JP2001242183A - 液体試料処理装置 - Google Patents

液体試料処理装置

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JP2001242183A
JP2001242183A JP2000051828A JP2000051828A JP2001242183A JP 2001242183 A JP2001242183 A JP 2001242183A JP 2000051828 A JP2000051828 A JP 2000051828A JP 2000051828 A JP2000051828 A JP 2000051828A JP 2001242183 A JP2001242183 A JP 2001242183A
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suction
liquid
receiver
tip
liquid sample
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JP2000051828A
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Keisei Kimura
経世 木村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンタミネーションを低減し、液体試料を精度
良く分注できる液体試料処理装置を実現する。 【解決手段】容器1の底面との間で、底面には接触しな
いが、液滴の大きさより小さい距離だけ離間するように
ノズルの先端又はチップ9の先端を位置させ、予め定め
られた速度でノズル又はチップ9の先端に液滴を形成
し、液面とノズル又はチップ9とは接触しないが、液滴
の大きさより小さい距離離間するようにノズル又はチッ
プ9の先端を位置させた状態で液体試料を分注する。こ
のため、液体試料の飛散が防止されるばかりでなく、ノ
ズル又はチップ9の側面に液体が接触することが防止さ
れる。したがって、分注操作時のコンタミネーションを
低減し、同時に液体試料を精度よく分注することができ
る。さらに、液滴形成時の吐出速度より大きな速度で液
体を分注することにより、分注に要する時間を短縮する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料処理装置
に係わり、特に液体吐出時、分注される容器周辺へのコ
ンタミネーションを低減し、更には液体試料を精度良く
分注する液体試料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体試料処理装置は、例えば、試薬が収
容された試薬容器と、試薬が分注される受容器と、この
受容器に液体を分注する分注機構と、この分注機構を移
動させる駆動機構とを有する。
【0003】そして、上記分注機構は次のように作動す
る。先ず、分注機構は、試薬容器から所定量の試薬を吸
引する。次に、分注機構は、駆動機構により分注する受
容器上部或いは内部に移動する。更に、分注機構は、分
注機構内に保持した試薬を受容器に吐出する。そして、
最後に分注機構を所定の位置に戻して操作を終了する。
ここで、分注機構により分注される液体が吐出される
際、吐出された液体を容れる受容器底面或いは受容器内
の内容物に、吐出された液体が衝突して飛沫が発生する
ことがある。特に、受容器が単独でなく複数個配列され
ている場合、分注される受容器以外の受容器内に飛沫が
混入することが考えられる。これをコンタミネーション
という。
【0004】例えば、遺伝子を含む液体試料を分注する
場合、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術によって試
料中の遺伝子量を106倍以上に増幅できるため、10
-15 3単位或いはそれ以下のコンタミネーションによっ
て、その後の処理結果が全く異なることがある。
【0005】さらに、分注量が微量の場合、飛沫の発生
は分注精度を悪くする原因にもなる。従って、液体を分
注する技術では、液体吐出時の飛沫の発生を低減するこ
とが重要な問題となっている。液体試料の分注に関する
技術は、例えば、特開昭60−213865号公報、特
開昭61−56784号公報、特開昭63−17577
0号公報にそれぞれ示されている。
【0006】特開昭60−213865号公報による
と、試料を受容器底面で吐出して分注後、期待される受
容器内液水位にノズル先端が接触する高さにノズルを配
置し、さらに分注液を注入して試料を希釈する。
【0007】また、特開昭61−56784号公報によ
ると、第1のステップとして、吸入保持された試料を受
容器に吐出する前にノズル先端を洗浄槽の底面に接触さ
せてノズルの先端周辺部に付着した試料を取り除き、第
2のステップとして、受容器に吐出するとき、ノズル先
端部を受容器の底面に接触させ、ノズルより試料を受容
器内に吐出する。
【0008】また、特開昭63−175770号公報に
よると、ノズルが保持されたノズルホルダを複数本の筒
体で伸縮可能に構成し、筒体の最下端部に配設された筒
体を伸縮させる作動体の下端を固着する一方、作動体の
