JP2628510B2 - BN−AlN系複合焼結体の製造方法 - Google Patents

BN−AlN系複合焼結体の製造方法

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JP2628510B2 JP63085273A JP8527388A JP2628510B2 JP 2628510 B2 JP2628510 B2 JP 2628510B2 JP 63085273 A JP63085273 A JP 63085273A JP 8527388 A JP8527388 A JP 8527388A JP 2628510 B2 JP2628510 B2 JP 2628510B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は六方晶BN(以下すべて六方晶をさす)及びAl
Nを主成分とした複合焼結体を無加圧で焼結する方法に
関する。詳しくは、電気的には絶縁体であり、比較的高
熱伝導率、低熱膨張で耐熱衝撃性に優れ、低誘電率でか
つ機械加工が容易なBN−AlN系複合焼結体を常圧で製造
する方法に関する。
さらに詳しく述べるとICパッケージ材料、IC基板用材
料、室温から高温まで使用可能な電気絶縁性放熱材料、
耐熱衝撃性材料、あるいは溶融金属、溶融塩、スラグ等
に対する耐食材料などとして利用可能なBN−AlN系複合
焼結体の製造方法に関する。
従来の技術 BN焼結体は優れた耐食性、耐熱衝撃性、電気絶縁性を
有しているためさまざまな分野で広く用いられている。
しかしながら構造材料としてはやや強度が低いこと、熱
伝導率をさらに向上したいなどの理由により、他材料と
の複合化がさかんに検討されている(例えば特開昭57−
200270など)。
特にAlNとの複合化においては、マシナブルで熱伝導
率が高く、かつ構造材料として使用可能な強度を有する
焼結体が得られるため、活発に研究がなされている。例
えば特開昭58−32073には、AlNに対してBNを0.1〜30重
量%添加してなる焼結体についての記述がなされてい
る。
焼結体の製造方法としては、BNが難焼結性物質である
ため、通常はBNとAlNの混合粉末に必要に応じて焼結助
剤を添加し、1500〜2100℃程度の温度で2〜50MPa程度
の圧力をかけてホットプレスする方法がとられる(例え
ば、特開昭60−195060、特開昭62−56377、特開昭49−5
9809など)。この方法によれば、曲げ強さが100〜400MP
a、熱伝導率が90〜95W/m・K程度で機械的な加工性が良
好な焼結体を得ることができる。
また本発明者らによるBN−AlN系焼結体のうちのBNがA
lNより高い組成の焼結体(特願昭62−236207)の製造方
法は、焼結助剤としてカルシウム化合物、イットリウム
化合物を添加し、1500〜2000℃、5〜100MPaの条件下で
ホットプレスするか、あるいは他の加圧加熱による方法
である。この方法では、曲げ強さが最高で140MPa程度、
熱伝導率が90W/m・k程度の焼結体が得られる。
しかしながら、ホットプレス焼結では設備コストが高
くつく、工程が複雑であるなどの欠点に加えて単純形状
のインゴットから加工しなければならないため、焼結体
はマシナブルではあるものの加工コストがかかり、また
複雑形状に加工するのが困難である場合があり、用途が
限定される可能性がある。
この問題点を解消するため、加圧加熱によらない常圧
焼結法によるAlN−BN系焼結体の製造方法に関する技術
も開示されている。例えば特開昭62−153171の実施例に
はAlNと金属Bを出発原料とし、1800℃で焼成を行う窒
化反応焼結法、およびAlNとBNなどを出発原料とした常
圧下におけるAlN−NB系焼結体の製造方法に関する記述
がある。この方法によると、曲げ強さが400MPa以上、熱
伝導率が80W/m・k以上で快削性の焼結体が得られる。
しかしながら上記の方法においては、反応に高温を要す
るばかりでなく、BNより緻密化しやすいAlNが主成分で
その含有量は80wt%程度であり、BN焼結体が有する耐熱
