JP4617068B2 - AlN/BN複合粉末の製造方法及びAlN/BN複合焼結材料の製造方法 - Google Patents
AlN/BN複合粉末の製造方法及びAlN/BN複合焼結材料の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウム/窒化ホウ素(AlN/BN)複合粉末の製造方法及び該方法で得られたAlN/BN複合粉末を原料とする大きな破壊強度と良好な快削性、高熱衝撃性、高い熱伝導度を有するAlN/BN複合焼結材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウム(AlN)セラミックスは、高熱伝導性、高ヤング率、高耐プラズマ性、電気絶縁性などの優れた特性を持っているが、低強度、難焼結性、といった欠点も持つ。
【0003】
近年では、高熱伝導性と電気絶縁性を利用して高放熱基板に、そして耐プラズマ性、シリコンと同等の熱膨張、高熱伝導性を利用して半導体製造装置材料へとその応用が拡大しつつあり、高熱伝導性のAlN焼結体の開発が行われている(例えば、特許文献1〜7)。
【0004】
しかしながら、さらに広範な応用を目指すためにも、以下のような問題点の解決が望まれる。AlNは、他の一般的なセラミックスと同様に高硬度で脆いため、機械加工性に乏しく、その応用は制限されたものとなっている。そこで、近年、このAlNに快削性を付与するために、劈開性を有する六方晶BN(h−BN)との複合焼結化が行われており、特許文献6、7には50重量%以下のBNを添加してもよいことが記載されている。
【0005】
しかし、これらのAlN/BN複合材料では、出発原料として良く結晶化したミクロンサイズのBN粒子がボールミル法などによって混合されていたため、均一に分散することが困難であり、凝集体が生じるため、快削性の発現と同時に強度が著しく低下していた。
【0006】
従来のAlN/BN複合焼結材料は、市販されている板状BN粒子をAlN粉末とボールミル混合し、工業化が困難なホットプレス法によって焼結されている。ホットプレス焼結において、異方性のある粒子は加圧方向に配向する。そのため、従来のAlN/BN複合焼結材料には熱伝導度及び強度などの機械的特性に異方性がある。
【0007】
金井らは、BN/AlNの比率が30重量%/70重量%及び20重量%/80重量%(これは、それぞれ、AlN/38体積%BN、AlN/26体積%に相当)の複合焼結材料を作製し、ホットプレスの加圧軸に平行方向の熱伝導度が75及び85W/mKである(ホットプレスの加圧軸に垂直方向では205及び203W/mKである。)ことを報告している(非特許文献1)。この様に、これらの報告例では高強度と高熱伝導度を達成できたとは言い難い。酸素含有量が1重量%以下のAlN粉末とBN粉末を用いて常圧で焼結したAlN/BN複合セラミックの報告もある(特許文献8)が、熱伝導度は80W/mK程度であり、熱伝導度が低すぎる。
【0008】
本発明者らは、先に、快削性を有する高強度AlN焼結体を作製するために、BNの出発原料としてホウ酸と尿素を用い、これとAlN粉末とを混合して水素雰囲気中、700〜1100℃で還元処理し、さらに窒素雰囲気中、1400〜1550℃で高温熱処理して複合粉末とし、これを焼結するプロセスを発明した(特許文献9、非特許文献2、3)。
【0009】
【特許文献0】
特開平4−132666号公報
【特許文献1】
特開昭60−186479(特公平5−67593号)公報
【特許文献2】
特開昭61−270263号(特公平3−13190号)公報
【特許文献3】
特開昭62−52181号公報
【特許文献4】
特開平1−172272号公報
【特許文献5】
特開平2−275770号公報
【特許文献6】
特開平4−2663号(特許第2567491号)公報
【特許文献7】
特開平4−92867号(特許第2943275号)公報
【特許文献8】
特開平11−157936号公報
【特許文献9】
特開平11−147768号公報
【非特許文献1】
"Hot−Pressed BN−AlN Ceramic Composites with High Thermal Conductivity−Part II,"Takao Kanai, Akiro Ando and Kei Tanemoto, Jpn, J.Appl.Phys. Vol. 31 (1992) pp.1426−27
【非特許文献2】
楠瀬 尚史 他「化学プロセスを用い作製したAlN/BNナノ複合材料の特性とその常圧焼結」,日本セラミックス協会,講演要旨集,2002年秋
【非特許文献3】
