JP4610789B2 - 変性ポリオキシメチレン共重合体、その製造法及びこれを用いた複合成形品 - Google Patents

変性ポリオキシメチレン共重合体、その製造法及びこれを用いた複合成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ポリオレフィン材料との接着性や溶着性に優れたポリオキシメチレン共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリオキシメチレン樹脂は機械的性質、電気的性質、耐薬品性等の多くの物性に関して、バランス良く優れた特性を有するエンジニアリングプラスチックであり、例えば、自動車部品、電気・電子機器部品、機械部品等の構造部品用材料として広く利用されている。一方で、ポリオキシメチレン樹脂以外にもこれらの分野で多く利用されている樹脂材料として、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン類があり、近年は、こうしたポリオレフィン製部品とポリオキシメチレン樹脂製部品を接着あるいは溶着して、それぞれの樹脂が持つ特性を生かした複合部品を得ようとする試みがしばしば見受けられる。また、2色成形等の成形手段を用いて、ポリオレフィン製部品とポリオキシメチレン樹脂製部品を成形時に一体化させて複合成形品を得ようとする試みもある。
【0003】
しかしながら、ポリオキシメチレン樹脂は本来ポリエチレンやポリプロピレンとの親和性が低いため、これらポリオレフィン製部品とポリオキシメチレン樹脂製部品を単に接着或いは溶着しただけでは、十分な強度を有する複合部品を得ることはできない。
【0004】
これを改善するために、接着による方法においては各種の接着剤が検討されてきたが、未だ十分な接着強度を有する複合部品を得ることは困難である。
【0005】
また、熱溶着や2色成形により複合化させる方法においては、ポリオキシメチレン樹脂とポリオレフィンの親和性の改善が鍵を握るものであり、ポリオレフィンとして無水マレイン酸等で変性したポリオレフィンを用いることにより、或いはポリオキシメチレン樹脂としてかかる酸変性ポリオレフィンを配合したポリオキシメチレン樹脂組成物を用いることにより両樹脂の親和性を改善し、ポリオキシメチレン樹脂製部品とポリオレフィン製部品の溶着性・接着性を向上させることが検討されてきたが、その接着性・溶着性は未だ十分なものとは言えず、より一層の改善が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる要求に応え得る樹脂材料を提供するため鋭意検討を重ねた結果、ポリオキシメチレン骨格を主体として、これにポリビニルアセタール骨格を構成単位として導入することにより、ポリオキシメチレン樹脂が本来有する優れた機械的物性を損なうことなくポリオレフィン材料との接着性・溶着性に優れた変性ポリオキシメチレン共重合体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
即ち本発明は、ポリオキシメチレン骨格50〜99.99重量%と、ポリビニルアセタール骨格0.01〜50重量%とを構成単位として有することを特徴とする変性ポリオキシメチレン共重合体に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体及びその製造方法について詳細に説明する。
【0009】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体は、前述の如く、ポリオキシメチレン骨格50〜99.99重量%と、ポリビニルアセタール骨格0.01〜50重量%とを構成単位として有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体を構成するポリオキシメチレン骨格としては、実質的にオキシメチレン繰り返し単位のみからなるポリオキシメチレンホモポリマー骨格、オキシメチレン基以外にオキシアルキレン基等の他の構成単位を有するポリオキシメチレンコポリマー骨格、さらにはオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし分岐構造や架橋構造を有する骨格等の何れであってもよい。かかるポリオキシメチレンホモポリマー骨格は、無水ホルムアルデヒドの重合、もしくはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサン等の重合により、また、ポリオキシメチレンコポリマー骨格は、ホルムアルデヒド又は一般式(CH2O)n[但し、nは3以上の整数]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマー、例えばトリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合することによって形成することができる。共重合のための環状エーテル又は環状ホルマールとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、オキセパン、エチレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が用いられる。また、上記共重合における環状エーテル又は環状ホルマールの代わりに、或いはこれらの環状エーテル又は環状ホルマールと併用して、ジグリシジルエーテル化合物等の多官能化合物や、アルキルグリシジルエーテルの如き特定構造の単官能化合物を用いることにより、分岐構造或いは架橋構造を有するポリオキシメチレン骨格が得られる。