衝撃性などの優れた特徴を十分に発揮することは不可能
である。
一方、特開昭62−123070には金属BとXO、B2O3(X:ア
ルカリ土類金属)を出発原料とした1500℃程度での窒化
反応焼結法によるBNを主成分とした焼結体の製造方法が
開示されている。しかしながら、上記の方法においては
金属Bを100%窒化させることは困難であり、このため
焼結体の熱膨張係数が増大したり、電気抵抗率が減少し
たりする可能性がある。また上記明細書中には、焼結体
の曲げ強さが78MPaであること以外に、特性値に関する
記述は見あたらない。
発明が解決しようとする課題 本発明はこれらの問題点を鑑み、難焼結性物質である
BNとAlNと同等かそれ以上に含有する複合焼結体を無加
圧かつ比較的低温で製造する方法を提供することを目的
とする。換言すれば、電気的に絶縁体であり、比較的高
熱伝導率、低熱膨張で耐熱衝撃性に優れ、低誘電率で機
械加工性が容易なBN−AlN系複合焼結体を無加圧かつ比
較的低温で焼結する方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 これらの諸目的は、窒化物換算で35〜95wt%の金属B
および/またはBNに対して窒化物換算で5〜65wt%の金
属Alおよび/またはAlN(ただしBNとAlNの組合せは除
く)、および焼結助剤0.01〜30wt%よりなる粉末混合物
を成形し、窒素を含有する非酸化性雰囲気下、1500℃以
上の温度で窒化反応焼結を行うことにより達成される。
本発明はまた焼結助剤として、フッ化アルミニウム、
フッ化カルシウム、フッ化イットリウム、ホウ酸カルシ
ウムのうちの少くとも1種、および必要に応じてさらに
酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化
カルシウム、カルシウムシアナミド、炭酸カルシウム、
硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、シアン化カルシウ
ム、酸化イットリウム、炭化イットリウム、硝酸イット
リウムよりなる群の少くとも1種を併用する方法であ
る。
また焼結時、1500℃まで窒素を含有する還元性雰囲気
とし、以後窒素を含有する不活性ガス雰囲気とする複合
焼結体の製造方法である。
本発明はさらに、用いるBN粉末の粒径が10μm以下、
金属Bの粉砕後の粒径が20μm以下であり、AlN粉末の
平均粒径が2μm以下、かつ金属Alの粒径が0.1〜20μ
mの範囲内である複合焼結体の製造方法である。
作用 以下に本発明について詳述する。
BNを生成するB源としては、金属B、BN粉末を用い
る。これらは混合物として用いても良く、またどちらか
一方を単独で用いてもさしつかえない。BNは難焼結性物
質であることから、金属Bの含有率を高めた場合に嵩密
度が大きく、曲げ強さの強い焼結体が得られるが、金属
Bは価格が高いため、焼結体も高コストとなる。したが
ってB源として用いる原料粉末の種類、あるいはその混
合割合は、所望の物性値とコストとを考慮の上決定すべ
きである。
金属Bには、非晶質と結晶質の2種類があるが、本焼
結体の製造用原料としては、このうちのいずれであって
も特に支障はない。また金属Bには塊状、および粉末状
が存在するが、本方法においてはこのいずれであっても
特に支障はない。しかしながら塊状のBを使用する際
は、粉砕して用いるのが好ましい。粉砕はあらかじめ粉
砕しておく方法と、他原料と混合する時に同時に粉砕す
る方法とが考えられるが、このいずれも好適に使用され
得る。あらかじめ粉砕しておく方法としては、ボールミ
ル、ジェットミル、振動ミル等公知の方法が使用でき
る。
用いるB粉末の粒径は20μm以下が好ましく、より好
ましくは10μm以下である。またBN粉末の最大粒径は10
μm以下が好ましい。これらの値を越えた大きな粒子を
用いた場合、焼結に高温長時間を要するばかりでなく、
得られる焼結体が不均質となる。また粒径の下限は特に
制限はないが、サブミクロン程度の微細粉末を用いる場
合、表面酸素量の増加が考えられるため、必要に応じて
