JP4616573B2 - マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法 - Google Patents

マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法に関する。特に、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に塗料をコーティングして、下塗り層及び上塗り層を形成する製品の製造方法に関する。
マグネシウム及びマグネシウム合金は実用金属中で最も軽いために比強度が高く、放熱性も良好で、樹脂に比べてリサイクル性にも優れることから、近年、電気機器や自動車部品用途に広く用いられるようになってきている。中でも、小型軽量化の要求性能が高く、意匠性、リサイクル性の要求も高い電気機器の筐体として好適に使用されている。特に、従来プラスチックで作製されていた携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の筐体は、最近では、その優れた特性よりマグネシウム合金が適用されるケースが増大している。
一方、マグネシウムは実用金属の中で最も卑な電位を有しており、実用に際しては耐食性を付与させることが必要不可欠である。しかしながら、マグネシウムは実用金属の中で最も卑な電位を有しており、実用に際しては表面処理又は塗装が必要不可欠である。マグネシウム又はマグネシウム合金への表面処理の方法としては、化成処理や陽極酸化処理が知られているが、これらの表面処理を行った後の表面外観は必ずしも良好ではなく、通常その上にさらに樹脂塗装が施されることが多い。また、表面処理を行わずにマグネシウム又はマグネシウム合金の表面に直接樹脂塗装が施される場合もある。
ところが、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品に対して密着性の良い皮膜を形成することのできる塗料は限定されているのが現状である。現在広く使用されている塗料は、エポキシ系やアクリルメラミン系などの高温焼付け型の塗料であるが、高温で焼き付ける必要があるために、塗膜に泡やへこみなどの欠陥が生じやすいという問題があった。また、高温焼付け型の塗料は、塗膜表面に接触することが可能な程度にまで乾燥するのに要する時間が長いために、乾燥炉内で塵埃が固着しやすく、製品の歩留まりが低下していた。しかも、高温での焼付けは消費エネルギーの面からも不利である。
特開2002−188041号公報(特許文献1)には、側鎖に三級アミノ基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂(A)と、側鎖にエポキシ基及び水酸基及び/又はアルコキシシラン基を有するアクリル樹脂(B)とを含む塗料組成物が記載されている。当該塗料組成物は、マグネシウム合金などの難接着性金属類に対して優れた付着性を有していて、携帯電話、PC(パソコン)筐体などの(移動用)情報機器端末に多用されているマグネシウム合金用塗料として好適であるとされている。特許文献1の実施例には、当該塗料組成物をマグネシウム合金に塗膜厚が30μmになるように塗布し、120℃で30分間焼き付けを行った例が記載されている。
また、国際公開第03/080897号パンフレット(特許文献2)には、導電性陽極酸化皮膜を表面に有するマグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品が記載されており、当該製品は、電気伝導性と優れた耐食性とを兼ね備えた陽極酸化皮膜をその表面に有するものであるため、電気機器の筐体として好適であるとされている。塗装方法としては、1回の塗装だけを施して40〜120℃の温度で塗膜を形成させることが好ましいとされており、実施例1には、得られた陽極酸化皮膜の表面に、アクリルシリコーン系塗料を塗布し、60℃で20分間加熱して、約20μmの膜厚の塗膜を形成した例が記載されている。
しかしながら、これらの先行技術に記載されているような塗料を使用した場合には、塗装表面の光沢や硬度が必ずしも十分ではなかった。携帯用の電気機器の筐体などにおいては、そのデザイン性も極めて重要であり、光沢(艶)を有して高級感のある外観が要求されている。しかも携帯用の電気機器は、使用によって摩擦や衝撃を受けやすいので、硬度が高く耐擦傷性に優れた塗装が求められている。もちろん、基材に対する密着性も重要であり、腐食しやすいマグネシウム又はマグネシウム合金を十分に保護できることも大切である。
特開2002−188041号公報(第2頁、第7頁、第9頁) 国際公開第03/080897号パンフレット(請求の範囲、第11−12頁、実施例1、産業上の利用可能性)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低温で硬化させることができ、光沢性に優れた高級感のある外観を有し、表面硬度が高く耐擦傷性に優れ、しかも基材に対する密着性にも優れた塗膜を有する、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法を提供するものである。
上記課題は、金型内に離型剤を塗布してから鋳造成形して得られたマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に、研磨処理を施して該成形品の表面を平滑にしてから、化成処理又は陽極酸化処理を施して該成形品の表面に皮膜を形成し、該皮膜上に三級アミノ基を含有するアクリル樹脂(a1)とエポキシ化合物(a2)と溶剤とを含有する塗料(A)をスプレー塗装によって少なくとも1層コーティングした後、40〜100℃の温度で硬化させて、1回のコーティング操作によって形成される塗膜の厚みが3〜18μmとなるように下塗り層を形成してから、該下塗り層の上に紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングして紫外線を照射して硬化させて上塗り層を形成し、塗膜の合計厚みが10〜50μmとなるようにする、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法を提供することによって解決される。
このとき前記鋳造成形がチクソモールド成形であり、金型内に離型剤を吹き付けてから射出成形することがより好適である
エポキシ化合物(a2)が、加水分解可能なシリル基を含有することが好適である。またエポキシ化合物(a2)が、エポキシ基を含有する重合体であることも好適である。紫外線硬化性透明塗料(B)が光重合開始剤(b1)と光反応性官能基を一分子中に複数有する化合物(b2)とアクリル樹脂(b3)とを含有することが好適である塗料(A)を硬化させた後、連続した工程中で紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングすることが好適である。また、塗膜の厚みが3〜18μmとなるように前記上塗り層を形成することも好適である。
