JP4205224B2 - エネルギーフィルタを有する粒子線装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子顕微鏡用の粒子線装置に関し、詳細には、粒子線発生器と対物レンズとの間に配置され、分散を有するエネルギーフィルタを有する粒子線装置に関する、
【0002】
【従来の技術】
エネルギーフィルタを有する透過電子顕微鏡の形態をとる粒子線装置は、たとえば、米国特許第4,740,704号、米国特許第4,760,261号及び米国特許第5,449,914号から知られている。これらの従来例に記載されているエネルギーフィルタは分散フィルタである。すなわち、フィルタに侵入する帯電粒子は、フィルタを通過するとき、その粒子のエネルギーに応じた大きさで偏向する。米国特許第4,740,704号に記載されているフィルタは、その出願人の透過電子顕微鏡912 Omegaに摘要される。912 Omegaの場合、フィルタは結像光路内の検査すべき標本と、標本が電子光学的に結像される投映スクリーン又はカメラとの間に配置されている。そのような結像側エネルギーフィルタを使用して、粒子が標本の中で受けたエネルギー損失を解析することができる。同時に、エネルギー帯域幅が縮小した粒子のみが結像に寄与するために、エネルギーによって決まる結像光路内の結像誤差、色収差を減少させることもできる。
【0003】
ラスタ電子顕微鏡並びに透過電子顕微鏡における結像色誤差を補正するために、照明光路内において、電子源と検査すべき標本との間にミラー補正器を設けることは米国特許第5,319,207号から知られている。この特許に記載されているミラー補正器は磁気ビームデフレクタと、磁気ビームデフレクタ内で2つの対称平面を互いに対して結像する静電ミラーとから構成されている。ビームデフレクタは分散特性を有しているが、補正は全体としては分散形ではない。すなわち、補正器に入射した粒子は補正器を完全に通過し終わった後でも、粒子エネルギーに従って決まる大きさの偏向を全く起こさない。
しかしながら、この種の補正は相対的に高いコストを要し、これまでは市場に提示されていない。
【0004】
補正器に代わるものとして、Optik第85巻(第3号)の95から98ページ(1990号)の論文から、透過電子顕微鏡の照明光路内にエネルギーフィルタを設けることが知られている。エネルギーフィルタを使用することによって、その後に続く結像に寄与する粒子のエネルギー帯域幅が狭くなるため、少なくともエネルギー従属誤差は減少する。この場合にも、粒子線のエネルギー論的分割のために、フィルタは分散要素を有しているが、フィルタは全体としては分散を伴わないので、フィルタに流入した粒子はフィルタを完全に通過した後でもエネルギーによって決まる大きさの偏向を全く起こさず、これは先の場合と同様である。フィルタ全体の分散なし状態は、フィルタが中心平面に対して対称であり且つ2つの互いに対称なフィルタ部分における分散が厳密に逆向きであることによって得られる。フィルタがこのように分散を伴わないことにより、フィルタでわずかな電圧変動があっても、フィルタの背後ではビームの揺動は起こらない。しかし、分散のないフィルタには、スリット絞りを使用してエネルギー選択を行うエネルギー選択平面において得られる分散が相対的に小さいという欠点もある。また、分散は一般に粒子エネルギーによって決まり、粒子エネルギーが大きくなるにつれて減少するので、高いエネルギー鮮鋭度を実現すべき場合にはフィルタ内部の粒子エネルギーを相対的に低くしなければならない。上記の論文では3KeVの粒子エネルギーから始めており、H.Roseがさらに研究を進めた結果、有意義なエネルギー範囲として3から5KeVを指定している。ところが、フィルタ内部の粒子エネルギーが低いと、いわゆるBoersch効果によってエネルギー幅が拡張する。特にフィルタ内部における粒子源の中間結像の場合、そのような中間像の粒子密度が高くなるために、Boersch効果は重大な影響を及ぼすので、既に、H.ROseはフィルタ内部で非点収差中間像のみをもたらすフィルタを使用することを提案している。
