JP4612484B2 - 基板検査結果の分析支援方法、およびこの方法を用いた基板検査結果の分析支援装置ならびにプログラム - Google Patents
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また部品実装基板に生じる不良は、必ずしも製造工程の不具合により生じる場合に限らず、基板の設計に問題がある場合もある。たとえば、はんだ印刷工程に使用するマスクの設計データに不備があると、基板の各ランドへのクリームはんだの塗布状態に異常が生じる。また配線パターンやスルーホールの位置などがリフロー工程でのはんだの溶融状態に影響を及ぼす場合もある。
しかし、基板に発生した不良から設計上の問題を特定するのは容易ではなく、多大な時間と労力とを要する。また、不良が発生した時点では、一般に、まず工程に不具合がないかどうかをチェックするため、真の原因を究明するのに時間がかかり、その結果、多量の不良基板が発生するおそれがある。
「製造工程」は、前記したはんだ印刷工程、部品実装工程、リフロー工程のいずれかと考えることができるが、これに限らず、プリント配線板の製造工程や、リフロー炉によらずに手動やロボットによりはんだ付けを行う工程(以下、「特殊はんだ付け工程」という。)とすることもできる。この発明では、これらの工程のうちの少なくとも1つに検査機が配備され、その工程実行後の基板が検査されることを前提に、その検査結果の分析作業を支援するようにしている。
「分析対象の画像」とは、前記した検査のために生成された画像である。
また、検査機側のカメラの視野サイズを認識していない場合には、この視野サイズ、すなわち前記領域の大きさを表す情報も「領域の特定に関する情報」に含める必要がある。
たとえば、前記画像上で前記特定の部品から画像の中心点に向かうベクトルを抽出した後、前記基板上の2次元座標系と画像とのサイズ比に合わせてベクトルの長さを調整する。そして、前記2次元座標系の部品の位置を起点に前記調整後のベクトルを設定することにより、そのベクトルの終点を中心点とする前記カメラの視野に応じた大きさの領域を設定し、これを前記画像に対応する領域として特定することができる。
なお、この第3ステップにおける「取得」も、第1ステップと同様に、装置内のデータベース(リムーバブル媒体を含む。)からデータを読み出す処理、および外部装置からデータの送信を受け付ける処理を含むものと考えることができる。
この第4ステップでは、設計図面と画像との倍率を一致させ、左右上下の位置関係も同一にし、回転ずれが生じていない状態にした上で、画像上に設計図面上の特徴的なパターンを貼り合わせる(設計図面の背景に対応する画素は貼り合わせない)ようにすることができる。なお、貼り合わせの部分で元の画像を透過させたり、貼り合わせのパターンを輪郭線のみにするなど、設計図面と画像上の構成とを対比しやすいような合成画像を作成するのが望ましい。
部品実装機7は、前記はんだ印刷工程が実施された後の基板を取り込んで、部品実装工程を実行する。リフロー炉8は、部品実装後の基板を加熱することにより、各部品のはんだ付けを行う。この処理がリフロー工程である。
さらに、リフロー炉8の下流には、このリフロー炉8でのはんだ付けが困難な特殊部品を人手やロボットにより取り付ける工程9(特殊はんだ付け工程)が設けられている。
その他の構成の動作は、主制御部20からの指令を受けたPLC21により制御される。コンベア装置26には、上流の搬入用のコンベアと下流の搬出用のコンベアとが含まれる。XYステージ25は、検査対象の基板を支持するためのもので、PLC21からの指令に応じて、基板の所定範囲が撮像部15の視野に含まれるように位置合わせを行う。照明部24は、基板を照明するためのもので、赤(R)、緑(G)、青(B)の円環状光源を含む。
図3は、分析処理装置1の機能ブロック図である。図中、設計データ抽出部11、合成処理部12、診断知識作成部13は、それぞれ前記分析処理装置1のCPU(図示せず。)に設定される機能である。表示部14は、前記モニタ10およびこのモニタ10への表示画面を作成するCPUの機能により構成される。入力部15は、マウス、キーボードなどの入力用機器により構成される。受信部16は、前記検査機2A〜2Eに対するインターフェース回路や受信情報の保存に関わるCPUの機能により構成される。
さらに、この分析処理装置1には、前記検査機からの送信情報を蓄積するための分析用データベース17や、ユーザーにより入力された診断知識を蓄積するための診断知識データベース18が設けられる。これらのデータベースは、いずれも分析処理装置1の図示しないハードディスクに設定される。