上端を巻き取り装置に連結し、巻取り装置を正逆回転制
御することで、ノズル先端が液面高さに応じて一定の浸
漬量となるように構成している。
【0009】なお、参考文献として、化学工学協会編:
『気泡・液滴工学』pp29、日刊工業新聞社(196
9)がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭60−213865号公報に記載された方法では、
試料を受容器底面で吐出して分注後、予想されるの高さ
位置から液体を落下させるため、液体が受容器の内面或
いは受容器内の内容物に衝突して飛沫が発生し、他の受
容器へコンタミネーションを起こす可能性がある。
【0011】また、分注終了時にはノズル先端が分注さ
れた液体に接触するので、ノズルの外周へ分注された液
体が回り込み、分注精度が落ちる可能性がある。
【0012】また、特開昭61−56784号公報に記
載された方法では、ノズル先端を受容器底面に接触させ
た状態で分注するので、他の受容器へのコンタミネーシ
ョンは起こりにくいが、ノズルを引き抜くときに分注さ
れた液体がノズルの外周へ回り込み、分注精度が落ちる
ことが考えられる。
【0013】同様に、特開昭63−175770号公報
に記載された方法では、ノズル先端の高さ位置を液面高
さに応じて自動的に選択しているため、他の受容器への
コンタミネーションは起こりにくいが、一定の浸漬量と
なるようにノズル先端の高さ位置を選択していることに
よって、分注された液体がノズルの外周へ回り込み、分
注精度が落ちる可能性がある。本発明の目的は、コンタ
ミネーションを低減し、液体試料を精度良く分注できる
液体試料処理装置を実現することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成される。 (1)動作に必要な情報を入力する設定部と、設定値を
記憶するメモリと、液体試料を吸引し受容器に吐出する
吸引吐出手段を有する分注機構と、この分注機構の動作
を制御する制御部と、この制御部の指令によって分注機
構を駆動させる駆動機構とを備える液体試料処理装置に
おいて、上記制御部は、上記吸引吐出手段の先端部が、
受容器には接触しないが、上記吸引と出手段の先端から
出される液滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器と
離間するように上記吸引吐出手段の先端を位置させ、予
め定められた速度で吸引吐出手段の先端に液滴を形成
し、上記受容器内の液面と吸引吐出手段の先端とが離間
した状態で、液体試料を分注するように上記吸引吐出手
段の動作を制御する。
【0015】(2)好ましくは、上記(1)において、
上記制御部は、受容器と吸引吐出手段の先端との間に液
滴を形成するときの液滴吐出速度より大きな速度で、吸
引吐出手段から受容器に液体試料が分注されるように吸
引吐出手段の動作を制御する。
【0016】(3)また、好ましくは、上記(1)にお
いて、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器には接触し
ないが、上記吸引と出手段の先端から出される液滴の大
きさより小さい距離だけ上記受容器と離間する、上記吸
引吐出手段の位置が上記メモリに記憶されている。
【0017】(4)また、好ましくは、上記(1)にお
いて、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器の底面には
接触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される液
滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器の底面と離間
する、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶され
ている。
【0018】(5)また、好ましくは、上記(1)にお
いて、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器内の液面に
は接触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される
液滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器内の液面と
離間する、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶
されている。
【0019】(6)また、好ましくは、上記(1)にお
いて、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器の側面には
接触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される液
滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器の底面側面と
離間する、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶
されている。受容器との間で、受容器には接触しない