楠瀬 尚史 他「化学プロセスを用い作製したAlN/BNナノ複合粉末の常圧焼結」,粉体粉末冶金協会,講演要旨集,2002年秋
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
電気自動車やパワーモジュール系の高放熱基板には、ある程度の強度と耐熱衝撃性が要求される。AlN焼結材料は高放熱基板として重要な特性である熱伝導性、電気絶縁性に優れてはいるが、強度が低いため、これらの基板としての応用には問題が生じるときもある。電気自動車やパワーモジュール系の高放熱基板として応用するためには、従来の高熱伝導性、電気絶縁性を低下させることなく、強度及び耐熱衝撃性を改善することが必要である。
【0011】
AlN及びBNは、他の酸化物や金属材料と比べて、緻密な焼結体を得るために高い焼結温度を必要とする。特に、BNは強い共有結合で形成されているため高温域においても拡散が遅く、非常に難焼結性な材料である。市販されている小さなBN粉末は、一次粒径こそ0.1〜1ミクロンのものがあるが、通常、凝集して二次粒径では3〜5ミクロン以上である。しかも、凝集力が強いため分解することは不可能である。
【0012】
このような焼結性が悪く、しかも、比較的大きな、良く板状に結晶化したBN粒子は、AlNの焼結も阻害するため添加量が多くなると、従来のような常圧での焼結はかなり難しい。そのため、工業化には適さないホットプレスなどの加圧焼結法が用いられた。
【0013】
しかし、従来の市販のBN粉末をAlN粉末と混合し作製したAlN/BN複合焼結材料は、BNの板状結晶の配向性に由来して焼結体に異方性があった。そのため、熱伝導度にも異方性があり、一軸加圧方向の熱伝導度が極度に低下していた。
【0014】
このため、本発明者らは、特許文献9に開示した方法を開発したが、この手法にならって作製されたAlN/BN焼結体は、高強度と快削性の付与には成功したが、熱伝導度は40W/mKであり、AlN単相の200W/mKと比較して十分に高い値が得られなかった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、本発明者らが先に開発したAlN/BN複合粉末の製造工程を改良した製造方法によって得られたAlN/BN複合粉末を焼結原料として用いることによって、微細なBN粒子を焼結体のAlNマトリックス中に均一に分散させることができ、AlN本来の高熱伝導性を損なうことなく、高強度と快削性を兼ね備えたAlN/BN複合焼結材料を常圧焼結法によって作製することに成功した。
【0016】
すなわち、本発明は、(1)平均粒径が0.5〜2.0μmで、酸素含有量が3重量%以下のAlN粉末に、硼酸、無水硼酸、又は硼酸塩から選ばれるホウ素化合物とNH2基を有する化合物とからなるBN源とを混合して原料粉末とし、該ホウ素化合物中のホウ素を窒化することによってBNを3〜40体積%含むAlN/BN複合粉末を製造する方法において、該原料粉末に平均粒径10〜40nmの炭素粉末又は炭素誘導体を添加して、AlN粉末表面に該BN源と炭素粉末又は炭素誘導体の混合物からなる被覆層を形成し、次いで、該被覆層を水素又は窒素雰囲気中、350〜450℃に加熱することによって、又は水素又は窒素雰囲気中で500℃まで2〜4℃/分の温度で昇温することによって低温加熱処理して該原料粉末の熱分解反応によって非晶質のB−N−O結合物質からなるBN前駆体を形成し、次いで、該BN前駆体を水素又は窒素雰囲気中、700〜1100℃で還元処理して酸素を含有する乱層構造BNにし、かつAlN粉末表面の酸化によってAl2O3層を形成し、次いで、低温加熱処理及び還元処理中に生成したAlN粉末表面のAl2O3層を窒素雰囲気中で1550℃を超え1700℃以下の温度範囲で熱処理して炭素によってAl2O3層を脱酸素し再窒化してAlN層にすることを特徴とするAlN/BN複合粉末の製造方法、である。
【0017】
また、本発明は、(2)原料粉末に、0.2〜2重量%の炭素粉末又は分解してこれに相当する炭素を生じる炭素誘導体を混合することを特徴とする原料粉末に添加する炭素粉末又は炭素誘導体は、0.2〜2重量%の炭素粉末又は分解してこれに相当する炭素を生じる炭素誘導体であることを特徴とする上記(1)のAlN/BN複合粉末の製造方法、である。
また、本発明は、(3)AlN粉末に含まれている酸素量よりも、AlN/BN複合粉末において増加する酸素の量が1.2重量%以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のAlN/BN複合粉末の製造方法、である。
