JP2017210635A - マグネシウム部材およびその製品 - Google Patents
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Description
一方で、マグネシウムまたはマグネシウム合金は、比較的活性が高く、酸素や水分によって、表面の酸化や腐食が生じやすいため、変色し金属光沢を失いやすい。そのため、マグネシウムまたはマグネシウム合金を部材として用いる場合には、マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる基材の表面に表面処理を施して、耐久性を向上させている。
しかしながら、化成処理では、マグネシウムまたはマグネシウム合金の組成や表面状態などによって反応性が影響されやすく、均一な皮膜を形成しにくく、また、形成する皮膜の膜厚の制御が困難である。形成する皮膜が厚くなりすぎると、十分な耐久性を付与することはできるが、マグネシウムの表面が溶解により粗面化され、金属光沢が損なわれる一方で、形成する皮膜が薄くなりすぎると、欠陥が多い膜となり十分な耐久性を付与できない傾向がある。このため、化成処理後に、黒色やシルバーの有機系塗料を使用して塗装されることが一般的だが、マグネシウムまたはマグネシウム合金の金属質感を活かすために有機系塗料によるクリア塗装を施す場合、塗装の下地が見えるため、マグネシウムの変色がよくわかり意匠性が低下する課題があった。また、化成処理にて一般的に形成されるリン酸塩皮膜は、皮膜自体が黄変しやすいとう課題もあった。
<1> マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる基材と、前記基材の表面に形成された非透水性の無機系透明保護膜と、を有するマグネシウム部材であって、前記基材の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.30μm〜25μmであり、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、前記マグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00であるマグネシウム部材。
<2> 前記基材の表面の最大高さ粗さ(Rz)が1.60μm〜100μmである前記<1>に記載のマグネシウム部材。
<3> CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、熱サイクル試験後の前記マグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00である前記<1>または<2>に記載のマグネシウム部材。
<4> 前記マグネシウム部材の熱サイクル試験前後の色差(△E=√((試験前のL*値−試験前のL*値)2+(試験前のa*値−試験前のa*値)2+(試験前のb*値−試験前のb*値)2))が6.5以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<5> 前記無機系透明保護膜の膜厚が5μm〜35μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<6> 前記基材の表面が、ヘアライン形状である前記<1>から<5>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<7> 前記無機系透明保護膜が、シリカ質膜である前記<1>から<6>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<8> 前記無機系透明保護膜が、撥水性を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<9> 前記基材が、チクソモールド成形体である前記<1>から<8>のいずれかに記載のマグネシウム部材。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のマグネシウム部材を含むマグネシウム製品。
本発明は、マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる基材と、前記基材の表面に形成された非透水性の無機系透明保護膜と、を有するマグネシウム部材であって、前記基材の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.30μm〜25μmであり、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、前記マグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00であることを特徴とするマグネシウム部材(以下、「本発明のマグネシウム部材」と記載する場合がある。)に関する。
本発明のマグネシウム部材は、局所的な粗さの影響を受けにくい算術平均粗さ(Ra)が上記の数値範囲を有しているので、金属質感を維持しつつ、マグネシウム基材と透明保護膜との面内の密着性のむらが少なく、より均一に密着するので、マグネシウム基材と透明保護膜との密着性を強固なものとすることができ、脆弱部からのマグネシウムの変色、劣化が抑制されると推察される。
また、マグネシウム基材の表面には、無機系透明保護膜が形成されているので、有機系透明保護膜と比較して、高温、低温、高湿、低温の繰り返しのような環境変化が大きい条件下でも透明保護膜の劣化がなくマグネシウムの腐食が抑制され、また、透明保護膜自体が変色しにくいので、金属質感が損なわれにくいと推察される。
