようにバイアスされた濾過グリッド131に当たり、所定のカットオフエネルギを下回るエネルギレベルを有する電子が粒子ビーム内へ反射され(矢印B参照)、高いエネルギを有する粒子だけが検出装置140へ通過していくことができるようになっている。達成できるエネルギ選択感度は、濾過グリッド131の構造と、作動パラメータと、特に減速電界の大きさと、グリッドの孔(目)の寸法(メッシュサイズ)とに依存する。高い結像品質を達成するために、濾過グリッド131でグリッド孔(目)を300μm以下にすることが望ましい。
【0024】
かなり高いエネルギレベルを有する電子が濾過グリッド131のグリッド孔(目)を通過し、蛍光スクリーン141に当たる。加速電位を蛍光スクリーン141と濾過グリッド131との間に与えてもよい。
【0025】
減速レンズ121−124の電位の例は、それぞれ、−6kV、−9kV、−9.4kV及び−10kVである。濾過グリッド(電界グリッド)131の電位は−7kVである。
【0026】
図1及び2に示された電子軌道は、本発明に基づく結像装置100の濾過効果を示す。図1によれば、電子ビームの電子は10001eVのエネルギレベルを有する。ひずみのない像を形成するのに寄与せず、従って、濾過グリッド131で反射される高い散乱角(+/−6°)を有するビームの部分を除いて、全電子が濾過グリッド131を通過して蛍光スクリーン141に至る。しかし、図2において全エレクトンが9999eVのエネルギレベルを有するに過ぎない場合は、全電子が濾過グリッド131で反射され、結像装置内へ戻される。図1及び2は、約10keVのエネルギレベルの場合は約2eVの優れたエネルギ分解能を示す。
【0027】
図3は、本発明の他の利点を示す。即ち、電子ビームのそれぞれ異なった0°及び5°の散乱角について優れた散乱角収束(Streuwinkelfokussierung)を示す。サンプル位置での電子ビームの広がり(Elektronenstrahlausdehnung)をδxとすると、蛍光スクリーン141上での広がりは、例えば、δx/5乃至δx/10の範囲の寸法になる。
【0028】
濾過グリッド131の特別な利点はグリッドの孔又は目の収束効果(fokussierende Wirkung)にある。グリッド孔を通して小さな電界突き抜け現象(Felddurchgriff) が生じるので、これらのグリッド孔はそれぞれ対応の電子−光学レンズを形成する。この収束効果は、約2eV乃至6eVの電子エネルギレベルだけについて、即ち、すでに減速された遅い電子だけについて生じる。
【0029】
図4乃至6は本発明の第2実施形態を示す。結像装置100は、入り口部110の構造を除いて、図1乃至3に基づく結像装置100と実質的に同じである。従って、同一部品には同一の参照番号が使用されている。
【0030】
図4においては、入り口部110内に、シリンダ状のハウジング101の軸に直角に延びる実質的に平面の入り口グリッド112が設けられている。入り口グリッド112は接地されていて、結像装置100のサンプル側に電界のない空間が形成されるようになっている。入り口グリッド112は電子ビーム108の入り口部全体にわたって延び、望ましくは、濾過グリッド131と同様に、長方形若しくは傾斜したストライプ又はワイヤメッシュとして形成される。入り口グリッド112の幾何学的寸法は適応例に応じて選択される。例えば、約300μmの大きなグリッド孔については透過率(Transmission)が約90%と高くなり、サンプルからの弱いレフレックス(Reflexe−ひずみや他の光学的欠陥を持たない粒子ビームをいう)も結像することができるようになる。しかし、これは像の分解能を制約する。グリッド孔が50μmまでと小さい場合は、透過率は約60%と低いが、像の分解能は向上する。
【0031】
入り口グリッド112は、電解エッチ板として製造されることが望ましい。この板は、入り口グリッド112が全グリッド領域について理想面からのずれが1/10mmよりも少なくなるように形成され、実質的に平面になっている。
