JP4616342B2 - 液体サンプル操作用システムにピペットまたはディスペンサチップを配置するための装置および方法 - Google Patents
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Description
本発明は、独立請求項1および12それぞれの前段部に記載されるような、液体サンプル操作用システムにピペットまたはディスペンサチップ(ピペット先端部またはディスペンサ先端部)を配置するための装置および方法に関する。この種の装置は、ピペットまたはディスペンサチップを、システム内またはシステム上に配置されたサンプル容器に関してX方向およびX方向と実質的に直交するY方向に配向するためのロボットマニピュレータを備える。その装置はさらに、実質的に垂直に延びるピペットまたはディスペンサチップを備え、上記X方向および上記Y方向と実質的に直交するZ方向に昇降させることができる。この装置はまた、ロボットマニピュレータを移動させる駆動装置と、そのロボットマニピュレータおよび/またはピペットまたはディスペンサチップの移動および動作を制御するプロセッサを備える。
上記装置は、
・ピペットまたはディスペンサチップを、システム内またはシステム上に配置されたサンプル容器に関してX方向およびX方向と実質的に直交するY方向に配向するためのロボットマニピュレータと、
・実質的に垂直に延び、かつ上記X方向および上記Y方向と実質的に直交するZ方向に昇降させることのできるピペットまたはディスペンサチップと、
・上記ロボットマニピュレータを移動させる駆動装置と、
・上記ロボットマニピュレータおよび/または上記ピペットまたはディスペンサチップの移動および動作を制御するプロセッサとを備えて成る。
本発明に係る上記装置は、少なくとも2つのピペットまたはディスペンサチップがマイクロプレートのウェルのグリッド間隔と実質的に一致する軸間距離を互いに隔てて上にそれぞれ配置された上記ロボットマニピュレータのアーム上に配置された少なくとも2つのブロックを含み、これらのブロックのうち少なくとも1つは、それら2つのブロックの上記ピペットまたはディスペンサチップが共通線に沿って交互かつ千鳥状に配向されるように、上記X方向および上記Y方向に個別に移動自在であるように構成される。
上記目的は、上記のような装置を使用して液体サンプル操作用のシステムにピペットまたはディスペンサチップを配置するための方法を提案していることにおいて本発明により達成される。
上記装置は、
・ピペットまたはディスペンサチップを、システム内またはシステム上に配置されたサンプル容器に関してX方向およびX方向と実質的に直交するY方向に配向するためのロボットマニピュレータと、
・実質的に垂直に延び、かつ上記X方向および上記Y方向と実質的に直交するZ方向に昇降させることのできるピペットまたはディスペンサチップと、
・上記ロボットマニピュレータを移動させる駆動装置と、
・上記ロボットマニピュレータおよび/または上記ピペットまたはディスペンサチップの移動および動作を制御するプロセッサとを備えて成る。
本発明に係る上記装置は、少なくとも2つのピペットまたはディスペンサチップがマイクロプレートのウェルのグリッド間隔と実質的に一致する軸間距離を互いに隔てて上にそれぞれ配置された上記ロボットマニピュレータのアーム上に配置された少なくとも2つのブロックを含む。
本発明の方法は、これらのブロックのうち少なくとも1つを、それら2つのブロック(8、9)の上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が共通線(12)に沿って交互かつ千鳥状に配向されて第第1の位置(I)をとるように、上記X方向および上記Y方向に個別に移動させることを含んで成る。
各従属請求項から、本発明に従う更なる特徴、変更および改良が導出される。
位置IIに対応するブロックの設定は、好ましくは、すべてのピペットチップ2が共通線12上に配置されるように選択する。ロボットマニピュレータのアーム7は、この仮想線12がウェル19の第1列の中央を通って延びるように十分遠くX方向に移動させる。好ましくは、ピペットチップ2からウェル19へ延びる細線によって示されているように(図3底部参照)、例えば、ブロック9において奇数番号(1、3、5、7)をもつピペットチップ2のみ、およびブロック8において偶数番号(2、4、6、8)をもつピペットチップ2のみを今回の吸引のために選択する。18mmのピペットチップ2間の軸間距離10"がこのようにして定義されるが、これは対象とした24ウェルマイクロプレートのウェルのグリッド間隔と精確に一致する。2つのブロック8、9もまた、選択されたピペットチップ2が対応するウェル19の中心より上になるように十分遠くY方向に移動させなければならない。次いで、選択されたピペットチップ2を24個のウェル19を有する2つのマイクロプレート18の第1列のウェル19内に下降させる。
すべてのピペットチップ2を共通線12上に配置しておく。位置IIに従うブロック8、9の設定は、ブロック8、9間の中間スペース20が今回下降させようとしているピペットチップ2に適応したものとなるよう十分に変更を加えるだけである。この目的において、ブロック8、9をふさわしいだけY方向に移動させる。ロボットマニピュレータのアーム7を、仮想線12がウェル19の第2列の中央を通って延びるように十分遠くX方向に移動させる。ブロック9において偶数番号(2、4、6、8)をもつピペットチップ2のみ、およびブロック8において奇数番号(1,3,5,7)をもつピペットチップ2のみを今回の吸引のために選択する。18mmのピペットチップ2間の軸間距離10"このようにして定義されるが、これは対象とした24ウェルマイクロプレートのウェルのグリッド間隔と精確に一致する。2つのブロック8、9の選択されたピペットチップ2が、今度は、対応するウェル19の中心より上になる。次いで、選択されたピペットチップ2を24個のウェル19を有する2つのマイクロプレート18の第2列のウェル19内に下降させる。
