JP3700385B2 - 水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン水生成装置やミネラル添加装置などの水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、イオン水生成器として、水道原水を供給する給水部にハウジングケースを接続し、このハウジングケース内に給水部からの水道原水を浄化する浄水部と、浄水部からの浄水が供給される陰極室と陽極室とが隔膜によって仕切られてなる電解槽とを設け、電極間に印加された電解電圧により電解されて陽極室内で酸性イオン水、陰極室内でアルカリイオン水が夫々連続して得られるようにしたものが知られている。
【0003】
従来より、この種の連続通水式の水処理装置にあっては、給水部から吐水部に至る内部水路構造として、例えば塩化ビニール製のホース或いはプラスチック製の水路管が採用されている場合が多い。ここでプラスチック製の水路管で内部水路を構成すると、塩化ビニールホースのような水路の曲率配慮によるデッドスペースが生じることがないという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の連続通水式の水処理装置にあっては、該装置の外郭となるハウジングケース内部に、水の不純物を除去する水処理部、水にミネラル添加や、電気分解等を施す水改質部をはじめ、それらを制御するための回路部等の各種の機能部品がそれぞれ収納されるため、内部水路がハウジングケース内部で占めるスペースが大きいと、例えば回路部を水処理部と水改質部との間に配置しようとする場合、水処理部と水改質部とを連結する内部水路を回路部の周囲に配置せざるを得なくなるなど、ハウジングケースの内部水路構造が複雑となる上に、機能部品の配置レイアウトの自由度が低くなり、そのためにハウジングケース内部に縦方向或いは横方向に絶対的なスペースが必要となり、装置が全体的に大型化するという問題がある。また、内部水路はハウジングケース内に収納されなければ、通水により発生する水路の振動及びその振動により生じる通水音が遮断されなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ハウジングケースの内部水路構造の簡易化、及びハウジングケース内の省スペース化を図ることができ、さらに機能部品の配置レイアウトの自由度を向上させることができ、小型化を促進することができる水処理装置を提供するにあり、別の目的とするところは、管水路における通水時の防振、防音効果を高めることができる水処理装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、水に含まれる不純物の除去処理を行う水処理部20と、水のミネラル分増加を施す水改質部2と、水処理部20及び水改質部2を通過した水を吐水する吐水部3と、水処理部20、水改質部2の各機能部品を水路的に接続させる管水路41とを具備した水処理装置において、該装置の取り付け設置面8への接地部分9を含むハウジングケース10の下面部と取り付け設置面8との間に、給水ホース91及び排水ホース45の接続を行う空間15が設けられると共に、ハウジングケース20の空間15側に、機能部品間を水路的に接続するための管水路41がハウジングケース20に一体成形されて成ることを特徴としており、このように構成することで、機能部品間を水路的に接続する管水路41の分だけ内部水路がハウジングケース10内で占めるスペースが小さくなると共に、各機能部品の配置レイアウトも自由度が増し、装置全体の小型化を図ることができる。
【0007】
また、上記管水路41上に弾性体16を敷設すると共に該弾性体16の上に、水処理部20、水改質部2、水処理部20及び水改質部2を制御するための電気回路部6のいずれかの機能部品を載設し、機能部品の重量を利用して管水路41に対して重量負荷をかけるようにするのが好ましく、この場合、下ハウジングケース10aと一体に形成された管水路41内に通水したときの振動を機能部品の重量を利用して抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図5は、本発明の水処理装置がイオン水生成装置として形成される場合の実施の形態を示す構成図である。このイオン水生成装置は、水道原水を供給する給水部55と、水道原水を電解してアルカリイオン水と酸性イオン水とが連続して得られる本体1とで構成されている。
【0010】
給水部55には、水道原水をシャワー状或いはストレート状でそのまま出すモードと本体1へ供給するモードとを切替える切替レバー55と、水道原水を本体1へ供給する給水ホース91とが設けられている。
【0011】