【0011】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体を構成するポリオキシメチレン骨格としては、上記の如きポリオキシメチレン骨格の何れであってもよいが、中でもオキシメチレン基以外の共重合成分としてオキシアルキレン基を導入したポリオキシメチレンコポリマー骨格であるのが好ましい。また、かかるポリオキシメチレンコポリマー骨格としては、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし0.05〜10モル%のコモノマー単位を有するものが好ましく、特に好ましくは0.1〜5.0モル%のコモノマー単位を有するものである。変性ポリオキシメチレン共重合体がかかるポリオキシメチレンコポリマー骨格を有することは、樹脂自体の熱安定性等の見地から、また、本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体からなる成形部品をポリオレフィンからなる成形部品と熱溶着等により溶着或いは接着させる際の耐熱性の観点から、特に好ましいものである。
【0012】
次に、本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体を構成するポリビニルアセタール骨格は、ポリビニルアセタール樹脂を用いて、これをポリオキシメチレン骨格と化学的に結合させることにより導入される。ここで用いられるポリビニルアセタール樹脂とは、基本的にはポリビニルアルコールを塩酸や硫酸のような酸触媒の存在下でアルデヒドと反応させて、ポリビニルアルコールの水酸基の一部又は全部をアセタール化したものであり、ホルムアルデヒドによる反応物はポリビニルホルマール樹脂、ブチルアルデヒドとの反応物はポリビニルブチラール樹脂と称されている。さらに、反応させるアルデヒドの種類によって、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピルアセタール等が知られている。これらのポリビニルアセタール樹脂の製造法としては、例えばポリ酢酸ビニルを酸によって加水分解する際にその初期段階でアルデヒドを加え、加水分解とアセタール化を同時に進行させるという一段法、又はポリ酢酸ビニルの加水分解により生成するポリビニルアルコールを一度分離したのちこれをアセタール化するという二段法等が挙げられる。このようにして得られるポリビニルアセタール樹脂は、ビニルアセタール基を主体としビニルアルコール基や場合により酢酸ビニル基を有するものであり、下記一般式(1)で示されるものである。
【0013】
【化1】
Figure 0004610789
【0014】
ここでR1は、−(CH2n−CH3[但し、n=0〜3]で表され、一般的には−CH3である。また、R2は水素又は炭素数4以下の任意のアルキル基であって、代表的な例としては、−CH3又は−C37が挙げられる。また、X,Y,Zは任意であるが、本発明において使用するポリビニルアセタール樹脂としては、構成単位として60重量%以上のビニルアセタール基を有するものが好ましく、ビニルアルコール基は0.1〜40重量%であるのが好ましい。
【0015】
また、ポリビニルアセタール樹脂は、形成される変性ポリオキシメチレン共重合体の分子量、流動性や、本発明の目的であるポリオレフィンとの溶着性改善等の観点から、平均重合度100〜3,000のものが好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂の中でも、特にポリビニルホルマール樹脂及びポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
【0016】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体において、かかるポリビニルアセタール骨格の割合は、ポリオキシメチレン骨格50〜99.99重量%に対して0.01〜50重量%であり、特に好ましくは0.5〜5重量%である。ポリビニルアセタール骨格の割合が0.01重量%未満では、ポリオレフィン材料との溶着・接着効果が十分発揮されず、また、50重量%を超えると、得られる変性ポリオキシメチレン共重合体の機械的物性の極端な悪化を招く。又、重合系が不均一になり重合が困難となる。
【0017】
また、本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体の重量平均分子量は3,000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000であり、これは後述の重合条件により調節して任意の値とすることが出来る。
【0018】
