JP4609096B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波素子の構造に関する。
従来、半導体基板と、半導体基板表面側に設けられた圧電膜と、圧電膜に接して形成されたIDT(トランスデユーサー)と、半導体基板の裏面側に形成され圧電膜とIDTとを含む弾性表面波素子を駆動するための周辺回路素子と、から形成された弾性表面波素子というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平3−24719号公報(図3)
このような特許文献1では、半導体基板の表面に圧電膜が成膜されており、一般に半導体基板の材料としてSi(シリコン)で形成され、圧電膜としての材料がZnO(酸化亜鉛)で形成されるが、SiとZnOとは熱膨張係数が異なり、成膜時に加熱され、常温に戻す際に、熱膨張係数の差から弾性表面波素子が反ってしまうことがある。弾性表面波素子が反ると、IDTの電極間距離が変化し、または、音波の伝播距離が変化することから所望の弾性表面波の音速が得られず、また所望の周波数が得られないというような課題がある。
本発明の目的は、弾性表面波素子の反りをなくし、所望のIDT電極間距離と弾性表面波の伝播距離を保持し、且つ、所望の弾性表面波の音速を得ることができ、このことによって所望の周波数を得ることができる弾性表面波素子を提供することである。
本発明の弾性表面波素子は、基板の表面に圧電体層を形成し、前記圧電体層の表面にIDTを形成する弾性表面波素子であって、前記基板と前記圧電体層の熱膨張係数が異なるとき、前記基板と前記圧電体層との間に中間層を設け、前記基板の熱膨張係数<前記中間層の熱膨張係数<前記圧電体層の熱膨張係数、となる条件を満たしていることを特徴とする。
基板と圧電体層の熱膨張係数が異なるとき、弾性表面波素子の製造過程で加熱処理された際に、弾性表面波素子に反りが発生することが考えられる。本発明によれば、基板と圧電体層との間に、それぞれの熱膨張係数の中間の熱膨張係数を有する中間層を設けることにより、反りを抑制し、反りによって生じるIDT(Interdigital Transducer)の電極間距離の変化、弾性表面波の伝播距離の変化を低減し、所望の周波数を得ることができる。
また、前記圧電体層に、前記基板の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有するダミー
領域が設けられ、前記基板と前記圧電体層とが、等価的な熱膨張・収縮を振舞うよう構成
されていることが好ましい。また、他の態様では、基板の表面側に圧電体層を形成し、前記圧電体層の表面に櫛歯状電極と該櫛歯状電極を接続するバスバーとを有するIDTを形成した弾性表面波素子であって、前記基板と前記圧電体層との間に中間層を設け、前記基板の熱膨張係数<前記中間層の熱膨張係数<前記圧電体層の熱膨張係数、となる条件を満たし、前記圧電体層または前記中間層には、前記基板の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有するダミー領域が設けられ、前記ダミー領域は、前記櫛歯状電極の形成領域の外側に形成され、且つ、前記圧電体層または前記中間層に埋め込まれて形成されたことを特徴とする。また、他の態様では、前記ダミー領域は、前記圧電体層に設けられ、前記基板の熱膨張係数をA(/℃)、前記中間層の熱膨張係数をB(/℃)、前記ダミー領域の熱膨張係数をC(/℃)とし、前記基板の厚みをT1(μm)、前記圧電体層の厚みをT2(μm)としたとき、前記圧電体層の表面積に対する前記ダミー領域の表面積の総和の割合X(%)は、X=(T2×(A―B))/(T1×(C−B))であることを特徴とする。また、他の態様では、前記ダミー領域は、平面視で、前記基板の第1方向および該第1方向と直交する第2方向の両方に対し線対称に形成されたことを特徴とする。

このようにすれば、基板の熱膨張係数よりも小さい材料でダミー領域を圧電体層に設けているため、あたかも圧電体層と基板とが等価的な熱膨張・収縮を振舞うので、弾性表面波素子の反りを抑制することができる。