なお、熱サイクル試験とは、一般的に自動車部品の使用環境下での複合サイクル試験のことであり、本明細書において、熱サイクル試験とは、[1]高温:85℃16時間、[2]低温:−20℃8時間、[3]高湿50℃98%以上16時間、[4]低温:−20℃8時間を1サイクルとして、3サイクル実施する試験である。
熱サイクル試験後のマグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00である場合、より長期の使用において、安定してマグネシウム本来の金属質感を維持することができる。
なお、この値は、熱サイクル試験([1]高温:85℃16時間、[2]低温:−20℃8時間、[3]高湿50℃98%以上16時間、[4]低温:−20℃8時間を1サイクルとして、3サイクル実施する試験)前後で色差を求めたときの値である。
熱サイクル試験前後の色差が6.5以下である場合、より長期の使用において、安定してマグネシウム本来の金属質感を維持することができる。
本発明のマグネシウムまたはマグネシウム合金(以下、「マグネシウム合金など」と記載する場合がある。)からなる基材は、原料のマグネシウム合金などを成形したチクソモールド成形体、ダイカスト成形体、圧延成形体およびそれらの成形体を用いた展伸材や鋳造素材、鍛造素材および粉末焼結や3Dプリンターによる積層造形法による成形体などを用いることができ、結晶粒系が小さく、より耐食性に優れているため、チクソモールド成形体を用いることが好ましい。
なお、「ヘアライン加工」とは、単一方向に髪の毛のような細い溝をつける加工を意味し、「ヘアライン形状」とは、単一方向に髪の毛のような細い線を有する形状を意味し、ヘアライン加工により成形できる。
本発明のマグネシウム部材を構成する無機系透明保護膜(以下、「本発明の無機系透明保護膜」と記載する場合がある。)は、マグネシウム合金などからなる基材の表面に形成された非透水性の膜(例えば、塗装膜など)であり、いわゆる化成処理皮膜や陽極酸化皮膜のようなマグネシウムを溶解、化学反応や電気化学的反応させ、マグネシウムの表面に形成させる膜は含まない。
なお、本明細書において、「非透水性」とは、完全に水や水蒸気を通さないという意味ではなく、本発明のマグネシウム部材が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、L*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00を維持できる程度に水や水蒸気を通さないことを意味する。
本発明の無機系透明保護膜は、マグネシウム部材の使用用途やマグネシウム基材の性質に合わせて、適宜、硬度や膜密度などを調整すればよい。
上記化学式において、R1としては、ビニル、3−グリシドキシプロピル、3−グリシドキシプロピルメチル、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル、p−スチリル、3−メタクリロキシプロピル、3−メタクリロキシプロピルメチル、3−アクリロキシプロピル、3−アミノプロピル、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル、3−トリエトキシシリル―N−(1、3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N―フェニル―3−アミノプロピル、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル―3−アミノプロピル、トリス―(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピル、3−メルカプトプロピル、3−メルカプトプロピルメチル、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピル、3―プロピルコハク酸無水物などを例示できる。
また、無機系透明保護膜は、保護膜形成剤の他に、本発明の目的を達成できる範囲であれば、硬化剤などの適宜添加剤を含んでも良い。
本発明のマグネシウム部材は、特に限定されず、公知の方法を組み合わせて製造することができる。例えば、本発明のマグネシウム部材は、マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる基材の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.30μm〜25μmとなるように表面加工する工程と、前記基材の表面に非透水性の無機系透明保護膜を形成する工程と、を含む製造方法により製造できる。
特に、チクソモールド法は、寸法精度よく、機械的性質や表面特性が優れたマグネシウム基材を製造し易いため、チクソモールド法により製造されたマグネシウム基材は、本発明のマグネシウム基材として特に好適に用いられる。チクソモールド法により製造されたマグネシウム基材は、金属光沢が得やすい。
公知のチクソモールド法、ダイカスト法、圧延などにより製造されたマグネシウム基材は、必要に応じて、研磨などの処理を行った後に、マグネシウム基材の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.30μm〜25μmに加工する。
マグネシウム基材の表面を算術平均粗さ(Ra)が0.30μm〜25μmとするための表面加工は、適宜選択することができ、基材を成形する際の金型表面に溝を入れ成型時に基材に転写する工法、基材を成形後に切削や研削で溝を付加する工法、基材を成形後にブラッシングやショットピーニングで溝を付加する工法、基材を成形後に酸を用いた腐食加工などが挙げられる。具体的には、ヘアライン加工、ダイヤカット加工、スピンカット加工、ショットブラスト加工、およびエッチング加工などの表面加工処理などがあげられる。
マグネシウム基材の表面は、これらの表面加工のうち1種で加工されてもよいし、複数種を組み合わせて加工されてもよい。