本体1は、水道原水中に含まれる不純物の除去処理等を行う水処理部20と、水のミネラル分増加及び電解処理等を施す水改質部2と、これらを制御するための電気回路部6と、水処理部20及び水改質部2を通過した水を吐水する吐水部3と、本体1内部の各要素(水処理部20や水改質部2等を構成する各機能部品)を水路的に接続させる水路部39〜44と、これらを内蔵するハウジングケース10とで構成されている。本実施形態では、水処理部20は、水道原水を浄化するカートリッジ20aで構成され、水改質部2はカルシウムを添加するカルシウム添加筒22と電解槽7とで構成されている。
【0012】
ここで、カートリッジ20a内には、水道原水を浄水化するための抗菌活性炭、中空糸膜などの濾過材が充填されている。このカートリッジ20aの底部に設けられた流入口は、水路部39を介して給水ホース91に接続され、流出口は水路部40を介して流量センサー11の流入口に接続されている。なお、カートリッジ20aの上蓋20bは外装カバー26(図7)で開閉自在に覆われており、濾過材がカートリッジ20aごと交換可能となっている。図5中の70はカートリッジ20aの交換時の排水を行う排水管である。
【0013】
上記カルシウム添加筒22は、電解される前の浄水に対して電解質(電解促進剤)を供給するものであり、例えば電解質である乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム等が充填されている。このカルシウム添加筒22の底部の流入口は水路部41を介して流量センサー11に接続されている。
【0014】
電解槽7は、連続してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成するためのものであり、陰極室7aと陽極室7bとが隔膜7cにより仕切られており、電極7d,7e間に電流を流して水を電気分解することにより、陽極室7b内に酸性イオン水、陰極室7aにアルカリイオン水が夫々生成される。陽極室7b及び陽極室7aの底部には流入路60a、60b、上部には流出路61a、61bが夫々設けられている。流入路60aは流路42,41を介して流量センサー11の流出口に接続され、流入路60bは流路43を介してカルシウム添加筒2の流出口に接続されている。電解槽7の流出路61aは接続管61cを介して吐水パイプ62に接続され、流出路61bは接続管61dを介して排水ホース45に接続されており、吐水パイプ62からアルカリイオン水が吐水されて使用されると共に、酸性イオン水は排水ホース45を介して外部に排水されるようになっている。
【0015】
電気回路部6は、機能部品を制御するメイン回路18と、電源回路、トランス6a及び整流スタック等で構成されており、交流100Vをトランス6aにて電圧降下し、整流後の出力を電解時に電解槽7の各電極に印加するようにしている。また、電気回路部6は、流量センサー11の測定値が規定値以上かどうかを判定するマイクロプロセッサ(図示せず)を備えている。マイクロプロセッサは流量センサー11からの信号の周波数を読み取り、流量センサー11を通過する流量に換算するものである。
【0016】
一方、ハウジングケース10は、図1〜図4,図6、図7に示すように、下ハウジングケース10aと、上ハウジングケース10bと、前ハウジングケース10cと、後ハウジングケース10dとに分割されている。下ハウジングケース10aは、図2,図4に示すように、本装置の取り付け設置面8上に接地され、その上面には水処理部20及び水改質部2を構成する各機能部品が載設される。なお電気回路部6の回路ブロック6cは前ハウジングケース10cにネジ止めにより取付け支持される。
【0017】
ここで、下ハウジングケース10aには、図1,図3に示すように、カートリッジ20aと電解槽7との間を水路的に接続するための水路部41(以下、「管水路41」という。)が埋設されており、この管水路41が埋設されている部分の上面がトランス載置面となっている。管水路41の流入口及び流出口は下ハウジングケース10aの上面側にそれぞれ開口しており、流量センサー11及び電解槽7の各内部水路とOリング(図示せず)を介してそれぞれ接続される。これにより、カートリッジ20aの水処理部20と水改質部2の間に従来存在していた水路が下ハウジングケース10a上の機能部品設置面に現れてこない構造となっている。
【0018】
下ハウジングケース10aの下面部は、図2,図4に示すように、電解水生成装置の取り付け設置面8への接地部分9となるゴム足9aを備えており、この下ハウジングケース10aが本体1を自立させるための基台となっている。そして、図6に示すように、下ハウジングケース10a上に各機能部品がネジ又はOリング等により接続され、ハウジングケース10を組み立てて本体1が完成し、取り付け設置面8上に自立した状態となる。
【0019】