上記の如きポリオキシメチレン骨格とポリビニルアセタール骨格とを有する本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、ポリオキシメチレン骨格を形成し得る前述の如きモノマー成分及びコモノマー成分等を用いて一旦ポリオキシメチレン重合体又は共重合体を製造し、これをポリビニルアセタール樹脂と反応させる方法等も可能であるが、特に好ましいのは、以下に説明するように、ポリビニルアセタール樹脂の存在下で、ポリオキシメチレン骨格を形成し得るモノマー或いはさらにコモノマーを重合反応させる方法である。これにより、ポリオキシメチレン骨格が形成されると共に、ポリビニルアセタール樹脂との反応によりポリビニルアセタール骨格も有する変性ポリオキシメチレン共重合体が得られる。
【0019】
以下、好ましい構成であるポリオキシメチレンコポリマー骨格とポリビニルアセタール骨格を有する変性ポリオキシメチレン共重合体を例にとって、その製造法を説明する。
【0020】
かかる変性ポリオキシメチレン共重合体は、ポリビニルアセタール樹脂の存在下で、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーを原料主モノマーとし前述した環状エーテル及び/又は環状ホルマールをコモノマーとして、カチオン活性触媒を用いて共重合することによって製造することができる。主モノマーとしてはトリオキサンが代表的で、最も好適であり、コモノマーとしてはエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルホルマール樹脂及び/又はポリビニルブチラール樹脂を用いるのが好ましい。かかるポリビニルアセタール樹脂は、前述したようにビニルアルコール基や環状構造のビニルアセタール基を有するものであり、主としてポリオキシメチレン鎖との連鎖移動剤として働くビニルアルコール基の働きにより、また、重合性官能基として働く環状構造のビニルアセタール基の反応により、ポリオキシメチレン骨格との結合が形成される。重合時に添加したポリビニルアセタール樹脂の一部は未反応のまま系内に残っていても良い。
【0021】
かかる重合反応は、基本的には公知のトリオキサンの共重合法を準用して行うことが出来る。即ち、トリオキサン、コモノマー成分、ポリビニルアセタール樹脂、更には分子量調節剤や重合触媒を同時に添加してもよく、これらを別々に添加しても良い。また、これらの任意の2成分或いは3成分以上を予め混合して供給し、重合に供することもできる。重合に用いるカチオン活性触媒としては、一般にトリオキサンの重合に用いられる公知のカチオン活性触媒であれば何れにてもよく、例えばルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン等のハロゲン化物例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル(例えばパークロル酸三級ブチルエステル)、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物(例えばアセチルパークロラート)、或いはイソポリ酸、ヘテロポリ酸(例えばリンモリブデン酸)、或いはトリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等が挙げられる。中でも三フッ化ホウ素、或いは三フッ化ホウ素と有機化合物(例えばエーテル類)との配位化合物は、最も一般的で適している。本発明に使用する触媒の量は全モノマーに対し、1×10-3〜2×10-1モル%が好ましい。また、反応阻害作用を有する不純物、例えば水、低分子アルコール、酸(蟻酸)等は実質上含まないことが好ましいことは当然であり、これらは全モノマー量に対して、1×10-2モル%以下が好ましい。
【0022】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体の分子量は、共重合成分として添加するポリビニルアセタール樹脂の分子量によってもある程度調節可能であるが、ポリオキシメチレン骨格の分子量は、重合時に使用する連鎖移動剤の量により調節可能である。連鎖移動剤としては低分子量の線状アセタール化合物、例えばメチラール等が代表的なものであるが、他の公知のトリオキサン重合における連鎖移動剤(分子量調節剤)の何れにてもよい。
【0023】
本発明の共重合法は、従来公知のトリオキサンの共重合法と同様の設備と方法で行うことができる。即ち、バッチ式、連続式、何れも可能であり、また、溶液重合、溶融塊状重合等何れにてもよいが、液体モノマーを用い、重合の進行とともに固体粉塊状のポリマーを得る連続式塊状重合方法が工業的には一般的であり好ましい。この場合、必要に応じて不活性液体媒体を共存させることもできる。連続重合装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混合機、2軸パドルタイプの連続混合機その他、これまでに提案されているトリオキサンの連続重合装置が使用可能で、密閉系であれば2段以上に分かれていてもよい。特に重合反応によって生成する固体重合物が微細な形態で得られる様な破砕機能を備えたものが好ましい。