【0032】
図1及び2に対応する図4及び5は、本発明に基づく結像装置100が高エネルギレベル選択を行うことを示す。−300Vが印加されたサンプルから射出される電子は10001eVのエネルギレベルでは濾過グリッド131を通過し(図4参照)、9999eVのエネルギレベルでは濾過グリッド131によって反射される(図5参照)。
【0033】
図3に対応する図6は、本発明に基づく結像装置100を用いてそれぞれ散乱角が0°及び3°の電子ビームについて行った改良された散乱角収束を示す。この結像性能が向上していることの他に、図4に基づく実施形態の利点は、電子結像のための角度範囲が拡大されていることである。この優れた収束特性によって+/−10°までの像散乱角を結像することが可能である。
【0034】
図4乃至6に基づく実施形態の場合、減速レンズ121−124の電位の例は、それぞれ、−5.5kV、−7.5kV、 −8.85kV及び−10kVである。濾過グリッド131の電位は−7kVである。
【0035】
図7乃至11は本発明に基づく結像装置100のさらに別の実施形態(第3実施形態)を示し、これでは、入り口部110内に球形入り口グリッド113を設け、この球形入り口グリッド113の球半径は小さな角度範囲(図7及び8)では、小さく、+/−23°までの大きな角度範囲(図9乃至11)では大きく形成する。球形入り口グリッド113は、上述の実施形態と同様に、適用例に応じて選択されるグリッド孔(目)を有する。球形入り口グリッド113は、適応例に応じ、約50mm乃至150mmの範囲内で選択される球半径を有する球面上に広がっている。球形入り口グリッド113は、結像装置100の光軸に関して軸対称に設けられている。グリッドエッジは、光軸に直角な平面にリング状のホルダ116によってハウジング101の内側に接続されている。サンプル102からホルダ116への垂直距離(サンプル距離)は、球形入り口グリッド113の半径の値の3倍乃至4倍に相当するものが望ましいが、それより小さくてもよい。利点は、結像装置100の結像特性がサンプル距離に敏感には依存することがなく、サンプル距離が適用例に応じて変化できるようになっていることである。
【0036】
接地電位にある球形入り口グリッド113はサンプル側に電界のない空間を形成しており、偏向装置120の第1減速レンズ121の第1等電位平面(Aequipotentialflaeche)を定めている。
【0037】
そこで、減速レンズ121−124の電位の例は、それぞれ、−4kV、−5kV、−8.6kV及び−10kVである(図7)か、それぞれ、−3kV、−7kV、−8.8kV及び−10kVである(図9)。濾過グリッド131は双方とも−7kVの電位になっている。
【0038】
球形入り口グリッド113は次のように製造される。例えば、板又はフィルムをエッチング加工して平坦な濾過グリッドを製造したようにして格子状網(グリッドネット)を形成し、これを球状に曲げ、例えば、コーティングによって補強する。このように球状にされたグリッドネットをその縁で適宜なホルダ116でハウジング101の内部に取り付ける。
【0039】
球形入り口グリッド113を取り付けることの利点は、散乱角が大きい場合に、像の線形性がさらに改善されることにある。ひずみは最小にされ、散乱光の収束(Streulichtfokussierung) が改善される。これは、図8及び11にそれぞれ示されている。更に、エネルギ選択性が改善される。例えば、図9は、10006eVのエネルギレベルを有する電子が濾過グリッド131を通過することを示している。例えば、10004eVのより低いエネルギレベルを有する電子を結像しようとしても、これらの電子は濾過グリッド131で反射される(図10)。
【0040】
図12は、また、散乱角が大きい場合にも電子ビームの結像が高品質で行われることを示す。これにはひずみの、散乱角に対する従属性が示されている。バージョン1乃至4で示された曲線は、それぞれ、図1、4、7及び9に基づいて上述した実施形態の場合に対応している。図示されたひずみの値は従来の結像装置では達成できないものである。
