以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本例の水処理装置1は、図2のように、原水を供給する水栓6に取り付けされて内装した切替弁25により原水を所定の吐水口や水路に切り替える切替ユニット2と、上記切替ユニット2とは別体で原水の水処理を行う水処理部を備えた処理ユニット3と、切替弁25で切替えられた原水を処理ユニット3に供給するために切替ユニット2と処理ユニット3とを接続した給水管4と、処理ユニット3で処理された処理水を切替ユニット2に送水するために切替ユニット2と処理ユニット3とを接続した送水管5とを有して構成されている。給水管4や送水管5は可撓性を有するフレキシブルホースで構成されており、切替ユニット2と別体の処理ユニット3を台所の壁やフランジ上の任意位置に適宜に配設することができるようにされている。本例の水処理装置1では、図2(b)のように原水を切替ユニット2に設けたストレート吐水口28aからストレート状に吐水する原水ストレートモード(矢印A→B)、図2(c)のように原水を切替ユニット2に設けたシャワー吐水口28bからシャワー状に吐水する原水シャワーモード(矢印A→C)、また、図2(a)のように原水を切替ユニット2により給水管4を介して処理ユニット3に供給し、処理ユニット3で生成した処理水を送水管5を介して切替ユニット2に設けた処理水吐水口29から吐水する処理水モード(矢印A→D→E→F→G→H→I→J)を有するものとされている。
切替ユニット2は、図3及び4のように、上下に分割した上ケース23aと下ケース23bとを接合してなるケース23内に切替弁25を設けた内部部材24を組み込むと共に、切替弁25の弁体25bを操作する操作レバー26を取り付けて形成されている。切替ユニット2は扁平薄型の外形を有しており、上面には水栓6が接続する水栓接続口27が設けられ、底面には原水吐水口28や処理水吐水口29が設けられている。本例では原水吐水口28としてはストレート吐水口28aとシャワー吐水口28bとが設けられている。なお、切替ユニット2では、便宜上、図3に記す矢印aを前方とし、矢印bを後方とし、矢印cを左方とし、矢印dを右方として説明する。切替ユニット2のケース23の側面のうちの後面には給水管4や送水管5が接続される給水管接続口18や送水管接続口19が設けられており、切替ユニット2のケース23の側面のうちの左右面及び前面には操作レバー26が沿うように設けてある。
内部部材24は切替弁25と各種水路とが一体に形成されている。切替弁25は、略水平に横倒しされたような有底筒形状に形成された弁室25aと、弁室25a内に略水平軸廻りに回転自在に配置された弁体25bとを有して構成される。上記各種水路としては、弁室25aからストレート吐水口28aに至るストレート吐水向け水路30、弁室25aからシャワー吐水口28bに至るシャワー吐水向け水路31、弁室25aから給水管接続口18に至る処理ユニット向け水路32、送水管接続口19から処理水吐水口29に至る処理水吐水向け水路33が備えられている。弁室25aは水栓6を接続する水栓接続口27に連通されており、弁室25a内の弁体25bを回転させて弁室25a内での弁体25bの回転位置を変更することで、弁室25a内に開口する各水路30,31,32の入口が適宜開閉されて水栓6からの原水が選択された各水路30,31,32に向けて流れるようにされている。ここで、処理水吐水向け水路33は処理ユニット向け水路32の上位置に重なるように配置されており、上記いずれの水路も切替弁25の後側から左側に廻り込むように配置される平面視L字管状に形成されている。なお、処理水吐水向け水路33の下流部分には切替ユニット2の上下に亙るような垂直管状の整流部34が形成されて処理水吐水口29に至っており、この整流部34にはその管内面に処理水を整流させる整流ひれ34aが処理水の流れ方向に沿うように形成されている。また、処理水吐水向け水路33は処理ユニット向け水路32の上位置に重なって配置されているから、切替ユニット2の後面では送水管接続口19は給水管接続口18の上方に並ぶようにして配置されている。なお、上記略水平に横倒しされた有底筒形状の弁室25aはその筒開口が切替ユニット2の右方に開口し、弁室25a内に配置された弁体25bはその一端が弁室25aの筒開口から弁室25a外に突出されている。この弁室25a外に突出した弁体25bの一端には操作レバー26の接続用軸受部38に連結される接続軸部35が形成されている。具体的に上記接続軸部35は略D字断面の軸状に形成されている。