重合を完了し、重合機から排出される粗重合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行うことが必要である。本発明において重合触媒を失活するための塩基性化合物としては、アンモニア、或いはトリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、塩類その他公知の触媒失活剤が用いられる。これらの失活剤は水或いはシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の有機溶剤等、反応生成物の冷却用媒体中に溶解させて重合物の冷却と同時に触媒と接触させ中和するのが好ましい。特に水溶液を用いるのが好ましい。また、この際必要に応じ、粉砕し、微粉末として処理するのが好ましい。
【0024】
本発明において重合触媒の失活を行った共重合体は、更に要すれば洗浄、未反応低分子モノマーの分離回収、乾燥等を経て、また、要すれば更に安定化工程を経て、また、各種補助安定剤等の添加剤を加え溶融混練しペレット化して製品とする。補助安定剤としては例えばヒンダードフェノール化合物等の酸化防止剤、アミジン化合物(メラミン、又はその誘導体、シアノグアニジン等)、ヒンダードアミン、ポリアミド等の窒素含有化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、無機又は有機酸塩(例えばカルボン酸塩)等の酸又はホルムアルデヒドの吸収剤等を1種又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0025】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体は、上記の如きポリマー構成により、それ自体でもポリオレフィン系樹脂との接着性・溶着性において顕著な効果を発現するものであるが、これをポリオレフィン系樹脂或いは通常のポリオキシメチレン樹脂と溶融混練してなる組成物として使用しても優れた効果を生じる。更に他の熱可塑性樹脂と溶融混練して成る組成物として用いることもできる。ここで他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、目的に応じて選択使用することができる。更に、本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体には、所望の特性を付与するため、従来公知の添加物、例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒド捕捉剤等の安定剤、潤滑剤、滑剤、核剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を配合し得る。また、ガラス繊維、炭素繊維、その他の無機又は有機の繊維状強化材やガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ等の粉粒状、板状の充填材も適宜配合することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体は、ポリオレフィンと親和性の高いポリビニルアセタール骨格を有することにより、従来のポリオキシメチレン樹脂材料を用いた場合に比してポリオレフィン製部品との接着性を大幅に改善できる。また、ポリビニルアセタール樹脂が本来有する架橋構造や、重合反応によりポリオキシメチレン骨格とポリビニルアセタール骨格とが形成する分岐構造の存在によって、直鎖状ポリオキシメチレン(共)重合体に比して機械的強度も向上する。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
実施例1〜6
連続重合反応機として2つの円が一部重なった断面を有し、外側に熱(冷)媒を通すジャケット付きのバレルと、その内側に互いにかみ合う多数のパドルのついた2本の回転軸より成る連続混合推進反応機を用いた。そのジャケットに80℃の温水を通し、2本の回転軸を一定の速度で回転しつつ、その一端に設けられた供給口から表1に示す割合のトリオキサン、1,3−ジオキソラン及びポリビニルアセタール樹脂を連続的に供給した。また、分子量調節剤としてメチラールを、モノマー全量(ポリビニルアセタール樹脂を含む)に対して100ppmの割合で連続的に供給した。更に、触媒として三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートのブチルエーテル溶液を用い、三フッ化ホウ素換算でモノマー全量に対して100ppmとなるような割合で連続添加して共重合を行った。反応生成物は、重合反応機の他の一端に設けられた排出口より排出し、直ちにトリエチルアミン0.1%を含む水中へ投入粉砕し、常温で一晩放置して触媒の失活を行った。得られたポリマーフレークは遠心分離により回収し、70℃の温水で洗浄後、50℃で2日間乾燥を行った。
【0029】