また、本発明の弾性表面波素子は、基板の表裏両面に圧電体層が形成され、前記圧電体層の一方の表面にIDTが形成され、前記基板の表裏両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞うよう構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、基板の表裏両面に、熱膨張係数がほぼ同じ圧電体層を形成するため、基板の表裏両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞い、弾性表面波素子の反りを抑制することができる。このことによって、IDTの電極間距離の変化、弾性表面波の伝播距離の変化を低減し、所望の周波数を得ることができる。
また、本発明の弾性表面波素子は、基板の表裏両面に中間層を形成し、前記中間層の表面にさらに圧電体層を形成し、一方の圧電体層の表面にIDTが形成され、前記基板の熱膨張係数<前記中間層の熱膨張係数<前記圧電体層の熱膨張係数、となる条件を満たし、前記基板の表裏両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞うよう構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、基板の表裏両面に中間層と圧電体層が形成されるので、基板両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞い、また、中間層を設けることによって熱膨張、収縮を緩和し、弾性表面波素子の反りをより一層抑制し、IDTの電極間距離の変化、弾性表面波の伝播距離の変化を低減し、このことにより、所望の周波数を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態1の弾性表面波素子が示され、図4には実施形態2、図5には実施形態3、図6,7には実施形態4が示され、図8には従来技術による弾性表面波素子が示されている。
(従来技術の課題)
まず、前述した特許文献1による従来技術と課題について図面を参照して説明する。図8は、従来技術による弾性表面波素子の構造と反り方向を模式的に示す断面図である。図8において、弾性表面波素子100は、基板110の表面に圧電体層120が形成され、圧電体層120の表面にIDT(トランスデユーサー電極)130,140が形成されている。さらに、基板110の裏面には、弾性表面波素子を駆動するための周辺回路素子150が設けられている。
ここで、一般的な材質として、基板110をSi(シリコン)、圧電体層120をZnO(酸化亜鉛)とすると、Siの熱膨張係数は3.55×10-6/℃、ZnOの熱膨張係数は4.0×10-6/℃であるため、ZnOの成膜時、あるいはIDTの電極形成時に加熱工程があるため、加熱したときには、ZnOの方がSiより大きく膨張し、初期状態E(反り発生前)から、C方向に反り、逆に常温に戻した時にはZnOがSiより大きく収縮して、D方向に反ることが知られている。
なお、以降、熱膨張係数としては体膨張係数を示している。
前述したように、弾性表面波素子100が反っている場合、IDT130,140の電極間距離が狙いの距離よりも短くなる、あるいは、弾性表面波の音波の伝播距離が短くなることにより、所望の音速が得られない、即ち、所望の周波数を得ることができないというような課題がある。
また、このような弾性表面波素子100は、ウエハ上に複数一度に形成されるが、前述したように個々の弾性表面波素子100に反りが発生することにより、ウエハ自体も反り、ウエハ状態における特性検査の際に、プローブを外周部に合わせると、中心部の検査ができないというような課題もある。
(実施形態1)
図1は、ウエハ上に形成される本発明に係る弾性表面波素子の配置を示す平面図、図2、図3は、実施形態1に係る弾性表面波素子の平面図、及び断面図である。
図1において、弾性表面波素子10は、ウエハ1に図1に例示したように複数同時に形成される。この状態から、スクライブして単体の弾性表面波素子10が得られる。
続いて、弾性表面波素子10の構成について図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る弾性表面波素子10の構成の1例を示す平面図、図3は、図2のA−A断面を示す断面図である。まず図3において、断面構成を説明する。弾性表面波素子10は、Siからなる基板20の表面にZnOからなる中間層60が形成されている。また、この中間層60の表面にはLiNbO3(ニオブ酸リチウム)からなる圧電体層30が積層形成されている。
