JP4612935B2 - 押動式散布機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力散布機を移動台車に搭載した押動式散布機の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動台車に背負い式動力散布機を乗せて、畦畔を押して行くもの(実開平01−124258)や、送風機のエンジンの動力を利用した自走式動力散布機(特開平8−224513)などが知られている。自走式動力散布機は、送風機のエンジン駆動力が減速して伝達され、後輪を駆動する構成になっている。また、後輪への駆動伝達経路にはクラッチが配置され断接できる構成になっており、薬剤タンクの下方に送風機が配設されている。また、原動機は送風機の上方に配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
従来の自走式動力散布機でコンクリート畔上を走行させ作業する際には、コンクリート畔の幅が狭いため、転倒しないように多大な注意力が必要であり、作業者に大きな負担を与えていた。このため、畔上からの脱落防止のためのガイド手段の装備と、そのガイド手段の調節が容易であることが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、駆動輪である前輪(9)及び従動輪である後輪(11)とを有する移動台車(16)に、動力散布装置(17)及び薬剤タンク(2)を配設した押動式動力散布機(1)において、該前輪(9)の両側方に配設されるガイドローラ装置(22)と、該移動台車(16)のフレーム(8)に枢設され、該ガイドローラ装置(22)を上下及び左右回動可能に支持する左右の回動アーム(81・81)と、左右の該回動アーム(81・81)を同時に左右回動させる調節手段とを備え、該フレーム(8)より機体外側に支持板(27)を突設し、該支持板(27)に左右方向のアーム回動支点軸(82)を枢支し、該アーム回動支点軸(82)に「コ」字型の傾動部材(70)を配設し、該傾動部材(70)とアーム回動支点軸(82)の上下間をボルト(71)により貫通して、該傾動部材(70)をボルト(71)を中心に左右方向に回動可能とすると共に、前記アーム回動支点軸(82)の回動に伴い上下回動可能とし、前記傾動部材(70)に前部に前記回動アーム(81)の後端を固設し、前記左右の回動アーム(81・81)の前端に左右のガイドローラ装置(22・22)を支持し、前記左右の回動アーム(81・81)の後部には、該回動アーム(81・81)より下方に枢支軸(89)を配設し、該枢支軸(89)にナット(91)を固設し、該左右の回動アーム(81・81)の該左右のナット(91・91)間に、調節軸(88)を螺装し、該調節軸(88)は左右両側で互いに逆螺子とし、前記調節軸(88)を回動することにより、螺合する前記左右のナット(91・91)を左右逆方向に摺動し、左右のガイドローラ装置(22・22)の位置を調整可能としたものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載の押動式散布機において、前記調節軸(88)の端部に調節ノブ(88c)を設け、作業者の手動により前記調節軸(88)の回動を可能とし、前記左右の回動アーム(81・81)を同時に機体内側へあるいは機体外側へ移動可能としたものである。
【0006】
請求項3においては、請求項1記載の押動式散布機において、前記支持板(27)より支点軸(83)を機体外側へ延出し、前記ガイドローラ装置(22)を支持するブラケット(64)より支点軸(84)を機体外側に延出し、両支点軸(83・84)の間を、両端にボールジョイントを構成した一つの支持アーム(85)により連結し、前記支点軸(83)と略対称に、他の支点軸(86)を機体内側に延出し、前記ガイドローラ装置(22)側の支点軸(84)と略対称に、他の支点軸(87)を、ブラケット(64)側から機体内側に延出し、両支点軸(86・87)間をも、両端にボールジョイントを構成した他の支持アーム(85)により連結し、該2本の支持アーム(85・85)と、1本の回動アーム(81)により、左右一方のガイドローラ装置(22)を上下左右に回動可能に支持したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を説明する。図1は押動式動力散布機の側面図であり、図2は押動式動力散布機の平面図であり、図3は前輪及びチェンケースの断面図であり、図4は移動台車のA−A断面図であり、図5は支持アームの回動支点を示す側面断面図であり、図6は後輪の左右傾動機構の構成部材を示す斜視図であり、図7はガイドローラ装置回動機構を示す側面図であり、図8はガイドローラ装置回動機構を示す平面図であり、図9は回動アーム後端部近傍を示す側面一部断面図であり、図10は回動アーム後端部近傍を示す正面一部断面図であり、図11は回動アーム前端部近傍を示す正面一部断面図である。