本発明の製造方法によれば、低温で硬化させることができ、光沢性に優れた高級感のある外観を有し、表面硬度が高く耐擦傷性に優れ、しかも基材に対する密着性にも優れた塗膜を有する、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に、塗料をコーティングするものである。
原料とするマグネシウム又はマグネシウム合金は、マグネシウムを主成分とするものであればよく、マグネシウム単体からなる金属であっても良いし、合金であっても良い。通常は、成形性、機械的強度、延性などを付与するためにマグネシウム合金が好適に使用される。マグネシウム合金としては、Mg−Al系合金、Mg−Al−Zn系合金、Mg−Al−Mn系合金、Mg−Zn−Zr系合金、Mg−希土類元素系合金、Mg−Zn−希土類元素系合金などが挙げられる。本発明の実施例ではMg−Al−Zn系合金を使用しており、得られた陽極酸化皮膜中にはアルミニウム元素が含まれていたが、得られた陽極酸化皮膜の導電性が良好であった。したがって、導電性の陽極酸化皮膜を得る場合には、原料のマグネシウム合金としては上記各種の合金のうち、アルミニウムを含有するものであることが好ましいと推測される。
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の製造方法は特に限定されない。ダイカスト法、チクソモールド法、プレス成形法、鍛造法などによって成形された成形品を用いることができる。複雑な形態の成形品を容易に成形できる点からは、ダイカスト法やチクソモールド法などの鋳造成形法が好適であり、なかでも、チクソモールド法によれば射出成形機を用いて効率良く成形することが可能であり特に好ましい。
鋳造成形法、特にチクソモールド法においては、金型内に離型剤を吹き付けてから成形することが、成形性を向上させるためには好ましい。ここで、成形時に使用される離型剤としては、シリコーン化合物からなる離型剤が代表的である。しかしながら、鋳造成形法で成形する場合、成形品の表面付近に形成される皺や中空部の内部に離型剤が残留する場合がある。製品に残留する離型剤は、加熱された時に揮発して、樹脂塗膜に欠陥を生じさせることがある。したがって、樹脂塗膜を硬化させる際の加熱条件が穏やかである方が樹脂塗膜に発生する欠陥を減少させるためには好ましい。
鋳造成形法で成形する場合には、通常、バリや湯ジワなどの鋳造欠陥の発生が避けられない。また、プレス成形や鍛造法においても表面の欠陥は発生する。このような欠陥は、以下に説明する研磨処理においても減少させることができるが、手作業によって減少させても良い。手作業などによって予め大きな欠陥を除去してから研磨処理する方法が効果的である。
塗装を施す前に、成形品の表面に研磨処理を施して、成形品の表面を平滑にしておくことが好ましい。塗膜が形成される前の基材の表面を平滑にしておくことによって、得られる塗膜の表面も平滑にすることができるからである。
マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品は、必要に応じて予め大きな欠陥を除去し、脱脂洗浄した後で研磨処理される。研磨処理の方法は特に限定されないが、マグネシウムの粉塵は発火しやすいので、研磨粒子を含有する液状媒体、特に主成分が水である液状媒体を用いて研磨処理することが好ましい。このとき、液状媒体のpHは5以上であることが好ましい。pHが5未満の液状媒体を使用したのでは、成形品の表面が荒れるおそれがある。より好適にはpHは7以上、さらに好適にはpHは9以上である。また通常pHは15以下である。
研磨粒子の種類は特に限定されず、アルミナやシリカなど各種のセラミックス粒子やガラス粒子などを使用することができる。中でも、セラミックス焼結体を使用することが好ましい。セラミックス焼結体は、一般に「メディア」とも呼ばれるものであるが、成形品の形態や用途に応じて、適当な形状や粒度のものを準備することができ、研磨効率を向上させることができる。例えば成形品の形態が複雑な場合であっても、その表面を効果的に磨くことができる。通常、寸法(長手方向の寸法)が1〜20mm程度のもの、好適には2〜15mm程度のものが好適に使用される。
研磨粒子を含有する液状媒体を用いる際の研磨処理方法は特に限定されない。液状媒体を成形品に吹き付ける、いわゆる湿式ブラスト方法を採用することもできるし、成形品が液状媒体に接触した状態で撹拌したり振動を加えたり流動させたりする方法も採用できる。これらの中でも、容器内に成形品と液状媒体とを導入して、その中でそれらを相互に接触させることによって研磨するバレル研磨方式が好適に採用される。また、成形品を液状媒体に接触させた状態で、両者に対して振動を加えて研磨する振動研磨方式も好ましく採用される。このような研磨装置としては、例えば振動バレル研磨装置などが代表的なものとして挙げられる。振動研磨方式の場合の研磨装置の形式は特に限定されず、振動容器内に一度に成形品と液状媒体を投入して槽全体に振動を加えるバッチ式の装置であっても構わないし、振動容器に連続的に成形品と液状媒体を投入しながら研磨処理する連続式の装置であっても構わない。生産性の点からは連続式の装置であることが好ましく、振動する配管内を成形品と液状媒体とが進行する装置が特に好ましく採用される。振動槽あるいは振動配管の材質はプラスチックあるいはゴムであることが好ましい。金属を使用したのでは、槽又は配管の摩耗に由来する金属粉が発生するおそれがあるが、金属粉がマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に付着した場合には、異種金属間の腐食電流が発生して成形品の腐食を引き起こすおそれがある。この点は、湿式ブラスト方式を採用した場合であっても同様であり、液状媒体を吹き付けるためのノズルは金属製でないほうが良く、セラミックス製のものなどを使用するのが好ましい。
液状媒体に含まれる研磨粒子としては、前記セラミックス焼結体を使用することが特に好適である。一定の大きさを有する研磨粒子と成形品とが相互に衝突することによって効率的な研磨操作が可能である。しかも、研磨粒子は様々な方向から成形品に衝突するので、成形品表面の突起を削り取ったり、塑性変形させて押しつぶしたりすることが容易である。
また、成形品の表面に化成処理又は陽極酸化処理を施して、成形品の表面に皮膜を形成してから塗装を施すことも好適である。これらの表面処理を施すことによって、樹脂塗装を施すだけの場合に比べて耐食性を向上させることができる。前述の研磨処理を行う場合には、研磨処理後の成形品に化成処理又は陽極酸化処理を施してから塗装を行うことになる。予め研磨処理を施してから化成処理又は陽極酸化処理することによって、形成される皮膜の表面を平滑なものにすることができ、結果として得られる塗膜の表面も平滑にすることができる。
本発明で用いられる化成処理方法は、特に限定されるものではなく、マグネシウム又はマグネシウム合金に対して施される各種の化成処理方法を採用することができる。環境への負荷を考慮すると、ノンクロムタイプの処理液を用いた化成処理を施すことが好ましい。また、電気機器の筐体などのように、接地特性などの点から導電性を有することが望まれる用途に対しては、導電性の化成処理皮膜を形成させることが好ましい。ノンクロムタイプの導電性皮膜が形成されるものとしては、具体的には、リン酸マンガンカルシウム系化成処理皮膜などが挙げられる。