さらに、圧電体層の表面には、アルミニウム(Al)からなるIDT40及び反射器50,51が形成されている。
ここで、構成するそれぞれの熱膨張係数は、基板20のSiが3.55×10-6/℃、中間層60のZnOが4.0×10-6/℃、圧電体層30のLiNbO3が15.4×10-6/℃である。圧電体層30の熱膨張係数は、基板20の熱膨張係数の約4倍と大きく、圧電体層30を基板20表面に直接積層する従来技術によれば、圧電体層30をCVD法(Chemical Vapor Deposition)等によって成膜する際、300℃程度の熱が加えられるために、熱膨張係数差によって、弾性表面波素子10が反ってしまう。
そこで、本実施形態では、基板20と圧電体層30との間に中間層60を設けている。中間層60のZnOの熱膨張係数は4.0×10-6/℃であり、三者の熱膨張係数の大きさの関係は、基板20<中間層60<圧電体層30の関係にある。
なお、この基板20<中間層60<圧電体層30の関係を満たす中間層60の材質としては、ZnOの他に、Ba2NaNb515、Ba2Ge2TiO8、Ba2Si2TiO8、Pb5GeO11、CdS、CdSe、ZnS、AlN、GaAS、InSb、InAs、TiO2、PbMoO4、Gd3Ga512、Y31512、Cr等を採用することができる。
なお、圧電体層30の表面には、IDT40及び反射器50,51が形成されるが、これらの電極は櫛歯状に形成されるため反りに対する影響は少ないが、中間層60は、圧電体層30と基板20の熱膨張係数差、及びIDT40と反射器50,51の影響を加味して材質と厚みを、反り量が最小化すべく選択されることが好ましい。
続いて、弾性表面波素子10の平面構成について、図2を参照して説明する。図2において、圧電体層30の表面には、IDT40が形成され、IDT40の両側、即ち弾性表面波が(以降、単に音波と呼称することがある)伝播する方向(図中、X’方向)に反射器50,51が形成されている。
IDT40は、左右に二つのブロックから構成され、一方が入力側IDT、他方が出力側IDTである。IDT40は、櫛歯状電極41と、櫛歯状電極41を接続するバスバー42とから構成されている。また、バスバー42は、図示しない接続用パッドに接続されている。
なお、反射器50,51は必ずしも必要ではなく、省略することができる。この場合、圧電体層30の音波の伝播方向両端の側面が反射壁となる。
従って、前述の実施形態1によれば、基板20と圧電体層30の熱膨張係数が異なるとき、弾性表面波素子10の製造過程で加熱処理され、再び常温に戻された際に、基板20と圧電体層30の間に、それぞれの熱膨張係数の中間の熱膨張係数を有する中間層60を設けることにより、弾性表面波素子10の反り量を抑制し、反りによって生じるIDT40の櫛歯状電極41の電極間距離、及びIDT40と反射器50,51との電極間距離の変化、音波の伝播距離の変化を抑制し、所望の周波数を得ることができる。
また、弾性表面波素子10は、ウエハ1上に複数個同時に形成されるが、前述したように弾性表面波素子10の反りが抑えられているために、ウエハ状態で特性検査等を行う際、ウエハ1の外周部にも、また中心部にも検査用プローブを確実に接続でき、確実に検査を行うことができるというような効果がある。
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について図面を参照して説明する。
図4は、実施形態2に係る弾性表面波素子10を示す断面図である。IDT40及び反射器50,51の平面構成は、前述した実施形態1と同じであるため説明を省略する。図4において、弾性表面波素子10は、Siからなる基板20の表面側に圧電体層30、裏面側に圧電体層31が形成され、表面側の圧電体層30の表面に、実施形態1(図2、参照)で示した平面形状を有するIDT40と反射器50,51が形成されている。
本実施形態では、圧電体層30,31は、LiNbO3からなり、ほぼ同じ厚みで成膜されている。圧電体層30,31はCVD法等の成膜技術によって形成される。この際、約300℃程度の加熱処理がなされる。
