JP2023540380A - コントラスト補正レンズ系を備えた複数粒子ビームシステム - Google Patents

コントラスト補正レンズ系を備えた複数粒子ビームシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、磁気液浸レンズを備え、かつ検出システムを備えた、複数粒子ビームシステムに関する。ここで、第2の個別粒子ビームのクロスオーバが、2次経路の、ビームスイッチと検出システムとの間で生成され、2次ビームを切り取るための中央切欠きを有するコントラスト開口が、クロスオーバの領域に配置されている。第1の磁気コントラスト補正レンズを備えるコントラスト補正レンズ系が、対物レンズとコントラスト開口との間に配置され、該コントラスト補正レンズ系は、調整可能な強度を有する磁場を生成し、2次ビームの、クロスオーバでの、複数粒子ビームシステムの光軸に対するビームのチルトを補正するように構成される。その結果、様々な個々の像について、より均一なコントラストが得られ、コントラストを全体的に改善することができる。

Description

本発明は、複数の粒子ビームで動作する粒子ビームシステムに関する。
シングルビーム粒子顕微鏡と同様に、マルチビーム粒子顕微鏡を使用して、対象物を顕微鏡規模で分析することができる。たとえば、対象物の表面を表す対象物の像は、これらの粒子顕微鏡を使用して記録することができる。このようにして、たとえば、表面の構造を分析することができる。シングルビーム粒子顕微鏡では、対象物を分析するために、たとえば電子、陽電子、ミュー中間子、またはイオンなどの荷電粒子の単一の粒子ビームが使用されるが、マルチビーム粒子顕微鏡では、この目的のために、複数の粒子ビームが使用される。束とも呼ばれる複数の粒子ビームは、対象物の表面に同時に向けられ、その結果、シングルビーム粒子顕微鏡と比較して、同じ時間内に、対象物の表面のかなり広いエリアをサンプリングし分析することができる。
国際公開第2005/024881号は、平行な電子ビームの束を使用して検査すべき対象物を走査するために、複数の電子ビームで動作する電子顕微鏡システムの形態の、複数粒子ビームシステムを開示している。電子ビームの束は、複数の開口部を有する複数開口プレートに向けられている電子源を使って生成された、電子ビームによって生成される。電子ビームの電子の一部分は、複数開口プレートに衝突し、そこで吸収され、ビームの別の部分は、複数開口プレートの開口部を通過するので、電子ビームは、各開口部の下流のビーム経路で成形され、該電子ビームの断面は、開口部の断面によって画定される。さらに、複数開口プレートの上流および/または下流のビーム経路に設けられた、好適に選択された電場は、複数開口プレートの各開口部が、開口部を通過する電子ビームに対するレンズとして作用するという効果を有するので、電子ビームは、複数開口プレートから離れて位置する平面上に集束される。電子ビームの焦点が形成される平面は、個々の電子ビームが1次ビームとして集束されて対象物に衝突するように、下流の光学ユニットによって、検査すべき対象物の表面上に結像される。そこで1次ビームは、対象物から放出される後方散乱電子または2次電子などの相互作用による生成物を生成し、2次ビームを形成するよう成形され、別の光学ユニットを使って検出器に向けられる。そこで2次ビームのそれぞれが、別個の検出要素に衝突し、その結果、該検出要素によって検出された電子強度が、対応する1次ビームが対象物に衝突した位置での、対象物に関する情報をもたらす。1次ビームの束が、対象物の電子顕微鏡写真を生成するために、走査型電子顕微鏡にとって通例のやり方で、対象物の表面上を順序立てて走査する。
前述の複数粒子ビームシステムでは、磁気液浸レンズが、しばしば対物レンズとして使用される。ここで、対象物平面は、対物レンズの磁場内に位置している。したがって、対象物上の所与の入射位置から放出される2次ビームは、下流の粒子光ビーム経路での、粒子ビームの望ましからざるチルトを引き起こす、非対称の磁場を通過する。このチルトは、焦点平面での粒子光学結像の精度の問題、さらにはビームが交差する(「クロスオーバ」)場合の問題を引き起こす。
開口(コントラスト開口)は、通常、クロスオーバの領域で対象物と検出器アレイとの間に配置され、第1に、2次ビーム間の相互干渉を防止し、第2に、検出器アレイによる、結像のためのすべての2次ビームにわたって均一な、良好なコントラスト(エッジコントラスト)を促進するはずである。しかしこれは、開口を通過するすべてのビームが、光軸に対して開口の中心に入射することを前提としている。コントラスト開口だけが、2次ビームがサンプル/対象物平面から始動するときの始動角度に対する、正確なフィルタ処理を可能にする。しかしこれは、2次ビームが、互いに対して傾いていないことを前提としている。ここで、このチルトの程度は、2次ビームのフィールドにおける2次ビームの場所によって変わる。フィールド内のさらに外側に位置するビームは、より大きく傾く。
国際公開第2019243349号は、2次経路における中間像平面の領域に偏向器アレイを備える、複数粒子ビームシステムを開示している。これにより、個々の傾いた2次ビームを目標通りに偏向し、2次ビームの伝播方向に関して補正することができる。しかし、この解決策は、偏向器アレイの複数の構成要素を製造し、互いに対して配置するに当たり、最高の精度を必要とし、さらに、個々の構成要素の複雑な制御を必要とする。
米国特許第9,666,405号は、検出器への入射時にグリッドの回転を調整する手段を備えた、マルチビーム粒子顕微鏡を開示している。この目的のために、磁気レンズが検出器の上流に配置され、粒子ビームに作用するローレンツ力により、2次個別粒子ビームの場所が変更される。これは、回転の調整だけに関係する。対物レンズの下流のクロスオーバ平面で光線束を歪め、ひいては像のコントラストの(僅かな)相異を引き起こす、ビームのチルトの問題については、この文書では言及されていない。
米国特許第9,666,406号は、サンプルへの入射時にグリッドの回転を調整する手段を備えた、マルチビーム粒子顕微鏡を開示している。この目的のために、磁気レンズが粒子源と対物レンズとの間に配置され、粒子ビームに作用するローレンツ力により、2次個別粒子ビームの場所が変更される。これは、回転の調整だけに関係する。対物レンズの下流の、2次個別粒子ビームのクロスオーバ平面で光線束を歪め、ひいては像のコントラストの(僅かな)相異を引き起こす、ビームのチルトの問題については、この文書では言及されていない。
したがって、本発明の目的は、より優れた、かつ/もしくはより均一なコントラスト、および/またはより優れた解像度を促進する、代替となる複数粒子ビームシステムを提供することである。このコントラストの改善は、具体的には、コントラスト開口が小さい場合でも、また複数の個別粒子ビームを使用する場合でも、すべてのビームについて均一に得られるはずである。さらに、複数粒子ビームシステムにおけるコントラストの改善は、実際上表面形状のコントラストがない、たとえば半導体ウェーハなどの平坦なサンプルに対しても、得られるはずである。
本発明の目的は、具体的には、2次ビームのクロスオーバ平面に配置されたコントラスト開口が、各2次ビームから確実に、同じ角度成分を切り取る/通過できるようにすることである。
本発明の別の目的は、任意に、検出器でのテレセントリックな照射を設定することである。
本発明の別の目的は、サンプルをテレセントリックに照射することである。
第1の目的は、独立請求項によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項から明らかである。
この特許出願は、2020年9月9日に出願されたドイツ特許出願、出願番号第102020123567.4号の優先権を主張し、その開示全体が、参照によりこの特許出願に組み込まれる。
個別の像の場合に相異なるコントラストが生じるやり方に関する以下の考えが、本発明の基礎を形成している。2次ビームは、不均一に満たされた(inhomogeneously filled)大きなビーム円錐内の各励磁箇所で、サンプル表面を離れる。クロスオーバの平面(交差平面)または瞳平面における2次ビームの理想的な場所は、対物レンズが受け取るビーム円錐内のビーム角度に対応する。すなわち、各2次ビームは、不均一に満たされたビーム円錐に対応した分散状態で、クロスオーバ平面を通過する。
コントラスト開口は、各2次ビームの不均一に満たされたビーム円錐から一部分を切り取り、切り取られたビーム電流は、各2次ビームの検出要素によって検出される。2つの2次ビームの不均一に満たされたビーム円錐から、2つの相異なる部分が切り取られると、2つのビームの部分的な像間にコントラストの差異がある。したがって、本発明によるコントラストの改善は、それ自体がより高いコントラストに関係するのではなく、同じ像のコントラストを生成する、マルチビームシステムのそれぞれの部分的な像に関係する。対象物が、理論上または試験的に、個々の粒子ビームのビームピッチだけ横方向にずらされ、新しい像が取り込まれた場合、新しい像は、ずらされていない対象物の最初の像と異なってはならない。