また、本発明で用いられる陽極酸化処理方法は、特に限定されるものではなく、マグネシウム又はマグネシウム合金に対して施される各種の陽極酸化処理方法が採用される。陽極酸化処理は、一般に化成処理よりも耐食性に優れているとされており、マグネシウム又はマグネシウム合金に陽極酸化処理を施すことで優れた耐食性を付与することができる。従来から広く行われている代表的な処方である「Dow17法」や「HAE法」と呼ばれる処方や、特表平11−502567号公報に記載されている、アンモニアとリン酸塩化合物を含有する電解液に浸漬してマグネシウム又はマグネシウム合金を陽極酸化処理する処方や、国際公開第03/080897号パンフレットに記載されている、導電性の陽極酸化皮膜を形成することのできる処方などを採用することができる。これらのなかでも、導電性の陽極酸化皮膜を形成する方法を採用することが好適である。導電性の陽極酸化皮膜が形成された製品は、電気機器の筐体として好適に採用されるが、そのような電気機器の筐体においては、美麗な外観が求められる場合が多いからである。
電解液の中に、必要に応じて研磨処理を施した成形品を浸漬し、これを陽極として通電することで陽極酸化処理が行われる。陽極酸化処理時の陽極表面の電流密度は好適には0.1〜10A/dmであり、通電時間は好適には10〜1000秒であり、通電中の電解液の温度は通常5〜70℃である。また、通電時に印加する電圧の最大値は、30〜500ボルトであることが好ましい。
前記導電性を有する陽極酸化処理皮膜を形成する場合の電解液は、リン酸根を含有するアルカリ性の水溶液であることが好ましく、より具体的にはリン酸根を0.1〜1mol/L含有し、pHが8〜14である水溶液が好適である。またこのときの電解液が、アンモニア又はアンモニウムイオンを、それらの合計量として0.2〜5mol/L含有することが好ましい。
形成される化成皮膜又は陽極酸化皮膜は導電性を有していても有していなくても構わないが、電気機器の筐体などに使用する場合には、接地特性の面などから化成皮膜又は陽極酸化皮膜が導電性を有することが好ましい。具体的には、相互に10mm離れた2つの端子間で測定した皮膜表面の抵抗値が10Ω以下であるような導電性皮膜を表面に有することが好ましい。当該抵抗値は、皮膜の表面の相互に10mm離れた任意の2点に端子を押し付けて測定される抵抗値(Ω)である。マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材の抵抗値は小さいことから、実質的には、測定用の端子と、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる基材との間に存在する皮膜の厚み方向の電気抵抗に相関する値が測定されるものである。前記抵抗値は好適には10Ω以下であり、より好適には1Ω以下である。一方、前記抵抗値が低すぎる場合には、製品の耐食性が低下するおそれがあり、好適には、0.1Ω以上である。なお、表面処理していないマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面の抵抗値は、AZ91Dの場合で、通常0.1Ω未満の値を示す。
導電性を有する陽極酸化処理皮膜を形成する場合、その陽極酸化皮膜の化学組成は特に限定されるものではないが、マグネシウム元素を10〜65重量%、酸素元素を25〜60重量%含有するものが好適である。また、リン元素を4〜30重量%含有することが好適である。さらに、アルミニウム元素を1〜20重量%含有することも好適である。
このようにして、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に、必要に応じて研磨処理を施し、さらに必要に応じて化成処理又は陽極酸化処理を施してから、塗装を施す。
まず、当該成形品の表面に、三級アミノ基を含有するアクリル樹脂(a1)とエポキシ化合物(a2)とを含有する塗料(A)を少なくとも1層コーティングして硬化させて下塗り層を形成する。塗料(A)は、マグネシウム又はマグネシウム合金への密着性に優れ、基材の腐食を効果的に抑制できるものである。
塗料(A)は、三級アミノ基を含有するアクリル樹脂(a1)とエポキシ化合物(a2)とを含有するものである。アクリル樹脂(a1)中の三級アミノ基と、エポキシ化合物(a2)中のエポキシ基とが反応することによって、比較的低温でも迅速に硬化し、マグネシウム又はマグネシウム合金に対しても密着性が良好なものである。アクリル樹脂(a1)中のアミノ基が二級あるいは一級のアミノ基である場合には、塗料の貯蔵安定性や硬化塗膜の耐汚染性が悪化するので好ましくない。
アクリル樹脂(a1)に含有される三級アミノ基としては、ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基が例示される。アクリル樹脂(a1)は、三級アミノ基含有(メタ)アクリレート単量体や三級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド単量体を、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキルアクリレート単量体と共重合することによって合成することができる。アクリル樹脂(a1)の具体的な例としては、特公平7−81111号公報に記載されているような樹脂が例示される。
エポキシ化合物(a2)は、エポキシ基を1つ以上含有する化合物であればよいが、エポキシ基に加えて加水分解可能なシリル基を含有することが好ましい。このようなシリル基は空気中の水分によって加水分解し、シリル基同士が相互に結合するので、比較的低温でも迅速に反応して塗膜の硬化速度を向上させることができる。また、架橋密度を向上させることができるので、硬度の高い皮膜を得ることができるし、薄膜でも基材を十分に保護することが可能になる。加水分解可能なシリル基は、水分の存在によって容易に加水分解されるシリル基であれば良いが、アルコキシ基が少なくとも1個以上ケイ素原子に結合したシリル基が好適に使用される。特に、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基が好適である。加水分解可能なシリル基を含有するエポキシ化合物(a2)としては、いわゆるシランカップリング剤を使用することもできるし、以下に説明する重合体を使用することもできる。
エポキシ化合物(a2)が、エポキシ基を含有する重合体であることが、塗料の乾燥性や塗膜物性の点から好ましい。このとき、エポキシ基を含有する重合体が、エポキシ基を含有するアクリル樹脂であることが、アクリル樹脂(a1)との相容性の観点から好ましい。
エポキシ化合物(a2)が、エポキシ基を含有し、かつ加水分解可能なシリル基を含有する重合体であることが、特に好適である。この場合、初期の硬化速度に優れ、しかも強靭な皮膜を得ることが可能である。