本発明の無機系透明保護膜を形成させる方法については、本発明の目的を達成することができれば、湿式法でも乾式法でもよく、特に限定的ではないが、マグネシウム基材と、形成される無機系透明保護膜との密着性がより優れたものとなるため湿式法を用いることが好ましい。
溶媒は、適宜選択可能で、水や、アルコール系、グリコール系、グリコールエーテル系、エーテル系、エーテルアルコール系、ケトン系などの有機溶剤を用いることが好ましい。
保護膜形成液における保護膜形成剤の濃度については、限定的ではないが、0.1〜50重量%程度である。
耐食性のより優れた無機系透明保護膜を形成するためには、保護膜形成液には、硬化剤などの触媒を添加することが好ましく、触媒としては、酸、塩基、有機金属化合物などを用いることができる。触媒の配合量は、特に限定的ではないが、保護膜形成液の全体を基準として、通常、0.01〜20重量%程度とすればよく、0.1〜10重量%程度とすることが好ましい。これらの触媒は、一種単独または二種以上混合して用いることができる。
また、アルコキシシランやアルコキシシラン縮合物は、水を加えることでアルコキシシランやアルコキシシラン縮合物が加水分解し、縮重合が進行して、シリカ質膜を形成することができるが、水の量が多すぎると均一なシリカ質膜を形成しにくくなるので、保護膜形成剤を、適当な有機溶媒に溶解し調製した液に、更に、水および触媒を加えて、保護膜形成液を調整する。水の添加量については、通常、アルコキシシラン縮合物を含有する保護膜形成液の全体を基準として、0.1〜20重量%程度とすればよい。
本発明のマグネシウム製品は、上述したマグネシウム部材を含む製品であり、その使用用途は特に限定されない。本発明のマグネシウム部材は、マグネシウム基材の表面粗さや、無機系透明保護層の膜厚、組成を調整することで、耐水性に加え、耐酸性や耐アルカリ性、熱サイクル耐性、塩水耐性、耐油脂汚染性などの特性を使用用途に応じて調整できるため、マグネシウム製品として様々な用途への応用が可能である。このようなマグネシウム製品としては、具体的には、航空機、鉄道車両、自動車などの輸送機器の部品、テレビや冷蔵庫などの家電製品、ノート型パーソナルコンピュータやカメラなどの携帯用機器の筐体、建築の内装部材、医療機器、ゴルフや釣り具などのレジャー品などの用途に用いられる部材が挙げられる。
[密着性試験]
JIS K−5600−5−6に準拠して、マグネシウム基材と無機系透明保護膜との密着性を求めた。各正方形内の塗膜の50%以上が剥離したマスの数を調べた。剥離したマスの剥離が起こった界面を調べ、マグネシウム基材と無機系透明保護膜との間で剥離したマスの数が0〜5のものを○、剥離したマスの数が6〜20のものを△、剥離したマスの数が21〜100のもの×とした。
JIS K5600−5−4に準拠して評価を行なった。
JIS D 0202:1988 自動車部品の塗膜通則に準拠して下記表1の条件で実施した。硫酸の10%溶液に24時間浸漬した後取り出し、更に空気中に1時間以上放置してから、外観を目視評価した。外観を目視評価した際に、試験前後で変化なしを○、跡付き、変色、溶解または縮み、ブリスター、剥がれが生じたものを×とした。
JIS D 0202:1988 自動車部品の塗膜通則に従って下記表2の条件で実施した。蒸留水に240時間浸漬した後、1時間以内に外観を目視評価した。外観を目視評価した際に、試験前後で変化なしを○、跡付き、変色、溶解または縮み、ブリスター、剥がれが生じたものを×とした。
[1]高温:85℃16時間、[2]低温:−20℃8時間、[3]高湿50℃98%以上16時間、[4]低温:−20℃8時間の1サイクルとして、3サイクル実施したものの外観を目視評価した際に、試験前後で変化なしを○、跡付き、変色、溶解または縮み、ブリスター、剥がれが生じたものを×とした。
JIS Z2371−2015に準拠して、中性塩水噴霧試験を実施した。
所定数のマグネシウム部材(1)を下記方法にて製造した。
<マグネシウム部材(1)の製造>
ヘアライン加工を施したマグネシウム部材(140mm×40mm×4mm)を用意した。この基材の表面の表面粗さを、サーフコム5000DX(東京精密)を用いて、JIS B 0601−2013に準拠して求めたところ、算術平均粗さ(Ra)は0.59μmであり、最大高さ粗さ(Rz)は4.51μmであった。
製造したマグネシウム部材(1)の上記評価を行った。また、CIE1976(L*,a*,b*)色空間においての、マグネシウム部材(1)のL*値、a*値、b*値は、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM−700dを用いた。
上述した方法にしたがって、マグネシウム部材(1)を製造直後に、初期密着性を評価した結果、剥離は観察されず、マグネシウム部材(1)は、マグネシウム基材と無機系透明保護膜との密着性が優れていることが確認された。
鉛筆硬度は、3Hであった。
試験前のマグネシウム部材(1)は、L*=90.77、a*=−0.53、b*=−0.25であった。上述した方法にしたがって、耐酸性を評価したところ、外観目視では、変色はなかった。さらに、試験後のマグネシウム部材(1)は、L*=90.37、a*=−0.01、b*=−0.15であり、試験前と試験後との色差(△E)を算出したところ、△E=0.66であり、良好な結果を得た。
また、密着性評価では、剥離は観察されなかった。
試験前のマグネシウム部材(1)は、L*=89.75、a*=−0.20、b*=0.89であった。上述した方法にしたがって、耐水性を評価したところ、外観目視では、僅かに湯じわが見られたものの、変色は観察されなかった。さらに、試験後のマグネシウム部材(1)は、L*=89.44、a*=0.03、b*=0.52であり、試験前と試験後との色差(△E)を算出したところ、△E=0.53であり、良好な結果を得た。
