JP2009124583A - 圧電振動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電薄膜を用いた圧電振動装置であって、圧電振動部の反りが生じ難い圧電振動装置を提供する。
【解決手段】圧電薄膜4を有する圧電振動部3が基体2の上面から浮かされて配置されており、該圧電振動部3において、圧電薄膜4に積層されている、圧電薄膜以外の材料からなる付加膜8を有し、該付加膜8が、圧電薄膜4に積層されていない部分である非被覆部8cを有する、圧電振動装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、発振子や帯域フィルタなどに用いられる圧電振動装置に関し、より詳細には、圧電薄膜に他の膜が積層された構造を有する圧電振動部を備える圧電振動装置に関する。
従来、圧電振動装置の小型化、特に薄型化を図るために圧電薄膜を利用した圧電振動装置が提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、図13に模式的正面断面図で示す圧電振動装置1001が開示されている。圧電振動装置1001では、基板1002上に浮かされた状態で圧電振動部1003が配置されている。圧電振動部1003は、圧電薄膜1004を有する。圧電薄膜1004の下面に下部電極1005が積層されており、圧電薄膜1004の上面に上部電極1006が積層されている。下部電極1005と上部電極1006とが圧電薄膜1004を介して重なり合っている部分が駆動部であり、該駆動部に交流電界を印加することにより、圧電振動部1003が振動する。また、圧電振動装置1001では、下部電極1005を覆うように圧電薄膜1004の下面に付加膜1009が積層されている。上面側においても、上部電極1006及び圧電薄膜1004を覆うように付加膜1010が積層されている。
圧電振動部1003は、基板1002の上面からギャップAを隔てて浮かされている。圧電振動部1003は矩形の平面形状を有し、拡がり振動モード、長さ振動モードまたは幅振動モードなどの輪郭振動モードで励振される。この振動モードの振動のノード点において圧電振動部1003に支持部1007,1008が連ねられている。ここでは、支持部1007,1008の一端は基板1002に固定されている。支持部1007,1008は、上記圧電薄膜1004、下部電極1005または上部電極1006及び付加膜1009,1010を延長することにより形成されている。
付加膜1009,1010は、圧電薄膜1004を保護する絶縁性材料を用いて形成されてもよく、あるいは温度補償作用を果たす材料により形成されてもよい旨が示されている。
WO2007/088696A1
特許文献1に記載の圧電振動装置1001では、圧電振動部1003が、0.5〜5.0μm程度の厚みの圧電薄膜1004を有するため、また上記輪郭振動を利用しているため、平面形状が正方形の圧電板を用いた拡がり振動モードを利用する場合よりも低周波数域で用いることができるとされている。
また、付加膜1009,1010により、例えば、周波数温度特性などを補償したり、周波数調整を行ったりすることができるとされている。
圧電振動部1003においては、圧電薄膜1004を含む積層膜が基板1002の上面から空隙Aを隔てて浮かされている。製造に際しては、犠牲層を形成した後に、犠牲層を覆うように圧電薄膜を含む部分を形成し、最後に犠牲層を除去することにより、上記空隙Aが形成されている。
しかしながら、上記犠牲層を除去した後に、付加膜1009,1010と圧電薄膜1004との膜応力が異なるため、圧電振動部1003が反ることがあった。その結果、矩形の平面形状の圧電振動部の中央が上方に凸になるように反った場合、圧電振動部のコーナ部が基板1002の上面に接触することがあった。そのため、所望とする共振特性やフィルタ特性などを得ることができないことがあった。
また、逆に、圧電振動部の中央が下方に凸になるように反った場合も、所望とする共振特性やフィルタ特性などを得ることができないことがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、圧電振動部の少なくとも片面に圧電薄膜以外の材料からなる膜が積層されている圧電振動部を有し、しかも、上記膜の積層による圧電振動部における反りが生じ難く、従って所望とする共振特性やフィルタ特性などの振動特性を得ることを可能とする圧電振動装置を提供することにある。