塗料(A)は、アクリル樹脂(a1)を含有する液(主剤)と、エポキシ化合物(a2)を含有する液(硬化剤)とを、塗装操作の前に予め混合することによって調製される。予め調製された塗料(A)は、そのポットライフを考慮しながら、迅速に塗装操作に供される。主剤には、アクリル樹脂(a1)以外にも、他の樹脂、染料や顔料等の着色剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、メタリック塗装用金属薄片、艶消剤、耐摩耗性付与剤、抗菌性付与剤などを、用途に応じて適宜配合することができる。ここで前記他の樹脂としては、アクリル樹脂(a1)でもエポキシ化合物(a2)でもないアクリル樹脂が好ましく配合され、塗料の粘度や塗膜の物性を調整するのに用いられる。当該アクリル樹脂は主として(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合してなる樹脂のことである。また、硬化剤にも主剤と同様の各種の成分を適宜配合することができるが、通常溶剤で希釈しただけのもので十分である。
塗料(A)を硬化させて得られた下塗り層の上に紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングして紫外線を照射して硬化させて上塗り層を形成する。紫外線で硬化させることによって、低温かつ短時間で硬度の高い皮膜を得ることができる。また、表面の平滑な塗膜を容易に得ることもできる。さらに、高温での長時間の硬化処理を必要としないので、熱風の吹き付けによる塵埃の付着を防止することができて、製品の歩留まりが向上する。
紫外線硬化性透明塗料(B)は、透明であって、紫外線の照射によって硬化するものであれば良く、特に限定されないが、通常、光重合開始剤(b1)と光反応性化合物とを含有する。光重合開始剤(b1)が紫外線照射で開裂してラジカルを発生させ、それによってラジカル重合反応を進行させるものであっても良いし、光重合開始剤(b1)が紫外線照射で強酸を発生させ、それによってカチオン重合反応を進行させるものであっても良いが、通常、前者が好ましい。このとき、前記光反応性化合物が、光反応性官能基を一分子中に複数有する化合物(b2)であることが好ましい。複数の光反応性官能基を有することによって、効率的に架橋反応を行うことができて、塗膜の硬度が向上し、耐擦傷性に優れた塗膜を得ることができる。また、耐汚染性にも優れた塗膜となる。当該官能基の数は、好適には3個以上であり、より好適には4個以上である。ラジカル重合可能な官能基としては、アクリレート基、メタクリレート基が好適なものとして挙げられる。
さらに、紫外線硬化性透明塗料(B)が光重合開始剤(b1)と光反応性官能基を一分子中に複数有する化合物(b2)に加えて、アクリル樹脂(b3)を含有することが好ましい。ここでいうアクリル樹脂は主として(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合してなる樹脂のことである。予め重合しているこのような樹脂を含むことによって、紫外線硬化性透明塗料(B)の粘度の調整が容易になるし、塗膜が脆くなるのを防止することもできる。さらには、塗料(A)を硬化させて形成された下塗り層との密着性も改善される。塗料(A)の主成分がアクリル系の樹脂であることから、紫外線硬化性透明塗料(B)がアクリル樹脂(b3)を含有することで、両者間の親和性が向上するものと考えられる。
紫外線硬化性透明塗料(B)には、前述の光重合開始剤(b1)、光反応性官能基を一分子中に複数有する化合物(b2)及びアクリル樹脂(b3)以外にも、他の樹脂、溶剤、レベリング剤、染料や顔料等の着色剤、艶消剤、耐摩耗性付与剤、抗菌性付与剤などを、用途に応じて適宜配合することができる。このとき、染料、顔料、艶消剤などについては、紫外線に対する透明性を損なわない範囲で配合することができる。
以下、塗装方法について説明する。塗料(A)のコーティング方法は特に限定されず、成形品の形態などを考慮して、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装、ロール塗装などの公知の方法を採用することができる。なかでも、スプレー塗装や静電塗装が好適であり、得られる塗膜厚みの均一性に優れたスプレー塗装が最適である。静電塗装の場合には、塗料の歩留まりは向上するが、エッジ部分に塗料が溜まりやすいので、成形品の開口部に精度良く部品を嵌め込む際の障害になるおそれがある。塗装に先立って、成形品の表面に付着した塵埃をエアブローや除電によって除去しておくことが好ましい。
塗料(A)をコーティングした後の硬化温度は特に限定されないが、120℃以下の温度で硬化させることが好ましい。120℃以下の温度で硬化させることの可能な塗料は、熱可塑性樹脂からなる成形品に対しても使用することが可能な場合が多い。例えば、電気機器の筐体などにおいては、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品と、ABSやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂からなる成形品とを組み合わせて使用することも多いが、このような場合に同じ塗料を使用することが可能であり、筐体全体の塗料を統一することができて、優れた外観の製品を提供できる。しかも、比較的低温で硬化させる場合には、塗膜に泡やへこみなどの欠陥が生じにくいし、加熱槽内での塵埃付着も抑制しやすく、製品の歩留まりが向上する。さらに、消費エネルギーの面からも有利である。また、高温で硬化させると、塗料(A)中での架橋反応が進みすぎて、その後にコーティングを施す紫外線硬化性透明塗料(B)の密着性が低下する場合がある。したがって、硬化温度は、より好適には100℃以下であり、さらに好適には80℃以下である。また、特に加熱処理を施すことなく、室温で硬化させることも可能であるが、硬化時間が長くなるため、生産性を考慮すれば好適には40℃以上であり、より好適には60℃以上である。硬化時間は特に限定されず、低温で硬化させる場合には長く、高温で硬化させる場合には短く設定される。硬化時間は2分以上であることが好ましく、5分以上であることがより好ましい。一方、生産性を考慮すれば、硬化時間は1時間以下であることが好ましく、30分以下であることがより好ましい。
以上のようにして塗料(A)を硬化させて、下塗り層が形成される。当該下塗り層の膜厚は、製品の用途などによって適宜設定される。下塗り層は、1回又は複数回のコーティング操作によって形成されるが、下塗り層の合計の厚みは5〜35μmであることが好ましい。5μm未満では製品の耐食性が低下するおそれがあり、より好適には10μm以上であり、さらに好適には15μm以上である。一方、35μmを超えると、塗膜全体の厚みが厚くなりすぎて部品の嵌め込み精度が低下するおそれがあるので、より好適には30μm以下であり、さらに好適には25μm以下である。
