JP2018006339A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲のエネルギー領域の並列検出が可能な走査電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】走査電子顕微鏡は、反射電子をビーム軸から分離するとともに、エネルギー分析を行うウィーンフィルタ108を有する。ウィーンフィルタ108は複数の電磁極109を有し、複数の電磁極109のそれぞれの中心側端部にはテーパー面109aが形成されており、テーパー面109aは、ウィーンフィルタ108から出射する反射電子の出口を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、走査電子顕微鏡に関し、特に、試料から発生した反射電子のエネルギーを分析することができるウィーンフィルタに関する。
半導体デバイス観察を目的とする走査電子顕微鏡において、観察対象となるデバイスパタンの微細化に伴いパタンの多層化が進んで来ているため、透過力の大きい高い加速電圧を用い、観察対象の試料の表面からの深さによって定まる適切なエネルギーを持つ反射電子を観察するのが有効である。その目的のために、観察する試料に応じて反射電子のエネルギー領域を自由に選び、その領域の信号のみを用いて反射電子像を形成する機能が必要となる。
この反射電子のエネルギー分析のために、従来では、まずウィーンフィルタによって反射電子をビーム軸からわずかに、たとえば10°程度逸らした上で、エネルギーアナライザ、たとえば静電球面アナライザ、磁場セクタ型アナライザに導き、これによってエネルギー分析を行っている。ウィーンフィルタを用いて反射電子、あるいは一般に2次電子を1次電子線から振り分ける手法に関しては、例えば米国特許米国特許第5422486号公報(特許文献1)“Scanning electron beam device”に記載されている。またウィーンフィルタとエネルギーアナライザを組み合わせる手法に関しては、例えば米国特許第6455848号公報(特許文献2)“Particle-optical apparatus involving detection of Auger electronics”に記載されている。
エネルギーを選択した反射電子像の形成において、選択すべきエネルギー領域は観察対象となる試料ごとに異なる。そのため、最初に反射電子のなるべく広いエネルギー領域を大まかに分析し、試料を特徴づけるのに有効な狭いエネルギー領域を特定した上で、そのエネルギー領域だけを選択した反射電子像を形成するという手順が必要となる。
米国特許第5422486号公報 米国特許第6455848号公報
反射電子のエネルギー分析のために通例用いられるエネルギーアナライザの代表として静電球面アナライザがある。このタイプのアナライザは、高いエネルギー分解能を有するが、狭い電極間をくぐり抜けた電子のみが出射側で検出される構造であることから、一度に検出できるエネルギー領域は非常に制限される。とくに、分析したい反射電子のエネルギーがたとえば数10keVと高い場合、電極に印加する電圧が大きくなるのを避けるために電極間隔はせまくせざるをえず、同時検出の可能なエネルギー領域はより狭くなる。このため、広いエネルギー領域でスペクトル分布を観察するためには、アナライザのパスエネルギーの掃引によるシリアル検出を行うことが必然となる。この際の、全エネルギー領域のスペクトル分布を得るための制御は複雑となるだけでなく、測定に長時間を要する。この事情は、他のタイプのアナライザでも同様である。
そこで、本発明は、広範囲のエネルギー領域の並列検出が可能な走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によれば、1次電子線を発生させるための電子線源と、前記1次電子線を試料まで導いて集束かつ偏向させる電子光学系と、前記試料から発生した反射電子のエネルギースペクトルを並列検出可能なエネルギー分析系を備え、前記エネルギー分析系は、前記反射電子をビーム軸から分離するとともに、エネルギー分析を行うウィーンフィルタと、前記ウィーンフィルタを通過した前記反射電子を検出するアレイ検出器を含み、前記ウィーンフィルタは複数の電磁極を有し、前記複数の電磁極のそれぞれの中心側端部にはテーパー面が形成されており、前記テーパー面は、前記ウィーンフィルタから出射する前記反射電子の出口を構成することを特徴とする走査電子顕微鏡が提供される。
一実施形態では、前記ウィーンフィルタは、前記反射電子像を形成するエネルギー領域におけるエネルギー分解能を最良にするために、電場あるいは磁場の4極場の強度を可変に構成されていることを特徴とする。
一実施形態では、走査電子顕微鏡は、予め選択されたエネルギー領域内の前記アレイ検出器の出力信号のみを用いて画像を生成する画像化装置をさらに備える。
本発明の上記実施形態によれば、広範囲のエネルギー領域の並列検出が可能となり、かつ従来型のエネルギー分析系と同等のエネルギー分解能が得られる。