また、本発明は、(4)AlN/BN複合粉末のBNが乱層構造又は結晶化度の低い六方晶BNであることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかのAlN/BN複合粉末の製造方法、である。
【0018】
さらに、本発明は、(5)上記(1)ないし(4)のいずれかの方法で製造したAlN/BN複合粉末に、焼結助剤を添加し混合粉末を成型した後、窒素雰囲気中、1700℃以上の温度で焼結することを特徴とする、AlN/BN複合焼結材料の製造方法、である。
【0019】
上記の各方法によって、BNを3〜15体積%含むAlN/BN複合粉末の焼結材料であって、粒径10〜1000nmのBN粒子が配向することなく、又は低配向でAlN粒子の粒内及び粒界に均一に分散したことを特徴とする高強度、高熱衝撃性を有するAlN/BN複合焼結材料を得ることができる。
また、上記の各方法によって、BNを15〜40体積%含むAlN/BN複合粉末の焼結材料であって、粒径10〜2000nmのBN粒子が配向することなく、又は低配向でAlN粒子の粒内及び粒界に均一に分散したことを特徴とする高強度、低ヤング率、高熱衝撃性、優れた快削性を有するAlN/BN複合焼結材料を得ることができる。
また、上記の各方法によって、BNを3〜30容積%含むAlN/BN複合粉末の焼結材料であって、熱伝導度が230〜120W/mKであることを特徴とするAlN/BN複合焼結材料を得ることができる。
【0020】
本発明のAlN/BN複合粉末の製造方法は下記の処理工程を特徴とする。まず、硼酸、無水硼酸、又は硼酸塩から選ばれるホウ素化合物とNH2基を有する化合物とからなるBN源を予め低温加熱処理してBとNを反応させて一部B−N−O結合を有する非晶質物質からなるBN前駆体を形成し、次いで、酸素を除去する目的で温度を上げて還元反応を行う。この際にホウ素化合物に含まれていた酸素とAlNが反応しAlN粉末表面にAl2O3層が形成される。このAl2O3は熱伝導度を低下させる原因となるので、さらに窒素雰囲気で高温における熱処理を行い該Al2O3と炭素を反応させて脱酸素、そして再窒化してAlNとすることによってAlN/BN複合粉末中に取り込まれる酸素量を大幅に低減する。
【0021】
そして、Al2O3の脱酸素を効果的にするために、還元剤として炭素粉末又は炭素誘導体を出発原料中に湿式混合法等で混合し、乾燥する。次いで、低温加熱してホウ素化合物とNH2基を有する化合物を液化して炭素粉末又は炭素誘導体を含むスポンジ状の発泡体としてAlN粉末表面を覆うように被覆層を形成する。次いで、温度を上げて還元処理によって被覆層のホウ素化合物が還元される際にAlN粉末の表面が酸化されることによってAl2O3層が生成されるようにする。炭素はそのままAl2O3層に付着した状態で存在する。このプロセスの導入によってAlN/BN複合焼結材料の熱伝導度をAlN単相に近づけることができ、かつ快削性の付与に成功した。
【0022】
本発明の製造方法で作製されたAlN/BN複合粉末は、AlN粒子の表面に微細な低結晶性の乱層構造BN又は結晶性の低い六方晶BNの粒子が析出した酸素含有量の少ないナノ複合粉末であり、従来の良く結晶化したBNを混合したAlN粉末よりも焼結性に優れ、Y2O3等の焼結助剤の添加によって常圧焼結が可能になった。
【0023】
本発明のAlN/BN複合焼結材料の製造方法は、焼結する過程で炭素を入れて脱酸素を行うのではなく、AlN/BN複合粉末を作製するときに酸素を抜くことを特徴としている。1550〜1700℃で炭素と良く反応させて酸素を除去する処理を行わずに、複合粉末の合成工程を前段階の窒素雰囲気中1500℃、6時間で終えて、その粉末に炭素粉末を0.05wt%程度添加し成形体をつくり1700〜2100℃で焼結しても、高い熱伝導度は得られない。これは、Al2O3が炭素と反応する前に焼結体の緻密化が進行するためと思われる。
【0024】
従来の市販のBN粉末をAlN粉末に混合して作製した複合焼結材料は、BNの板状結晶の配向性に由来して焼結体に異方性があった。そのため、熱伝導度にも異方性があり、一軸加圧方向の熱伝導度が極度に低下していた。しかしながら、本発明の方法で作製した酸素含有量の少ないAlN/BN複合粉末を焼結したAlN/BN複合焼結体は、BNの配向が少なく、強度、熱伝導度などの物性の異方性が減少した。
【0025】
本発明のAlN/BN複合焼結材料では、強化分散剤として微細なBN粒子がAlNマトリックス中に分散している。BN粒子は弱い材料であり、AlNとの熱膨張差によって生じた残留応力をBN自身が劈開することによって開放する。つまり、AlNの格子振動に影響を与えないので、複合化による熱伝導度の低下を最小限に抑えることができた。また、分散された微細なBN粒子によって、AlNマトリックスの粒成長が抑制されているために、破壊源寸法が減少し高強度化も同時に達成できた。