このとき、1回のコーティング操作によって形成される塗膜が3〜18μmであることが好ましい。3μm未満では塗膜の付着しない部分が発生するおそれがあり、より好適には5μm以上であり、さらに好適には7μm以上である。一方、18μmを超えると、電気機器の筐体などに使用する場合に部品の嵌め込み精度が低下するおそれがあるので、より好適には15μm以下であり、さらに好適には13μm以下である。したがって、比較的薄膜の塗装を複数回コーティングして下塗り層を形成することが、塗膜の厚み精度と製品の耐食性の両立という観点から好適である。
塗料(A)を硬化させて得られた前記下塗り層の上に紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングする。コーティングの方法としては、塗料(A)と同様の方法が採用される。紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングした後で、紫外線を照射して紫外線硬化性透明塗料(B)を硬化させる。紫外線の照射量は、紫外線硬化性透明塗料(B)の組成や膜厚などによって調整されるが、通常300〜1000mJ/cmである。紫外線硬化性透明塗料(B)が溶剤を含有する場合には、紫外線照射に先立って、低温で短時間の加熱を施して、予備乾燥することも好ましい。
以上のようにして紫外線硬化性透明塗料(B)を硬化させて、上塗り層が形成される。当該上塗り層の膜厚は、製品の用途などを考慮して適宜設定される。上塗り層は、通常1回のコーティング操作によって形成されるが、その厚みは3〜18μmであることが好ましい。3μm未満では塗膜の光沢や耐擦傷性が不十分になるおそれがあり、より好適には5μm以上であり、さらに好適には7μm以上である。一方18μmを超える場合には膜厚ムラが発生しやすくなり、より好適には15μm以下である。
本発明の製造方法においては、塗料(A)を硬化させた後、連続した工程中で紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングすることが好適である。すなわち、インライン操作で連続的に1回あるいは複数回の塗料(A)の塗装操作と紫外線硬化性透明塗料(B)の塗装操作とを行うことが好ましい。例えば、成形品を治具に固定して塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)との塗装を全て行ってから治具から外す方法や、成形品をコンベヤに載せて塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)との塗装を全て行ってからコンベヤから降ろす方法などが例示される。好適な方法は成形品を固定した治具をコンベヤ搬送する方法である。本発明の製造方法で使用される塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)のいずれも、比較的低温かつ短時間で硬化させることができるので、インライン塗装装置に組み込むことが容易である。例えば、樹脂成形品に対して塗装を行うことを前提に設計されたインライン塗装装置を使用することも可能であり、塗装装置選択の自由度が大きく向上する。また、同一製品に使用される、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品と熱可塑性樹脂からなる成形品とを同じ塗装装置で同じ塗料を用いて塗装することもできるので、生産効率が大きく向上する。
以上のようにして、塗料(A)を硬化させた下塗り層の上に紫外線硬化性透明塗料(B)を硬化させた上塗り層が形成される。これら下塗り層と上塗り層の合計の厚みは用途に応じて適宜調整されるが、10〜50μmであることが好ましい。塗膜の合計厚みが10μm未満では、製品の耐食性が不十分になるおそれがあるとともに、塗膜の光沢や耐擦傷性も不十分になるおそれがある。より好適には15μm以上であり、さらに好適には20μm以上である。一方、塗膜の合計厚みが50μmを超えると、塗膜の厚み精度が低下しやすくなるとともに、厚みムラも発生しやすくなる。より好適には45μm以下であり、さらに好適には40μm以下である。電気機器の筐体などでは、操作ボタンなどを嵌め込むための多数の開口部を有することが多いが、嵌め込んだときの隙間が大きいと意匠的に好ましくない。したがって、成形品の開口部に精度良く部品を嵌め込む際の障害にならないように、比較的膜厚を薄くすることが好適である。
本発明の方法によって製造された製品は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなるので、強度及び軽量性に優れている。しかも、表面に形成された塗膜が、光沢性に優れた高級感のある外観を有し、表面硬度が高く耐擦傷性に優れ、しかも基材に対する密着性にも優れている。したがって、これらの特徴を活かした各種の用途に使用することができる。例えば、電気機器、自動車用部品、レジャー用部品、福祉介護機器用部品などに使用することができる。
なかでも、特に好適な実施態様は、電気機器の筐体である。電気機器の筐体は高度な意匠性が要求されることが多く、光沢性に優れた高級感のある外観を有する製品が得られる本発明の製造方法を採用することが好ましい。また、電磁波シールド性や接地特性の面からも電気機器の筐体に適している。接地特性を考慮する場合には、筐体内面には樹脂塗装が施されない部分を有し、筐体外面には樹脂塗装が施された部分を有するように塗装することが好ましく、筐体の内面の導電性基材が露出しているところで、電気配線からの接地を容易に確保することができる。好適には、筐体の実質的に全ての外面に樹脂塗装が施される。
中でも携帯可能な電気機器の筐体に使用することが好適である。本発明の方法で製造された製品は、強度及び軽量性に優れているし、塗膜の表面硬度が高く耐擦傷性にも優れているので、携帯使用するのに特に適している。携帯可能な電気機器としては、携帯電話、パソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、光ディスクプレーヤーなどが例示される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例中での試験方法は以下の方法に従って行った。
(1)陽極酸化皮膜及び樹脂塗膜の膜厚測定
試験片を5mm×10mmの寸法に切断し、エポキシ樹脂に包埋してから、切断面を研磨して鏡面を得た。試料の断面方向から、光学顕微鏡を用いて膜厚を測定した。
(2)陽極酸化皮膜の化学組成分析
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8100R」を用いて、皮膜の表面方向から膜組成の分析を行った。各方向につき3ヶ所ずつ測定を行い、これらの平均値から化学組成を求めた。測定は、加速電圧15kV、試料照射電流2×10−8Aの条件で行った。データ解析は、ZAH補正によって行った。
(3)陽極酸化皮膜及び化成皮膜表面の抵抗値測定
三菱化学株式会社製低抵抗率計「ロレスターAP MCP−T400」を用い、二探針式プローブ「MCP−TP01」を使用して測定した。試験片の中央部分で皮膜の表面に測定端子を押し付けるようにして抵抗値(Ω)を測定した。前記プローブは10mmの間隔で測定端子が配置されたものであり、端子はベリリウム合金に金メッキしたもので、その先端形状は直径2mmの円柱状であり、端子を皮膜の表面に押し付ける荷重は端子1個あたり240gである。