図1は本発明の一実施形態における走査電子顕微鏡の基本構成を示す模式図である。 図2は、ウィーンフィルタの一実施形態を示す模式図である。 図3は、ウィーンフィルタの断面斜視図である。 図4は、ウィーンフィルタの動作に関してのシミュレーション結果の一例である。 図5は、ウィーンフィルタの動作に関してのシミュレーション結果の一例である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態における走査電子顕微鏡の基本構成を示す模式図である。図1において、電子線源である電子銃101で発生させた1次電子線103は、まず多重レンズから構成されたコンデンサーレンズ系102で集束される。1次電子線103は、ウィーンフィルタ108を通過し、さらに対物レンズ105で集束され、試料106に照射される。1次電子線103は偏向器112によって偏向され、試料106の表面を走査する。
試料106で発生した反射電子線104は、反射電子絞り110によって適当に直径が制限される。この反射電子絞り110の開口がエネルギー分析系から見た光源となる。反射電子絞り110を通過した反射電子線104は、ウィーンフィルタ108よってエネルギーごとに偏向され、アレイ検出器107で検出される。このアレイ検出器107は、エネルギーに従って分布する反射電子のエネルギースペクトルを生成する。画像化装置121は、このエネルギースペクトルから、試料106を特徴づけるエネルギー領域を選択し、その選択されたエネルギー領域内におけるアレイ検出器107の出力信号のみを用いて画像を形成する。この画像が目的としていた反射電子像である。
一般に、ウィーンフィルタは、ビーム軸に垂直な平面において互いに直交する電場と磁場を生成する。ウィーンフィルタは、本来はエネルギーアナライザとして用いられるが、両方向から入射する電子ビームの片方だけを曲げるビームセパレータとしての利用も可能であり、この用途で用いられるウィーンフィルタはE×B偏向器と呼ばれることもある。
走査電子顕微鏡において、ウィーンフィルタをビームセパレータとして用いる場合の動作を以下に説明する。まず1次電子線に対して、電場と磁場が電子線に及ぼす力の方向が逆になり、互いに打ち消し合うようにする。このための電場と磁場の強度の条件がウィーン条件と呼ばれ、E1=vB1と表される。ここで、E1はウィーンフィルタがつくるx方向の電場の一様場成分であり、方位角θに関してcosθ依存性をもつ。またB1はy方向の磁場の一様場成分であり、方位角θに関してsinθ依存性をもつ。速度vをもつ電子が、ビーム軸であるz軸に沿ってz<0の方向から入射した場合、電場と磁場がウィーン条件をみたす場合に電子はそのまま直進する。このウィーン条件のもとで、電子がビーム軸に沿って逆方向から入射した場合は、磁場からの力の方向が逆転するので、電場と磁場は同一方向の力を電子に及ぼし、偏向器としての働きを示す。これによって、1次電子には影響を与えずに、逆方向の電子線を偏向させてビーム軸から逸らすことが可能となる。これがビームセパレータとしての動作である。
ところで、ウィーンフィルタは本来、エネルギーアナライザとしての機能を持っている。ウィーンフィルタをビームセパレータとして用いる際の1次電子線に関して考えると、ウィーン条件を満たす速度vを持った電子はそのまま直進するが、その速度vとは異なる速度を持つ電子は電場と磁場のつり合いが破れ、x方向の正負どちらかの方向に偏向される。この作用によって、ウィーンフィルタの出射側でエネルギースペクトルが生成される。これが本来のエネルギーアナライザとしての働きである。ウィーンフィルタをビームセパレータとして用いる場合は、このエネルギー分散作用は必要のないものである。すなわち、1次電子線は単にそのまま素通りするのが理想であるが、電子銃から出射する電子線は一般にΔE=0.5eV程度のエネルギー幅を持つため、1次電子線がウィーンフィルタを通ることでわずかな分散が起こり、試料面上でビームが分離しまうことで、像分解能の劣化が引き起こされる。しかしながら、この作用は1次電子線がウィーンフィルタ中央にクロスオーバをつくることで回避できる。すなわち、この条件のもとでは、1次電子線の分散は試料面で0に振り戻され、分解能に影響を与えない。
ウィーンフィルタをビームセパレータとして用いる際の別の問題として、次のものがある。ウィーンフィルタが一様な電場と磁場を形成している場合に、ウィーン条件をみたす1次電子線はx方向には若干の集束レンズ作用を受けるが、y方向にはそのようなレンズ作用がない。そこで、1次電子線は非点収差をもったレンズを通過する際と同様の作用を受ける。この作用を打ち消すために、ウィーンフィルタに4極場成分を重畳させる必要がある。4極場はx方向とy方向に異なるレンズ作用を及ぼすので、4極場の強度をうまく設定すれば、ウィーンフィルタ全体としてx、y方向に対称な、すなわち軸対称なレンズ作用となり、1次電子線に対して収差を与えない。この条件は、スティグマティック条件と呼ばれる。この条件をみたすための4極場は、電場でつくる場合はcos2θ依存性を持つE2成分、磁場でつくる場合はsin2θを持つB2成分となり、あるいはこれらE2成分およびB2成分を重畳するのでもよい。