こうして2つのブロック8、9の16個すべてのピペットチップが第1の所定量の吸引液体サンプルを含有する。それらのサンプルは、次の表1から分かるように、2つのマイクロプレートに由来するものである。この例では、左のマイクロプレートのウェル列がアラビア数字で番号付けされており、右のマイクロプレートのウェル列はローマ数字で番号が付けられている。各列のウェルは、いずれの場合も、文字A−Dで始まる左先頭部から識別される(図3参照)。
すべてのピペットチップ2を、今度は、位置IIIに対応して2つのライン12、12’上に配置する。位置IIIに従うブロック8、9の設定は、2つのブロック8、9のピペットチップ2が正確に対向し、2つのライン12、12’がピペットチップ2の軸間距離10が9mmで互いに離間するように変更する。この目的において、ブロック8、9をふさわしいだけY方向に移動させる。さらに、ブロック8、9の少なくとも1つも、相対距離9mmとなるようにX方向に移動させなければならない。ロボットマニピュレータ5のアーム7を、この仮想線12または12’がそれぞれ対象となる96マイクロプレート18のウェル19の第1列または第2列の中央を通って延びるように十分遠くX方向に移動させる。さらに、2つのブロック8、9を、すべてのピペットチップが96ウェルマイクロプレートの対応するウェル19の中心を越えるまで、Y方向に一体的に移動させる。次いで、すべてのピペットチップ2を、同時に、96個のウェル19を有するマイクロプレート18の第1列または第2列のウェル19内に下降させる。
第2の所定量の液体を、各ピペットチップ2から96ウェルマイクロプレート18の第1列および第2列のウェル19内に、例えば、空気を介して、またはウェル19の表面との接触を介して、または既にそこにある液体を介して吐出する。液体サンプルの第1の量および第2の量は、同じ(96ウェルマイクロプレートへの単一の統合)でもよいし、異なる分量(複数の96ウェルマイクロプレート18への複数の統合)としてもよい。
ピペットまたはディスペンサチップ2を─第1、第2または第3の位置から第1の位置Iに至り─個々に下降させることにより、サンプルチューブ17から、または24ウェルマイクロプレートから96ウェルまたは384ウェルマイクロプレート18内への液体サンプル4のピペット転移を行うことができる。
3…システム
4…液体サンプル
5…ロボットマニピュレータ
6…サンプル容器
7…アーム
8,9…ブロック
10,14…軸間距離
11…作業テーブル
15…レール
16…キャリア
17…サンプルチューブ
18…マイクロプレート
19…ウェル
20…中間スペース
21…ラック
Claims (18)
- 液体サンプル(4)を操作するための液体取扱いシステム(3)であって、
ピペットまたはディスペンサチップ(2)を、システム(3)内またはシステム(3)上に配置されたサンプル容器(6)に関してX方向およびX方向と実質的に直交するY方向に配向するためのロボットマニピュレータ(5)と、
実質的に垂直に延び、かつ上記X方向および上記Y方向と実質的に直交するZ方向に昇降させることのできるピペットまたはディスペンサチップ(2)と、
上記ロボットマニピュレータ(5)を移動させる駆動装置と、
上記ロボットマニピュレータ(5)および/または上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)の移動および動作を制御するプロセッサとを備えて成る液体取扱いシステム(3)において、
上記液体取扱いシステム(3)は、上記ロボットマニピュレータ(5)の1つのアーム(7)上に若しくは2つのアーム(7)上に配置された少なくとも2つのブロック(8、9)を含み、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)のうち少なくとも2つは、マイクロプレート(18)のウェル(19)のグリッド間隔と実質的に一致する軸間距離(10)を互いに隔てて各ブロック(8、9)上に配置され、これらのブロック(8、9)のうち少なくとも1つは、少なくとも2つのブロック(8、9)の上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が共通線(12)に沿って交互かつ千鳥状に配向されるように、少なくとも上記X方向に個別に移動可能であるように構成されていることを特徴とする液体取扱いシステム。 - 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が、それらを支持する上記ブロック(8、9)上に移動不可に固定されており、上記ブロック(8、9)が上記Z方向に昇降できるように構成されていることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、ピペットまたはディスペンサチップ(2)が、それらを支持する上記ブロック(8、9)上に移動可能に固定されており、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)の各々は、上記Z方向に個別に昇降可能であるように構成されていることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、各ブロック(8、9)のうちの2つずつが実質的に同じ構成を有し、かつ互いに鏡面対称で配置されていることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項4に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が上記共通線(12)に沿って配置されるように、上記ブロック(8、9)が互いに中間スペース(20)を隔てて隣り合って配置することができることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項4に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が2つの離間したライン(12、12’)上に互いに対向するように、上記ブロック(8、9)を互いに距離(13)をおいて