【0041】
本発明に基づいて電子回折試験を行う場合、操作を電子ビームのすれすれ入射(streifender Einfall) へ切り替え、横寸法が300μm乃至1mmの範囲、縦寸法がこれの5乃至10倍以上の範囲の楕円形の照射スポット(Bestrahlungsfleck)を生じるようにすることができる。この場合、散乱角収束が優れているために、このような照射スポットから射出されるビームは平行になって流れ、すべて一つのスポットに収束される。収束によりスポットが鮮明になり、スポットの位置を正確に測定できるのである。
【0042】
図13に、本発明に基づく結像装置を用いてシリコンのサンプルに電子回折試験を行った際のエネルギ濾過が一連の図で示されている。ビーム電圧Vp=15000Vの電圧に設定してシリコンのサンプルの(111)面を照射して検出された回折電子ビームの散乱角は+/−10°である。これは全視野20°に対応する。4つの像はそれぞれ濾過グリッド131の異なった減速電位について得られた回折パターンを示す。詳細に述べると、Vp−300V、Vp−15V、Vp−2V及びVp−0Vがそれぞれ設定された。エネルギ濾過を行うことによって、散乱レフレックスを背景放射(Hintergrundstrahlen) からはっきり分離するのみならず、散乱レフレックスの位置をより正確に測定できる。
【0043】
図14は、本発明に基づく結像装置を用いて、T=585℃の温度でシリコンの(111)面で電子を散乱させた時のエネルギ損失を測定したものを示す。これはある決まったレフレックスについて検出装置によって供給される検出装置信号(任意の単位)の、散乱電子のエネルギに対する従属性を示す。偏向装置120に対する濾過グリッド131の減速電位の変化に基づいて、異なったエネルギ範囲の散乱部(Streuanteil)を検出することができる。曲線x1は、3.4eVの半幅値を有する弾性散乱ピーク(elastisches Streupeak)を示す。非弾性散乱(曲線x5)の領域では表面プラズモン(Oberflaechenplasmonen)(a)、体積プラズモン(Volumenplasmonen)(b) 及び多重散乱損失(Mehrfachstreuverlusten)(c) が示されている。
【0044】
本発明に基づく結像装置は、図15に概略図として示されている回折分光器に設けるのが望ましい。図15は、RHEED電子源350、本発明に基づく分光器300、制御要素360及びデータ処理装置370を有するRHEED装置である。電子源350は公知の構造を有し、サンプル320の照射用に設けられている。散乱電子ビームは、上述の実施形態の1つの結像装置内に設けられた分光器によって検出される。蛍光スクリーン(ここでは参照番号315で示されている)は2つの測定チャンネルを通じて同時にモニタされる。ビームスプリッタ331は、分割された一方の像を二次元検出装置330(例えば、CCDカメラ)を用いて像検出部に供給し、分割された他方の像を全回折像の輝度を示す積分像信号(integrales Bildsignal)検出用の、迅速に応答するダイナミックセンサ332に供給する。
【0045】
制御要素360は、電子源350の供給装置361と、電子源350用偏向装置362と、分光器制御装置363、ロックインシステム364及び電流増幅器365とを含む。データ処理装置370は、コンピュータ制御されることが望ましく、供給装置361用の制御信号を供給するための回路371と、放射パラメータを設定するための回路372と、分光器制御信号を供給するための回路373と、ロックインデータ記録用の回路374と、MBS装置(図示せず)による成長工程(Wachstumsvorgaenge) を制御するための回路375と、像処理・像ディスプレー用回路376とを含む。
【0046】