対象物の所与の入射位置から放出され、非対称の磁場を通過する2次ビームには、下流の粒子光ビーム経路で、望ましからざるチルトが生じる。このチルトは、励磁箇所の光軸からの距離に応じて、方位角速度成分の程度によって変わる。したがって、軸外の2次粒子ビーム円錐は、もはや瞳平面(=クロスオーバ平面)における光軸の中心にない、いわゆる歪み光線束に変わる。
クロスオーバ平面において歪み光線束が重なる場合、クロスオーバ平面に配置されたコントラスト開口(中心点が光軸上にある円形の開口部を有する)は、それぞれの歪み光線束から僅かに相異なる部分を切り取る。この相異なる部分が、この場合、上記で説明されたコントラストの差異をもたらす。
ここで、本発明は、クロスオーバ平面に存在している歪み光線束を少なくするか、またはもはやなくすることにより、コントラスト開口によって相異なる部分が切り取られることの発生率を低減するか、または発生を回避する手法を選択する。別の言い方をすれば、2次個別粒子ビームは、クロスオーバ平面においてより正確に、かつ、より軸対称に重なる。この補正は、新しい種類の精密な補正である。
本発明の第1の態様によれば、本発明は、複数粒子ビームシステムであって、
複数の荷電された第1の粒子ビームの第1のフィールドを生成するように構成された、マルチビーム粒子源と、
第1の粒子光ビーム経路を備え、第1の粒子ビームが、入射位置で対象物に衝突して第2のフィールドを形成するように、生成された個別粒子ビームを対象物平面上に結像するように構成された、第1の粒子光学ユニットと、
第3のフィールドを形成する、複数の検出領域を備える検出システムと、
第2の粒子光ビーム経路を備え、第2のフィールドの入射位置から放出される第2の個別粒子ビームを、検出システムの検出領域の第3のフィールド上に結像するように構成された、第2の粒子光学ユニットと、
第1の個別粒子ビームと第2の個別粒子ビームとの両方が通過する、磁気対物レンズ、具体的には、磁気液浸レンズと、
第1の粒子光ビーム経路の、マルチビーム粒子源と対物レンズとの間に配置され、かつ、第2の粒子光ビーム経路の、対物レンズと検出システムとの間に配置されている、ビームスイッチと、
コントローラと
を備え、
第2の粒子光ビーム経路の、ビームスイッチと検出システムとの間に、第2の個別粒子ビームのクロスオーバが存在し、
第2の個別粒子ビームを切り取るための中央切欠きを有するコントラスト開口が、クロスオーバの領域に配置されており、
第1の磁気コントラスト補正レンズを備えるコントラスト補正レンズ系が、第2の粒子光ビーム経路の、対物レンズとコントラスト開口との間に配置されており、該第1の磁気コントラスト補正レンズは、調整可能な強度を有する磁場を生成し、第2の個別粒子ビームの、クロスオーバでの、複数粒子ビームシステムの光軸に対するビームのチルトを補正するように構成され、
コントローラは、コントラスト補正レンズ系の励磁を制御するように構成される、複数粒子ビームシステムに関する。
荷電粒子は、たとえば、電子、陽電子、ミュー中間子、もしくはイオン、または他の荷電粒子であり得る。荷電粒子は、たとえば、熱電界放出源(TFE:thermal field emission source)を使用して生成された電子であることが好ましい。ただし、他の粒子源も使用することができる。
この場合、第1の個別粒子ビームの本数は、可変的に選択することができる。ただし、粒子ビームの本数は、3n(n-1)+1本にすると有利であり、ここでnは、任意の自然数である。これにより、検出領域の六角形グリッド配置が可能となる。検出領域の他のグリッド配置、たとえば正方形または長方形グリッドでの配置も、同様に可能である。例として、第1の個別粒子ビームの本数は、5本を超える、60本を超える、または100本を超える、個別粒子ビームである。
本発明によれば、第2の粒子光ビーム経路において、ビームスイッチと検出システムとの間に、第2の個別粒子ビームのクロスオーバが形成される。さらに、クロスオーバの領域には、中央切欠きを有する、コントラスト開口が配置されている。第2の個別粒子ビームは、理想的には、クロスオーバの領域で正確に重なる。次いで、コントラスト開口によって切り取られたときに、それぞれの第2の個別粒子ビームのビーム強度の大部分も維持されるように、中央切欠きを有するコントラスト開口を選択することが可能である。これは、具体的には、光軸からより離れて始動する第2の個別粒子ビームに対して適用され、磁気液浸レンズが対物レンズとして使用される場合に、第2の個別粒子ビームのチルトによって特に強く影響を受ける。チルトは通常、度の弱い液浸対物レンズ(weak immersion objective lens)の場合には、個別粒子ビームの数度の、たとえば約2°または約5°の、残留方位角の(remanent azimuthal)または接線方向のチルトにすぎない。しかし、強度の液浸対物レンズの場合には、残留方位角または接線方向のチルトが、たとえば約30°、40°、50°、またはそれ以上にわたり、より一層顕著になる可能性がある。ここで、個別粒子ビームの方位角または接線方向チルトとは、個別粒子ビームのチルトまたは方向成分を意味し、チルトまたは方向成分は、光軸に垂直に、かつ個別粒子ビームの径方向に垂直に整列される。方位角または接線方向という用語は、同義語と理解すべきであり、接線方向成分は、光軸に垂直な軌道の周りの、周方向に接する方向成分である。その方位角または接線方向チルトは、ここでは簡略化した用語でラーモア回転とも呼ばれ、ラーモア回転は一般に、個別粒子ビームのグリッド配置の純粋な捻れと、個別粒子ビームのその方位角または接線方向チルトとを含む。速度成分という用語はまた、方向成分という用語と同じ意味で使用される。
本発明によるコントラスト補正レンズ系は、この残留方位角または接線方向のチルトを正確に補償する。コントラスト補正レンズ系は、この場合、少なくとも1つの第1の磁気コントラスト補正レンズを備えるが、第2、第3、第4、またはそれ以上の磁気コントラスト補正レンズを備えることもできる。互いに比較すると、これらは同じ設計または相異なる設計を有することができる。第2の個別粒子ビームのチルトの原因は、磁場内の荷電粒子のローレンツ力またはラーモア回転にある。したがって、本発明によれば、このチルトは、調整可能な強度の別の磁場によって正確に補償される。ここで補償は、精密な補正である。このため、磁気コントラスト補正レンズの磁場は、比較的弱く、光軸に沿って比較的長い領域にわたって広がっていることが、該領域内で補正を実行するためには好ましい。第2の個別粒子ビームは、コントラスト補正レンズの磁場で、螺旋軌道上を移動する。ここでは、補正する目的で、磁場内で全回転よりも少ない回転となるよう設計されることが好ましい。
複数粒子ビームシステムは、コントラスト補正レンズ系の励磁を制御するように構成されたコントローラを備える。前述のコントローラは、複数粒子ビームシステムを、コントローラの構成要素全体を使って制御するコントローラであり得る。しかし、コントラスト補正レンズ用に、別個のコントローラを設けることも可能である。
コントラスト補正レンズ系は、それ以外別の磁気レンズ場が存在しない第2の粒子光ビーム経路内の、1箇所または複数の位置に配置されていることが好ましい。これにより、クロスオーバでのチルト補正であるラーモア回転補償を、正確に設定することがより容易になる。
磁気コントラスト補正レンズという用語には、これが磁気粒子レンズであるという事実に加えて、コントラスト補正のためのレンズの機能も含まれる。したがって、コントラスト補正レンズは、コントラスト補正に好適であり、かつコントラスト補正用のものでなければならない。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の磁気コントラスト補正レンズは、複数粒子ビームシステムの動作中に、第2の個別粒子ビームが収束または発散するように進む領域に配置されている。
