JP5783419B2 - マグネシウム基被覆部材 - Google Patents
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Description
下地形成工程:上記Mg基材直上に酸化物からなる透明な保護膜を、その膜厚が0.05μm以上となるように形成する。
塗装工程:上記下地形成工程後、上記保護膜上に塗装膜を形成する。この塗装膜は、保護膜上に設けられる内側塗装膜と、この内側塗装膜の上に設けられる外側塗装膜とからなる。この内側塗装膜は、ガラス転移点Tgが30℃以上のアクリル系樹脂からなり、外側塗装膜は、ガラス転移点Tgが55℃超で、かつ内側塗装膜よりもガラス転移点Tgが高いアクリル系樹脂からなる。
本発明のMg基被覆部材1は、Mg基材10と、このMg基材10を保護するための被覆膜20とを具える。この被覆膜20は、上記Mg基材10直上に設けられる透明な保護膜30と、この保護膜30上に設けられる内側塗装膜40iおよび外側塗装膜40oの少なくとも2層からなる透明な塗装膜40とを具える。以下、各構成を詳細に説明する。
〈組成〉
本例では、Mg基被覆部材1におけるMg基材10は、Mg元素を主成分とする金属からなる。この金属としては、純Mgを用いてもよいし、Mg合金を用いてもよい。そのMg合金には、Mgに添加元素を含有した種々の組成のもの(残部:Mg及び不純物)が挙げられる。特に、本発明では、添加元素に少なくともAlを含有するMg−Al系合金とすることが好ましい。このAlの含有量が多いほど、耐食性に優れる上に、強度、耐塑性変形性といった機械的特性にも優れる傾向にある。したがって、本発明では、Alを3質量%以上含有することがより好ましく、更には、7.3質量%以上含有すると一層好ましい。但し、Alの含有量が12質量%を超えると塑性加工性の低下を招くことから、上限は12質量%とする。Alの含有量は、特に11質量%以下、更に、8.3質量%〜9.5質量%が好ましい。
上記Mg基材10は、双ロールやダイカストなどの鋳造によって作製された鋳造材、その鋳造材に圧延を施した圧延材、この圧延材を更に熱処理やレベラー加工、研磨加工などを施した加工材、これら圧延材や加工材にさらに塑性加工が施された塑性加工材などが挙げられる。このMg基材10は、上記圧延前に、溶体化処理を施してもよい。このMg基材10の形状や厚さは、例えば、その後の成形品によって適宜必要サイズにカットするなどして選択するとよい。
本例では、Mg基被覆部材1における被覆膜20は、上記Mg基材10の直上に設けられる透明な保護膜30と、その保護膜30の上に設けられる透明な塗装膜40とを具えている。ここでいう透明とは、基材が目視にて確認できる程度を言い、有色透明でもよい。もちろん無色透明であればMg基材10自体の金属質感を感じ易いのでなお好ましい。
〈材質〉
被覆膜20における保護膜30は、Mg基材10を直接保護するためにMg基材10の直上に形成される。この保護膜30を構成する材質は、主に酸化物からなる。この酸化物としては、例えば、リン酸カルシウム系、リン酸マンガン系、リン酸マグネシウム系、ジルコニア系、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。上記保護膜30が、これらの酸化物を含むことで、Mg基材10の酸化を抑制することができて、Mg基材10を保護できる。これらの酸化物からなる保護膜30は、後述する膜厚程度であれば、上記Mg基材10の表面性状が見える程度の透明であるので、上記Mg基材10自体の色合いや風合いを感じることができ、優れた金属質感を有することができる。
保護膜30の膜厚は、0.05μm以上とする。この膜厚が0.05μm以上であれば、上記Mg基材10の表面を直接保護して耐食性を確保することができる。この膜厚は、5μm以下とすることが好ましく、特に0.1μm(100nm)以上0.5μm(500nm)以下であることがより好ましい。上記膜厚を5μm以下とすることで、不必要に保護膜30の膜厚が厚すぎないので、高い透明性を有することができる。
(内側塗装膜)
〈構成材料〉