操作レバー26は棒状の把持部26aの両端に脚片26bを突設させたコ字形状の部材であり、切替ユニット2の側面における左面や右面に脚片26bを沿わせると共に切替ユニット2の側面における前面に把持部26aを沿わせるようにして、切替ユニット2に取り付けられる。詳しくは、操作レバー26の左右一対の脚片26bにはそれぞれ対向する切替ユニット2の側面(左面、右面)に設けた操作レバー軸受部36に回転自在且つ着脱自在に枢支される枢支部37が設けられており、右側の脚片26bには上記枢支部37に加えて弁体25bの接続軸部35に連結される断面D字孔状の接続用軸受部38が形成されている。つまり、操作レバー26は、切替ユニット2の側面(左面、右面)の各操作レバー軸受部36に各脚片26bの枢支部37がそれぞれ枢支されたことで、切替ユニット2の前面に沿う把持部26aが上下方向に回動自在にされており、そして弁体25bの接続軸部35に接続用軸受部38を連結されたことで、把持部26aの上下の回動操作に伴って切替弁25の弁体25bの回転位置が変化して原水が所定の流路(30,31,32)に切替可能になっている。
処理ユニット3は、図5乃至図10のように、原水を濾過して浄水を得る浄水生成部40と、水を電気分解することでアルカリ性または酸性の水質を備えた電解水を得る電解水生成部41とを有し、上記給水管4aを通って供給された原水に浄水処理や電解処理の施された処理水を生成できるようにしてある。なお、処理ユニット3では、便宜上、図6に記す矢印eを前方とし、矢印fを後方とし、矢印gを左方とし、矢印hを右方として説明する。
詳しくは、処理ユニット3は、幅寸法や高さ寸法に比べて奥行寸法の短い扁平な箱状のハウジング39を有し、このハウジング39内には処理ユニット3に接続した給水管4から送水管5に至る内部流路42を有し、この内部流路42に上流側から浄水生成部40、電解水生成部41が順に配置されている。ここで、浄水生成部40は活性炭や中空糸膜などの濾材を備えた浄水カートリッジで構成され、この浄水カートリッジはハウジング39の後面から取替自在にされている。また、電解水生成部41は、電解槽43の内部に2種の電極44,45とこの両者を仕切る電解隔膜43aとを備えて構成されている。つまり、電解槽43内には電解隔膜43aで仕切られた電極44側の空間(以下、主室46という)と、電極45側の空間(以下、副室47という)とが形成されている。電極44,45はハウジング39内に内装された制御部48を介して給電されるようになっている。
浄水生成部40の下流の内部流路42には流量センサ49が設けられ、流量センサ49の下流の内部流路42は2つに分岐されており、一方の分岐流路50は電解槽43の主室46に至っており、他方の分岐流路51は電解質添加筒52を経て電解槽43の副室47に至っている。流量センサ49は制御部48に接続されており、制御部48による電極44,45への通電は流量センサ49から得られる流量の情報に基づいて所定のph値の電解水を得るように適切に行われるようになっている。電解質添加筒52は、電解質を電解槽43に至る水に供給して電解槽43での水の電気分解の効率を向上させる役割を担うものであり、カートリッジ式でハウジング39の後面から取替自在にされている。本例の電解質添加筒52はカルシウム添加筒で構成されており、電解槽43での水の電気分解の効率を向上させる役割の他に、電解水に有用成分を溶解させる役割も担っている。主室46からは電解槽43で生成された電解水を流す内部流路42が送水管5に至るように設けられ、副室47からは電解槽43での電解水生成の際に生じる副次的な電解水を排出する排水流路53が設けられている。なお本例では上記一方の分岐流路50は電解槽43の主室46に至る手前で更に分岐されて一方が電解槽43の主室46に至り、他方が絞り部54を経て排水流路53に至っている。この絞り部54は一方及び他方の分岐流路50,51に流れる水量を調節するものであり、具体的には主室46に至る一方の分岐流路50の流量を副室47に至る他方の分岐流路51の流量に比べて少なくする役割を担っている。なお、内部流路42の入口42a及び出口42bはハウジング39の底面3aに設けられ、排水流路53はハウジング39の底面3aから排出ホース55を延出させて出口53aをハウジング39外に設けている。なお図中56は制御部48から延出された給電線である。