本発明の好ましい実施形態によれば、コントラスト補正レンズ系の励磁は、第2の個別粒子ビームが、コントラスト補正レンズ系を通過した後、第2の粒子光ビーム経路のその後の像平面または中間像平面において、光軸に実質的に平行に進み、その後の磁気レンズの外側にあるビーム経路では、変化する方位角速度成分を実質的に有しないように制御される。第2の個別粒子ビームは、検出システムへテレセントリックに入射することができる。しかし、このテレセントリック性の条件を満たすために、任意に、さらに別の補正が必要になる可能性がある。実施形態によれば、上記で説明されたように、検出器へテレセントリックに入射させるために、ビームの僅かなチルトを補正する、別のコントラスト補正レンズを設けることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、コントラスト補正レンズ系の励磁は、すべての第2の個別粒子ビームが、コントラスト補正レンズ系を通過した後、その後の第2の粒子光ビーム経路のクロスオーバにおいて実質的に重なり、系の光軸に対して中心に、クロスオーバを通過するように制御される。第2の個別粒子ビームは、磁気レンズの外側にある下流のビーム経路において、変化する方位角速度成分を実質的に有していない。具体的には、方位角速度成分はゼロであり得る。これは、すべての第2の個別粒子ビームが、クロスオーバにおいて、互いの上に正確に位置し、すべての第2の個別粒子ビームにわたって、均一で高い結像コントラストを達成するための前提条件である。これに関連して、第2の個別粒子ビームの光束の共心性も参照され、それぞれの第2の個別粒子ビームの中心点または中心光線は、クロスオーバにおいて実際に、系の光軸上に正確に位置する。中心ビーム軸(重心光線(centroid ray))からの最大ずれは、この場合、利用されるコントラスト開口の半径(切欠き)の4%未満、特に2%未満および/または1%未満であることが好ましい。それぞれの第2の個別粒子ビームの中心点または中心光線は、この場合、たとえば半導体ウェーハの表面が配置されている対象物平面に垂直な、それぞれの第2の個別粒子ビームの光線を意味する。中心光線は、この場合、第2の個別粒子ビームの重心光線に相当し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズの磁場は、系の光軸に実質的に平行に整列される。ここで、磁気コントラスト補正レンズは、第2の個別粒子ビームの領域に配置され、第2の個別粒子ビームは、径方向の伝搬方向に対して、互いに収束または発散するように進む。すなわち、第2の個別粒子ビームは、互いに平行には、すなわちテレセントリックには進まない。さらに、これにより荷電粒子は、磁場内で、螺旋状の経路で光軸の周りを移動する。ここで、磁場は、実質的に均質である。光軸に沿って、または光軸に平行に整列された第2の個別粒子ビームは、径方向の速度成分を有していないので、第1のコントラスト補正レンズの磁場内で偏向されない。しかし、第2の個別粒子ビームが光軸に対して、ひいては磁場に対しても、ある角度をなして進む場合、ローレンツ力が、磁場内の第2の個別粒子ビームに作用し、コントラスト補正レンズ系は、ラーモア回転を補助的に使用して、方位角速度成分を補償することができる。第2の個別粒子ビームの収束または発散する光束において、光軸に対する個別粒子ビームの径方向成分の絶対値は、光軸からの個別粒子ビームの距離が長くなるにつれて増加する。コントラスト補正レンズの軸方向に整列した磁場で、第2の個別粒子ビームは、結果として、径方向成分に比例し、かつ残留方位角または接線方向のチルトを相殺する、方位角または接線方向成分を受ける。その結果、個別粒子ビームの残留方位角または接線方向のチルトが補償される。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズの長さLは、コントラスト補正レンズの半径rよりも長い、つまり、L>rである。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズの長さLは、コントラスト補正レンズの半径rの少なくとも2倍の長さ、つまり、L>2rである。ここで、第1のコントラスト補正レンズの長さLは、系の光軸に沿って測定される。長さLは、例として、磁気コントラスト補正レンズの2つの磁極片のピッチ、および/または磁場が存在し有効である長さに相当する。半径rは、例として、磁極片の開口部の幅の半分に相当し、たとえば数cm、たとえば約2cmまたは5cmであることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズの長さLは、少なくとも15cm、特に少なくとも20cm、かつ/または少なくとも30cmである。したがって、コントラスト補正レンズを、複数粒子ビームシステムに設置するには、設置のための十分な空間が必要である。しかし、長いコントラスト補正レンズは、比較的弱い磁場を、非常に的を絞ってコントラスト補正に使用できるという点で、有利である。軸方向磁場は、例として、約1mTの磁場強度を有することができる。しかし、より顕著な補正の場合は、たとえば約5mTまたは約15mTにすることもできる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、対物レンズは、磁気液浸レンズである。ここで、磁気液浸レンズは、度の弱い液浸レンズまたは強度の液浸レンズであり得る。磁気液浸レンズは通常、レンズの内側の磁極片の穿孔よりも大きな直径を有する、レンズの外側の磁極片の穿孔によって実現される。液浸レンズには、対象物に低磁場をもたらすだけの対物レンズとは対照的に、より小さい球面収差および色収差を達成できるという利点、ならびに軸外収差がより大きくなるという欠点もある。液浸レンズの磁場がより強いほど、また液浸レンズが対象物平面により近いほど、磁場内の荷電粒子のラーモア回転も一層顕著になる。これは、対象物に入射する第1の個別粒子ビームと、対象物から放出される第2の個別粒子ビームとの両方に当てはまる。
本発明の好ましい実施形態によれば、液浸レンズは、対象物平面で10mTより大きい、特に20mT、50mT、および/または150mTより大きい、磁場強度をもたらす、集束磁場をもたらす。
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の粒子光学ユニットは、第1の投影レンズ系と第2の投影レンズ系とを備える、投影レンズ系を備え、第1のコントラスト補正レンズは、第1の投影レンズ系と第2の投影レンズ系との間に配置されている。第1の投影レンズ系は、投影レンズを1つだけ有することが可能である。しかし、2つ以上の投影レンズを有することも可能である。第2の投影レンズ系は、投影レンズを1つだけ有することが可能である。しかし、2つ以上の投影レンズを有することも可能である。投影レンズ系が、第3の投影レンズ系を備えることも可能である。この場合もまた、第1のコントラスト補正レンズは、第1の投影レンズ系と第2の投影レンズ系との間、および/または第1の投影レンズと第2の投影レンズとの間に配置されることが好ましい。すなわち、投影レンズ系/投影レンズは、粒子光ビーム経路の方向に連ねられる。第1の投影レンズ(第1の投影レンズ系)は、しばしばコントラストレンズ(コントラストレンズ系)とも呼ばれる。
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の粒子光学ユニットは投影レンズ系を備え、第1のコントラスト補正レンズは、コントラスト開口と、コントラスト開口に最も近い投影レンズ(コントラストレンズ)との間に、粒子光ビーム経路と反対の方向に配置されている。したがって、この場合、第1のコントラスト補正レンズとコントラスト開口との間に、別の投影レンズはない。既存の複数粒子ビームシステムは、この場所に比較的多くの空間を有しているので、概して比較的長い長さLを有する度の弱いコントラスト補正レンズを、この場所に配置することも可能である。
本発明の好ましい実施形態によれば、投影レンズ系は、少なくとも1つの磁気投影レンズを備え、かつ/または少なくとも1つの磁気投影レンズからなる。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、投影レンズ系は、少なくとも1つの電気投影レンズを備え、かつ/または少なくとも1つの電気投影レンズからなる。
本発明のさらなる実施形態によれば、コントラスト補正レンズ系は、第2のまたは別のコントラスト補正レンズを備える。
本発明のさらなる実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズは、対物レンズとビームスプリッタとの間に配置されている。ここで、コントラスト補正レンズは、対物レンズと、対物レンズの上部焦点平面との間に配置することができる。しかし、代替的または追加的に、コントラスト補正レンズは、対物レンズの上部焦点平面とビームスイッチとの間に配置することも可能である。ただし、これら2つの場所では、いずれの場合も使用可能な設置空間があまりないので、ここでは、より短くより強度の傾向があるコントラスト補正レンズを使用する必要がある。しかし当然ながら、これはまた、対物レンズの磁場によって補正されるべき影響によっても変わる。さらに、これらの設置場所で、第1の個別粒子ビームも、コントラスト補正レンズを通過する。この事実を利用して、第1の個別粒子ビームの対象物平面へのテレセントリックな入射を、正確に設定することもできる。この場合、第1の個別粒子ビームおよび第2の個別粒子ビームに対して、強め合うように影響が加わる。すなわち、第1の個別粒子ビームおよび第2の個別粒子ビームは、コントラスト補正レンズによって同じ方向に偏向される。しかし、第1および第2の個別粒子ビームは、概して相異なるエネルギーを有するので、第1の個別粒子ビームおよび第2の個別粒子ビームへの影響の大きさは、通常相異なる。