また、下ハウジングケース10aの下面部には、本体1内への給水ホース91及び本体1外部への排水ホース45を水路部39,44にOリングを介して連結するために、取り付け設置面8と水路部39,44の取り付け面との間に空間15(図3,図4)が設けられている。下ハウジングケース10aに埋設される上記管水路41は空間15側に一体成形された形となっている。さらに、図1、図2に示すように、下ハウジングケース10aにおける管水路41が埋設されている部分の上にはゴムシート等からなる弾性体16が敷設され、その上に各機能部品の中でも最も重量が大きいトランス6aが載設されている。このように、トランス6aの重量を利用して管水路41に対して重量負荷をかけることより、下ハウジングケース10aに埋設された管水路41の振動を抑えることができる構造となっている。
【0020】
次に、動作を説明すると、図5に示す切替レバー90により水道原水を給水ホース91を介して本体1内に供給すると、供給された水道原水は、水路部39を介してカートリッジ20a内に流入する。カートリッジ20a内の活性炭及び中空糸膜(図示せず)により水道原水が浄水化され、この浄水は水路部40を介して流量センサー11に流入する。流量センサー11は流量にて通過する浄水量を測定する。流量センサー11を通過した浄水の一部は、下ハウジングケース10aに埋設されている管水路41を介してカルシウム添加筒22に流入すると共に、残りの浄水は電解槽7の陰極部7aに流入する。カルシウム添加筒22に流入した浄水は内部のカルシウムを溶かしながら、水路部43を介して電解槽7の陽極室7bに流入する。この状態で、電気回路部6のマイクロプロセッサ(図示せず)により流量センサー11の出力が規定値以上かを判定し、規定値以上の場合は、電解槽7に電解電圧を印加して電解する。このとき、陰極室7aで生成されたアルカリイオン水は吐水パイプ62を介して本体1外部に吐出され、陽極室7aで生成された酸性イオン水は、水路部44を介して排出ホース45より本体1外部へと排出される。なお図5では、流量センサー11を通過した浄水の一部をカルシウム添加筒22に分流する場合を説明しているが、浄水の全量がカルシウム添加筒22を通過するようにしてもよいものである。
【0021】
しかして、水処理装置の取り付け設置面8への接地部分9を含む下ハウジングケース10aに、水処理部20と水改質部2との間を水路的に接続する管水路41を一体に埋設したことによって、水処理部20と水改質部2の間に従来存在していた水路が下ハウジングケース10a上の機能部品設置面に現れてこなくなり、例えば図1のように重量物であるトランス6aがカートリッジ20aと電解槽7の間に配置されても、下ハウジングケース10aの上面において、トランス6aの周囲にカートリッジ20aと電解槽7を連結する水路が存在しないので、この水路分だけ、本体1内における内部水路構造が簡易化されると共に、省スペース化が図られる結果、トランス6aを挟んでカートリッジ20aと電解槽7とを配置するといった各機能部品の配置レイアウトも自由度が増し、装置全体の小型化が一層促進されるものである。
【0022】
しかも、下ハウジングケース10aの下面部には、給水ホース91及び排水ホース45の接続を行うための空間15が設けられ、この空間15側に下ハウジングケース10aに埋設される管水路41が配置されているので、空間15を利用して管水路41の一体成形が容易となる。さらに、下ハウジングケース10aにおける管水路41が埋設されている部分の上に弾性体16を敷設し、その上に各機能部品の中でも最も重量が大きいトランス6aを載設したことにより、トランス6aの重量を利用して管水路41に対して重量負荷をかけることができ、これにより、下ハウジングケース10aに埋設されている管水路41に通水したときの振動を抑えることができ、防振、防音効果を高めることができるという効果もある。なお、弾性体16は、トランス6aが下ハウジングケース10a上に密着状態で固設されている場合は必要がなく、省略可能である。
【0023】
上記実施形態では、水処理部20と水改質部2との間を水路的に接続する管水路41を下ハウジングケース10aに埋設する場合を説明したが、埋設される水路部の種類は特に限定されないものである。
【0024】
また、下ハウジングケース10aに埋設された管水路41上に載設される重量物としては、トランス6a等の電気回路部6に限定されるものではなく、これ以外に、例えばカートリッジ20a等の水処理部20や電解槽7等の水改質部2といった他の機能部品であってもよいものである。またこの場合、弾性体16は、機能部品が管水路41に密着状態で固設されている場合は必要なく、省略可能である。
【0025】