上記制御部48はハウジング39の前面と上面との間に形成されたR部39aに沿って配置された操作部57によって操作可能にされている。ここで、処理ユニット3で生成する処理水をアルカリイオン水とするべく使用者が操作部57を操作した際には、制御部48によって、主室46の電極44が陰極に、副室47の電極45が陽極となるように電解電圧が印加され、内部流路42にアルカリイオン水が流れ、排水流路53に酸性イオン水が流れるようになる。一方、処理ユニット3で生成する処理水を酸性イオン水とするべく使用者が操作部57を操作した際には、制御部48によって、主室46の電極44が陽極に、副室47の電極45が陰極となるように電解電圧が印加され、内部流路42に酸性イオン水が流れ、排水流路53にアルカリイオン水が流れるようになっている。また、処理ユニット3で生成する処理水をph値を変化させずにごみ等を除去するのみの浄水とするべく使用者が操作部57を操作した際には、制御部48によって、電極44,45への電解電圧の印加を行わないようにし、浄水生成部40で生成した浄水が電解槽43をそのまま通過して内部流路42に流れるようになる。
切替ユニット2と処理ユニット3とは給水管4及び送水管5によって接続される。詳しくは、給水管4は入口4aが給水管接続口18に接続され、その出口4bが処理ユニット3の内部流路42の入口42aに接続される。また、送水管5は入口5aが処理ユニット3の内部流路42の出口42bに接続され、出口5bが送水管接続口19に接続される。本例の給水管4及び送水管5は二又状に離間させた両端部を除いて一体化された可撓性を有したフレキシブルホースで構成されており、各々隣接して配置した給水管接続口18及び送水管接続口19、内部流路42の入口42a及び出口42bに接続されるようになっている。
ここで、給水管4及び送水管5の給水管接続口18及び送水管接続口19への接続は、給水管4及び送水管5の端部に取り付けた管取付部材20、内周に雌ネジ21aが刻設された筒状のキャップ21を用いて行われる。詳しくは、給水管接続口18及び送水管接続口19は先端ほど径を細くするテーパ部18a,19aを有した筒状に形成されている。切替ユニット2の後面には給水管接続口18及び送水管接続口19の周囲を囲う周壁22が突設されており、この周壁22の外周面には雄ネジ22aが刻設されている。管取付部材20は有底筒状であって底部には給水管4及び送水管5を挿通する1対の挿通孔20aが穿設されている。1対の挿通孔20aに給水管4及び送水管5を挿通した状態で管取付部材20は給水管4及び送水管5の端部に取り付けられるのであり、管取付部材20を取り付けた給水管4及び送水管5を筒状の給水管接続口18及び送水管接続口19に外嵌し、キャップ21の雌ネジ21aを周壁22の雄ネジ22aに螺合させてキャップ21を切替ユニット2の前方に向けて締め付けることで、キャップ21の後端が管取付部材20の底部後端に当接して管取付部材20を前方に押圧し、上記押圧された管取付部材20の1対の挿通孔20aの内面と給水管接続口18及び送水管接続口19のテーパ部18a,19aとで給水管4及び送水管5が挟持されるのであり、給水管4及び送水管5の給水管接続口18及び送水管接続口19への接続が強固且つ同時に行われるようにされている。なお、給水管4及び送水管5の内部流路42の入口42a及び出口42bへの接続については後に詳述する。
ところで、本例の水処理装置1は上記切替ユニット2と処理ユニット3とが別体にされて構成されたものであり、水栓6に取り付ける切替ユニット2に対し、処理ユニット3は台所や洗面台等のカウンターや壁面等の任意箇所に適宜設置できる利点がある。ここで、水栓6に取り付けた切替ユニット2に対して処理ユニット3を左右逆の位置に配設し直す際には、たとえば処理ユニット3の左側から至る給水管4及び送水管5は処理ユニット3の右側から至るようになって、つまり処理ユニット3の左右勝手が変更されることになる。そして、本例では、水処理装置1に良好な外観や省スペース性能を確保しながらも、上記処理ユニット3の左右勝手の変更に際して容易に対応可能にする工夫を施したことに特徴を有しており、以下に詳述する。