本発明の好ましい実施形態によれば、第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズは、複数部品の実施形態を有する。コントラスト補正レンズは、したがって、複数のレンズを備えるコントラストレンズ系の、部分的な系を形成することができる。この場合、コントラスト補正レンズの構成要素を直接的に連続して、さもなければ互いに別々に、配置することが可能である。
本発明の好ましい実施形態によれば、複数粒子ビームシステムは、互いに隣接して配置された複数の偏向器を備える偏向器アレイをさらに具備し、該偏向器アレイは、第2の粒子光ビーム経路における中間像平面の領域に配置されており、偏向器は、調整可能な強度を有する電気および/または磁気偏向場を生成するように構成され、動作中、第2の個別粒子ビームは、偏向器アレイを通過し、第2の個別粒子ビームは、偏向場によって、偏向場の強度に応じた偏向角度だけ偏向され、コントローラは、電気および/または磁気偏向場の強度を制御するように構成される。この場合、単一の第2の個別粒子ビーム、または第2の個別粒子ビームのグループが、偏向器のそれぞれを通過する。
かかる偏向器アレイは、国際公開第2019243349号にも開示されており、その開示全体が、参照によりこの出願に組み込まれる。第2の個別粒子ビームのチルトは、偏向器アレイによっても補正できるので、第2の個別粒子ビームを、クロスオーバにおいて、コントラスト開口で正確に重ね合わせることができる。この場合、前述の偏向角は、10μradより大きく、特に15μradより大きく、特に100μradより大きく、また特に300μradより大きくすることができる。粒子ビームの平面への偏向角および/または入射角を決定するために、通常、粒子ビームのいわゆる重心光線を使用する。重心光線は、粒子ビームのすべての粒子の軌道の、概念上の総和を表す。
本発明のこの実施形態の変形例では、変化する方位角速度成分によって引き起こされるビームのチルトを、段階的に修正することができる。これは、強度の磁気液浸対物レンズを使用する場合に、または大きな像フィールドの場合に、2次経路における偏向器アレイによる単独の補正と比較して、利点を提供する。これは、かかる場合に、必要となる残留物補正に十分な精度で偏向器アレイに衝突し、第2の個別粒子ビーム間の相互干渉の問題を防止するために、第2の個別粒子ビームに対して本発明によるコントラスト補正レンズを用いて、第1のチルト補正を実行する必要があるからである。
本発明の好ましい実施形態によれば、複数粒子ビームシステムは、互いに隣接して配置された複数の偏向器を備える偏向器アレイをさらに具備し、該偏向器アレイは、第1の粒子ビームの中間像平面の領域に配置されており、偏向器は、調整可能な強度を有する電磁偏向場を生成するように構成され、動作中、第1の個別粒子ビームは、偏向器アレイを通過し、第1の個別粒子ビームは、偏向場によって、偏向場の強度に応じた偏向角度だけ偏向され、コントローラは、電磁偏向場の強度を制御するように構成される。
したがって、この実施形態の変形例では、2次経路におけるビームのチルトを補正する手段(2次経路におけるコントラスト補正レンズ、および任意で偏向器アレイ)が、1次経路におけるビームのチルトを補正する手段と組み合わされている。この補正は、1次経路では、対物レンズとして強度の磁気液浸レンズが使用されている場合でも、確実に、サンプルの正確でテレセントリックな照射を精密に行わせる働きをする。補正は、2次経路では、コントラスト開口における第2の個別粒子ビームまたは光線束の共心性を設定する働きをする。
コントラスト補正レンズ(任意で複数部品)および偏向器アレイ/複数の偏向器アレイの配置に応じて、第1の個別粒子ビームと第2の個別粒子ビームとの両方に対して、同じ補正手段を用いて、ビームのチルトの補正を実行することも可能である。したがって、これらの補正手段は、この場合、第1の粒子光ビーム経路と第2の粒子光ビーム経路とが互いに重なり合う場所、すなわちサンプルとビームスイッチとの間、具体的には、上記で既に明示的に言及された場所に配置される。ここで、第1の個別粒子ビームおよび第2の個別粒子ビームに対する補正の程度は、通常相異なる粒子エネルギーのために、大抵大きく相異なる。その場合、(純粋な)2次経路における、少なくとも第2の個別粒子ビームのビームチルトの、後補正または段階的補正は有利である。
国際公開第2019243349号は、1次経路において、1次粒子のビーム経路の中間像平面に配置された、第1の偏向器アレイについて開示している。第1の検出器フィールドは、サンプルへの1次ビームの入射角に影響を与えるように構成される。偏向器アレイの個々の偏向器の適切な制御によって達成されるものは、磁気液浸レンズによるビームのチルトが防止されるので、該ビームが、サンプルへテレセントリックに入射することである。次いで、2次ビームのチルトは、本発明によるコントラスト補正レンズ系によって補償される。サンプルへの1次ビームの入射角に影響を与える代替手段も、ドイツ特許出願、出願番号第102019004124.0号で開示されており、その開示全体が、参照によりこの出願に組み込まれる。該特許出願は、個別粒子ビームを方位角方向に偏向させる、磁気マルチ偏向器アレイについて開示している。この場合、マルチ偏向器アレイは、唯一の開口部を有する単純な開口プレートと複数開口プレートとの組合せを備え、これらは、2つのプレート間に空隙が形成されるように互いに接続され、該空隙内に磁場を発生させるためのコイルが配置されている。これにより、すべての個別粒子ビームについて、粒子ビームシステム内の方位角を個々に、簡単に設定できる、磁場の特有のフィールド形成が達成される。ここで、方位角(および径方向)のテレセントリック性の誤差が、それぞれの個別粒子ビームの、磁気液浸レンズの光軸からの距離に実質的に比例するという事実が、利用される。
国際公開第2019243349号は、2次経路において、2次粒子のビーム経路の中間像平面に配置された、第2の偏向器アレイについて開示している。一実施形態では、第1のコントラスト補正レンズが、共通のビーム経路に配置され、1次粒子と2次粒子との両方のチルトを補償するために使用される。しかし、1次粒子および2次粒子は、そのエネルギーの差異のために相異なるチルトを受けるので、共通ビーム経路における第1のコントラスト補正レンズは、たとえばサンプル上の1次ビームのチルトが補償されるように具現化することができ、2次粒子の残留チルトは、2次経路における第2のコントラスト補正レンズによって、または2次経路における第2の偏向器アレイによって補償される。
1次経路および2次経路の偏向器アレイを、1次経路または2次経路のコントラスト補正レンズまたは複数のコントラスト補正レンズと組み合わせることも可能である。具体的には、複数のビーム、たとえば300を超える個別ビームを有する、1次ビームのグリッド配置の場合、外側のビームにかなり大きなチルトがある。この場合、コントラスト補正レンズを使用して、ビームのチルトの大部分、たとえば90%までを大幅に補償し、偏向器アレイを使用して、たとえば10%の残留誤差を補償することが可能である。偏向場はこの場合、ただ、より低い電圧で操作されればよい。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏向器のそれぞれが、互いに対向して位置する少なくとも1対の電極を備え、この電極間で、第2の個別粒子ビームは、偏向器を通過し、コントローラは、互いに相異なる調整可能な電位を、1対の電極の電極へ印加するように構成される。互いに対向して位置する1対の電極は、1方向に偏向するのには十分である。互いに対向して位置する複数対の電極を使用することにより、方向の補正の、より柔軟な調整が可能となる。この場合、それぞれの偏向器は、互いに対向して位置する複数の電極対、たとえば、それぞれが4、6、または8個の個々の電極を形成する、2、3、または4対が通常である電極対を、備えることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏向器アレイは、中心を有し、各偏向器の電極対の2つの電極の中心間の接続線が、偏向器アレイの中心に対して周方向に向けられている。かかる検出器アレイを使用すると、たとえば、軌道が光軸に対して方位角速度成分を有する粒子ビームに影響を与えることが可能であり、この結果、すべての個別粒子ビームが、偏向器アレイを通過した後、その後のクロスオーバで共心的に重なるように、方位角速度成分が補正される。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏向器のそれぞれが、ビーム経路に連続して配置された少なくとも第1のプレートおよび第2のプレートを備え、第1のプレートが第1の開口部を有し、第2のプレートが第2の開口部を有し、第2の個別粒子ビームが、該開口部を通過し、