なお、この実施例の設計データには、基板に搭載される各種部品の識別コードと実装位置とを対応づけた情報(以下、「部品実装情報」という。)、はんだ印刷工程で使用されるマスクの開口部の配置状態(各マスクの位置や大きさ)を示す情報(以下、「マスク設計情報」という。)、およびランドを含む配線パターンの分布状態を示す情報(以下、「配線パターン情報」という。)などが含まれる。これらの設計データは、基板単位でファイル化される。両面実装タイプの基板についても、双方の面(一方をA面、他方をB面とする。)の設計データが1ファイルに編集される。
また各検査機2A〜2Eでは、撮像対象領域を撮像すると、まず生成された画像の回転角度を、基板上の位置決めマーク(図示せず。)などを用いて抽出し、抽出された回転角度に応じて画像を補正する。前記画像ファイルとして保存されるのは、この回転補正後の画像である。
なお、S1,S2,S3は、各領域の領域コードとして使用されるものとする。また、図中のCは画像201の中心点を、R100は画像201中の一部品を、Pは部品R100の中心点を、それぞれ示す。
この情報には、対応する画像ファイルのファイル名、画像全体に関わる情報(画像情報)、撮像領域S1に含まれる各部品毎の情報(部品情報)などが含まれる。なお、画像ファイルのファイル名は、前記したリンク情報として機能する。
図中、点線で囲んだ領域K1は、前記撮像対象領域S1に対応する。言い換えれば、領域S1を撮像して得られた画像に対応することになる。また、この領域K1中の点C´、P´は、それぞれ前記図4に示した画像201の点C,Pに対応する。
図中の201は、前記ファイル名Z0001A−S1の画像であり、202は前記領域K1から抽出された設計図面である。図中のSCALECADは、設計図側のスケールの大きさを、SCALEAは画像側のスケールの大きさを、それぞれ示す。この例では、画像側のSCALEAの方が設計図面側のSCALECADより大きいため、SCALEAがSCALECADになるように画像を縮小し、その縮小後の点Pに前記P´が重なり、点Cに点C´が重なるようにして、設計図面を重ね合わせている。このような処理により、画像上の部品やはんだと設計図面との関係を正確に示した画像を生成することができる。
このような表示画面によれば、ユーザーは、各工程実行後の基板の構成や設計図との差違を工程間で比較することができるから、より詳細な分析を行うことが可能になる。
2A〜2E 検査機
3 設計データサーバ
4 LAN回線
11 設計データ抽出部
12 合成処理部
14 表示部
17 分析用DB
30 設計データベース
Claims (6)
- 部品実装基板の製造のために実行される所定の製造工程を経た基板を撮像して検査するように設定された検査機における検査結果を、当該検査機が検査のために生成した画像を用いて人が分析するに際し、その分析作業を支援するための方法であって、
前記検査機で生成された分析対象の画像を取得するとともに、この画像に対応する基板の識別情報および当該基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定するための情報を取得する第1ステップと、
前記分析対象の画像について、この画像とともに前記第1ステップで取得した情報を用いて、前記検査された基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定する第2ステップと、
前記検査された基板に関して、配線パターンの分布状態を示す情報および部品の実装状態を示す情報ならびにはんだ印刷用のマスクの開口部の配置状態を示す情報を含む設計データを取得し、これらの情報の中のいずれか1つから前記第2ステップで特定された領域内の情報を抽出する第3ステップと、
前記第3ステップで抽出された情報による設計図面と前記分析対象の画像とを、倍率および方向を合わせて重ね合わせた合成画像を作成する第4ステップと、
前記第4ステップで作成された合成画像を表示する第5ステップとを、実行することを特徴とする基板検査結果の分析支援方法。 - 請求項1に記載された方法において、
部品実装基板の製造ラインに含まれる複数の工程に対してそれぞれ配備される複数の検査機を対象に前記第1〜第4の各ステップを実行すると共に、第3ステップでは、処理対象の検査機毎に、前記設計データの3種類の情報の中から当該検査機に対応する工程に応じた情報を選択して前記第2ステップで特定された領域内の情報を抽出し、