図15に基づく分光器の構造のこれ以上の詳細はDE−OS 197 01 192から知られることであり、この文献に記載されている分光器及び電子結像用電極制御の詳細については、これを本発明の記述に組み入れることにする。
【0047】
本発明に基づく電荷粒子のエネルギ・角度選択結像を行うことは次のように変形できる。例えば、温度のために又は汚染を避けるためにサンプルをできるだけ検出装置から遠くに設けなければならない場合、結像装置の上述のコンパクトな構造から離れて、軸方向乃至はビームの方向に延ばした構造にすることができる。更に、電子ビームの反射部分又は濾過グリッドによってそらされた電子ビーム部分を受けて結像してはならない電子を吸収する捕捉電極をハウジング内に追加して設けることができる。最後に、本発明に基づく結像装置は、DE−OS 197 01 192から知られるように像の部分シフト用装置を設けることができる。このような装置は、例えば、偏向コイルと調節コイルにより形成され、像部選択をサンプル室内の真空度を劣化させずにコンピュータ制御できるという利点がある。
【0048】
以上、本発明のまとめは次の通りである。
【0049】
結像装置としては、
(1)特定のエネルギ分布と角度分布を有する荷電粒子を含む粒子の粒子ビームを検出装置に結像するため、少なくとも1つの減速レンズを有し、粒子ビーム内に該粒子ビームの相互間の距離が該粒子の角度分布に対応する実質的に平行な粒子軌跡を形成する偏向装置と、減速電界を形成するために電位がバイアスされ、該粒子についてエネルギを選択的に透過させるように設けられた濾過装置とを具備し、該偏向装置の前方サンプル側に軸対称の段付き孔又は入り口グリッドの形に形成され、該偏向装置に対して電気絶縁され接地電位にされた入り口窓を該偏向装置と該検出装置との間に設けて構成する。
(2)(1)において、前記入り口グリッドは平面入り口グリッドであり、結像装置の光軸に直角に設置される。
(3)(1)において、前記入り口グリッドは所定の球半径を有する球欠面の形状を成す球形入り口グリッドである。
(4)(1)乃至(3)のいずれかの1において、前記荷電粒子を射出するサンプルと前記球形入り口グリッドとの間のサンプル距離が前記球半径の3倍乃至4倍である。
(5)(1)において、前記入り口グリッドは300μm以下の寸法のグリッド開口を有する。
(6)(1)において、前記濾過装置は濾過グリッドを含み、ビーム方向へ前記偏向装置の最後の減速レンズから前記検出装置までの空間に粒子ビーム形成用電極が存在しないようにする。
(7)(6)において、前記粒子ビームはその平行な軌跡が前記濾過グリッド平面に直角になっている。
(8)(6)において、前記濾過グリッドは300μm以下の寸法のメッシュ孔を含む。
(9)(6)において、前記偏向装置のビーム方向の最後の減速レンズと前記濾過グリッドとの間にカットオフエネルギレベルを定める濾過減速電位をビーム方向へ印加し、該カットオフエネルギレベルを有する粒子を該濾過グリッドを通過させることを可能にする。
(10)(1)において、前記検出装置は、光学像を形成するための結像スクリーンと、該光学像を検出するためのセンサとを含む。
(11)(1)において、前記減速レンズの減速電位と前記濾過グリッドの濾過減速電位とは、電子、イオン、イオンビーム又は荷電原子又は荷電分子の結像を行うように設定されている。
【0050】
本発明に基づく分光器は(1)乃至(11)のいずれかの1の結像装置を含む。
【0051】
本発明に基づく結像方法は、
(12)特定のエネルギ分布及び角度分布を有する荷電粒子を検出装置に結像するための結像方法であって、実質的に平行な粒子軌跡を形成するための少なくとも1つの減速レンズを有する偏向装置に入る粒子ビームを段付き孔の形の入り口窓で限定するか、サンプル側で該偏向装置の前に設けられ該偏向装置の前に無電界の空間を形成する入り口グリッドを通過させ、該粒子ビームを、該偏向装置と粒子をエネルギ選択透過させる構成になっている。