給水管4や送水管5は処理ユニット3の内部流路42には処理ユニット3の底面3aに設けた継手部材10を介して接続されている。継手部材10は処理ユニット3の底面3aに略平行で且つ処理ユニット3の前後方向に略平行する回転軸廻りに回動自在にして処理ユニット3の底面3aに装着されている。なお、図中Kが回転軸である。この継手部材10は内部が流路になる筒状に形成されており、一端部には処理ユニット3の底面3aに臨む内部流路42の入口42aや出口42bに接続する内部流路接続部15が設けられ、他端部には給水管4や送水管5を回転軸Kに向けて略直交する方向から接続する給水管接続部11や送水管接続部12が設けられている。なお、給水管接続部11や送水管接続部12は筒状に形成され、給水管4や送水管5は給水管接続部11や送水管接続部12に外嵌することで接続される。
処理ユニット3の底面3aは平面視略矩形状に形成されているが、この底面3aの4隅部には処理ユニット3を設置面に設置する際に台所のフランジ面のような設置面に接地させる脚状の接地部7が下方に向けてそれぞれ突設されており、また、処理ユニット3の底面3aの外縁部には垂下壁9が処理ユニット3の底面3aの四周を巡るように下方に向けて突設されている。つまり、処理ユニット3を設置面に設置させた場合には処理ユニット3の底面3aは設置面の上方位置に空間を介して位置するのであり、上記空間は垂下壁9により目隠しされた目隠し空間9aになる。この垂下壁9における処理ユニット3の左右端部には下方開口8aを有した切欠状の挿通部8がそれぞれ設けられている。挿通部8は目隠し空間9aの内外を連通させる部位であり、目隠し空間9aに臨む処理ユニット3の底面3aに設けた継手部材10に切替ユニット2からの給水管4や送水管5を通して至らしめる役割を有している。なお詳しくは、上記左右1対の挿通部8は継手部材10を間に介して対向するように形成されている。また、目隠し空間9aに臨む処理ユニット3の底面3aからは給電線56や排出ホース55も延出しているが、この給電線56や排出ホース55も挿通部8を通して目隠し空間9a外に延出可能にされている。
処理ユニット3の左右勝手の変更に際しては、給水管4及び送水管5を継手部材10の給水管接続部11及び送水管接続部12に接続したままの状態であっても、図1(a)(及び図8)→図9→図1(b)のように、継手部材10を処理ユニット3の底面3aに略平行で且つ処理ユニット3の前後方向に略平行する回転軸廻りに回転させることで、回転軸Kと略直交する方向に向く給水管接続部11及び送水管接続部12を垂直面内で回転させることができ、上記回転軸Kと略直交する方向である処理ユニット3の左右方向のいずれかに給水管4及び送水管5を向けることができるようになっている。そして、継手部材10から処理ユニット3の左右方向のいずれかに向けた給水管4及び送水管5は対応する処理ユニット3の左右のいずれかの挿通部8に下方開口8aから挿通させて目隠し空間9a外に出して切替ユニット2に至らしめることができるようになっている。ここで、上記処理ユニット3の左右勝手の変更の際の継手部材10の回転時には給水管4及び送水管5は垂直面内を移動するのであって、つまり処理ユニット3の前後方向に移動するものではないから、給水管接続部11と送水管接続部12とにおける処理ユニット3の前後方向の間隔も短くできるのであり、処理ユニット3の薄型化に資することもできるようになっている。なお、上記作用は、本例のように水処理装置1に良好な外観を付与するために、二又状に分岐した端部を残して並べて一体化した給水管4及び送水管5を用いた場合でも奏することができる。このように本例の水処理装置1では、水処理装置1に良好な外観や省スペース性能を確保しながらも、処理ユニット3の左右勝手の変更に際し、給水管4や送水管5を切替ユニット2または処理ユニット3から取り外すことなく容易に対応することができるようになっているのである。
詳しくは、本例の継手部材10は、図10のように、別体の給水管接続用継手材10aと送水管接続用継手材10bとを継手部材10の回転軸方向に並べて一体化して形成されており、処理ユニット3の底面3aには台座部材58を介して装着されている。給水管接続用継手材10aは横管部59と縦管部60とをL字状に連通させたL字管材であり、横管部59の開口部が内部流路入口接続部15aを構成し、縦管部60の開口部が給水管接続部11を構成している。また、送水管接続用継手材10bは横管部61と縦管部62とをL字状に連通させたL字管材であり、横管部61の開口部が内部流路出口接続部15bを構成し、縦管部62の開口部が送水管接続部12を構成している。