なお、圧電体層30,31の厚みは、ほぼ同じ厚みでも良いが、IDT40及び反射器50,51の熱膨張及び収縮の影響を配慮し、音波の伝播に影響のない圧電体層31の厚みを調整する。
また、圧電体層31は、圧電体層30と同じ材質にすることが好ましいが、圧電体層30の熱膨張係数とほぼ同じで、基板20の表裏において、等価的な熱膨張・収縮を振舞う条件を満たせば、特に限定されることはない。
従って、前述した実施形態2によれば、基板20の表裏両面に、熱膨張係数がほぼ同じ圧電体層30,31を形成するため、基板20の両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞い、弾性表面波素子10の反りを抑制することができる。このことによって、IDT40の電極間距離の変化、及びIDT40と反射器50,51との電極間距離の変化、弾性表面波の伝播距離の変化を低減し、所望の周波数を得ることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る弾性表面波素子の構成について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1(図3、参照)における基板20の表面に中間層60と圧電体層30とを積層した構造を、基板20の裏面側にも形成したところに特徴を有している。
図5は、実施形態3に係る弾性表面波素子10の構成を示す断面図である。図5において、Siからなる基板20の表裏両面には、それぞれ中間層60,61が形成され、中間層60,61の表面には、それぞれ圧電体層30,31が形成されている。本実施形態においては、中間層60,61はZnOからなり、また圧電体層30,31はLiNbO3からなる。
一方の圧電体層30の表面には、IDT40及び反射器50,51が形成されている。IDT40及び反射器50,51は、実施形態1(図2、参照)と同じ構成であるので説明を省略する。
実施形態1でも説明したが、基板20のSiの熱膨張係数が3.55×10-6/℃、中間層60,61のZnOが4.0×10-6/℃、圧電体層30,31のLiNbO3が15.4×10-6/℃であり、中間層60,61の材質は、基板20の熱膨張係数<中間層60,61の熱膨張係数<圧電体層30,31の熱膨張係数、という条件を満たす範囲で選択されるとなお好ましい。
本実施形態では、圧電体層30,31は、ほぼ同じ厚みで成膜され、また、中間層60,61も同様にほぼ同じ厚みで、両者ともCVD法等の成膜技術によって形成される。この際、約300℃程度の加熱処理がなされる。
なお、圧電体層30,31の厚みは、ほぼ同じ厚みでも良いが、IDT40及び反射器50,51の熱膨張及び収縮の影響を配慮し、音波の伝播に影響のない圧電体層31の厚みを調整する。
また、圧電体層31は、圧電体層30と同じ材質にすることが好ましいが、圧電体層30の熱膨張係数がほぼ同じで、基板20の表裏において、等価的な熱膨張・収縮を振舞う条件を満たせば、特に限定されることはない。
また、中間層60,61は、圧電体層30と基板20の熱膨張係数差、及びIDT40と反射器50,51の影響を加味して材質と厚みを、反り量を最小化すべく選択されることが好ましい。
従って、前述した実施形態3によれば、基板20の表裏両面に中間層60,61と圧電体層30,31が形成されるので、基板20の表裏両面において、等価的な熱膨張・収縮を振舞い、また、中間層60,61を設けることによって熱膨張、収縮を緩和し、弾性表面波素子10の反りをより一層抑制し、IDT40の電極間距離の変化、及びIDT40と反射器50,51との電極間距離の変化、音波の伝播距離の変化を低減し、このことにより、所望の周波数を得ることができる。
(実施形態4)
続いて、本発明に係る実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4は、前述した実施形態1の技術思想を基本に、圧電体層30に基板20の熱膨張係数よりも小さい材料のダミー領域を形成したところに特徴を有している。
図6、図7は、本実施形態に係る弾性表面波素子10を示し、図6には平面図、図7には図6のA−A断面を示す断面図が示されている。
まず図7において、断面構成を説明する。弾性表面波素子10は、Siからなる基板20の表面にZnOからなる中間層60、この中間層60の表面にLiNbO3からなる圧電体層30が形成されている。また、この圧電体層30の表面には櫛歯状電極を有するAlからなるIDT40と反射器50,51とが形成されている。