(4)碁盤目試験
樹脂塗膜と陽極酸化皮膜(あるいは化成処理皮膜)とを貫通するように、JIS K5600−5−6の記載に準拠して碁盤目状の切込みを入れてから、テープ剥離試験を行った。このとき、碁盤目は、図1における液晶表示用窓の右上の平坦部分に形成した。テープを剥離した時の碁盤目部の塗膜のはがれ状態を目視で観察し、以下の基準にしたがって評価した。
10点:切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点と正方形の1目1目にはがれがない。
8点:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の1目1目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
6点:切り傷の両側と交点にはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5%〜15%。
4点:切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15%〜35%。
2点:切り傷によるはがれの幅は4点より広く、欠損部の面積は全正方形面積の35%〜65%。
0点:はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
(5)沸騰水浸漬試験
沸騰水に1時間浸漬し、1時間室温に放置してから、上記「(4)碁盤目試験」と同様に切込みを入れてから、テープ剥離試験を行い、同様に評価した。
(6)鉛筆引っ掻き値
JIS K5600−5−4の鉛筆引っ掻き値手かき法に準じて測定した。試験品を水平な台の上に塗装面を上向きに固定し、約45°の角度で鉛筆を持ち、500gの荷重をかけ均一な速さで1cm押し出して、図1における液晶表示用窓の右上の平坦部分の塗装面を引っ掻いた。このときの押し出す速度は約1cm/秒であった。1回引っ掻くごとに芯の先端を新たに研いで、同一の濃度記号の鉛筆で5回ずつ試験を繰り返した。5回の試験で2回以上塗装膜にスリキズが認められないときは、上位の濃度記号の鉛筆に取り替えて同様の試験を行い、塗装膜のスリキズが2回以上になる鉛筆の濃度記号を選び出し、その濃度記号より一段下位の濃度記号を求めた。
(7)スリキズ試験
テスター産業株式会社製学振式摩擦試験機II型を使用してスリキズ試験を行い、塗装の表面状態の観察を行った。このとき、摩擦用白綿布としてカナキン3号を使用し、図1における液晶表示用窓とキーボード用窓の間の橋掛け部分の塗装面を7000往復摩擦した。以下の判定基準にしたがって、評価した。
○:塗装面にスリキズの発生なし。
△:塗装面に僅かなスリキズの発生あり。
×:塗装面に明確なスリキズの発生あり。
(8)60度鏡面光沢
株式会社村上色彩研究所製の光沢計「GM−3D」を使用して、図1における液晶表示用窓の右上の平坦部分において60度鏡面光沢を求めた。
(9)艶度合目視評価
塗装表面を目視で観察して、塗装表面の艶度合いを相対的に判断した。
○:優れている。
△:劣っている。
×:非常に劣っている。
実施例1
日本サーモケミカル株式会社製チクソモールド用チップ(チップ寸法4mm:マグネシウム90重量%、アルミニウム9重量%及び亜鉛1重量%からなるASTM No.AZ91Dのマグネシウム合金)を使用し、株式会社日本製鋼所製マグネシウム用射出成形機「JLM220MG」にて、正面図が図1に、側面図が図2にそれぞれ示される携帯電話の筐体用成形品をチクソモールド成形した。当該成形品の長さは138mm、幅は42mm、厚みは8mmである。図1において、上側の大きな開口部は液晶表示用窓であり、下側の大きな開口はキーボード用窓である。図からわかるように、当該筐体には、液晶表示用窓及びキーボード用窓以外にも、操作ボタン嵌め込み用開口部、発光部材嵌め込み用開口部、ネジ孔など、多数の開口部が設けられている。成形に際しては、成形サイクルごとに金型内に離型剤をスプレーで塗布してから射出操作を行った。
得られた成形品に必要な機械加工(フライス加工)を施し、バリを手作業で簡単に削り落としてから、株式会社チップトン製多重多段槽振動バレル研磨機「リボルバーCWS−450U2」に投入して研磨した。当該研磨機は振動可能なウレタン性パイプがらせん状に配置されたものであり、パイプの一端から成形品と液状媒体とを連続的に投入し、振動を加えられたパイプ内で成形品と液状媒体とを進行させながら研磨操作を行い、パイプの他端から研磨後の成形品を取り出す仕組みの装置である。液状媒体としては、ヘンケルジャパン株式会社製コンパウンド「P3 TC503」を1%含有する水溶液(pH10)に株式会社チップトン製メディア「WT−9×10アングル」を投入したものを使用した。ここで、前記メディアは最長寸法が約10mm、平均重量が1.67gのセラミックス焼結体である。
研磨処理後の成形品を、85℃の10重量%水酸化カリウム水溶液に1分間浸漬してから、イオン交換水で水洗、乾燥し、成形品表面を前処理した。リン酸水溶液とアンモニア水とを混合して、リン酸根を0.25mol/L、アンモニア又はアンモニウムイオンをその合計量で1.5mol/L含有する電解液を調製し、20℃に保った。この電解液のpHは11であった。この中に前記前処理を施した成形品を陽極として浸漬して、陽極酸化処理を行った。このときの陰極としては、前記陽極の4倍の表面積を有するSUS316Lの板を使用した。定電流電源を使用し陽極表面の電流密度が1A/dmとなるようにして120秒間通電した。通電開始時には低い印加電圧であったのが、通電終了時には約200ボルトまで上昇した。通電終了後、イオン交換水で洗浄してから乾燥した。
得られた陽極酸化皮膜の膜厚は約1.5μmであった。ここでいう膜厚とは、多数の孔を有するために局所的な膜厚ムラのある皮膜において、厚い部分の表面から基材のマグネシウム合金面までの平均的な距離のことである。得られた陽極酸化皮膜は、マグネシウム元素を48重量%、酸素元素を34重量%、リン元素を7重量%及びアルミニウム元素を11重量%含有していた。陽極酸化皮膜の表面の抵抗値は、0.25Ωであった。
得られた成形品を用いてインライン塗装操作を行った。本実施例で使用した塗料(A)及び紫外線硬化性透明塗料(B)の組成は、それぞれ以下の通りである。
塗料(A)用主剤
・大日本インキ化学工業株式会社製塗料用樹脂「アクリディックA−9540」:35重量部
・大日本インキ化学工業株式会社製塗料用樹脂「アクリディックA−136−55」:10重量部
・石原産業株式会社製酸化チタン顔料「タイペークCR−50」:38重量部
・BYKヘミー(Chemie)社製分散剤「BYK161」:0.7重量部
・BYKヘミー(Chemie)社製レベリング剤「BYK301」:0.3重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル:5重量部
・酢酸エチル:11重量部
塗料(A)用硬化剤