なお、内部流路接続部15を構成する内部流路入口接続部15a及び内部流路出口接続部15bは、後述する軸受部17に枢支される軸部16を構成する。給水管接続用継手材10aと送水管接続用継手材10bとは、各縦管部60,62同士を近接させ、内部流路入口接続部15aと内部流路出口接続部15bとを逆方向に向けた各横管部59,61を連結部63を介して連結することで一体に組み付けられる。この連結部63は、一方の横管部59(本例では送水管接続用継手材10bの横管部59)から突設した凸部63aと、他方の横管部59(本例では給水管接続用継手材10aの横管部59)に凹設された上記凸部63aが嵌合される凹部63bとで構成されている。また、台座部材58は、処理ユニット3の底面3aにビス58aで固定され、継手部材10の内部流路接続部15を回転自在に枢支する1対の軸受部17が水平且つ処理ユニット3の前後方向に対向するように設けてある。1対の軸受部17の一方は内部流路42の入口42aに連通しており、他方は内部流路42の出口42bに連通している。そして、継手部材10は、台座部材58における内部流路42の入口42aに連通した軸受部17に内部流路入口接続部15aで構成した軸部16を回転自在に且つパッキン64を介して水密的に嵌合させると共に、台座部材58における内部流路42の出口42bに連通した軸受部17に内部流路出口接続部15bで構成された軸部16を回転自在に且つパッキン65を介して水密的に嵌合させることで、処理ユニット3の底面3aに装着されている。つまり、継手部材10は、内部流路接続部15で構成した軸部16の台座部材58の軸受部17への枢支構造によって、横管部59の管軸を回転軸Kとする回転軸廻りに回転自在にされているのである。また、処理ユニット3の底面3aからは下方に開口せるU字開口66aを備えた支持片66が垂下されており、この支持片66は図10(c)のようにU字開口66a内に継手部材10の連結部63を挿入させて該連結部63を支持している。なお、横管部59,61の対向部位には径外方向に突出するフランジ63cがそれぞれ設けられ、この1対のフランジ63cで支持片66を処理ユニット3の前後方向から挟持している。つまり、継手部材10は、回転軸Kの両端部で各軸部16が1対の軸受部17により支持され、回転軸Kの中央部で連結部63が支持片66により支持されており、回転軸廻りの継手部材10の回転動作の安定化が有効に図られている。
ところで、給水管4には切替ユニット2で切替えた原水が水栓6の水道圧を伴って流れることから給水管4の給水管接続部11への接続部位には水道圧が負荷されるのであり、しかして給水管4の給水管接続部11への接続部位には水道圧の負荷に対して耐性のある被かしめ材13を用いた接続構造を採用するのが好ましい。被かしめ材13はたとえば給水管接続部11に外嵌した給水管4の外側に被覆してかしめ具を用いて周方向から管軸方向に潰すようにすることで給水管4を給水管接続部11に強固に接続可能にするものである。しかして給水管4の給水管接続部11への接続に被かしめ材13を用いた場合には給水管4及び給水管接続部11の周方向にかしめ具の作業スペースが必要になる。ここで、たとえば図11のように給水管接続部11と送水管接続部12とを近接させて一体成形した継手部材10ではかしめ具の作業スペースを採ることができず、給水管4の給水管接続部11への接続に被かしめ材13を用いた接続構造を採用することができない。しかしながら、本例では上述のように継手部材10が別体の給水管接続部11を備えた給水管接続用継手材10aと送水管接続部12を備えた送水管接続用継手材10bとを一体に組み付けることで形成されているので、給水管接続用継手材10aの給水管接続部11に被かしめ材13を用いて給水管4を接続した後に、この給水管接続用継手材10aを送水管接続用継手材10bに一体に組み付けることで継手部材10を形成することができるようになっている。また、このように形成した継手部材10には、組立後の継手部材10における給水管4や給水管接続部11の廻りにかしめ具の作業スペースを採らずに済むことから、給水管接続部11と送水管接続部12とは回転軸方向、つまり処理ユニット3の前後方向に近接して隣接配置できるのである。したがって、給水管4の給水管接続部11への接続部位には水道圧の負荷に対して耐性のある被かしめ材13を用いた接続構造を採用することができると共に、給水管接続部11と送水管接続部12とを処理ユニット3の前後方向に近接配置できて処理ユニット3の薄型化を図って水処理装置1の外観向上を図ることが可能にされているのである。なお、本例では、送水管5の送水管接続部12への接続においても被かしめ材13を用いて行わせている。