【0026】
本発明の方法で作製された複合焼結材料は、BN添加量15容積%以上でタングステンカーバイド(WC)製ドリルによる穴開け加工が可能であった。BN添加量15〜30容積%の強度は650〜490MPaであり、市販品の物よりはるかに高い強度を持つことがわかる。また、熱伝導度も市販品の90W/mKに対し、本発明の方法で作製された複合焼結材料では230〜120W/mK(15〜30容積%BN)である。
【0027】
【作用】
これまで、ホウ酸と尿素を加熱反応させてBNを合成する方法においては、600℃以下の加熱温度では反応速度が著しく遅いため、600℃以上、好ましくは800℃以上に加熱することが行われている。本発明者らが先に開発した酸素含有量の少ないAlN/BN複合粉末の作製法(特開平11−147768)でも、ホウ酸と尿素の加熱反応を利用しているが、このケミカルプロセスによって作製したAlN/BN複合粉末を用いた焼結体の熱伝導度は十分に良好なものとはいえなかった。
【0028】
この原因としては、ホウ酸と尿素を水素雰囲気中、700〜1100℃で還元処理する場合、いきなり700℃まで温度を上げると、加えた全てのホウ酸が窒素と反応しないまま残ってしまい、B2O3などの不純物が多くなり、また、AlNはSi3N4などの窒化物と比べて酸化しやすい(水分が介在すると7℃以上で酸化が始まる)物質であり、発生する酸素によってAlNが酸化され、AlN粉末に含まれている酸素量よりも約3〜4重量%酸素含有量が増加し、そのままのAlN/BN複合粉末を焼結原料として用いた場合、1850℃の高温で常圧焼結すると、焼結が起こる高温ではAlNの体積拡散が激しくなるので、AlN粉末の表面にあったAl2O3の酸素がAlN粒子内に固溶するため、AlNの主な熱伝導機構であるフォノン散乱を阻害して熱伝導度が大幅に低下するためと考えられる。
【0029】
本発明の方法では、尿素等のNH2基を有する化合物は低温で分解し易い材料であることを利用し、予め約350〜450℃の範囲で加熱するか、約500℃までゆっくり昇温する低温加熱処理をすることによって、硼酸、無水硼酸、又は硼酸塩から選ばれるホウ素化合物とNH2基を有する化合物を液化させてBとNの反応によって、まず、非晶質のB−N結合物質をしっかり作るとともに、この物質に炭素粉末又は炭素誘導体を混合することを特徴とする。
【0030】
さらに温度を上げて還元処理をする際に、加熱雰囲気を水素ガス、窒素ガスなどの非酸化性雰囲気としてもホウ素化合物から酸素が発生する。そこで、この酸素をAlNと酸化反応させてAl2O3として一旦固定する。さらに、窒素雰囲気下1550〜1700℃で熱処理すると、Al2O3は炭素と反応し脱酸素され雰囲気中の窒素によって再窒化されてAlNを生成する。
【0031】
以上の処理によって、AlN粉末に含まれている酸素量よりも増加する酸素の量を約1.2重量%以下、より好ましくは0.8重量%以下とすることができる。AlN粉末表面にAl2O3層として残存するものは少なく、増加した酸素量の多くはBN中にとりこまれているものであると考えられる。このように酸素含有量の少ないAlN/BN複合粉末を焼結原料として用いた場合、1850℃の高温で常圧焼結すると、焼結が起こる高温ではAlNの体積拡散が激しくなるので、AlN粉末に固溶していた酸素が粒界に出て焼結助剤との複合酸化物を形成して再び粒内に固溶することを阻止されるので熱伝導度が上昇する。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明のAlN/BN複合粉末の製造方法を以下に詳しく説明する。図1は、本発明の各工程におけるAlN/BN複合粉末の形成状態と該AlN/BN複合粉末を用いた焼結体の組織を示す概念図である。まず、AlN粉末に硼酸、無水硼酸、又は硼酸塩から選ばれるホウ素化合物とNH2基を有する尿素、メラミン、グアニジンなどの化合物とからなるBN源を混合した原料粉末を調製する。BN粉末単体を還元によって合成するためにB源及びN源としてこれらの化合物を使用すること自体は公知である(例えば、特公平7−110763号公報参照)。
【0033】
使用するAlN粉末は熱伝導性のよいAlN粉末焼結体の製造用原料として通常使用されている平均粒径0.5〜2.0μm程度、より好ましくは0.6〜1.8μm程度のものが好ましい。AlN粉末の酸素含有量は低いほど望ましいが、本発明の場合、3重量%以下であればよく、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下とする。