本発明の一実施形態においては、ウィーンフィルタ108に上記のビームセパレータとしての動作を行わせる。1次電子線と逆方向から入射してくる反射電子に対しては、ウィーンフィルタ108は偏向器として作用するが、偏向作用はそれ自身としてエネルギー分散作用を持つ。従来技術においては、ビームセパレータとして用いるウィーンフィルタによる偏向角はわずかであり、典型的には偏向は10°程度である。本実施形態では、ウィーンフィルタ108の電磁極の形状を変更して、反射電子が出射するウィーンフィルタの出口側(上側)においてテーパー形状を持つことで、大きな角度の偏向が可能となる。これによって、広いエネルギー領域を同時に測定することが可能となる。この動作形態だけでは良いエネルギー分解能は得られないが、後記のように4極場を最適化することで、この弱点を回避できる。
ウィーンフィルタ108の構造に関して次に説明する。スティグマティック条件をみたすウィーンフィルタ108は、一様場と4極場の両方の成分を持つ必要があるため、電磁場重畳型の多極子レンズタイプである。多極子レンズタイプの最小構成は4極構造であるが、4極構造では理想的な一様場がつくれずに大きく歪んでしまい、これによって1次電子線に対して収差が発生する。そこで、より多くの極を持つ構造が望まれる。
図2は、本発明の一実施形態におけるウィーンフィルタ108の8極構造を示す模式図である。図2はビーム軸に垂直な方向から見たウィーンフィルタ108の上面図を示している。図3は、ウィーンフィルタ108の断面斜視図である。8つの極109は、ウィーンフィルタ108の中心線の周りに等間隔で配置されている。これら極109はコイル109bをそれぞれ備えている。8つの極109は、グランド電位とされたシャント115によって囲まれている。各極109の中心側端部の上面は、ウィーンフィルタ108の中心線に向かって下方に傾斜するテーパー面109aから構成されている。8つの極109のテーパー面109aは、ウィーンフィルタ108の中心線の周りに等間隔で並び、上を向いた円錐台形状の面を形成する。試料106から放出された反射電子104は、ウィーンフィルタ108に下方から入射し、テーパー面109aから構成されるウィーンフィルタ108の出口から出射する。
各極109に電圧Vn、励磁ATn(n=1,2,…,8)をかけることで、ウィーン条件をみたす一様場とスティグマティック条件のための4極場を生成する。すべての極109は電極と磁極として働くため、たとえばパーマロイのような磁性体で製作する。さらに極数を増やし、たとえば10極構造、12極構造にすることで収差の低減効果は高まるが、機械精度の面で難しくなり、また電源制御が複雑になる。
図4は、8極構造を有した上記ウィーンフィルタ108の動作に関してのシミュレーション結果である。このシミュレーションでは、反射電子線104は、反射電子絞り110を抜けた後に平行ビームとなることを仮定している。反射電子絞り110の直径は小さいほどエネルギー分解能が向上するが、同時に感度を損なう。従って、反射電子絞り110の直径は、最終的に必要な分解能と感度から決定する必要がある。なお、1次電子線のクロスオーバ位置に関しては、前記のように試料面でエネルギー分散が打ち消されるための条件が必要である。ビーム軸に沿って対称な形状の従来のウィーンフィルタの場合はフィルタ中央にクロスオーバをつくれば良いが、本実施形態のように非対称なウィーンフィルタ108の場合は、試料面でエネルギー分散が消えるようなクロスオーバ位置をあらかじめシミュレーションによって決定しておくか、あるいは実際の走査電子顕微鏡のオペレーションにおいて決める必要がある。
図4は、ウィーンフィルタ108に対してウィーン条件とスティグマティック条件をみたすように各極109の電圧と励磁を設定したシミュレーション結果を示している。ウィーンフィルタ108の電磁極109だけでは電磁場の分布がビーム軸に沿って大きく広がってしまい、他の光学要素と干渉してしまう。これを防止するため、図4のようなシャント115が設けられている。このシャント115は電位0の磁性体、たとえばパーマロイで構成される。シャント115は、ウィーンフィルタ108の極109がつくる電場と磁場に対して同一のシールド作用を及ぼす。
反射電子は、テーパー面109aを有するウィーンフィルタ108を通過するときに、反射電子のエネルギーに従って偏向される。アレイ検出器107は、ウィーンフィルタ108を通過した反射電子を検出し、図4に示すような、エネルギーに従って分布するエネルギースペクトルとして観測される。1次電子線のエネルギーをE0とすれば、反射電子のエネルギーEは0からE0まで分布する。本実施形態によれば、アレイ検出器107は、E0から0.4E0までのエネルギー幅0.6E0の領域を一度に検出可能である。一般に静電球面アナライザなどでは、このエネルギー幅は前記のように0.1E0程度が通常である。本実施形態では、一般的な静電球面アナライザに比べて、はるかに広いエネルギー領域が一度に測定可能である。同時検出の可能なエネルギー領域は、電磁極109のテーパー面109aとシャント115の設計次第でさらに広げることも可能である。