が、液滴の大きさより小さい距離だけ離間するように吸
引吐出手段の先端を位置させ、予め定められた速度で吸
引吐出手段の先端に液滴を形成し、液面とは接触しない
が、液滴の大きさより小さい距離離間するように吸引吐
出手段の先端を位置させた状態で液体試料を分注する。
【0020】このため、液体試料の飛散が防止されるば
かりでなく、吸引吐出手段の側面に液体が接触すること
が防止される。したがって、分注操作時のコンタミネー
ションを低減し、同時に液体試料を精度よく分注するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態
である液体試料処理装置の概略構成図であり、図2は、
図1に示した液体試料処理装置の分注機構の部分断面図
である。図1、図2において、液体試料処理装置は、設
定部(図示せず)と、メモリ(図示せず)と、制御部
(図示せず)と、受容器1と、分注機構2と、駆動機構
(図示せず)と、X軸ガイドレール3と、Y軸ガイドレ
ール4と、Z軸ガイドレール5とを備えている。
【0022】上記設定部は、分注量、分注速度、吸引位
置及び吐出位置など分注に関する情報と、受容器1の形
状、受容器1内の内容物量及び受容器1の位置など受容
器1に関する情報を入力する。
【0023】メモリは、設定部において設定された値を
記憶する。好ましくは、メモリに、複数種類の受容器1
の形状に関する設定値及び受容器1の位置に関する設定
値を予め記憶しておき、作業者が設定部において設定す
るとき、メモリに記憶された設定値を選択する形で設定
できるようにする。
【0024】また、制御部は、上記メモリからの情報に
基づいて、分注機構2の位置、分注量及び分注速度など
を制御する。
【0025】また、分注機構2は、シリンジ6と、この
シリンジ6の先端に接続されたノズル7と、シリンジ6
を駆動するモータ8とを備えている。分注機構2におい
て、シリンジ6は、単数であっても複数であってもよ
い。
【0026】制御部からの指令によりモータ8が正逆回
転し、シリンジ6を動作することにより分注機構2のノ
ズル7を介して液体試料を吸引吐出する。好ましくは、
図2に示すように、ノズル7の先端に使い捨ての清浄な
チップ9を装着することによって、シリンジ6及びノズ
ル7内に液体試料が直接接触しないようにする。ここ
で、ノズル7は吸引吐出手段と定義するが、ノズル7に
チップ9が装着される場合には、チップ9の先端が吸引
吐出手段の先端部となる。
【0027】さらには、シリンジ6に清浄なチューブ9
を接続し、電磁弁を介して試薬容器に連結することによ
って、試薬容器から試薬を吸引し、電磁弁で流路を切り
換えて別のチューブから試薬を吐出することも可能であ
る。
【0028】また、分注機構2は、基盤11から垂直に
伸びY軸ガイドレール4を有する鈎形のアーム10によ
って支持されており、分注機構2に敷設されたZ軸ガイ
ドレール5とアーム10に敷設されたY軸ガイドレール
4に沿ってYZ軸方向に分注機構2が移動することがで
きる。
【0029】基盤11は、上面に複数個の凹部12を有
し、この凹部12に受容器1を載置することによって、
受容器1を所定の位置に正確に配置するようになってい
る。好ましくは、凹部12に調整器が備えられ、受容器
1の形状に応じて、がたつきを防止するようになってい
る。
【0030】また、基盤11上部の側面及び底部の上面
には、X軸ガイドレール3が敷設され、該X軸ガイドレ
ール3に沿ってアーム10が移動することによって、分
注機構2をX軸方向に移動させるようになっている。次
に、本発明の一実施形態である液体処理装置の動作につ
いて説明する。作業者は、設定部において分注量、分注
速度、吸引位置、吐出位置、吸引する受容器1の形状、
吐出する受容器1の形状、受容器1内の内容物量及び受
容器1の位置などの情報を入力する。
【0031】入力された情報は、メモリを介して制御部
に送られる。制御部では、入力された情報に基づいて、
吸引位置及び吸引量を決定し、駆動機構に指令を出す。
この場合、液体試料を吐出するときノズル7からの飛散
を防ぐため、液体試料の吸引量は、設定された分注量よ
り大きく決定される。
【0032】駆動機構は、制御部の指令に従って分注機
構2をXYZ軸方向に移動させ、分注機構2内のモータ
8によってシリンジ6を作動し、液体試料を吸引する。
次いで、制御部は、図3に示すように、受容器1の底面
或いは受容器1内の液面の高さ位置との間で、底部或い
は液面には接触しないが、液滴の大きさより小さい距離
だけ離間するように、ノズル7先端の位置を決定し、駆
動機構に指令を出す。
【0033】次いで、制御部は、分注機構2内のシリン
ジ6を作動して、液滴形成時の吐出速度より大きな速度
である予め定められた速度でノズル7先端に液滴を形成
し、液体試料を分注する。
【0034】さらに、制御部は、分注した液面の高さに
対応して順次ノズル7先端の高さ位置を自動的に選択
し、駆動機構に指令を出す。駆動機構は、指令を受けて
分注機構2の高さ位置を変更し、受容器1内の液面の高
さ位置との間で、液面には接触しないが液滴の大きさよ
り小さい距離離間するように、分注機構2のノズル7先
端を位置させる。これら一連の動作は、分注操作が終了
するまで繰り返される。