メタノール処理などの前処理を施すことが好ましい。
AlNを生成するAl源としては金属Al、AlN粉末を用い
る。この場合も混合物として用いてもよく、またどちら
かを単独で用いることも可能である。金属Alを用いた場
合、低い温度で比較的緻密な焼結体が得られ、またコス
ト的にも有利であるが、高熱伝導率の焼結体を得ようと
する場合には、酸素含有量の少いAlN粉末を用いるのが
より好適である。
粉末の粒径は、金属Alについては0.1〜20μmが好ま
しく、より好ましくは0.5〜10μmである。0.1μm未満
では、全重量に対する表面酸化層の割合が大きくなるた
め金属Alを用いるメリットがなく、また反応後は金属Al
粒子のほとんどすべてがAlN粒子となるため、20μm超
では焼結体が不均質となる。またAlN粉末は、平均粒子
径が2μm以下で、酸素含有量3.0wt%以下が好まし
く、特に好ましくは、酸素含有量が1.5wt%以下の粉末
である。
これらの粉末の混合割合は、BN源の原料をBNに換算し
て35〜95wt%、AlN源の原料をAlNに換算して65〜5wt%
である。
ただし、本発明の製造方法においては、BNとAlNの組
合せは除外する。これは金属粉末が窒化する際に、他の
窒化物粒子との結合を起こし、緻密化および粒子間の結
合を促進するという窒化反応焼結の効果が期待できない
からである。
又BNが35wt%付近の組成においては、熱伝導、が高
く、比較的強度が強く、かつ熱膨張係数、誘電率が比較
的大きな焼結体を得ることができ、逆にBNが95wt%付近
の組成においては、熱伝導率、強度はそれほど大きくな
いものの、比較的低熱膨張で低誘電率の焼結体を得るこ
とができる。混合割合がこれらの範囲を越えて、BNが35
wt%より少い焼結体では熱膨張係数、誘電率が大きくな
る。またBNが95wt%より多い焼結体では、熱伝導率が低
く、強度が不十分な材料となる。
焼結助剤としては、フッ化アルミニウム、フッ化カル
シウム、フッ化イットリウム、ホウ酸カルシウムおよび
酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化
カルシウム、カルシウムシアナミド、炭酸カルシウム、
硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、シアン化カルシウ
ム、酸化イットリウム、炭化イットリウム、硝酸イット
リウムなどが好適に用いられる。焼結助剤の機能として
は、ひとつは金属Alあるいは金属Bの窒化反応焼結を促
進することがあげられる。フッ化アルミニウム、フッ化
カルシウム、フッ化イットリウムなどのフッ化物は、金
属Alの窒化によるAlNの生成を促進することが知られお
り(科学技術庁無機材質研究所研究報告書、第4号、p.
5)、ホウ酸カルシウムは金属Bの窒化によるBNの生成
および焼結を促進することが知られている(中村専一、
工業化学雑誌、72,[7],1469(1969))。しかしな
がら前述のフッ化物は金属Bの窒化によるBNの生成およ
び焼結をも促進するため、金属Bの窒化反応焼結の助剤
としてホウ酸カルシウムを必ずしも用いる必要はなく、
フッ化物で代替することも可能である。
またホウ酸カルシウムはホウ酸と酸化カルシウムの構
成比によって数種類の化合物が存在するが、本発明で使
用されるホウ酸カルシウムはこれらのうちのいずれであ
っても特に支障はないものの、好ましくは前記の中村の
報告にあるホウ酸カルシウムであり、化学式は2CaO・3B
2O3である。
焼結助剤のもうひとつの機能としては、焼結体の緻密
化、植物値(主として熱伝導率)の向上があげられる。
酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化
カルシウム、カルシウムシアナミド、炭酸カルシウム、
硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、シアン化カルシウ
ム、酸化イットリウム、炭化イットリウム、硝酸イット
リウムがこれに該当する。これらは、組成、温度などの
条件を適当に選択することにより、液相が生成するなど