(13)(12)において、前記無電界の空間は平面入り口グリッド又は球形入り口グリッドによって限定される。
(14)(12)において、前記濾過装置内の粒子ビームを、前記偏向装置に減速電界を形成するためビームの方向にみて最後の減速レンズとの間に減速電位が印加された濾過グリッドを通過させる。
(15)(12)において、電子回折試験のために、電子、イオン、イオンビーム又は荷電原子若しくは荷電分子のエネルギ及び角度分解結像法、弾性及び非弾性散乱を分離することによる構造分析法、角度分解光電子及びオージェ電子分光法及び”飛行時間”分光用の電子鏡の全部又はこれらの任意の組み合わせ若しくはこれらの1つを用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく結像装置の第1実施形態の概略縦断面図である。
【図2】粒子ビームが全反射する場合の図1に基づく結像装置の説明図である。
【図3】散乱角が異なる場合の図1に基づく結像装置の結像特性の説明図である。
【図4】平面入り口グリッドを有する、本発明に基づく結像装置の第2実施形態の概略縦断面図である。
【図5】粒子ビームが全反射する場合の図4に基づく結像装置の説明図である。
【図6】散乱角が異なる場合の図5に基づく結像装置の結像特性の説明図である。
【図7】球形に曲げられた入り口グリッドを有する本発明に基づく結像装置の第3実施形態の概略縦断面図である。
【図8】散乱角が異なる場合の図7に基づく結像装置の結像特性の説明図である。
【図9】球形に曲げられた入り口グリッドを有する本発明に基づく結像装置の第4実施形態の概略縦断面図である。
【図10】粒子ビームが全反射する場合の図9に基づく結像装置の説明図である。
【図11】散乱角が異なる場合の図9に基づく結像装置の結像特性の説明図である。
【図12】図1乃至11で説明されている実施形態について散乱角の関数としてひずみをグラフで示すものである。
【図13】回折像のエネルギ濾過の説明図である。
【図14】シリコンサンプルのエネルギ損失を測定したものをグラフで示すものである。
【図15】本発明に基づく分光器を設けたRHEED装置の概略図である。
【図16】従来のエレクトロンビーム結像装置の断面図である。
【符号の説明】
100 結像装置
101 ハウジング
102 サンプル
108,109 電子ビーム
110 入り口部
111 入り口窓
111a リング孔部
111b 円筒形部
111c リング孔部
112,113 入り口グリッド
116 ホルダ
120 偏向装置
121−124 減速レンズ
130 濾過装置
131 濾過グリッド
140 検出装置
141 蛍光スクリーン
150 分光器
300 分光器
315 蛍光スクリーン
320 サンプル
330 二次元検出装置(CCDカメラ)
331 ビームスプリッタ
332 ダイナミックセンサ
350 電子源
360 制御要素
361 供給装置
362 偏向装置
363 分光器制御装置
364 ロックインシステム
365 電流増幅器
370 データ処理装置
371−376 回路

Claims (15)

  1. 特定のエネルギ分布と角度分布を有する荷電粒子を含む粒子の粒子ビームを検出装置に結像するため、
    少なくとも1つの減速レンズを有し、粒子ビーム内に相互間の距離が該粒子の角度分布に対応する実質的に平行な粒子軌跡を形成する偏向装置と、
    減速電界を形成するために電位がバイアスされ、該粒子についてエネルギを選択的に透過させるように設けられた濾過装置とを具備し、
    該偏向装置の前方サンプル側に所定の球半径を有する球欠面の形状を成す球形入り口グリッドの形に形成され、該偏向装置に対して電気絶縁され接地電位にされた入り口窓を該偏向装置と該検出装置との間に設けて成り、
    前記荷電粒子を射出する前記サンプルと前記球形入り口グリッドとの間のサンプル距離が前記球半径の3倍乃至4倍である
    結像装置。
  2. 特定のエネルギ分布と角度分布を有する荷電粒子を含む粒子の粒子ビームを検出装置に結像するため、