次いで、これらの生成共重合体に、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社製イルガノックス1010を0.1重量%加えてよく混合し、これをベント付の2軸押出機を用いて脱気しながら溶融混練を行うことによって不安定部分を分解除去し、安定化されたペレット状のポリオキシメチレン共重合体を調製した。
【0030】
評価は下記の方法で行い、その結果を表1に示す。
【0031】
[評価方法]
接着強度:調製したペレット状のポリオキシメチレン共重合体を用いて表2に示す条件で平板(15mm×100mm×2mm)を成形した。一方、ポリオレフィン樹脂材料として無水マレイン酸変性ポリオレフィン(三井石油化学工業(株)製、商品名:タフマーMP0610)を用い、表2に示す条件で平板(15mm×100mm×2mm)を成形した。次いで、上記で得た平板同士を200℃、加圧力1kgで加熱溶着し貼り合わせることにより、接着強度測定用の試験片を得た。
【0032】
接着強度の測定は、図1に示すように、貼り合わせた試験片の端から平板同士を引き剥がし、引き剥がしに要する強度を測定することによって行った。
【0033】
引張強度:調製したペレット状のポリオキシメチレン共重合体を用いて表2に示す条件で引張試験片を成形し、ASTM D638に準拠して引張強度を測定した。
【0034】
比較例1〜3
ポリビニルアセタール樹脂を何も加えないで重合した場合(比較例1)、ポリビニルアセタール樹脂を0.005重量%添加して重合した場合(比較例2)、及び過剰に添加して重合した場合(比較例3)について、実施例1〜6と同様にして評価した。結果を併せて表1に示す。
【0035】
なお、表1におけるポリビニルアセタールの種類を以下に記す。
ポリビニルアセタール種類
A:ポリビニルホルマール(チッソ(株)製ビニレックK)
B:ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラール2000−L)
【0036】
【表1】
Figure 0004610789
【0037】
【表2】
Figure 0004610789

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた接着強度測定用の試験片と接着強度測定状況を示す図である。

Claims (11)

  1. ポリオキシメチレン骨格50〜99.99重量%と、ポリビニルアセタール骨格0.01〜50重量%とを構成単位として有することを特徴とする変性ポリオキシメチレン共重合体。
  2. ポリビニルアセタール骨格が、ポリビニルホルマール骨格、ポリビニルブチラール骨格又はこれらが共存する骨格である請求項1記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  3. ポリビニルアセタール骨格が、100〜3,000の重合度を有するものである請求項1又は2記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  4. ポリビニルアセタール骨格が、構成単位として60重量%以上のビニルアセタール単位を有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  5. ポリビニルアセタール骨格が、構成単位として0.1〜40重量%のビニルアルコール単位を有するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  6. ポリオキシメチレン骨格がポリオキシメチレンコポリマー骨格である請求項1〜5のいずれか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  7. ポリオキシメチレンコポリマー骨格が、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、0.05〜10モル%のコモノマー単位を有するものである請求項1〜6のいずれか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体。
  8. ポリビニルアセタール樹脂の存在下で、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを重合させるか、ホルムアルデヒド又はトリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールを共重合させることを特徴とする、ポリオキシメチレン骨格とポリビニルアセタール骨格とを構成単位として有する変性ポリオキシメチレン共重合体の製造方法。
  9. 請求項1〜7の何れか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体からなる成形品とポリオレフィン系樹脂からなる成形品を、熱溶着させてなる複合成形品。
  10. 請求項1〜7の何れか1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体とポリオレフィン系樹脂とを用い、成形手段により複合化してなる複合成形品。
  11. 成形手段が2色成形である請求項10記載の複合成形品。
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