の理由によって緻密化を促進し、物性植、特に熱伝導率
を向上させる。
一例として、酸化カルシウムを添加した場合について
記述すると、AlあるいはAlN表面に存在する酸化アルミ
ニウムと酸化カルシウムとが反応してアルミン酸カルシ
ウムを生成する。このアルミン酸カルシウムが1400℃前
後で融解し、液相焼結によって緻密化が促進される。ま
た反応によって表面の酸化物層を除去することにより、
焼結体の熱伝導率が向上する。
焼結助剤の機能としては上述の2通りがあり、各焼結
助剤はその発現効果の大小により、どちらかに分類され
得る。しかしながら助剤には両者の機能を併有している
場合も多く、ひとつの助剤で両者の効果を発現させるこ
とも可能であるため、助剤はフッ化物、ホウ酸カルシウ
ムを単独で用いることも可能であり、また2種以上の複
数種を併有することも可能である。さらに必要に応じて
酸化アルミニウム以下の前記の化合物を1種以上併用す
ることも可能である。
助剤の添加量は0.01〜30wt%が好ましく、より好まし
くは0.01〜20wt%、さらに好ましくは0.05〜10wt%であ
る。焼結助剤の一部は焼結時に揮散し、また残りの大部
分は焼結体中に酸化物、あるいは複合酸化物などとして
残存するため、0.01wt%未満の添加では前述の焼結助剤
としての機能が十分に発現せず、30wt%超では焼結体中
に残存する助剤量が過多となり、複合焼結体の特性が失
われることとなる。助剤の適正添加量は助剤の種類にも
よるが、前述の如く、おおむね10wt%以下である。しか
しながら10wt%以上の助剤の添加においても30wt%を越
えない範囲においては焼結体には何ら不都合となる原因
はなく、本発明においては好適に使用され得る。
これらの原料の混合方法としては、特に限定を受ける
ものではなく、公知の方法による乾式混合、湿式混合が
使用可能であるが、好ましくは湿式混合である。用いる
分散媒体は特に限定されず、アルコール類、炭化水素
類、ケトン類が好適に用いられる。水は窒化物粉末と反
応してアンモニアガスを発生させる可能性があるため、
特に必要がある場合を除き用いない方が良い。
成形方法も特に限定を受けるものではなく、プレス成
形、鋳込成形、射出成形、ドクターブレード等によるシ
ート成形などの公知の方法を利用することが可能であ
る。しかしながらプレス成形、シート成形などを用いた
場合には、成形条件によりBNの鱗状粒子が配向して積層
する場合がある。配向による積層が生じた場合、配向面
と垂直方向の熱伝導率は小さくなり、また熱膨張係数は
大きくなる。一方積層面と平行方向では熱伝導率が大き
く、熱膨張係数は小さくなり、結果として焼結体に異方
性が生じることになる。これらの異方性を発現させるか
否かについては、目的、用途に応じて使い分けることが
好ましい。
焼結は窒素ガスを含んだ非酸化性雰囲気下で行うこと
が好ましい。これは原料中に含まれる窒化物、あるいは
金属成分の酸化を防止するためである。特に金属Bや金
属Alを原料中に含む場合においては、窒素ガスを含有す
る還元性雰囲気下で焼結し、金属成分の窒化を促進させ
るのが好ましい。窒素ガスを含んだ還元性雰囲気として
は、アンモニアガス単体、アンモニア−窒素混合気体、
窒素−水素混合気体などがあげられる。
窒素の含有量としては約10vol%以上であれば、窒化
反応は進行する。金属成分の窒化反応は原料の種類、焼
結助剤などによっても異なるが、通常1000〜1500℃程度
で完了する。したがって焼結時1500℃まで窒素を含有す
る還元性雰囲気とし、以後窒素を含有する不活性ガス雰
囲気とすることが好ましい。この操作によってCaB6、Al
B12などの不純物化合物などの生成を抑制することが可
能となる。1500℃において焼成する場合は、少くとも15
00℃における保持の間、および降温時は不活性ガス雰囲
気とするのが好ましい。特にカルシウム系の化合物は、
還元性雰囲気下においてはその揮散がはやいため、カル
シウム系化合物を助剤として用いる場合には、助剤とし
ての効果を発現する前に揮散する可能性があるため、特
に厳密な注意を必要とする。
焼結の最高保持温度は1500℃以上を必要とする。1500