第1の開口部の中心は、ビーム経路の方向で見たときに、第2の開口部の中心に対して横方向へずらされており、コントローラは、互いに相異なる電位を、第1および第2のプレートへ印加するように構成される。これらの電場は、次いで、開口部を通過する第2の個別粒子ビームの偏向を引き起こす。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏向器アレイは、中心を有し、第1の開口部の中心が、ビーム経路の方向で見たときに、第2の開口部の中心に対して横方向に、偏向器アレイの中心に対して周方向にずらされている。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏向器アレイの複数の偏向器は、複数の第1の開口部を有する共通の第1の複数開口プレートと、複数の第2の開口部を有する共通の第2の複数開口プレートとを有し、第2の個別粒子ビームが、第1の開口部のうちの1つおよび第2の開口部のうちの1つを、いずれの場合にも通過する。この場合もやはり、ただ1つの第2の個別粒子ビームが、各開口部を通過することがここで可能であるが、これは、第2の個別粒子ビームのグループの場合もある。
本発明の上記で説明された実施形態は、結果として技術的な矛盾が生じない限り、完全にまたは部分的に、互いに組み合わせることができる。
本発明は、添付の図面を参照して、さらに適切に理解されよう。
マルチビーム粒子顕微鏡の形態の粒子ビームシステムの概略図である。 中間像平面およびコントラスト開口を備える、図1の粒子ビームシステムの詳細の概略図である。 対称磁気レンズおよび非対称磁気レンズを通った粒子光学結像を概略的に示す図である。 磁気コントラスト補正レンズの概略図である。 複数粒子ビームシステムにおける、磁気コントラスト補正レンズの第1の配置を概略的に示す図である。 複数粒子ビームシステムにおける、磁気コントラスト補正レンズの第2の配置を概略的に示す図である。 複数粒子ビームシステムにおける、磁気コントラスト補正レンズの第3の配置を概略的に示す図である。 図1の粒子ビームシステムで使用可能な偏向器アレイの平面図の概略図である。 図1の粒子ビームシステムで使用可能な別の偏向器アレイの平面図の概略図である。 図9に示された偏向器アレイの、線VI-VIに沿った断面図の概略図である。
下記では、同じ参照符号は、本文で明示的に言及されていなくても、同じ機能を示している。
一実施形態による粒子ビームシステムが、図1に概略的に示されている。粒子ビームシステム1は、第1の粒子光ビーム経路を備え、対象物7が配置された平面101上に複数の第1の粒子ビーム3を向けるように構成された、照射システム80を具備する。粒子ビーム3のそれぞれは、対象物7上の入射位置を照射し、粒子ビーム3は、入射位置のフィールドがそこで照射されるように、互いに並んで、かつ互いに離れて対象物7に入射する。粒子ビーム3は、たとえば、対象物7において2次電子および後方散乱電子を生成する、電子ビームであり得る。第2の粒子光ビーム経路を備える、検出システムの結像光学ユニット90は、入射位置で生成された電子を集めて、電子を検出器アレイ13上に向けるように構成される。ここで、入射位置のそれぞれから放出される電子は、いずれの場合にも別個の粒子ビーム9を成形するために使用される。粒子ビーム9は、検出器アレイ13上に向けられる。検出器アレイ13は、検出器要素のアレイを備え、1つまたは複数の検出器要素は、粒子ビーム9のうちのそれぞれ1つを検出するために設けられている。検出器要素は、この目的のために、対象物7での入射位置の配置に対応するアレイの形で配置されている。結像光学ユニット90は、対象物7の表面および検出器アレイ13に関して、対象物7の表面が、結像光学ユニット90によって形成される結像の対象物平面101に配置され、検出器アレイ13の検出器要素が、該結像の像平面19に配置されるように構成される。結像光学ユニット35の像平面101と結像光学ユニット90の対象物平面とが一致し、対象物の表面をそこに配置できるように、照射システム3の結像光学ユニット35および検出器システムの結像光学ユニット90が配置されている。したがって、平面101は、照射システム80の像平面であり、結像光学ユニット30の対象物平面17であり、かつ検査すべき対象物7の表面が配置されたサンプル平面である。
照射システム80は、粒子ビーム23を生成する粒子エミッタ22を有する、マルチビーム粒子源21を具備し、粒子ビーム23は、1つまたは複数の集光レンズ25によってコリメートされ、複数開口プレート装置27に入射する。複数開口プレート装置27は、複数の開口部を有する少なくとも1枚の複数開口プレートを備える。複数開口プレートの開口部を通過する粒子ビーム23の粒子は、粒子ビーム3を形成する。複数開口プレート装置27はさらに、個別粒子ビーム3を集束させるように構成され、これにより粒子ビーム3の焦点31が、表面29の周囲の領域に形成される。表面29は、この場合、湾曲した形状を有することができる。ビーム経路に影響を与える別のレンズ33を、複数開口プレート装置27と表面29との間に設けることができる。
照射システム80は、表面29を平面101に結像するように構成された結像光学ユニット35をさらに備え、したがって、表面29および平面101は、光学結像の意味で、互いに対して共役な平面である。結像光学ユニット35は、平面101の最も近傍に配置された結像光学ユニット35のレンズである、対物レンズ102を備える。結像光学ユニット35はさらに、別のレンズ39を備えることができる。
照射システム3は、粒子ビーム3を、該粒子ビームができる限り直角または垂直に、すなわち90°の入射角で平面101に入射するように、平面101上に向ける。しかし、レンズ37および39の特性のために、この関係からのずれが生じ、その結果粒子ビームが、90°とは相異なる入射角で平面101に入射する。この方向は、具体的には、すべての粒子ビーム3について同一ではなく、むしろ、粒子ビームのフィールド内でのそれぞれの粒子ビーム3の場所によって変わる可能性がある。入射角の90°からのずれは、たとえば、結像光学ユニット35のテレセントリック性の誤差によって引き起こすことができる。さらに、対物レンズ102は、対象物7の表面まで到達する磁場によって、対物レンズの集束効果を実現することができる。この場合、対象物7の表面における直接的な粒子ビーム3の軌跡は、螺旋形状を有する。この例示的な実施形態において、かかるテレセントリック性からのずれを少なくとも部分的に補償するために、平面101に結像される表面29の近くに、偏向器アレイ41が配置されている。しかし、この偏向器アレイ41も、なしで済ますことができる。
結像光学ユニット90は、対物レンズ102および複数のレンズ205を備え、これらは、図1に概略的に示され、図2により詳細に示されている。結像光学ユニット90は、3つの中間像71、72、および73が、粒子ビーム15のビーム経路に沿って次々と生じるように、検出器アレイ13の検出器要素が配置されている平面19上に、平面17を結像する。さらに、ビーム経路の中間像72と73との間に配置された平面75に、粒子ビーム15のクロスオーバがある(図2参照)。該平面75には、切欠き79を有するコントラスト開口511が配置されており、コントラスト開口は、検出器アレイ13の、さもなければ粒子が始動した平面101のその位置に割り当てられた検出器要素とは別の検出器要素に入射することになる、粒子ビーム9の粒子をフィルタ除去する働きをする。
上記で説明されたように、粒子ビーム9が平面101または17から直角に始動しない、すなわち90°とは相異なる角度で始動する場合、このフィルタ処理の品質が低下する。さらに、粒子ビームが直角に始動したとしても、磁場内で始動した場合、やはりフィルタ処理の品質が低下する。これは、たとえば、対物レンズ102が、平面101まで到達する集束磁場を生成する場合に、実際に生じる。
これを補償するために、偏向器アレイ81を中間像72の領域に配置することができ、該偏向器アレイは、偏向器のアレイを備え、粒子ビーム9の1つが、偏向器のそれぞれを通過する。偏向器は、偏向器を通過する粒子ビーム9を、粒子ビームが平面75の可能な限り小さい領域を通過するように偏向し、開口部79は、高いスループットで良好なフィルタ処理を達成するのに十分な小ささとなるよう、選択することができる。
偏向器アレイ81は、図8~図10を参照して下記で説明される構造を、有することができる。しかし、偏向器アレイ81が存在する必要はない。
複数粒子ビームシステムはさらに、複数粒子ビームシステムの個別粒子用光学構成要素を制御し、かつマルチ検出器209によって得られた信号を評価および分析するように構成された、コンピュータシステム10を備える。コンピュータシステム10は、この場合、複数の個々のコンピュータまたは構成要素によって構築することができる。コンピュータシステムはまた、本発明によるコントラスト補正レンズ系500を制御することもできる(図1および図2には示されていない)。