・大日本インキ化学工業株式会社製塗料用樹脂「アクリディックA−9585」:100重量部
塗料(A)は、上記塗料(A)用主剤10重量部に対して、上記塗料(A)用硬化剤1重量部及びシンナー10重量部を、塗装操作直前に配合することによって調製される。ここで、「アクリディックA−9540」は、分子中に三級アミノ基を含有するアクリル系樹脂である。また、「アクリディックA−9585」は、分子中にトリアルコキシシリル基とエポキシ基を含有するアクリル系樹脂である。また、「アクリディックA−136−55」は、三級アミノ基、エポキシ基及びシリル基のいずれも含有しないアクリル系樹脂であり、通常のラッカー用の樹脂である。
紫外線硬化性透明塗料(B)
下記の配合処方の塗料10重量部に対して、シンナー6重量部を配合して塗装に供した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:25重量部
・チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製光重合開始剤「イルガキュア184」:2重量部
・大日本インキ化学工業株式会社製塗料用樹脂「アクリディックA−136−55」:41重量部
・楠本化成株式会社製レベリング剤「ディスパロン1984−50」:0.5重量部
・HAWS(high aromatic white spirit):23.5重量部
・酢酸ブチル:4重量部
・キシレン:4重量部
まず、前述のようにして得られた成形品の外側が外を向くようにして治具に取り付けた。当該治具は複数の成形品を同時に取り付けることができるものであり、治具が回転しながらライン中を搬送されるものである。搬送しながら、まずエアブロー操作と除電操作を施して、成形品に付着している塵埃を除去した。
塵埃を除去してから、塗料(A)をスプレー塗装した。スプレー塗装は、複数の塗装ガンによって連続的に塗料(A)が噴射されている槽内を成形品が取り付けられた治具が回転しながら搬送されることによって行われた。コーティング操作後に、70℃の熱風乾燥エリア内を15分間かけて搬送されることによって、下塗り層の第1層(9μm)が形成された。引き続き、搬送を継続して第1層と同じ塗料を第1層と同様に塗装してから、70℃の熱風乾燥エリア内を11分間かけて搬送されることによって、下塗り層の第2層(9μm)が形成された。これによって、合計18μmの下塗り層が形成されたことになる。
さらに搬送を継続しながら、エアブロー操作と除電操作を施してから、紫外線硬化性透明塗料(B)を、塗料(A)と同様の操作でスプレー塗装した。コーティング操作後に、60℃の熱風乾燥エリア内を3分間かけて搬送して乾燥させてから、搬送を継続しながら紫外線照射を行った。紫外線照射装置内の紫外線の強度は600mJ/cmであり、その中を60秒かけて通過させた。これによって、12μmの上塗り層が形成された。下塗り層と上塗り層の合計厚みは30μmであった。得られた塗膜について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例2
実施例1において、下塗り層の第2層を硬化させる際に、コーティング操作後に、90℃の熱風乾燥エリア内を11分間かけて搬送した以外は実施例1と同様にして塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)とを塗装した。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層12μm:合計30μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例3
実施例1において、紫外線硬化性透明塗料(B)として、以下に示す塗料を使用した以外は実施例1と同様にして塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)とを塗装した。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層12μm:合計30μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
(紫外線硬化性透明塗料(B)の組成)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:22重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート:7重量部
・チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製光重合開始剤「イルガキュア184」:1重量部
・楠本化成株式会社製レベリング剤「ディスパロン1984−50」:0.5重量部
・メタノール:15重量部
・イソプロパノール:40重量部
・酢酸ブチル:14.5重量部
実施例4
実施例1において、多重多段槽振動バレル研磨機を使用する代わりに、直線式振動バレル研磨機を使用した以外は実施例1と同様にして研磨された成形品を得た。ここで使用した研磨装置は、新東ブレーター株式会社製直線式振動バレル研磨機である。液状媒体中にセラミックス焼結体であるメディア(新東ブレーター株式会社製「AH−6」)を含有し、連続的に研磨処理を施して、研磨された成形品を得た。得られた成形品を2.4重量%のリン酸水溶液(pH3)に40℃で1分間浸漬してからイオン交換水で水洗、乾燥し、成形品表面を前処理してから、市販の化成処理液を用いて化成処理を行った。ミリオン化学株式会社製化成処理液「MC−1000」を75g/Lの割合で含有するようにイオン交換水で希釈して処理液を調製し、40℃に保った。当該化成処理液の化学組成の詳細は不明であるが、リン酸イオン、マンガン(あるいはマンガン酸化物)イオン及びカルシウムイオンを含有する化成処理液であると推定されている。この処理液中に、前処理を施した成形品を30秒間浸漬した。浸漬終了後、イオン交換水で洗浄してから乾燥した。得られた化成処理皮膜の膜厚は0.1μmかそれ以下であり、定量的に測定することが困難な薄い膜厚であった。化成処理皮膜の表面の抵抗値は、約2.5Ωであった。こうして化成処理皮膜が形成された成形品を用いた以外は実施例1と同様にして塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)とを塗装した。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層12μm:合計30μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例5
実施例1において、チクソモールド成形によって得られた成形品に必要な機械加工(フライス加工)を施し、バリを手作業で簡単に削り落とし、アセトンで洗浄してからすぐに塗装した以外は実施例1と同様にして塗料(A)と紫外線硬化性透明塗料(B)とを塗装した。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層12μm:合計30μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