℃未満では焼結体は得られるものの緻密化が充分進んで
おらず、物性値も所望のものが得られない。また2000℃
を越える温度は、焼結体製造において何ら不都合となる
要因はないが、温度を上げただけの緻密化効果、物性値
の向上は認められないため経済的でない。焼結時におけ
る昇温速度は金属成分の窒化反応焼結時はゆるやかな昇
温速度とし、必要に応じて温度保持等を施すのが好まし
い。また最高温度における保持期間は、さほど顕著な影
響は及ぼさないものの低温の場合には長時間、温度が高
くなる程短時間での焼結が可能となり、通常は1〜10時
間程度の範囲で決められる。
また、本発明の方法によれば、焼結は生成した窒化物
が成形時の空隙に充填される形で進行するため、焼結前
後の形状変化がほとんどなく、寸法精度の高い焼結体の
作製が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 結晶質の塊状B(Hermann C.Starck社製、純度99.5
%、粒径3〜8mm)、BN粉末(電気化学工業社製、GPグ
レード、粒径1〜5μm)、金属Al粉末(東洋アルミニ
ウム工業製、純度99.3%以上、平均粒径7〜8μm)、
AlN粉末(徳山曹達製、Fグレード、純度98.9%以上、
粒径1.8μm以下)および焼結助剤としてCaF2(日本石
灰工業所製)、および前述の中村の論文(工業化学雑
誌、72,[7]1469(1969))に従って作製した2CaO・
3B2O3(非晶質)を第1表に示した割合に秤量し、アル
ミナ製ボールミルを用いてアセトン中24時間湿式粉砕、
混合を行った。
得られた混合粉末の粒径を調べたところ、最大で7μ
mであった。この混合粉末を500kg/cm2の圧力で予備成
形し、さらに7000kg/cm2の圧力で静水圧成形し、50×50
×5mmの板状試験片を得た。この試験片を1300℃まではN
2:H2=3:1vol比の混合気流、1300℃到達後は、N2ガス気
流中で1800℃まで昇温し、6時間保持後冷却した。
焼結体の嵩密度、熱伝導率は第1表に示した通りであ
るが、焼結体にはBN粒子の配向に起因する異方性が存在
したが、熱伝導率は積層体を横切る方向で測定した。な
おX線回折の結果、金属残留物は認められなかった。
実施例2 非晶質B粉末(Hermann C.Starck社製、純度95%以
上、平均粒径1.0μm以下)、BN粉末(実施例1と同
一)、金属Al粉末(実施例1と同一)、AlN粉末(実施
例1と同一)、および焼結助剤としてCaF2(実施例1と
同一)、2CaO・3B2O3、CaO、CaC2、Y2O3を第1表に示す
割合に配向し、ポリアミド製ボールミルを用いてアセト
ン中24時間、湿式混合を行った。助剤として用いた試薬
はいずれも特級グレードである。
混合粉末を100kg/cm2の圧力で予備成形し、7000kg/cm
2の圧力で静水圧成形し、実施例1と同様50×50×5mmの
板状試験片を得た。焼成は1300℃までNH3:N2=1:1の混
合気流、1300℃到達後はN2ガスのみで1500℃まで昇温
し、1500℃で6時間保持後炉冷した。得られた焼結体の
嵩密度を第1表に示した。本実施例の焼結体にもBN粒子
の配向は認められず、また金属残留物も認められなかっ
た。
実施例3 実施例2と同一の原料粉末、同様の方法により、第1
表に示した配向割合の板状試験片を作製した。焼成は18
00℃で6時間とし、1300℃まではN2:H2=3:1の混合ガス
気流中、1300℃到達後はN2ガスのみとした。嵩密度、熱
伝導率、BN粒子の配向性、金属残留物について第1表に
示した。
実施例4 BN75wt%−AlN25wt%の組成において、原料、焼結助
剤を第1表に示した割合で配向し、実施例2と同様の方
法により板状試験片を作製した。ただし使用したBN粉末
は三井東圧化学社製MBN−250(平均粒径0.01μm)と同
じく三井東圧化学社製MBN−050(平均粒径0.1〜0.2μ
m)の4:1の混合物である。
焼結温度は、助剤としてCaF2とY2O3をともに添加した
試料については1900℃、その他は1800℃で6時間とし