図9は他の実施形態を示している。この実施形態では、水処理部20をミネラル添加装置として形成される場合を示している。ここでは前記実施形態のカートリッジがカルシウム等のミネラルを添加するミネラル添加部101と、活性炭及び中空糸膜を内蔵する浄化処理部102とに対応しており、そこを通過した水が直接吐水管105から吐水されるようになっている。また、給水ホース91からミネラル添加部101を連通する水路部39、又は、ミネラル添加部101と浄化処理部102を連通する水路部103、又は、浄化処理部102と吐水管103を連通する管水路104の少なくとも1つは、図2の本装置の取り付け設置面8に接地される下ハウジングケース10a内に埋設された形で一体成形できるようになっている。またこの時、ミネラル添加部101又は浄化処理部102を下ハウジングケース10aに埋設された管水路41上に固設することが可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、水に含まれる不純物の除去処理を行う水処理部と、水のミネラル分増加を施す水改質部と、水処理部及び水改質部を通過した水を吐水する吐水部と、水処理部、水改質部の各機能部品を水路的に接続させる管水路とを具備した水処理装置において、該装置の取り付け設置面への接地部分を含むハウジングケースの下面部と取り付け設置面との間に、給水ホース及び排水ホースの接続を行う空間が設けられると共に、ハウジングケースの空間側に、機能部品間を水路的に接続するための管水路がハウジングケースに一体成形されているから、機能部品間(水処理部と水改質部との間)に従来存在していた水路がハウジングケース上の機能部品設置面に現れてこなくなり、内部水路がハウジングケース内で占めるスペースが小さくなり、その分だけ、内部水路構造の小型化及び省スペース化が図られ、さらには機能部品の配置レイアウトも自由度が増し、装置全体の小型化が一層促進されるものとなる。さらに、ハウジングケースの下面部に、給水ホース及び排水ホースの接続を行うための空間が設けられ、この空間側に下ハウジングケースに埋設される管水路が配置されるので、空間を利用して管水路の一体成形が容易となる。
【0027】
また、請求項2記載の発明においては、請求項1記載の効果に加えて、管水路上に弾性体を敷設すると共に該弾性体の上に、水処理部、水改質部、水処理部及び水改質部を制御するための電気回路部のいずれかの機能部品を載設し、機能部品の重量を利用して管水路に対して重量負荷をかけるようにしたから、下ハウジングケースと一体に形成された管水路内に通水したときの振動を機能部品の重量を利用して抑えることができ、防振、防音効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の下ハウジングケース組立品の平面図である。
【図2】同上の下ハウジングケース組立品の正面図である。
【図3】同上の下ハウジングケース組立品の底面図である。
【図4】同上の下ハウジングケース組立品の側面図である。
【図5】同上のイオン水生成装置の説明図である。
【図6】(a)は同上のイオン水生成装置の内部水路構造を説明する正面断面図、(b)は側面断面図である。
【図7】同上のイオン水生成装置の分解斜視図である。
【図8】同上のイオン水生成装置の外観を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【図9】他の実施形態を示すミネラル添加装置の説明図である。
【符号の説明】
2 水改質部
3 吐水部
8 取り付け設置面
9 接地部分
10 ハウジングケース
20 水処理部
41 管水路
Claims (2)
- 水に含まれる不純物の除去処理を行う水処理部と、水のミネラル分増加を施す水改質部と、水処理部及び水改質部を通過した水を吐水する吐水部と、水処理部、水改質部の各機能部品を水路的に接続させる管水路とを具備した水処理装置において、該装置の取り付け設置面への接地部分を含むハウジングケースの下面部と取り付け設置面との間に、給水ホース及び排水ホースの接続を行う空間が設けられると共に、ハウジングケースの空間側に、機能部品間を水路的に接続するための管水路がハウジングケースに一体成形されていることを特徴とする水処理装置。
- 管水路上に弾性体を敷設すると共に該弾性体の上に、水処理部、水改質部、水処理部及び水改質部を制御するための電気回路部のいずれかの機能部品を載設し、機能部品の重量を利用して管水路に対して重量負荷をかけるようにしたことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
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JP09975098A JP3700385B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 水処理装置 |
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