内側塗装膜40iの構成材料は、ガラス転移点Tgが30℃以上のアクリル系樹脂とする。このような樹脂により、Mg基材10の耐食性を確保することができる。というのも、このガラス転移点Tgが30℃以上であれば、後述する外側塗装膜40oを保護膜30と密着性よく形成することができるため、内側塗装膜40iおよび外側塗装膜40oがそれぞれ剥離するのを抑制することができる。このガラス転移点Tgは40℃以上、あるいは50℃以上であってもよい。一方、このガラス転移点Tgの上限は70℃以下とすることが好ましい。そうすることで、上記保護膜30から内側塗装膜40iの剥離を抑制でき、耐食性を維持し易く、保護膜30を保護することができる。このガラス転移点Tgは、特に40℃以上60℃以下とすることが好ましい。
この内側塗装膜40iの膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、特に10μm以上20μm以下であることがより好ましい。内側塗装膜40iの膜厚を5μm以上とすることで、保護膜30を十分保護することができる。また、上記膜厚を30μm以下とすることで、内側塗装膜40iの剥離を抑制することができる。
〈構成材料〉
外側塗装膜40oの構成材料は、ガラス転移点Tgが55℃超で、かつ内側塗装膜40iよりもガラス転移点Tgが高いアクリル系樹脂とする。このような高ガラス転移点Tgの樹脂で外側塗装膜40oを構成することで、同樹脂の架橋密度が高くなり、この傾向はガラス転移点Tgが高くなるほど顕著になる。それにより、腐食原因物質が外側塗装膜40oを透過し難くなり、Mg基材10の耐食性を確保することができる。特に、このガラス転移点Tgは、60℃以上90℃未満であることが好ましい。このガラス転移点Tgが上記規定の範囲内であることで、高い耐食性を有すると共に、摩擦による摩耗や、衝撃などによる膜の剥離、あるいは割れなどを生じ難くすることができる。というのも、この樹脂の架橋密度を上げようとするとTgが高くなり、かつ膜が硬くなる傾向があるからである。そのため、優れた耐傷性をも有することができる。
外側塗装膜40oの膜厚は、5μm以上100μm以下であることが好ましく、特に20μm以上30μm以下であることがより好ましい。上記外側塗装膜40oの膜厚を5μm以上とすることで、内側塗装膜40iを十分保護することができる。また、上記膜厚を100μm以下とすることで、膜厚が厚くなりすぎず、外側塗装膜40oの剥離を抑制することができる。
塗装膜40(内側塗装膜40i及び外側塗装膜40o)のガラス転移点Tgは、例えば、示差走査熱量分析(DSC:Differential Scanning Calorimetry)を行うことで求めることができる。具体的には、上述のように、Mg基材10に保護膜30、内側塗装膜40i、外側塗装膜40oを順に積層したMg基被覆部材1を、酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸など)に浸漬させ、Mg基材10を溶解させて塗装膜40を取り出す。そして、取り出した塗装膜40に対して示差走査熱量分析を行うことで求めることができる。
これら内・外の両塗装膜の構成樹脂は、その架橋反応温度が、互いに同様の温度域であることが好ましい。上記樹脂の架橋反応温度が互いに同様の温度域であれば、保護膜30と内側塗装膜40iとの密着性、および、内側塗装膜40iと外側塗装膜40oとの密着性をそれぞれ向上することができる。したがって、両塗装膜の構成樹脂の架橋反応温度が同様の温度域となるように、各樹脂の組成や触媒、硬化剤の種類や添加量を調整することで、両塗装膜の密着性をより向上させることができる。
Mg基被覆部材1は、Mg基材10に、順次保護膜30、内側塗装膜40iおよび外側塗装膜40oを被覆することで製造される。その製造方法は、以下に示す下地形成工程と、塗装工程とを経る。
下地形成工程では、上述した酸化物からなる透明な保護膜30を、その膜厚が0.05μm以上となるようにMg基材10の直上に形成する。その保護膜30を形成する手段として、代表的には、化成処理や陽極酸化処理などが挙げられる。そうすることで、上記規定の膜厚を有する上記保護膜30をMg基材10の表面に均一に形成することができる。