【0008】
図1、図2より、押動式動力散布機1の全体構成について説明する。押動式動力散布機1は、移動台車16および動力散布装置17により構成される。動力散布装置17は移動台車16のフレーム上に固設されている。移動台車16の後部上よりハンドル5が上後方へ延設されており、該移動台車16の下部には駆動輪である前輪9および、従動輪である後輪11が配設されている。作業者はハンドル5を持って、移動台車16の押し引きおよび方向転換を行うものである。走行可能な移動台車16上に動力散布装置17を配設するので、該動力散布装置17を作動させ、薬剤もしくは肥料を散布しながら、移動することができる。 移動台車16の前部には駆動部21が構成されており、該駆動部21により前輪9を駆動できる構成になっている。そして、移動台車16の両側前下部には、ガイドローラ装置22が配設されている。ガイドローラ装置22は移動台車16の後部に配設されたガイドローラ操作レバー23により上下に回動操作できる構成になっている。
【0009】
移動台車16の構成について説明する。移動台車16は、フレーム8、前輪9および後輪11から構成されている。後輪11は、左右方向に配設される四つの車輪から構成され、機体外側の外輪11a・11a及び内側の内輪11b・11bよりなる。フレーム8は、一本のパイプを平面視U字状に成形して構成されており、略前部及び後部は水平方向に延出し、前記駆動部21の後端で前高後低に傾斜して、略階段形状に構成されている。フレーム8の後部上には支持フレーム8bが垂直方向に立設されており、該支持フレーム8bとフレーム8に動力散布機17が固設されている。支持フレーム8bの上部には、ハンドル5の基部が接続される構成になっている。ハンドル5は基部を支持フレーム8の上部に挿入し、ボルトを螺装して該ハンドル5を固設するものである。
【0010】
次に、駆動部21の構成について説明する。駆動部21はフレーム8の前部上に配設されている。駆動部21の配設位置は前輪9上方であり、駆動部21により該前輪9を駆動するものである。駆動部21はモータおよびバッテリにより構成され、ケーシングに内装している。バッテリの電力によりモータを駆動し、該駆動力をチェンケース31に内装されるチェン31bにより前輪9に伝達するものである。
そして、前輪9は左右のチェンケース31およびフレーム8の前左部に固設されたステー32により支持されている。チェンケース31は断面積が大きく取れるため、高い支持剛性を得ることができる。チェンケースと前輪支持部材を1つのチェンケース31により構成するため、部品点数を減少できる。
【0011】
図1、図3に示すように、前輪9はチェンケース31及びステー32の下端でボルト50が横架され、該ボルト50にカラー52が回転自在に外嵌され、該カラー52は断面が六角形状の角パイプに構成されている。前記チェンケース31下部には、駆動スプロケット53が内装されており、該駆動スプロケット53はチェン31bを巻回している。駆動スプロケット53のボス部の内周も、前記角パイプに合わせた形状としている。また、前輪9の車輪軸9aも前記角パイプに合わせた形状に構成して、前記カラー52に外嵌している。前記カラー52には、環状の突起部52aが設けられている。このため、車輪軸9aの駆動スプロケット53側への摺動は、突起部52aまでに制限されている。また、内周を前記角パイプに合わせた形状の係止部材56を前記カラー52に外嵌している。係止部材56のボルトによるカラー52への締結固定により、により車輪軸9aの脱落が防止されるのである。
【0012】
なお、前記駆動スプロケット53と車輪軸9aとの接続における嵌め合い構成は、六角形状に限定されるものではなく、四角形状その他の角軸構成あるいは、楕円形状、スプライン等のように、嵌め合いにより相互の部材が相対回転不能となるものを用いたものとしてもよい。
【0013】