また、密着性評価では、剥離は観察されなかった。
試験前のマグネシウム部材(1)は、L*=90.62、a*=−0.22、b*=0.09であった。上述した方法にしたがって、評価したところ、外観目視では、変色は観察されなかった。さらに、試験後のマグネシウム部材(1)は、L*=90.34、a*=−0.12、b*=0.13であり、試験前と試験後との色差(△E)を算出したところ、△E=0.30であり、良好な結果を得た。
また、密着性評価では、剥離は観察されなかった。
上述した方法にしたがって、塩水噴霧試験を実施したところ、外観目視では、変色はなかった。
実施例1において、ヘアライン加工の条件を変更した以外は同様にして、実施例2のマグネシウム部材(2)を得た。
マグネシウム部材(2)のマグネシム合金の表面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ粗さ(Rz)を、表3に示す。
また、実施例1と同様にして、マグネシウム部材(2)を密着性試験、鉛筆硬度、耐酸性試験、耐水性試験、熱サイクル試験、塩水噴霧試験により評価したところ、マグネシウム部材(2)についても、透明保護膜との密着性に優れ、また、優れた耐水性を有しており、各劣化試験後も金属質感を維持していた。
実施例1において、ヘアライン加工の条件を変更した以外は同様にして、比較例1、2のマグネシウム部材を得た。
比較例1、2のマグネシウム部材のマグネシム合金の表面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ粗さ(Rz)は、表1に示す。
また、実施例1と同様にして、比較例1のマグネシウム部材を密着性試験、鉛筆硬度、耐酸性試験、耐水性試験、熱サイクル試験、塩水噴霧試験により評価した。結果を表3に示す。
ヘアライン加工を施したマグネシウム部材を用意した。この基材の表面の表面粗さを、サーフコム5000DX(東京精密)を用いて、JIS B 0601−2013に準拠して求めたところ、算術平均粗さ(Ra)は0.42μmであり、最大高さ粗さ(Rz)は3.44μmであった。
さらに、アクリル/シリコン系塗料(キング、武蔵塗料株式会社)を塗工、加熱処理し、マグネシウム基材の表面に膜厚50μmのアクリル/シリコン系保護膜が形成されたマグネシウム部材を得た。
実施例1と同様にして、比較例3のマグネシウム部材を密着性試験、鉛筆硬度、耐酸性試験、熱サイクル試験、塩水噴霧試験により評価した。結果を表3に示す。
ヘアライン加工を施したマグネシウム部材を用意した。この基材の表面の表面粗さを、サーフコム5000DX(東京精密)を用いて、JIS B 0601−2013に準拠して求めたところ、算術平均粗さ(Ra)は0.41μmであり、最大高さ粗さ(Rz)は3.13μmであった。
次に、アクリルウレタン系塗料(オリジンツーク#100、オリジン電気株式会社)を塗工、加熱処理し、マグネシウム基材の表面に20μmのアクリルウレタン系保護膜を形成させたマグネシウム部材を得た。
実施例1と同様にして、比較例4のマグネシウム部材を密着性試験、鉛筆硬度、耐酸性試験、熱サイクル試験、塩水噴霧試験により評価した。結果を表3に示す。
Claims (10)
- マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる基材と、前記基材の表面に形成された非透水性の無機系透明保護膜と、を有するマグネシウム部材であって、
前記基材の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.30μm〜25μmであり、
CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、前記マグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00である
ことを特徴とするマグネシウム部材。 - 前記基材の表面の最大高さ粗さ(Rz)が1.6μm〜100μmである請求項1に記載のマグネシウム部材。
- CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、熱サイクル試験後の前記マグネシウム部材のL*値が75以上、a*値が−2.00〜2.00、かつb*値が−2.00〜2.00である請求項1または2に記載のマグネシウム部材。
- 前記マグネシウム部材の熱サイクル試験前後の色差(△E=√((試験前のL*値−試験前のL*値)2+(試験前のa*値−試験前のa*値)2+(試験前のb*値−試験前のb*値)2))が6.5以下である請求項1から3のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 前記無機系透明保護膜の膜厚が5μm〜35μmである請求項1から4のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 前記基材の表面が、ヘアライン形状である請求項1から5のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 前記無機系透明保護膜が、シリカ質膜である請求項1から6のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 前記無機系透明保護膜が、撥水性を有する請求項1から7のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 前記基材が、チクソモールド成形体である請求項1から8のいずれかに記載のマグネシウム部材。
- 請求項1から9のいずれかに記載のマグネシウム部材を含むマグネシウム製品。
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