圧電体層30には、圧電体層30を貫通して複数のダミー領域70が形成されている。ダミー領域70は、本実施形態では、SiO2(酸化シリコン)で形成されている。
ここで、弾性表面波素子10を構成するそれぞれの熱膨張係数は、基板20のSiが3.55×10-6/℃、中間層60のZnOが4.0×10-6/℃、圧電体層30のLiNbO3が15.4×10-6/℃、ダミー領域70のSiO2が0.55×10-6/℃である。ダミー領域70の熱膨張係数は、基板20の熱膨張係数の約1/8と小さい。
続いて、弾性表面波素子10の平面構成について、図6を参照して説明する。図6において、圧電体層30の表面には、IDT40が形成され、IDT40の両側、即ち音波が伝播する方向(図中、X’方向)に反射器50,51が形成されている。
IDT40は、左右に二つのブロックから構成され、一方が入力側IDT、他方が出力側IDTである。IDT40は、櫛歯状電極41と、櫛歯状電極を接続するバスバー42とから構成されている。また、バスバー42は、図示しない接続用パッドに接続されている。
圧電体層30には所定位置に、図6に示すように複数のダミー領域70が形成されている。ダミー領域70は、圧電体層30に円柱形状に形成され、IDT40及び反射器50,51の外側に配置されている。なお、ダミー領域70は、バスバー42、図示しない接続用パッドにも交差して形成してもよいが、IDT40と反射器50,51の音波伝播範囲には形成されない。
ダミー領域70は、幅方向(Y’方向)は、A−Aを結んだ直線に対して対称、長手方向(X’方向)は、中心線Bに対して対称に配置される。
(実施形態4の実施例)
続いて、本実施形態の実施例を例示する。基板20と圧電体層30との熱膨張係数差を等価的関係にするために、それぞれの熱膨張係数、厚み、面積について具体例をあげて説明する。ダミー領域70をSiO2とし、この面積割合を算出する。
まず、熱膨張係数の関係から以下のように、SiO2の弾性表面波素子10の中の面積割合をα、ZnOの弾性表面波素子10の中の面積割合をβとし、それぞれの割合を決める。
α×SiO2の熱膨張係数+β×ZnOの熱膨張係数=Siの熱膨張係数 (式1)。
これをα+β=1となるように設定する。
次に、基板(Si)20と圧電体層(LiNbO3)30それぞれの厚みに関する係数γから反り補正係数を求める。
γ=LiNbO3の厚み/Siの厚み (式2)。
これらのことから、(式1)と(式2)から得られるαとγの積α×γがダミー領域70の面積である。
実施形態1における各要素の熱膨張係数を、SiO2は0.55×10-6/℃、LiNbO3が15.4×10-6/℃、Siは3.55×10-6/℃とし、(式1)にこの値を代入する。
α×0.55×10-6+(1−α)×15.4×10-6=3.55×10-6の計算式が得られる。
この計算式からα=0.8が求められる。
ここで、基板20の厚みを300μm、圧電体層30の厚みを3μmに設定すると、γ=3/300=1/100となる。
従って、α×γ=0.8/100=0.8%となり、SiO2の弾性表面波素子10の中の面積割合αは、0.8%に設定することで、基板20と圧電体層30との熱膨張係数差の等価的関係が得られる。
このことから、図6において示したダミー領域70の面積総和が、弾性表面波素子10
のIDT40が形成される表面の面積の0.8%となるように、個々のダミー領域の面積
と数が設定される。言い換えれば、基板の熱膨張係数をA(/℃)、中間層の熱膨張係数をB(/℃)、ダミー領域の熱膨張係数をC(/℃)とし、基板の厚みをT1(μm)、圧電体層の厚みをT2(μm)としたとき、圧電体層の表面積(IDT形成面)に対するダミー領域の表面積の総和の割合X(%)は、X=(T2×(A―B))/(T1×(C−B))で表される。

なお、前述の実施形態4では、ダミー領域70にSiO2を採用しているが、SiO2に限らず基板20の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する材料から選択することができる。
