JPH0517182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、畝栽培された野菜などの植物の間
に於て、消毒作業を行おうとするときの作業に用
いる機械に関するものである。

（従来の技術） 畝栽培された畑地における従来の消毒作業は、
背負い式の消毒器によるものか、バツテリーやエ
ンジン駆動による４輪車を用いた消毒機によるも
のであつた。前者の背負い式消毒器によるものは
小回りが良く、作業性に優れているが、１回の準
備で出来る作業量には限界があり、作業者の健康
管理にも多くの問題があつた。

一方、４輪車方式によるものは１回の準備で出
来る作業量には膨大なものがあるが、バツテリー
方式によるものは毎日の充電作業に多くの問題が
ある。特に、１日当たりの作業量の多いときや、
充電不足の時に緊急消毒作業を必要としたとき、
作業途上で作業の出来なくなることがあつた。こ
れは関係農家にとつて致命的な重大な問題であ
る。

またエンジン方式によるものは、その排気ガス
に植物に与える影響が指摘されている。特に、近
年急速に普及しているビニールハウスの中などで
は使用することが不適当とされてきている。加え
て、それら動力式によるものは、狭いところに於
ける通り抜けなどの作業性にも多くの難点があつ
た。

（考案が解決しようとする課題） 種類の異なる植物が狭い場所に多く混在して植
えられているビニールハウスにおいて、それらの
場所を自在に通り抜け、植物の状況に応じて葉の
表面や裏面から薬剤を効率的に散布し、しかも長
時間にわたる消毒作業が可能なことはもとより、
消毒薬剤の作業者への影響をより少なくさせる手
動式の薬剤散布機を提供しようとするものであ
る。

（課題を解決するための手段） その解決手段を図によつて説明すれば、第１図
は本考案農薬散布機の一般走行や狭い箇所の走行
時における全体像を示す平面図、第２図はその側
面図、第３図は薬剤を散布するときの状態を示す
側面図である。また、第４図は第１図のＡ−Ａ断
面を、第５図はＢ−Ｂ断面を拡大して示した拡大
断面図、第６図は第２図のＣ−Ｃ断面における拡
大断面図である。

操作ハンドル１はレバー２に溶接され、一体に
なつていて、操作棒３の一端と枢軸４で連結さ
れ、水平方向の左右に回転出来るようになつてい
る。また、このレバー２の左右両端にはワイヤー
緊結点５を有し、タイヤ６の方向を変えるワイヤ
ー７と連結している。

第６図に於て、タイヤの方向変換機構８，９，
９′は枢軸１０によつて連結されている。このタ
イヤの方向変換機構には枢軸１０′を介して設け
たレバー１１があり、ワイヤー固定点１２に於て
ワイヤーを固定している。そしてワイヤー７の左
右への動きに応じてタイヤの方向変換機構９が左
右に移動し、タイヤの方向変換機構９′が本体１
３と或角度を有するようになる。タイヤ６の車軸
１４はタイヤの方向変換機構９′の一端に溶接さ
れているので、タイヤ６はタイヤの方向変換機構
９′の動きに応じて進行方向の角度を変えること
になる。

第１図，第２図及び第３図に於て、操作ハンド
ル１を垂直方向の左右に回転するように操作する
と、操作棒３が左右に回転する作用をもつてく
る。第４図及び第５図に於て、操作棒３はその一
端を本体１３に熔接した蝶番による枢軸１５の他
端に熔接され、いわゆるピン構造になつているの
で、操作棒３の左右への回転しようとする上記の
力がそのまま本体１３に伝わる。本体は枢軸１６
を介してタイヤの方向変換機構８と連結している
ので、上記の力は本体１３を左右に傾斜させるこ
とになる。この本体を傾斜させることによって、
本体１３上に取り付けた噴霧ノズル取り付けパイ
プ１７を左右の何れかに傾斜させ、噴霧ノズル１
８の噴霧角度を変化させる。なお、スプリング１
９は本体１３の左右のバランスを保つために設け
てある。

噴霧ノズル取り付けパイプ１７は支持枠２０を
介して支えられ、この支持枠は枢軸２１によつて
本体１３に接続している。このため噴霧ノズル取
り付けパイプ１７は第２図の水平方向から第３図
の垂直方向へと回転させることが出来る。支持枠
２０は支持枠角度調節アーム２２によつて各種の
角度に調節、固定される。

噴霧ノズル取り付けパイプ１７はハンドル１の
近くに設けた噴霧ガン２３とホース２４で結ば
れ、噴霧ガンはホースによつて別途の薬剤ポンプ
に接続される。噴霧ガンの引金２５を操作するこ
とにより噴霧ノズルから薬剤を噴霧することが出
来る。

（作用） 噴霧ガン２２を別途の薬剤ポンプにホースで接
続し、噴霧ノズル取り付けパイプ１７を第３図に
示すごとくに起して固定する。この時、植物の高
さに応じて支持枠角度調節アーム２１を調節し、
固定角度を決める。

畝間を通るときハンドル１を水平方向に回すよ
うに操作すると本体１３が左、または右に移動し
て植物に接近し、あるいは離れるようになる。こ
の時、植物の状態を見ながら、更にハンドルを垂
直方向に回すように操作して噴霧ノズル１８の噴
霧角度を変え、噴霧ガンの適宜な操作と併せて、
植物の茎や葉の表裏両面を万遍なく消毒する。ま
た、狭い場所での方向変換や通り抜けの必要が生
じたときには、ハンドルの水平方向左右の回転操
作操作によつてタイヤ６の方向を変えると共に、
噴霧ノズル取り付けパイプ１７を第１図に示すご
とく倒すことによつて進行する。

（効果） 噴霧ノズル１８と操作ハンドル１の距離が離れ
ているので、噴霧された農薬の人体への影響を少
なくしながら噴霧することが出来る。

植物の状況に応じて植物に万遍なく農薬を散布
でき、狭い場所での方向転換や通り抜けが容易で
ある。また、充電などの必要がなく、何時でも作
業が出来、排気ガスなどの影響も全くない。

【図面の簡単な説明】

第１図は農薬散布機の一般走行や狭い箇所の走
行時に於ける全体像を示す平面図、第２図はその
側面図、第３図は薬剤を散布するときの状態を示
す側面図、第４図は第１図のＡ−Ａ断面における
拡大断面図、第５図はＢ−Ｂ断面の拡大断面図、
第６図は第２図のＣ−Ｃ断面における拡大断面図
である。 １……操作ハンドル、２……レバー、３……操
作棒、４……枢軸、５……ワイヤー緊結点、６…
…タイヤ、７……ワイヤー、８，９，９′……タ
イヤの方向変換機構、１０，１０′……枢軸、１
１……レバー、１２……ワイヤー固定点、１３…
…本体、１４……車軸、１５……枢軸、１６……
枢軸、１７……噴霧ノズル取り付けパイプ、１８
……噴霧ノズル、１９……スプリング、２０……
支持枠、２１……枢軸、２２……支持枠角度調節
アーム、２３……噴霧ガン、２４……ホース、２
５……引金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴霧機本体上に前後に対して任意の角度で固定
   出来る噴霧ノズルを備えた噴霧ノズル取り付けパ
   イプを設けると共に、操作棒にて本体に連結した
   操作ハンドルを水平または垂直方向に回転するよ
   うな操作を行つて、本体に取り付けたタイヤの方
   向を変え、或いは本体を左右に傾斜させることに
   よつて噴霧ノズル取り付けパイプを左右に傾斜さ
   せ、植物の状態を見ながら農薬を万遍なく植物に
   散布できるようにした手動２輪の農薬散布機。