本発明に係る圧電振動装置は、基体と、前記基体の表面から浮かされて配置された圧電振動部と、前記圧電振動部に一端が連結されており、他端が前記基体に連結されている支持部とを備え、前記圧電振動部が、圧電薄膜と、圧電薄膜の少なくとも一方面に積層された付加膜とを有し、該付加膜が、圧電薄膜に膜が積層されていない非被覆部を有するように設けられていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動装置において、上記圧電振動部は、圧電薄膜を用いて構成されている限り、特に限定されるわけではないが、本発明のある特定の局面では、前記圧電振動部が、前記圧電薄膜の一方面に形成された第1の振動電極と、前記圧電薄膜の他方面に形成されており、前記第1の振動電極と圧電薄膜を介して重なり合うように配置された第2の振動電極とをさらに有し、前記第1,第2の振動電極が圧電薄膜を介して重なり合わされている部分において駆動部が構成されており、前記駆動部が励振された際に、該駆動部を含む前記圧電振動部が振動するように構成されている。この場合、圧電薄膜の一方面に第1の振動電極を、他方面に第2の振動電極を形成するだけで、すなわち第1の振動電極−圧電薄膜−第2の振動電極の積層構造を形成するだけで、圧電振動部を形成することができる。
また、好ましくは、圧電振動部において、上記付加膜として、第1,第2の振動電極以外の膜が形成される。第1,第2の振動電極は、通常圧電薄膜と比べて非常に薄く、第1,第2の振動電極による膜応力は無視し得る程度の大きさである。従って、付加膜として、第1,第2の振動電極以外の膜が形成されている場合、該付加膜に非被覆部を設けられているので、本発明に従って圧電振動部の反りを低減することができる。
本発明において用いられる振動モードは特に限定されないが、好ましくは、圧電振動部における面振動モードが利用され、該面振動モードを利用するように圧電振動部が構成される。面振動モードとしては、幅振動、長さ振動または拡がり振動のような輪郭振動を挙げることができ、圧電振動の圧電薄膜面に沿う振動が利用される。この場合、圧電振動装置の薄型化を図ることができる。
圧電振動部においては、1つの上記非被覆部が形成されていてもよいが、好ましくは、1つの上記付加膜に複数形成されている。1つの上記付加膜に非被覆部が複数形成されている場合には、上記付加膜の膜応力と、圧電薄膜の膜応力とをより一層近づけることができると共に、圧電振動部の全領域に渡り膜応力差を小さくすることが可能となる。
好ましくは、圧電薄膜の一方面側に上記付加膜が形成され、その場合には、非被覆部を容易に形成することができる。もっとも、圧電薄膜の他方面側にも、上記付加膜を形成してもよい。圧電薄膜の両面において、付加膜を形成した場合には、膜応力差による圧電振動部の反りをより効果的に低減することができる。
本発明においては、好ましくは、前記圧電振動部において利用される振動の伝搬方向に沿う前記非被覆部の寸法が該振動の波長の1/3以下である。この場合には、圧電振動部の反りをより効果的に低減することができる。
上記非被覆部の平面形状については特に限定されない。スリット状の非被覆部が設けられてもよく、または複数の矩形の非被覆部が千鳥状に配置されていてもよい。また、複数の非被覆部が等間隔に配置されていることが好ましく、それによって、圧電振動部における圧電薄膜の膜応力と、上記付加膜の膜応力との差を圧電振動部のより広い領域において近づけることができる。
本発明に係る圧電振動装置では、上記非被覆部を有する付加膜が設けられているので、圧電薄膜の膜応力と、該付加膜の膜応力との差による影響を軽減することができる。そのため、圧電振動部の反りを抑制することができ、所望とする共振特性やフィルタ特性を確実に得ることが可能となる。
また、上記付加膜の材料や質量、並びに非被覆部の形状、数及び配置パターンを調整することにより、周波数調整を行うこともできる。
また、上記非被覆部の数、面積及び配置パターンを調整することにより、温度補償作用を調整することも可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電振動装置の模式的平面図であり、図2〜図4は図1中のB−B線及びC−C線及びD−D線に沿う各断面図である。
圧電振動装置1は、基体2を有する。基体2は、高抵抗シリコン、絶縁性セラミックスまたは合成樹脂などの適宜の絶縁性材料からなる。基体2の上面から浮かされて、圧電振動部3が設けられている。
上記のように、圧電振動装置1では、圧電振動部3は、基体2の上面から浮かされた状態で設けられている。より具体的には、圧電振動部3は、圧電薄膜4の上面側及び下面側に電極を積層した構造を有する。圧電薄膜4は、AlNからなる。もっとも、圧電薄膜4を形成するための圧電材料としては、特に限定されない。例えば、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス(PZT系セラミックス)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、水晶などを挙げることができる。
圧電薄膜4は、少なくとも圧電振動部3において、厚み方向に分極軸が一様に備えられている。