【0005】
さらに、日本特許62−93848からは、電子源と対物レンズとの間に分散エネルギーフィルタを有するラスタ電子顕微鏡が知られている。しかし、ここに記載されている光学系においては、フィルタは相対信号を発生するためにのみ使用されるので、本来の二次電子測定信号と相対信号との商を算出することにより、電子源の雑音が後に形成される像に及ぼす不都合な影響を除去できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、さらに結像又は像形成に使用される粒子線が高いエネルギー鮮鋭度を有することができ且つBoersch効果の影響は小さい粒子線装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒子線発生器と対物レンズとの間に配置され、分散を有するエネルギーフィルタを有し、そのエネルギーフィルタは第1の入力側平面を色消し状態で第1の出力側平面に結像すると共に、第2の入力側平面を第2の出力側平面に分散結像し、且つ粒子線発生器はエネルギーフィルタの第1の入力側平面に結像されている粒子線装置である。
【0008】
本発明による粒子線装置においては、前記の論文の場合と同様に、照明側の粒子線発生器と対物レンズとの間にエネルギーフィルタが配置されている。しかし、先の論文に記載される構造とは異なり、このエネルギーフィルタは分散を有する。すなわち、フィルタを完全に通り抜けた粒子は、フィルタの終端で、粒子の運動エネルギーによって決まる大きさの偏向を生じる。この場合のフィルタは、第1の入力側平面を色消し状態で出力側平面に結像すると同時に、第2の入力側平面を第2の出力側平面に分散結像するいわゆる結像エネルギーフィルタである。本発明による粒子線装置の場合、粒子線発生器、より厳密にいえば、粒子線発生器の粒子を放出する面は、エネルギーフィルタの第1の入力側平面に結像されるので、エネルギーフィルタの分散があるにもかかわらず、粒子線のエネルギー変動は第2の出力側平面及びその背後における粒子線発生器の像の移動を全く引き起こさない。
【0009】
分散エネルギーフィルタは、分散なしエネルギーフィルタより大きな分散を有するので、本発明による粒子線装置では、エネルギーフィルタリング後の粒子線のエネルギー鮮鋭度が等しいとして、従来の技術に従った構造の場合より高い平均粒子エネルギーを設定することができる。この平均粒子エネルギーは5から35KeVに設定でき、好ましくは8から20KeVに設定すべきであろうが、そのように高い平均粒子エネルギーによって、Boersch効果の悪影響は明らかに減少する。
【0010】
本発明による粒子線装置においては、適切なスリット状選択絞りによるエネルギー選択は、エネルギーフィルタの出力側領域で又は第2の出力側平面におけるエネルギーフィルタの背後で実行できる。
粒子線発生器の第1の入力側平面への結像は、エネルギーフィルタの背後のエネルギー選択によって後続する光路内の粒子線の開口の切り取りが起こらないように拡大して行われるのが好ましい。
【0011】
本発明の有利な一実施態様では、粒子はエネルギーフィルタに入射する前に既に相対的に高いエネルギーまで加速され、エネルギーフィルタと後続する結像段を同じエネルギーをもって通過し、対物レンズの中又は対物レンズと検査すべき標本との間になって初めてより低い所望の最終エネルギーまで制動される。本発明による粒子線装置のこの実施態様は、特に、粒子線を対物レンズにより検査すべき標本の上へ集束する低電圧ラスタ電子顕微鏡として構成できる。そこで、標本を走査するために、対物レンズの領域に、粒子線焦点を2つの互いに垂直な方向に偏向する偏向手段が設けられている。このような低電圧ラスタ電子顕微鏡における目標エネルギーは10eVから10KeVである。
【0012】
このような低電圧ラスタ電子顕微鏡の場合、対物レンズとフィルタとの間に、検査すべき標本から放出される二次電子を検出する検出器を設けることができる。標本から反射散乱する粒子を検出するために、別の検出器を設けることが可能であり、この場合、この反射散乱粒子の光路はエネルギーフィルタから側方へ外れているのが好ましい。直接に反射散乱する粒子をエネルギー損失を受けた粒子から分離するために、フィルタと反射散乱粒子を検出する検出器との間に、さらにスリット絞りを配置することができる。