【0035】また、本発明の一実施形態による装置にお
いて、受容器1の底面或いは受容器1内の液面の高さ位
置に代えて、受容器1の側面位置との間で、側面には接
触しないが、液滴の大きさより小さい距離離間するよう
に、分注機構2のノズル7先端を位置させることも可能
である。この場合、分注した液面の高さに対応して順
次、ノズル7先端の高さ位置を選択しなおす必要がな
い。
【0036】すなわち、図4に示すように、制御部は、
設定部において入力された情報に基づいて、受容器1の
側面位置とノズル7の先端との間で、側面には接触しな
いが液滴の大きさより小さい距離離間するように、分注
機構2のノズル7先端の位置を決定し、指令を駆動機構
に送る。
【0037】駆動機構は、指令に従ってノズル7先端を
位置させ、分注機構2内のシリンジ6を作動して予め定
められた速度でノズル7先端に液滴を形成し、液体試料
を最後まで分注する。最後に分注が終了した後、制御部
の指令によって分注機構2は所定の位置に戻り、一連の
動作が終了する。次に、制御部がノズル7先端の位置を
決定するプロセスについて説明する。図5は、制御部が
ノズル7先端の位置を決定する動作フローチャートであ
る。図5のステップS1において、先ず、分注操作を行
う前に、ダミーの試薬を用いてノズル7の先端に液滴を
形成する。このダミーに使用する液滴は、好ましくは、
分注しようとしている液体と同種のものを使用するが、
物理化学的に性質の似たものなら特に限定するものでは
ない。
【0038】次に、ステップS2及びステップS3にお
いて、液滴を形成した状態で受容器1の底面或いは受容
器1内の液面に、液滴が接触するまでノズル7を移動す
る。ノズル7の先端の液滴の接触を確認する方法として
最も容易なものは、目視によるものである。
【0039】すなわち、作業者は、液滴を形成した状態
でノズル7を徐々に移動させ、目視によってノズル7先
端と受容器1の底面或いは受容器1内の液面の高さ位置
との間で、底面等には接触はしないが、液滴の大きさよ
り小さい距離離間するようにノズル7先端の位置を決定
する。
【0040】また、ノズル7内の液体試料と受容器1内
の液体試料にそれぞれ電極を挿入し、液滴を形成した状
態でノズル7を移動させ、液滴が受容器1内の液面に接
触するのを電気的に感知し、ノズル7先端の位置を決定
することも可能である。
【0041】さらに、液体試料の物理化学的量から液滴
の大きさを算定し、ノズル7先端の位置を決定すること
も可能である。
【0042】すなわち、ノズル7の内径をdN[c
m]、重力加速度をg[cm/sec2]、密度をp
[g/cm3]、表面張力をσ[g/sec2]とすると
き、液滴の直径dpは次式(1)で示される。 dp/dN=1.62(dN 2 gΔp/σ)-0.35 −−−(1) 従って、上記式(1)で算出された液滴の直径dpを用
いてメモリに予め記憶されている受容器1の形状から、
受容器1の底面或いは受容器1内の液面の高さ位置との
間で液滴の大きさより小さい距離離間するようにノズル
7先端の位置を決定する。
【0043】さらには、ノズル7内と受容器1底面とを
貫通する方向にレーザー光を照射し、液滴を形成した状
態でノズル7を移動させ、液滴内部を通過する光量変化
から液滴が受容器1内の液面に接触するのを感知し、ノ
ズル7先端の位置を決定することも可能である。
【0044】以上のように、決定された位置は、最初の
ノズル7先端の位置として設定部を介してメモリに記憶
される。
【0045】制御部は、最初に記憶された高さ位置から
分注量に対応して液面の高さ位置を予想し、受容器1内
の液面の高さ位置との間で液滴の大きさより小さい距離
離間するように、ノズル7先端の高さ位置を決定する。
また、本発明の一実施形態による装置において、受容器
1の底面或いは受容器1内の液面の高さ位置に代えて、
受容器1の側面位置との間で液滴の大きさより小さい距
離離間するように、ノズル7先端を位置させることも可
能である。この場合は、ノズル7先端の位置を一度決定
すれば、分注量に対応してZ軸方向に移動する必要がな
い。
【0046】上述の目視による方法と同様に、作業者
は、ダミーの液体試料を予め用意しておき、液滴を形成
した状態でノズル7を受容器1中央から外周側へ移動さ
せ、目視によってノズル7先端と受容器1の側面位置と
の間で液滴の大きさより小さい距離離間するように決定
し、ステップS4でノズル7先端の位置として設定部を
介してメモリに記憶させる。
【0047】制御部は、液体試料を吐出する際、記憶さ
れたノズル7先端の位置から分注を行う。また、ノズル
7内の液体試料と電気伝導性をもつ受容器1内面にそれ
ぞれ電極を接触させ、液滴を形成した状態でノズル7を
受容器1中央から外周側へ移動し、液滴が受容器1内面
に接触するのを電気的に感知し、ノズル7先端の位置を
決定することも可能である。
【0048】さらに、式(1)に従って液滴の大きさを
求め、メモリに記憶された受容器1の形状から、受容器
1側面の位置との間で液滴の大きさより小さい距離離間
するようにノズル7先端の位置を決定することも可能で
ある。次に、本発明に基づく実施形態についての実験例
について説明する。この実験の目的は、分注操作の液体
試料吐出時において、他の受容器1へのコンタミネーシ