前記第5ステップでは、同じ基板の同じ領域に関して検査機毎に作成された各合成画像を並列表示する基板検査結果の分析支援方法。 - 部品実装基板の製造のために実行される所定の製造工程を経た基板を撮像して検査するように設定された検査機における検査結果を、当該検査機が検査のために生成した画像を用いて人が分析するに際し、その分析作業を支援するための装置であって、
前記検査機で生成された分析対象の画像、およびこの画像に対応する基板の識別情報ならびに当該基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定するための情報を、それぞれ取得する第1の情報取得手段と、
前記検査機で検査された基板に関して、配線パターンの分布状態を示す情報および部品の実装状態を示す情報ならびにはんだ印刷用のマスクの開口部の配置状態を示す情報を含む設計データを取得する第2の情報取得手段と、
前記第1の情報取得手段が取得した画像について、この画像とともに第1の情報取得手段が取得した情報を用いて、前記検査された基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定する領域特定手段と、
前記第2の情報取得手段が取得した設計データに含まれる3種類の情報の中のいずれか1つから前記領域特定手段により特定された領域内の情報を抽出する設計データ抽出手段と、
前記設計データ抽出手段により抽出された情報による設計図面と前記第1の情報取得手段が取得した画像とを、倍率および方向を合わせて重ね合わせた合成画像を作成する画像合成手段と、
前記画像合成手段により作成された合成画像を表示する表示手段とを、具備する基板検査結果の分析支援装置。 - 請求項3に記載された装置において、
部品実装基板の製造ラインに含まれる複数の工程に対してそれぞれ配備される複数の検査機を対象に、前記第1の情報取得手段、第2の情報取得手段、領域特定手段、および設計データ抽出手段の各処理が実施されると共に、前記設計データ抽出手段は、処理対象の検査機毎に、前記設計データの3種類の情報の中から当該検査機に対応する工程に応じた情報を選択して前記領域特定手段により特定された領域内の情報を抽出し、
前記表示手段は、同じ基板の同じ領域に関して検査機毎に作成された各合成画像を並列表示する基板検査結果の分析支援装置。 - 部品実装基板の製造のために実行される所定の製造工程を経た基板を撮像して検査するように設定された検査機における検査結果を、当該検査機が検査のために生成した画像を用いて人が分析するに際し、その分析作業を支援するための装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記検査機で生成された分析対象の画像を取得するとともに、この画像に対応する基板の識別情報および当該基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定するための情報を取得する第1ステップ;
前記分析対象の画像について、この画像とともに前記第1ステップで取得した情報を用いて、前記検査された基板において前記分析対象の画像に対応する領域を特定する第2ステップ;
前記検査された基板に関して、配線パターンの分布状態を示す情報および部品の実装状態を示す情報ならびにはんだ印刷用のマスクの開口部の配置状態を示す情報を含む設計データを取得し、これらの情報の中のいずれか1つから前記第2ステップで特定された領域内の情報を抽出する第3ステップ;
前記第3ステップで抽出された情報による設計図面と前記分析対象の画像とを、倍率および方向を合わせて重ね合わせた合成画像を作成する第4ステップ;
前記第4ステップで作成された合成画像を表示する第5ステップ;
び各ステップを前記コンピュータに実行させるように構成された基板検査結果の分析支援用のプログラム。 - 請求項5に記載されたプログラムにおいて、
部品実装基板の製造ラインに含まれる複数の工程に対してそれぞれ配備される複数の検査機を対象に前記第1〜第4の各ステップを実行すると共に、第3ステップでは、処理対象の検査機毎に、前記設計データの3種類の情報の中から当該検査機に対応する工程に応じた情報を選択して前記第2ステップで特定された領域内の情報を抽出し、
前記第5ステップでは、同じ基板の同じ領域に関して検査機毎に作成された各合成画像を並列表示するように前記コンピュータを動作させる基板検査結果の分析支援用のプログラム。
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