圧電薄膜4の下面側には、第1の振動電極5が形成されている。圧電薄膜4の上面には、第2の振動電極6が形成されている。第1の振動電極5と第2の振動電極6とが圧電薄膜4を介して重なり合っている部分が駆動部である。駆動部とは、第1,第2の振動電極5,6から交流電圧を印加した際に、圧電薄膜4に電界が印加されて圧電効果により駆動される部分である。なお、圧電振動部3は、上記駆動部よりも大きな領域であり、駆動部が駆動された結果、面振動モードで振動する部分をいうものとする。
上記圧電振動部3は、矩形の平面形状を有し、本実施形態では、面振動モードとして該矩形の圧電振動部3の拡がりモードが利用される。すなわち、拡がりモードによる共振特性を得ることができるように、上記圧電振動部3の平面形状、上記駆動部の平面形状並びに圧電薄膜4の分極構造が決定されている。
上記圧電薄膜4の下面側には、付加膜7が積層されている。また、圧電薄膜4の上面側においても第2の振動電極6及び圧電薄膜4を被覆するように、付加膜8が積層されている。なお、図1では、付加膜8が形成されている領域をハッチングを付して明らかにしておく。
図1〜図4では、付加膜8は単一の材料層として図示されているが、本実施形態では、実際には、図5に示すように、付加膜8は、AlN膜8aと、AlN膜8a上に積層されたSiO膜8bとを積層した2層構造の積層膜からなる。圧電薄膜4は、AlNからなり、第1,第2の振動電極5,6は、Pt膜からなる。また、下方の付加膜7は、SiOからなる。
なお、膜厚は以下の通りである。
圧電薄膜4:1.6μm
第1,第2の振動電極5,6:0.1μmのPt膜
付加膜8:AlN8a=0.8μm+SiO膜8b=3.3μm
付加膜7:1.7μmのSiO
また、本実施形態では、図1に示すように、上記付加膜8は、スリット状の非被覆部8cを有する。言い換えれば、付加膜8には、圧電薄膜4を被覆していないスリット状の非被覆部8cが形成されており、該非被覆部8cでは、付加膜8を構成する材料は存在しない。
本実施形態では、スパッタリング後、ペーストパターニングし、反応性イオンエッチング等により、上記非被覆部8cを有するように付加膜8がパターニングされている。反応型イオンエッチングでは、エッチング中に、炭素、水素または酸素を主成分とする反応生成物が圧電振動装置の表面や端面に付着することがある。付着したこのような反応生成物は、共振特性を劣化させるおそれがあるため、除去することが望ましい。反応性イオンエッチングを行った後には、フォトレジストなどのエッチングマスクを適宜の溶媒により除去する。
もっとも、反応性イオンエッチングに代えて、酸素プラズマを用いたドライエッチングにより、付加膜8のパターニングを行ってもよい。また、付加膜8に非被覆部8cを設けるに際しては、フォトリソグラフィー法以外の方法、例えばレーザやイオンビームによりトリミングする方法を用いてもよい。非被覆部8cを除いた領域において上記付加膜8が圧電薄膜4及び第2の振動電極6に積層されている。
なお、本発明においては、圧電薄膜に積層される膜は、上記付加膜8のように複数の膜を積層してなる積層膜であってもよい。すなわち、本発明における非被覆部が形成される付加膜とは、1層の膜である必要は必ずしもなく、複数の膜を積層してなる積層膜であってもよい。
本実施形態の特徴は、上記非被覆部8cが設けられていることにより、付加膜8と圧電薄膜4との膜応力差が小さくなり、それによって、圧電振動部3の反りが生じ難くされていることにある。これを、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、第1の膜51と第2の膜52とが積層されている積層膜53における反りを説明するための模式的斜視図である。第1の膜51と第2の膜52とがスパッタなどの薄膜形成法により形成され、積層されると、第1,第2の膜51,52はそれぞれ膜応力を有する。
なお、スパッタリングに限らず、蒸着などの他の薄膜形成方法により形成した場合でも、形成された薄膜はその材料及び成膜条件に応じた膜応力を有する。膜51,52の膜応力が、同じでない場合には、上記のように、積層膜53が反ることとなる。この膜応力は、圧縮応力であってもよく、引張応力であってもよい。下側に位置している膜51が上側に位置している膜52に対して相対的に引張性である場合には、積層膜53は、図6に示したように、上方に凸となるように反ることとなる。逆に、下方に位置する膜51が上方に位置する膜52に対して相対的に圧縮性である場合には、積層膜53は下方に凸になるように反ることとなる。
すなわち、上側に位置する膜52の膜応力−(下方に位置する膜応力)が負の場合、図6に示したように反ることとなり、正の値の場合には、中央は下方に凸となるように反ることとなる。そして、反りの大きさ自体は(膜52の膜応力)−(膜51の膜応力)の絶対値に依存することとなる。