図1、図4に示すように、後輪11はフレーム8の後部に配設された支持アーム33の下端間に配設されている。支持アーム33は正面視逆U字状に構成されており、該下端間には枢軸30が配設されている。支持アーム33の下端間に配設された枢軸30には後輪11が挿嵌され、回動自在に枢支されている。後輪11は、図4、図5に示すように、外輪11a・11a及び内輪11b・11bにより構成されて、それらの四つの車輪が同軸上に配設されている。外輪11aの直径は内輪11bの直径より大きく構成されており、外輪11a・11aが内輪11b・11bの左右外側に配設されている。また、外輪11a、内輪11b、あるいは支持アーム33下端間との間には、カラーが配設されており、該カラーにより前記枢軸30に対する車輪位置及び車輪間隔が設定されている。なお、内輪11b・11b間にはカラー11cが配設され、外輪11a・内輪11b間及び外輪11a・支持アーム33下端間にはカラー11dが配設されている。
【0014】
後輪11の左右傾動機構について説明する。移動台車16の前後方向中途部のフレーム8上には底板57が固設され、該フレーム8内側で、該底板57にブラケット40が配設されている。図6に示すように、ブラケット40は断面形状が「コ」字形の部材であり、下方に向けて開口するように配設されている。図4に示すように(図6には省略している)、ブラケット40下端にはブラケット41・41が該ブラケット40の開口部を挟んで前後に固設されており、該ブラケット41は下方に延出している。また図5に示すように、前記カラー11cから支点台42が上方に突設されており、前記ブラケット41・41は該支点台42を挟み込むように配設し、支点軸43を前後方向に挿通している。以上構成により後輪11は、フレーム8に対して左右傾倒可能に枢支されている。
【0015】
また、後輪11の移動台車16に対する左右傾動の固定及び解除を可能としている。これは、後輪11を支持する支持アーム33の移動台車16に対する挟持固定及び解除によって行われ、任意の傾動位置で固定することができる。図6に示すように、前記ブラケット40の内部には断面形状が「コ」字形のブラケット44が配設されており、該ブラケット44は同じく開口部を下方に向けて配設され、該開口部内側に支持アーム33を配設している。また、ブラケット40には左右中央部に挿通孔40aが設けられ、ブラケット44にも正面視で位置を合わせることのできる同様の挿通孔が設けられている。該両挿通孔には、後述する後輪固定レバー45の前部に形成した軸部45aを挿通している。軸部45aはブラケット40・44を挿通して、さらにその前方で付勢バネ46、押圧部材47、固定解除部材48を挿通している。固定解除部材48は板状の部材であり、挿通孔が左右中央部に設けられている。軸部45a前端部は螺子部45bを形成しており、さらに螺子部45b後端は角形状を形成している。固定解除部材48の挿通孔の後部側は、螺子部45bの後端部に合わせて角形状に形成され、相対回転不能に相互を嵌め合わせている。また、前記螺子部45bにナット49を螺合して、固定解除部材48と軸部45aとを締結固定している。
【0016】
図1、図2、図4に示すように、後輪固定レバー45は側面視略「L」字形に構成されており、前部に軸部45a、後端に把手45dを設けている。作業者が把手45bを握って左右に該後輪固定レバー45を倒すことで、軸部45aを回動可能としている。軸部45aの回動により固定解除部材48が回動する。
【0017】
押圧部材47はプレート部材47aと、該プレート部材47aの長手方向両端に固設されているカム部材47b・47bと、該ロック部材の該押圧部材47外側側面に固設されている円柱部材47c・47cとから構成されている。該プレート部材47aは左右中央部に挿通孔を設けている。
【0018】
カム部材47b・47bは側面視台形形状であり、いずれも前面が傾斜面となる位置でプレート部材47aに固着されている。カム部材47b・47bは同一形状の部材であり、側面視で上下位置及び後端位置が一致している。両カム部材47b・47bの傾斜面の傾きは、軸部45bの延設方向に対して点対称になるようにしている。また、プレート部材47a前方及び後方に空間を設けるため、カム部材47b・47bは側面視でプレート部材47aの前後方向中央部で固設されている。図6に示すように、カム部材47b・47bの傾斜面は前述したように軸部45aに対して点対称であり、軸部45a及び固定解除部材48の回動にしたがって、押圧部材47を前進可能としている。
【0019】
前記円柱部材47c・47cの後端位置は、前記カム部材47b後端より後方に位置している。また、前記ブラケット40には前記挿通孔40aの左右に、挿通孔40b・40bが穿設されており、該円柱部材47c・47c後部を挿通している。
【0020】