エネルギー分解能に関して見れば、図4では0.6E0のエネルギーに対して、アレイ検出器107の検出面においてエネルギー分散方向と直交する方向にラインフォーカスしている。このラインフォーカスの特性は、0.6E0のエネルギー値を中心として±0.05E0程度のエネルギー幅の範囲で保たれている。しかし、このエネルギー幅から離れたエネルギーに対しては、ビームが分散方向にボケていることでエネルギー分解能を損なうことになる。一般に、ウィーンフィルタ108の偏向作用によってエネルギー分散されたビームのフォーカス面は曲面となり、ある平坦な検出面上でフォーカスするエネルギーは一つしか存在しない。この作用は通常の軸対称レンズの像面湾曲収差に相当する。しかしながら、このフォーカスエネルギー値は、ウィーンフィルタ108がつくる4極場の強度を調整することで移動させることが可能となる。すなわち、4極場によってx方向、y方向のレンズ作用を変化させられるので、4極場の変更によって本来のフォーカスエネルギーを移動させて、任意のエネルギーのビームをアレイ検出器107の検出面でフォーカスさせることが出来る。
図5はその例であり、フォーカスエネルギーをE0に一致させた場合のシミュレーション結果を示す。もしE0付近のエネルギー領域で反射電子像を形成したい場合であれば、この条件が最適となる。このようにフォーカスエネルギーを移動させた場合は、1次電子線に対してのスティグマティック条件が満たされなくなるので、この補正のために図1における非点補正器111を設置する。これによって、ウィーンフィルタ108によってもたらされた非点を打ち消すことが可能となる。この非点補正器111の位置は、実際には電子銃101から試料106までの光学系のどこにあっても良い。以上のような4極場を用いた動作によって、反射電子像を構成する際のエネルギー領域に合わせて、0.1E0程度の幅でエネルギー分解能をつねに最良に設定出来る。反射電子像を形成する際のエネルギー幅は0.1E0に比べて十分小さいのが通例であるので、この機能によってつねに最良のエネルギー分解能が得られる。
図4及び図5のシミュレーションでは、反射電子絞り110を抜けた反射電子線104は平行ビームを想定している。このため、ラインフォーカスするエネルギーに対してはアレイ検出器107の検出面でのボケΔEは0となり、実際に得られるエネルギー分解能E/ΔEはアレイ検出器107の位置分解能に依存して決まることになる。しかし、試料106から反射電子絞り110までの光学系の構成に応じて、反射電子絞り110を通過したビームは角度幅を持つ可能性がある。その際のエネルギー分解能は、ビームの角度幅によって生じる検出面でのビームのボケと、アレイ検出器107の位置分解能で決定される。この事情は、他のタイプのアナライザを用いる従来の装置でも同様である。たとえば静電球面アナライザの場合であれば、出射面でつねに平行ビームに対してのフォーカス条件が満たされるが、一度に検出できるエネルギー幅が0.1E0程度であるため、本発明の実施形態とエネルギー分解能に関しては対等である。すなわち、本実施形態のフォーカスエネルギーの移動機構を用いれば、従来の装置とエネルギー分解能の面で劣ることはない。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。

Claims (3)

  1. 1次電子線を発生させるための電子線源と、
    前記1次電子線を試料まで導いて集束かつ偏向させる電子光学系と、
    前記試料から発生した反射電子のエネルギースペクトルを並列検出可能なエネルギー分析系を備え、
    前記エネルギー分析系は、
    前記反射電子をビーム軸から分離するとともに、エネルギー分析を行うウィーンフィルタと、
    前記ウィーンフィルタを通過した前記反射電子を検出するアレイ検出器を含み、
    前記ウィーンフィルタは複数の電磁極を有し、前記複数の電磁極のそれぞれの中心側端部にはテーパー面が形成されており、前記テーパー面は、前記ウィーンフィルタから出射する前記反射電子の出口を構成することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡に於いて、
    前記ウィーンフィルタは、前記反射電子像を形成するエネルギー領域におけるエネルギー分解能を最良にするために、電場あるいは磁場の4極場の強度を可変に構成されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の走査電子顕微鏡に於いて、
    予め選択されたエネルギー領域内の前記アレイ検出器の出力信号のみを用いて画像を生成する画像化装置をさらに備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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