【0034】
本発明では、AlN/BN複合粉末の製造工程において、ホウ素化合物をBNに還元窒化するときに発生する酸素によって酸化されたAlNから脱酸素するために還元剤として炭素粉末又は炭素誘導体を出発原料中に混合する。還元後の粉末はいくぶん凝集してしまうため、炭素をより均一に分散し酸素除去効率を促進するためには原料粉末段階で混合する必要がある。
【0035】
この炭素粉末としては、平均粒径10〜40nmのカーボンブラックなどが好ましい。炭素粉末に代えて700〜1100℃の加熱によって分解して炭素を生じる炭素誘導体(フェノール樹脂などの高分子やスクロースなどの糖)を原料粉末に混合してもよい。炭素粉末の混合量は、混合した原料粉末中の割合で約0.2wt%〜2wt%(炭素誘導体の場合は分解後に残る炭素の量)が好ましい。
【0036】
原料のホウ素化合物と原料の含窒素化合物の混合割合は、例えばBを一つ持つホウ酸とNを二つもつ尿素の場合は、B/N化学量論からはB:N(モル比)=1:1/2でよいが、窒化反応を促進するためにはN過剰が望ましい。いきなり高温で反応させるとNH2基を有する化合物が分解してN源がなくなるおそれがあり相当の過剰量が必要となるが、本発明では、低温で合成反応を行うのでB:N(モル比)=1:1〜1:4程度でよく、N比の多い方が、より酸素量の少ない細かいBN粒子の被覆が可能となるので、より好ましくは1:2〜1:4とする。
【0037】
低温加熱によるB−Nの合成反応時の加熱雰囲気はアンモニア、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの還元性ガス、又は不活性ないし非酸化性ガスのいずれでもよい。しかし、BNを3〜40体積%を含むAlN/BN複合粉末を作製する場合に、AlNの過剰の酸化を抑制するためにB−Nの低温合成反応の雰囲気を水素雰囲気とすることが好ましい。
【0038】
例えば、AlN粉末と、このAlN粉末に対して5〜117重量%のホウ酸粉末と10〜340重量%の尿素粉末(ホウ酸:尿素のモル比=1:3、3〜40体積%BNに相当)と、0.2〜2重量%の炭素粉末とを混合し、前記混合粉末を水素雰囲気中、350〜450℃で加熱して尿素のNとホウ酸のBの結合を作る。この際、450℃以上、特に500℃以上に温度を上げるとホウ酸と反応する前に尿素が分解してN源がなくなるおそれがある。350〜450℃で加熱する代わりに、500℃まで4℃/分以下、好ましくは3℃/分以下の温度でゆっくり昇温することによっても上記の結合を形成することができる。尿素比が少ない場合(ホウ酸;尿素=1:1〜3)4℃/分を超えて早い昇温ではB−N結合が不十分である。昇温速度が遅い分には0.1℃/分でも構わないが、効率的ではないので1℃/分程度以上が好ましい。
【0039】
BNを3〜10体積%を含むAlN/BN複合粉末のようにBNの含有量が少ない場合は、出発原料として加えるホウ酸が少なくなりAlNが酸化される量が減る。つまり、炭素添加量を少し多めにすることによって水素を使わずに窒素のみで合成ができるようになるので、工業的利用価値が高くなる。例えば、AlN粉末と、このAlN粉末に対して5〜20重量%のホウ酸粉末と10〜57重量%の尿素粉末(ホウ酸:尿素のモル比=1:3、3〜10体積%BNに相当)と、0.2〜2重量%の炭素粉末とを混合し、前記混合粉末を窒素雰囲気中、350〜450℃で低温加熱処理する。
【0040】
低温加熱処理後、さらに水素又は窒素雰囲気中、700〜1100℃で還元処理する。この還元処理は、本発明者らの先の発明(特許文献9)における還元処理工程に相当するが、予め低温加熱処理を行う点で相違し、この工程によって一部B−N−Oを含む非晶質体は酸素などB−N以外の元素を放出しながら、酸素を含む部分的に不完全なB−N六角網目構造を形成していく。この工程はB−N−Oから酸素をできるだけ除去するために700℃未満の加熱では不十分であり、できるだけ高温ほど望ましいが、あまり高温になるとAlN粉末の表面が酸化されやすくなるので1100℃以下とすることが好ましい。また、加熱時間は長いほど酸素の除去効果は高くなるが、エネルギー消費を考慮すると5〜20時間程度、例えば1100℃で約10時間程度が好ましい。この酸素を含んだ部分的に不完全なB−N六角網目構造はさらに高温になるに従って酸素を排出しながら乱層構造を経て六方晶化していく。温度が1600℃の時点では乱層構造から六方晶化が進行したBNになる。
【0041】
次に、還元処理した混合粉末を窒素雰囲気中1550〜1700℃で高温熱処理する。1500℃以上でAl2O3と炭素の反応が始まる。そのため1550℃以上の温度が必要となる。より好ましくは1600℃以上とする。あまり温度が高いとAlN粉末同士の焼結による凝集が始まる可能性があるから1700℃以下が好ましい。