図6に示すように、後輪固定レバー45の軸部45a中途部にストッパ45cが固設されている。一方、ブラケット40と押圧部材47との間に配設される付勢バネ46は常時押圧部材47を前方に付勢しており、該押圧部材47と接触する固定解除部材48も後方より押されている。したがって、固定解除部材48の前後位置は略固定されている。
【0021】
固定解除部材48が、該固定解除部材48の長手方向が水平方向と一致するときを、後輪11の挟持固定状態とする。また、図4に示すように、後輪固定レバー45を左回りに回動させて固定解除部材48が右高左低となる位置を、後輪11の固定解除状態とする。挟持固定状態のとき、押圧部材47のカム部材47b・47b傾斜面前端と、固定解除部材48後端とが接触し、押圧部材47、固定解除部材48間の距離が最大となっている。このとき、付勢バネ46は圧縮されると共に、前記円柱部材47c・47c後端が、前記ブラケット40の挿通孔40b・40b後方に位置するブラケット44の前部を押圧するのである。前述したように、ブラケット44は支持アーム33を内側に配置しており、挟持固定状態においては円柱部材47c・47cの押圧力を該ブラケット44が受けて、該ブラケット44は支持アーム33を挟持固定するのである。これが、以上構成による挟持固定機構である。
【0022】
図4に示すような支持アーム33の固定解除状態のとき、固定解除部材48は左回りに回動して右高左低となる位置にあり、押圧部材47のカム部材47b・47bの間に該固定解除部材48が嵌まり込む。このとき、押圧部材47と固定解除部材48との相互距離が短縮されるため、該押圧部材47が付勢バネ46の付勢力を受けて前方へ移動する。押圧部材47の円柱部材47c・47cの後端位置は前記挟持固定状態の場合よりも前方へ移動して、前記ブラケット44と接触することはない。そしてブラケット44は押圧力を受けなくなると、自らの剛性によって復元し、該ブラケット44は支持アーム33を内側に配置していても、該支持アーム33の挟持固定はしないのである。これがすなわち、後輪11の傾動可能状態である。
【0023】
以上構成により、後輪11を支持する支持アーム33を傾動可能及び挟持固定可能としている。また、左右傾動の回動支点位置は、後輪11を構成する外輪11a・11a、内輪11b・11bを枢支する枢軸30と略一致する位置としている。一輪からなる前輪9及び該前輪9を支持している移動台車16は、前輪9下端の地面との接触位置を支点として、左右に傾動可能としている。そして、移動台車16後部では、後輪11下端位置に近い枢軸30と略一致する位置を、傾動の支点としている。このため、移動台車前部と後部での支点位置が上下方向では近傍位置となるように構成されているため、図1に示すように、移動台車16全体における傾動の支点軸方向Bは、移動台車16の傾動支点が支持アーム33上方に設けられる場合と比べて緩やかな角度となり、水平方向と近似している。つまり、移動台車16の左右傾動時における移動台車16上部の後輪11に対するねじれが、小さいのである。したがって、例えばコンクリート畔上を移動しての作業時において、該畔上の傾斜等により後輪11が傾動させられた際にも、その傾動の影響により移動台車16本体がねじれた状態になりにくく、その傾動の影響を少なくすることができるのである。
【0024】
次に、前輪の両側方に配設したガイドローラ装置22について説明する。押動式動力散布機1の前輪9の両側方には、図1、図7に示すように、ガイドローラ装置22が配設されている。図8、図10に示すように、フレーム8の前後方向中央部より機体外側に向けて、該フレーム8よりプレート部材25が延出され、該プレート部材25の延出側先端部には支持板26が固設され、該支持板26の機体外側には支持板27がボルト締結により固定されている。なお左右両側に置いて共通の構成であり、以下で一側について説明する。支持板27下部に、アーム回動支点軸82が枢支されている。前記プレート部材25の下方に、図7、図9に示すように、「コ」字型の傾動部材70が配設されており、アーム回動支点軸82は該傾動部材70の内側に位置している。該傾動部材70は上下間をボルト71が貫通しており、該上下間の内側でアーム回動支点軸82にもボルト71が貫通している。この構成により、該傾動部材70を左右方向に回動可能としている。また、アーム回動支点軸82前端には回動アーム81後端が固設されており、該アーム回動支点軸82の回動に伴い、回動アーム81を上下回動可能としている。
【0025】