また、前述の実施形態4では、圧電体層30にダミー領域70を設けたが、中間層60、または圧電体層30と中間層60との両方に設けることができる。このような場合においても、前述した計算式から、熱膨張・収縮が等価的になるような面積を求め、音波の伝播に影響を与えない範囲に設けることができる。
なお、ダミー領域70は、図6に示すように平面形状を円形にするほか、三角形、矩形等任意に選択することができる。また、個々のダミー領域70を連続して溝形状にすることもできる。
従って、前述した実施形態4によれば、圧電体層30に、この圧電体層30と基板20とが等価的な熱膨張・収縮を振舞うように、基板20の熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さい材料でダミー領域70を圧電体層30に設けているため、製造工程中に加熱され、再び常温に戻したときに弾性表面波素子が反ることがなく、所望のIDT電極間距離と、弾性表面波の伝播距離を保持することから、所望の弾性表面波の音速を得ることができ、このことから所定の周波数を得ることができるという効果がある。
また、圧電体層30と基板20との間に、中間層を設けているため、熱膨張・収縮による反り量をさらに低減することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態3では、基板20の表裏両面に中間層60,61を設けているが、中間層60,61は、どちらか一方だけ設けることができる。
さらに、実施形態4によるダミー領域70を設ける構造の考え方を、実施形態2及び実施形態3にも適用することができ、このようにすれば、より一層、弾性表面波素子10の反りを抑制することができる。
従って、前述の実施形態1〜4によれば、弾性表面波素子10の反りをなくし、所望のIDT電極間距離と弾性表面波の伝播距離を保持し、且つ、所望の音波の音速を得ることができ、このことによって所望の周波数を得ることができる弾性表面波素子10を提供することができる。
本発明に係るウエハ上に形成される弾性表面波素子の配置を示す平面図。 本発明の実施形態1に係る弾性表面波素子の構成を示す平面図。 本発明の実施形態1に係る弾性表面波素子の構成を示す断面図。 本発明の実施形態2に係る弾性表面波素子の構成を示す断面図。 本発明の実施形態3に係る弾性表面波素子の構成を示す断面図。 本発明の実施形態4に係る弾性表面波素子の構成を示す平面図。 本発明の実施形態4に係る弾性表面波素子の構成を示す断面図。 従来技術による弾性表面波素子の断面形状を示す説明図。
符号の説明
1…ウエハ、10…弾性表面波素子、20…基板、30…圧電体層、40…IDT、60…中間層。

Claims (3)

  1. 基板の表面側に圧電体層を形成し、前記圧電体層の表面に櫛歯状電極と該櫛歯状電極を接続するバスバーとを有するIDTを形成した弾性表面波素子であって、
    前記基板と前記圧電体層との間に中間層を設け、
    前記基板の熱膨張係数<前記中間層の熱膨張係数<前記圧電体層の熱膨張係数、となる条件を満たし、
    前記圧電体層または前記中間層には、前記基板の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有するダミー領域が設けられ、
    前記ダミー領域は、前記櫛歯状電極の形成領域の外側に形成され、且つ、前記圧電体層または前記中間層に埋め込まれて形成されたことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 請求項1に記載の弾性表面波素子であって、
    前記ダミー領域は、前記圧電体層に設けられ、
    前記基板の熱膨張係数をA(/℃)、前記中間層の熱膨張係数をB(/℃)、前記ダミー領域の熱膨張係数をC(/℃)とし、前記基板の厚みをT1(μm)、前記圧電体層の厚みをT2(μm)としたとき、前記圧電体層の表面積に対する前記ダミー領域の表面積の総和の割合X(%)は、
    X=(T2×(A―B))/(T1×(C−B))
    であることを特徴とする弾性表面波素子。
  3. 請求項1または2に記載の弾性表面波素子であって、
    前記ダミー領域は、平面視で、前記基板の第1方向および該第1方向と直交する第2方向の両方に対し線対称に形成されたことを特徴とする弾性表面波素子。
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