【0042】
前記の還元処理の際に酸化ホウ素も生成するがその生成量は酸化アルミの生成量より少ない。B2O3は1550〜1700℃の加熱温度より低い1500℃で蒸発する。したがって、本発明では、上記の加熱温度で加熱するのは酸化ホウ素を蒸発させるためではなくAl2O3から脱酸素してAlNとするためである。
【0043】
上記の350〜450℃の低温加熱処理工程、700〜1100℃の還元加熱処理工程、1550〜1700℃の高温加熱処理工程は、窒素雰囲気で粉末を熱処理できる機能とホットプレス焼結する機能をもつ多目的高温炉等を用いて、連続的に昇温、降温しても、また、低温加熱処理工程、還元加熱処理工程のそれぞれの工程の後一旦冷却してもよい。本発明の方法においては、これらの処理工程の途中で粉末を洗浄して不純物を除去する必要はない。
【0044】
作製したAlN/BN複合粉末は、マトリックスとなるAlN粒子の表面に3〜40体積%の乱層構造BN(t−BN)又は結晶性の低い六方晶BN(h−BN)が被覆されている。このBNは市販されているミクロンサイズのよく六方晶化したBNに比べて結晶性も低く、酸素も若干含み、粒径も細かいというBN焼結に必要な特性を有しているので、BNが焼結体中に連続して存在するようになるBN含有量約30体積%以上では焼結性によって従来のAlN/30体積%BNミクロ複合材料に比べ密度が高まり、副次的な熱伝導度向上に寄与する。
【0045】
上記の方法で得られた複合粉末をY2O3、MgO又はCaOのどれか一種類以上を含む焼結助剤を用い常圧焼結、ガス圧焼結、又はポストヒップ処理で1700〜1900℃、1〜12時間の条件によって焼結する。作製した焼結体は、粒径5〜2000nmのBN粒子が低い配向状態で均一に分散したAlN−BN複合焼結材料である。焼結体中のBNは完全に六方晶化している。BNの配向性は従来のAlN/BN複合焼結材料に比べ極度に低いが、BN高含有領域では若干の配向性が観察される。
【0046】
例えば、上記の方法で製造した3〜15体積%BNを含むAlN/BN複合粉末に、この複合粉末に対して焼結助剤を3〜9重量%添加し、前記焼結助剤を添加した混合粉末を成型した後、窒素雰囲気中、1700℃以上の温度で焼結する。これによって、粒径10〜1000nmのBN粒子が配向することなく、又は低配向でAlN粒子の粒内及び粒界に均一に分散したAlN/BN複合焼結材料が得られる。
【0047】
また、例えば、上記の方法で製造した15〜40体積%BNを含むAlN/BN複合粉末に、この複合粉末に対して焼結助剤を3〜9重量%添加し、前記焼結助剤を添加した混合粉末を成型した後、窒素雰囲気中、1700℃以上の温度で焼結する。これによって、粒径10〜2000nmのBN粒子が配向することなく、又は低配向でAlN粒子の粒内及び粒界に均一に分散したAlN/BN複合焼結材料が得られる。
【0048】
このAlN/BN複合焼結材料は、良好な快削性と400MPa以上の破壊強度を有する。また、熱伝導度はBNが3体積%のAlN/BN複合粉末を1850℃、24時間焼結した場合に、230W/mK程度、BNが30体積%のAlN/BN複合粉末を1850℃、1時間焼結した場合に120W/mK程度となる。
【0049】
【実施例】
実施例1〜5
実施例1〜5として、それぞれ表1に示すとおり、窒化アルミニウム粉末(比表面積3.37m2/g;(株)トクヤマ、Fグレード;酸素含有量0.78wt%)、ホウ酸(H3BO3)粉末(和光純薬工業社製、試薬特級)、尿素粉末(和光純薬工業社製、試薬特級)、炭素粉末(三菱化学社製、カーボンブラック#30)を均一に混合して原料粉末とした。尿素粉末の量はホウ酸の3倍のモル量に相当する。これらの原料粉末を各別にエタノールを分散媒としてボールミルを用いて湿式混合した後、水を加え、さらに乾燥した。
【0050】
これらの乾燥粉末を多目的高温炉(富士電波工業社製、ハイマルチ10000)を用い水素雰囲気中、400℃で4時間低温加熱処理し、さらに1100℃で10時間還元処理した。次に、1650℃で7時間高温熱処理した。得られた5種類の複合粉末材料中のBNの含有量(体積%)及び酸素含有量を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
なお、比較例6として、原料の窒化アルミニウム粉末の酸素含有量を実施例と同条件で測定した結果を示す。また、比較例7は、実施例5と同じ原料を用いて、350〜450℃の低温加熱処理と1550〜1700℃の還元処理をせずに、1100℃、10hの水素雰囲気加熱処理、1500℃、7hの窒素雰囲気加熱処理をしたもの、比較例8は、1550〜1700℃の還元処理をせずに、400℃、4hの低温加熱処理、1100℃、10hの水素雰囲気加熱処理、1500℃、7hの窒素雰囲気加熱処理をしたものである。