図7、図8に示すように、ガイドローラ装置22は側面視略長方形のフレーム63と、該フレーム63に内部に配設され、該フレーム63の上下を橋架する軸に枢支されるローラ28・28から構成されている。図11に示すように、フレーム63中央上部機体外側には、上下方向に延出しているブラケット64が固設され、フレーム63中央上面には断面が略「コ」字形の接続部材65が配設されている。接続部材65は、フレーム63を上下に挿通する枢支軸66に、該フレーム63上部で枢支されている。また、略「コ」字状に形成された接続部材65の左右の間には、支点軸67が横架され、該支点軸67は該接続部材65に枢支されている。以上構成により、前記フレーム63は接続部材65に対して枢支軸66を中心に左右回動可能としている。そして前記回動アーム81の前端が該支点軸67に固着している。
【0026】
以上構成により、回動アーム81の前端で支点軸67を中心に接続部材65が上下回動可能とし、回動アーム81後端でアーム回動支点82を中心に左右回動可能であり、ボルト71を中心に上下回動可能としており、移動台車16に対してガイドローラ装置22を左右回動及び上下回動可能としているのである。
【0027】
またガイドローラ装置22は、移動台車16の後部に配設されたガイドローラ操作レバー23により上下に回動操作できる構成になっている。移動台車16左側面で、ガイドローラ操作レバー23から、前記アーム回動支点82まではリンク機構92を介して連結され、該ガイドローラ操作レバー23の前後回動により、該アーム回動支点82を回動させて前記回動アーム81を上下回動させるのである。前記支持板27とリンク機構92前部は回動可能に枢支されると共に、コイルばね93によって連結されており、ガイドローラ装置22が上方位置もしくは下方位置にあるときに該コイルばね93が自然長となり、中間位置では該コイルばね93が収縮されるように構成している。このため、ガイドローラ装置22の位置を上下どちらかの位置に保つことができ、しかも該コイルばね93により、走行時における振動吸収効果をも期待することができる。
【0028】
図7から図11に示すように、支点軸83が支持板27中央部に横設されて、機体外側に延出している。また、支点軸84が前記ブラケット64に立設され機体外側に延出している。支点軸83及び支点軸84とは、支持アーム85によって連結されている。支持アーム85の両端はボールジョイントで構成されて、支持アーム85は該支点軸83・84に対して上下左右に回動可能に構成されている。また支点軸83と略対称に、支点軸86が前記支持板26下部に横設され、機体内側に延出している。そして支点軸84と略対称に、支点軸87が前記接続部材65の開口側に横設され、機体内側に延出している。支点軸86及び支点軸87も、支持アーム85によって連結されている。そしてこれらの支持アーム85・85の配設により、ガイドローラ装置22の長手方向が略前後方向となるように姿勢制御が行われるのである。なお、左右両側で同様の構成であり、左右両側で合わせて四本の支持アーム85が移動台車16には配設されている。
【0029】
次いで、ガイドローラ装置22の左右位置調整機構について説明する。図8、図10に示すように、回動アーム81後部下方には、ガイドローラ装置22の左右回動位置を調節する手段としての調節軸88が配設されている。調節軸88は左右方向に延設されている。図7、図9に示すように、回動アーム81後部では、該回動アーム81の上下を貫く枢支軸89が該回動アーム81に対して回動自在に配設されている。枢支軸89は上下で円盤部材90・90を固設しており、該円盤部材90・90は回動アーム81を上下より挟む形で配設されている。この構成により、枢支軸89は回動アーム81に対して回動可能かつ、脱落不能に配設されているのである。なお以上構成は、左右で同様である。
【0030】
枢支軸89下端にはナット91が固設されており、前記調節軸88と螺合している。調節軸88には螺子が刻まれており、軸方向を回動支点として回動させるとき、該調節軸88と螺合するナット91を左右方向に摺動させるのである。また、調節軸88は左右両側で互いに逆螺子としている。このため、調節軸88の回動操作により、左右における前記ナット91・91は互いに逆方向へ摺動するのである。なお、調節軸88右端には調節ノブ88cが設けられており、作業者の手動による調節軸88の回動を容易なものとしている。
【0031】
以上構成により、調節軸88の調節ノブ88cを回動することにより、左右の回動アーム81・81を同時に機体内側へあるいは機体外側へ移動させることができるのである。回動アーム81の左右方向への移動により、ガイドローラ装置22も左右方向へ移動を行う。
【0032】