【0013】
低電圧ラスタ電子顕微鏡としての実施態様に代わるものとして、本発明による粒子線装置を高電圧透過電子顕微鏡としても構成できることは言うまでもない。この場合、エネルギーフィルタから射出した直後に、粒子線は所望の高い目標エネルギーまで加速されるであろう。
エネルギーフィルタの分散は、フィルタ内部の平均粒子エネルギーで、5から20μm/eVの範囲、好ましくは10から15μm/eVの範囲とすべきであろう。フィルタの分散が5から10μm/eV以下であると、十分なエネルギー鮮鋭度が得られないか又は選択絞りのスリット幅をごく狭くすることが必要になる。一方、15から20μm/eVの上限値を越えてしまうと、選択絞りの背後の粒子線の開口は大きくなりすぎるので、その結果、後続する電子光学結像要素はより大きな開口誤差を発生させる。そのため、色誤差の減少により可能になる分解能の獲得は再び補償されるか、又はさらに過剰補償される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示した実施形態に基づいて本発明の個々の点をさらに詳細に説明する。
図1において、1は熱電界放出源の形態をとるビーム発生器、1aは電子を放出する陰極先端である。陰極先端1aに対して正電位にある抽出電極2により陰極先端1aから電子を抽出し、その後、電子を陽極3の電位まで加速する。陽極3は、装置全体を通って設置された、導電材料から成るビーム誘導管4と導電接続している。陽極電位、従って、ビーム誘導管4の電位は接地電位に対して約10kVになる。陽極3のすぐ後に磁気集光レンズ5が続き、その後に開口絞り6が続いている。エネルギーフィルタ7は、いわゆる入力側像平面9(第1の入力側平面)を無収差、色消し状態で出力側像平面10(第1の出力側平面)に結像すると同時に、入力側回折平面(第2の入力側平面)を分散、無収差の状態で出力側回折平面(第2の出力側平面)に結像する結像分散電子エネルギーフィルタである。入力側回折平面には開口絞り6が配置されている。すなわち、この平面は開口絞り6の平面と一致する。出力回折平面には、スリット絞りとして構成されたエネルギー選択絞り8が配置されている。分散フィルタ7自体は磁気フィルタそのものであり、図中、7a〜7cはフィルタの3つの磁石部分である。フィルタの詳細な構造は米国特許第4,740,704号に記載されているので、フィルタの構成の詳細についてはこれを参照のこと。
【0015】
フィルタ7は図1の図面の平面に対し垂直な平面に対して対称の構造であるが、分散を生じる。すなわち、フィルタを通過した電子はフィルタの背後で、光軸に対し電子のエネルギーによって決まる大きさで偏向し、その結果、中心にスリットを有する選択絞り8は、中心エネルギーからのエネルギー偏差が分散及びスリット幅により定まるエネルギー偏差より大きい電子を捕捉する。高電圧変動が電子を放出する陰極先端1aの後続する像の側方への移動を引き起こさないようにするために、陰極先端1aはフィルタ7の入力側像平面9に結像され、さらに、フィルタ7から色消し状態で出力側像平面10に結像される。
【0016】
エネルギー選択絞り8の後には第2の集光レンズ11が続き、選択絞り8はこの集光レンズ11を経て対物レンズ13の後方焦点面に結像される。同時に、集光レンズ11はフィルタ7の出力側像平面10の結像により陰極先端1aの別の中間像を形成する。この中間像は後続する対物レンズ13により再度縮小されて、検査すべき標本15の上へと結像される。対物レンズ13は磁気レンズと静電レンズとを組合わせたものである。標本15と対物レンズ13の磁極片は接地電位にあるので、電子は、ビーム誘導管4から射出した後、ビーム誘導管4の端部と対物レンズ13の外側磁極片とのほぼ間で10eVから5KeVの目標エネルギーまで制動される。標本15のより広い側部領域を走査するために、対物レンズ13の磁極片に磁気偏向光学系14がさらに配置されている。