従って、圧電振動部3において、例えば付加膜8の膜応力が圧電薄膜4の膜応力よりもさらに大きい圧縮応力である場合、図6に模式的示したような反りが生じ、矩形の平面形状を有する圧電振動部3のコーナ部が基体2の上面に接触するおそれがある。そのため、圧電振動装置1における振動特性が劣化するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、上記スリット状の非被覆部8cが形成されている。この非被覆部8cの作用を、図7の模式図を参照して説明する。
図7は、膜51上に、スリット状の非被覆部54aを除いて膜54が形成されている積層膜55を示す斜視図である。この積層膜55では、膜51の圧縮応力に対し、膜54の膜応力が大きかったとしても、非被覆部54aが設けられているため、膜51と膜54による膜応力の差が小さくなる。そのため、積層膜55では、図6に示す積層膜53に比べて膜応力差による反りを抑制することができる。
本実施形態の圧電振動装置1では、上記のようにSiO膜8bを有する付加膜8に非被覆部8cが設けられているため、膜応力差による圧電振動部3の反りを抑制することができる。より具体的には、SiO膜をスパッタリングにより形成した場合、−200〜−100MPaの膜応力を有する。これに対して、AlN膜をスパッタリングにより形成した場合0〜−100MPaの膜応力を有する。すなわち、SiOからなる薄膜の膜応力は、その絶対値が、AlNからなる薄膜に比べて大きい。そのため、AlNからなる圧電薄膜4上に、SiO膜8bを含む付加膜8を積層した場合、圧電振動部3が上方に凸となるように反りがちとなる。
すなわち、付加膜8aがAlNからなるものの、AlN膜8aの厚みは0.8μmと、SiO膜8bの厚みに比べかなり薄いため、付加膜8全体の膜応力は、圧電薄膜4の膜応力よりもその絶対値が大きくなる。そのため、圧電振動部3では、中央が上方に凸となるように反りがちとなる。
しかしながら、上記非被覆部8cが設けられていることにより、圧電薄膜4と、付加膜8との膜応力の絶対値の差が小さくなり、上記反りを抑制することができる。
なお、本発明において、上記非被覆部は適宜の平面形状を有するように形成され得る。例えば、図8に示すように、上記実施形態と同様に、スリット状の非被覆部8dを付加膜8に形成してもよい。図8〜図11では、非被覆部の形状の把握を容易とするために、非被覆部については、ハッチングを付さず付加膜8を構成している材料が存在する部分については斜線のハッチングを付して示すこととする。
図9に示す変形例では、矩形の付加膜形成領域と、複数の矩形の非被覆部8eとが千鳥状に配置されている。
また、図10に示す変形例では、スリット状の平行に延びる複数の非被覆部8fを介して帯状の付加膜形成部分が平行に延ばされている。また、図11では、付加膜形成領域が格子状に区切られている。任意の格子が非被覆部領域8gとされており、残りの格子に薄膜形成材料が残存している。
上記のように、付加膜に形成される非被覆部の平面形状は適宜変形され得るが、好ましくは、圧電振動部の反りを抑制する上では、図9に示す複数の矩形の非被覆部8aが千鳥状に配置されている構成が望ましい。もっとも、付加膜8が温度補償機能を有するSiO膜8bを有する場合、SiO膜8bの面積が小さくなると、温度補償機能が損なわれるおそれがある。従って、反りの抑制と温度補償機能の両立を図るには、図8に示すようにスリット状の非被覆部8dを設けることが望ましい。
また、好ましくは、圧電振動部において利用する振動が伝搬する方向における非被覆部の寸法を、利用する振動の波長の1/3以下、より好ましくは1/20以下とすることが望ましい。波長に対する音速不連続部分の寸法が小さくなることにより、伝搬する振動による波の散乱による損失が小さくなる。そのため、上記非被覆部を設けた振動特性の劣化を抑制する効果がより大きくなる。
なお、上記実施形態では、圧電薄膜4の上面側の付加膜8に非被覆部8cが設けられていたが、図12に示す変形例のように、圧電薄膜4の下面側に設けられた付加膜7にも非被覆部7aを設けてもよい。また、下面側にのみ付加膜7を形成してもよい。
本発明は、圧電薄膜と、圧電薄膜に積層される膜との膜応力差の絶対値を小さくすることにより、上記反りを抑制したことに特徴を有する。従って、圧電薄膜に積層される付加膜は、1層の膜である必要は必ずしもない。付加膜8のように複数の膜を積層した構造であってもよく、その場合、非被覆部は、全ての膜に設けられていることが望ましいが、少なくとも1層の膜に設けられてさえおればよい。
加えて、上記圧電薄膜以外の材料としては、SiOに限定されず、SiNや他の適宜の絶縁性材料、半導体材料などを用いることができる。また、上記非被覆部が形成される膜は、圧電薄膜4を保護する保護膜であってもよく、温度補償を果たす温度補償膜であってもよい。SiOは、AlNなどの圧電薄膜と周波数温度係数の極性が異なるため、圧電振動装置1においては、付加膜7,8の積層により、圧電薄膜4の温度特性が補償される。