次に動力散布機17の構成について説明する。動力散布機17はファンケース4、エンジン3、薬剤タンク2、散布管14により構成されている。該動力散布機17は前記移動台車16の後部に配設されており、前方より、薬剤タンク2、散布管14、ファンケース4、エンジン3、燃料タンク24の順に配置されている。ファンケース4内には図示しないファンが内装されている。該ファンケース4の後部にはエンジン3が接続されており、該エンジン3により前記ファンが駆動される。薬剤タンク2とファンケース4は、導入パイプ7により接続されている。ファンにより発生した風は、薬剤タンク2の下部を介して、散布管14に送られる。導入パイプ7により薬剤タンク2の下部に導入された風は、薬剤薬剤とともに散布管14に送られる。これにより、薬剤タンク2内の薬剤がファンケース4内のファンよりの送気で、散布管14より圃場に散布される。散布管14の向きは左右および上下方向に回動可能であり、任意の回動位置において固定することができる。
前記ハンドル5の左側にはアクセルレバー5aが配設されており、該アクセルレバー5aにより散布機17のエンジン3の出力を調節するものである。
【0033】
また、駆動輪と従動輪とを有する移動台車に動力散布機及び薬剤タンクを配設した押動式散布機であって、駆動輪と、該駆動輪に対して同軸に配設される駆動スプロケットとを角軸にて構成し嵌め合わせたので、タイヤ修理等の際に、駆動スプロケットからタイヤの取り外しが容易であり、メンテナンス性が向上するのである。
【0034】
また、駆動輪と従動輪とを有する移動台車に動力散布機及び薬剤タンクを配設した押動式散布機であって、従動輪を支持するアームを押動式散布機のフレームに左右傾動可能に配設し、該傾動の回動中心の上下位置を該従動輪の枢軸と略一致する箇所に設けたので、作業等において後輪が傾動させられた際にも、その傾動の影響により移動台車本体がねじれた状態にはなりにくく、その傾動の影響を少なくすることができるのである。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1の如く、駆動輪である前輪(9)及び従動輪である後輪(11)とを有する移動台車(16)に、動力散布装置(17)及び薬剤タンク(2)を配設した押動式動力散布機(1)において、該前輪(9)の両側方に配設されるガイドローラ装置(22)と、該移動台車(16)のフレーム(8)に枢設され、該ガイドローラ装置(22)を上下及び左右回動可能に支持する左右の回動アーム(81・81)と、左右の該回動アーム(81・81)を同時に左右回動させる調節手段とを備え、該フレーム(8)より機体外側に支持板(27)を突設し、該支持板(27)に左右方向のアーム回動支点軸(82)を枢支し、該アーム回動支点軸(82)に「コ」字型の傾動部材(70)を配設し、該傾動部材(70)とアーム回動支点軸(82)の上下間をボルト(71)により貫通して、該傾動部材(70)をボルト(71)を中心に左右方向に回動可能とすると共に、前記アーム回動支点軸(82)の回動に伴い上下回動可能とし、前記傾動部材(70)に前部に前記回動アーム(81)の後端を固設し、前記左右の回動アーム(81・81)の前端に左右のガイドローラ装置(22・22)を支持し、前記左右の回動アーム(81・81)の後部には、該回動アーム(81・81)より下方に枢支軸(89)を配設し、該枢支軸(89)にナット(91)を固設し、該左右の回動アーム(81・81)の該左右のナット(91・91)間に、調節軸(88)を螺装し、該調節軸(88)は左右両側で互いに逆螺子とし、前記調節軸(88)を回動することにより、螺合する前記左右のナット(91・91)を左右逆方向に摺動し、左右のガイドローラ装置(22・22)の位置を調整可能としたので、簡単な構成で、ガイドローラ装置(22)の左右の位置を調整することができるのである。
【0036】
請求項2に記載の如く、請求項1記載の押動式散布機において、前記調節軸(88)の端部に調節ノブ(88c)を設け、作業者の手動により前記調節軸(88)の回動を可能とし、前記左右の回動アーム(81・81)を同時に機体内側へあるいは機体外側へ移動可能としたので、調節手段として備えられた一本の螺子軸のノブを回すだけで、左右のガイド装置を同時に左右回動させて、左右幅を調節することができるのである。
【0035】