【0053】
得られた実施例の5種類のAlN/BN複合粉末に対して焼結助剤としてY2O3(信越化学社製、UUHP)を表2に示す割合で加え、再びエタノールを分散媒としてボールミルを用いて湿式混合した後、乾燥させた。また、比較例1〜5として、上記の市販の窒化アルミニウム粉末と市販の平均粒径9μmのBN粒子とをボールミル混合した原料粉末を準備した。AlNに対するBNの混合割合は、重量%で3.7%(比較例1),7.81%(比較例2),12.4%(比較例3),17.56%(比較例4),30.11%(比較例5)とした。比較例6として、上記の市販の窒化アルミニウム粉末のみを用意した。
【0054】
これらの焼結用原料粉末を直径φ15mm高さ4mmの円柱、又は5mm×6mm×52mmの角柱状に加重100kg/cm2で一軸加圧成形し、多目的雰囲気炉(富士電波工業社製、ハイマルチ10000)を用いて窒素雰囲気中で1850℃、1時間又は12時間常圧焼結してAlNとBNとの複合焼結材料を作製した。表2に、実施例1〜5と比較例1〜5のAlN/BN複合焼結材料中のBN含有量(体積%)を示す。比較例6は、AlN単相の焼結材料である。
【0055】
【表2】
【0056】
図2に、実施例1〜5及び比較例1〜5において、1850℃で12時間(A)又は1時間(B)焼結して得られたAlN/BN複合焼結材料のBN含有量と熱伝導率の関係(●=実施例、○=比較例)を示す。図2(A)から、AlN/BN複合焼結材料中のBN含有量が増大するにつれて比較例では熱伝導率が大きく低下するが、実施例では低下の度合いが小さいことがわかる。AlN/30体積%BN複合焼結材料の一軸加圧成形方向の熱伝導率は140W/mKの高い値を示した。図2(A)と(B)を比較すると、実施例の熱伝導率は焼結時間を長くすることによって高まることがわかる。
【0057】
図3に、実施例1〜5及び比較例1〜5において、1850℃で1時間焼結して得られたAlN/BN複合焼結材料のBN含有量とヤング率(A)及び破壊強度(B)の関係(●=実施例、○=比較例)を示す。実施例と比較例を対比するとヤング率は比較例も実施例もほぼ同様に低下するが、破壊強度は実施例の方で大幅に改善された。
【0058】
図4に、実施例5において、1850℃で12時間焼結して得られた直径φ12mm高さ2mmの円柱状のAlN/BN複合焼結材料に直径1mmの孔9本をドリル加工した例の表面外観形状を光学写真で示す。精密な孔明け加工を容易に行うことができ切削性が良好であった。
【0059】
図5に、実施例5及び比較例5において、1850℃で12時間焼結して得られたAlN/BN複合焼結材料のドリル加工面のSEM観察像(A;実施例5、B;比較例5)を示す。実施例5の加工面は比較例5のミクロ複合材料に比べ、加工面の粗さが小さく、理想的に加工されていることがわかった。
【0060】
図6に、実施例2,4,5及び比較例2,4,5において、1850℃で1時間焼結して得られたAlN/BN複合焼結材料の相対密度とBN含有量の関係(●=実施例、○=比較例)を示す。BN添加量30体積%でも96%以上の高密度な焼結体を得ることに成功した。比較例では、BN添加量20体積%以上で常圧焼結による緻密化が困難であった。
【0061】
図7に、実施例5において、1850℃で常圧焼結したAlN/BN複合焼結材料とAlN単相焼結材料(焼結助剤;5wt%Y2O3)の焼結保持時間と相対密度の関係(●=実施例、黒四角=比較例)を示す。Post−HIP、1850℃、1hは、1850℃ 、1h常圧焼結後Post−HIPを1850℃、1h行った結果を示す。実施例の相対密度は、保持時間によって大きな違いはないが、常圧焼結後に熱間静圧加圧(HIP)を行うことによって十分に緻密化し、AlN単相と同程度のほぼ100%の相対密度が得られた。
【0062】