また、左右の各挿通部8には、その下方開口8aの両縁から挿通部8に挿通した給水管4、送水管5、排出ホース55、給電線56を適宜下方から係止するための突起部67がそれぞれ突設されており、つまり1対の突起部67の突出先端間の空間が挿通部8の下方開口8aとなっている。この下方開口8aは一体化した給水管4及び送水管5の横幅寸法と略同幅に形成されている。この突起部67によると処理ユニット3から延出される給水管4、送水管5、排出ホース55、給電線56の配置が強固に行われて水処理装置1の外観向上に資することとなって好ましい。ここで、本例の各挿通部8の横幅寸法(処理ユニット3の前後方向における挿通部8の幅寸法)は、給水管4、送水管5、排出ホース55、給電線56が全て水平方向(処理ユニット3の前後方向)に並んだ状態でも挿通可能にする寸法に形成されている。また、本例の継手部材10は処理ユニット3の底面3aにおける前方に偏った位置に装着されており、挿通部8の前部域同士の間に継手部材10が位置する位置関係にされている。しかして、各挿通部8に設けた1対の突起部67のうち下方開口8aの前側の縁から突設した突起部67が、それぞれ給水管4及び送水管5を下方から係止する係止突部14を構成している。
ここで、左右の各挿通部8に設けた係止突部14にあっては、本例のように給水管4及び送水管5が可撓性を有するホースで構成され、継手部材10が処理ユニット3の底面3aにおける左右中央部から左右方向に偏った位置に装着された場合でも、挿通部8を通した給水管4及び送水管5を係止突部14で確実に抑える工夫が為されている。つまり、継手部材10に撓みの無い略直線状の自由状態で接続した状態の給水管4及び送水管5(図1(b)の点線で示す給水管4及び送水管5)に対する係止突部14の重なり代を、継手部材10から近い方の挿通部8に設けた係止突部14よりも、継手部材10から離れた方の挿通部8に設けた係止突部14が長くなるように形成しているのである(図中のM1は継手部材10から近い方の挿通部8に設けた係止突部14における自由状態の給水管4及び送水管5に対する重なり代であり、図中のM2は継手部材10から離れた方の挿通部8に設けた係止突部14における自由状態の給水管4及び送水管5に対する重なり代であり、M1<M2にされている)。
上述のように継手部材10に接続した給水管4及び送水管5は、処理ユニット3の左右勝手の変更に対応して、処理ユニット3の左右方向のいずれかから挿通部8を通して切替ユニット2に至るようにされる。このとき、本例のように処理ユニット3の底面3aにおける左右中央部から左右方向に偏った位置に継手部材10が装着されたものにあっては、給水管4及び送水管5が配設される継手部材10から処理ユニット3の左右の挿通部8までの各距離N(図1(b))が異なるものであり、可撓性を有するホースで構成した給水管4及び送水管5にあっては上記距離Nに応じて撓み易さも変化する。すなわち、給水管4及び送水管5は上記距離Nが短い場合に比べて上記距離Nが長い場合に撓み易くなる。そして、撓み易い状態にある給水管4及び送水管5ほど、挿通部8への下方開口8aからの出し入れが容易になる反面、係止突部14から外れてしまう事態を招き易い。
ここで、本例のように継手部材10に撓みの無い略直線状の自由状態で接続した状態の給水管4及び送水管5に対する係止突部14の重なり代を、継手部材10から近い方の挿通部8に設けた係止突部14よりも、継手部材10から離れた方の挿通部8に設けた係止突部14が長くなるように形成したことによると、撓み易い状態の給水管4及び送水管5を重なり代の長い係止突部14で確実に抑えることができると共に、撓みにくい状態の給水管4及び送水管5を重なり代の短い係止突部14で妨げることなく挿通部8に下方開口8aから出し入れできるのである。つまり、給水管4及び送水管5が可撓性を有するホースで構成され、継手部材10が処理ユニット3の底面3aにおける左右中央部から左右方向に偏った位置に装着された場合でも、給水管4及び送水管5の挿通部8への下方開口8aからの容易な挿入が可能にできて処理ユニット3の左右勝手の変更に際して容易に対応することができると共に、挿通部8を通した給水管4及び送水管5を係止突部14で確実に抑えることができて給水管4及び送水管5の配置を強固にして水処理装置1の外観向上を図ることが可能にされているのである。