【0017】
標本15から射出する二次電子を検出するために、対物レンズ13と第2の集光レンズ11との間に、中心に孔のある回転対称形電子検出器が配置されている。この検出器はシンチレーション検出器、半導体検出器又はマイクロチャネルプレート検出器として構成できる。
【0018】
電子光学光路の詳細を図2に示す。電子を放出する陰極先端1aは第1の集光レンズ5により分散フィルタ7の入力側像平面9に結像され、この像はフィルタ7により色消し、無収差の状態で出力側像平面10に結像される。開口絞り6は第1の集光レンズ5とフィルタ7の入力側像平面9との間の、選択絞り8が配置されている出力側共役平面に無収差で分散結像される平面に配置されている。そこで、陰極先端1aの入力側像平面9への結像は5倍から40倍の倍率を有し、そのため、フィルタ7の内側の、選択絞り8の平面における有効開口は対応して縮小されることになる。従って、フィルタ7の射出側におけるエネルギーのフィルタリングが電子光束の開口の重大な切断を引き起こすことはない。
【0019】
電子エネルギーが10KeVであるとき、エネルギーフィルタが10から15μm/eVの分散を有するならば、スリット幅が2μmである選択絞り8により、0.1から0.2eVのエネルギー幅が設定される。典型的な分散エネルギーフィルタの場合、入力側像平面9と入力側回折平面6との間隔は40から80mmであるので、スリット幅は狭いが、1.5×10-5の開口が問題なく伝達される。その後に、出力側像平面10に形成される陰極先端1aの像を約400から700分の一の縮小率で縮小して標本15の上に結像する、第2の集光レンズ11と対物レンズ13とから成る二段階結像光学系が続いているため、標本平面では、6×10-3から1×10-2の範囲の最適最終開口及び約1nmから3nmのゾンデサイズが得られる。
【0020】
標本15で散乱して戻って来る電子はビーム誘導管4の標本側端部と、標本15との間の遅延磁界からビーム誘導管4の中へと戻って加速され、ビーム誘導管の中で一次電子と全く等しいエネルギーを再び獲得し、その結果、フィルタ7に到達する。しかし、電子の移動方向が逆であるため、それらの反射散乱電子はフィルタの磁石部分7aにおいて逆方向へ偏向され、この光路に沿って一次電子検出器16に到達する。この一次電子検出器16も、通常、シンチレーション検出器、半導体検出器又はマイクロチャネルプレート検出器として構成できる。磁石部分7aと一次電子検出器16との間には、たとえば、標本15又は選択絞り8との交換作用を受けた異なるエネルギーを有する電子をフィルタリングする第2のスリット絞り17がさらに配置されている。
【0021】
図1及び図2に示す本発明の実施形態の場合、分散フィルタは米国特許第4740704号に従って構成されている。この場合のフィルタは、出願人が透過電子顕微鏡912Omegaで使用しているいわゆるオメガフィルタである。あるいは、米国特許第4760261号又は米国特許第5449914号に従ったいわゆるアルファフィルタとしてフィルタ7を構成することも可能である。
【0022】
図1の実施形態では、第1の集光レンズ5は磁気レンズとして構成されている。図3に示す実施形態においては、集光レンズ24は、ビーム発生器21の中へ陰極先端21aと一体化されている静電レンズである。この非対称形の双電位静電液浸レンズ24は抽出電極21と、陽極23との間に配置されている。このレンズの、ビーム発生器21に向いた側の開口直径は、陽極23に向いた側の開口直径より著しく大きい。このような静電液浸レンズ24も同様に、電子を放出する陰極先端21aを直接に拡大して、後続する分散フィルタの入力側像平面(図示せず)に結像する。