表3に、実施例5において、1850℃で12時間焼結して得られたAlN/BN複合焼結材料(表中のAlN/BN30vol%BN)の熱伝導率と破壊強度の異方性を文献(非特許文献1)値(表中のホットプレスAlN/38%vol%BN)と比較して示す。実施例5は、AlN粒子の表面にBNがコーティングされた複合粉末を常圧焼結して作製されているため、異方性が少ない。一方、文献(非特許文献1)ではミクロンサイズの異方性の大きい板状粒子が出発原料に用いられているため、ホットプレス焼結中に配向してしまい、焼結体の異方性が大きくなっている。そのため、ミクロ複合材料のホットプレス焼結体は熱伝導率と機械的特性に大きな異方性を持ち、このような異方性のある特性は実用化には不向きである。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の製造方法によって得られるAlN/BN複合粉末は、微細なBN粒子を高密度の焼結体のAlNマトリックス中に均一に分散させることができ、かつAlN粉末粒界に存在する酸化物や固溶した酸素量を低減できたので、AlN本来の高熱伝導性を損なうことなく、高強度と快削性を兼ね備えたAlN/BN複合焼結材料を常圧焼結法によって作製することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の各工程におけるAlN/BN複合粉末の形成状態と該AlN/BN複合粉末を用いた焼結体の組織を示す概念図である。
【図2】図2は、実施例1〜5及び比較例1〜5のAlN/BN複合焼結材料のBN含有量と熱伝導率の関係(●=実施例、○=比較例)を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例1〜5及び比較例1〜5のAlN/BN複合焼結材料のBN含有量とヤング率(A)と破壊強度(B)の関係(●=実施例、○=比較例)を示すグラフである。
【図4】図4は、実施例5のAlN/BN複合焼結材料のドリル加工例の表面外観を示す図面代用光学写真である。
【図5】図5は、実施例5及び比較例5のAlN/BN複合焼結材料のドリル加工面のSEM観察像(A;実施例5、B;比較例5)を示す図面代用写真である。
【図6】図6は、実施例2,4,5及び比較例2,4,5のAlN/BN複合焼結材料の相対密度とBN含有量の関係(●=実施例、○=比較例)を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例5のAlN/BN複合焼結材料とAlN単相焼結材(焼結助剤;5wt%Y2O3)料の焼結保持時間と相対密度の関係(●=実施例、黒四角=比較例)を示すグラフである。
Claims (5)
- 平均粒径が0.5〜2.0μmで、酸素含有量が3重量%以下のAlN粉末に、硼酸、無水硼酸、又は硼酸塩から選ばれるホウ素化合物とNH2基を有する化合物とからなるBN源とを混合して原料粉末とし、該ホウ素化合物中のホウ素を窒化することによってBNを3〜40体積%含むAlN/BN複合粉末を製造する方法において、
該原料粉末に平均粒径10〜40nmの炭素粉末又は炭素誘導体を添加して、AlN粉末表面に該BN源と炭素粉末又は炭素誘導体の混合物からなる被覆層を形成し、
次いで、該被覆層を水素又は窒素雰囲気中、350〜450℃に加熱することによって、又は水素又は窒素雰囲気中で500℃まで2〜4℃/分の温度で昇温することによって低温加熱処理して該原料粉末の熱分解反応によって非晶質のB−N−O結合物質からなるBN前駆体を形成し、
次いで、該BN前駆体を水素又は窒素雰囲気中、700〜1100℃で還元処理して酸素を含有する乱層構造BNにし、かつAlN粉末表面の酸化によってAl2O3層を形成し、次いで、低温加熱処理及び還元処理中に生成したAlN粉末表面のAl2O3層を窒素雰囲気中で1550℃を超え1700℃以下の温度範囲で熱処理して炭素によってAl2O3層を脱酸素し再窒化してAlN層にすることを特徴とするAlN/BN複合粉末の製造方法。 - 原料粉末に添加する炭素粉末又は炭素誘導体は、0.2〜2重量%の炭素粉末又は分解してこれに相当する炭素を生じる炭素誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のAlN/BN複合粉末の製造方法。
- AlN粉末に含まれている酸素量よりも、AlN/BN複合粉末において増加する酸素の量が1.2重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のAlN/BN複合粉末の製造方法。
- AlN/BN複合粉末のBNが乱層構造又は結晶化度の低い六方晶BNであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のAlN/BN複合粉末の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれかの方法で製造したAlN/BN複合粉末に、焼結助剤を添加し混合粉末を成型した後、窒素雰囲気中、1700℃以上の温度で焼結することを特徴とする、AlN/BN複合焼結材料の製造方法。
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