    少なくとも1つの減速レンズを有し、粒子ビーム内に相互間の距離が該粒子の角度分布に対応する実質的に平行な粒子軌跡を形成する偏向装置と、
    減速電界を形成するために電位がバイアスされ、該粒子についてエネルギを選択的に透過させるように設けられた濾過装置とを具備し、
    該偏向装置の前方サンプル側に300μm以下の寸法のグリッド開口を有する入り口グリッドの形に形成され、該偏向装置に対して電気絶縁され接地電位にされた入り口窓を該偏向装置と該検出装置との間に設けて成る
    結像装置。
  3. 前記入り口グリッドは平面入り口グリッドであり、前記結像装置の光軸に直角に設置されることを特徴とする請求項に記載の結像装置。
  4. 前記濾過装置は濾過グリッドを含み、ビーム方向へ前記偏向装置の最後の減速レンズから前記検出装置までの空間に粒子ビーム形成用電極が存在しないようにした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結像装置。
  5. 前記粒子ビームはその平行な軌跡が前記濾過グリッド平面に直角になっている請求項に記載の結像装置。
  6. 前記濾過グリッドは300μm以下の寸法のメッシュ孔を含む請求項に記載の結像装置。
  7. 前記偏向装置のビーム方向の最後の減速レンズと前記濾過グリッドとの間にカットオフエネルギレベルを定める濾過減速電位をビーム方向へ印加し、該カットオフエネルギレベルを有する粒子を該濾過グリッドを通過させることを可能にした請求項に記載の結像装置。
  8. 前記検出装置は、光学像を形成するための結像スクリーンと、該光学像を検出するためのセンサとを含む請求項1又は2に記載の結像装置。
  9. 前記減速レンズの減速電位と前記濾過グリッドの濾過減速電位とは、電子、イオン、イオンビーム又は荷電原子又は荷電分子の結像を行うように設定されている請求項1又は2に記載の結像装置。
  10. 請求項1乃至のいずれかの1に記載の結像装置を含む分光器。
  11. 特定のエネルギ分布及び角度分布を有する荷電粒子を検出装置に結像するための結像方法であって、実質的に平行な粒子軌跡を形成するための少なくとも1つの減速レンズを有する偏向装置に入る粒子ビームに、サンプル側で該偏向装置の前に設けられ該偏向装置の前に無電界の空間を形成し所定の球半径を有する球欠面の形状を成し前記サンプルとの間のサンプル距離が前記球半径の3倍乃至4倍となるように配置された球形入り口グリッドを通過させ、該粒子ビームを、該偏向装置と粒子をエネルギ選択透過させることができる濾過装置とを通過させる結像方法。
  12. 特定のエネルギ分布及び角度分布を有する荷電粒子を検出装置に結像するための結像方法であって、実質的に平行な粒子軌跡を形成するための少なくとも1つの減速レンズを有する偏向装置に入る粒子ビームに、サンプル側で該偏向装置の前に設けられ該偏向装置の前に無電界の空間を形成し300μm以下の寸法のグリッド開口を有する入り口グリッドを通過させ、該粒子ビームを、該偏向装置と粒子をエネルギ選択透過させることができる濾過装置とを通過させる結像方法。
  13. 前記無電界の空間は平面入り口グリッド又は球形入り口グリッドによって限定される請求項11又は12に記載の結像方法。
  14. 前記濾過装置内の粒子ビームを、前記偏向装置に減速電界を形成するためビームの方向にみて最後の減速レンズとの間に減速電位が印加された濾過グリッドを通過させる請求項11乃至13のいずれか1項に記載の結像方法。
  15. 電子回折試験のために、電子、イオン、イオンビーム又は荷電原子若しくは荷電分子のエネルギ及び角度分解結像法、弾性及び非弾性散乱を分離することによる構造分析法、角度分解光電子及びオージェ電子分光法及び”飛行時間”分光用の電子鏡の全部又はこれらの任意の組み合わせ若しくはこれらの1つを用いた請求項11又は12に記載の結像方法。
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