請求項3に記載の如く、請求項1記載の押動式散布機において、前記支持板(27)より支点軸(83)を機体外側へ延出し、前記ガイドローラ装置(22)を支持するブラケット(64)より支点軸(84)を機体外側に延出し、両支点軸(83・84)の間を、両端にボールジョイントを構成した一つの支持アーム(85)により連結し、前記支点軸(83)と略対称に、他の支点軸(86)を機体内側に延出し、前記ガイドローラ装置(22)側の支点軸(84)と略対称に、他の支点軸(87)を、ブラケット(64)側から機体内側に延出し、両支点軸(86・87)間をも、両端にボールジョイントを構成した他の支持アーム(85)により連結し、該2本の支持アーム(85・85)と、1本の回動アーム(81)により、左右一方のガイドローラ装置(22)を上下左右に回動可能に支持したので、これらの支持アーム85・85の配設により、ガイドローラ装置22の長手方向が、常時略前後方向となるように姿勢制御が行われるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 押動式動力散布機の側面図である。
【図2】 押動式動力散布機の平面図である。
【図3】 前輪及びチェンケースの断面図である。
【図4】 移動台車のA−A断面図である。
【図5】 支持アームの回動支点を示す側面断面図である。
【図6】 後輪の左右傾動機構の構成部材を示す斜視図である。
【図7】 ガイドローラ装置回動機構を示す側面図である。
【図8】 ガイドローラ装置回動機構を示す平面図である。
【図9】 回動アーム後端部近傍を示す側面一部断面図である。
【図10】 回動アーム後端部近傍を示す正面一部断面図である。
【図11】 回動アーム前端部近傍を示す正面一部断面図である。
【符号の説明】
1 押動式動力散布機
2 薬剤タンク
8 フレーム
9 前輪
11 後輪
16 移動台車
17 動力散布装置
22 ガイドローラ装置
30 枢軸
33 支持アーム
53 駆動スプロケット
81 回動アーム
88 調節軸

Claims (3)

  1. 駆動輪である前輪(9)及び従動輪である後輪(11)とを有する移動台車(16)に、動力散布装置(17)及び薬剤タンク(2)を配設した押動式動力散布機(1)において、該前輪(9)の両側方に配設されるガイドローラ装置(22)と、該移動台車(16)のフレーム(8)に枢設され、該ガイドローラ装置(22)を上下及び左右回動可能に支持する左右の回動アーム(81・81)と、左右の該回動アーム(81・81)を同時に左右回動させる調節手段とを備え、該フレーム(8)より機体外側に支持板(27)を突設し、該支持板(27)に左右方向のアーム回動支点軸(82)を枢支し、該アーム回動支点軸(82)に「コ」字型の傾動部材(70)を配設し、該傾動部材(70)とアーム回動支点軸(82)の上下間をボルト(71)により貫通して、該傾動部材(70)をボルト(71)を中心に左右方向に回動可能とすると共に、前記アーム回動支点軸(82)の回動に伴い上下回動可能とし、前記傾動部材(70)に前部に前記回動アーム(81)の後端を固設し、前記左右の回動アーム(81・81)の前端に左右のガイドローラ装置(22・22)を支持し、前記左右の回動アーム(81・81)の後部には、該回動アーム(81・81)より下方に枢支軸(89)を配設し、該枢支軸(89)にナット(91)を固設し、該左右の回動アーム(81・81)の該左右のナット(91・91)間に、調節軸(88)を螺装し、該調節軸(88)は左右両側で互いに逆螺子とし、前記調節軸(88)を回動することにより、螺合する前記左右のナット(91・91)を左右逆方向に摺動し、左右のガイドローラ装置(22・22)の位置を調整可能としたことを特徴とする押動式散布機。
  2. 請求項1記載の押動式散布機において、前記調節軸(88)の端部に調節ノブ(88c)を設け、作業者の手動により前記調節軸(88)の回動を可能とし、前記左右の回動アーム(81・81)を同時に機体内側へあるいは機体外側へ移動可能としたことを特徴とする押動式散布機。
  3. 請求項1記載の押動式散布機において、前記支持板(27)より支点軸(83)を機体外側へ延出し、前記ガイドローラ装置(22)を支持するブラケット(64)より支点軸(84)を機体外側に延出し、両支点軸(83・84)の間を、両端にボールジョイントを構成した一つの支持アーム(85)により連結し、前記支点軸(83)と略対称に、他の支点軸(86)を機体内側に延出し、前記ガイドローラ装置(22)側の支点軸(84)と略対称に、他の支点軸(87)を、ブラケット(64)側から機体内側に延出し、両支点軸(86・87)間をも、両端にボールジョイントを構成した他の支持アーム(85)により連結し、該2本の支持アーム(85・85)と、1本の回動アーム(81)により、左右一方のガイドローラ装置(22)を上下左右に回動可能に支持したことを特徴とする押動式散布機。
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