塗装工程では、内側塗装膜40iと外側塗装膜40oを順次塗装する。
上述した工程に加えて、上記下地形成工程前に、脱脂、エッチング、脱スマット、表面調整などの表面処理を必要に応じて適宜施してもよい。
Mg基被覆部材1に、プレス加工などの塑性加工を施すことで、Mg基被覆部材1の成形品を得ることができる。塑性加工は、用途に応じて必要な方法を施すことが好ましい。具体的には、深絞り加工などの絞り加工が挙げられる。このような塑性加工をMg基被覆部材1に施したとしても、上記Mg基被覆部材の外側は、ガラス転移点Tgの高いアクリル系樹脂からなる外側塗装膜40oで被覆されているので、耐傷性に優れるため、摩擦による摩耗や、衝撃による被覆膜の剥離、あるいは、割れなどを防止して、Mg基材10の表面にすれ疵を発生させることがない。つまり、Mg基被覆部材1の金属質感を損ねずに、成形品を形成することができる。そのため、複雑な形状の成形品を得ることもできる。
上述した実施形態に係るMg基被覆部材、およびMg基被覆部材の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
次のMg基被覆部材を作製した。Mg基材は、Mg−9.0質量%Al−1.0質量%Znを含有するAZ91相当の組成を持つMg合金板を使用する。まず、そのMg合金板の直上に、以下に示す条件でMg基材に保護膜を形成した。保護膜の膜厚は、0.09μmであった。次に、保護膜形成後1日以内に保護膜上に内側塗装膜、その内側塗装膜上に外側塗装膜を順次塗装して塗装膜を形成し、Mg基被覆部材を製造する。そのMg基被覆部材を製造するに際し、表1に示すように、塗装膜の塗装手段、焼付温度、膜厚、構成樹脂の種類、ガラス転移点Tgのそれぞれを種々変更して試料1〜13のMg基被覆部材を製造した。各試料に対し、以下に示す条件で、耐食性の測定試験として塩水噴霧試験と人工汗試験を、耐傷性の測定試験として落砂試験を、密着性の測定試験として塩水噴霧試験後と人工汗試験後とでそれぞれ二次密着試験を施した。
脱脂2:60%NaOH+20%Na3PO4+15%キレート剤+5%界面活性剤を50g/lとした希釈水溶液の攪拌下、50℃、3分
化成処理:30%NaOH+5%コロイダルアルミナ+3%界面活性剤を300ml/lとした希釈水溶液の攪拌下、85℃、7分
後処理:10%Na4SiO4+2%界面活性剤を200ml/lとした希釈水溶液の攪拌下、50℃、3分
乾燥:110℃、30分
[塩水噴霧試験]
上記試料1〜13の各試料に、「塩水噴霧試験方法 JIS Z 2371(2000)」に定められた試験方法によって塩水噴霧試験を施す。この試験では、試験後のMg基材の腐食や被覆膜に膨れが見られない場合に耐食性が良好であるとする。
塩水濃度:5%
試験温度:35℃
試験時間:100h
上記試料1〜13の各試料に、耐食性を測定する試験として、人工汗試験を施す。この人工汗試験は、各試料1〜13を以下に示す人工汗液に、以下に示す条件で浸すことで行う。この試験では、試験後のMg基材の腐食や被覆膜に膨れが見られない場合に耐食性が良好であるとする。
人工汗液:リン酸2ナトリウム(0.8%)+塩化ナトリウム(0.8%)+酢酸(0.5%)+蒸留水(97.9%)
試験温度:40℃
試験時間:100h
[落砂試験]
上記試料1〜13の各試料に、「建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法(落砂法) JIS A 1452(1972)」に準じた試験方法によって耐傷性試験を施す。この試験によって、各試料の基材表面が露出するまでの時間を計測し、この時間と摩耗前の被覆膜の膜厚とから1分当たりの摩耗膜厚を求めて、評価結果が、被覆膜の膜厚に影響を受けないように、各試料の耐傷性を比較する。この試験では、被覆膜の摩耗が2μm/min以下なら耐傷性が良好(○)であり、被覆膜の摩耗が1.8μm/min以下なら耐傷性が優良(◎)とする。
砥粒の材質:SiC
砥粒の粒度:425μm
砥粒の噴射量:400g/min
[二次密着試験]