図4a及び図4bには、本発明と組合わせて使用するのが好ましい2つの別の対物レンズを示す。図4aの対物レンズ33と図1の対物レンズ13との相違点は、対物レンズ33の場合には外側磁極片33aが短く、内側磁極片33bと同じ高さで終わっているということである。これにより、一点鎖線で表されている光軸に対し垂直に整列された環状の磁極片ギャップ33bが形成される。このように磁極片ギャップを構成することによって、磁界は標本35に向かう方向に流出し、その結果、標本35の侵入状態はさらに強くなり、そのため、開口誤差は減少する。静電レンズが重なり合っているので、電極34は外側磁極片33aの延長として形成されている。
【0023】
図4bの対物レンズ36は、ビーム誘導管4が延長されていて、磁気レンズ36の外側磁極片36aの高さ又はその背後の位置ではじめて終わるという点で、先に説明した対物レンズと異なっている。そこで、ビーム誘導管4の標本側端部と、標本38と対物レンズとの間に配置される制動電極37との間の静電レンズは、磁気レンズ36の背後になってはじめて形成されている。この実施例の場合、標本38と制動電極37は、接地電位に対して負である共通の電位にある。この対物レンズを使用すると、目標エネルギーがきわめて低くても、陰極を接地電位に対して相対的に高い電位に保持でき、その結果、漂遊磁界は再び強い負になることがわかるので、この対物レンズは目標エネルギーがきわめて低い場合に特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低電圧ラスタ電子顕微鏡の形態をとる本発明による粒子線装置の電子光学構成要素の断面図。
【図2】 図1に示す低電圧ラスタ電子顕微鏡における原理上の光路を示す図。
【図3】 静電集光レンズを有する本発明を有する粒子線装置の光源側部分の概略原理図。
【図4】 図1に示す低電圧ラスタ電子顕微鏡に使用するための対物レンズの2つのさらに別の実施形態を示す図。
【符号の説明】
1…ビーム発生器、1a…陰極先端、4…ビーム誘導管、6…開口絞り、7…エネルギーフィルタ、8…エネルギー選択絞り、9…入力側像平面、10…出力側像平面、13…対物レンズ、15…標本、16…一次電子検出器、17…第2のスリット絞り、33,36…対物レンズ、35,38…標本。
Claims (9)
- 粒子線発生器(1,1a)と対物レンズ(13,33,36)との間に配置され、分散を有するエネルギーフィルタ(7)を有し、そのエネルギーフィルタ(7)は第1の入力側平面(9)を色消し状態で第1の出力側平面(10)に結像すると共に、第2の入力側平面(6)を第2の出力側平面(8)に分散結像し、且つ粒子線発生器(1,1a)はエネルギーフィルタ(7)の第1の入力側平面(9)に拡大結像されている粒子線装置。
- エネルギーフィルタの動作は第2の出力側平面で絞り(8)により行われる請求項1記載の粒子線装置。
- フィルタ(7)内部の粒子エネルギーは5から30KeVである請求項1または請求項2に記載の粒子線装置。
- 粒子は対物レンズ(13,33,36)において又は対物レンズ(36)と検査すべき標本(15,35,38)との間でより低いエネルギーまで制動される請求項1から3のいずれか1項に記載の粒子線装置。
- 粒子線発生器(1,1a)は対物レンズにより検査すべき標本(15,35,38)の上へ集束され、検査すべき標本(15,35,38)を走査する偏向手段(14)が設けられている請求項1から4のいずれか1項に記載の粒子線装置。
- 対物レンズ(13)とフィルタ(7)との間に、二次粒子を検出する検出器(12)が設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載の粒子線装置。
- 反射散乱粒子を検出する別の検出器(16)が設けられている請求項1から6のいずれか1項に記載の粒子線装置。
- フィルタ(7)と反射散乱粒子を検出する検出器(16)との間に、エネルギー選択のための絞り(17)が設けられている請求項7記載の粒子線装置。
- フィルタ(7)は粒子のエネルギーに対して5から20μm/eV、好ましくは10から15μm/eVの分散を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の粒子線装置。
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