かかるマルチビーム式粒子ビームシステムおよびこれに使用される構成要素、たとえば粒子源、複数開口プレート、およびレンズなどに関するさらなる情報は、国際特許出願である国際公開第2005/024881号、国際公開第2007/028595号、国際公開第2007/028596号、国際公開第2011/124352号、および国際公開第2007/060017号、ならびに出願番号がドイツ特許第102013026113.4号およびドイツ特許第102013014976.2号の、ドイツ特許出願から得ることができ、その全範囲の開示が参照により本出願に組み込まれる。
図3は、対称および非対称磁気レンズを通した粒子光学結像を概略的に示しており、ビームのチルトがどのように発生するかを示しているはずである。図3a)は、対称磁気レンズを通した、たとえば、磁気対物レンズ102を通した結像を示している。y軸は、レンズによって生じる磁場のz成分Bzをプロットしている。上向きの矢印によって表された、結像されるべき対象物Gは、光軸Zに対して、磁気対物レンズ102の上流に位置している。粒子光学像Bは、磁気対物レンズ102の下流に生じる。この場合、結像されるべき対象物Gは、対物レンズ102の磁場の外側に位置している。ここで、焦点Fを通って焦点平面Eに結像される平行ビームの粒子光ビーム経路が、例示的にプロットされている。さらに、中心ビームがプロットされている。
ここで、サンプルから垂直方向に始動するフィールドビームの方位角速度成分vazimutalが、概略的に図示された対物レンズ102を通るビーム経路の下にプロットされている。フィールドビームの一部であり、サンプルから垂直方向に始動する、すなわち方位角速度成分のない、軸外の電子は、レンズで回転し、方位角速度成分なしでレンズ場を離れる。その後、始動した電子は焦点平面で交わり、焦点平面で、コントラスト開口(図示せず)を用いた、始動角度に応じた電子のフィルタ処理による除去が可能となる。結果として、このフィルタ処理は、大きな像フィールドにわたっても均質のコントラストを促進する。
比較のために、図3b)は、磁気レンズ102が磁気液浸レンズの場合の、粒子光ビーム経路を示している。したがってここで、結像されるべき対象物Gまたはサンプルは、レンズ102の磁場内に位置する。これにより、電子が受け、横切る磁場は、対称ではなく、非対称である。レンズ102を通過した後の方位角速度成分vazimutalは、ゼロではない。サンプルから垂直方向に始動する、すなわち方位角速度成分のない軸外の電子は、磁気レンズ102で回転し、非対称性のために、方位角速度成分を有した状態でレンズ場を離れる。この方位角速度成分は、電子ビームまたは2次ビームのチルトを引き起こす。結果として、サンプルから始動した平行な電子は、もはや焦点平面Eで共心的に交わることはない。焦点平面での始動角度に応じた高精度のフィルタ処理を実行することは、もはや不可能である。誤差、およびその結果、像フィールド上でのコントラストのドリフトが生じる。
図4は、磁気コントラスト補正レンズ500の概略図を示している。本発明によるコントラスト補正レンズ500は、図4で、粒子光ビーム経路において磁気投影レンズ205の下流に配置されている。この投影レンズ205は、投影レンズ系の複数の投影レンズのうちの1つであり得る。また、投影レンズ205の代わりに、別の粒子光レンズ、たとえば対物レンズ102を設けることも可能であろう。図4は、この点で、例示目的にすぎず、本発明の概念のより適切な理解に役立つ。したがって、磁気コントラスト補正レンズ500は、第2の個別粒子ビームの光束が、収束するよう進む領域に配置されている。
図4は、例示的に、3本の第2の個別粒子ビーム9a、9b、および9cのビーム経路をプロットしている。投影レンズ205は、強度の屈折レンズである。これにより、第2の個別粒子ビーム9a、9b、および9cは同様に、クロスオーバ510に集束する。対照的に、磁気コントラスト補正レンズ500は、弱い磁場を有する磁気レンズである。ここでは、磁場は領域501内で作用し、磁場の方向は、図4において矢印で示されている。磁場は、基本的には、光軸Zに平行に整列されており、これは、矢印のうちの1つに、ラベルBzで示されている。
荷電された第2の個別粒子ビームまたは電子9a、9b、および9cは、様々な径方向の速度成分を有している。磁場Bzによってもたらされるローレンツ力FLは、径方向の速度成分vrに作用する。ローレンツ力は、磁場501で荷電粒子の螺旋状の動きを引き起こす。この場合、荷電粒子ビーム9a、9b、および9cが光軸Zからより離れて位置するほどに、速度成分vrがより大きくなるので、荷電粒子の螺旋状の動きがより一層顕著になるか、またはローレンツ力が一層強くなる。コントローラ10.1による適切な制御によって、ここで生成されるラーモア回転、たとえば磁気液浸レンズによって引き起こされる方位角チルトを打ち消すように、コントラスト補正レンズ500の磁場501を選択することができる。コントラスト補正レンズは、この場合、同じ角度およびエネルギーを有する、たとえば半導体ウェーハの表面に垂直方向の、サンプルから始動する粒子が、クロスオーバで再び交わり、個別粒子ビームのラーモア回転または残留チルトが正確に補償されるように、設定される必要がある。荷電粒子が、磁場501での全体的な回転または捻れよりも少ない回転または捻れを実行する場合には、この補償で十分である。磁場501は、適切なドリフト経路が磁場内で利用可能であることを条件として、その分弱くなるよう選択することができる。図示されている例では、コントラスト補正レンズ500またはこれにより生成された有効磁場501のドリフト経路または長さLは、約20cmである。ただし、ドリフト経路または長さLは、10cmまたは30cmの可能性もあり、他の長さも可能である。図示されている例では、磁場の半径rは、約5cmである。
磁場501を発すると、磁気液浸レンズの磁場によって引き起こされる、第2の個別粒子ビーム9a、9b、および9cの望ましからざるチルトが、正確に補償される。その結果、第2の個別粒子ビーム9a、9bおよび9cは、クロスオーバ510において、正確に重なることができる。その結果、第2の個別粒子ビームは、ここで、サンプル上の粒子ビームの始動角度の分散に応じて、コントラスト開口(図示されていない)を補助的に使用して、フィルタ処理することができる。一例では、第2の個別粒子ビームそれぞれの中心ビームに応じて、いずれの場合にもフィルタ処理が実行され、中心ビームは、平面101に配置された半導体ウェーハの表面に対して垂直方向に整列される。
図5、図6、および図7は、複数粒子ビームシステム1における磁気コントラスト補正レンズ500の第1の配置、第2の配置、および第3の配置を概略的に示している。この場合、対象物Gまたはサンプルは、対物レンズの磁場内に位置している。対物レンズは、この場合、例として、強度の磁気液浸レンズ102である。第2の個別粒子ビーム9a、9cは、ラーモア回転のために、液浸レンズ102から離れた後に方位角方向へ僅かに傾いているので、粒子ビームは、本発明によるコントラスト補正レンズ500なしでは、クロスオーバ510で正確に交わることはないであろう。サンプルから放出される第2の個別粒子ビーム9a、9cは、ここで、ビームスイッチ400を通過し、続いて、図示の例では3つの投影レンズ205a、205bおよび205cを備える、投影レンズ系205を通過する。3つの投影レンズは、図示の例では、磁気投影レンズ205a、205b、および205cである。ただし、電気投影レンズまたは電磁投影レンズを使用することも可能であろう。コントラスト補正レンズ500は、この実施形態では、投影レンズ系205内に配置されている。コントラスト補正レンズは、具体的には、第1の投影レンズ205aと第2の投影レンズ205bとの間に位置し、別の言い方をすると、コントラスト補正レンズは、コントラスト開口511の上流に配置された投影レンズ205aと、粒子光ビーム経路におけるクロスオーバ510およびコントラスト開口511との間に位置する。通常、複数粒子ビームシステム1のこの箇所に、第2の粒子光ビーム経路に比較的長いコントラスト補正レンズ500を配置するための、十分な設置空間が利用可能である。
図示の例では、第2の粒子光ビーム経路の粒子光学構成要素は、コントローラ10の構成要素、この場合は構成要素10.1、10.2および10.3によって制御される。目標とする制御を行った結果として、粒子光ビーム経路を最適化すること、具体的には、第2の個別粒子ビーム9a、9cが、コントラスト補正レンズを用いたラーモア回転の正確な補償によって、クロスオーバ510で正確に同心的に重なるようにすることが可能である。