た。雰囲気は1100℃までN2:H2=3:1の混合気流中、1100
℃到達後はN2ガスに切り換えた。焼結前後における寸法
の変化は、いずれの焼結体においても長さ方向で3%以
内、厚さ方向では2%以内であった。また得られた焼結
体の諸特性値を第1表に示す。
実施例5 実施例2と同一の原料粉末、同様の方法により第1表
に示した様なBN−AlNの組成比が異なる板状焼結体を作
製した。焼結体の嵩密度、熱伝導率を第1表に示す。
実施例6 実施例5と同一試料を用い、同様の方法により焼結体
を作製した。ただし焼結温度は2000℃で2時間とした。
焼結体の嵩密度、熱伝導率を第1表に示した。
発明の効果 以上の説明から判るように、本発明によれば電気的に
絶縁体であり、比較的高熱伝導率、低熱膨張で耐熱衝撃
性に優れ、低誘電率で切削加工が容易でありかつ、焼結
前後の寸法変化が小さく、ICパッケージ、IC基板用材
料、室温から高温まで使用可能な電気絶縁性放熱材料、
耐熱衝撃性材料、あるいは溶融金属、溶融塩、スラグ等
に対する耐食材料などとして好適に利用され得るBN、Al
Nを主成分とした複合焼結体を加圧することなしに、比
較的低温で製造できることが明らかであり、産業上極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−40771(JP,A) 特開 昭62−153171(JP,A) 特開 昭62−56377(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化物換算で35〜95wt%の金属Bおよび/
    または六方晶BNに対して、窒化物換算で65〜5wt%の金
    属Alおよび/またはAlN(ただしBNとAlNの組合せは除
    く)、および焼結助剤0.01〜30wt%よりなる粉末混合物
    を成形し、窒素を含有する非酸化性雰囲気下、窒化反応
    焼結を行うことを特徴とするBN−AlN系複合焼結体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】焼結助剤としてフッ化アルミニウム、フッ
    化カルシウム、フッ化イットリウム、ホウ酸カルシウム
    のうちの1種または2種以上を用いる請求項(1)記載
    のBN−AlN系複合焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(2)に記載した焼結助剤に加え
    て、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化カルシウム、
    炭化カルシウム、カルシウムシアナミド、炭酸カルシウ
    ム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、シアン化カル
    シウム、酸化イットリウム、炭化イットリウム、硝酸イ
    ットリウムからなる群から選ばれた少くとも1種を併用
    する請求項(1)記載のBN−AlN系複合焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】焼結時、雰囲気を、金属成分の窒化反応が
    終了するまで窒素を含有する還元性雰囲気、終了後を窒
    素を含有する不活性ガス雰囲気とする請求項(1)ない
    し(3)記載のBN−AlN系複合焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】用いる六方晶BN粉末の最大粒径が10μm以
    下であり、かつ用いる金属Bの最大粒径が20μm以下で
    ある請求項(1)ないし(4)記載のBN−AlN系複合焼
    結体の製造方法。
  6. 【請求項6】用いるAlN粉末の平均粒径が2μm以下
    で、かつ金属Alの粒径が0.1〜20μmの範囲にある請求
    項(1)ないし(5)記載のBN−AlN系複合焼結体の製
    造方法。
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