ョンを低減することである。
【0049】そのため、実験においては、コンタミネー
ション低減の効果が分かりやすいように、一つのサンプ
ルに対して分注操作を20回繰り返すことにした。すな
わち、受容器1中に予め分注された液体試料を吸引し、
吸引した液体試料を再び同じ受容器1内に吐出する操作
を20回繰り返した。
【0050】実験に用いたものは、液体試料として10
9コピー/mLのλDNAを用いた。受容器1として
は、複数の受容器1がマトリックス上に配列された96
穴マイクロプレートを用いた。
【0051】実験方法は次の通りである。先ず、図6に
示すとおり、3×5のマトリックス状のウェル(斜線を
施した丸印)に200μLの水と200μLの液体試料
とをそれぞれ分注した。この段階で、分注された水にコ
ンタミネーションが起きていないことを確認した。
【0052】確認方法は、分注された水50μLをサン
プルとしてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を図8に示
す条件で行い、アガロースゲル(3%NuSieve
3:1)上で50V、1時間の電気泳動後、0.5μL
/mLエチヂウムブロマイドで30分間染色、蒸留水で
30分間洗浄して、トランスイルミネータでコンタミネ
ーションによるバンドの有無を確認した。
【0053】ここで、PCRの反応時間は、前工程に9
5°C1分間、変性に95°C30秒、アニーリングと
伸長反応に68°C30秒、後工程に72°C7分であ
り、45サイクル反応を行った。また、センスプライマ
ー(primer1)は5‘−GATGAGTTCGT
GTCCGTACAACT−3’、アンチセンスプライ
マー(primer3)は5‘−GGTTATCGAA
ATCAGCCACAGCGCC−3’を使用した。
【0054】次に、ウェル内に分注された液体試料のう
ち100μLを吸引し、分注速度60μL/sで同じウ
ェルの中央に液体試料を分注した。分注時のノズル7の
高さ位置は、分注後予想される液面の高さ位置に固定し
た。
【0055】20回吸引吐出を繰り返した後、液体試料
を分注したウェルに隣接した他のウェル内の水50μL
をサンプルとして、同様にPCRを行い、コンタミネー
ションによるバンドの有無を確認した。
【0056】上記の実験を2回行ったところ、図7に示
す6つのウェル(黒丸で示す)においてコンタミネーシ
ョンが起こった。次に、本発明によるコンタミネーショ
ンを低減させる方法を用いて同様の実験を行った。先
ず、ノズル7の先端の位置をウェル中央から外周側に移
動させ、ダミーの液体試料を吐出し、液滴がウェル側壁
に接触する位置を目視により決定した。分注時のノズル
7高さ位置は、分注後予想される液面の高さ位置とし
た。決定したノズル7先端の位置は、設定部を介してメ
モリに記憶した。
【0057】次に、上記実験と同様に、図6に示すとお
り、3×5マトリックス状のウェル(斜線を施した丸
印)に200μLの水と200μLの液体試料とをそれ
ぞれ分注した。この段階で分注された水にコンタミネー
ションが起きていないことを確認した。次に、ウェル内
に分注された液体試料のうち100μLを吸引し、分注
速度60μL/sで同じウェルの予め記憶された位置に
液体試料を分注した。
【0058】20回吸引吐出を繰り返した後、液体試料
を分注したウェルに隣接した他のウェル内の水50μL
をサンプルとして、上記実験と同様にPCRを行い、コ
ンタミネーションによるバンドの有無を確認した。上記
の実験を2回行ったところ、他のウェルへのコンタミネ
ーションは2回とも確認されなかった。
【0059】以上のように、本発明の一実施形態によれ
ば、分注量を入力する設定部と、設定値を記憶するメモ
リと、液体を吸引吐出する分注機構2と、分注機構2の
位置を算定する制御部と、この制御部の指令によって分
注機構2を所定の場所に位置させる駆動機構とを有し、
容器の底面等との間で、底面等には接触しないが、液滴
の大きさより小さい距離離間するようにノズル7先端を
位置させ、予め定められた速度でノズル7の先端に液滴
を形成し、液面とノズル7とは接触しないが、液滴の大
きさより小さい距離離間するようにノズル7先端を位置
させた状態で液体試料を分注するため、液体試料の飛散
が防止されるばかりでなく、ノズル7の側面に液体が接
触することが防止される。
【0060】したがって、分注操作時のコンタミネーシ
ョンを低減し、同時に液体試料を精度よく分注すること
が出来る液体試料処理装置を実現することができる。
【0061】さらに、液滴形成時の吐出速度より大きな
速度で液体を分注するため、分注に要する時間を短縮す
ることができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明は、分注操作時の
コンタミネーションを低減し、同時に液体試料を精度よ
く分注することが出来る液体試料処理装置を実現するこ
とができる。
【0063】さらに、液滴形成時の吐出速度より大きな
速度で液体を分注するため、分注に要する時間を短縮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体試料処理装置の