なお、上記圧電薄膜4に積層される少なくとも1層の膜は、その材料及び質量等によって、周波数を調整する作用を有するものであってもよい。
特に、本発明では、上記少なくとも1層の膜に非被覆部が設けられるため、非被覆部の形状、面積、及び配置パターンを調整することにより、周波数調整作用を高精度に制御することができる。同様に、温度特性調整のための温度補償膜が少なくとも1層の膜である場合にも、上記非被覆部の数、形状、及び配置パターンを調整することにより、温度補償を高精度に調整することができる。
本発明の一実施形態の圧電振動装置の模式的平面図である。 図1のB−B線に沿う模式的断面図である。 図1のC−C線に沿う模式的断面図である。 図1のD−D線に沿う模式的断面図である。 第1の実施形態における圧電振動部の積層構造の詳細を説明するための模式的断面図である。 膜応力が異なる2つの膜が積層されている積層膜における反りを説明するための模式的斜視図である。 非被覆部が設けられている膜を有する積層膜における膜応力関係を模式的に説明するための斜視図である。 本発明における非被覆部の形状の変形例を説明するための模式的平面図である。 本発明における非被覆部の形状の他の変形例を説明するための模式的平面図である。 本発明における非被覆部の形状のさらに他の変形例を説明するための模式的平面図である。 本発明における非被覆部の形状のさらに別の変形例を説明するための模式的平面図である。 本発明における圧電振動装置の変形例であって、圧電薄膜の両面に設けられた膜にそれぞれ非被覆部が形成されている領域を示す模式的部分切欠正面断面図である。 従来の圧電振動装置を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
1…圧電振動装置
2…基体
3…圧電振動部
4…圧電薄膜
5…第1の振動電極
6…第2の振動電極
7…付加膜
8…付加膜
8a…AlN膜
8b…SiO
9,10…支持部
8c…非被覆部
8d〜8g…非被覆部
51…膜
52…膜
53…積層膜
54…膜
54a…非被覆部
55…積層膜

Claims (11)

  1. 基体と、
    前記基体の表面から浮かされて配置された圧電振動部と、
    前記圧電振動部に一端が連結されており、他端が前記基体に連結されている支持部とを備え、
    前記圧電振動部が、圧電薄膜と、圧電薄膜の少なくとも一方面に積層された付加膜とを有し、該付加膜が、圧電薄膜に膜が積層されていない非被覆部を有するように設けられていることを特徴とする、圧電振動装置。
  2. 前記圧電振動部が、前記圧電薄膜の一方面に形成された第1の振動電極と、前記圧電薄膜の他方面に形成されており、前記第1の振動電極と圧電薄膜を介して重なり合うように配置された第2の振動電極とをさらに有し、
    前記第1,第2の振動電極が圧電薄膜を介して重なり合わされている部分において駆動部が構成されており、前記駆動部が励振された際に、該駆動部を含む前記圧電振動部が振動するように構成されている、請求項1に記載の圧電振動装置。
  3. 前記圧電振動部において、前記付加膜として、前記第1,第2の振動電極以外の膜が形成されている、請求項2に記載の圧電振動装置。
  4. 前記圧電振動部における面振動モードを利用するように、前記圧電振動部が構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  5. 前記非被覆部が複数形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  6. 前記圧電薄膜の一方面側に前記付加膜が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  7. 前記圧電薄膜の他方面側にも、前記付加膜が形成されている、請求項6に記載の圧電振動装置。
  8. 前記圧電振動部において利用される振動の伝搬方向に沿う前記非被覆部の寸法が該振動の波長の1/3以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  9. 前記非被覆部の平面形状がスリット状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  10. 前記非被覆部として、複数の矩形の非被覆部が千鳥状に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
  11. 前記複数の非被覆部が等間隔に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電振動装置。
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