コントラスト補正レンズ500は、図6では、図5に示された一実施形態とは異なって配置されている。コントラスト補正レンズ500は、対物レンズ102とビームスプリッタ400との間に位置している。コントラスト補正レンズ500は、具体的には、対物レンズ102と、対物レンズ102の上部焦点平面502との間に配置されている。この実施形態の変形例では、個別粒子ビームの望ましからざる方位角チルトが生じるとすぐに、ラーモア回転の適切な補償が行われる。しかし、本発明によるコントラスト補正レンズ500をこの場所に配置する場合、空間が限られているため、ラーモア回転を補償するのに、より強い磁場を使って動作する必要がある。
図7に示されている実施形態では、本発明によるコントラスト補正レンズ500は同様に、対物レンズ102とビームスプリッタ400との間に位置している。しかし、この実施形態の変形例の場合は、コントラスト補正レンズ500が、対物レンズ102の上部焦点平面520とビームスイッチ400との間に配置されている。第2の個別粒子ビームは、この領域で発散して進むので、コントラスト補正レンズ500内の磁場の方向は、図5および図6の他の2つの例示的な実施形態と比較して、逆にする必要がある。
図5、図6、および図7の例示的な実施形態を、完全にまたは部分的に組み合わせることも可能である。コントラスト補正レンズ系は、この場合、第1、第2、および/もしくは第3のコントラスト補正レンズ、またはさらにより多くのコントラスト補正レンズを有することができる。各コントラスト補正レンズは、この場合、単一部品または複数部品の設計であり得る。さらに、図5、図6、および図7の例示的な実施形態は、図7、図8、および図9で説明される偏向器アレイ41の実施形態と、完全にまたは部分的に組み合わせることができる。
図8は、偏向器アレイ41の実施形態の平面図を概略的に示している。かかる偏向器アレイ41は、第1および/または第2の粒子光ビーム経路の中間像平面に配置することができ、粒子ビームの個々の方向補正を可能にする。偏向角度は、コントローラによって個別に設定することができる。
偏向器アレイ41は、第2の個別粒子ビーム9の1つが、開口部45のそれぞれの中心を通過するようにアレイ46の形に配置された、複数の開口部45を有する、複数開口プレート43を備える。各開口部45には、開口部45の中心点の両側に、互いに対向して位置する、少なくとも1対の電極47が配置されている。各電極47は、電極の各対の電極47へ互いに相異なる電位を印加するように構成された、コントローラ10.4に接続されている。電極47の対の、電極47間の電位差は、電極47間に電場を生成し、該電場は、電極47の対を通過する粒子ビーム9を、電位差に応じた角度だけ偏向する。
電極47の対は、電極対を通過する粒子ビーム5に対して、対になった2つの電極47の中心間の接続線51が、粒子ビーム5が通過する開口部45のアレイ46の中心53に対して周方向に配置されるように、向けられている。その結果、対物レンズ102から対象物9の表面まで及ぶ磁場の影響が補償されるように、粒子ビーム5を偏向することが可能である。
図8に示されている偏向器アレイ41の場合、それぞれ個々の偏向器は、互いに対向して位置し、中心53に対して周方向にずれて配置されている、1対の電極47を備える。これにより、中心に対して周方向に向けられた方向に、粒子ビームを偏向させることが可能である。しかし、複数の電極対を通過する粒子ビームが偏向される向きも設定できるようにするために、互いに対向して位置する2つ以上の電極対を、周方向に、開口部の周りに分散して配置することも可能である。
偏向器アレイ41のさらなる実施形態が、図9および図10を参照して下記で説明される。この場合、図9は、偏向器アレイ41の平面図を示し、図10は、図9の線VI-VIに沿った偏向器アレイ41の断面図を示している。
偏向器アレイ41は、粒子ビーム5が通過する、複数の開口部45を有する第1の複数開口プレート56と、複数の開口部45’を有する、第2の複数開口プレート57とを備える。2枚の複数開口プレート56および57は、各粒子ビーム5が最初に第1の複数開口プレート56の開口部45を通過し、次いで第2の複数開口プレート57の開口部45’を通過するように、ビーム経路内で前後に配置されている。2枚の複数開口プレート56および57の開口部45および45’は、それぞれ同一の直径を有することができる。しかし、同一の直径である必要はない。
2枚の複数開口プレート56および57は、開口部を所与の粒子ビームが通過する、第1の複数開口プレート56の開口部45の中心が、開口部を該粒子ビームが通過する、第2の複数開口プレート57の開口部45’の中心に対して、ビーム方向で見たときに相対的に横方向へずれるように、互いに対して配置されている。これは、図8において、第1の複数開口プレート56の開口部45が完全に見え、実線で示されているのに対して、第2の複数開口プレート57の開口部45’は部分的に隠れており、開口部45’が見える限り実線で示され、隠れている限り破線で示されているという事実によって、示されている。
コントローラ10.5は、互いに相異なる電位を、第1の複数開口プレート56および第2の複数開口プレート57に印加するように構成される。これにより、静電場が複数開口プレート56と57との間に生成され、該静電場が、粒子ビーム5を偏向する。偏向角は、コントローラ10.5によって決定される、複数開口プレート56と57との間の電位差によって設定することができる。
偏向器アレイは、中心53を有し、これを中心にして、第2の複数開口プレート57を第1の複数開口プレート56に対して、図8の矢印61で示されるように回転させる。この回転は、粒子ビーム9が連続的に通過する開口部45と45’との間で、周方向に中心53を中心にして、横方向のずれを作り出し、該横方向のずれは、それぞれの開口部45および45’と中心53との間の距離が増加するにつれて、周方向に増加する。
(符号の説明)
1 マルチビーム粒子顕微鏡
3 第1の粒子ビーム(個別粒子ビーム)
7 対象物
9 第2の粒子ビーム
10 コンピュータシステム、複数の構成要素を備えるコントローラ
13 検出器アレイ
19 検出器要素の平面
21 マルチビーム粒子源
22 粒子エミッタ
23 粒子ビーム
25 集光レンズ
27 複数開口プレート装置
29 焦点の表面
31 焦点
33 レンズ
35 結像光学ユニット
39 レンズ
41 偏向器アレイ
43 複数開口プレート
45 開口部
46 フィールド
47 電極
51 接続線
53 中心
56 第1の複数開口プレート
57 第2の複数開口プレート
67 均質の磁場の領域
71 中間像
72 中間像
73 中間像
75 クロスオーバの平面
79 開口部
80 照射システム
81 偏向器アレイ
90 結像光学ユニット
101 対象物平面
102 対物レンズ
205 投影レンズ
206 磁場の領域
400 ビームスイッチ
500 コントラスト補正レンズ
501 磁場の領域
510 クロスオーバ
511 コントラスト開口
520 対物レンズの上部焦点平面におけるクロスオーバ
Z 光軸
G 対象物
B 像
z 磁場
L 有効磁場の長さ
r 有効磁場の半径

Claims (26)

  1. 複数粒子ビームシステムであって、
    複数の荷電された第1の個別粒子ビームの第1のフィールドを生成するように構成された、マルチビーム粒子源と、
    第1の粒子光ビーム経路を備え、前記第1の個別粒子ビームが、入射位置で対象物に衝突して第2のフィールドを形成するように、前記生成された個別粒子ビームを対象物平面上に結像するように構成された、第1の粒子光学ユニットと、
    第3のフィールドを形成する、複数の検出領域を備える検出システムと、
    第2の粒子光ビーム経路を備え、前記第2のフィールドの前記入射位置から放出される第2の個別粒子ビームを、前記検出システムの前記検出領域の前記第3のフィールド上に結像するように構成された、第2の粒子光学ユニットと、
    前記第1の個別粒子ビームと前記第2の個別粒子ビームとの両方が通過する、磁気対物レンズ、具体的には、磁気液浸レンズと、
    前記第1の粒子光ビーム経路の、前記マルチビーム粒子源と前記対物レンズとの間に配置
    され、かつ、前記第2の粒子光ビーム経路の、前記対物レンズと前記検出システムとの間に配置されている、ビームスイッチと、
    コントローラと
    を備え、
    前記第2の粒子光ビーム経路の、前記ビームスイッチと前記検出システムとの間に、前記第2の個別粒子ビームのクロスオーバが存在し、
    前記第2の個別粒子ビームを切り取るための中央切欠きを有するコントラスト開口が、前記クロスオーバの領域に配置されており、
    第1の磁気コントラスト補正レンズを備えるコントラスト補正レンズ系が、前記第2の粒子光ビーム経路の、前記対物レンズと前記コントラスト開口との間に配置されており、前記コントラスト補正レンズ系が、調整可能な強度を有する磁場を生成し、前記第2の個別粒子ビームの、前記クロスオーバでの、前記複数粒子ビームシステムの光軸に対するビームのチルトを補正するように構成され、