上記塩水噴霧試験を施した試料及び人工汗試験を施した試料のそれぞれに対し、密着性を測定する試験として、「塗料一般試験方法‐第5部:塗膜の機械的性質‐第6節:付着性(クロスカット法) JIS K5600−5−6(1999)」に準じて以下の試験条件で二次密着試験を施す。具体的には、Mg基被覆部材の被覆膜に格子状に切込みを入れ、その上にテープを貼ってテープを引き剥がす。切込み数、及び切込み間隔は以下に示す。この試験では、試験後のMg基被覆部材における切込み領域において、切込みの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれが見られない場合に密着性が良好(○)、切込みの交差点に小さな剥がれが見られる場合や、格子の目が1個でも剥離している場合に密着性(×)とする。ここで剥離とは、基材から被覆膜、保護膜から塗装膜、若しくは、内側塗装膜から外側塗装膜のいずれかが剥がれた場合とする。
切込み数:格子の各方向に11本ずつ
切込み間隔:1mm
[塩水噴霧試験結果]
塩水噴霧試験を行った結果、全般に、Mg基材の腐食や、被覆膜の膨れが見られなかった。
人工汗試験を行った結果、試料3、4、7〜11、13は、Mg基材の腐食や、被覆膜の膨れが見られなかった。一方、試料1、2、5、6、12は、Mg基材の腐食や被覆膜の膨れが見られた。
[落砂試験結果]
落砂試験を行った結果、試料1〜9、13は、被覆膜の摩耗が2μm/min以下であり、その中でも特に試料4、8は摩耗し難く耐傷性により優れる結果となった。一方、試料10〜12は、被覆膜の摩耗が2μm/min超であった。
[二次密着試験結果]
塩水噴霧試験後に二次密着試験を行った結果、全般にMg基材の腐食や被覆膜の膨れが見られず、全般に剥離も見られなかった。一方、人工汗試験後に二次密着試験を行った結果、試料3、4、7〜11、13には剥離が見られず、試料1、2、5、6、12には小さな剥離が見られた。
以上の試験結果より、塗装膜をガラス転移点Tgが30℃以上のアクリル系樹脂からなる内側樹脂膜と、ガラス転移点Tgが55℃超で、かつ内側塗装膜よりも高いガラス転移点Tgのアクリル系樹脂からなる外側塗装膜との2層構造とすることで、耐食性及び密着性により優れるMg基被覆部材が得られる。その上、被覆膜が透明であるので、Mg基材自体の色合いや風合いを感じることができ、金属質感にも優れるMg基被覆部材が得られる。そして、この中でも特に、内側塗装膜の構成樹脂のガラス転移点Tgが70℃以下で、外側塗装膜の構成樹脂のガラス転移点Tgが60℃以上90℃未満である場合は、耐食性に加えて、耐傷性がより優れるMg基被覆部材が得られることが判明した。
次のMg基被覆部材を作製した。Mg基材は、Mg−9.0質量%Al−1.0質量%Znを含有するAZ91相当の組成を持つMg合金板Aと、Mg−3.0質量%Al−1.0質量%Znを含有するAZ31相当の組成を持つMg合金板Bとを使用する。これらMg基材の直上に試験例1と同様の条件で保護膜を形成する。その際、上記脱脂1と同様の処理を施した後、表3に示すように、上記脱脂2、化成処理、及び後処理の時間をそれぞれ変更して試料21〜28を作製した。各試料の保護膜の膜厚は、表3に示す値であった。また、各試料における保護膜の構成元素は、XPSで分析したところ表4に示す結果であった。続いて、保護膜形成後1日以内に試験例1の試料4(表1)と同様の方法で同様の塗装膜を塗装した。
[塩水噴霧試験結果]
塩水噴霧試験を行った結果、全般にMg基材の腐食や、被覆膜の膨れが見られなかった。
人工汗試験を行った結果、試料23〜25、27、28は、Mg基材の腐食や被覆膜の膨れが見られなかった。一方、試料21、22、26は、Mg基材の腐食や被覆膜の膨れが見られた。
[二次密着試験結果]
塩水噴霧試験後に二次密着試験を行った結果、試料26以外の試料には剥離が見られなかった。試料21で剥離せず試料26で剥離したのは、試料21の基材のAl含有量が9質量%程度であるのに対し、試料26では3質量%程度であり、保護膜形成条件及び塗装膜形成条件が互いに同一であることから、基材のAl含有量の違いによるものと考えられる。一方、人工汗試験後に二次密着試験を行った結果、試料23〜25、27、28は剥離が見られず、試料21、22、26には小さな剥離が見られた。