なお、本例の排出ホース55は垂直軸廻りに回転自在に処理ユニット3の底面3aに接続されており、処理ユニット3の左右勝手の変更に際しては、垂直軸廻りに回転させて適宜の挿通部8から目隠し空間9a外に出すことができるようにされている。また、給電線56は各種管材に比べて撓み易いものであり、目隠し空間9a内で適宜屈曲させて適宜の挿通部8から目隠し空間9a外に出すことができるようにされている。
図11には本発明の実施の形態の他例を示す。この例は、先例と給水管4及び送水管5の処理ユニット3の底面3aへの接続構造を異ならせた例であり、その他の部位は先例と同構成にされている。しかして、先例と同構成部分は同符号を付して説明を省き、先例と異なる構成について説明をしていく。
本例の継手部材10は内部流路接続部15(内部流路入口接続部15a、内部流路出口接続部15b)と給水管接続部11と送水管接続部12とを有した一体成形物で構成されている。詳しくは、継手部材10は横管部68の管軸方向に沿って1対の縦管部69を並べるように突設した断面F字状の管材で構成されている。1対の縦管部69が給水管接続部11や送水管接続部12を構成しており、横管部68における1対の縦管部69が突設しない側の端部が内部流路接続部15を構成している。この継手部材10は、一方の縦管部69から横管部68の内部を通って内部流路接続部15を構成する横管部68の側面に至る第1流路70と、他方の縦管部69から横管部68の内部を通って内部流路接続部15を構成する横管部68の端面に至る第2流路71とを有している。本例では、一方の縦管部69が給水管接続部11を構成し、第1流路70が臨む横管部68の端部の側面が内部流路入口接続部15aを構成している。また、他方の縦管部69が送水管接続部12を構成し、第2流路71が臨む横管部68の端面が内部流路出口接続部15bを構成している。つまり、第1流路70は給水管4を流れる原水の流路であり、第2流路71は送水管5を流れる処理水の流路である。なお、内部流路接続部15を構成する横管部68の端部は他部位と比べて径の大きな径大部72とされており、径大部72における横管部68の管軸方向中央部分に径小部73を設けると共にこの径大部72には径小部73を挟むように1対のパッキン74が設けられており、径小部73に第1流路70が開口している。
また、処理ユニット3の底面3aには処理ユニット3の前方または後方に向く軸受部17が形成されている。この軸受部17は筒開口が処理ユニット3の前方または後方を向く有底筒形状にされており、筒底面3aと筒側面に内部流路42の入口42a、出口42bが軸受部17内部に向けて臨んで設けられている。本例では、軸受部17の筒開口は処理ユニット3の前方に向けて開口しており、内部流路42の入口42aが筒側面に下方に向けて開口し、内部流路42の出口42bが筒底面3aから処理ユニット3の前方に向けて開口している。
そして、継手部材10は、内部流路接続部15を軸受部17に回転自在に嵌合させることで、処理ユニット3の底面3aに略平行で且つ処理ユニット3の前後方向に略平行する回転軸廻りに回動自在にして処理ユニット3の底面3aに装着されている。具体的に、内部流路接続部15の軸受部17への嵌合は、横管部68の径大部72の軸受部17へのパッキンを介した嵌合により行われるのであり、このとき横管部68の径小部73と軸受部17との間には隙間sが形成されるのであり、内部流路入口接続部15aの第1流路70の開口は上記隙間sを介して軸受部17に臨む内部流路42の入口42aに連通する状態にされ、また、内部流路出口接続部15bの第2流路71の開口は軸受部17に臨む内部流路42の出口42bに対向して連通する状態にされる。処理ユニット3の底面3aに回転自在に装着した継手部材10はその横管部68の管軸が回転軸Kになるのであって、1対の縦筒部は横管部68の管軸に略直交するから給水管接続部11や送水管接続部12は回転軸Kに向けて略直交する方向に向くようになっている。
本例の水処理装置1は、先例のように別体の部材を一体化して形成した継手部材10を用いるものではなく、一体成形品で形成された継手部材10を用いている為、先例の継手部材10のように別体の部材を組み立てる手間もなく、継手部材10、ひいては給水管4及び送水管5の処理ユニット3の底面3aへの接続構造の構成を簡略にできるのであり、水処理装置1の製造性の向上を図ることができるのである。