    前記コントローラが、前記コントラスト補正レンズ系の励磁を制御するように構成される、複数粒子ビームシステム。
  2. 前記第1の磁気コントラスト補正レンズが、前記複数粒子ビームシステムの動作中に、前記第2の個別粒子ビームが収束または発散するように進む領域に配置されている、請求項1に記載の複数粒子ビームシステム。
  3. 前記コントラスト補正レンズ系の励磁が、前記第2の個別粒子ビームが前記コントラスト補正レンズ系を通過した後、前記第2の粒子光ビーム経路のその後の像平面または中間像平面で、方位角速度成分を実質的に有しないように制御される、請求項1または2に記載の複数粒子ビームシステム。
  4. 前記コントラスト補正レンズ系の励磁が、すべての第2の個別粒子ビームが前記系の前記光軸に対して中心に、前記クロスオーバを通過するよう制御される、請求項1~3のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  5. 前記第1のコントラスト補正レンズの前記磁場が、前記システムの前記光軸に実質的に平行に整列される、請求項1~4のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  6. 前記第1のコントラスト補正レンズの長さLが、前記コントラスト補正レンズの半径rよりも長い、つまり、L>rである、請求項1~5のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  7. 前記第1のコントラスト補正レンズの前記長さLが、前記コントラスト補正レンズの半径rの少なくとも2倍の長さ、つまり、L≧2rである、
    請求項6に記載の複数粒子ビームシステム。
  8. 前記第1のコントラスト補正レンズの前記長さLが、少なくとも15cm、特に、少なくとも20cmおよび/または少なくとも30cmである、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  9. 前記対物レンズが、磁気液浸レンズである、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  10. 前記液浸レンズが、前記対象物平面で10mTより大きい、特に20mT、50mT、および/または150mTより大きい、磁場強度を有する集束磁場をもたらす、
    請求項9に記載の複数粒子ビームシステム。
  11. 前記第2の粒子光学ユニットが、第1の投影レンズ系と第2の投影レンズ系とを備える、投影レンズ系を備え、
    前記第1のコントラスト補正レンズが、前記投影レンズ系の前記第1の投影レンズ系と前記第2の投影レンズ系との間に配置されている、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  12. 前記第2の粒子光学ユニットが、投影レンズ系を備え、
    前記第1のコントラスト補正レンズが、前記コントラスト開口と、前記コントラスト開口に最も近い前記投影レンズとの間に、前記粒子光ビーム経路と反対の方向に配置されている、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  13. 前記投影レンズ系が、少なくとも1つの磁気投影レンズを備える、
    請求項11または12に記載の複数粒子ビームシステム。
  14. 前記投影レンズ系が、少なくとも1つの電気投影レンズを備える、
    請求項11~13のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  15. 前記コントラスト補正レンズ系が、第2のまたは別のコントラスト補正レンズを備える、請求項1~14のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  16. 前記第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズが、前記対物レンズとビームスプリッタとの間に配置されている、
    請求項1~15のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  17. 前記第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズが、前記対物レンズと前記対物レンズの上部焦点平面との間に配置されている、
    請求項1~16のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  18. 前記第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズが、前記対物レンズの前記上部焦点平面と前記ビームスイッチとの間に配置されている、
    請求項1~17のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  19. 前記第1のコントラスト補正レンズおよび/または別のコントラスト補正レンズが、複数部品の実施形態を有する、
    請求項1~18のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  20. 互いに隣接して配置された複数の偏向器を備える偏向器アレイをさらに備え、前記偏向器アレイが、中間像平面の領域に配置されており、
    前記偏向器が、整可能な強度を有する電磁偏向場を生成するように構成され、動作中、前記第2の個別粒子ビームが、前記偏向器アレイを通過し、前記第2の個別粒子ビームが、前記偏向場によって、前記偏向場の前記強度に応じた偏向角度だけ偏向され、
    前記コントローラが、前記電磁偏向場の前記強度を制御するように構成された、
    請求項1~19のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  21. 互いに隣接して配置された複数の偏向器を備える偏向器アレイをさらに備え、前記偏向器アレイが、中間像平面の前記領域に配置されており、
    前記偏向器が、調整可能な強度を有する電磁偏向場を生成するように構成され、動作中、前記第1の個別粒子ビームが、前記偏向器アレイを通過し、前記第1の個別粒子ビームが、前記偏向場によって、前記偏向場の前記強度に応じた偏向角度だけ偏向され、
    前記コントローラが、前記電磁偏向場の前記強度を制御するように構成された、
    請求項1~20のいずれか1項に記載の複数粒子ビームシステム。
  22. 前記偏向器のそれぞれが、互いに対向して位置する少なくとも1対の電極(47)を備え、前記電極間で、前記第1の個別粒子ビームまたは前記第2の個別粒子ビームが、前記偏向器を通過し、
    前記コントローラが、互いに相異なる調整可能な電位を、前記1対の電極の前記電極へ印加するように構成された、
    請求項20または21に記載の複数粒子ビームシステム。
  23. 前記偏向器アレイが、中心(53)を有し、
    各偏向器の前記1対の電極の前記2つの電極の中心間の接続線(51)が、前記偏向器アレイの前記中心に対して、周方向に向けられている、
    請求項22に記載の複数粒子ビームシステム。
  24. 前記偏向器のそれぞれが、前記ビーム経路に連続して配置された少なくとも第1のプレート(56)および第2のプレート(57)を備え、前記第1のプレートが、第1の開口部(45)を有し、前記第2のプレートが、第2の開口部(45’)を有し、第2の個別粒子ビームが、前記開口部を通過し、
    前記第1の開口部の中心が、前記ビーム経路の方向で見たときに、前記第2の開口部の中心に対して横方向(61)へずらされており、
    前記コントローラが、互いに相異なる電位を、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートへ印加するように構成された、
    請求項20または21に記載の粒子ビームシステム。
  25. 前記偏向器アレイが、中心(53)を有し、
    前記第1の開口部の前記中心が、前記ビーム経路の方向で見たときに、前記第2の開口部の前記中心に対して、前記偏向器アレイの前記中心に対して周方向にずらされている、
    請求項24に記載の粒子ビームシステム。
  26. 前記偏向器アレイの前記複数の偏向器が、複数の第1の開口部を有する共通の第1の複数開口プレートと、複数の第2の開口部を有する共通の第2の複数開口プレートとを有し、
    前記第2の個別粒子ビームが、前記第1の開口部のうちの1つおよび前記第2の開口部のうちの1つを、いずれの場合にも通過する、
    請求項24または25に記載の複数粒子ビームシステム。
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