次のMg基被覆部材を作製した。ここでは、試験例2で作製した試料24、25、28のそれぞれと同様の試料31〜33を作製する。但し、試料31〜33は、塗装膜を塗装するにあたり、保護膜の形成から1日以内に塗装膜を塗装した試料24、25、28に対して、保護膜の形成から1週間後に塗装膜を塗装した点が異なる。そして、試料31〜33に対し、塩水噴霧試験を施した後と人工汗試験を施した後とでそれぞれ試験例1、2と同様の二次密着試験を施した。塩水噴霧試験及び人工汗試験の試験条件は試験例1、2と同様とした。その結果を表6に示す。表6では、試験例2の試料24、25、及び28の結果も合わせて示す。
[二次密着試験結果]
塩水噴霧試験後に二次密着試験を行った結果、全般にMg基材の腐食や被覆膜の膨れが見られず、全般に剥離も見られなかった。一方、人工汗試験後に二次密着試験を行った結果、試料31以外は、Mg基材の腐食及び被覆膜の膨れや剥離が見られず、試料31には剥離が見られた。
10 Mg基材
20 被覆膜
30 保護膜
40 塗装膜 40i 内側塗装膜 40o 外側塗装膜
Claims (9)
- マグネシウムを主体とする基材と、この基材を保護するための被覆膜とを具えるマグネシウム基被覆部材であって、
前記被覆膜は、前記基材直上に設けられる透明な保護膜と、前記保護膜上に設けられる透明な塗装膜とを具え、
前記保護膜は、
酸化物と共にアルミニウム及びマグネシウムを含有し、アルミニウムとマグネシウムの質量%での含有量比Al/Mgが、0.15≦Al/Mgであり、
その膜厚が0.05μm以上であり、
前記塗装膜は、前記基材側に形成される内側塗装膜、および、この内側塗装膜上に形成される外側塗装膜を有し、
前記内側塗装膜は、ガラス転移点Tgが30℃以上のアクリル系樹脂からなり、
前記外側塗装膜は、ガラス転移点Tgが55℃超で、かつ前記内側塗装膜よりもガラス転移点が高いアクリル系樹脂からなるマグネシウム基被覆部材。 - マグネシウムを主体とする基材と、この基材を保護するための被覆膜とを具えるマグネシウム基被覆部材であって、
前記被覆膜は、前記基材直上に設けられる透明な保護膜と、前記保護膜上に設けられる透明な塗装膜とを具え、
前記保護膜は、酸化物に加えてケイ素を3質量%以上含有し、その膜厚が0.05μm以上であり、
前記塗装膜は、前記基材側に形成される内側塗装膜、および、この内側塗装膜上に形成される外側塗装膜を有し、
前記内側塗装膜は、ガラス転移点Tgが30℃以上のアクリル系樹脂からなり、
前記外側塗装膜は、ガラス転移点Tgが55℃超で、かつ前記内側塗装膜よりもガラス転移点が高いアクリル系樹脂からなるマグネシウム基被覆部材。 - 前記保護膜は、ケイ素を3質量%以上含有する請求項1に記載のマグネシウム基被覆部材。
- 前記内側塗装膜を構成するアクリル系樹脂のガラス転移点Tgは、70℃以下で、
前記外側塗装膜を構成するアクリル系樹脂のガラス転移点Tgは、60℃以上90℃未満である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。 - 前記塗装膜における少なくとも外側塗装膜は、アクリルメラミン系樹脂からなる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。
- 前記内側塗装膜の膜厚が、5μm以上30μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。
- 前記外側塗装膜の膜厚が、5μm以上100μm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。
- 前記保護膜の膜厚が、5μm以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。
- 前記基材は、アルミニウムを3質量%以上含有するマグネシウム合金からなる請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のマグネシウム基被覆部材。
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