概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である液体試料処理装置の
部分断面図である。
【図3】受容器内の液面に対してノズルの先端位置を液
滴の大きさより小さい距離離間した状態を示す部分断面
図である。
【図4】受容器の側面に対してノズルの先端位置を液滴
の大きさより小さい距離離間した状態を示す部分断面図
である。
【図5】記憶された位置から液滴の大きさより小さい距
離だけノズルの先端位置を離間させる動作フローチャー
トである。
【図6】受容器に容れた液体試料の配置を示す図であ
る。
【図7】液体試料のコンタミネーションの配置を示す図
である。
【図8】本発明の一実施形態における実験で行われたP
CR(ポリメラーゼ連鎖反応)の試薬組成と反応条件を
示す図である。
【符号の説明】
1 受容器 2 分注機構 3 X軸ガイドレール 4 Y軸ガイドレール 5 Z軸ガイドレール 6 シリンジ 7 ノズル 8 モータ 9 チップ 10 アーム 11 基盤 12 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動作に必要な情報を入力する設定部と、設
    定値を記憶するメモリと、液体試料を吸引し受容器に吐
    出する吸引吐出手段を有する分注機構と、この分注機構
    の動作を制御する制御部と、この制御部の指令によって
    分注機構を駆動させる駆動機構とを備える液体試料処理
    装置において、 上記制御部は、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器に
    は接触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される
    液滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器と離間する
    ように上記吸引吐出手段の先端を位置させ、予め定めら
    れた速度で吸引吐出手段の先端に液滴を形成し、上記受
    容器内の液面と吸引吐出手段の先端とが離間した状態
    で、液体試料を分注するように上記吸引吐出手段の動作
    を制御することを特徴とする液体試料処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液体試料処理装置におい
    て、上記制御部は、受容器と吸引吐出手段の先端との間
    に液滴を形成するときの液滴吐出速度より大きな速度
    で、吸引吐出手段から受容器に液体試料が分注されるよ
    うに吸引吐出手段の動作を制御することを特徴とする液
    体試料処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の液体試料処理装置におい
    て、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器には接触しな
    いが、上記吸引と出手段の先端から出される液滴の大き
    さより小さい距離だけ上記受容器と離間する、上記吸引
    吐出手段の位置が上記メモリに記憶されていることを特
    徴とする液体試料処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の液体試料処理装置におい
    て、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器の底面には接
    触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される液滴
    の大きさより小さい距離だけ上記受容器の底面と離間す
    る、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶されて
    いることを特徴とする液体試料処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の液体試料処理装置におい
    て、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器内の液面には
    接触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される液
    滴の大きさより小さい距離だけ上記受容器内の液面と離
    間する、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶さ
    れていることを特徴とする液体試料処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の液体試料処理装置におい
    て、上記吸引吐出手段の先端部が、受容器の側面には接
    触しないが、上記吸引と出手段の先端から出される液滴
    の大きさより小さい距離だけ上記受容器の底面側面と離
    間する、上記吸引吐出手段の位置が上記メモリに記憶さ
    れていることを特徴とする液体試料処理装置。
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