比較例1
実施例2において、紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングせず、塗料(A)を用いて第1層及び第2層からなる下塗り層のみを塗装した以外は実施例2と同様にして塗装操作を行った。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:合計18μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
比較例2
実施例1において、紫外線硬化性透明塗料(B)を使用する代わりに、以下に示す塗料を上塗り層用塗料として使用した以外は実施例1と同様にして塗装を行った。当該上塗り用塗料は、実施例1で塗料(A)として使用しているものから酸化チタン顔料及び分散剤を除いたクリヤー塗料であり、その硬化条件は70℃で30分とした。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層12μm:合計30μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
比較例3
実施例1において、紫外線硬化性透明塗料(B)を使用する代わりに、カシュー株式会社製ウレタン樹脂系クリヤー塗料「カシューストロンエース#8クリヤー」を上塗り層用塗料として使用した以外は実施例1と同様にして塗装を行った。「カシューストロンエース#8クリヤー」は下記組成の主剤と下記組成の硬化剤とシンナーとを重量比で4:1:2の割合で配合して得られるものである。塗装操作直前に主剤、硬化剤及びシンナーを配合して塗装し、100℃で30分加熱して硬化させた。得られた塗膜(下塗り第1層9μm:下塗り第2層9μm:上塗り層20μm:合計38μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
(上塗り層用塗料の主剤の組成)
・水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価50、不揮発分50重量%):90重量部
・楠本化成株式会社製レベリング剤「ディスパロン1984−50」:0.5重量部
・酢酸ブチル:5重量部
・キシレン:4.5重量部
(上塗り層用塗料の硬化剤の組成)
・HDIプレポリマー(NCO含有量21重量%):50重量部
・酢酸エチル:50重量部
比較例4
実施例1において、塗料(A)の代わりに武蔵塗料株式会社製「スーパーマグナムプライマー」を使用し、165℃で20分間加熱して膜厚18μmの下塗り第1層を形成し、塗料(A)の代わりに武蔵塗料株式会社製「アーマトップ」を使用し、160℃で35分間加熱して膜厚8μmの下塗り第2層を形成し、さらに紫外線硬化性透明塗料(B)の代わりに武蔵塗料株式会社製「ポリキング(クリヤー)」を使用し、160℃で35分間加熱して膜厚22μmの上塗り層を形成した。「スーパーマグナムプライマー」は、マグネシウム合金塗装用のエポキシ系焼付型白色塗料である。「アーマトップ」は、熱硬化型アクリル樹脂系白色塗料である。また、「ポリキング(クリヤー)」は、熱硬化型ポリエステル系樹脂透明塗料である。得られた塗膜(下塗り第1層18μm:下塗り第2層8μm:上塗り層22μm:合計48μm)について前述の方法によって評価した結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004616573
表1からわかるように、下塗り層として、アクリル樹脂(a1)とエポキシ化合物(a2)とを含有する塗料(A)を使用し、上塗り層として紫外線硬化性透明塗料(B)を使用した実施例1〜5では、得られた塗膜の硬度が高く耐擦傷性に優れるとともに、高光沢で艶のある外観の製品が得られた。ただし、塗料(A)の硬化温度が高い場合(実施例2)や紫外線硬化性透明塗料(B)がアクリル樹脂を含有しない場合(実施例3)などでは、実施例1に比べて、下塗り層と上塗り層の間の層間接着性が低下する傾向が認められる。また、陽極酸化処理の代わりに化成処理した実施例4や表面処理を行わなかった実施例5では、沸騰水浸漬後に基材と下塗り層との間で剥離が生じやすくなっている。
塗料(A)からなる下塗り層の上に上塗り層を形成しなかった比較例1では、硬度が低下して耐擦傷性が少し悪化するとともに、光沢が大きく低下する。上塗り層として、顔料を含まない塗料(A)を使用した比較例2では、比較例1よりも光沢は改善するものの、不十分である。上塗り層としてウレタン樹脂(比較例3)や熱硬化性ポリエステル樹脂(比較例4)を使用した場合には、高温での硬化操作が必要である上に、表面の硬度が低く、耐擦傷性に劣る結果となった。
携帯電話の筐体用成形品の正面図である。 携帯電話の筐体用成形品の側面図である。

Claims (7)

  1. 金型内に離型剤を塗布してから鋳造成形して得られたマグネシウム又はマグネシウム合金からなる成形品の表面に、研磨処理を施して該成形品の表面を平滑にしてから、化成処理又は陽極酸化処理を施して該成形品の表面に皮膜を形成し、該皮膜上に三級アミノ基を含有するアクリル樹脂(a1)とエポキシ化合物(a2)と溶剤とを含有する塗料(A)をスプレー塗装によって少なくとも1層コーティングした後、40〜100℃の温度で硬化させて、1回のコーティング操作によって形成される塗膜の厚みが3〜18μmとなるように下塗り層を形成してから、該下塗り層の上に紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングして紫外線を照射して硬化させて上塗り層を形成し、塗膜の合計厚みが10〜50μmとなるようにする、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる製品の製造方法。
  2. 前記鋳造成形がチクソモールド成形であり、金型内に離型剤を吹き付けてから射出成形する請求項記載の製品の製造方法。
  3. エポキシ化合物(a2)が、加水分解可能なシリル基を含有する請求項1又は2記載の製品の製造方法。
  4. エポキシ化合物(a2)が、エポキシ基を含有する重合体である請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  5. 紫外線硬化性透明塗料(B)が光重合開始剤(b1)と光反応性官能基を一分子中に複数有する化合物(b2)とアクリル樹脂(b3)とを含有する請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  6. 塗料(A)を硬化させた後、連続した工程中で紫外線硬化性透明塗料(B)をコーティングする請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
  7. 塗膜の厚みが3〜18μmとなるように前記上塗り層を形成する請求項1〜のいずれか記載の製品の製造方法。
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