鏡面対称に対向して配置することができることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)の1ブロック(8、9)あたりの数が、2の整数倍、または4もしくは8であることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、1つのブロック(8、9)における上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)間の上記軸間距離(10)が4.5mm、9mm、または18mmであることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ロボットマニピュレータ(5)の上記1つのアーム(7)が、2つのブロック(8、9)を有し、上記液体取扱いシステム(3)の作業領域(11)の上記X方向に延びる少なくとも1つのレール(15)に移動可能に取り付けられることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項9に記載の液体取扱いシステム(3)において、上記2つのブロック(8、9)が、ピペットまたはディスペンサチップ(2)を支持し、実質的に上記作業領域(11)の全領域において上記X方向および上記Y方向に移動可能であることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記ロボットマニピュレータ(5)の上記2つのアーム(7)のそれぞれが、上記2つのブロック(8、9)の1つを有し、上記液体取扱いシステム(3)の作業領域(11)の上記X方向に延びる少なくとも1つのレール(15)に移動可能に取り付けられることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項11に記載の液体取扱いシステムにおいて、上記2つのブロック(8、9)が、ピペットまたはディスペンサチップ(2)を支持し、上記作業領域(11)の一部において上記X方向および上記Y方向に移動可能であることを特徴とする液体取扱いシステム。
- 請求項1に記載の液体取扱いシステム(3)において、ウェル(19)を有するマイクロプレート(18)またはサンプルチューブ(17)をその上に置く少なくとも1つのキャリア(16)または1つのラック(21)を含むことを特徴とする液体取扱いシステム。
- 液体サンプル(4)を操作するための液体取扱いシステム(3)にピペットまたはディスペンサチップ(2)を配置するための方法であって、
上記液体取扱いシステムが、ピペットまたはディスペンサチップ(2)を、上記システム(3)内または上記システム(3)上に配置されたサンプル容器(6)に関してX方向およびX方向と実質的に直交するY方向に配向するためのロボットマニピュレータ(5)と、実質的に垂直に延び、かつ上記X方向および上記Y方向と実質的に直交するZ方向に昇降させることのできるピペットまたはディスペンサチップ(2)と、上記ロボットマニピュレータ(5)を移動させる駆動装置と、上記ロボットマニピュレータ(5)および/または上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)の移動および動作を制御するプロセッサとを備える上記方法において、
上記液体取扱いシステム(3)が、上記ロボットマニピュレータ(5)の1つのアーム上に若しくは2つのアーム上に配置された少なくとも2つのブロック(8、9)を含み、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)のうち少なくとも2つは、マイクロプレート(18)のウェル(19)のグリッド間隔と実質的に一致する軸間距離(10)を互いに隔てて各ブロック(8、9)のそれぞれの上に配置され、
上記方法は、これらのブロック(8、9)のうち少なくとも1つを、少なくとも2つのブロック(8、9)の上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が共通線(12)に沿って交互に配向されて第1の千鳥状の位置(I)をとるように、少なくとも上記X方向に移動させるステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項14に記載の方法において、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が上記共通線(12)に沿って配置されて第2の直線状の位置(II)をとるように、2つのブロック(8、9)が互いに中間スペース(20)を隔てて隣り合って配置されることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法において、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が2つの離間したライン(12、12’)上に互いに対向して第3の四角の位置(III)をとるように、上記ブロック(8、9)を互いに距離(13)をおいて鏡面対称に対向して配置されることを特徴とする方法。
- 請求項14〜16のうちのいずれかに記載の方法において、液体サンプル(4)が、少なくとも1つのサンプル容器(6)から、または少なくとも1つのキャリアからピペットチップ(2)を用いて吸引され、上記ピペットチップ(2)が、上記千鳥状の位置、上記直線状の位置及び上記四角の位置(I、II、III)のうち少なくとも1つの位置に配置されることを特徴とする方法。
- 請求項14〜16のうちのいずれかに記載の方法において、液体サンプル(4)が、少なくとも1つのサンプル容器(6)内に、または少なくとも1つのキャリア上にピペットまたはディスペンサチップ(2)を用いて吐出され、上記ピペットまたはディスペンサチップ(2)が、上記千鳥状の位置、上記直線状の位置及び上記四角の位置(I、II、III)のうち少なくとも1つの位置に配置されることを特徴とする方法。
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